JP2017179895A - ガラスパネル用の端部保持部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】グレチャンなどの端部保持部材を用いてガラスパネルの外周端部をより好適に保持することを可能にしたガラスパネル用の端部保持部材を提供する。【解決手段】障子のガラスパネル6の外周端部に取り付けられ、ガラスパネル6の外周端部とともに框3の一対の側壁部15の間の係合凹部16に嵌合させて、ガラスパネル6の外周端部を框3の係合凹部16に保持させるためのガラスパネル用の端部保持部材Bであって、内面から突設され、係合凹部16に嵌合させた状態でガラスパネル6に先端部が圧着してガラスパネル6を保持する圧着用ヒレ部25と、内面から突設されるとともに、ガラスパネル6に引き抜けが生じて圧着用ヒレ部25が弾性変形するとともに接触するように圧着用ヒレ部25に近接配置された逆向き変形防止用ヒレ部27とを備えて形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、グレイジングチャンネルやビードなどのガラスパネル用の端部保持部材に関する。
従来、住宅などの建物には、引違い窓、上げ下げ窓、FIX窓(はめ殺し窓)、外開き窓、内倒し窓、折りたたみ窓、回転窓などのそれぞれ開閉方式や機能が異なる各種サッシ窓が用いられている。
また、例えば、引違い窓のサッシ窓は、建物の開口部の外周縁に枠体が固設され、開口部を開閉するように、枠体内に2枚の障子をそれぞれ左右方向にスライド移動可能に納めて構成されている。
また、各障子は、アルミ形材や樹脂形材を用いて形成された上框と下框と左右の縦框(一方の縦框は召し合せ框)からなる方形枠状の框と、框の内部に納められるガラスパネルとを備えて形成されている。
また、各障子は、障子の上框に断面凹部形状の案内溝が形成され、枠体の上枠に形成された上部レールに案内溝を係合させて配設されている。さらに、下框に戸車が収納され、枠体の下枠に設けられた断面凸状の下部レール上に下框及び戸車を係合させて配設されている。これにより、障子は、枠体の上部レール及び下部レースに案内されて左右方向にスライド移動可能に設けられている。
一方、障子は、各框(上框、下框、左右の縦框)が断面略コ字状に形成され、その内周に配設された係合凹部にガラスパネルの外周端部をそれぞれ係合保持させて構成される。このとき、ガラスパネルの外周端部に、樹脂製で断面略コ字状に形成されたグレチャン(グレイジングチャンネル)を嵌め合わせて取り付けておき、グレチャンを各框の係合凹部に押し込んで嵌め合わせ、このグレチャンによってガラスパネルの外周端部を各框に係合保持させるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
グレチャンAは、例えば図6に示すように、一対の側部1と一対の側部1の下端同士を繋ぐ底部2とを備えて断面略コ字状に形成されている。また、各側部1がその上端側に框3の内面に沿って密着する平行部4と、平行部4から底部2に向かうに従い漸次内側に傾斜するテーパー部5とを備え、グレチャンAは、下端側の幅T1が上端側よりも小となる略コ字状に形成されている。
側部1の上端には、幅方向T1外側に突出し、係合凹部を形成する框3の側壁部15の端部に当接してグレチャンAひいてはガラスパネル6が框3の内部に陥没することを防止するためのリブ部7と、幅方向T1内側に突出し、突出した先端がガラスパネル6に当接することによって封止する(止水性を発揮する)リップ部8とが設けられている。
さらに、側部1には、リップ部8の下方の平行部4の内面から内側に突出し、ガラスパネル6に当接/圧着してガラスパネル6を保持する内側ヒレ部9と、リブ部7よりも下方の外面から外側に突出し、框3の側壁部15の内面に形成された段部10に当接/係合する外側ヒレ部11とを備えて形成されている。
特開平09−328969号公報
一方、上記従来のグレチャンAを用いて框にガラスパネル6を係合保持させる場合には、グレチャンAの一対の側部1の平行部4の内面から突出して対峙する一対のヒレ部9が回転しつつ反発することによって保持力を発揮する(図7参照)。
しかしながら、このグレチャンAにおいては、ガラスパネル6が引き抜ける方向に動くとき、ヒレ部9とガラスパネル6の接点/圧着位置が動かず、最終的にヒレ部9が図7に示すように逆向きに曲がってしまい、これにより、ヒレ部9によるガラスパネル6を保持する力が喪失してその後のガラスパネル6の引き抜けが生じやすくなるという問題があった。
なお、例えばヒレ部9の太さを太くして保持力を大きくすることによって引き抜けに対応することも考えられるが、この場合には、ガラスパネル6の外周端部をグレチャンAの内部に投入して嵌合させる際の投入力が大きくなり、施工性が悪くなってしまう。
本発明は、上記事情に鑑み、グレチャンなどの端部保持部材を用いてガラスパネルの外周端部をより好適に保持することを可能にしたガラスパネル用の端部保持部材を提供することを目的とする。
上記の目的を達するために、この発明は以下の手段を提供している。
本発明のガラスパネル用の端部保持部材は、障子のガラスパネルの外周端部に取り付けられ、前記ガラスパネルの外周端部とともに框の一対の側壁部の間の係合凹部に嵌合させて、前記ガラスパネルの外周端部を前記框の係合凹部に保持させるためのガラスパネル用の端部保持部材であって、内面から突設され、前記係合凹部に嵌合させた状態で前記ガラスパネルに先端部が圧着して前記ガラスパネルを保持する圧着用ヒレ部と、内面から突設されるとともに、前記ガラスパネルに引き抜けが生じて前記圧着用ヒレ部が弾性変形するとともに接触するように前記圧着用ヒレ部に近接配置された逆向き変形防止用ヒレ部とを備えて形成されていることを特徴とする。
また、本発明のガラスパネル用の端部保持部材においては、前記圧着用ヒレ部が先端部に前記逆向き変形防止用ヒレ部側に突出する突起部を備えて形成されていることが望ましい。
さらに、本発明のガラスパネル用の端部保持部材においては、前記圧着用ヒレ部が前記内面に繋がる基端側に厚さを小にする切欠き部を備えて形成されていることがより望ましい。
本発明のガラスパネル用の端部保持部材は、障子のガラスパネルの外周端部に取り付けられ、前記ガラスパネルの外周端部とともに框の一対の側壁部の間の係合凹部に嵌合させて、前記ガラスパネルの外周端部を前記框の係合凹部に保持させるためのガラスパネル用の端部保持部材であって、内面から突設され、前記係合凹部に嵌合させた状態で前記ガラスパネルに先端部が圧着して前記ガラスパネルを保持する圧着用ヒレ部と、前記框の係合凹部に係合させた状態で、前記圧着用ヒレ部よりも前記係合凹部の底部側に配されるとともに内面から突設された側部回転防止用ヒレ部を備えることを特徴とする。
また、本発明のガラスパネル用の端部保持部材においては、前記ガラスパネルに引抜力が生じていない状態で、前記逆向き変形防止用ヒレ部及び/又は前記側部回転防止用ヒレ部が前記ガラスパネルに接触しないように形成されていることが望ましい。
さらに、本発明のガラスパネル用の端部保持部材においては、前記側部回転防止用ヒレ部と反対側に対峙するように前記端部保持部材の外面から外側に突設され、前記框の側壁部に形成された段部に係合する位置決め保持用ヒレ部を備えていることがより望ましい。
本発明のガラスパネル用の端部保持部材によれば、ガラスパネルの外周端部への取付け性、及び框の係合凹部などへの取付けの施工性を維持しつつ、ガラスパネルの引き抜けを確実に防止でき、ガラスパネルの保持性能を向上させることが可能になる。
本発明の一実施形態に係るグレイジングチャンネル(ガラスパネル用の端部保持部材)を示す図である。 本発明の一実施形態に係るグレイジングチャンネル(ガラスパネル用の端部保持部材)を取り付けたガラスパネルを框の係合凹部に嵌合させている状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係るグレイジングチャンネル(ガラスパネル用の端部保持部材)を取り付けたガラスパネルが框の係合凹部から引き抜けるように動いたときの状態を示す図である。 本発明の一実施形態に係るグレイジングチャンネル(ガラスパネル用の端部保持部材)の変更例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るビード(ガラスパネル用の端部保持部材)を示す図である。 従来のグレイジングチャンネル(ガラスパネル用の端部保持部材)を示す図である。 従来のグレイジングチャンネル(ガラスパネル用の端部保持部材)を取り付けたガラスパネルが框の係合凹部から引き抜けるように動いたときの状態を示す図である。
以下、図1から図5を参照し、本発明の一実施形態に係るガラスパネル用の端部保持部材について説明する。ここで、本実施形態では、本発明に係るガラスパネル用の端部保持部材がグレイジングチャンネル(以下、グレチャンという)であるものとして説明を行う。
はじめに、本実施形態のグレチャンBは、図1に示すように、サッシ窓のガラスパネル6を保持するために設けられている。そして、本実施形態のサッシ窓は、例えば引違い窓であり、上框、下框3a、一方の縦框、他方の縦框(召し合せ框)からなる框3と、框3に外周端を保持されて窓面を形成するガラスパネル(障子)6とを備えて構成されている。
なお、本実施形態のグレチャンBは、引違い窓の他に、上げ下げ窓、FIX窓(はめ殺し窓)、外開き窓、内倒し窓、折りたたみ窓、回転窓などのそれぞれ開閉方式や機能が異なる各種サッシ窓にも勿論適用可能である。
本実施形態の框3は、アルミ形材や樹脂形材を用い、中空構造で形成されるとともに、断面略コ字状に形成され、その内周側に一対の側壁部15で形成された係合凹部16を備えて形成されている。また、各側壁部15は、下端部側と上端部側の間の内面に段部10が設けられ、この段部10を境にした上端部側の厚さが下端部側よりも大となるようにして形成されている。
そして、このように構成した框3には、係合凹部16にガラスパネル6の外周端部が係合して取り付けられる。また、このとき、ガラスパネル6の外周端部にグレチャンBが嵌合して取り付けられ、グレチャンBを係合凹部16に嵌め込むことにより、グレチャンBを介してガラスパネル6の外周端部を各框3に係合保持させるように構成されている。
一方、本実施形態のグレチャンBは、樹脂製であり、一対の側部19と一対の側部19の下端同士を繋ぐ底部17とを備えて断面略コ字状に形成されている。
このグレチャンBは、各側部19が上端側に框3の内面に沿って密着する平行部18と、平行部18から底部17に向かうに従い漸次内側に傾斜するテーパー部20を備え、テーパー部20が設けられた下端側の幅(幅方向T1)が、平行部18が設けられた上端側の幅よりも小となるように形成されている。ちなみに、テーパー部20は、グレチャンAを框3の係合凹部16に入れやすくして施工性を高めるために設けられている。
さらに、各側部19の上端には、幅方向T1外側に突出し、框3の係合凹部16を形成する側壁部15の端部に当接してグレチャンBひいてはガラスパネル6が框3の内部に陥没することを防止するためのリブ部21と、幅方向T1内側に突出し、ガラスパネル6に当接して封止/止水するためのリップ部22が設けられている。
さらに、各側部19の平行部18には、内面から内側に突出し、ガラスパネル6に先端部が当接/圧着してガラスパネル6を保持する圧着用ヒレ部25と、平行部18よりも下方の外面から外側に突出し、框3の係合凹部16を形成する側壁部15の内面に形成された段部10に係合してガラスパネル6を保持する位置決め保持用ヒレ部26とを備えて形成されている。
ここで、圧着用ヒレ部25は、平行部18の内面に接続した基端よりも先端が底部17側に配されるように所定の角度をもって斜設されている。また、本実施形態では、この圧着用ヒレ部25は、その先端部に基端側よりもさらに底部17側に屈曲し、ガラスパネル6に圧着される圧着部25aを備えて形成されている。さらに、圧着用ヒレ部25は、側部19に繋がる基端側の底部17側を向く面に切欠き部25cが凹設され、この切欠き部25cが設けられた基端側の部分の厚さが小となるようにして形成されている。
位置決め保持用ヒレ部26は、基端よりも先端がリブ部21側に配されるように所定の角度をもって斜設されている。なお、位置決め保持用ヒレ部26は幅方向T1外側に略真っ直ぐに延設されていてもよい。
一方、本実施形態のグレチャンBは、圧着用ヒレ部25とリップ部22の間に、平行部18の内面から内側に突出する逆向き変形防止用ヒレ部27が設けられている。この逆向き変形防止用ヒレ部27は、圧着用ヒレ部25に近接して設けられている。また、この近接位置は、ガラスパネル6に引き抜けが生じて圧着用ヒレ部25がある程度外側に弾性変形すると接触して圧着用ヒレ部25のそれ以上の弾性変形、すなわち逆向きに変形することを防止できるように設定されている(図3参照)。
本実施形態の逆向き変形防止用ヒレ部27は、ガラスパネル6の外周端部にグレチャンBを嵌め合わせて取り付けた状態で、圧着用ヒレ部25と異なり、その先端部がガラスパネル6に接触しないようにその突出量(長さ)を設定して形成されている。なお、逆向き変形防止用ヒレ部27は、必ずしもガラスパネル6に接触しない長さでなくてもよく、ガラスパネル6に接触してガラスパネル6を保持する機能を有していてもよい。
次に、本実施形態のグレチャンBの各側部19には、圧着用ヒレ部25の下方に、テーパー部20の内面から内側に突出する第1側部回転防止用ヒレ部30が設けられている。言い換えれば、第1側部回転防止用ヒレ部30は、グレチャンBをガラスパネル6とともに框3の係合凹部16に嵌合させた状態で、圧着用ヒレ部25よりも框3の係合凹部16の底部側に配される部分の内面から内側に突設されている。なお、この第1側部回転防止用ヒレ部30は、テーパー部20の極力上方に設けられていることが好ましい。
また、本実施形態では、この第1側部回転防止用ヒレ部30も、ガラスパネル6の外周端部にグレチャンBを嵌め合わせて取り付けた状態で、その先端部がガラスパネル6に接触しないようにその突出量(長さ)を設定して形成されている。なお、第1側部回転防止用ヒレ部30は、必ずしもガラスパネル6に接触しない長さでなくてもよく、ガラスパネル6に接触してガラスパネル6を保持する機能を有していてもよい。
本実施形態の第1側部回転防止用ヒレ部30は、位置決め保持用ヒレ部26と略同等の高さ位置に、すなわち、位置決め保持用ヒレ部26が設けられた外面位置と略反対側の内面位置から突設されている。第1側部回転防止用ヒレ部30は、側部19の内面に接続する基端に対し先端が底部17側に配されるように斜設されている。但し、幅方向T1に略真っ直ぐに延設されていてもよい。第1側部回転防止用ヒレ部30は、圧着用ヒレ部25よりも小さな傾斜角度となるように突設されている。また、第1側部回転防止用ヒレ部30は、その厚さを圧着用ヒレ部25よりも大きくして形成されるとともに、基端側の厚さを先端側の厚さよりも大きくして(略テーパー状に)形成されている。
本実施形態のグレチャンBの各側部19には、第1側部回転防止用ヒレ部30よりも下方(底部17側)に、テーパー部20の内面から内側に突出する第2側部回転防止用ヒレ部31が設けられている。第2側部回転防止用ヒレ部31も、ガラスパネル6の外周端部にグレチャンBを嵌め合わせて取り付けた状態で、その先端部がガラスパネル6に接触しないようにその突出量(長さ)を設定して形成されている。なお、第2側部回転防止用ヒレ部31は、必ずしもガラスパネル6に接触しない長さでなくてもよく、ガラスパネル6に接触してガラスパネル6を保持する機能を有していてもよい。
本実施形態の第2側部回転防止用ヒレ部31は、側部19の内面に接続する基端に対し先端が底部17側に配されるように斜設されている。但し、幅方向T1に略真っ直ぐに延設されていてもよい。第2側部回転防止用ヒレ部31は、圧着用ヒレ部25よりも小さな傾斜角度となるように突設されている。また、第2側部回転防止用ヒレ部31は、その厚さを圧着用ヒレ部25よりも大きくして形成されるとともに、基端側の厚さを先端側の厚さよりも大きくして(略テーパー状に)形成されている。
そして、上記構成からなる本実施形態のグレチャンBは、ガラスパネル6の外周端部を底部17に達するまで内部に挿入して嵌合させ、ガラスパネル6の外周端部に取り付けられる。また、グレチャンを取り付けたガラスパネル6の外周端部を框3の係合凹部16に挿入(投入)して嵌合させる。
このようにグレチャンBが框3の係合凹部16に嵌合すると、框3の一対の側壁部15に設けられた段部10に各側部19の位置決め保持用ヒレ部26の先端部が引っ掛かって、グレチャンBひいてはガラスパネル6を位置決め保持することができる。さらに、この状態で、リブ部21が側壁部15の端部に当接してグレチャンBひいてはガラスパネル6が框3の内部に陥没することを防止できる。また、リップ部22の先端部がガラスパネル6に当接してグレチャンBの内部を封止することができる。
さらに、各側部19の平行部18が框3の各側壁部15の内面に密着する。また、本実施形態においては、グレチャンBを取り付けたガラスパネル6の外周端部を框3の係合凹部16に挿入するとともに圧着用ヒレ部25の先端部がガラスパネル6に当接し、好適に嵌合させた状態で、圧着用ヒレ部25の先端部が圧着する。これにより、ガラスパネル6を框3に接続した状態で保持することができる。
ここで、本実施形態では、圧着用ヒレ部25に加え、逆向き変形防止用ヒレ部27と第1側部回転防止用ヒレ部30と第2側部回転防止用ヒレ部31が設けられているが、これらヒレ部27、30、31はその長さが圧着用ヒレ部25よりも短く、好適に嵌合させた状態で先端部がガラスパネル6に圧着しないように形成されている。
このため、図2に示すように、これらのヒレ部27、30、31を付加した場合であっても、ガラスパネル6の外周端部にグレチャンBを取り付ける際に余計な摩擦力/投入力が発生して嵌合/取り付けしにくくなることがない。また、框3に好適にガラスパネル6を嵌合させた状態においても、ガラスパネル6に接触しない状態になる。
さらに、本実施形態では、グレチャンBの内部にガラスパネル6を嵌合させるとともにガラスパネル6に圧着する圧着用ヒレ部25の先端部の圧着部25aが基端側よりも底部17側に屈曲して設けられている。これにより、ガラスパネル6の外周端部にグレチャンBを取り付ける際に、やはり余計な摩擦力/投入力が発生して嵌合/取り付けしにくくなることがなく、且つ確実に圧着用ヒレ部25の先端部をガラスパネル6に圧着させ、ガラスパネル6を保持することが可能になる。
さらに、本実施形態では、圧着用ヒレ部25の側部19に繋がる基端側の底部17側を向く面に切欠き部25cが凹設され、この切欠き部25cが設けられた基端側の部分の厚さが小となるようにして圧着用ヒレ部25が形成されている。これにより、ガラスパネル6の外周端部にグレチャンBを取り付ける際に、ガラスパネル6の押込力によって圧着用ヒレ部25が基端側の切欠き部25cを設けた部分で折れ曲がり、容易にガラスパネル6をグレチャンBの内部に嵌合させる(取り付ける)ことが可能になる。
一方、図3に示すように、框3に外周端部を接続したガラスパネル6が引き抜けようとした際には、圧着用ヒレ部25の先端部がガラスパネル6に圧着したままガラスパネル6が引き抜けるように動くため、圧着用ヒレ部25が逆向きに曲がるおそれがある。
これに対し、本実施形態では、圧着用ヒレ部25に近接して逆向き変形防止用ヒレ部27が設けられているため、圧着用ヒレ部25が逆向きに曲がろうとするとともに逆向き変形防止用ヒレ部27に当接し、それ以上逆向きに変形することを防止できる。これにより、従来のように圧着用ヒレ部25が逆向きに曲がってしまい、その後のガラスパネル6が引き抜けやすくなることを防止できる。
また、ガラスパネル6が引き抜ける方向に動き、圧着用ヒレ部25が逆向きに曲がろうとすると、これに伴い、グレチャンBの側部19のテーパー部20側に回転力が作用してテーパー部20側が内側に変形しようとする。
このとき、本実施形態では、第1側部回転防止用ヒレ部30(及び第2側部回転防止用ヒレ部31)が設けられているため、テーパー部20側が回転変位するとともに第1側部回転防止用ヒレ部30(及び第2側部回転防止用ヒレ部31)の先端部をガラスパネル6に当接して圧着させることができる。これにより、さらなるテーパー部20側の回転変位を防止することができるとともに、第1側部回転防止用ヒレ部30(及び第2側部回転防止用ヒレ部31)の先端部の圧着によってガラスパネル6の引き抜けを抑止することが可能になる。
また、第1側部回転防止用ヒレ部30が極力圧着用ヒレ部25側のテーパー部20に設けられていることにより、圧着用ヒレ部25が逆向きに曲がろうとすると、これに応じて早期に第1側部回転防止用ヒレ部30が設けられた部分に回転変位させようとする力が作用し、早期に第1側部回転防止用ヒレ部30の先端部をガラスパネル6に圧着させ、テーパー部20側の回転変位を防止する効果、ガラスパネル6の引き抜けを抑止する効果を好適に発揮させることができる。
また、このようにテーパー部20側の回転変位を早期に防止するように第1側部回転防止用ヒレ部30が設けられ、且つ、この第1側部回転防止用ヒレ部30が位置決め保持用ヒレ部26と略同等の高さ位置に設けられているため、第1側部回転防止用ヒレ部30によって側部19の回転変位が抑制されることで、位置決め保持用ヒレ部26が框3の側壁部15の段部10から外れることを抑止できる。これにより、さらにグレチャンBの変位を防止でき、ひいてはさらなるガラスパネル6の引き抜けを抑止することが可能になる。
さらに、第1側部回転防止用ヒレ部30(及び第2側部回転防止用ヒレ部31)が厚さを圧着用ヒレ部25よりも大きくして形成されているため、特に基端側の厚さが大きいため、確実にテーパー部20側の回転変位の防止効果、ガラスパネル6の引き抜けの抑止効果を発揮させることができる。
したがって、本実施形態のガラスパネル用の端部保持部材(グレチャン)Bによれば、ガラスパネル6の外周端部への取り付け、及び框3の係合凹部16への取り付けの施工性を維持しつつ、ガラスパネル6の引き抜けをより確実に防止でき、ガラスパネル6の保持性能を向上させることが可能になる。
以上、本発明に係るガラスパネル用の端部保持部材の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、圧着用ヒレ部25がその先端部に基端側に対して底部17側に屈曲した圧着部25aを備えて形成されているものとしたが、先端部側が圧着してガラスパネル6を保持することが可能であれば、必ずしも圧着部25aを備えていなくてもよい。
一方、例えば、製作誤差などによってガラスパネル6の厚さが設計よりも薄い場合など、万一、予期せぬ形状誤差などが生じている場合には、ガラスパネル6が引き抜けるように動くとともに、圧着用ヒレ部25の先端部が圧着用ヒレ部25の基端側と逆向き変形防止用ヒレ部27の間に入り込み、逆向き変形防止用ヒレ部27によって圧着用ヒレ部25の逆向き変形を阻止する機能が発揮されないことも考えられる。
このため、図4に示すように、圧着用ヒレ部25の先端部に、逆向き変形防止用ヒレ部27側に突出する突起部25bを設けて圧着用ヒレ部25が形成されていることが好ましい。そして、このように突起部25bを備えて圧着用ヒレ部を構成すると、製作誤差などによってガラスパネル6の厚さが設計よりも薄い場合など、予期せぬ形状誤差などが生じている場合であっても、ガラスパネル6が引き抜けるように動くとともに、圧着用ヒレ部25の先端部の突起部25bが確実に逆向き変形防止用ヒレ部27に当り、圧着用ヒレ部25の逆向き変形を防止することが可能になる。
また、本実施形態では、第1側部回転防止用ヒレ部30と第2側部回転防止用ヒレ部31の2つの側部回転防止用ヒレ部が各側部19に設けられているものとしたが、回転防止用ヒレ部を備える場合であっても、図4に示すように第2側部回転防止用ヒレ部31はなくてもよい。
また、本実施形態では、本発明に係るガラスパネル用の端部保持部材がグレイジングチャンネルであるものとして説明を行ったが、例えば、図5に示すようなビードであっても構わない。すなわち、図5(a)に示す従来のビードに対し、図5(b)に示すように、本実施形態に示した圧着用ヒレ部25、逆向き変形防止用ヒレ部27、第1側部回転防止用ヒレ部30等を設けてビードBを構成し、框の側壁部に接合することによって、本実施形態と同様の作用効果を得ることが可能である。
3 框
3a 下框
6 ガラスパネル
10 段部
15 側壁部
16 係合凹部
17 底部
18 平行部
19 側部
20 テーパー部
21 リブ部
22 リップ部
25 圧着用ヒレ部
25a 圧着部
25b 突起部
25c 切欠き部
26 位置決め保持用ヒレ部
27 逆向き変形防止用ヒレ部
30 第1側部回転防止用ヒレ部
31 第2側部回転防止用ヒレ部
A 従来のグレイジングチャンネル/従来のビード(従来のガラスパネル用の端部保持部材)
B グレイジングチャンネル/ビード(ガラスパネル用の端部保持部材)
T1 幅方向

Claims (6)

  1. 障子のガラスパネルの外周端部に取り付けられ、前記ガラスパネルの外周端部とともに框の一対の側壁部の間の係合凹部に嵌合させて、前記ガラスパネルの外周端部を前記框の係合凹部に保持させるためのガラスパネル用の端部保持部材であって、
    内面から突設され、前記係合凹部に嵌合させた状態で前記ガラスパネルに先端部が圧着して前記ガラスパネルを保持する圧着用ヒレ部と、内面から突設されるとともに、前記ガラスパネルに引き抜けが生じて前記圧着用ヒレ部が弾性変形するとともに接触するように前記圧着用ヒレ部に近接配置された逆向き変形防止用ヒレ部とを備えて形成されていることを特徴とするガラスパネル用の端部保持部材。
  2. 請求項1記載のガラスパネル用の端部保持部材において、
    前記圧着用ヒレ部が先端部に前記逆向き変形防止用ヒレ部側に突出する突起部を備えて形成されているガラスパネル用の端部保持部材。
  3. 請求項1または請求項2に記載のガラスパネル用の端部保持部材において、
    前記圧着用ヒレ部が前記内面に繋がる基端側に厚さを小にする切欠き部を備えて形成されているガラスパネル用の端部保持部材。
  4. 障子のガラスパネルの外周端部に取り付けられ、前記ガラスパネルの外周端部とともに框の一対の側壁部の間の係合凹部に嵌合させて、前記ガラスパネルの外周端部を前記框の係合凹部に保持させるためのガラスパネル用の端部保持部材であって、
    内面から突設され、前記係合凹部に嵌合させた状態で前記ガラスパネルに先端部が圧着して前記ガラスパネルを保持する圧着用ヒレ部と、前記框の係合凹部に係合させた状態で、前記圧着用ヒレ部よりも前記係合凹部の底部側に配されるとともに内面から突設された側部回転防止用ヒレ部を備えることを特徴とするガラスパネル用の端部保持部材。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のガラスパネル用の端部保持部材において、
    前記ガラスパネルに引抜力が生じていない状態で、前記逆向き変形防止用ヒレ部及び/又は前記側部回転防止用ヒレ部が前記ガラスパネルに接触しないように形成されているガラスパネル用の端部保持部材。
  6. 請求項4または請求項5に記載のガラスパネル用の端部保持部材において、
    前記側部回転防止用ヒレ部と反対側に対峙するように前記端部保持部材の外面から外側に突設され、前記框の側壁部に形成された段部に係合する位置決め保持用ヒレ部を備えているガラスパネル用の端部保持部材。
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