JP2017178761A - 六方晶フェライト粉末、磁気記録媒体および六方晶フェライト粉末の製造方法 - Google Patents

六方晶フェライト粉末、磁気記録媒体および六方晶フェライト粉末の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】優れた電磁変換特性を発揮することができ、かつ繰り返し再生における再生出力の低下が少ない磁気記録媒体の作製を可能とする六方晶フェライト粉末の提供。
【解決手段】活性化体積が800nm以上1200nm未満、好ましくは850〜1150nmであり、鉄原子100原子%に対する希土類原子含有率が0.5〜8.0原子%好ましくは0.5〜6.0原子%、特に好ましくは1.0〜4.5原子%であり、異方性定数Kuが1.5×10J/m以上であり、希土類原子表層部偏在性を有し、かつ楕円体状粉末である六方晶フェライト粉末。前記希土類がY、La、Sm、Yb又はNdから選ばれる1種以上である六方晶フェライト。前記フェライト粉末を用いる磁気記録媒体。六方晶フェライト粉末の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、六方晶フェライト粉末、磁気記録媒体および六方晶フェライト粉末の製造方法に関する。
六方晶フェライト粉末は、磁気記録媒体の磁性層に含まれる強磁性粉末として広く用いられている。六方晶フェライト粉末は、保磁力が永久磁石材料にも用いられた程に大きく、保磁力の基である磁気異方性は結晶構造に由来するため粒子を微細化しても高保磁力を維持することができる。更に、六方晶フェライト粉末を磁性層に含む磁気記録媒体は、その垂直成分により高密度特性に優れる。このように六方晶フェライト粉末は、高密度記録化に適した強磁性粉末である。
近年、上記優れた特性を有する六方晶フェライト粉末を更に改良するための各種提案がなされている(例えば特許文献1および特許文献2参照)。
特開2015−91747号公報 特開2011−178654号公報
磁気記録媒体に求められる性能としては、優れた電磁変換特性を発揮できることが挙げられる。電磁変換特性を向上するための手段としては、強磁性粉末の粒子サイズを小さくすることが挙げられる。
磁気記録媒体は、記録された信号を繰り返し再生するためのデータストレージ用記録媒体として有用である。その有用性を更に高めるためには、優れた電磁変換特性を発揮できることに加えて、繰り返し再生における再生出力の低下が少ないことが望ましい。しかるに、強磁性粉末の粒子サイズを小さくするほど、繰り返し再生における再生出力の低下を抑制することが困難になる傾向がある。粒子サイズを小さくするほど、いわゆる熱揺らぎと呼ばれる現象が発生しやすくなるためである。
そこで本発明の目的は、優れた電磁変換特性を発揮することができ、かつ繰り返し再生における再生出力の低下が少ない磁気記録媒体の作製を可能とする六方晶フェライト粉末を提供することにある。
本発明者は上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、以下の六方晶フェライト粉末:
活性化体積が800nm以上1200nm未満であり、
鉄原子100原子%に対する希土類原子含有率が0.5〜8.0原子%の範囲であり、
希土類原子表層部偏在性を有し、かつ
楕円体状粉末である六方晶フェライト粉末、
を見出すに至った。即ち、上記六方晶フェライト粉末を磁性層に含む磁気記録媒体は、優れた電磁変換特性を発揮することができ、かつ繰り返し再生における再生出力の低下を抑制できることが、本発明者の鋭意検討の結果、明らかとなった。この点について、本発明者は、下記(1)および(2)のように推察している。
(1)活性化体積が上記範囲であることが、上記六方晶フェライト粉末を磁性層に含む磁気記録媒体が優れた電磁変換特性を発揮できることに寄与すると、本発明者は考えている。
(2)上記六方晶フェライト粉末が希土類原子表層部偏在性を有することおよび楕円体状粉末であることが、六方晶フェライト粉末の熱揺らぎを低減することに寄与すると、本発明者は推察している。希土類原子表層部偏在性および楕円体状粉末について、詳細は後述する。希土類原子表層部偏在性については、本発明者は、六方晶フェライトの粒子表層部に希土類原子が偏在することが表層部の結晶格子内のFeサイトのスピンを安定化することに寄与し、これにより熱的安定性の向上が可能になるのではないかと考えている。そして、熱揺らぎを低減できる結果、上記六方晶フェライト粉末を磁性層に含む磁気記録媒体において、繰り返し再生における再生出力の低下を抑制することが可能になると、本発明者は推察している。更に、上記六方晶フェライト粉末が希土類原子表層部偏在性を有することおよび楕円体状粉末であることが、電磁変換特性の向上にも寄与すると、本発明者は考えている。
ただし以上は推察に過ぎず、本発明を何ら限定するものではない。
「活性化体積」とは、磁化反転の単位であって、粒子の磁気的な大きさを示す指標である。本発明および本明細書に記載の活性化体積および後述の異方性定数Kuは、振動試料型磁束計を用いて保磁力Hc測定部の磁場スイープ速度3分と30分とで測定し、以下のHcと活性化体積Vとの関係式から求められる値である。なお異方性定数Kuの単位に関して、1erg/cc=7.958×10−3J/mである。
Hc=2Ku/Ms{1−[(kT/KuV)ln(At/0.693)]1/2
[上記式中、Ku:異方性定数(単位:J/m)、Ms:飽和磁化(単位:kA/m)、k:ボルツマン定数、T:絶対温度(単位:K)、V:活性化体積(単位:cm)、A:スピン歳差周波数(単位:s−1)、t:磁界反転時間(単位:s)]
本発明および本明細書における「希土類原子」は、スカンジウム原子(Sc)、イットリウム原子(Y)、およびランタノイド原子からなる群から選択される。ランタノイド原子は、ランタン原子(La)、セリウム原子(Ce)、プラセオジム原子(Pr)、ネオジム原子(Nd)、プロメチウム原子(Pm)、サマリウム原子(Sm)、ユウロピウム原子(Eu)、ガドリニウム原子(Gd)、テルビウム原子(Tb)、ジスブロシウム原子(Dy)、ホルミウム原子(Ho)、エルビウム原子(Er)、ツリウム原子(Tm)、イッテルビウム原子(Yb)、およびルテチウム原子(Lu)からなる群から選択される。
本発明および本明細書における「希土類原子表層部偏在性」とは、六方晶フェライト粉末を酸により部分溶解して得られた溶解液中の鉄原子100原子%に対する希土類原子含有率(以下、「表層部含有率」と記載する。)が、六方晶フェライト粉末を酸により全溶解して得られた溶解液中の鉄原子100原子%に対する希土類原子含有率(以下、「バルク含有率」と記載する。)と、
表層部含有率/バルク含有率>1.0
の比率を満たすことを意味する。上記の六方晶フェライト粉末の希土類原子含有率とは、バルク含有率と同義である。これに対し、酸を用いる部分溶解は六方晶フェライト粉末の表層部を溶解するため、部分溶解により得られる溶解液中の希土類原子含有率は、即ち六方晶フェライト粉末の表層部における希土類原子含有率である。表層部含有率が、「表層部含有率/バルク含有率>1.0」の比率を満たすことは、希土類原子が表層部に偏在(即ち内部より多く存在)していることを意味する。本発明および本明細書における表層部とは、表面から内部に向かう一部領域を意味する。
粉末として存在している六方晶フェライト粉末については、部分溶解および全溶解する試料粉末は、同一ロットの粉末から採取する。一方、磁気記録媒体の磁性層に含まれている六方晶フェライト粉末については、磁性層から取り出した六方晶フェライト粉末の一部を部分溶解に付し、他の一部を全溶解に付す。磁性層からの六方晶フェライト粉末の取り出しは、例えば、特開2015−91747号公報の段落0032に記載の方法によって行うことができる。
上記部分溶解とは、溶解終了時に液中に六方晶フェライト粉末の残留が目視で確認できる程度に溶解することをいう。例えば、部分溶解により、粒子全体を100質量%として10〜20質量%の領域を溶解することができる。一方、上記全溶解とは、溶解終了時に液中に六方晶フェライト粉末の残留が目視で確認されない状態まで溶解することをいう。
上記部分溶解および表層部含有率の測定は、例えば、以下の方法により行われる。ただし、下記の試料粉末量等の溶解条件は例示であって、部分溶解および全溶解が可能な溶解条件を任意に採用できる。
試料粉末12mgおよび1mol/L塩酸10mlを入れた容器(例えばビーカー)を、設定温度70℃のホットプレート上で1時間保持する。得られた溶解液を0.1μmのメンブレンフィルタでろ過する。こうして得られたろ液の元素分析を誘導結合プラズマ(ICP;Inductively Coupled Plasma)分析装置によって行う。こうして、鉄原子100原子%に対する希土類原子の表層部含有率を求めることができる。元素分析により複数種の希土類原子が検出された場合には、全希土類原子の合計含有率を、表層部含有率とする。この点は、バルク含有率の測定においても、同様である。
一方、上記全溶解およびバルク含有率の測定は、例えば、以下の方法により行われる。
試料粉末12mgおよび4mol/L塩酸10mlを入れた容器(例えばビーカー)を、設定温度80℃のホットプレート上で3時間保持する。その後は上記の部分溶解および表層部含有率の測定と同様に行い、鉄原子100原子%に対するバルク含有率を求めることができる。
本発明および本明細書において、「粉末」とは、複数の粒子の集合を意味する。例えば、六方晶フェライト粉末とは、複数の六方晶フェライト粒子の集合を意味する。また、複数の粒子の集合とは、集合を構成する粒子が直接接触している態様に限定されず、後述する結合剤および/または添加剤等が、粒子同士の間に介在している態様も包含される。六方晶フェライトの粉末または粒子を、以下において六方晶フェライトと記載することがある。「楕円体状粉末」とは、式(1):
1.2<長軸長/短軸長<2.0 …(1)
を満たし、かつ板状ではない六方晶フェライト粒子(以下、「楕円体状粒子」と記載する。)を、粒子数基準で50%以上含む粉末をいう。板状とは主表面を有する形状であり、主表面とは、粒子上で最も多くの面積を占める外表面のことをいう。例えば特許文献2の表2では、粒子の板径を示している。板径が特定される粒子は、例えば六角平面形状の粒子である。六角平面形状では、最も多くの面積を占める表面は六角形の外表面であり、この部分を主表面という。
上記の楕円体状粒子が六方晶フェライト粉末全体に占める割合は、無作為に抽出した500個の粒子について求める。上記式(1)を満たす板状ではない粒子が全粒子(500個)に占める割合として算出される。粒子のサイズについては、粒子の長さを最も長く取ることができる軸(直線)を長軸として決定し、この長軸の長さを長軸長とする。一方、短軸は、長軸と直交する直線で粒子長さを取ったときに最も長さが長くなる軸として決定し、この軸の長さを短軸長とする。粒子の形状およびサイズは、透過電子顕微鏡観察法により測定する。具体的には、加速電圧100kVの透過型電子顕微鏡(例えば日立製透過型電子顕微鏡H−9000型)を用いて直接法で撮影した粒子写真における、500個の粒子について求める。より詳しくは、粒子写真を、撮影倍率100000倍で撮影し、総倍率500000倍になるように印画紙にプリントする。粒子写真から目的の粒子を選びデジタイザーで粉体の輪郭をトレースし、画像解析ソフト(例えば、カールツァイス製画像解析ソフトKS−400)を用いて粒子の形状を観察しサイズ(長軸長および短軸長)を測定する。
一態様では、上記希土類原子は、イットリウム原子、ランタン原子、サマリウム原子、イッテルビウム原子およびネオジム原子からなる群から選択される一種以上の希土類原子である。
一態様では、バリウムフェライト粉末、ストロンチウムフェライト粉末、またはバリウムフェライトとストロンチウムフェライトとの混晶の粉末である。
一態様では、上記希土類原子含有率(バルク含有率)は、0.5〜6.0原子%の範囲である。
一態様では、上記希土類原子含有率(バルク含有率)は、1.0〜4.5原子%の範囲である。
一態様では、上記活性化体積は、850〜1150nmの範囲である。
一態様では、上記六方晶フェライト粉末の異方性定数Kuは、1.5×10J/m以上である。
本発明の更なる態様は、非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体であって、上記強磁性粉末が、上記の本発明の一態様にかかる六方晶フェライト粉末である磁気記録媒体に関する。
本発明の更なる態様は、上記の本発明の一態様にかかる六方晶フェライト粉末の製造方法であって、
鉄塩、二価金属塩、および希土類塩を水系溶液中で混合することにより六方晶フェライト前駆体を調製すること、ならびに、
上記六方晶フェライト前駆体を含む水系溶液を、内部を流れる流体を加熱および加圧する反応流路に連続的に送液することにより、上記反応流路内で上記六方晶フェライト前駆体を六方晶フェライトに転換すること、
を含む上記六方晶フェライト粉末の製造方法、
に関する。
一態様では、上記反応流路は、内部を流れる流体を300℃以上に加熱し、かつ20MPa以上に加圧する反応流路である。
一態様では、上記混合は、塩基存在下で行われる。
本発明によれば、優れた電磁変換特性を発揮することができ、かつ繰り返し再生における再生出力の低下が少ない磁気記録媒体の作製を可能とする六方晶フェライト粉末、および上記六方晶フェライト粉末を磁性層の強磁性粉末として含む磁気記録媒体を提供することができる。
連続的水熱合成法を用いる六方晶フェライト粉末の製造に使用可能な製造装置の一例の概略説明図である。 連続的水熱合成法を用いる六方晶フェライト粉末の製造に使用可能な製造装置の一例の概略説明図である。
[六方晶フェライト粉末]
本発明の一態様は、活性化体積が800nm以上1200nm未満であり、鉄原子100原子%に対する希土類原子含有率(バルク含有率)が0.5〜8.0原子%の範囲であり、希土類原子表層部偏在性を有し、かつ楕円体状粉末である六方晶フェライト粉末に関する。
以下、上記六方晶フェライト粉末について、更に詳細に説明する。
<活性化体積>
上記六方晶フェライト粉末の活性化体積は、800nm以上1200nm未満である。活性化体積が1200nm未満であることにより、上記六方晶フェライト粉末を磁性層に含む磁気記録媒体は、優れた電磁変換特性を発揮することができる。また、活性化体積が800nm以上であることにより、上記六方晶フェライト粉末を磁性層に含む磁気記録媒体は、優れた電磁変換特性を発揮することができ、かつ繰り返し再生における再生出力の低下を抑制することができる。電磁変換特性の更なる向上および繰り返し再生における再生出力の低下をより一層抑制する観点から、上記六方晶フェライト粉末の活性化体積は、850〜1150nmの範囲であることが好ましく、900〜1100nmの範囲であることがより好ましい。
<希土類原子の存在状態>
上記六方晶フェライト粉末は、鉄原子100原子%に対して、0.5〜8.0原子%の含有率(バルク含有率)で希土類原子を含む。上記バルク含有率で希土類原子を含み、かつ希土類原子が表層部に偏在していることが、上記六方晶フェライト粉末の熱揺らぎの低減に寄与すると本発明者は考えている。この点に関する本発明者の推察の詳細は、先に記載した通りである。熱揺らぎが低減された熱的安定性に優れる六方晶フェライト粉末を磁性層に含む磁気記録媒体は、繰り返し再生における再生出力の低下抑制が可能である。更に、上記バルク含有率で希土類原子を含み、かつ希土類原子が表層部に偏在していることは、電磁変換特性の向上にも寄与すると、本発明者は推察している。熱揺らぎの更なる低減および電磁変換特性の更なる向上の観点から、上記バルク含有率は、0.5〜7.0原子%の範囲であることが好ましく、0.5〜6.0原子%の範囲であることがより好ましく、0.7〜6.0原子%の範囲であることが更に好ましく、1.0〜5.0原子%の範囲であることが一層好ましく、1.0〜4.5原子%の範囲であることがより一層好ましく、1.0〜4.0原子%の範囲であることが更に一層好ましく、1.2〜4.0原子%の範囲であることが更により一層好ましい。
上記バルク含有率は、六方晶フェライト粉末を全溶解して求められる含有率である。上記六方晶フェライト粉末は、希土類原子として一種の希土類原子のみ含んでもよく、二種以上の希土類原子を含んでもよい。二種以上の希土類原子を含む場合の上記バルク含有率とは、二種以上の希土類原子の合計について求められる。この点は、本発明および本明細書における他の成分についても同様である。即ち、特記しない限り、ある成分は、一種のみ用いてもよく、二種以上用いてもよい。二種以上用いられる場合の含有量または含有率とは、二種以上の合計についていうものとする。
上記六方晶フェライト粉末に含まれる希土類原子は、希土類原子のいずれか一種以上であればよい。熱的安定性および電磁変換特性のより一層の向上の観点から好ましい希土類原子としては、イットリウム原子、ランタン原子、サマリウム原子、イッテルビウム原子およびネオジム原子を挙げることができる。
上記六方晶フェライト粉末は、上記範囲のバルク含有率で希土類原子の一種以上を含み、かつ含まれる希土類原子は表層部に偏在している。このことが、上記六方晶フェライト粉末の熱揺らぎの低減、およびこの六方晶フェライト粉末を磁性層に含む磁気記録媒体の電磁変換特性向上に寄与していると、本発明者は考えている。この点に関する本発明者の推察の詳細は、先に記載した通りである。希土類原子は表層部に偏在していればよく、偏在の程度は限定されるものではない。例えば、上記六方晶フェライト粉末について、先に例示した溶解条件で部分溶解して求められた希土類原子の表層部含有率と先に例示した溶解条件で全溶解して求められた希土類原子のバルク含有率との比率、「表層部含有率/バルク含有率」は1.0超であり、1.5以上または2.0以上であることができる。また、先に例示した溶解条件で部分溶解して求められた希土類原子の表層部含有率と先に例示した溶解条件で全溶解して求められた希土類原子のバルク含有率との比率、「表層部含有率/バルク含有率」は、例えば、10.0以下、9.0以下、8.0以下、7.0以下、または6.0以下であることができる。ただし上記の通り希土類原子は表層部に偏在していればよく、上記の「表層部含有率/バルク含有率」は、例示した上限または下限に限定されるものではない。
<粉末の形状>
上記六方晶フェライト粉末は、上記範囲の活性化体積を有し、希土類原子のバルク含有率が上記範囲であって、かつ希土類原子表層部偏在性を有する楕円体状粉末である。楕円体状粉末であることも、上記六方晶フェライト粉末の熱揺らぎ低減に寄与していると、本発明者は推察している。楕円体状粉末については、先に記載した通りである。
<六方晶フェライトの構成原子>
六方晶フェライトには、構成原子として、鉄原子および二価金属原子が含まれる。二価金属原子とは、イオンとして二価のカチオンになり得る金属原子であり、バリウム原子、ストロンチウム原子、カルシウム原子等のアルカリ土類金属原子、鉛原子等を挙げることができる。ただし、本発明および本明細書に記載の二価金属原子には、希土類原子は含まれないものとする。例えば、二価金属原子としてバリウム原子を含む六方晶フェライトは、バリウムフェライトであり、ストロンチウム原子を含む六方晶フェライトは、ストロンチウムフェライトである。また、六方晶フェライトは、二種以上の六方晶フェライトの混晶であってもよい。混晶の一例としては、バリウムフェライトとストロンチウムフェライトの混晶を挙げることができる。
六方晶フェライトの結晶構造としては、マグネトプランバイト型(「M型」とも呼ばれる。)、W型、Y型およびZ型が知られている。上記六方晶フェライト粉末は、いずれの結晶構造を取るものであってもよい。上記六方晶フェライト粉末の二価金属原子含有率は、通常、六方晶フェライトの結晶構造の種類により定まるものであり、特に限定されるものではない。鉄原子含有率についても、同様である。上記六方晶フェライト粉末は、鉄原子、二価金属原子および希土類原子を含み、これら原子以外の原子を含んでもよく、含まなくてもよい。熱揺らぎのより一層の低減の観点からは、上記六方晶フェライト粉末は、鉄原子、二価金属原子、および希土類原子を含み、これら原子以外の原子の含有率が、鉄原子100質量%に対して、5.0質量%以下であることが好ましく、0〜3.0質量%の範囲であることがより好ましく、0質量%であること、即ち鉄原子、二価金属原子および希土類原子以外の原子を含まないことが、更に好ましい。上記の含有率は、六方晶フェライト粉末を全溶解して求められる含有率をいう。したがって、「含まない」とは、全溶解してICP分析装置により測定される含有率が0質量%であることをいう。ICP分析装置の検出限界は、通常、質量基準で0.01ppm(parts per million)以下である。上記の「含まない」とは、ICP分析装置の検出限界未満の量で含まれることを包含する意味で用いるものとする。
<異方性定数Ku>
熱揺らぎの低減、換言すれば熱的安定性の向上の指標としては、異方性定数Kuを挙げることができる。上記六方晶フェライト粉末は、好ましくは1.5×10J/m以上のKuを有することができ、より好ましくは1.7×10J/m以上のKuを有することができる。また、上記六方晶フェライト粉末のKuは、例えば1.8×10J/m以下であることができる。ただしKuが高いほど熱的安定性が高いことを意味し好ましいため、上記例示した値に限定されるものではない。
以上説明した本発明の一態様にかかる六方晶フェライト粉末は、六方晶フェライト粉末の製造方法として公知の製造方法、例えば、共沈法、逆ミセル法、水熱合成法、ガラス結晶化法等により製造することができる。好ましい製造方法としては、水熱合成法を挙げることができる。水熱合成法とは、六方晶フェライト前駆体を含む水系溶液を加熱することにより六方晶フェライト前駆体を六方晶フェライト粉末に転換する手法である。水熱合成法は、粉末の形状制御が容易である点、ならびに、希土類原子表層部偏在性を有する六方晶フェライト粉末の製造が容易である点で、好ましい。中でも、本発明の一態様にかかる六方晶フェライト粉末の製造容易性の観点からは、六方晶フェライト前駆体を含む水系流体を反応流路に送液しつつ加熱および加圧することにより、加熱および加圧されている水、好ましくは亜臨界〜超臨界状態の水の高い反応性を利用し、六方晶フェライト前駆体を六方晶フェライトに転換する連続的水熱合成法が好ましい。以下に、好ましい製造方法の一態様として、連続的水熱合成法を用いる製造方法について説明する。ただし、本発明の一態様にかかる六方晶フェライト粉末は、上記範囲の活性化体積を有し、希土類原子のバルク含有率が上記範囲であって、かつ希土類原子表層部偏在性を有する楕円体状粉末であればよく、下記製造方法により製造される六方晶フェライト粉末に限定されるものではない。
[六方晶フェライト粉末の製造方法]
本発明の一態様は、
上記の本発明の一態様にかかる六方晶フェライト粉末の製造方法であって、
鉄塩、二価金属塩、および希土類塩を水系溶液中で混合することにより六方晶フェライト前駆体を調製すること、ならびに、
六方晶フェライト前駆体を含む水系溶液を、内部を流れる流体を加熱および加圧する反応流路に連続的に送液することにより、反応流路内で上記六方晶フェライト前駆体を六方晶フェライトに転換すること、
を含む上記六方晶フェライト粉末の製造方法、
に関する。
以下、上記製造方法について、更に詳細に説明する。
<六方晶フェライト前駆体の調製>
(i)原材料(鉄塩、二価金属塩および希土類塩)
六方晶フェライト前駆体(以下、「前駆体」とも記載する。)とは、加熱および加圧された水の存在下に置かれることにより六方晶フェライトに転換(フェライト化)するものであればよい。加熱および加圧された水を、以下では高温高圧(の)水ともいう。その詳細は後述する。前駆体は、水に対して高い溶解性を示し後述する水系溶媒に溶解するものであってもよく、水に対する溶解性に乏しく、水系溶媒中でコロイド粒子として分散(ゾル状)していてもよい。
鉄塩としては、鉄の水溶性塩、例えば、塩化物、臭化物、沃化物等のハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、有機酸塩および錯塩等を用いることができる。また、水和物を用いてもよい。
二価金属塩としては、先に二価金属原子について記載した各種二価金属原子を含む塩を挙げることができ、所望の六方晶フェライトの種類に応じて選択すればよい。例えばバリウムフェライトを得たい場合には、二価金属塩としてバリウム塩を使用し、ストロンチウムフェライトを得たい場合には、ストロンチウム塩を使用する。また、バリウムフェライトとストロンチウムフェライトとの混晶を得たい場合には、二価金属塩としてバリウム塩とストロンチウム塩を併用すればよい。二価金属塩としては、水溶性塩が好ましく、例えば、水酸化物、塩化物、臭化物、沃化物等のハロゲン化物、硝酸塩等を用いることができる。また、水和物を用いてもよい。
鉄塩と二価金属塩の混合比および添加量は、所望のフェライト組成に応じて決定すればよい。
希土類塩としては、先に記載した各種希土類原子を含む塩を挙げることができる。希土類塩としては、水溶性塩が好ましく、例えば、水酸化物、塩化物、臭化物、沃化物等のハロゲン化物、硝酸塩等を用いることができる。また、水和物を用いてもよい。
希土類塩は、先に記載した範囲のバルク含有率で希土類原子を含む六方晶フェライト粉末を得ることができれば、その使用量は特に限定されるものではない。上記六方晶フェライト粉末の製造容易性の観点からは、希土類塩は、希土類塩および鉄塩の使用量から算出される値として、希土類原子Mと鉄原子とのモル比(M/Fe)が、0.5〜8.0の範囲となる量で使用することが好ましく、1.0〜6.0の範囲となる量で使用することがより好ましい。希土類塩として、希土類原子が異なる二種以上の塩を用いる場合、上記のMは、二種以上の希土類原子の合計についていうものとする。
以上説明した塩を、水系溶液中、好ましくは塩基を含む水系溶液中で混合することにより、これらの塩に含まれていた原子を含む六方晶フェライト前駆体を析出させることができる。上記水系溶液中では、通常、鉄原子、二価金属原子および希土類原子とを含む塩(例えば水酸化物)が粒子状、好ましくはコロイド粒子として析出する。ここで析出する粒子は、その後に高温高圧の水の存在下に置かれることによりフェライト化し六方晶フェライトとなる。上記混合を塩基の存在下で行うことにより、主に、塩基を含む水系溶液中の水酸化物イオン(OH)が、上記塩に由来するイオンと水酸化物ゾルを形成することにより、前駆体が形成されると考えられる。そしてここで析出する前駆体は、その後、六方晶フェライトに転換(フェライト化)される。
(ii)塩基
本発明および本明細書における塩基とは、アレニウスの定義、ブレンステッドの定義、およびルイスの定義のいずれか1つ以上により塩基と定義されるもの(アレニウス塩基、ブレンステッド塩基、およびルイス塩基のいずれか1つ以上に定義されるもの)をいう。
塩基の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア水等を挙げることができる。ただし、上記例示した塩基に限定されるものではない。また、無機塩基に限定されるものではなく、有機塩基を用いることもできる。楕円体状粉末である六方晶フェライト粉末の製造容易性の観点からは、塩基量は、鉄塩と二価金属塩との合計に対する塩基の割合が、モル比で1以上となる量とすることが好ましく、2以上となる量とすることが好ましい。また、同様の観点から、塩基量は、上記モル比が5以下となる量とすることが好ましく、4以下となる量とすることがより好ましい。反応時の水系溶液の液温は、加熱または冷却により温度制御してもよく、温度制御なしの室温であってもよい。好ましくは、上記液温は、10〜90℃の範囲であり、温度制御なし(例えば20〜25℃程度)でも反応を十分に進行させることができる。温度制御のために、後述する反応槽は、加熱手段および/または冷却手段を備えていてもよい。また、後述する送液路を、温度制御のために加熱手段によって加熱してもよく、冷却手段によって冷却してもよい。
(iii)水系溶媒
水系溶液とは、溶媒として水系溶媒を含む溶液である。水系溶媒とは、水を含む溶媒をいい、水のみであってもよく、水と有機溶媒との混合溶媒であってもよい。前駆体の調製に用いる水系溶媒は、水が50質量%以上を占めることが好ましく、水のみであることがより好ましい。
水系溶媒において水と併用され得る有機溶媒としては、水と混和性のもの、または、親水性のものが好ましい。この点からは極性溶媒の使用が好適である。ここで極性溶媒とは、誘電率が15以上、溶解パラメータが8以上の少なくとも一方を満たす溶媒をいう。好ましい有機溶媒としては、例えば、アルコール類、ケトン類、アルデヒド類、ニトリル類、ラクタム類、オキシム類、アミド類、尿素類、アミン類、スルフィド類、スルホキシド類、リン酸エステル類、カルボン酸類またはカルボン酸誘導体であるエステル類、炭酸または炭酸エステル類、エーテル類等が挙げられる。
(iv)各種成分の混合
六方晶フェライト前駆体を調製するための上記成分の混合は、一態様では、反応槽内で行うことができる。反応槽としては、回分式(バッチ式)反応槽を用いてもよく、連続式反応槽を用いてもよい。なお回分式反応槽では、原材料の供給および反応と、反応生成物の抜き取りは、別工程として行われる。これに対し連続式反応槽では、原材料の供給および反応と、反応生成物の抜き取りは、少なくとも一部の期間、並行して行われる。また、回分式であるか連続式であるかを問わず、反応槽では、通常、撹拌羽、マグネチックスターラー等の公知の撹拌手段により上記成分と水系溶媒を含む水系溶液の撹拌混合が行われる。上記の原材料、塩基等の各成分は、反応槽へ固体の状態で供給してもよく、液体の状態で供給してもよい。水系溶液中の原材料および塩基の濃度は適宜設定すればよい。また、反応槽への各成分の供給は同時に行ってもよく、任意の順番で順次開始してもよい。こうして、六方晶フェライト前駆体を含有する水系溶液を得ることができる。以下において、六方晶フェライト前駆体を含有する水系溶液を、「前駆体溶液」とも記載する。
また、他の一態様では、六方晶フェライト前駆体を含有する水系溶液(前駆体溶液)を調製するための上記成分の混合を、連続的な製造プロセスの中で行うこともできる。好ましくは、鉄塩、二価金属塩および希土類塩を含む溶液が送液されている送液路を、塩基含有水系溶液が送液されている送液路と合流させることにより、これら溶液を混合することによって、六方晶フェライト前駆体を含有する水系溶液を調製することができる。かかる調製の具体的態様については、後述する。
水熱合成法を用いる六方晶フェライト粉末の製造方法において、一般に有機修飾剤と呼ばれる有機化合物を、六方晶フェライトの調製前に六方晶フェライト前駆体と混合するか、または上記有機化合物を含む六方晶フェライト前駆体を調製することが、近年行われている。一態様では、かかる有機修飾剤を使用して、本発明の一態様にかかる六方晶フェライト粉末を製造することができる。有機修飾剤は、調製される六方晶フェライト粉末の形状制御等に寄与すると言われている。有機修飾剤を使用する水熱合成法を用いる六方晶フェライト粉末の製造方法については、公知技術を参照できる。
他方、本発明の好ましい一態様では、そのような有機修飾剤を使用することなく、以下に詳述する六方晶フェライトの調製を行うことができる。これは、鉄塩および二価金属塩とともに希土類塩を用いることにより、六方晶フェライト前駆体の表層部に希土類原子が偏在する傾向があり、偏在した希土類原子が有機修飾剤のように形状制御に寄与するからではないかと、本発明者は推察している。したがって、本発明の一態様にかかる六方晶フェライト粉末は、有機修飾剤を使用することなく製造された六方晶フェライト粉末であることができる。
<六方晶フェライトの調製>
六方晶フェライトは、前駆体溶液を、内部を流れる流体を加熱および加圧する反応流路に連続的に送液することにより、この反応流路内で六方晶フェライト前駆体を六方晶フェライトに転換することによって調製することができる。本発明者は、六方晶フェライト前駆体は、反応流路内(高温高圧の系内)で一旦瞬間的に溶解した後に結晶化し、これにより六方晶フェライト粒子が析出する(六方晶フェライトへ転換する)と考えている。
一態様では、前駆体溶液をそのまま、内部を流れる流体を加熱および加圧する反応流路に連続的に送液することができる。かかる態様では、前駆体溶液に含まれていた水が加熱および加圧されることによって六方晶フェライト前駆体が高温高圧水の存在下に置かれることにより、六方晶フェライト前駆体を六方晶フェライトに転換することができる。
また、一態様では、前駆体溶液を、高温高圧水が送液されている送液路と合流させた後に、内部を流れる流体を加熱および加圧する反応流路に連続的に送液することにより、この反応流路内で六方晶フェライト前駆体を六方晶フェライトに転換することもできる。
後者の態様は、六方晶フェライト前駆体が、高温高圧水と接触することにより、より迅速に高い反応状態に置かれるため、六方晶フェライトへの転換を早期に進行させることができる点で好ましい。以下に、後者の態様について、図面を参照し、更に具体的に説明する。ただし、本発明は、図面に示す態様に限定されるものではない。
図1は、水熱合成法によって六方晶フェライト粉末を製造するために使用可能な製造装置の一例の概略説明図であり、詳しくは、水熱合成法を連続的に行うこと(連続的水熱合成法)により六方晶フェライト粉末を製造するために使用可能な製造装置の概略説明図である。
図2は、前駆体(前駆体溶液)の調製も連続的な製造法の中で行う態様に好適な製造装置の一例の概略説明図である。
図1および図2において、同一の構成要素については、同一の符号が付されている。
図1を例にとり説明すると、図1に示す製造装置は、液槽31、32、加熱手段34(34a〜34c)、加圧送液手段35aおよび35b、反応流路36、冷却部37、ろ過手段38、圧力調整弁(背圧弁)39、ならびに回収部40を含み、送液路100および流路101に、各液槽から流体が送液される。なお図中に示した加熱手段の数(3つ)は、あくまでも例示であって、これに限定されるものではない。
図2に示す製造装置では、上記構成に加えて更に、液槽33、加圧送液手段35cおよび流路102が含まれる。
一態様では、液槽31に精製水、蒸留水等の水を導入し、液槽32に前駆体溶液を導入する。液槽31に導入された水は、加圧送液手段35aにより圧力を加えられながら送液路100内に送液され、加熱手段34において加熱される。この加熱および加圧は、水を高温高圧状態とするために行われるものであり、水を亜臨界〜超臨界状態とするように行うことが好ましい。亜臨界〜超臨界状態の水はきわめて高い反応性を示すことができるため、このような状態の水と接触することにより、六方晶フェライト前駆体を瞬時に高反応状態に置くことができ、フェライト化を早期に進行させることができる。一般に水は、200℃以上に加熱され、かつ20MPa以上に加圧されることで亜臨界〜超臨界状態となる。したがって、上記の水の加熱および加圧は、200℃以上、かつ20MPa以上の温度および圧力で行うことが好ましい。上記の加熱および加圧された高温高圧水は送液路100内で送液され、混合部M1に達する。
図1に示す製造装置では、前駆体溶液は、液槽32から加圧送液手段35bにより配管101に送液され、混合部M1において高温高圧水が送液されている送液路100と合流する。
一方、図2に示す製造装置では、前駆体溶液の調製も連続的な製造法の中で行うことができる。図2に示す製造装置では、液槽32に鉄塩、二価金属塩および希土類塩を含む溶液(以下、「原材料溶液」とも記載する。)を、液槽33に塩基含有水系溶液(通常、鉄塩、二価金属塩および希土類塩を含まない。)を導入し、液槽32から加圧送液手段35bにより配管101に送液された原材料溶液と、液槽33から加圧送液手段35cにより配管102に送液された塩基含有水系溶液とを、混合部M0において合流させる。なお、上記の例とは逆に、液槽32に塩基含有水系溶液、液槽33に原材料溶液を導入してもよい。混合部M0〜M1の間で、原材料溶液と塩基含有水系溶液とが混合されることにより、六方晶フェライト前駆体を調製することができる。
そして、図2に示す製造装置では、こうして調製された六方晶フェライト前駆体を含む水系溶液を、混合部M1において、液槽31から加圧送液手段35aにより流路100に送液され、加熱手段34により加熱された高温高圧水と合流させる。
上記混合部での混合の後、高温高圧水および六方晶フェライト前駆体の混合流は、送液路100を経て反応流路36に送液される。反応流路36において混合流を加熱し、更に加圧手段35aにより圧力を加えることにより、反応流路36内の混合流に含まれる水が高温高圧状態、好ましくは亜臨界〜超臨界状態となり六方晶フェライト前駆体のフェライト化が進行する。その後、排出口D1から、六方晶フェライト前駆体が転換した六方晶フェライトの粒子を含む溶液が排出される。排出された溶液は、冷却部37に送液され冷却部37において冷却される。その後、排出口D2を経て、ろ過手段(フィルタ等)38により、六方晶フェライトの粒子が捕集される。ろ過手段38で捕集された六方晶フェライトの粒子はろ過手段38から放出され圧力調整弁39を経て回収部40に回収される。回収部40から六方晶フェライト粉末を収集し、必要に応じて公知の後工程、例えば洗浄(例えば酸洗浄、水洗、溶媒を用いる洗浄等)、遠心分離等を行うことにより、六方晶フェライト粉末を得ることができる。希土類原子が六方晶フェライトの粒子内部に拡散することを抑制する観点から、後工程において、六方晶フェライト粉末を、300℃以上の雰囲気温度の環境下に置かないことが好ましい。
上記反応流路36における加熱および加圧に関して、水が存在する反応系を、300℃以上に加熱し、かつ20MPa以上の圧力を加えて加圧することで、水が亜臨界〜超臨界状態となり、きわめて高い反応性を有する反応場がもたらされる。この状態の下に六方晶フェライト前駆体を置くことによりフェライト化を迅速に進行させることができ、六方晶フェライトの粒子を得ることができる。したがって加熱温度は、反応流路内の混合流が300℃以上となる温度とすることが好ましい。また、加熱温度は、上記反応流路から排出され冷却部へ送液される水系溶液の液温が350℃以上450℃以下となるように設定することがより好ましい。ここで上記の液温は、反応流路の排出口(図1および図2に示す装置では排出口D1)における液温をいうものとする。反応流路の排出口における液温が上記範囲となる温度条件で反応流路内で六方晶フェライト前駆体を六方晶フェライトに転換する反応を行うことは、得られる六方晶フェライト粉末の磁気特性向上の観点から好ましい。これは、六方晶フェライト粉末の結晶性が向上することに起因するものであると、本発明者は推察している。上記液温は、より好ましくは360℃以上430℃以下であり、更に好ましくは380℃以上420℃以下である。一方、反応流路内の混合流に加える圧力は、好ましくは20MPa以上であり、より好ましくは20MPa〜50MPaの範囲である。
上記混合流の任意の位置が反応流路に導入されてから排出されるまでの時間を「反応時間」と呼ぶと、本発明者の検討によれば、反応時間が長いほど、六方晶フェライトの結晶形成に有利であるものの、調製される六方晶フェライト粉末に占める式(1)を満たさない粒子および/または板状粒子の割合が多くなる傾向が見られた。楕円体状粉末である六方晶フェライト粉末の製造容易性の観点からは、反応時間は、30秒〜3分間とすることが好ましく、40秒〜2分間とすることがより好ましく、50秒〜2分間とすることが更に好ましい。反応時間は、反応流路の寸法(例えば流路の長さ)および反応流路内での混合流の流速の一方または両方によって調整することができる。また、六方晶フェライト粉末の活性化体積も、反応時間により制御することができる。上記範囲の活性化体積を有する六方晶フェライト粉末の製造容易性の観点からも、反応時間は上記範囲とすることが好ましい。
上記の通り、反応流路から排出された水系溶液は冷却部において冷却される。冷却部において冷却することにより、六方晶フェライト前駆体が六方晶フェライトに転換する反応を完全に停止させることができる。この点は、粒子サイズのばらつきの少ない六方晶フェライト粉末を得るうえで好ましい。この点から、冷却部における冷却は、冷却部内の水系溶液の液温が100℃以下になるように行うことが好ましく、室温(20〜25℃程度)以上100℃以下になるように行うことがより好ましい。なお冷却は、例えば、冷水を循環させることにより内部を冷却する水冷装置等の、公知の冷却手段を用いて行うことができる。なお冷却部内の水系溶液には、通常、上記送液路および反応流路と同様の圧力が加わっている。
例えば、冷却後の水系溶液のpHは、6.00以上14.00以下であることができる。ここで冷却後の水系溶液のpHとは、反応流路から排出され冷却部の排出口から排出された水系溶液のpHをいい、排出口から排出された水系溶液の少なくとも一部を任意の位置で回収し、液温25℃に調整し測定する値とする。例えば、図1および図2に示す態様では、排出口D2から排出された水系溶液のpHである。上記pHは、例えば、圧力調整弁39を経て回収部40で回収された水系溶液の一部を採取し、液温25℃に調整して測定されるpHであることができる。なお冷却部においては水系溶液のpHを変化させる成分は通常添加しない。したがって、冷却後の水系溶液のpHは、六方晶フェライト前駆体が六方晶フェライトに転換する反応が行われる反応流路内の反応系のpHと同様であるか、または相関している。本発明者の検討によれば、冷却後の水系溶液のpHが高いほど、六方晶フェライトの結晶形成に有利であるものの、調製される六方晶フェライト粉末に占める式(1)を満たさない粒子および/または板状粒子の割合が多くなる傾向が見られた。楕円体状粉末である六方晶フェライト粉末の製造容易性の観点からは、冷却後の水系溶液のpHは、10.0〜14.0の範囲であることが好ましく、10.5〜13.8の範囲であることがより好ましく、11.0〜13.5の範囲であることが更に好ましい。冷却後の水系溶液のpH、換言すれば六方晶フェライト前駆体が六方晶フェライトに転換する反応が行われる反応流路内の反応系のpHは、例えば、六方晶フェライト前駆体調製時に使用する塩基によって調整することができる。または、任意の段階で、六方晶フェライト前駆体と塩基を混合することにより調整することもできる。
以上記載した製造方法では、内部に送液される流体に圧力をかけるため、送液路および流路(以下、「配管」とも記載する。)として、高圧用の金属配管を用いることが好ましい。配管を構成する金属としては、低腐食性であることから、SUS(Special Use Stainless steel)316、SUS304等のステンレス鋼、またはインコネル(登録商標)、ハステロイ(登録商標)等のニッケル基合金が好ましい。ただし、これらに限定されるものではなく、同等もしくは類似の材料も用いることができる。また、特開2010−104928号公報に記載された積層構成の配管を用いてもよい。
図1および図2に示す製造装置では、各混合部は、配管同士をティー型の継ぎ手で接合した構成である。ただし、混合部としては、特開2007−268503号公報、特開2008−12453号公報、または特開2010−75914号公報に記載のリアクター等を用いてもよい。リアクターの素材としては、特開2007−268503号公報、特開2008−12453号公報、または特開2010−75914号公報に記載された素材が好ましい。具体的には、配管を構成する金属として好適なものとして上述したものが好ましい。ただし、これらに限定されるものではなく、同等または類似の材料も用いることができる。また、低腐食性のチタン合金、タンタル合金、およびセラミックス等と組み合わせてもよい。
以上、本発明の一態様にかかる六方晶フェライト粉末の製造方法の具体的態様を説明した。ただし本発明の一態様にかかる六方晶フェライト粉末は、上記具体的態様により製造される六方晶フェライト粉末に限定されるものではない。
[磁気記録媒体]
本発明の一態様は、非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体であって、上記強磁性粉末が、上述の六方晶フェライト粉末である磁気記録媒体に関する。
以下、上記磁気記録媒体について、更に詳細に説明する。
<磁性層>
磁性層に含まれる強磁性粉末(六方晶フェライト粉末)の詳細は、先に記載した通りである。
磁性層は、強磁性粉末とともに結合剤を含む。磁性層に含まれる結合剤としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル樹脂、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレート等を共重合したアクリル樹脂、ニトロセルロース等のセルロース樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルキラール樹脂等から単独または複数の樹脂を混合して用いることができる。これらの中で好ましいものはポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂および塩化ビニル樹脂である。これらの樹脂は、後述する非磁性層および/またはバックコート層においても結合剤として使用することができる。以上の結合剤については、特開2010−24113号公報の段落0029〜0031を参照できる。また、上記樹脂とともにポリイソシアネート系硬化剤を使用することも可能である。
磁性層には、必要に応じて添加剤を加えることができる。添加剤としては、研磨剤、潤滑剤、分散剤、分散助剤、防黴剤、帯電防止剤、酸化防止剤、カーボンブラック等を挙げることができる。以上説明した添加剤は、所望の性質に応じて市販品を適宜選択して使用することができる。
<非磁性層>
次に非磁性層に関する詳細な内容について説明する。上記磁気記録媒体は、非磁性支持体上に直接磁性層を有していてもよく、非磁性支持体と磁性層との間に非磁性粉末と結合剤を含む非磁性層を有していてもよい。非磁性層に使用される非磁性粉末は、無機物質でも有機物質でもよい。また、カーボンブラック等も使用できる。無機物質としては、例えば金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等が挙げられる。これらの非磁性粉末は、市販品として入手可能であり、公知の方法で製造することもできる。その詳細については、特開2010−24113号公報の段落0036〜0039を参照できる。
非磁性層の結合剤、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶媒、分散方法その他は、磁性層および/または非磁性層に関する公知技術を適用できる。また、非磁性層にはカーボンブラックおよび/または有機粉末を添加することも可能である。それらについては、例えば特開2010−24113号公報の段落0040〜0042を参照できる。
<非磁性支持体>
非磁性支持体(以下、単に「支持体」とも記載する。)としては、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド等の公知のものが挙げられる。これらの中でもポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、およびポリアミドが好ましい。
これらの支持体には、あらかじめコロナ放電、プラズマ処理、易接着処理、熱処理等を行ってもよい。
<非磁性支持体および各層の厚み>
非磁性支持体および各層の厚みについては、非磁性支持体の厚みは、好ましくは3〜80μmである。磁性層の厚みは、用いる磁気ヘッドの飽和磁化量やヘッドギャップ長、記録信号の帯域により最適化することができ、一般には10〜150nmであり、好ましくは20〜120nmであり、更に好ましくは30〜100nmμmである。磁性層は少なくとも一層あればよく、磁性層を異なる磁気特性を有する二層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関する構成が適用できる。重層磁性層について、磁性層の厚みとは、複数の磁性層の合計厚みをいう。
非磁性層の厚みは、例えば0.1〜3.0μmであり、0.1〜2.0μmであることが好ましく、0.1〜1.5μmであることが更に好ましい。上記磁気記録媒体の非磁性層には、非磁性粉末とともに、例えば不純物として、または意図的に、少量の強磁性粉末を含む実質的に非磁性な層も包含されるものとする。ここで実質的に非磁性な層とは、この層の残留磁束密度が10mT以下であるか、保磁力が7.96kA/m(100Oe)以下であるか、または、残留磁束密度が10mT以下であり、かつ保磁力が7.96kA/m(100Oe)以下である層をいうものとする。非磁性層は、残留磁束密度および保磁力を持たないことが好ましい。
<バックコート層>
上記磁気記録媒体は、非磁性支持体の磁性層を有する面とは反対の面にバックコート層を有することもできる。バックコート層には、カーボンブラックおよび/または無機粉末が含有されていることが好ましい。バックコート層形成のための結合剤および各種添加剤については、磁性層、非磁性層およびバックコート層に関する公知技術を適用できる。バックコート層の厚みは、0.9μm以下であることが好ましく、0.1〜0.7μmであることがより好ましい。
<製造工程>
磁性層、非磁性層またはバックコート層を形成するための組成物を製造する工程は、通常、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程を含む。個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもかまわない。各種成分は、どの工程の最初または途中で添加してもかまわない。また、個々の成分を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、結合剤を混練工程、分散工程、および分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。本発明の目的を達成するためには、従来の公知の製造技術を一部の工程として用いることができる。混練工程ではオープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダ等の強い混練力をもつものを使用することが好ましい。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338号公報および特開平1−79274号公報に記載されている。また、各層形成用の組成物を分散させるために、分散ビーズとしてガラスビーズを用いることができる。分散ビーズとしては、高比重の分散ビーズであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、およびスチールビーズも好適である。これら分散ビーズの粒径と充填率は最適化して用いることができる。分散機は公知のものを使用することができる。
磁気記録媒体の製造方法の詳細については、例えば特開2010−24113号公報の段落0051〜0057も参照できる。
以上説明した本発明の一態様にかかる磁気記録媒体は、本発明の一態様にかかる六方晶フェライト粉末を磁性層に含むことにより、優れた電磁変換特性を発揮することができ、かつ再生を繰り返しても高出力で再生を行うことができる。したがって、本発明の一態様にかかる磁気記録媒体は、長期にわたり高い信頼性をもって再生可能であることが求められる高密度記録用磁気記録媒体として好適である。
以下に、本発明を実施例により更に具体的に説明する。ただし本発明は、実施例に示す態様に限定されるものではない。以下に記載の「部」および「%」は、「質量部」および「質量%」を示す。また、下記工程および評価は、特記しない限り、23℃±1℃の大気中(室温下)で行った。
[実施例1]
(1)前駆体溶液の調製
撹拌羽を備えた回分式(バッチ式)反応槽において、以下の方法により六方晶フェライト前駆体を調製し、前駆体溶液(前駆体含有水溶液)を得た。
反応槽において、精製水に水酸化バリウム(Ba(OH)・8HO)、硝酸鉄(III)(Fe(NO・9HO)、表2に示す希土類硝酸塩を溶解した。撹拌羽によって撹拌を継続しながら、この反応槽へ、反応槽中の水溶液の濃度が0.2mol/Lとなるように水酸化カリウムKOHを滴下し(滴下速度:10cm/分)、水酸化物ゾル(前駆体含有水溶液)を調製した。水酸化バリウムおよび硝酸鉄の使用量から算出される前駆体含有水溶液中のBaとFeの合計濃度は0.075mol/Lであり、Ba/Feモル比は0.5であった。希土類硝酸塩および硝酸鉄の使用量から算出される前駆体含有水溶液中の希土類原子と鉄原子とのモル比(M/Fe)は、1.5であった。
(2)連続的水熱合成法を用いる六方晶フェライトの調製
図1に示す製造装置の液槽32に、上記(1)で調製した前駆体含有水溶液(水酸化物ゾル)を導入した。製造装置の配管としては、SUS316BAチューブを用いた。液槽31に導入した精製水を加圧送液手段(高圧ポンプ)35aで送液しつつ加熱手段(ヒーター)34で加熱することにより、配管100中に高温高圧水を流通させた。この際、加熱手段34cを通過後の高温高圧水の温度が450℃、圧力が30MPaとなるように温度および圧力を制御した。
一方、前駆体含有水溶液(水酸化物ゾル)を、液温25℃で配管101に加圧送液手段(高圧ポンプ35b)を用いて送液し、混合部M1において上記高温高圧水と混合させ、引き続き、反応流路36において、内部を流れる流体を温度400℃(排出口D1における液温)に加熱し、圧力30MPaに加圧することにより、六方晶フェライト(バリウムフェライト)を合成(前駆体を転換)した。その後、六方晶フェライトの粒子を含む液を反応流路36から排出し、水冷機構を備えた冷却部37において液温100℃以下に冷却した後、圧力調整弁39を経て回収部40において回収した。回収した粉末を酢酸水(0.2mol/L)で洗浄し、続いて遠心分離することにより、六方晶フェライト粉末を分離した。
上記反応流路における反応時間は60秒間であった。また、図1に示す製造装置の排出口D2から排出されて回収部40で回収された液の一部を採取し、液温25℃に調整した後にpHメーター(HORIBA製のポータブルpHメーターDシリーズ)によりpHを測定したところ、pH(冷却後の水溶液のpH)は、11.0であった。
[実施例2〜14、比較例1、2、6および7]
前駆体溶液調製時に添加する希土類塩の種類、添加量(M/Feモル比)、および上記反応流路における反応時間の1つ以上を変更した点以外、実施例1と同様の方法で六方晶フェライト粉末を得た。M/Feモル比および反応時間を、表1に示す。反応時間は、反応流路36として流路の長さが異なる反応流路を用いることにより調整した。
[実施例15]
二価金属塩として、水酸化バリウムに代えて水酸化ストロンチウム(Sr(OH)・8HO)を使用した点以外、実施例1と同様の方法で六方晶フェライト粉末を得た。
[比較例3]
前駆体溶液調製時に希土類塩を添加しなかった点以外、実施例1と同様の方法で六方晶フェライト粉末を得た。
[比較例4]
比較例3と同様の方法により得られた六方晶フェライト粉末に、希土類硝酸塩(表2参照)の水溶液を添加した。希土類硝酸塩および前駆体溶液の調製に用いた硝酸鉄の使用量から算出される希土類原子と鉄原子とのモル比(M/Fe)は、表1に示す値であった。10分間攪拌後、8mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液0.3Lを添加し更に30分間攪拌後、液温80℃まで昇温し更に3時間撹拌することにより、六方晶フェライト粉末に表面処理を施すための反応を行った。得られた反応生成物をpHが12.0以下になるまで水洗後、ろ過、乾燥および粉砕して、六方晶フェライト粉末を得た。
[比較例5]
実施例2と同様の方法により得られた六方晶フェライト粉末に、雰囲気温度550℃の加熱炉内で5時間加熱処理を施した。
[比較例8]
(1)前駆体溶液の調製
精製水にバリウム塩として水酸化バリウム(Ba(OH)・8HO)、鉄塩として硝酸鉄(III)(Fe(NO・9HO)、および水酸化カリウムを溶解することにより、六方晶フェライト前駆体を含んだ水溶液(ゾル)(前駆体溶液)を調製した。この際、添加する水酸化ナトリウムの量は、上記のバリウム塩および鉄塩の合計に対する水酸化カリウムのモル比が3、ならびに前駆体溶液中の水酸化カリウム濃度が0.15mol/Lとなるように設定した。調製した前駆体溶液中の前駆体の濃度は0.05mol/L、Ba/Feモル比は0.5であった。
(2)有機化合物溶液の調製
オレイン酸ナトリウムを精製水に溶解して有機化合物溶液を調製した。調製した溶液のオレイン酸ナトリウム濃度は、0.1mol/Lであった。
(3)連続的水熱合成法を用いる六方晶フェライトの調製
図2に示す製造装置の液槽32に上記(1)で調製した水溶液(ゾル)を、液槽33に上記(2)で調製した有機化合物溶液を導入した。なお製造装置の配管としては、SUS316BAチューブを配管として用いた。
液槽31に導入した精製水を加圧送液手段(高圧ポンプ)35aで送液しつつ加熱手段(ヒーター)34で加熱することにより配管100中に高温高圧水を流通させた。この際、加熱手段34cを通過以降の送液路内の高温高圧水の温度が350℃、圧力が30MPaとなるように温度および圧力を制御した。
一方、前駆体溶液と有機化合物溶液は、体積比で前駆体溶液:有機化合物溶液=50:50の割合となるように、それぞれ加圧送液手段(高圧ポンプ)35bまたは35cを用いて液温25℃で配管101または102に送液し、混合部M0で合流させ、得られた混合液を混合部M1において上記高温高圧水と合流させた。引き続き、反応流路36において、内部を流れる流体を温度400℃(排出口D1における液温)および圧力30MPaで加熱および加圧することにより、六方晶フェライト(バリウムフェライト)を合成(前駆体を転換)した。反応流路における反応時間は、60秒間であった。
その後、六方晶フェライトの粒子を含む液を反応流路36から排出し、水冷機構を備えた冷却部37において液温100℃以下に冷却した後、圧力調整弁39を経て回収部40において回収した。回収した粉末をエタノールで洗浄し、続いて遠心分離することにより、六方晶フェライト粉末を分離した。
[粉末の評価方法]
1.X線回折分析
実施例および比較例で作製した粉末から試料粉末を採取しX線回折分析したところ、六方晶フェライト(マグネトプランバイト型)であることが確認された。下記表2中、BaFeはバリウムフェライト、SrFeはストロンチウムフェライトを示す。
2.粒子の形態観察
透過型電子顕微鏡として日立製透過型電子顕微鏡H−9000型を使用し、画像解析ソフトとしてカールツァイス製画像解析ソフトKS−400を使用して、先に記載した方法により、実施例および比較例で作製した六方晶フェライト粉末から無作為に抽出した500個の粒子について、式(1)を満たす板状ではない粒子が500個の粒子に占める割合を算出した。
3.希土類原子の表層部含有率、バルク含有率、および表層部含有率/バルク含有率
実施例および比較例で作製した六方晶フェライト粉末から試料粉末を12mg採取し、この試料粉末を先に例示した溶解条件によって部分溶解して得られたろ液の元素分析をICP分析装置によって行い、希土類原子の表層部含有率を求めた。
別途、実施例および比較例で作製した六方晶フェライト粉末から試料粉末を12mg採取し、この試料粉末を先に例示した溶解条件によって全溶解して得られたろ液の元素分析をICP分析装置によって行い、希土類原子の表層部含有率を求めた。
求められた値から、「表層部含有率/バルク含有率」を算出した。
比較例5の六方晶フェライト粉末が希土類原子表層部偏在性を有さなかった理由は、加熱処理により、表層部に偏在していた希土類原子が内部に拡散したためと考えられる。
4.活性化体積および異方性定数
実施例および比較例で作製した六方晶フェライト粉末から試料粉末を採取し、振動試料型磁束計(東英工業社製)を用いて、先に記載の方法により活性化体積および異方性定数を求めた。
[磁気記録媒体(磁気テープ)の作製]
(1)磁性層用組成物処方
(磁性液)
強磁性粉末(上記実施例または比較例で作製した粉末):100.0部
SO3Na基含有ポリウレタン樹脂:14.0部
(重量平均分子量:70,000、SO3Na基:0.4meq/g)
シクロヘキサノン:150.0部
メチルエチルケトン:150.0部
(研磨剤液)
研磨剤液A アルミナ研磨剤(平均粒子サイズ:100nm):3.0部
スルホン酸基含有ポリウレタン樹脂:0.3部
(重量平均分子量:70,000、SO3Na基:0.3meq/g)
シクロヘキサノン:26.7部
研磨剤液B ダイヤモンド研磨剤(平均粒子サイズ:100nm):1.0部
スルホン酸基含有ポリウレタン樹脂:0.1部
(重量平均分子量:70,000、SO3Na基:0.3meq/g)
シクロヘキサノン:26.7部
(シリカゾル)
コロイダルシリカ(平均粒子サイズ:100nm):0.2部
メチルエチルケトン:1.4部
(その他成分)
ステアリン酸:2.0部
ブチルステアレート:6.0部
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製コロネート):2.5部
(仕上げ添加溶媒)
シクロヘキサノン:200.0部
メチルエチルケトン:200.0部
(2)非磁性層用組成物処方
非磁性無機粉末 α−酸化鉄:100.0部
平均粒子サイズ:10nm
平均針状比:1.9
BET比表面積:75m2/g
カーボンブラック(平均粒子サイズ:20nm):25.0部
SO3Na基含有ポリウレタン樹脂:18.0部
(重量平均分子量:70,000、SO3Na基:0.2meq/g)
ステアリン酸:1.0部
シクロヘキサノン:300.0部
メチルエチルケトン:300.0部
(3)バックコート層用組成物処方
非磁性無機粉末 α−酸化鉄:80.0部
平均粒子サイズ:0.15μm
平均針状比:7
BET比表面積:52m2/g
カーボンブラック(平均粒子サイズ:20nm):20.0部
塩化ビニル共重合体:13.0部
スルホン酸基含有ポリウレタン樹脂:6.0部
フェニルホスホン酸:3.0部
シクロヘキサノン:155.0部
メチルエチルケトン:155.0部
ステアリン酸:3.0部
ブチルステアレート:3.0部
ポリイソシアネート:5.0部
シクロヘキサノン:200.0部
(4)磁気テープの作製
上記磁性液を、バッチ式縦型サンドミルを用いて24時間分散した。分散ビーズとしては、粒径0.5mmΦのジルコニアビーズを使用した。研磨剤液は、バッチ型超音波装置(20kHz,300W)で24時間分散した。これらの分散液を他の成分(シリカゾル、その他成分および仕上げ添加溶媒)と混合後、バッチ型超音波装置(20kHz、300W)で30分処理を行った。その後、0.5μmの平均孔径を有するフィルタを用いてろ過を行い磁性層用組成物を作製した。
非磁性層用組成物については、各成分をバッチ式縦型サンドミルを用いて、24時間分散した。分散ビーズとしては、粒径0.1mmΦのジルコニアビーズを使用した。得られた分散液を0.5μmの平均孔径を有するフィルタを用いてろ過を行い非磁性層用組成物を作製した。
バックコート層用組成物は、潤滑剤(ステアリン酸およびブチルステアレート)とポリイソシアネート、シクロヘキサノン200.0部を除いた各成分をオープンニーダにより混練および希釈した後、横型ビーズミル分散機により、粒径1mmΦのジルコニアビーズを用い、ビーズ充填率80体積%、ローター先端周速10m/秒で、1パス滞留時間を2分とし、12パスの分散処理を行った。その後、残りの成分を分散液に添加し、ディゾルバーで攪拌した。得られた分散液を1μmの平均孔径を有するフィルタを用いてろ過しバックコート層用組成物を作製した。
その後、厚み5μmのポリエチレンナフタレート製支持体に、乾燥後の厚みが100nmになるように非磁性層用組成物を塗布し乾燥させた後、その上に乾燥後の厚みが70nmになるように磁性層用組成物を塗布した。この磁性層用組成物が未乾状態にあるうちに、磁場強度0.6Tの磁場を、塗布面に対し垂直方向に印加し垂直配向処理を行った後、乾燥させた。その後、上記支持体の反対面に、乾燥後の厚みが0.4μmになるようにバックコート層用組成物を塗布し乾燥させた。
その後、金属ロールのみから構成されるカレンダで、速度100m/分、線圧300kg/cm(294kN/m)、カレンダロールの表面温度100℃で表面平滑化処理(カレンダ処理)を行った後、雰囲気温度70℃の環境で36時間熱処理を行った。熱処理後、1/2インチ(0.0127メートル)幅にスリットし、磁気テープを得た。
[磁気テープの評価方法]
1.電磁変換特性(SNR(Signal−to−noise−ratio))の評価
作製した各磁気テープに対して、下記条件で磁気信号をテープ長手方向に記録し、磁気抵抗効果型(MR; Magnetoresistive)ヘッドで再生した。再生信号をシバソク製スペクトラムアナライザーで周波数分析し、300kfciの出力と、0〜600kfci範囲で積分したノイズとの比をSNRとした。
(記録再生条件)
記録:記録トラック幅5μm
記録ギャップ0.17μm
ヘッド飽和磁束密度Bs1.8T
再生:再生トラック幅0.4μm
シールド間距離(sh−sh距離)0.08μm
記録波長:300kfci
2.繰り返し再生における再生出力低下(再生出力減衰率)
記録ヘッド(MIG(Metal−in−Gap)、ギャップ0.15μm、1.8T)と再生用GMR(Giant magnetoresistive)ヘッド(再生トラック幅1μm)をループテスターに取り付けて、作製した各磁気テープに線記録密度200kfciの信号を記録した後、記録信号を再生し続け、記録から再生までの時間に対する再生出力の減衰率を測定した。ここで、再生出力の減衰が検出下限(−0.5%/decade)を下回ったものは、表2に、「>−0.5%」と示した。
以上の結果を、表2に示す。
表2に示す結果から、実施例の磁気テープは、高いSNRを示し、かつ繰り返し再生における再生出力の低下が少なかった(再生出力減衰率が低い)ことが確認できる。
本発明は、高密度記録用磁気記録媒体の技術分野において有用である。

Claims (11)

  1. 活性化体積が800nm以上1200nm未満であり、
    鉄原子100原子%に対する希土類原子含有率が0.5〜8.0原子%の範囲であり、
    希土類原子表層部偏在性を有し、かつ
    楕円体状粉末である六方晶フェライト粉末。
  2. 前記希土類原子は、イットリウム原子、ランタン原子、サマリウム原子、イッテルビウム原子およびネオジム原子からなる群から選択される一種以上の希土類原子である請求項1に記載の六方晶フェライト粉末。
  3. バリウムフェライト粉末、ストロンチウムフェライト粉末、またはバリウムフェライトとストロンチウムフェライトとの混晶の粉末である請求項1または2に記載の六方晶フェライト粉末。
  4. 前記希土類原子含有率は、0.5〜6.0原子%の範囲である請求項1〜3のいずれか1項に記載の六方晶フェライト粉末。
  5. 前記希土類原子含有率は、1.0〜4.5原子%の範囲である請求項1〜4のいずれか1項に記載の六方晶フェライト粉末。
  6. 活性化体積が850〜1150nmの範囲である請求項1〜5のいずれか1項に記載の六方晶フェライト粉末。
  7. 異方性定数Kuが1.5×10J/m以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載の六方晶フェライト粉末。
  8. 非磁性支持体上に強磁性粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体であって、
    前記強磁性粉末が、請求項1〜7のいずれか1項に記載の六方晶フェライト粉末である磁気記録媒体。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の六方晶フェライト粉末の製造方法であって、
    鉄塩、二価金属塩、および希土類塩を水系溶液中で混合することにより六方晶フェライト前駆体を調製すること、ならびに、
    前記六方晶フェライト前駆体を含む水系溶液を、内部を流れる流体を加熱および加圧する反応流路に連続的に送液することにより、前記反応流路内で前記六方晶フェライト前駆体を六方晶フェライトに転換すること、
    を含む、前記六方晶フェライト粉末の製造方法。
  10. 前記反応流路は、内部を流れる流体を300℃以上に加熱し、かつ20MPa以上に加圧する反応流路である請求項9に記載の六方晶フェライト粉末の製造方法。
  11. 前記混合を、塩基存在下で行う請求項9または10に記載の六方晶フェライト粉末の製造方法。
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