JP6253974B2 - 脆性亀裂伝播停止特性に優れる原子炉格納容器用厚鋼板 - Google Patents

脆性亀裂伝播停止特性に優れる原子炉格納容器用厚鋼板 Download PDF

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Description

本発明は、原子炉プラントの原子炉格納容器に用いられる、脆性亀裂伝播停止特性、特にNRL落重試験における無延性遷移温度(TNDT)に優れる引張強さが580MPa以上、710MPa以下の厚鋼板に関するものである。なお、本発明の「厚鋼板」とは、板厚が6mm以上100mm以下の熱延鋼板をいう。
原子炉プラントの原子炉格納容器等に用いられる鋼板には、強度特性や低温靱性に優れることの他、良好な溶接性を有することが要求される。特に近年では、エネルギー需要の拡大や地球温暖化を防止する観点から、原子力発電に対するニーズが世界的に高まっており、上記特性に優れる材料の開発が強く望まれるようになってきている。さらに、格納容器の耐震性向上の観点から、従来、主に用いられていた約45mmの板厚よりも厚肉の鋼板(60mm程度)を採用することが検討されている。
上記低温靭性の評価基準としては、一般的にはシャルピー衝撃試験が用いられているが、ASMEやASTMでは、さらに脆性亀裂伝播停止特性を評価する基準として、NRL落重試験が規定されている。特に近年では、原子炉プラントの設計温度の低温化に伴い、上記NRL落重試験における要求温度の低温化が進んでおり、鋼板に対するNRL落重特性改善要求も高まってきている。
ところで、低温靭性を改善するには、従来からNiの添加が有効であることが知られている。しかし、原子炉プラントの原子炉格納容器に用いられる鋼板規格として、ASME規格(ASME Boiler & Pressure Vessel Code)で適用が認められている焼入れ−焼戻し処理で製造される調質型600MPa級鋼のSA−738 Gr.Bでは、Ni含有量が0.60mass%以下と規定されている。そのため、上記規格が指定された用途には、Niの添加量を規制せざるを得ない。
引張強さTSが580MPa以上、710MPa以下で、かつ、Niを多量に含まない、NRL落重特性に優れた調質型高強度鋼板としては、例えば、特許文献1には、C:0.08〜0.16mass%、Ni:0.15〜0.60mass%、NbおよびBを必須添加元素とし、ミクロ組織を下部ベイナイト組織とすることで、NRL落重特性を向上させた板厚40mm〜80mmの鋼板が開示されている。
また、特許文献2には、C:0.04〜0.08mass%、Ni:0.05〜0.60mass%、NbおよびBを実質的に無添加とした調質型600MPa級鋼板において、ミクロ組織を焼戻しベイナイトおよび/または焼戻しマルテンサイトとすることで、応力除去焼鈍(PWHT:Post Weld Heat Treatment)後の落重特性を向上させた板厚80mm以下の鋼板が開示されている。
また、特許文献3には、C:0.1〜0.16mass%、Ni:0.6mass%以下、B:0.0005〜0.002mass%を添加し、F=9.4×[Mo]+8.1×[V]+4.7×[Cr]からなるF値を3.20以上4.50以下とし、15°以上の大角粒界で囲まれた結晶粒の平均円相当径が4μm以下の焼戻しベイナイト組織とすることで落重特性を向上させた板厚80mm以上の鋼板が開示されている。
また、特許文献4には、C:0.03〜0.150mass%、Ni:2mass%以下を含有し、ミクロ組織を、ベイナイトの面積率が90%以上で、ベイナイトのラス幅の平均値が3.5μm以下、ベイナイト中の島状マルテンサイトの円相当径の最大値が3.0μm以下とすることで、落重特性を向上させた板厚50mm以上の鋼板が開示されている。
特開平09−194989号公報 特開2011−001620号公報 特開2011−047032号公報 特開2011−179106号公報
しかしながら、上記特許文献1および2に開示の技術は、記載されている落重特性TNDTは、−30℃〜−50℃程度であり、近年の低温化したNRL落重特性に対する要求(TNDT≦−55℃)を満足することはできない。また、特許文献3に開示の技術は、板厚80mm以上の厚肉材を対象としており、焼入時の冷却速度が遅い厚肉材においては、良好な落重特性が得られるが、C含有量が0.10mass%以上と高いために、板厚40〜60mm程度の鋼板に適用した場合には、マルテンサイト主体の組織となり、落重特性の低下が懸念される。また、特許文献4に開示の技術は、板厚50mm以上、特に100mmの鋼板を対象としていることから、鋼板のミクロ組織は島状マルテンサイトを含む上部ベイナイト組織を主体とした組織となるため、その上部ベイナイト中の島状マルテンサイトを小さくするために、焼戻しを2回実施することが必須となっているため、製造コストが高いという問題がある。
また、近年では、設計温度の低温化により、NRL落重試験のTNDTとして、安全代を考慮し−55℃以下が要求されるようになってきている。
そのため、従来技術では、焼入−焼戻処理を施す調質型600MPa級厚鋼板において、板厚100mm以下、特に板厚40mm〜60mmの鋼板において、多量のNi添加を必要とすることなく、脆性亀裂伝播停止特性、即ち、NRL落重試験のTNDTを−55℃以下とすることは難しいのが実情であった。
本発明は、従来技術が抱える上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、板厚が100mm以下で、Niを多量に添加することなく、引張強さTSが580MPa以上、710MPa以下、かつ、NRL落重試験のTNDTが−55℃以下の原子炉格納容器用厚鋼板を提供することにある。
発明者らは、上記課題の解決に向けて鋭意研究を重ねた。その結果、所定の成分組成を有する鋼素材(スラブ)を、適正条件下で100mm以下に熱間圧延した後、焼入れ−焼戻し処理して厚鋼板を製造する際、焼入後の引張強さTSを850MPa以上、1100MPa以下に制御した後、適切な温度で焼戻し、ミクロ組織を焼戻し下部ベイナイトおよび焼戻しマルテンサイトとすることで、引張強さTSが580MPa以上、710MPa以下で、かつ、NRL落重試験のTNDTが−55℃以下の脆性亀裂伝播停止特性に優れた厚鋼板を得ることができることを見出し、本発明を開発するに至った。
上記知見に基づく本発明は、C:0.05〜0.15mass%、Si:0.05〜0.60mass%、Mn:0.8〜1.8mass%、P:0.020mass%以下、S:0.005mass%以下、Al:0.005〜0.080mass%、N:0.0005〜0.0050mass%を含有し、さらに、Cu:0.50mass%以下、Ni:0.70mass%以下、Cr:0.50mass%以下、Mo:0.40mass%以下、V:0.07mass%以下およびB:0.0003〜0.0020mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、下記(1)式;
eq(mass%)=C+Mn/6+(Cr+Mo+V)/5+(Cu+Ni)/15 ・・・(1)
で定義されるC当量Ceq(mass%)が0.36〜0.50で、下記(2)式;
DI=8.2×(C)0.5×(0.7Si+1)×fMn×(0.35Cu+1)×(0.36Ni+1)×(2.16Cr+1)×(3.00Mo+1)×(1.75V+1)×fB ・・・(2)
ただし、fMn=3.33Mn+1 (Mn≦1.2mass%の場合)
fMn=(Mn−1.2)×5.1+5 (Mn>1.2mass%の場合)
fB=1.3 (B≧0.0003mass%の場合)
fB=1.0 (B<0.0003mass%の場合)
で定義されるDI値が65以上であり、さらに、板厚1/4位置におけるミクロ組織が焼戻し下部ベイナイトおよび焼戻しマルテンサイト組織からなり、かつ、板厚1/4位置におけるNRL落重試験のTNDTが−55℃以下であり、板厚が100mm以下であることを特徴とする原子炉格納容器用厚鋼板である。
本発明の上記原子炉格納容器用厚鋼板は、上記成分組成に加えてさらに、Nb:0.030mass%以下、Ti:0.030mass%以下、Ca:0.0040mass%以下、REM:0.010mass%以下、W:0.40mass%以下、Co:0.50mass%以下、Mg:0.005mass%以下およびZr:0.02mass%以下のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする。
また、本発明の上記原子炉格納容器用厚鋼板は、板厚1/4位置における焼入れままの引張強さを850〜1100MPaの範囲に制御し、焼戻ししたものであることを特徴とする。
また、本発明の上記原子炉格納容器用厚鋼板は、板厚1/4位置における方位差角が15度以上の大角粒界で囲まれた結晶粒の円相当径の平均値が5μm以下であり、旧オーステナイト粒の平均粒径が30μm以下で、そのバラツキσが15μm以下であることを特徴とする。
本発明によれば、引張強さが580MPa以上、710MPa以下の高い強度を有するとともに、NRL落重試験におけるTNDTが−55℃以下の脆性亀裂伝播停止特性に優れる、原子炉格納容器用厚鋼板を安定して供給することが可能となる。
調質型600MPa級鋼における焼入後の引張強さと焼戻し後のNRL落重特性TNDTとの関係を模式的に示した図である。 図1の上に、実施例の結果を示した図である。
まず、本発明が開発目標とする厚鋼板について説明する。
前述したように、ASME規格のSA−738 Gr.Bに規定された鋼は、焼入れ−焼戻し処理して製造される調質型600MPa級鋼である。本発明は、上記調質型600MPa級鋼に対応する、引張強さTSが580MPa以上、710MPa以下で、かつ、昨今における設計温度の低温化に対応し、NRL落重試験における無延性遷移温度TNDTが−55℃以下の低温靭性特性(脆性亀裂伝播停止特性)を有する厚鋼板の開発を目標とする。ここで、本発明における上記TNDTとは、ASTM E208に規定されたNRL落重試験における無延性遷移温度(NDT温度:nil-ductility transition temperature)のことを意味する。
次に、本発明を開発するに至った実験について説明する。
発明者らは、上記の高強度で優れた脆性亀裂伝播停止特性を有する鋼を開発するため、C:0.04〜0.20mass%、Ni:0.60mass%以下を含有する鋼に、さらに、Si,Mn,Cu,Cr,MoおよびVを添加し、下記(1)式;
eq(mass%)=C+Mn/6+(Cr+Mo+V)/5+(Cu+Ni)/15 ・・・(1)
で定義されるC当量Ceq(mass%)を、0.35〜0.50mass%の範囲に揃えた各種成分組成の鋼を実験室的に溶製し、熱間圧延して厚さが25mmの厚鋼板とした後、再加熱し、2℃/s以上の種々の冷却速度で焼入れ処理した。この焼入後の鋼板について、引張試験を行い、引張強さTSを測定するとともに、光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡を用いてミクロ組織を観察した。
次いで、上記焼入後の厚鋼板を、600〜700℃の温度で焼き戻し処理し、焼き戻し後の引張強さTSが580〜710MPaの調質型600MPa級厚鋼板を得た。
斯くして得た厚鋼板について、ASEM規格 SA−370に準拠し、C方向に試験片を採取し、SA−370に準拠してシャルピー衝撃試験を行い、破面遷移温度vTrsを測定するとともに、ASTM E208に準拠して、P−3試験片(厚さ16mm×幅50mm×長さ130mm)をC方向に採取し、落重試験を行い、無延性遷移温度TNDTを求めた。
図1は、焼入れ後の引張強さTSおよびミクロ組織と、焼き戻し後の落重試験におけるTNDTとの関係を模式的に示したものである。この図から、焼き入れ性を高めて焼入れ後の引張強さTSを850MPa以上、1100MPa以下、鋼のミクロ組織を下部ベイナイトおよびマルテンサイトとした後、焼戻して引張強さTSを580MPa以上、710MPa以下とした場合にのみ、焼戻し後の落重試験における無延性遷移温度TNDTを−55℃以下にすることができることがわかる。
本発明は、上記の新規な知見に基づいて開発したものである。
次に、本発明の厚鋼板の成分組成を限定する理由について説明する。
C:0.05〜0.15mass%
Cは、鋼の焼入性および強度を確保するために必須の元素であり、Ceqが0.50以下の成分組成で、焼入後の引張強さを850MPa以上とするためには、0.05mass%以上含有させる必要がある。一方、0.15mass%を超えて添加すると、母材と溶接熱影響部の靭性低下、および、溶接性の低下を招く。よって、Cの含有量は0.05〜0.15mass%の範囲とする。好ましくは0.07〜0.12mass%の範囲であり、より好ましくは0.08〜0.10mass%の範囲である。
Si:0.05〜0.60mass%
Siは、鋼の脱酸剤として添加される元素である。また、固溶強化によって鋼の強度を高めるのに有効な元素でもある。上記の効果を得るためには、0.05mass%以上含有させる必要がある。一方、0.60mass%を超えて添加すると、溶接熱影響部の靭性が低下する。よって、Siの含有量は0.05〜0.60mass%の範囲とする。好ましくは0.10〜0.40mass%の範囲である。
Mn:0.8〜1.8mass%
Mnは、鋼の脱酸剤として添加される元素である。また、鋼の焼入れ性を向上し、強度を高めるのに有効な元素でもある。上記効果を得るためには、0.8mass%以上含有させる必要がある。一方、1.8mass%を超えて添加すると、溶接性や溶接熱影響部の靭性を低下させる。よって、Mnの含有量は0.8〜1.8mass%の範囲とする。好ましくは1.2〜1.6mass%の範囲である。
P:0.020mass%以下
Pは、鋼中に不可避的に混入し、焼戻し後の冷却中や、溶接後の応力除去焼鈍(PWHT)の徐冷過程で、旧オーステナイト粒界に偏析して粒界脆化を助長し、落重特性を低下させる。そのため、Pの含有量は極力低減することが望ましいが、0.020mass%以下であれば、粒界脆化を防止することができる。よって、本発明では、Pの含有量を0.020mass%以下に制限する。好ましくは0.015mass%以下である。より好ましくは0.010mass%以下である。
S:0.005mass%以下
Sは、鋼中に不可避的に混入し、鋼中にMnSなどの硫化物系介在物として存在し、靱性を低下させる元素であるため、極力低減することが望ましい。そこで、本発明においては、落重特性を確保するため、Sの含有量を0.005mass%以下に制限する。好ましくは0.003mass%以下である。より好ましくは0.002mass%以下である。
Al:0.005〜0.080mass%
Alは、脱酸元素として添加される元素であり、また、AlNによる焼入れ加熱時の結晶粒の微細化を通じて靭性向上に寄与する有用な元素である。これらの効果を発現させるためには、0.005mass%以上含有させる必要がある。一方、0.080mass%を超えて添加すると、AlNの粗大化による結晶粒粗大化に起因した母材靭性低下や溶接熱部の靭性低下という問題を引き起こす。よって、Alの含有量は0.005〜0.080mass%の範囲とする。好ましくは0.010〜0.070mass%、より好ましくは0.020〜0.060mass%の範囲である。
N:0.0005〜0.0050mass%
Nは、AlとAlNを形成し、焼入れ加熱時のオーステナイト粒を微細化することによって、鋼の靱性向上に有効に寄与する。上記効果を得るためには0.0005mass%以上含有させることが必要である。しかし、0.0050mass%を超えて添加すると、溶接部の靱性低下を招く。よって、Nの含有量は0.0005〜0.0050mass%の範囲とする。好ましくは0.0010〜0.0040mass%の範囲である。
本発明の厚鋼板は、上記の成分に加えて、下記Cu,Ni,Cr,Mo,VおよびBのうちから選ばれる1種または2種以上の含有を必要とする。
Cu:0.50mass%以下
Cuは、固溶強化により鋼の強度を高めるのに有用な元素である。しかし、0.50mass%を超えて添加すると、熱間圧延時のCu割れを起こすおそれがある。よって、Cuの含有量は0.50mass%以下とする。好ましくは0.01〜0.40mass%の範囲である。
Ni:0.70mass%以下
Niは、Cuと同様、固溶強化元素として有用な元素である他、低温靱性の向上にも有用な元素である。しかし、0.70mass%を超えて添加すると、原料コストの上昇を招いたり、スラブ割れを起こして生産性を阻害したりする。よって、Niの含有量は0.70mass%以下とする。好ましくは0.01〜0.60mass%の範囲である。
Cr:0.50mass%以下
Crは、焼入れ性を向上して鋼の強度を高めるとともに、焼戻しやPWHT後の強度を確保するために有用な元素である。しかし、0.50mass%を超えて添加すると、溶接性を低下させるとともに、PWHT後の靱性が著しく低下する。よって、Crの含有量は0.50mass%以下の範囲とする。好ましくは0.01〜0.30mass%の範囲である。
Mo:0.40mass%以下
Moは、焼入れ性を向上して鋼の強度を高めるとともに、靱性を確保するのに有用な元素である。また、Crと同様、焼戻しやPWHT後の強度確保に有用な元素である。しかし、0.40mass%を超えて添加すると、溶接性を低下させるとともに、原料コストの上昇を招く。よって、Moの含有量は0.40mass%以下の範囲とする。好ましくは0.01〜0.30mass%の範囲である。
V:0.07mass%以下
Vは、鋼の焼入れ性を向上させる他、C,Nと炭窒化物を形成し、焼戻しやPWHT後の強度の確保に有用な元素である。しかし、0.07mass%を超えて添加すると、溶接性を低下させるとともに、炭窒化物析出による母材靱性の低下を招く。よって、Vの含有量は0.07mass%とする。好ましくは0.003〜0.05mass%の範囲である。
B:0.0003〜0.0020mass%
Bは、極微量の添加量で焼入れ性を高め、ミクロ組織を下部ベイナイトやマルテンサイト組織にして、鋼の強度向上に有効に寄与する元素である。上記焼入れ性の向上効果を得るためには、0.0003mass%以上の添加を必要とする。一方、0.0020mass%を超えて添加しても、上記効果は飽和するだけである。よって、Bは0.0003〜0.0020mass%の範囲で添加する。好ましくは0.0005〜0.0015mass%の範囲である。
また、本発明の厚鋼板は、上記の成分組成を満たすことに加えて、下記(1)式;
eq(mass%)=C+Mn/6+(Cr+Mo+V)/5+(Cu+Ni)/15 ・・・(1)
で定義されるC当量Ceq(mass%)が、0.36〜0.50mass%の範囲であることが必要である。
eqが、0.36mass%以下では、焼入時の焼入性を確保できない上に、焼戻し後に600MPa級の強度を得ることが困難となる。一方、0.50mass%を超えると、母材および溶接熱影響部の靭性低下を招くからである。好ましくは0.40〜0.48mass%の範囲である。
また、本発明の厚鋼板は、上記成分組成を満たすことに加えて、下記(2)式;
DI=8.2×(C)0.5×(0.7Si+1)×fMn×(0.35Cu+1)×(0.36Ni+1)×(2.16Cr+1)×(3.00Mo+1)×(1.75V+1)×fB ・・・(2)
ただし、fMn=3.33Mn+1 (Mn≦1.2mass%の場合)
fMn=(Mn−1.2)×5.1+5 (Mn>1.2mass%の場合)
fB=1.3 (B≧0.0003mass%の場合)
fB=1.0 (B<0.0003mass%の場合)
で定義されるDI値が65以上であることが必要である。
ここで、上記DI値は、C当量Ceqと同様、焼入性を表す指標であり、文献(例えば、熱処理;vol.27,No.3,p.136)に記載されているDI式を用いて、実験結果から係数をフィッティングして求めた。DI値が65未満では、焼入性を確保できないため、焼入後の引張強さが850MPa以上とならない上に、所望の下部ベイナイトおよびマルテンサイト組織とすることができないからである。
本発明の厚鋼板は、上述した必須とする成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物であるが、鋼の強度や低温靭性を高めるため、上記成分に加えて、Nb,Ti,Ca,REM,W,Co,MgおよびZrのうちから選ばれる1種または2種以上を含有することができる。
Nb:0.030mass%以下
Nbは、Vと同様、C,Nと炭窒化物を形成し、鋼の強度を高める元素である。また、焼入れ時のオーステナイト粒微細化を通じて靭性の向上にも有効に寄与する元素でもある。しかし、PWHTを施す場合には、Nb炭窒化物の析出による脆化が大きく、特に溶接熱影響部の靭性低下が著しいため、0.030mass%を上限として添加するのが好ましい。
Ti:0.030mass%以下
Tiは、C,Nと炭窒化物を形成し、オーステナイト粒の微細化を通じて靭性を向上するのに有効な元素であるので添加することができる。しかし、0.030mass%を超えて添加すると、析出脆化を起こすようになるため、0.030mass%以下として添加するのが好ましい。
Ca:0.0040mass%以下
Caは、硫化物(MnS)の形態を制御し、母材の低温靱性や異方性の改善、耐水素誘起割れ性の向上ならびに再熱割れ(応力除去焼鈍時に発生する割れ)の抑制に効果を発揮する有用な元素である。しかし、0.0040mass%を超える添加は、Caオキシサルファイド(介在物)を生成し、低温靱性や清浄度を害するようになる。よって、Caの含有量は0.0040mass%以下の範囲で添加するのが好ましい。
REM:0.010mass%
REMは、Caと同様、硫化物(MnS)の形態制御、母材の低温靱性や異方性の改善、耐水素誘起割れ性の向上ならびに再熱割れ抑制に有効な元素である。しかし、0.010mass%を超えて添加すると、低温靱性や清浄度が低下する。よって、REMの添加量は0.010mass%以下とするのが好ましい。
W:0.40mass%以下
Wは、焼入れ性を向上して鋼の強度を高める元素であるが、0.40mass%を超えて添加すると、母材靭性を低下させる。よって、Wの添加量は0.40mass%以下とするのが好ましい。
Co:0.50mass%以下
Coは、焼入れ性を向上して鋼の強度を高める元素であるが、0.50mass%を超えて添加すると母材靭性を低下させる。よって、Coの添加量は0.50mass%以下とするのが好ましい。
Mg:0.005mass%以下
Mgは、酸化物が分散することによって、溶接熱影響部の靭性改善に寄与する元素であるが、0.005mass%を超えて添加すると、却って母材靭性や溶接熱影響部靭性を低下させる。よって、Mgの添加量は0.005mass%以下とするのが好ましい。
Zr:0.02mass%以下
Zrは、酸化物が分散することによって、溶接熱影響部の靭性改善に寄与する元素であるが、0.02mass%を超えて添加すると、却って母材靭性や溶接熱影響部靭性を低下させる。よって、Zrの添加量は0.02mass%以下とするのが好ましい。
次に、本発明の厚鋼板の焼入れ−焼戻し後のミクロ組織について説明する。
本発明の厚鋼板の焼入れ−焼戻し後のミクロ組織は、焼戻し下部ベイナイトおよび焼戻しマルテンサイトであることが必要である。上記ミクロ組織とする理由は、低温靭性、特に、NRL落重特性を向上させるためには、脆性亀裂伝播における亀裂進展の抵抗となる有効結晶粒径(劈開破壊の破面単位)を微細化することが重要であるからである。なお、上記焼戻し下部ベイナイトおよび焼戻しマルテンサイト以外の他の組織は、本発明の作用効果を損なわない範囲、具体的には、10vol%以下であれば混在しても構わない。また、焼戻し後の本発明の厚鋼板では、島状マルテンサイトはセメンタイトに分解するため、基本的には存在してないが、0.5vol%以下であれば許容できる。
また、本発明の厚鋼板の焼入れ−焼戻し後のミクロ組織は、電子後方散乱パターン(EBSP)で測定した15度以上の大角粒界で囲まれた結晶粒の円相当径の平均値が5μm以下であることが好ましい。ここで、上記15度以上の大角粒界とは、EBSPにより測定した方位差マッピンッグを基に、隣り合った結晶粒の粒界の方位差角を求め、その値が15度以上の粒界を意味する。EBSPで測定した15度以上の大角粒界で囲まれた結晶粒が小さいほど、結晶粒界への応力集中を低減することができるので、破壊に対する抵抗が高まり、低温靭性や落重特性が向上する。すなわち、上記15度以上の大角粒界で囲まれた結晶粒の平均粒径が5μmを超えると、粗大な粒を起点として破壊が生じ、靭性が低下するが、5μm以下にすることで、優れた落重特性(TNDT≦−55℃)が得られる。
さらに、旧オーステナイト粒径は、平均粒径を30μm以下とし、かつ、そのバラツキσを15μm以下とすることが必要である。旧オーステナイト粒径を30μmよりも小さくすることによって、下部ベイナイトおよびマルテンサイト組織のEBSPで測定した方位差角が15度以上の大角粒界で囲まれた結晶粒径を微細化することができ、落重特性が向上する。さらに、旧オーステナイト粒径のバラツキσを15μm以下にして粗大な粒を低減することにより、落重特性をより安定的に向上させることが可能となる。しかし、旧オーステナイト粒径が30μmを超える、または、そのバラツキが15μmを超えると、粗大なオーステナイト粒から変態した下部ベイナイトやマルテンサイトが粗大となり、それに伴って、有効結晶粒径も粗大となるので、落重特性が低下する。
ここで、上記粒界で囲まれた結晶粒の円相当径とは、上記粒界をトレースし、画像解析して求めた結晶粒の円相当径をいう。
また、旧オーステナイト粒径は、適切な腐食液を用いて、粒界を現出した組織を光学顕微鏡にて撮影した後、粒界をトレースし、画像解析して求めた円相当径をいい、画像解析により結晶粒の分布を統計的に解析して算出する。また、そのバラツキσは、標準偏差のことを意味する。
次に、本発明の厚鋼板の製造方法について説明する。
本発明の厚鋼板は、成分組成を前述した範囲に調整した鋼を溶製し、連続鋳造し、または、造塊後、分塊圧延して鋼素材(スラブ)とした後、再加熱し、熱間圧延して厚さが6〜100mmの厚鋼板とし、その後、焼入れ−焼戻し処理を施して製造する。
ここで、上記熱間圧延は、常法に準じて行えばよく、特に制限はない。例えば、スラブを1000〜1200℃の温度に再加熱した後、通常の熱間圧延を行えばよい。圧延後の冷却は、特に制限する必要はなく、空冷でも構わない。
上記熱間圧延して得た厚鋼板は、その後、板厚1/4位置におけるAc変態点〜Ac変態点までの温度域を加熱速度で1〜30℃/minで加熱し、Ac変態点〜(Ac変態点+70℃)の温度域に再加熱した後、焼入れする焼入処理を1回以上施すことが必要である。
Ac変態点〜Ac変態点までの(フェライト+オーステナイト)2相域への加熱速度を30℃/min以下にする理由は、加熱速度が30℃/minを超えると、オーステナイトへの逆変態時に、オーステナイト粒径のバラツキが生じやすくなり、母材靭性低下に繋がるからである。一方、1℃/min未満では、昇温に要する時間が長くなり、生産性や製造コスト面で不利となる。
また、焼入れ温度が、Ac変態点未満では、再加熱時に(オーステナイト+フェライト)の2相域になる上、オーステナイト粒径が小さくなって、焼入れが不十分となるため、所定の強度が得られない。一方、(Ac変態点+70℃)を超えて加熱すると、オーステナイト粒径が粗大化して母材の靭性低下が著しくなり、落重特性も低下するからである。
なお、上記Ac変態点、Ac変態点の温度は、実測して求めてもよいが、次式で計算した値を用いることができる。
Ac(℃)=751−27×C+18×Si−12×Mn−169×Al−23×Cu−23×Ni+24×Cr+23×Mo−40×V+233×Nb−6×Ti−895×B
Ac(℃)=937−477×C+56×Si−20×Mn+198×Al−16×Cu−27×Ni−5×Cr+38×Mo+125×V−19×Nb+136×Ti+3315×B
(ただし、上記式中の各元素記号は、それぞれの元素の含有量(mass%))
また、上記温度に再加熱した後の焼入れ条件は、板厚によって変化するが、2℃/s以上の冷却速度で水冷するのが好ましい。冷却速度が2℃/s未満では、焼入性が確保できず、所望の下部ベイナイトおよびマルテンサイト組織とすることができず、落重特性が低下するためである。
さらに、焼入れ処理の回数については、通常は1回で十分であるが、2回以上行い、オーステナイトへの変態とフェライトへの変態を繰り返すことで、焼入れ時のオーステナイト粒径が細粒化、整粒化するので、母材靭性を向上させる効果を得ることができるので好ましい。
上記焼入処理を施した厚鋼板は、その後、PWHT(ASME規格で規定されているPWHT温度は595℃以上)を実施する場合の強度低下を極力抑えることを考慮し、比較的高温の600〜700℃の温度で焼戻処理を施すことが必要である。焼戻し温度が600℃未満では、600℃以上のPWHTを行う場合の強度低下が大きく、所望の強度(TS:580MPa以上、710MPa以下)を安定して確保することができない。一方、700℃超えでは、焼戻し後に、上記所望の強度を確保することが難しくなるからである。なお、焼戻処理後の冷却は、空冷でも構わない。
ここで、本発明において重要なことは、焼入れままの鋼板の板厚1/4位置での引張強さを850MPa以上、1100MPa以下に制御することである。上述した成分組成を有する板厚100mm以下の鋼板において、焼入後の板厚1/4位置の組織を下部ベイナイトおよびマルテンサイト組織とし、有効結晶粒径の微細化を通じて、落重特性を向上させるためには、焼入後の引張強度を850MPa以上に制御することが必要である。850MPa未満では、焼入性が不十分で、上部ベイナイトやフェライトなどの組織が混在することになり、母材靭性、特に、落重特性が大きく低下する。一方、1100MPaを超えると落重特性が劣化するからである。焼入れままの引張強さは、より好ましくは900〜1050MPaの範囲である。
なお、本発明は、板厚100mm以下の厚鋼板を適用の対象としているが、特に原子炉格納容器用厚鋼板の主要板厚である30〜80mm、中でも板厚が40〜70mmの厚鋼板において、優れた効果が得られる。
表1に示した各種成分組成を有するNo.1〜43の鋼を溶製し、連続鋳造して厚さが310mmの鋼素材(スラブ)とした後、表2に示す種々の条件で熱間圧延(厚板圧延)した後、空冷して表2に示した板厚の厚鋼板(No.1〜48)とした。
次いで、上記厚鋼板を、同じく表2に示す種々の条件で、加熱炉で再加熱した後、水冷して焼入れし、引き続き、加熱炉で再加熱した後、空冷する焼戻し処理を施した。
Figure 0006253974
Figure 0006253974
Figure 0006253974
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斯くして得た厚鋼板について、下記の試験に供した。
<ミクロ組織>
上記厚鋼板の圧延方向(L方向)から採取したサンプルの断面を研磨し、ナイタール液で腐食した後、板厚1/4位置において、光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡を用いて組織観察を行い、金属組織相を特定した。
また、上記サンプルの同じ板厚1/4位置をEBSPで測定した方位差マッピンッグから、隣り合った結晶粒の粒界方位差が15度以上の粒界によって囲まれた結晶粒の粒界をトレースし、画像解析により円相当径を求め、平均結晶粒径を算出した。
<引張試験>
上記厚鋼板および焼入れ後の鋼板1/4位置から引張方向が圧延方向に直角な方向(C方向)となるようにASME SA−370に規定された直径が12.7mm、GLが50.8mmの引張試験片を採取し、SA−370に準拠して引張試験を行い、降伏応力YSおよび引張強さTSを測定した。
<靭性の評価>
上記厚鋼板の板厚1/4位置から圧延方向に直角(C方向)となるように、ASME SA−370に規定された2mmVノッチシャルピー衝撃試験片を採取し、SA−370に準拠してシャルピー衝撃試験を実施し、破面遷移温度(vTrs)を求めた。
<落重特性>
上記厚鋼板の板厚1/4位置から、ASTM E208に準拠して、圧延方向に直角(C方向)となるようにP−3試験片(厚さ16mm×幅50mm×長さ130mm)を採取し、落重試験を行い、無延性遷移温度TNDTを求めた。
上記測定の結果を表2に併記した。これらの結果から、本発明に適合するNo.1〜24の厚鋼板は、焼入後の引張強さが850MPa以上、1100MPa以下であり、焼戻し後の引張強さTSが580〜710MPaの範囲にあり、かつ、落重試験におけるTNDTが−55℃以下という優れた靭性特性を有していることがわかる。
これに対して、本発明の条件を満たさないNo.25〜48の厚鋼板は、引張強さTSおよび落重試験におけるTNDTのいずれか1つ以上の特性が、上記条件を満たしていない。
なお、参考として、図1に示した焼入れ後の引張強さと焼戻し後の無延性遷移温度TNDTとの関係図の上に、上記発明例および比較例の結果をプロットした結果を、図2に示した。

Claims (3)

  1. C:0.05〜0.15mass%、
    Si:0.05〜0.60mass%、
    Mn:0.8〜1.8mass%、
    P:0.020mass%以下、
    S:0.005mass%以下、
    Al:0.005〜0.080mass%、
    N:0.0005〜0.0050mass%を含有し、さらに、
    Cu:0.50mass%以下、
    Ni:0.70mass%以下、
    Cr:0.50mass%以下、
    Mo:0.40mass%以下、
    V:0.07mass%以下および
    B:0.0003〜0.0020mass%のうちから選ばれる1種または2種以上を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有し、
    下記(1)式で定義されるC当量Ceq(mass%)が0.36〜0.50で、
    下記(2)式で定義されるDI値が65以上であり、さらに、
    板厚1/4位置におけるミクロ組織が焼戻し下部ベイナイトおよび焼戻しマルテンサイト組織からなり、かつ、板厚1/4位置におけるNRL落重試験のTNDTが−55℃以下であり、板厚が100mm以下であることを特徴とする原子炉格納容器用厚鋼板。

    eq(mass%)=C+Mn/6+(Cr+Mo+V)/5+(Cu+Ni)/15 ・・・(1)
    DI=8.2×(C)0.5×(0.7Si+1)×fMn×(0.35Cu+1)×(0.36Ni+1)×(2.16Cr+1)×(3.00Mo+1)×(1.75V+1)×fB ・・・(2)
    ただし、fMn=3.33Mn+1 (Mn≦1.2mass%の場合)
    fMn=(Mn−1.2)×5.1+5 (Mn>1.2mass%の場合)
    fB=1.3 (B≧0.0003mass%の場合)
    fB=1.0 (B<0.0003mass%の場合)
  2. 上記成分組成に加えてさらに、Nb:0.030mass%以下、Ti:0.030mass%以下、Ca:0.0040mass%以下、REM:0.010mass%以下、W:0.40mass%以下、Co:0.50mass%以下、Mg:0.005mass%以下およびZr:0.02mass%以下のうちから選ばれる1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の原子炉格納容器用厚鋼板。
  3. 板厚1/4位置における方位差角が15度以上の大角粒界で囲まれた結晶粒の円相当径の平均値が5μm以下であり、旧オーステナイト粒の平均粒径が30μm以下で、そのバラツキσが15μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の原子炉格納容器用厚鋼板。
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