JP2017179609A - スパッタリングターゲット - Google Patents
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Abstract
Description
ターゲット材を含むスパッタリングターゲットであって、前記ターゲット材が、そのスパッタリング面において、中央に位置する円形の平坦な第1の領域と、前記第1の領域の外側に前記第1の領域と同心円状に配置されるリング状の第2の領域とを有し、前記第1の領域は、前記第2の領域に対して、最大で前記第2の領域の厚さの15%低い位置に配置されていて、前記第1の領域の直径が、前記スパッタリング面の外周の直径の60%〜80%であることを特徴とする、スパッタリングターゲット。
[2]
前記第1の領域が、前記第2の領域に対して、前記第2の領域の厚さの4%〜12%低い位置にあることを特徴とする、上記[1]に記載のスパッタリングターゲット。
[3]
前記ターゲット材における前記第1の領域の厚さが20mm〜30mmであることを特徴とする、上記[1]または[2]に記載のスパッタリングターゲット。
[4]
前記ターゲット材における前記第2の領域の厚さが25mm〜35mmであることを特徴とする、上記[1]〜[3]のいずれか1項に記載のスパッタリングターゲット。
[5]
前記ターゲット材がその周縁部に段差を有していないことを特徴とする、上記[1]〜[4]のいずれか1項に記載のスパッタリングターゲット。
[6]
前記ターゲット材がアルミニウムまたはアルミニウム合金から成ることを特徴とする、上記[1]〜[5]のいずれか1項に記載のスパッタリングターゲット。
本発明のスパッタリングターゲットの一実施形態を図1および2に模式的に示す。なお、図1および2において示される本発明のスパッタリングターゲットは、例示のために模式的に示されるものであり、実際の寸法および形状は本明細書中に定義する通りである。
ターゲット材Tは、例えば、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、ニオブ(Nb)等の金属およびそれらの合金からなる群から選択される材料から作製することができるが、ターゲット材Tを構成する材料は、これらに限定されるものではない。
第1の領域1は、図2に示す通り、スパッタリング面Sの中央に位置していて、円形の平坦な形状を有する領域であり、第2の領域2よりも低い位置(垂直下方)に配置されるものである。
第2の領域2は、図2に示す通り、第1の領域の外側にあり、第1の領域と同心円状に配置されるリング状の領域である。
図2に示す実施形態では、第1の領域1と第2の領域2との間に中間領域3が存在する。中間領域3は、第1の領域1と第2の領域2とを連続的に接続するものであり、好ましくは第1の領域1と第2の領域2とを直線的に接続するものである。
図1および2に示すように、本発明のスパッタリングターゲット10は、上述のターゲット材Tを載置して、例えばマグネトロンスパッタリング装置などのスパッタリング装置に固定するための支持部材6を更に含んでいてもよい。
本発明のスパッタリングターゲットの製造方法では、例えば、まず、ターゲット材Tの材料を混合して溶融して鋳造することにより、スラブと呼ばれる鋳塊を形成し、かかる鋳塊を圧延して熱処理した後に任意の寸法で円盤状にくり抜き、ターゲット材の予備成形体を得る。
本発明のスパッタリングターゲットを使用することのできるスパッタリング装置に特に制限はなく、市販のスパッタリング装置を何ら制限なく使用することができる。
本発明のスパッタリングターゲットおよび上述のスパッタリング装置を使用して、その上に薄膜を形成することのできる基板としては、特に制限はなく、例えば、シリコン、銅等の金属ウエハや、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等の酸化物ウエハ、石英、パイレックス等のガラス基板や、樹脂基板などを使用することができる。
本発明のスパッタリングターゲットは、積算電力で1800kWh以上、好ましくは2000kWh以上の長寿命を有する。これは、従来の標準形状のターゲット材を有するスパッタリングターゲットの寿命(1200kWh)の1.5倍以上である。
本発明のスパッタリングターゲットによって基板上に形成される薄膜の膜厚均一性は、基板上に形成される薄膜の所定の49点にて測定した薄膜のシート抵抗値RS(Ω/□)と、既知の薄膜の体積抵抗率RV(Ω・m)とにより、式:t=RV/RS×106から求められる膜厚t(μm)の値の最大値(max)と最小値(min)とに基づいて、式:(max−min)/(max+min)×100(%)から求めることができる。なお、アルミニウム薄膜の場合、RV=2.9×10−8(Ω・m)である。
純度99.999%以上のアルミニウムに、0.5重量%の銅を添加し、これらの混合物を溶融して鋳造して得られる鋳塊(スラブ)を圧延して熱処理した後に円盤状にくり抜き、ターゲット材の予備成形体を得た。
r1:112.00mm
d1:1.65mm(第2の領域2の厚さd3の5.98%)
d2:23.94mm
d3:27.60mm
d4:319.14mm
d5:44.57mm
d6:3.00mm
θ:29°
r1/rs:70.2%
スパッタリングターゲット全体の高さ(第2の領域の上面から支持部材のフランジ部の裏面までの距離):56.26mm
実施例1と同様にして、図3に示す標準形状のターゲット材T0を備えたスパッタリングターゲットを作製した。なお、ターゲット材T0の支持部材は、実施例1と同一形状のものを使用した。
ターゲット材T0の接合部xを除く最大厚さd0:19.61mm
スパッタリングターゲット全体の高さ(ターゲット材T0の上面から支持部材のフランジ部の裏面までの距離):48.26mm
実施例1と同様にして、図4の断面図および図6の上面図に示す形状のターゲット材Tc1を備えたスパッタリングターゲットを作製した。なお、ターゲット材Tc1の支持部材は、実施例1と同一形状のものを使用した。
d0:19.61mm
d10:8.00mm
スパッタリング面の直径(平面領域101の直径)d11:319.14mm
スパッタリングターゲット全体の高さ(ターゲット材TC1の上面から支持部材のフランジ部の裏面までの距離):56.26mm
実施例1と同様にして、図4の断面図および図6の上面図に示す形状のターゲット材Tc2を備えたスパッタリングターゲットを作製した。なお、ターゲット材Tc2の支持部材は、実施例1と同一の形状のものを使用した。
d0:19.61mm
d10:8.00mm
d12(中心平面領域102の直径):260.00mm
d13(段差部の幅):16.71mm
d14(傾斜部の幅):15.00mm
スパッタリングターゲット全体の高さ(ターゲット材Tc2の最上面から支持部材のフランジ部の裏面までの距離):56.26mm
実施例1と同様にして、図5の断面図および図7の上面図に示す形状のターゲット材Tc3を備えたスパッタリングターゲットを作製した。なお、ターゲット材Tc3の支持部材は、実施例1と同一形状のものを使用した。
d15(リングの高さ):8.00mm(ターゲット材の厚さ(d0+d15)の29.0%)
d16(中心平面領域103の直径):200.00mm
d17(リング状の平面領域201のリング幅):15.00mm
d18(リングの内側の傾斜部の幅):15.00mm
d19(リングの外側の傾斜部の幅):15.00mm
d20(段差部の幅):16.71mm
スパッタリングターゲット全体の高さ(ターゲット材Tc3の最上面から支持部材のフランジ部の裏面までの距離):56.26mm
実施例1と同様にして、図5の断面図および図7の上面図に示す形状のターゲット材Tc4を備えたスパッタリングターゲットを作製した。なお、ターゲット材Tc4の支持部材は、実施例1と同一形状のものを使用した。
d21(内側リングの高さ):8.00mm(ターゲット材の厚さ(d0+d21(=d0+d22))の29.0%)
d22(外側リングの高さ):8.00mm(ターゲット材の厚さ(d0+d21(=d0+d22))の29.0%)
d23(中心平面領域104の直径):10.00mm
d24(内側リングのリング幅):20.00mm
d25(内側リングの内側傾斜部の幅):15.00mm
d26(内側リングの外側傾斜部の幅):15.00mm
d27(外側リングのリング幅):15.00mm
d28(外側リングの内側傾斜部の幅):15.00mm
d29(外側リングの外側傾斜部の幅):15.00mm
d30(段差部の幅):16.71mm
d31(外側平面領域105の幅):45.00mm
スパッタリングターゲット全体の高さ(ターゲット材TC4の最上面から支持部材のフランジ部の裏面までの距離):56.26mm
実施例1と同様にして、図8の上面図および断面図に示す形状のターゲット材Tc5を備えたスパッタリングターゲットを作製した。なお、ターゲット材Tc5の支持部材は、実施例1と同一形状のものを使用した。
r1:105.00mm
d1:4.49mm(第2の領域の厚さd3の16.3%)
d2:21.11mm
d3:27.60mm
d4:323.42mm
d5:15.00mm
d6:10.00mm
d7:15.00mm
d8:16.71mm
d9:19.61mm
θ:24°
r1/rs:64.9%
スパッタリングターゲット全体の高さ(第2の領域2の上面から支持部材のフランジ部の裏面までの距離):56.26mm
r1およびd5の寸法を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、ターゲット材Tc6を備えたスパッタリングターゲットを作製した。なお、ターゲット材Tc6の支持部材は、実施例1と同一形状のものを使用した。
r1:52.00mm
d1:1.65mm(第2の領域2の厚さd3の5.98%)
d2:23.94mm
d3:27.60mm
d4:319.14mm
d5:104.57mm
d6:3.00mm
θ:29°
r1/rs:32.6%
スパッタリングターゲット全体の高さ(第2の領域の上面から支持部材のフランジ部の裏面までの距離):56.26mm
マグネトロンスパッタリング装置(アプライド・マテリアルズ社製のEndura 5500、マグネット:Dura−type)、ならびに実施例、参照例および比較例のスパッタリングターゲットをそれぞれ使用して、直径が200mmの基板(LG Siltron社製のシリコン基板)に、以下の条件にて、薄膜を形成した。
出力:10600W
不活性ガス:アルゴン
チャンバ内圧力:2.75mTorr
基板温度:300℃
ターゲット−基板間の距離(TS距離):35mm(ターゲット材:T、Tc1〜Tc6)または43mm(ターゲット材:T0)
図10のグラフに示す通り、参照例の標準形状のスパッタリングターゲット(ターゲット材T0(図4参照))では、膜厚均一性に優れるが、その寿命は1200kWhであり、十分に満足できるものではなかった。
図12のグラフに示す通り、本発明の実施例1のスパッタリングターゲット(ターゲット材T(図2参照))では、2000kWhの長寿命を有することが明らかとなった。なお、参照例の標準形状のスパッタリングターゲットの寿命は、上述の通り1200kWhであり(図10および12)、これに対して、本発明の実施例1のスパッタリングターゲットは、参照例の標準形状のスパッタリングターゲットの1.5倍以上の寿命を有することがわかった。
図14に示す通り、比較例1のスパッタリングターゲット(ターゲット材Tc1(図4参照))では、2000kWhまでスパッタリングを行うことはできるが、その初期段階、特に0〜300kWhにおいて、膜厚均一性が著しく悪化することがわかった。
図16に示す通り、比較例2のスパッタリングターゲット(ターゲット材Tc2(図4参照))は、スパッタリングの直後の初期段階から、膜厚均一性が著しく悪化することがわかった。
以下の表に示す通り、比較例3、4および5のスパッタリングターゲットは、いずれも初期段階(特に100kWh)での膜厚均一性が著しく悪いことが明らかとなった。
以下の表に示す通り、比較例6のスパッタリングターゲットは、第1の領域の直径がスパッタリング面の外周の直径の32.6%であることから、第1の領域の直径がスパッタリング面の外周の直径の70.2%である実施例1に比べると、膜厚均一性が悪化することがわかった。
ここで、ターゲット材の周縁部に段差のない参照例(図3、ターゲット材T0参照)、本発明の実施例1(図3、ターゲット材T参照)および比較例1(図4、ターゲット材Tc1参照)について、膜厚均一性の結果を以下の表にまとめる(図10、12および14の結果もあわせて参照のこと)。
参照例、比較例1および実施例1の各スパッタリングターゲットについて測定したターゲット材のエロージョン量を図19に示す。破線は、参照例でのエロージョンを示し、点線は、比較例1でのエロージョンを示し、実線は、実施例1でのエロージョンを示す(400〜2000kWhで、400、800、1200および2000kWh、ただし、参照例は、1200kWhまで)。
2 第2の領域
3 第1の領域と第2の領域との間の中間領域
(または第2の領域の内側の周囲部)
4 ターゲット材の裏面(スパッタリング面の反対側の面)
5 ターゲット材の周縁部
6 支持部材
7 フランジ部
8 第2の領域の外側の周囲部
9 ターゲット材の周縁部に設けた段差部
10 本発明のスパッタリングターゲット
101 比較例1のスパッタリングターゲットのターゲット材Tc1の平面領域(スパッタリング面)
102 比較例2のスパッタリングターゲットのターゲット材Tc2の平面領域
103 比較例3のスパッタリングターゲットのターゲット材Tc3の中心平面領域
104 比較例4のスパッタリングターゲットのターゲット材Tc4の中心平面領域
105 比較例4のスパッタリングターゲットのターゲット材Tc4の外側平面領域
201 比較例3のスパッタリングターゲットのターゲット材Tc3のリング状の平面領域
202 比較例4のスパッタリングターゲットのターゲット材Tc4の二重リングの外側のリング状の平面領域
203 比較例4のスパッタリングターゲットのターゲット材Tc4の二重リングの内側のリング状の平面領域
S スパッタリング面
T ターゲット材
T0 標準形状のターゲット材
Tc1〜Tc6 比較例1〜6のスパッタリングターゲットのターゲット材
x ターゲット材の支持部材との接合部
Claims (6)
- ターゲット材を含むスパッタリングターゲットであって、前記ターゲット材が、そのスパッタリング面において、中央に位置する円形の平坦な第1の領域と、前記第1の領域の外側に前記第1の領域と同心円状に配置されるリング状の第2の領域とを有し、前記第1の領域は、前記第2の領域に対して、最大で前記第2の領域の厚さの15%低い位置に配置されていて、前記第1の領域の直径が、前記スパッタリング面の外周の直径の60%〜80%であることを特徴とする、スパッタリングターゲット。
- 前記第1の領域が、前記第2の領域に対して、前記第2の領域の厚さの4%〜12%低い位置にあることを特徴とする、請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
- 前記ターゲット材における前記第1の領域の厚さが20mm〜30mmであることを特徴とする、請求項1または2に記載のスパッタリングターゲット。
- 前記ターゲット材における前記第2の領域の厚さが25mm〜35mmであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスパッタリングターゲット。
- 前記ターゲット材がその周縁部に段差を有していないことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のスパッタリングターゲット。
- 前記ターゲット材がアルミニウムまたはアルミニウム合金から成ることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のスパッタリングターゲット。
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