JP2017178908A - 改変型組換えFcγRIIb - Google Patents

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Abstract

【課題】 効率的な生産が可能な改変型組換えFcγRIIb、およびその製造方法を提供すること。【解決手段】 組換えFcγRIIbを構成するアミノ酸のうち、特定アミノ酸を他の特定のアミノ酸に置換することにより、効率的な生産が可能な改変型組換えFcγRIIbを得た。【選択図】 図1

Description

本発明は、免疫グロブリンG(IgG)に対し結合親和性を有するヒトFcγレセプター(以下、FcγRという)IIb(CD32b)に由来した組換えFcγRIIbに関するものである。より詳しくは、進化分子工学的手法を用いて生産性を高めた改変型組換えFcγRIIbに関するものである。
FcγRは、抗原と免疫グロブリンG(以下、IgGという)の結合物であるIgG免疫複合体を結合して細胞内にシグナルを導入するレセプター群である(非特許文献1)。FcγRは、サブタイプに分類することができ、FcγRI(CD64)、FcγRIIa(CD32a)、FcγRIIb(CD32b)、FcγRIIIa(CD16a)およびFcγRIIIb(CD16b)が報告されている(非特許文献1と2)。
IgG免疫複合体とFcγRの結合は、IgGのFc領域にFcγRが結合することで起こる。個々のFcγR分子種は、IgGのFc領域認識ドメインを有し、単一種の、あるいは同じサブタイプに属するIgGを認識する。これによって個々の免疫応答においてどのアクセサリー細胞が動員されるかが決定される(非特許文献1と2)。その中でもFcγRIIbは細胞の活性化を抑制するシグナル伝達を行い、細胞の活性化のシグナル伝達を行う他のFcγRとは異なる(非特許文献1)。FcγRはIgG免疫複合体を結合後、活性化型FcγRと抑制性FcγRであるFcγRIIbとがバランスを取り合いながら、マクロファージやマスト細胞を調節する。
ヒトFcγRIIb由来の組換えタンパク質(以下、組換えFcγRIIbという)は、診断、医療、結晶構造解析、さらには抗体の分離や濃縮に使用するためのクロマトグラフィー材料などへの応用の可能性がある(特許文献1から4)。大腸菌宿主を用いた組換えFcγRIIbの調製に関して、これまでにいくつかの研究が行われているが、特許文献1から4では、大腸菌宿主で封入体(不溶性)として発現させた組換えFcγRIIbを、再生(リフォールディング)させる調製方法が報告されている。しかしながら、リフォールディングは一般的に複雑な操作が必要で、操作に数日かかる場合もあり時間がかかる、リフォールディング効率が低いなどの課題がある。
特許4914535号公報 特表2005−515981号公報 特開2011−105716号公報 特開2012−188456号公報
高井俊行,Jpn.J.Clin.Immunol.,28,318−326,2005 J.V.Ravetch等,Annu.Rev.Immunol.,9,457−492,1991
本発明の目的は、組換えFcγRIIbを発現時から可溶性として大量発現させることにより、リフォールディングを不必要として組換えFcγRIIbの製造効率を向上するために、大腸菌宿主での発現時から可溶性の改変型組換えFcγRIIbおよびその製造方法を提供することにある。
本発明者らの鋭意検討により、組換えFcγRIIbを構成するアミノ酸のうちの特定のアミノ酸を他の特定のアミノ酸に置換することにより、大腸菌宿主での発現時から可溶性であり、結果として大腸菌宿主で効率的に生産可能な改変型組換えFcγRIIbを提供し得ることが見出され、本発明が完成するに至った。
すなわち、本発明は、(a)配列番号1で示されるアミノ酸配列において、以下の(1)から(7)に記載のアミノ酸の置換を1つ以上含むアミノ酸配列からなる改変型組換えFcγRIIb、または、(b)前記(a)の組換えFcγRIIbのアミノ酸配列において、前記(1)から(7)に記載のアミノ酸の置換に加え、さらに1もしくは複数個のアミノ酸が欠失、置換または付加されたアミノ酸配列からなり、かつIgG結合性を有する改変型組換えFcγRIIb(以下、本願第1発明という)であり、本願第2発明は、本願第1発明の中で配列番号2から配列番号4のいずれかで示されるアミノ酸配列からなる組換えFcγRIIbである。
(1)配列番号1の68番目のイソロイシンのバリンへの置換。
(2)配列番号1の84番目のセリンのトレオニンへの置換。
(3)配列番号1の125番目のヒスチジンのアルギニンへの置換。
(4)配列番号1の158番目のリジンのメチオニンへの置換。
(5)配列番号1の162番目のアルギニンのヒスチジンへの置換。
(6)配列番号1の188番目のチロシンのアスパラギンへの置換。
(7)配列番号1の190番目のロイシンのセリンへの置換。
また本発明は、本願第1発明又は本願第2発明をコードするポリヌクレオチド(以下、本願第3発明という)であり、本願第3発明を含む発現ベクター(以下、本願第4発明という)であり、本願第4発明で宿主を形質転換して得られる改変型組換えFcγRIIbを生産可能な形質転換体(以下、本願第5発明という)である。本願第6発明は、本願第5発明の中で、本願第4発明で形質転換して得られた大腸菌である。
さらに本願発明は、本願第5発明又は本願第6発明の形質転換体を培養することにより改変型組換えFcγRIIbを生産する工程、得られた培養物から生産された改変型組換えFcγRIIbを回収する工程の2つの工程を含む、改変型組換えFcγRIIbの製造方法(以下、本願第7発明という)である。以下、本発明を詳細に説明する。
ヒトFcγRIIbは310個のアミノ酸からなり(UniProtデータベース、アクセッションナンバーP31994−1を参照)、N末端側から順に、42個のアミノ酸からなるシグナルペプチド領域、175個のアミノ酸からなる細胞外領域、23個のアミノ酸からなる細胞膜貫通領域、そして70個のアミノ酸からなる細胞内領域から構成され、IgGは、該ヒトFcγRIIbの細胞外領域の部分に結合する。本願第1発明は、配列番号1に示されるアミノ酸配列において所定のアミノ酸の置換を含むものであるが、配列番号1のアミノ酸配列のN末端側29番目のトレオニンから201番目のグルタミンまでのアミノ酸配列はヒトFcγRIIbの前記細胞外領域のアミノ酸配列に由来する配列である。すなわち、本願第1発明及び本願第2発明は、ヒトFcγRIIbの細胞外領域に由来するものである。
配列番号1のアミノ酸配列についてより詳細に説明すると、そのN末端側1番目のメチオニンから26番目のアラニンまでのアミノ酸配列は大腸菌ペリプラズムへの分泌発現シグナル配列(MalEシグナル配列)であり、27番目のメチオニンから28番目のグリシンまでアミノ酸配列はリンカー配列であり、29番目のトレオニンから201番目のグルタミンまでのアミノ酸配列は前述の通り、ヒトFcγRIIbの細胞外領域のアミノ酸配列に由来する部分であり、202番目のグリシンから203番目のグリシンまでのアミノ酸配列はリンカー配列であり、204番目のヒスチジンから209番目のヒスチジンまでのアミノ酸配列はポリヒスチジン配列である。
本願第1発明は、配列番号1に示されるアミノ酸配列において、N末端側から、(1)68番目のイソロイシンのバリンへの置換(以下、Ile68Valとする)、(2)84番目のセリンのトレオニンへの置換(以下、Ser84Thrとする)、(3)125番目のヒスチジンのアルギニンへの置換(以下、His125Argとする)、(4)158番目のリジンのメチオニンへの置換(以下、Lys158Metとする)、(5)162番目のアルギニンのヒスチジンへの置換(以下、Arg162Hisとする)、(6)188番目のチロシンのアスパラギンへの置換(以下、Tyr188Asnとする)または(7)190番目のロイシンのセリンへの置換(以下、Leu190Serとする)という7つの置換のうちの1つ以上の置換を含むアミノ酸配列からなる。本願第1発明の望ましい例として、本願第2発明、すなわち配列番号2(Tyr188Asnを含む)、配列番号3(Ile68Val、Ser84Thr、Lys158Met、Arg162HisおよびTyr188Asnを含む)または配列番号4(Ile68Val、Ser84Thr、His125Arg、Lys158Met、Arg162His、Tyr188AsnおよびLeu190Serの全てを含む)を例示することができる。
上記したIle68Val、Ser84Thr、His125Arg、Lys158Met、Arg162His、Tyr188AsnおよびLeu190Serというアミノ酸の置換は、本願第1発明の製造において、形質転換体による生産性(発現量)を高める効果がある。そのため、本願第1発明の生産性は、配列番号1に示されるアミノ酸配列からなる組換えFcγRIIbの生産性より高い。なお形質転換体による生産性をより高めるためには、本願第1発明は上記したアミノ酸の置換を複数、より望ましくはすべて有する。
本願第1発明および本願第2発明は、IgG結合性を有する限り、上記(1)から(7)のアミノ酸の置換を除く領域中に(言い換えれば、上記(1)から(7)のアミノ酸の置換を保持しつつ、更に加えて)、1または複数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されていてもよい。ここで複数のアミノ酸とは、2〜170個のアミノ酸を意味し、望ましくは2〜50個のアミノ酸を意味し、更に望ましくは2〜30個のアミノ酸を意味する。例えば、配列番号1のアミノ酸配列における大腸菌ペリプラズムへの分泌発現シグナルであるMalEシグナル配列の部分をPelB、DsbAまたはTorTなどの他のシグナル配列(特開2011−097898号公報参照)に置換してもよい。また、例えば、配列番号1のアミノ酸配列におけるポリヒスチジン配列の部分を他の配列(例えばポリリジン、ポリアルギニン、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸などのオリゴペプチドなど)に置換してもよいし、該ポリヒスチジン配列の部分を欠失させてもよい。アミノ酸の欠失、置換または付加は、当業者に周知の遺伝子工学的な方法を用いて行うことができる。
以下、本願第3ないし第7発明について説明する。本願第3発明は、Polymerase Chain Reaction(PCR)法といったDNA増幅法を利用しヒトFcγRIIbのcDNA等をもとに改変して合成する方法、ヒトFcγRIIbのアミノ酸配列からポリヌクレオチド配列に変換し、該ポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを人工的に合成し、それをさらにDNA増幅法を利用し改変して合成する方法、そして例えば配列番号2から配列番号4に記載のアミノ酸配列をポリヌクレオチド配列に変換し、該ポリヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドを人工的に合成する方法等により得ることができる。これらの方法において、アミノ酸配列からポリヌクレオチド配列に変換する際には、本願第1発明または本願第2発明の生産に利用する微生物や細胞(宿主)におけるコドンの使用頻度を考慮することが望ましい。一例として、大腸菌を宿主として利用する場合、アルギニン(Arg)ではAGA、AGG、CGGまたはCGAが、イソロイシン(Ile)ではATAが、ロイシン(Leu)ではCTAが、グリシン(Gly)ではGGAが、プロリン(Pro)ではCCCが、それぞれ使用頻度が少ないいわゆるレアコドンであるため、これらのコドン以外のコドンを選択して変換することが望ましい。ちなみに、コドンの使用頻度の解析は、例えば、かずさDNA研究所のホームページにあるCodon Usage Databaseなどを利用することにより可能である。
DNA増幅法を用いて本願第3発明のポリヌクレオチドを調製する際は、エラープローンPCR法を用いて変異を導入することができる。エラープローンPCR法における反応条件は、ポリヌクレオチドに所望の変異を導入できる条件であれば特に限定はなく、例えば、基質である4種類のデオキシヌクレオチド(dATP/dTTP/dCTP/dGTP)の濃度を不均一にし、MnCl2を0.01から10mM、望ましくは0.1から1mMの濃度でPCR反応液に添加してPCRを行なうことを例示できる。
本願第3発明のポリヌクレオチドとして、具体的に、配列番号2のアミノ酸配列をコードする配列番号5の塩基配列からなるポリヌクレオチド、配列番号3のアミノ酸配列をコードする配列番号6の塩基配列からなるポリヌクレオチドまたは配列番号4のアミノ酸配列をコードする配列番号7の塩基配列からなるポリヌクレオチドを例示することができる。本願第3発明のポリヌクレオチドを用いて宿主を形質転換するには、本発明のポリヌクレオチドそのものを用いて形質転換しても良いが、例えば、原核細胞や真核細胞の形質転換に通常用いるバクテリオファージ、コスミドまたはプラスミドなどを基にした発現ベクター中の適切な位置に本願第3発明のポリヌクレオチドを挿入して本願第4発明の発現ベクターとし、それを用いて形質転換したほうが、安定した形質転換が実施できる点で望ましい。ここで、適切な位置とは、発現ベクターの複製機能、所望の抗生物質マーカー、および伝達性に関わる領域を破壊しない位置を意味する。また発現ベクターに本願第3発明のポリヌクレオチドを挿入する際は、発現に必要なプロモータといった機能性ポリヌクレオチドに連結される状態で発現ベクターに挿入することが望ましい。
本願発明において使用する発現ベクターは、宿主内で安定に存在し複製できるものであれば特に制限はなく、例えば大腸菌を宿主とする場合、pET発現ベクター、pUC発現ベクター、pTrc発現ベクター、pCDF発現ベクターおよびpBBR発現ベクター等が例示できる。また本願発明において使用するプロモータとしては、例えば大腸菌を宿主とする場合、trpプロモータ、tacプロモータ、trcプロモータ、lacプロモータ、T7プロモータ、recAプロモータ、lppプロモータ、さらにはλファージのλPLプロモータ、λPRプロモータ等を例示できる。
本願第5発明の形質転換体は、前記方法により作製した本願第4発明の発現ベクターを用いて宿主を形質転換することで得ることができる。
本願発明において使用する宿主に特に制限はないが、遺伝子工学に関する実験が容易な点で大腸菌が望ましい。また本願第4発明の発現ベクターを用いて宿主を形質転換するには、当業者が通常用いる方法で行なえばよく、例えば、宿主として大腸菌(大腸菌JM109株、大腸菌BL21(DE3)株、大腸菌NiCo21(DE3)株、大腸菌W3110株等)を選択する場合には、公知の文献(例えば、Molecular Cloning,Cold Spring Harbor Laboratory,256,1992)に記載の方法等を使用することができる。なお、本願第5発明の形質転換体から適当な抽出方法または市販のキットなどを用いることで、本願第4発明の発現ベクターを抽出することができる。例えば宿主が大腸菌の場合には、アルカリ抽出法またはQIAprep Spin Miniprep kit(商品名、キアゲン社製)等の市販の抽出キットを用いることが例示できる。
本願第7発明は、本願第5または本願第6発明の形質転換体を用いて本願第1または本願第2発明のFcγRIIbを製造する方法であり、形質転換体を培養することでFcγRIIbを生産する工程(以下、第1工程という)、得られた培養物からFcγRIIbを回収する工程(以下、第2工程という)の2つの工程を含む。なお本明細書において、培養物とは、培養された形質転換体の細胞自体や細胞分泌物のほか、培養に用いた培地等も含まれる。
本願第7発明における第1工程では、形質転換体をその培養に適した培地で培養すれば良い。例えば、宿主として大腸菌を用いた場合は、必要な栄養源を補ったLuria−Bertani(LB)培地を使用することが望ましい例として例示できる。本願第4発明の発現ベクターが薬剤耐性遺伝子を含む場合、その遺伝子に対応した薬剤を培地に添加して第一工程を実施すれば、形質転換体の選択的増殖が可能となるため望ましい。例えば、当該発現ベクターがカナマイシン耐性遺伝子を含んでいる場合は、培地にカナマイシンを添加することが例示できる。
培地には、炭素、窒素および無機塩供給源の他に、適当な栄養源を添加するが、さらに、本願第5発明の形質転換体から培養液へのタンパク質分泌を促すためにグリシンなどの試薬を添加しても良い。宿主が大腸菌である場合、添加するグリシン濃度はその増殖に影響を与えない範囲であれば良く、望ましくは培地に対して10%(W/V)以下、より望ましくは0.1%から2%とすることが例示できる。培養温度は利用する宿主に関して一般的に知られた温度であれば良く、例えば宿主が大腸菌の場合、10℃から40℃、望ましくは25℃から35℃、より望ましくは30℃前後であり、製造しようとする本願第1発明または第2発明のFcγRIIbの製造量等を勘案しつつ、適宜決定すれば良い。培地のpHは、利用する宿主に関して一般的に知られたpH範囲とすれば良く、例えば宿主が大腸菌の場合、pH6.8からpH7.4の範囲、望ましくはpH7.0前後であり、製造しようとする本願第1発明または第2発明のFcγRIIbの製造量等を勘案しつつ、適宜決定すれば良い。
本願第4発明の発現ベクターに誘導性のプロモータを導入した場合は、FcγRIIbが良好に製造可能な条件下で培地に誘導剤を添加してその発現を誘導すれば良い。望ましい誘導剤としてはisopropyl−β−D−thiogalactopyranoside(IPTG)を例示することができ、その添加濃度は0.005から1.0mMの範囲、望ましくは0.01から0.5mMの範囲である。IPTG添加による発現誘導は、利用する宿主に関して一般的に知られた条件で行なえば良く、例えば宿主が大腸菌の場合、培養液の濁度(600nmにおける吸光度)が約0.1から1.0のときに適当量のIPTGを添加し、引き続き培養することで、本願第1発明または本願第2発明のFcγRIIbの発現を誘導することができる。
本願第7発明における第2工程では、第1工程で得られた培養物から一般的に知られた回収方法によってFcγRIIbを回収する。例えばFcγRIIbが培養液中に分泌生産される場合は細胞を遠心分離操作によって分離し、得られる培養上清から本願第1発明または本願第2発明のFcγRIIbを回収すれば良く、細胞内(原核生物においてはペリプラズムも含む)に発現する場合は、遠心分離操作により細胞を集めた後、酵素処理剤や界面活性剤等を添加するなどにより細胞を破砕し、細胞破砕液から回収すれば良い。
以上に説明したように、本願第7発明により、宿主の培養物から本願第1発明または本願第2発明のFcγRIIbを回収することができる。回収されたFcγRIIbについて、更に高純度化する場合は、一般的に知られた精製方法を用いれば良い。例えば、液体クロマトグラフィーを用いた分離精製を例示することができるが、その際にはイオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等を使用することが望ましく、特にこれらのクロマトグラフィーを複数種組み合わせて精製を行うことが望ましい。
本願発明によれば、大腸菌等の宿主での効率的な生産が可能な改変型組換えFcγRIIb、およびその製造方法が提供される。
改変型組換えFcγRIIbの生産性を評価した図である。
以下、本発明の実施の形態について、実施例を用いて詳細に説明するが、本実施例は本発明の一形態を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。
実施例1 FcγRIIbのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドの作製
ヒトFcγRIIbのアミノ酸配列(UniProtデータベースにアクセッションナンバーP31994−1として登録・公開)基にDNAworks法(Nucleic Acid Res.,30,e43頁,2002年)を用いて、コドンを大腸菌型に変換し、配列番号8に示すヒトFcγRIIbのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド配列を設計した。
配列番号9から配列番号50に示す42種類のオリゴヌクレオチドを使用した二段階のPCRにより、配列番号8に示すヒトFcγRIIbのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを作製した。
一段階目のPCRは、表1に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、94℃で5分の熱処理後、94℃で30秒間の第1ステップ、62℃で30秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を25サイクル繰り返した後、72℃で7分処理後に4℃に冷却することで実施した。なお、表1のDNA mixとは、配列番号9から配列番号50に示す42種類のオリゴヌクレオチドをそれぞれ一定量サンプリングし混合した溶液を意味する。
Figure 2017178908
二段階目のPCRは、表2に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、94℃で5分の熱処理後、94℃で30秒間の第1ステップ、65℃で30秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を25サイクル繰り返した後、72℃で7分処理後に4℃に冷却することで実施した。
Figure 2017178908
二段階目のPCR産物を、アガロースゲルを用いて電気泳動後、目的のPCR産物を含むゲル部分を切り出し、QIAquick Gel extraction kit(キアゲン社製)を用いて抽出することで精製した(以下、同様方法での精製をDNA断片精製と略記する)。精製したPCR産物の5’末端をリン酸化し(TaKaRa BKL Kit:タカラバイオ社)、制限酵素SmaIで消化したpUC19プラスミドベクターにライゲーションにより連結し、大腸菌JM109株(タカラバイオ社)を形質転換した。得られた形質転換体を50μg/mLのアンピシリンを添加したLB培地(10g/LのTryptone、5g/LのYeast extract、5g/LのNaCl)で培養し、QIAprep Spin Miniprep Kit(キアゲン社製)を用いて抽出することでプラスミドベクターpUC−FcγRIIbを調製した。
実施例2 組換えFcγRIIbの発現系構築
(1)pETMalE21ベクターの構築
鋳型DNAとして特開2012−147772号公報で開示されているプラスミドベクターpETMalEFcR−p7を、PCRプライマーとして配列番号51および配列番号52に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを、それぞれ用いてPCRを実施した。PCRは、表3に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返すことで実施した。得られたPCR産物をMalE21p1と命名した。
Figure 2017178908
DNA断片精製したPCR産物MalE21p1を制限酵素XbaIとNcoIで消化後、再度DNA断片精製した。この制限酵素XbaIとNcoIで消化したPCR産物MalE21p1を、あらかじめ制限酵素XbaIとNcoIで消化したpET26b(+)ベクター(Novagen社製)へライゲーションにより連結することでpETMalE21ベクターを作製し、これを用いて大腸菌BL21(DE3)株を塩化カルシウム法により形質転換した。得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養し、QIAprep Spin Miniprep Kit(キアゲン社製)を用いて抽出することでpETMalE21ベクターを調製した。
(2)配列番号1で示されるアミノ酸配列からなる組換えFcγRIIbの発現ベクターpET−FcγRIIbとその形質転換体の構築
鋳型DNAとして実施例1に記載のプラスミドベクターpUC−FcγRIIbを、PCRプライマーとして配列番号53および配列番号54に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを、それぞれ用いてPCRを実施した。PCRは、表3に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、98℃で5分の熱処理後、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返した後、72℃で5分処理後に4℃に冷却することで実施した。得られたPCR産物をFcγRIIb−p1と命名した。
DNA断片精製したPCR産物FcγRIIb−p1を制限酵素NcoIとHindIIIで消化後、再度DNA断片精製した。この制限酵素NcoIとHindIIIで消化したPCR産物FcγRIIb−p1を、あらかじめ制限酵素NcoIとHindIIIで消化したpETMalE21ベクターへライゲーションにより連結することで発現ベクターpET−FcγRIIbを作製し、これを用いて大腸菌NiCo21(DE3)株を塩化カルシウム法により形質転換した。得られた形質転換体を形質転換体FcγRIIbと命名した。形質転換体FcγRIIbを50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養し、QIAprep Spin Miniprep Kitを用いて抽出することで発現ベクターpET−FcγRIIbを調製した。
発現ベクターpET−FcγRIIbのうち、制限酵素XbaI認識配列からHindIII認識配列までのポリヌクレオチドの配列を配列番号55に示す。
(3)形質転換体FcγRIIbによる可溶性の組換えFcγRIIbの発現
形質転換体FcγRIIbを、50μg/mLのカナマイシンを含むLB培地に接種し、37℃で一晩、好気的に振とう培養することで前培養を行なった。前培養後、50μg/mLのカナマイシンを含むLB培地に前培養液を1%(v/v)接種し、37℃で好気的に振とう培養を行なった。培養開始1.5時間後、培養温度を20℃に変更して30分間振とう培養後、終濃度0.01mMとなるようIPTGを添加し、引き続き20℃で22時間、好気的に振とう培養した。培養終了後、遠心分離により集菌し、BugBuster Protein extraction kit(Novagen社製)を用いて可溶性タンパク質抽出液を調製した。調製した可溶性タンパク質抽出液中の組換えFcγRIIbの濃度を、以下に記すEnzyme−linked immunosorbent assay(ELISA)−1により測定した。
ELISA−1による組換えFcγRIIbの濃度測定は、次のように行った。抗FcγRIIB/C抗体(Anti−FcγRIIB/C,Mouse−Mono(190710))(R&D Systems社製、カタログ番号BAM18751)を50mMのTris−HCl緩衝液(pH8.0)で1μg/mLの濃度に調整後、それを96穴マイクロプレート(MaxiSorp、Nunc社製)の各ウェルに100μL/wellで添加し、抗FcγRIIB/C抗体を固定化した(4℃で18時間)。固定化終了後、各ウェルの溶液を捨て、TBS−B緩衝液(20mMのTris−HCl,137mMのNaCl,2.68mMのKCl,0.5パーセント(w/v)のBovine serum albumin,pH7.4)を各ウェルに添加し、ブロッキングを行った(30℃で2時間)。洗浄緩衝液(0.05%(w/v)のTween20と150mMのNaClを含む20mMのTris−HCl緩衝液(pH7.4))で各ウェルを洗浄後、調製した可溶性タンパク質抽出液を50mMのTris−HCl緩衝液(pH8.0)で段階希釈し、それらをウェルに添加して固定化抗FcγRIIB/C抗体と反応させた(30℃で1時間半)。反応終了後、洗浄緩衝液で各ウェルを洗浄し、Horseradish Peroxidase標識抗His−Tag抗体試薬(BETHYL社製)(50mMのTris−HCl緩衝液(pH8.0)で希釈)を各ウェルに添加し、30℃で1時間半反応させた。反応後、前記洗浄緩衝液で各ウェルの洗浄を行ない、TMB Peroxidase Substrate(KPL社製)を各ウェルに添加し、450nmにおける吸光度を測定した。既知濃度の糖鎖付組換えFcγRIIb(CD32b/c,Human,Recombinant,Carrier−free <FcγRIIB/C>)(R&D Systems社製、カタログ番号1875−CD−050)のELISA−1の測定結果を基準として、測定吸光度から可溶性タンパク質抽出液中の組換えFcγRIIbの濃度を決定した。
その結果、形質転換体FcγRIIbによる培養液あたりの可溶性の組換えFcγRIIbの生産性は3.2mg/L−培養液であった。
実施例3 ランダム変異導入を利用した改変型組換えFcγRIIbの作製
(1)ランダム変異導入ライブラリーの構築
エラープローンPCR法を用いて、組換えFcγRIIbをコードするポリヌクレオチドにランダムに変異を導入した。鋳型DNAとして発現ベクターpET−FcγRIIbを、PCRプライマーとして配列番号51および配列番号56に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをそれぞれ用いた。エラープローンPCRは、表4に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を95℃で2分間熱処理し、95℃で30秒間の第1ステップ、60℃で30秒間の第2ステップ、72℃で90秒間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返し、最後に72℃で7分間熱処理することで実施した。得られたPCR産物をEPと命名した。
Figure 2017178908
DNA断片精製したPCR産物EPを、制限酵素NcoIとHindIIIで消化後、再度DNA断片精製し、あらかじめ制限酵素NcoIとHindIIIで消化したpETMalE21ベクターにライゲーションにより連結し、これを用いて塩化カルシウム法により大腸菌NiCo21(DE3)株を形質転換した。得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンを含むLB寒天培地でコロニー形成させることで、組換えFcγRIIbのランダム変異導入ライブラリーを作製した。
(2)生産性の向上した改変型組換えFcγRIIbの1次スクリーニング
前記の組換えFcγRIIbのランダム変異導入ライブラリーの各コロニー(約1800)を、50μg/mLのカナマイシンを含むLB培地400μLに接種し、96穴ディープウェルプレートを用いて、37℃で好気的に一晩振とう培養した。培養後、20μLの培養液を600μLのLB培地(0.05mMのIPTG、0.3%のグリシン、および50μg/mLのカナマイシンを含む)に植え継ぎ、96穴ディープウェルプレートを用いて、さらに20℃で好気的に24時間振とう培養した。培養後、遠心操作により得られる培養上清を改変型組換えFcγRIIbサンプル溶液とした。次いで、50mMのTris−HCl緩衝液(pH8.0)を用いて5倍希釈した各改変型組換えFcγRIIbサンプル溶液について、それに含まれる可溶性の改変型組換えFcγRIIbの量を下記に示すELISA−2により評価した。
ELISA−2による可溶性の改変型組換えFcγRIIbの検出は、次のように行った。IgG(化学及血清療法研究所)を50mMのTris−HCl緩衝液(pH8.0)で10μg/mLの濃度に調整後、それを96穴マイクロプレート(MaxiSorp、Nunc社製)の各ウェルに100μL/wellで添加し、IgGを固定化した(4℃で18時間)。固定化終了後、各ウェルの溶液を捨て、TBS−B緩衝液を各ウェルに添加し、ブロッキングを行った(30℃で2時間)。洗浄緩衝液で各ウェルを洗浄後、調製した改変型組換えFcγRIIbサンプル溶液をウェルに添加し、固定化IgGと反応させた(30℃で1時間半)。反応終了後、洗浄緩衝液で各ウェルを洗浄し、Horseradish Peroxidase標識抗His−Tag抗体試薬(BETHYL社製)(50mMのTris−HCl緩衝液(pH8.0)で希釈)を各ウェルに添加し、30℃で1時間半反応させた。反応後、洗浄緩衝液で各ウェルの洗浄を行ない、TMB Peroxidase Substrate(KPL社製)を各ウェルに添加し、450nmにおける吸光度を測定した。
このELISA−2による評価の結果から、組換えFcγRIIbと比較して生産性の向上した改変型組換えFcγRIIbを発現する形質転換体を選抜した。
(3)生産性の向上した改変型組換えFcγRIIbの2次スクリーニング
1次スクリーニングで選抜した各形質転換体を、50μg/mLのカナマイシンを含むLB培地に接種し、37℃で一晩、好気的に振とう培養することで前培養を行なった。前培養後、50μg/mLのカナマイシンを含むLB培地に前培養液を1%(v/v)接種し、37℃で好気的に振とう培養を行なった。培養開始1.5時間後、培養温度を20℃に変更して30分間振とう培養後、終濃度0.01mMとなるようIPTGを添加し、引き続き20℃で22時間、好気的に振とう培養した。培養終了後、遠心分離により集菌し、BugBuster Protein extraction kit(Novagen社製)を用いて可溶性タンパク質抽出液を調製した。調製した可溶性タンパク質抽出液中の可溶性の改変型組換えFcγRIIbの濃度を、以下に記す改変型組換えFcγRIIbとIgGの結合性を利用した測定法であるELISA−3により測定した。
ELISA−3による可溶性の改変型組換えFcγRIIbの濃度測定は、次のように行った。IgG(化学及血清療法研究所)を50mMのTris−HCl緩衝液(pH8.0)で10μg/mLの濃度に調整後、それを96穴マイクロプレート(MaxiSorp、Nunc社製)の各ウェルに100μL/wellで添加し、IgGを固定化した(4℃で18時間)。固定化終了後、各ウェルの溶液を捨て、TBS−B緩衝液を各ウェルに添加し、ブロッキングを行った(30℃で2時間)。洗浄緩衝液で各ウェルを洗浄後、調製した可溶性タンパク質抽出液を50mMのグリシンを含む50mMのTris−HCl緩衝液(pH8.0)で段階希釈し、それらをウェルに添加して、固定化IgGと反応させた(30℃で1時間半)。反応終了後、洗浄緩衝液で各ウェルを洗浄し、Horseradish Peroxidase標識抗His−Tag抗体試薬(BETHYL社製)(50mMのグリシンを含む50mMのTris−HCl緩衝液(pH8.0)で希釈)を各ウェルに添加し、30℃で1時間半反応させた。反応後、洗浄緩衝液で各ウェルの洗浄を行ない、TMB Peroxidase Substrate(KPL社製)を各ウェルに添加し、450nmにおける吸光度を測定した。既知濃度の可溶性の組換えFcγRIIbのELISA−3の測定結果を基準として、測定吸光度から各可溶性タンパク質抽出液中の改変型組換えFcγRIIbの濃度を決定した。
各形質転換体による培養液あたりの可溶性の改変型組換えFcγRIIbの生産性は、可溶性タンパク質抽出液中の改変型組換えFcγRIIbの濃度を基に算出した。同じ条件で実験を行った実施例2に記載の形質転換体FcγRIIbによる培養液あたりの可溶性の組換えFcγRIIbの生産性(3.2mg/L−培養液)より高い生産性を示した形質転換体を選択した。その結果、10株の形質転換体が選択され、それらを形質転換体m1、形質転換体a13G4、形質転換体a15G9、形質転換体a17D5、形質転換体a18G1、形質転換体a1B2、形質転換体a15A6、形質転換体a1B1、形質転換体a4F3、形質転換体a2E2と命名した。各形質転換体による培養液あたりの可溶性の改変型組換えFcγRIIbの生産性は表5に示す。また、ELISA−3により測定可能であったことからこれらの形質転換体によって産生される改変型組換えFcγRIIbはいずれもIgG結合性を有することがわかる。
Figure 2017178908
前記選択した各形質転換体を培養し、QIAprep Spin Miniprep Kitを用いて抽出することで各発現ベクターを調製した。これらの発現ベクターのうち、改変型組換えFcγRIIbをコードするポリヌクレオチドおよびその周辺の領域について、チェーンターミネータ法に基づくBig Dye Terminator Cycle Sequencing FS read Reaction kit(PEアプライドバイオシステム社製)を用いてサイクルシークエンス反応に供し、全自動DNAシークエンサーABI Prism 3700 DNA analyzer(PEアプライドバイオシステム社製)にてヌクレオチド配列を解析した。なお当該解析の際、配列番号51または配列番号56に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドのいずれかをシークエンス用プライマーとして使用した。
ポリヌクレオチドの配列解析の結果を基に各形質転換体により発現される改変型組換えFcγRIIbのアミノ酸配列を決定した。その結果、形質転換体m1と形質転換体a13G4によって発現される改変型組換えFcγRIIbはともにTyr188Asnのアミノ酸の置換を、形質転換体a15G9によって発現される改変型組換えFcγRIIbはArg162Hisのアミノ酸の置換を、形質転換体a17D5と形質転換体a18G1によって発現される改変型組換えFcγRIIbはともにLys158Metのアミノ酸の置換を、形質転換体a1B2によって発現される改変型組換えFcγRIIbはLeu190Serのアミノ酸の置換を、形質転換体a15A6と形質転換体a1B1によって発現される改変型組換えFcγRIIbはともにIle68Valのアミノ酸の置換を、形質転換体a4F3によって発現される改変型組換えFcγRIIbはSer84Thrのアミノ酸の置換を、形質転換体a2E2によって発現される改変型組換えFcγRIIbはHis125Argのアミノ酸の置換をそれぞれ有していた(表5)。前記の各形質転換体による培養液あたりの可溶性の改変型組換えFcγRIIbの生産性の評価結果から、これらのアミノ酸置換は可溶性の改変型組換えFcγRIIbの生産性の向上に寄与したことが示唆された。
前記の各形質転換体による培養液あたりの可溶性の改変型組換えFcγRIIbの生産性の評価結果において、培養液あたりの可溶性の改変型組換えFcγRIIbの生産性が最も高かった形質転換体m1により発現される改変型組換えFcγRIIbをFcγRIIb−m1と命名した。FcγRIIb−m1のアミノ酸配列を配列番号2に、当該アミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号5に、それぞれ示す。
配列番号2のアミノ酸配列の詳細を説明すると、配列番号2の1番目のメチオニンから26番目のアラニンまでのアミノ酸配列は大腸菌ペリプラズムへの分泌発現シグナルであるMalEシグナル配列であり、27番目のメチオニンから28番目のグリシンまでアミノ酸配列はリンカー配列であり、29番目のトレオニンから201番目のグルタミンまでのアミノ酸配列は前記のヒトFcγRIIbの細胞外領域のアミノ酸配列に由来する配列であり、202番目のグリシンから203番目のグリシンまでのアミノ酸配列はリンカー配列であり、204番目のヒスチジンから209番目のヒスチジンまでのアミノ酸配列はポリヒスチジン配列である。配列番号2に示されるアミノ酸配列は、配列番号1に示されるアミノ酸配列において1つのアミノ酸が置換(Tyr188Asn)されたアミノ酸配列である。
実施例4 FcγRIIb−m5を発現する形質転換体の構築
実施例3で判明したアミノ酸の置換のうちの5つのアミノ酸の置換(Ile68Val、Ser84Thr、Lys158Met、Arg162HisおよびTyr188Asn)を有する改変型組換えFcγRIIbであるFcγRIIb−m5を発現する形質転換体の作製を以下の方法で行った。
鋳型DNAとして実施例3において形質転換体a1B1から調製した発現ベクターを、PCRプライマーとして配列番号51および配列番号57に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを、それぞれ用いてPCRを実施した。PCRは、表3に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返すことで実施した。得られたPCR産物をm5p1と命名した。
鋳型DNAとして実施例3において形質転換体a17D5から調製した発現ベクターを、PCRプライマーとして配列番号58および配列番号59に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを、それぞれ用いてPCRを実施した。PCRは、表3に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返すことで実施した。得られたPCR産物をm5p2と命名した。
鋳型DNAとして実施例3において形質転換体m1から調製した発現ベクターを、PCRプライマーとして配列番号60および配列番号56に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを、それぞれ用いてPCRを実施した。PCRは、表3に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返すことで実施した。得られたPCR産物をm5p3と命名した。
DNA断片精製したPCR産物m5p1、m5p2およびm5p3を混合後、表6に示す組成の反応液を調製し、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を5サイクル繰り返すことでPCRを実施した。得られたPCR産物をm5p4と命名した。
Figure 2017178908
PCR産物m5p4を鋳型DNAとし、配列番号51および配列番号56に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして、PCRを実施した。PCRは、表3に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返すことで実施した。得られたPCR産物をDNA断片精製することで、FcγRIIb−m5をコードするポリヌクレオチドを得た。
FcγRIIb−m5をコードするポリヌクレオチドを制限酵素NcoIとHindIIIで消化後、DNA断片精製し、あらかじめ制限酵素NcoIとHindIIIで消化したpETMalE21ベクターにライゲーションにより連結し、これを用いて大腸菌NiCo21(DE3)株を塩化カルシウム法により形質転換した。得られた形質転換体を形質転換体m5と命名した。
FcγRIIb−m5をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターpET−FcγRIIb−m5は、50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養した形質転換体m5からQIAprep Spin Miniprep Kitを用いて抽出することで調製した。発現ベクターpET−FcγRIIb−m5のうち、FcγRIIb−m5をコードするポリヌクレオチド領域の配列の解析を、実施例3と同様の方法により行なった。発現ベクターpET−FcγRIIb−m5により発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号3に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号6に、それぞれ示す。
配列番号3のアミノ酸配列の詳細を説明すると、配列番号3の1番目のメチオニンから26番目のアラニンまでのアミノ酸配列は大腸菌ペリプラズムへの分泌発現シグナルであるMalEシグナル配列であり、27番目のメチオニンから28番目のグリシンまでアミノ酸配列はリンカー配列であり、29番目のトレオニンから201番目のグルタミンまでのアミノ酸配列は前記のヒトFcγRIIbの細胞外領域のアミノ酸配列に由来する配列であり、202番目のグリシンから203番目のグリシンまでのアミノ酸配列はリンカー配列であり、204番目のヒスチジンから209番目のヒスチジンまでのアミノ酸配列はポリヒスチジン配列である。配列番号3に示されるアミノ酸配列は、配列番号1に示されるアミノ酸配列において5つのアミノ酸が置換(Ile68Val、Ser84Thr、Lys158Met、Arg162HisおよびTyr188Asn)されたアミノ酸配列である。
実施例5 FcγRIIb−m7を発現する形質転換体の構築
実施例3で判明したアミノ酸の置換のうちの7つのアミノ酸の置換(Ile68Val、Ser84Thr、His125Arg、Lys158Met、Arg162His、Tyr188AsnおよびLeu190Ser)を有する改変型組換えFcγRIIbであるFcγRIIb−m7を発現する形質転換体の作製を以下の方法で行った。
鋳型DNAとして実施例4のFcγRIIb−m5をコードするポリヌクレオチドを、PCRプライマーとして配列番号51および配列番号61に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを、それぞれ用いてPCRを実施した。PCRは、表3に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返すことで実施した。得られたPCR産物をm7p1と命名した。
鋳型DNAとして実施例4のFcγRIIb−m5をコードするポリヌクレオチドを、PCRプライマーとして配列番号62および配列番号63に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを、それぞれ用いてPCRを実施した。PCRは、表3に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返すことで実施した。得られたPCR産物をm7p2と命名した。
鋳型DNAとして実施例4のFcγRIIb−m5をコードするポリヌクレオチドを、PCRプライマーとして配列番号64および配列番号56に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドを、それぞれ用いてPCRを実施した。PCRは、表3に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返すことで実施した。得られたPCR産物をm7p3と命名した。
DNA断片精製したPCR産物m7p1、m7p2およびm7p3を混合後、表6に示す組成の反応液を調製し、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、55℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を5サイクル繰り返すことでPCRを実施した。得られたPCR産物をm7p4と命名した。
PCR産物m7p4を鋳型DNAとし、配列番号51および配列番号56に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドをPCRプライマーとして、PCRを実施した。PCRは、表3に示す組成の反応液を調製後、当該反応液を、98℃で10秒間の第1ステップ、50℃で5秒間の第2ステップ、72℃で1分間の第3ステップを1サイクルとする反応を30サイクル繰り返すことで実施した。得られたPCR産物をDNA断片精製することで、FcγRIIb−m7をコードするポリヌクレオチドを得た。
FcγRIIb−m7をコードするポリヌクレオチドを制限酵素NcoIとHindIIIで消化後、DNA断片精製し、あらかじめ制限酵素NcoIとHindIIIで消化したpETMalE21ベクターにライゲーションにより連結し、これを用いて大腸菌NiCo21(DE3)株を塩化カルシウム法により形質転換した。得られた形質転換体を形質転換体m7と命名した。
FcγRIIb−m7をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターpET−FcγRIIb−m7は、50μg/mLのカナマイシンを添加したLB培地で培養した形質転換体m7からQIAprep Spin Miniprep Kitを用いて抽出することで調製した。発現ベクターpET−FcγRIIb−m7のうち、FcγRIIb−m7をコードするポリヌクレオチド領域の配列の解析を、実施例3と同様の方法により行なった。発現ベクターpET−FcγRIIb−m7により発現されるポリペプチドのアミノ酸配列を配列番号4に、当該ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの配列を配列番号7に、それぞれ示す。
配列番号4のアミノ酸配列の詳細を説明すると、配列番号4の1番目のメチオニンから26番目のアラニンまでのアミノ酸配列は大腸菌ペリプラズムへの分泌発現シグナルであるMalEシグナル配列であり、27番目のメチオニンから28番目のグリシンまでアミノ酸配列はリンカー配列であり、29番目のトレオニンから201番目のグルタミンまでのアミノ酸配列は前記のヒトFcγRIIbの細胞外領域のアミノ酸配列に由来する配列であり、202番目のグリシンから203番目のグリシンまでのアミノ酸配列はリンカー配列であり、204番目のヒスチジンから209番目のヒスチジンまでのアミノ酸配列はポリヒスチジン配列である。配列番号4に示されるアミノ酸配列は、配列番号1に示されるアミノ酸配列において7つのアミノ酸が置換(Ile68Val、Ser84Thr、His125Arg、Lys158Met、Arg162His、Tyr188AsnおよびLeu190Ser)されたアミノ酸配列である。
実施例6 改変型組換えFcγRIIbの評価
実施例2の形質転換体FcγRIIb、実施例3の形質転換体m1、実施例4の形質転換体m5、および実施例5の形質転換体m7を、それぞれ50μg/mLのカナマイシンを含むLB液体培地に接種し、37℃で一晩、好気的に振とう培養することで前培養を行なった。
それぞれの前培養液を50μg/mLのカナマイシンを含むLB液体培地に1%(v/v)接種し、37℃で好気的に振とう培養を行なった。培養開始1.5時間後、培養温度を20℃に変更して30分間振とう培養後、終濃度0.01mMとなるようIPTGをそれぞれに添加し、引き続き20℃で22時間、好気的に振とう培養した。
培養終了後、遠心分離により集菌し、BugBuster Protein extraction kitを用いてそれぞれの可溶性タンパク質抽出液を調製した。
形質転換体FcγRIIb、形質転換体m1、形質転換体m5および形質転換体m7から調製した可溶性タンパク質抽出液中の改変型組換えFcγRIIb(それぞれ組換えFcγRIIb、FcγRIIb−m1、FcγRIIb−m5およびFcγRIIb−m7)の濃度を、実施例3に記すELISA−3により測定した。
各形質転換体による培養液あたりの可溶性の改変型組換えFcγRIIbの生産性は、可溶性タンパク質抽出液中の改変型組換えFcγRIIbの濃度を基に算出した。2連で測定を行なった結果、図1に示すように、各形質転換体による培養液あたりの可溶性の改変型組換えFcγRIIbの生産性は、多い順に、形質転換体m7(培養液あたりの可溶性のFcγRIIb−m7の生産性:135.1±29.0mg/L−培養液)、形質転換体m5(培養液あたりの可溶性のFcγRIIb−m5の生産性:47.6±2.4mg/L−培養液)、形質転換体m1(培養液あたりの可溶性のFcγRIIb−m1の生産性:20.5±4.0mg/L−培養液)であった。これらの各形質転換体による培養液あたりの可溶性の改変型組換えFcγRIIbの生産性は、形質転換体FcγRIIbによる培養液あたりの可溶性の組換えFcγRIIbの生産性(2.5±0.3mg/L−培養液)より高かった。また、ELISA−3により測定可能であったことからFcγRIIb−m5とFcγRIIb−m7がIgG結合性を有することがわかる。
このように、特定のアミノ酸の置換を有する改変型組換えFcγRIIbは、特定のアミノ酸の置換を有さない組換えFcγRIIbと比較して、その生産性が向上することがわかる。さらに、改変型組換えFcγRIIbが特定のアミノ酸の置換を多数有することで、その生産性がより向上することがわかる。
本発明の改変型組換えFcγRIIbは、効率的に生産可能であり、そのIgG結合性から、診断薬を含む医薬品、生化学試薬およびIgGを精製するためのアフィニティークロマトグラフィー用のリガンドとして有用である。

Claims (7)

  1. 以下の(a)または(b)の改変型組換えFcγRIIb。
    (a)配列番号1で示されるアミノ酸配列において、以下の(1)から(7)に記載のアミノ酸の置換を1つ以上含むアミノ酸配列からなる改変型組換えFcγRIIb
    (1)配列番号1の68番目のイソロイシンがバリンに置換
    (2)配列番号1の84番目のセリンがトレオニンに置換
    (3)配列番号1の125番目のヒスチジンがアルギニンに置換
    (4)配列番号1の158番目のリジンがメチオニンに置換
    (5)配列番号1の162番目のアルギニンがヒスチジンに置換
    (6)配列番号1の188番目のチロシンがアスパラギンに置換
    (7)配列番号1の190番目のロイシンがセリンに置換
    (b)上記(a)の組換えFcγRIIbのアミノ酸配列において、上記(1)から(7)に記載のアミノ酸の置換を除く領域中に1もしくは複数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列からなり、かつIgG結合性を有する改変型組換えFcγRIIb。
  2. 配列番号2から配列番号4のいずれかで示されるアミノ酸配列からなる、請求項1に記載の改変型組換えFcγRIIb。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載の改変型組換えFcγRIIbをコードするポリヌクレオチド。
  4. 請求項3に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
  5. 請求項4に記載の発現ベクターで宿主を形質転換して得られる改変型組換えFcγRIIbを生産可能な形質転換体。
  6. 宿主が大腸菌である、請求項5に記載の形質転換体。
  7. 請求項5または請求項6に記載の形質転換体を培養することにより改変型組換えFcγRIIbを生産する工程、得られた培養物から生産された改変型組換えFcγRIIbを回収する工程の2つの工程を含む改変型組換えFcγRIIbの製造方法。
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