JP2017179426A - 耐摩耗鋼板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
C:0.22〜0.45%、
Si:0.05〜0.70%、
Mn:0.50〜2.00%、
Cr:0.05〜1.20%、
Nb:0.01〜0.08%、
B:0.0005〜0.0030%、
Al:0.006〜0.020%、
Ca:0.0007〜0.0030%、
O:0.0005〜0.0040%
を含有し、
P:0.015%以下、
S:0.010%以下、
N:0.006%以下
に制限し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
鋼板に含まれる酸化物粒子の長径が0.8μm以下であり、
前記酸化物粒子は、Ca、Al、Oを含み、Oを除いた組成が、質量%で、Ca:35%以上、Al:35%以上であり、
鋼のブリネル硬さ(HBW10/3000)が550以上である
ことを特徴とする耐摩耗鋼板。
[2]更に、質量%で、
Cu:1%以下、
Ni:1%以下、
Mo:0.6%以下、
V:0.2%以下、
Ti:0.05%以下
の一種又は二種以上を含有することを特徴とする上記[1]に記載の耐摩耗鋼板。
[4]減圧雰囲気の二次精錬工程で、溶存酸素濃度が70ppm以下の溶鋼に、順次、Al、Caを添加し、溶鋼を鋳造して、上記[1]又は[2]に記載の化学成分及び酸化物粒子を有する鋼片とし、前記鋼片を熱間圧延し、室温まで空冷した後、Ac3点以上の温度に加熱して焼入れることを特徴とする耐摩耗鋼板の製造方法。
Cは、鋼の硬化に有効な元素であり、耐摩耗鋼板のブリネル硬さを確保するために、C含有量を0.22%以上とする。好ましくは0.30%以上とする。一方、C含有量が過剰であると低温靭性が低下するため、上限を0.45%とする。好ましくは0.40%以下とする。
Siは、脱酸剤であり、鋼の硬化にも有効な元素である。効果を得るために、Si含有量を0.05%以上とする。好ましくは0.10%以上、より好ましくは0.20%以上とする。一方、Si含有量が過剰であると低温靭性が低下するので、上限を0.70%とする。好ましくは0.60%以下、より好ましくは0.40%以下とする。
Mnは、焼入れ性を高め、鋼の硬化に寄与する元素である。マルテンサイトの生成を促進し、耐摩耗鋼板のブリネル硬さを確保するために、Mn含有量を0.50%以上とする。好ましくは1.00%以上、より好ましくは1.30%以上とする。一方、Mn含有量が過剰であると、過度の硬さの上昇や介在物に起因して低温靭性が低下するため、上限を2.00%とする。好ましくは1.80%以下、より好ましくは1.60%以下とする。
Crは、焼入れ性を高め、鋼の硬化に寄与する元素である。マルテンサイトの生成を促進し、耐摩耗鋼板のブリネル硬さを高めるために、Cr含有量を0.05%以上とする。好ましくは0.10%以上、より好ましくは0.20%以上とする。一方、Cr含有量が過剰であると溶接性が劣化するため、上限を1.20%とする。好ましくは1.00%以下、より好ましくは0.80%以下とする。
Nbは、焼入れ性を高め、また、組織を微細化して、ブリネル硬さ及び低温靭性の向上に寄与する元素であり、Nb含有量を0.01%以上とする。一方、Nb含有量が過剰であると溶接部の靭性が劣化するため、0.08%を上限とする。好ましくは0.07%以下、より好ましくは0.06%以下とする。
Bは、焼入れ性の向上に有効な元素である。マルテンサイトの生成を促進し、耐摩耗鋼板のブリネル硬さを高めるために、B含有量を0.0005%以上とする。好ましくは0.0007%以上、より好ましくは0.0010%以上とする。一方、B含有量が過剰であると溶接部の靭性が劣化するため、0.0030%を上限とする。好ましくは0.0020%以下、より好ましくは0.0015%以下とする。
Alは、脱酸元素であり、酸化物の組成を制御するために重量な元素である。酸化物粒子のAl濃度を確保し、微細化するために、Al含有量を0.006%以上にすることが必要である。好ましくは0.008%以上、より好ましくは0.010%以上とする。一方、酸化物粒子のCa濃度を確保するために、Al含有量を0.020%以下にすることが必要である。好ましくは0.018%以下、より好ましくは0.015%以下とする。
Caは、脱酸元素であり、Alと同様、酸化物の組成を制御するために重量な元素である。酸化物粒子のCa濃度を確保し、微細化するために、Ca含有量を0.0007%以上にすることが必要である。好ましくは0.0008%以上、より好ましくは0.0010%以上とする。一方、Caは硫化物を形成する元素であり、Ca含有量が過剰であると粗大なCa硫化物の生成によって低温靭性が低下するので、0.0030%以下とする。好ましくは0.0025%以下、より好ましくは0.0020%以下とする。
Oは、酸化物粒子を形成する元素であり、少ないほど好ましいが、製造コストの観点から、O含有量の下限を0.0005%とする。一方、O含有量が過剰であると粗大な酸化物が増加し、低温靭性を低下させることから、上限を0.0040%とする。好ましくは0.0030%以下、より好ましくは0.0025%以下とする。
(S:0.010%以下)
P、Sは、不純物であり、低温靭性を確保するため、P含有量を0.015%以下、S含有量を0.010%以下に制限する。好ましくはP含有量を0.010%以下、S含有量を0.006%以下に制限する。P及びSは低温靭性を低下させるため含有量は少ないほど好ましい。P含有量及びS含有量の下限は0%が好ましいが、製造コストの観点から、P含有量及びS含有量の下限は0.0001%であってもよい。
Nは、不純物であり、Bを含む窒化物の生成による焼入れ性の低下を抑制するため、N含有量を0.006%以下に制限する。N含有量は0.005%以下が好ましく、より好ましくは0.004%以下とする。ただし、微細な窒化物の形成は組織の微細化に寄与するため、N含有量は0.001%以上であってもよい。
(Ni:1%以下)
(Mo:0.6%以下)
Cu、Ni、Moは焼入れ性を向上させる元素であり、マルテンサイトの生成を促進し、耐摩耗鋼板のブリネル硬さを高めるために、0.1%以上を含有させてもよい。ただし、Cu、Ni、Moは高価な元素であり、Cu含有量及びNi含有量は1%以下が好ましく、Mo含有量は0.6%以下が好ましい。より好ましくはCu含有量及びNi含有量を0.5%以下、Mo含有量を0.3%以下とする。
(Ti:0.05%以下)
V、Tiは、炭化物や窒化物を形成する元素であり、微細な析出物の生成による硬さの上昇や、組織の微細化による低温靭性の向上を目的として含有させてもよい。好ましくはV含有量及びTi含有量を0.01%以上とする。ただし、V、Tiの含有量が過剰になると、低温靭性が低下することがあるので、V含有量は0.2%以下、Ti含有量は0.05%以下が好ましい。より好ましくはV含有量を0.05%以下、Ti含有量を0.03%以下とする。更に好ましくはV含有量及びTi含有量を0.02%以下とする。
Claims (4)
- 質量%で、
C:0.22〜0.45%、
Si:0.05〜0.70%、
Mn:0.50〜2.00%、
Cr:0.05〜1.20%、
Nb:0.01〜0.08%、
B:0.0005〜0.0030%、
Al:0.006〜0.020%、
Ca:0.0007〜0.0030%、
O:0.0005〜0.0040%
を含有し、
P:0.015%以下、
S:0.010%以下、
N:0.006%以下
に制限し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
鋼板に含まれる酸化物粒子の長径が0.8μm以下であり、
前記酸化物粒子は、Ca、Al、Oを含み、Oを除いた組成が、質量%で、Ca:35%以上、Al:35%以上であり、
鋼のブリネル硬さ(HBW10/3000)が550以上である
ことを特徴とする耐摩耗鋼板。 - 更に、質量%で、
Cu:1%以下、
Ni:1%以下、
Mo:0.6%以下、
V:0.2%以下、
Ti:0.05%以下
の一種又は二種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の耐摩耗鋼板。 - 減圧雰囲気の二次精錬工程で、溶存酸素濃度が70ppm以下の溶鋼に、順次、Al、Caを添加し、溶鋼を鋳造して、請求項1又は2に記載の化学成分及び酸化物粒子を有する鋼片とし、前記鋼片を熱間圧延し、そのまま水冷して、250℃以下の温度まで焼入れることを特徴とする耐摩耗鋼板の製造方法。
- 減圧雰囲気の二次精錬工程で、溶存酸素濃度が70ppm以下の溶鋼に、順次、Al、Caを添加し、溶鋼を鋳造して、請求項1又は2に記載の化学成分及び酸化物粒子を有する鋼片とし、前記鋼片を熱間圧延し、室温まで空冷した後、Ac3点以上の温度に加熱して焼入れることを特徴とする耐摩耗鋼板の製造方法。
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---|---|---|---|---|
CN107746935A (zh) * | 2017-10-26 | 2018-03-02 | 河钢股份有限公司 | 一种高强度耐磨钢板及其生产工艺 |
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JPH10183295A (ja) * | 1996-12-19 | 1998-07-14 | Nippon Steel Corp | 大入熱溶接の熱影響部靭性の優れた鋼材およびその製造方法 |
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WO2014045552A1 (ja) * | 2012-09-19 | 2014-03-27 | Jfeスチール株式会社 | 低温靱性および耐腐食摩耗性に優れた耐摩耗鋼板 |
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CN107746935B (zh) * | 2017-10-26 | 2019-06-28 | 河钢股份有限公司 | 一种高强度耐磨钢板及其生产工艺 |
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