JP6828291B2 - ヒトFcRnをコードするポリヌクレオチドおよび当該ポリヌクレオチドを利用したヒトFcRnの製造方法 - Google Patents
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Description
ヒトFcRnのα鎖のアミノ酸配列(配列番号1)は、UniProt(Accession number:P55899)などの公的データベースに公表されている。また、β鎖のアミノ酸配列(配列番号2)は、UniProt(Accession number:P61769)に公表されている。また、ヒトFcRnの構造上の機能ドメイン、細胞膜を貫通するためのシグナルペプチド配列、細胞膜貫通領域の位置についても同様に公表されている。図1にヒトFcRnのα鎖、図2にβ鎖の構造略図を示す。なお、図1中のアミノ酸番号は配列番号1に記載のアミノ酸番号に対応する。すなわち、配列番号1中の1番目のメチオニン(Met)から23番目のグリシン(Gly)までがシグナル配列(S)、24番目のアラニン(Ala)から297番目のセリン(Ser)までが細胞外領域(EC)、298番目のバリン(Val)から321番目のトリプトファン(Trp)までが細胞膜貫通領域(TM)および322番目のアルギニン(Arg)から365番目のアラニン(Ala)までが細胞内領域(C)とされている。また、図2中のアミノ酸番号は配列番号2に記載のアミノ酸番号に対応する。すなわち、配列番号1中の1番目のメチオニン(Met)から20番目のアラニン(Ala)までがシグナル配列(S)、21番目のイソロイシン(Ile)から119番目のメチオニン(Met)までがβ2ミクログロブリン(B2M)とされている。
(A)配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも24番目のアラニンから297番目のセリンまでのアミノ酸残基と配列番号2に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも21番目のイソロイシンから119番目のメチオニンまでのアミノ酸残基を含むタンパク質を大腸菌型コドンを用いて変換した、ヒトFcRnをコードするポリヌクレオチド。
(I)ヒトFcRnをコードするポリヌクレオチドに対して、PCR等のDNA増幅法を用いて、大腸菌型コドンとなるよう変異を導入し、作製する方法や、
(II)ヒトFcRnのアミノ酸配列を大腸菌型コドンを用いてヌクレオチド配列に変換したものを設計し、当該設計した配列からなるポリヌクレオチドを人工的に合成する方法、
が例示できる。なお前記(I)または(II)の方法で作製した本発明のポリヌクレオチドの5’末端側にシグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドを付加してもよく、宿主が大腸菌の場合は、前記シグナルペプチドとしてpelB、DsbA、MalE(UniProt No.P0AEX9に記載のアミノ酸配列のうち1番目から26番目までの領域)、TorTといったペリプラズムにタンパク質を分泌させるシグナルペプチドをあげることができる(特開2011−097898号公報)。
さらに本発明において得られたヒトFcRnは可溶性であるため、工業的用途に使用する場合に不溶性のヒトFcRnよりも簡便に加工することができる。
(1)配列番号1に記載のヒトFcRnのα鎖のアミノ酸配列のうち、24番目のアラニンから297番目のセリンと配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるヒトFcRnのβ鎖のアミノ酸配列のうち21番目のイソロイシンから119番目のメチオニンまでのアミノ酸配列を基に、DNAworks法(Nucleic Acids Res.,30,e43,2002)を用いて、コドンをヒト型から大腸菌型に変換し、リンカーでつないだヌクレオチド配列を設計した。また、両端にNcoIとHindIIIの制限酵素を含めた。設計したヌクレオチド配列を配列番号3に示す。
(2)設計したヌクレオチドを人工的に合成した。
(3)(2)で得られたポリヌクレオチドを制限酵素NcoIとHindIIIで消化後、あらかじめ制限酵素NcoIとHindIIIで消化した発現ベクターpETMalE(特開2011−206046号公報)にライゲーションし、当該ライゲーション産物を用いて大腸菌BL21株(DE3)を形質転換した。
(4)得られた形質転換体を50μg/mLのカナマイシンンを含むLB培地にて培養後、QIAprep Spin Miniprep kit(キアゲン社製)を用いて、発現ベクターpET−eFcRnを抽出した。
(5)(4)で作製した発現ベクターpET−eFcRnのうち、FcRnをコードするポリヌクレオチドおよびその周辺の領域について、チェーンターミネータ法に基づくBig Dye Terminator Cycle Sequencing FS read Reaction kit(ライフサイエンス社製)を用いてサイクルシークエンス反応に供し、全自動DNAシークエンサーABI Prism 3700 DNA analyzer(ライフサイエンス社製)にてヌクレオチド配列を解析した。なお当該解析の際、配列番号4(TAATACGACTCACTATAGGG−3’)または配列番号5(5’−TATGCTAGTTATTGCTCAG−3’)に記載のオリゴヌクレオチドをシークエンス用プライマーとして使用した。
(1)実施例1で得られた、発現ベクターpET−eFcRnで形質転換した大腸菌BL21(DE3)株を、50μg/mLのカナマイシンを含む4mLの2YT液体培地(ペプトン16g/L、イーストエキストラクト10g/L、塩化ナトリウム5g/L)に接種後、37℃で一晩、好気的に振とう培養することで前培養を行なった。
(2)50μg/mLのカナマイシンを添加した15mLの2YT液体培地に(1)の前培養液を150μL接種し、37℃で好気的に振とう培養を行なった。
(3)培養開始150分後、終濃度0mM/0.1mMとなるようIPTGを添加し、20℃で4時間、好気的に振とう培養した。
(4)培養終了後、遠心分離により集菌し、超音波発生機(トミー精工社製)を用いて、可溶分画中のタンパク質抽出液を調製した。
(5)(4)で調製したタンパク質抽出液に含まれるヒトFcRnの抗体結合活性を、下記に示すELISA法を用いて測定した。
(5−1)ヒト抗体であるガンマグロブリン製剤(化学及血清療法研究所製)を、96穴マイクロプレートのウェルに10μg/well固定化した(4℃で18時間)。固定化終了後、2%(w/v)のSKIM MILK(BD社製)を含んだリン酸緩衝液(pH6.0)によりブロッキングした。
(5−2)洗浄緩衝液(リン酸緩衝液(pH6.0))で洗浄後、(4)で調製したヒトFcRnを含む溶液を固定化ガンマグロブリンと反応させた(30℃で1時間)。
(5−3)反応終了後、前記洗浄緩衝液で洗浄し、ブロッキング溶液で100ng/mLに希釈したAnti−6His抗体(Bethyl Laboratories社製)を100μL/wellで添加した。
(5−4)30℃で1時間反応させ、前記洗浄緩衝液で洗浄した後、TMB Peroxidase Substrate(KPL社製)を50μL/wellで添加した。1Mのリン酸を50μL/wellで添加することで発色を止め、マイクロプレートリーダー(Tecan社製)にて450nmの吸光度を測定した。
Claims (4)
- 配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも24番目のアラニンから297番目のセリンまでのアミノ酸残基と配列番号2に記載のアミノ酸配列のうち少なくとも21番目のイソロイシンから119番目のメチオニンまでのアミノ酸残基を含むタンパク質であるヒトFcRnをコードする、配列番号3に記載のヌクレオチド配列を含む、大腸菌型コドンを用いて変換した、ポリヌクレオチド。
- 請求項1に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
- 請求項2に記載のベクターで大腸菌を形質転換して得られる形質転換体。
- 請求項3に記載の形質転換体を培養し、得られた培養物からヒトFcRnを回収する、ヒトFcRnの製造方法。
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