JP2017178163A - 車両用気流制御構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡潔な構造にしてホイール開口部流出気流と車体側部を流れる走行気流の干渉を低減可能な車両用気流制御構造を提供する。
【解決手段】タイヤ6が取付けられた車両用ホイール5をホイールハウス3に収容し、このホイールハウス3の壁部のうち、タイヤ6の前後方向中央よりも車両前方寄り位置に、タイヤ6の車両幅方向外側端面に沿って気流を吹出す吹出し口12を設ける。吹出し口12からは、タイヤ6より車両前方の車体下端部より下方に在るタイヤ6及び車両用ホイール5の車両幅方向外側端面に向かう押し流し気流Aを吹出す。これにより、車両用ホイール5の開口部7から流出するホイール開口部流出気流Bのうち、タイヤ6より車両前方の車体下端部より下方の部分から流出する強い気流に対し、吹出し口12から吹出される押し流し気流Aがホイール開口部流出気流Bを下方及び後方の少なくとも何れか一方に押し流す。
【選択図】図1
【解決手段】タイヤ6が取付けられた車両用ホイール5をホイールハウス3に収容し、このホイールハウス3の壁部のうち、タイヤ6の前後方向中央よりも車両前方寄り位置に、タイヤ6の車両幅方向外側端面に沿って気流を吹出す吹出し口12を設ける。吹出し口12からは、タイヤ6より車両前方の車体下端部より下方に在るタイヤ6及び車両用ホイール5の車両幅方向外側端面に向かう押し流し気流Aを吹出す。これにより、車両用ホイール5の開口部7から流出するホイール開口部流出気流Bのうち、タイヤ6より車両前方の車体下端部より下方の部分から流出する強い気流に対し、吹出し口12から吹出される押し流し気流Aがホイール開口部流出気流Bを下方及び後方の少なくとも何れか一方に押し流す。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両用気流制御構造、特に、車両のホイールハウス近傍における車体側部(車両幅方向端部)の気流(空気の流れ)を制御する車両用気流制御構造に関する。
一般に、車両用ホイールには開口部が形成されており、この開口部を通じて、走行気流の一部が車両用ホイールの車両幅方向内側から車両幅方向外側に通過する。この空気の流れによって、ブレーキ装置が冷却される効果が得られている。一方で、この車両用ホイールの開口部から流出する気流(以下、「ホイール開口部流出気流」と記す)が車体側部を流れる走行気流と干渉することが知られている。このホイール開口部流出気流と走行気流との干渉は、例えば走行抵抗の増大をもたらすことになる。
そこで、下記特許文献1に記載される車両用気流制御装置では、ホイール開口部を開閉するシャッタを車両用ホイールに設け、例えば車両の走行状態に応じてホイール開口部を開閉制御する。このシャッタでホイール開口部を閉じればホイール開口部流出気流と走行気流の干渉を低減することができ、ホイール開口部を開けばブレーキ冷却効果が確保される。なお、ホイールハウスより車両前方のフェンダから走行気流の一部を取り入れ、その取り入れた走行気流を車両用ホイールの車両幅方向外側端面に向けて吹出す気流制御構造も考えられている。
しかしながら、前述した特許文献1に記載される車両用気流制御装置では、ホイール開口部を開閉するためのシャッタやアクチュエータを車両用ホイールに設ける必要がある上に、アクチュエータの作動状態を制御するためのコントローラを必要とすることから、構造が複雑で、コスト高になるという問題がある。また、シャッタを開けばホイール開口部流出気流と走行気流の干渉が増大し、シャッタを閉じればブレーキ冷却効果が低減するというトレードオフがある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡潔な構造にしてホイール開口部流出気流と車体側部を流れる走行気流との干渉を低減可能な車両用気流制御構造を提供することにある。
上記目的を達成するため請求項1に記載の発明は、タイヤの取付けられた車両用ホイールと、前記タイヤ及び前記車両用ホイールを収容するホイールハウスと、に設けられた車両用気流制御構造において、前記ホイールハウスの壁部の少なくとも前記タイヤの前後方向中央よりも車両前方寄り位置に設けられ、走行気流の一部の前記ホイールハウス内への吹出しを許容する吹出し口と、前記吹出し口に設けられ、吹出される気流の方向規制を行う気流方向規制部と、を有し、前記気流方向規制部は、前記吹出された気流が前記タイヤの車両幅方向外側に沿い且つ前記タイヤ前方の車体下端部よりも車両下方に在る前記タイヤ及び車両用ホイール部分に向かうように方向規制を行う構造を有することを特徴とする。
この構成によれば、簡易な構成にしてホイール開口部流出気流と車体側部を流れる走行気流の干渉を低減することが可能となる。また、ホイール開口部流出気流と車体側部を流れる走行気流の干渉の生じ易い領域、即ち、タイヤ前方の車体下端部よりも低い領域に吹出し口から吹出される気流を集中させることができる。これにより、より一層効果的に走行気流の干渉の低減を行うことが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用気流制御構造において、前記吹出し口は複数箇所に設けられ、前記複数の吹出し口のそれぞれの気流方向規制部は、前記複数の吹出し口からの気流の合成によって前記気流規制を行う構成を有することを特徴とする。
この構成によれば、ホイール開口部流出気流の押し流しに必要な吹出し口からの気流の流量をより豊富に確保することができ、更に複数の吹出し口の配置を所望に組合わせることができるので吹出し口のレイアウトの自由度も高まる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の車両用気流制御構造において、前記吹出し口は、吹出される気流の流量を調整する流量調整機構を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、吹出し口から吹出す気流の流量を、例えば車両の走行速度に応じて調整することで、ホイール開口部流出気流の押し流し効果を適正な状態に調整することが可能となる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の車両用気流制御構造において、前記気流方向規制部は、前記気流の流れの規制方向に伸長する気流ガイド壁を取付けて構成したことを特徴とする。
この構成によれば、簡単な構成によって吹出し口から吹出される気流を所望の方向に規制することが可能となる。即ち、簡単に吹出し口からの気流を制御することが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、気流方向規制部を備えた吹出し口から吹出される気流によって、車両用ホイールの開口部から外側へ流出する気流を制御することができ、ホイールハウス近傍の車体側部における走行気流の干渉を低減することができ、また、車両用ホイールを通過するホイール開口部流出気流を規制することがないので、車両用ホイールを通過する気流によるブレーキ冷却効果をも低下させることがない。
以下の実施の形態では、本発明を具体化するための装置や方法を例示する。しかしながら、本発明の技術的思想は、構成部品の材質や形状、配置等を下記に特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に技術的範囲内で種々の変更を加えることができる。
以下に、本発明の車両用気流制御構造の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、この実施形態の車両用気流制御構造が適用された車両の一例を示す車両前部概略側面図、図2は、図1の車両の車両前部概略平面図である。これらの図は、代表して車両前左部を示しており、車両前右部も略同様の構成となっている。この車両の前左部では、フロントフード1、前左フェンダ2の下方に前左ホイールハウス3が形成され、このホイールハウス3内に前左輪4が収容されている。この前左輪4は、他の車輪と同様に、車体に対してタイヤを支持する車両用ホイール5と、その車両用ホイール5の外周部(リム)に取付けられたタイヤ6を備えている。このうち、車両用ホイール5には、例えば図1に示すような長円形の開口部7が形成されている。また、車両用ホイール5の内部にあって車両幅方向内側には、図示しないブレーキ装置が設けられている。
この前左ホイールハウス3の車両前方にあって車体下面には、前左輪4の一部を覆うようにフラップ8が下方向きに突設されている。このフラップ8は、例えば車輪、この場合は前左輪4に当たる気流(空気の流れ)を低減したり、或いは、その気流を整流したり、或いは、それらによって車両姿勢を安定したりする効果があるとされている。また、車体前端部、例えばフロントアンダースポイラ9の車両幅方向中央部には空気取入れ口10が設けられており、この空気取入れ口10に連続して、例えばエンジンに空気を供給するための車両前部ダクトが設けられている。
この実施形態では、前左ホイールハウス3のうち、車両前後方向における前左輪4の中央(以下、「前左輪4の車両前後方向中央」と記す)よりも車両前方で且つ車両上下方向における前左輪4の中央(以下、「前左輪4の車両上下方向中央」と記す)より車両上方の位置に、後述するホイール開口部流出気流Bを押し流すための押し流し気流Aの吹出し口12が設けられている。この吹出し口12は、前左ホイールハウス3の車両幅方向外側端部に設けられている。また、この吹出し口12は、前述した車両前部ダクトから分岐された走行気流取り込みダクト11に接続されている。即ち、吹出し口12は、走行気流の一部のホイールハウス3内への吹出しを許容する。
図3は、図1の吹出し口12の詳細図である。この例では、前左ホイールハウス3の内張り、つまりホイールハウスライナ13の図示左上部(即ち、前左輪4の車両前後方向中央よりも車両前方で且つ前左輪4の車両上下方向中央より車両上方の位置)に開口部14を形成している。そして、このホイールハウスライナ13の開口部14に吹出しガイド部材15を取付け、その吹出しガイド部材15に走行気流取り込みダクト11を接続する。吹出しガイド部材15には、例えばスリット状の吹出し口12が形成されると共に、その吹出し口12の周囲に、押し流し気流Aの吹出し方向を決める方形筒状の気流ガイド壁16が設けられている。この気流ガイド壁16は、例えば方形筒体の内側壁面が前左輪4の下部に向けて斜め後下方向きになるように立設されている。そのため、車両の走行に伴って車両前部から取入れられ、車両前部ダクトから走行気流取り込みダクト11に取り込まれた走行気流の一部は吹出しガイド部材15の気流ガイド壁16に沿って流れ、これが吹出し口12から吹出される押し流し気流Aとなる。つまり、この実施形態では、この気流ガイド壁16が、吹出し口12から吹出された気流をタイヤ6の車両幅方向外側に沿って流れるように気流方向規制する気流方向規制部を構成している。なお、この吹出し口12は、例えば車両上下方向に長いスリット形状とすることで、後述する押し流し気流Aを車両用ホイール5やタイヤ6の車両幅方向外側端面部に沿ったエアカーテン状とすることができる。
この押し流し気流Aは、気流方向規制部を構成する気流ガイド壁16によって、車両用ホイール5やタイヤ6の車両幅方向外側端面部に沿うように吹出される。このようにするためには、吹出し口12から吹出される押し流し気流Aがタイヤ6の車両幅方向外側端面(サイドウォール)と接地面(トレッド)の角部(ショルダ)に僅かに当たるようにするとよい。この押し流し気流Aの車輪側面に沿う流れ状態と、前述したエアカーテン状の流れ状態があいまって、後述するホイール開口部流出気流Bの押し流し効果が向上する。なお、この実施形態では、吹出しガイド部材15の気流ガイド壁16によって押し流し気流Aの吹出し方向を決定しているが、これ以外にも、例えば走行気流取り込みダクト11の気流方向端部を直接、吹出し口12とし、その吹出し口位置におけるダクト端部の向きを押し流し気流の吹出し方向に設定することでも達成可能である。また、フラップ状の吹出しガイドを設けることなどによっても押し流し気流の吹出し方向を設定することができる。これらの場合、その構造そのものが、本発明の気流方向規制部を構成する。
そして、この実施形態では、気流方向規制部を構成する気流ガイド壁16によって、フラップ8より車両下方領域に在る前左輪(車輪)4の部分に向けて押し流し気流Aが吹出し口12から吹出される。この実施形態では、フラップ8の下端部は前左輪(車輪)4のタイヤ6より車両前方の車体下端部に相当する。従って、押し流し気流Aは、気流ガイド壁16によって、タイヤ6より車両前方の車体下端部よりも車両下方に在るタイヤ6及び車両用ホイール5の部分に向かうように気流方向規制される。また、吹出し口12は、前左ホイールハウス3のうち、前左輪4の車両前後方向中央よりも車両前方で且つ前左輪4の車両上下方向中央より車両上方に設けられている。従って、これらを総合すると、この実施形態における押し流し気流Aは、前左輪(車輪)下部の車両幅方向外側端面に向けて斜め後下方向きに吹出される。
また、この実施形態では、走行気流取り込みダクト11のうち、吹出し口12の気流手前位置に、例えばバタフライバルブ形状の流量調整機構17を設けている。この流量調整機構17をアクチュエータ18によって作動することで、吹出し口12の気流手前側における走行気流取り込みダクト11の開度を調整することにより、吹出し口12から吹出される押し流し気流Aの流量を調整できるようにしている。この流量調整機構17のアクチュエータ18は、コントロールユニット19によって作動状態が制御される。コントロールユニット19は、例えば周知のマイクロコンピュータなどのコンピュータシステムを備えて構成される。コンピュータシステムは、周知のように、プログラムに沿って演算処理を行う中央演算処理部やプログラムや演算処理結果を記憶する記憶部、各種センサからの入力信号を入力したり演算処理の結果を出力したりする入出力部などを備えて構成される。この実施形態では、例えば走行速度センサ20で検出された車両の走行速度に応じてアクチュエータ18の作動状態を制御し、走行気流取り込みダクト11の開度を調整することで吹出し口12から吹出される押し流し気流Aの流量が調整される構成としている。なお、この流量調整の制御入力としては、例えば前輪の転舵角などを用いることも可能である。
図4は、図1の吹出し口12の変形例を示す車両前部概略側面図である。この図では、吹出し口12からの気流の流量を調整する流量調整機構や、そのアクチュエータの図示を省略している。図1の車両用気流制御構造では、吹出し口12を車輪1つ当たり1つだけ設けているが、図4に示すように、吹出し口12を車輪1つ当たり2つ設けてもよい。具体的には、一方の吹出し口12は、図1の吹出し口12よりも車両上方において前左ホイールハウス3に形成され、他方の吹出し口12は、図1の吹出し口12よりも車両下方において前左ホイールハウス3に形成されている。そして、それぞれの吹出し口12に走行気流取り込みダクト11が分岐接続されている。何れの場合も、吹出し口12は、ホイールハウス3の壁部の少なくともタイヤ6の前後方向中央よりも車両前方寄り位置に設けられる。
このような場合、2つの吹出し口12のそれぞれから吹出される気流A’の合成気流が、タイヤ6より車両前方の車体下端部より下方に在るタイヤ6及び車両用ホイール5の車両幅方向外側端面部に向けて吹出されるように各吹出し口12の気流方向規制部を構成・配置すればよい。即ち、この場合は、2つの吹出し口12から吹出される気流A’の合成気流が押し流し気流Aとなる。なお、この場合も、合成気流からなる押し流し気流Aは、車両用ホイール5やタイヤ6の車両幅方向外側端面部に沿うように吹出す。また、吹出し口12は3つ以上、つまり複数個以上であってもよい。その場合も、複数の吹出し口12から吹出される気流の合成気流が押し流し気流を形成するように設定すればよい。従って、各吹出し口12の気流方向規制部は、それぞれ、それら複数の吹出し口12からの気流の合成によって気流規制を行う構成とする。そして、これらの構成とすれば、押し流し気流の流量をより豊富に確保することができる。また、複数の吹出し口12を所望に組合せることができるので、吹出し口12のレイアウトの自由度が高まる。
図5は、図1、図4の車両の気流作用の説明図である。前述したように、車両の走行に伴い、車両用ホイール5の開口部7からは気流Bが流出する。このホイール開口部流出気流Bは、車両の走行速度が大きいほど、走行気流の増大に伴って強く(多く且つ速く)流出する。また、例えば車両用ホイール5の車両幅方向外側部分における負圧の増大に伴って強く(多く且つ速く)流出する場合もある。また、このホイール開口部流出気流Bは、フラップ8より下方、つまりタイヤ6より車両前方における車体下端部より下方部位において、より強く(多く且つ速く)吹出される。この実施形態では、吹出し口12から、車輪下部の車両幅方向外側端面に向けて斜め後下方向きに押し流し気流Aが吹出される。この押し流し気流Aにより、ホイール開口部流出気流Bは車両用ホイール5の開口部7から流出すると直ちに斜め後下方向きに押し流される。従って、車体側部(車両幅方向端部)に沿って流れる走行気流Cとホイール開口部流出気流Bの干渉が低減される。また、ホイール開口部流出気流B自体、つまり車両用ホイール5の車両幅方向内側から車両用ホイール5を通過する気流自体が低減されるわけではないので、ブレーキ装置の冷却効果は確保される。
図6は、従来の車両の気流作用の説明図である。この従来の車両では、ホイールハウス3の前上方から斜め後下方向きへの押し流し気流は吹出されない。そのため、ホイール開口部流出気流Bは、そのまま、車両幅方向外側に向けて流出する。このホイール開口部流出気流Bは、タイヤ6より車両前方の車両下端部より下方から強く吹出し、そのホイール開口部流出気流Bが車体側部を流れる走行気流Cと干渉して乱流を発生する。この乱流成分が走行抵抗の増大につながる。ちなみに、一般に、車体側面は車両前端部よりも車両後方において車両幅方向外側に広がっているため、車体側部を流れる走行気流Cは負圧になる傾向がある。
このホイール開口部流出気流Bは、前述のように、車両の走行速度が大きくなるほど強くなる傾向がある。そこで、前述の押し流し気流Aの流量制御態様としては、コントロールユニット19により、走行速度センサ20で検出された車両の走行速度が大きいときに流量調整機構17による走行気流取り込みダクト11の開度を大きくして押し流し気流Aの流量を増大し、これによりホイール開口部流出気流Bと車体側部走行気流Cの干渉を積極的に低減することが考えられる。但し、この実施形態では、車両の走行速度が大きくなると、走行気流の一部を利用した押し流し気流Aの流量も大きくなるので、車体側部走行気流Cとの干渉を低減するために必要な分だけ、車両の走行速度に応じた押し流し気流Aによるホイール開口部流出気流Bの押し流し効果が得られれば、押し流し気流Aの流量調整を必ずしも行う必要はない。
このように、この実施形態の車両用気流制御構造では、タイヤ6が取付けられた車両用ホイール5をホイールハウス3に収容し、このホイールハウス3の壁部のうち、タイヤ6の前後方向中央よりも車両前方寄り位置には、タイヤ6の車両幅方向外側端面部に沿って気流を吹出す吹出し口12を設ける。そして、吹出し口12からは、タイヤ6より車両前方の車体下端部より下方に在るタイヤ6及び車両用ホイール5の部分に向かう押し流し気流Aを吹出す。これにより、車両用ホイール5の開口部7から流出するホイール開口部流出気流Bのうち、タイヤ6より車両前方の車体下端部より下方の部分から流出する強い気流に対し、吹出し口12から吹出される押し流し気流Aがホイール開口部流出気流Bを下方及び後方の少なくとも何れか一方に押し流す。そのため、簡易な構成にしてホイール開口部流出気流Bと車体側部を流れる走行気流Cの干渉を低減することが可能となる。また、車両用ホイール5を通過するホイール開口部流出気流B自体を規制することがないので、ブレーキ冷却効果を確保することができる。
また、吹出し口12から吹出される押し流し気流Aが車両用ホイール5及びタイヤ6の車両幅方向外側端面部に沿うように規制する。これにより、ホイール開口部流出気流Bが車両幅方向外側に流出するのを効果的に低減することができることから、ホイール開口部流出気流Bと車体側部を流れる走行気流Cの干渉をより一層低減することが可能となる。
また、吹出し口12を複数設ける場合には、それら複数の吹出し口12からの気流A’の合成気流をタイヤ6より車両前方の車体下端部より下方におけるタイヤ6及び車両用ホイール5の車両幅方向外側端面部に向かう押し流し気流Aとする。これにより、ホイール開口部流出気流Bの押し流しに必要な吹出し口12からの押し流し気流Aの流量を確保することができると共に、吹出し口12のレイアウトの自由度が高まる。
また、吹出し口12からの気流の流量を調整する流量調整機構17により、吹出し口12から吹出す気流の流量を、例えば車両の走行速度に応じて調整することで、ホイール開口部流出気流Bの押し流し効果を適正な状態に調整することが可能となる。
また、押し流し気流Aの吹出し方向を規制する気流方向規制部として気流ガイド壁16を設けたことにより、簡潔な構成により、吹出し口12から吹出される押し流し気流Aの方向を規制することが可能となる。
本発明が上記していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当とされる特許請求の範囲に記載された発明特定事項によってのみ定められるものである。
3 ホイールハウス
5 車両用ホイール
6 タイヤ
7 開口部
12 吹出し口
16 気流ガイド壁(気流方向規制部)
17 流量調整機構
A 押し流し気流(気流)
5 車両用ホイール
6 タイヤ
7 開口部
12 吹出し口
16 気流ガイド壁(気流方向規制部)
17 流量調整機構
A 押し流し気流(気流)
Claims (4)
- タイヤの取付けられた車両用ホイールと、
前記タイヤ及び前記車両用ホイールを収容するホイールハウスと、に設けられた車両用気流制御構造において、
前記ホイールハウスの壁部の少なくとも前記タイヤの前後方向中央よりも車両前方寄り位置に設けられ、走行気流の一部の前記ホイールハウス内への吹出しを許容する吹出し口と、
前記吹出し口に設けられ、吹出される気流の方向規制を行う気流方向規制部と、を有し、
前記気流方向規制部は、
前記吹出された気流が前記タイヤの車両幅方向外側に沿い且つ前記タイヤ前方の車体下端部よりも車両下方に在る前記タイヤ及び車両用ホイール部分に向かうように気流規制を行う構造を有することを特徴とする車両用気流制御構造。 - 前記吹出し口は複数箇所に設けられ、
前記複数の吹出し口のそれぞれの気流方向規制部は、前記複数の吹出し口からの気流の合成によって前記気流規制を行う構成を有することを特徴とする請求項1に記載の車両用気流制御構造。 - 前記吹出し口は、吹出される気流の流量を調整する流量調整機構を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用気流制御構造。
- 前記気流方向規制部は、
前記気流の流れの規制方向に伸長する気流ガイド壁を取付けて構成したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の車両用気流制御構造。
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---|---|---|---|---|
JP2020124954A (ja) * | 2019-02-01 | 2020-08-20 | トヨタ自動車株式会社 | 車体前部構造 |
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JP2021112943A (ja) * | 2020-01-17 | 2021-08-05 | 株式会社イノアックコーポレーション | ダクト |
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