JP2017176759A - 消臭システム及び消臭方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】室1が賃貸物件の空き室等の密閉空間であっても、室1内に発生する所定濃度以上の臭い成分を特定し、全ての種類の臭い成分が低減されたことを実感できるようにする。【解決手段】建物Bの外壁部4aに開口する窓7を通して太陽光が入射する室1内の臭い成分を除去するための消臭システムSとして、室1内の床部2表面に除去可能に設けられ、室1内に入射した太陽光に含まれる紫外線の照射により励起状態となって臭い成分を分解する光触媒12と、室1内に入射した太陽光を受けて発電する太陽電池17と、この太陽電池17の出力電力により作動し、室1内の空気を、励起状態になった光触媒12に当たるように0.1m/s以上の風速で送る電動ファン装置15とを備え、室1内の空気中に含まれる臭気強度3以上の特定の臭い成分の全ての種類が、光触媒12との接触により臭気強度2以下に低減される性能を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、密閉空間とされた室内を消臭するための消臭システム及び消臭方法に関する。
従来、室内に施工されて室内の空気を消臭するための消臭建築材料として、特許文献1〜3に示されるものが知られている。特許文献1に示される消臭建築材料は、基材と、基材に接着剤を介して接着された化粧材とを備えた化粧板であり、その化粧材の透気度が特定され、接着剤中に無機系消臭剤が含有されている。
また、特許文献2には、壁材、天井材、内装材、建具等を支持体とし、その支持体に、炭層と活性炭層とが隣接して配置される汚染ガス吸収層を支持した消臭装置が提案されている。
さらに、特許文献3に示される消臭建築材料は間仕切りパネルであり、この間仕切りパネルでは、ペーパーコアの両面に合板が貼り合わされ、各合板の表面に消臭塗料によるコーティング層が形成されている。
一方、特許文献4には、光触媒を利用した消臭効果が得られ、室内の空気を消臭するための空気清浄機が提案されている。この空気清浄機では、吸気口及び排気口を有する本体ケース内に送風路が吸気口及び排気口に連通するように形成され、その送風路の上流端に送風機部材が設けられ、送風路の両側に、紫外線を出力するUV光源と、そのUV光源からの紫外線の照射により励起状態になる光触媒とが対向して配置されており、送風機部材により空気清浄機外の室内の空気を吸気口から送風路内に吸い込んで、その送風路内で空気中に光触媒によってフリーラジカルを生じさせ、そのフリーラジカルにより細菌等を分解して空気を清浄にしかつ消臭した後、その空気を排気口から室内に排出するようになっている。
特開2003−118063号公報 特開2005−81066号公報 特開平8−230108号公報 実用新案登録第3154670号公報
ところで、特許文献1〜3に示されるように消臭に配慮した様々な建築材料が上市されているが、実際には、これらの建築材料を居室に施工したとしても、消臭効果が体感できることが殆どないのが現状である。これは、消臭効果を謳った建築材料の性能確認方法と、実際の使用状況との乖離によるものである。
一般に、消臭のメカニズムでは、化学消臭剤、光触媒、無機質多孔質吸着剤、化学吸着剤等の消臭剤に対し臭い成分(臭いの原因となる臭気物質)が接触したとき、化学消臭剤又は化学吸着剤であれば臭い成分の反応による化学変化が生じ、光触媒であれば臭い成分の酸化還元反応による分解が生じ、無機質多孔質吸着剤又は化学吸着剤であれば臭い成分が吸着されることで、臭いが低減されていく。別の観点から見ると、消臭効果のある建築材料を施工したとしても、その建築材料の消臭剤に、臭い成分を含む汚染された空気が接触しない限り、消臭効果が発揮されないことが明らかである。
一方、臭い成分は、その物質毎に検知閾値(臭い成分を感じる最低濃度)や臭気強度が異なり、空気中の臭い成分濃度を測定するために一般的に採用されている検知管により消臭試験で90%以上、或いは100%(検知管の検知限界濃度未満)の消臭効果がある場合でも、検知閾値が極めて低い成分の場合は、臭いを感じてしまう場合がある。
例えばプロピオン酸、n-酪酸、n-吉草酸等は検知閾値が低く、プロピオン酸の文献上の臭気閾値は0.0057ppmであり、臭気強度3では0.069ppmである。n-酪酸の文献上の検知閾値は0.00019ppmであり、臭気強度3では0.0024ppmである。また、n-吉草酸の文献上の検知閾値は0.000037ppmであり、臭気強度3では0.0019ppmである。検知閾値とは、人間の感覚器官がその臭いを感じ始める濃度である。
さらに、臭いの原因となる物質は多種多様であり、実際の生活シーンで発生すると想定される悪臭は、それら多種類の臭い成分が複合した複合臭である。従って、複合した臭い成分のいくつかが消臭されても、それ以外の臭い成分が残っていれば、検知管で100%消臭された結果が出ても、結果的に消臭効果を体感することは困難である。
特に、建物の室が、例えば人の使用や居住のないまま放置される期間のある賃貸用の空き室である場合、その期間中、空き室は閉鎖された空間となり、その閉鎖空間に空気の出入りがないために種々の臭い成分が充満するようになって、消臭効果の体感が困難になる。
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもので、その目的は、室の内部構成に工夫を加えることにより、室が密閉空間であっても、その室内に発生する所定濃度以上の特定の臭い成分の全ての種類が低減又は消臭されたことを実感できるようにすることにある。
上記の目的を達成すべく、この発明では、室内に、電子が励起状態になること(以下「励起状態」という)で臭い成分を分解する光触媒を設け、その光触媒に紫外線を照射して励起状態にするとともに、その光触媒に対し消臭専用の送風手段により室内の空気を強制的に当て、空気中の所定臭気強度以上の特定の臭い成分の全ての種類を光触媒に接触させ、その臭い成分の光触媒との接触機会を増やすようにした。
具体的には、第1の発明は、建物の外壁部に開口する外壁開口部を通して太陽光が入射する室内の臭い成分を除去するための消臭システムであって、上記室内に除去可能に設けられ、上記室内に入射した太陽光に基づいて発生した紫外線の照射により励起状態となって臭い成分を分解する光触媒と、上記室内の臭い成分を含む空気を、上記励起状態になった光触媒に当たるように所定以上の風速で送る送風手段とを備え、上記室内の空気中に含まれる臭気強度3以上の特定の臭い成分の全ての種類が、上記光触媒との接触により臭気強度2以下に低減される性能を有することを特徴とする。上記外壁開口部とは、太陽光が入射する窓や出入り口をいうものとする。
この第1の発明では、室内に外壁開口部を通して入射した太陽光に基づいて紫外線が発生し、その紫外線の照射により光触媒が励起状態となる一方、送風手段が動作して、室内の臭い成分を含む空気が上記励起状態になった光触媒に当たるように所定以上の風速で送られる。このように、励起状態の光触媒に臭い成分を含む空気が当たることで、その空気中に含まれる臭気強度3以上の特定臭い成分の全ての種類が励起状態の光触媒に接触し、それら特定の臭い成分の全ての種類が光触媒により分解されて臭気強度3以上から臭気強度2以下に低減される。
そして、光触媒は紫外線の照射により確実に励起状態になり、かつ、その光触媒に室内の臭い成分を含む空気が強制的に送られて当たるので、室内の臭い成分を含む空気を満遍なく確実に光触媒に接触させることができる。よって、室内が閉鎖された空間であっても、臭気強度3以上の特定臭い成分の全ての種類が臭気強度2以下に低減され、その閉鎖空間に特定の臭い成分が充満することはなく、閉鎖空間内の消臭効果を実感することができる。
また、外壁開口部を通して室内に入射する太陽光を利用して光触媒に紫外線を照射しているので、太陽光が室内に入射されている限り自動的に光触媒が励起状態になって、その光触媒に送風手段により室内の空気が当てられることとなり、室内の空気の消臭を人手の掛からない無人の状態で安定して行うことができる。
さらに、光触媒は室内に除去可能に設けられているので、消臭しようとする室に必要に応じて光触媒を送風手段と共に設けるだけでよく、消臭が不要となったときには光触媒を除去すれば済み、室の消臭を容易に行うことができる。
第2の発明は、第1の発明において、光触媒が、外壁開口部の建具におけるガラス内面、又は室内の床部、壁部もしくは天井部の表面に除去可能に設けられていることを特徴とする。
この第2の発明では、光触媒が外壁開口部の建具におけるガラス内面、又は室内の床部、壁部もしくは天井部の表面に除去可能に設けられているので、室内において光触媒を設けるための望ましい位置が容易に得られる。また、消臭が不要となったときには光触媒を除去すれば済み、室の消臭を容易に行うことができる。
第3の発明は、第1の発明において、室内にシート状物が外壁開口部に対向するように取り外し可能に配置され、このシート状物に光触媒が設けられていることを特徴とする。
この第3の発明では、外壁開口部に対向するように室内に取り外し可能に配置されたシート状物に光触媒が設けられているので、この場合も、室内において光触媒を設けるための望ましい位置が容易に得られる。
第4の発明は、第1〜第3の発明のいずれか1つにおいて、光触媒は、外壁開口部を通して入射する太陽光に含まれる紫外線により励起状態になるように構成されていることを特徴とする。
この第4の発明では、光触媒は、室内において、外壁開口部を通して入射する太陽光が照射される位置に配置され、日中、室内に外壁開口部を通して入射された太陽光が照射されると、その太陽光に含まれる紫外線により励起される。このことで、別途の紫外線照射装置を要することなく、太陽光をそのまま利用して光触媒を励起状態にすることができる。
第5の発明は、第1〜第3の発明のいずれか1つにおいて、外壁開口部を通して入射する太陽光により発電する太陽電池と、この太陽電池の出力電力を受けて、光触媒に該光触媒が励起状態になるように紫外線を照射する紫外線照射装置とが設けられていることを特徴とする。尚、太陽電池とはソーラーセル、その複数のソーラーセルを組み合わせたソーラーモジュール、複数のソーラーモジュールを組み合わせたソーラーアレイパネルのいずれかをいうものとし、これらは出力電圧の大きさが異なるように組み合わされただけである。
この第5の発明では、室内において、外壁開口部を通して入射する太陽光が照射される位置に太陽電池が配置されている。このため、太陽光が太陽電池に照射されると、この太陽電池が発電し、この太陽電池の出力電力を受けて室内の紫外線照射装置が作動して紫外線を出力し、この紫外線が光触媒に照射されて該光触媒が励起状態になる。このため、室内において、外壁開口部と反対側で日射が当たらない部分に光触媒及び紫外線照射装置を設けても、その紫外線照射装置を太陽電池からの出力電力により作動させて光触媒を励起状態にできるようになり、日射が当たらない部分で消臭効果を発揮させることができる
第6の発明は、第1〜第5の発明のいずれか1つにおいて、室内にシート状物が、外壁開口部に対向して該外壁開口部との間に空気通路を区画するように配置され、このシート状物の下端部、又は該下端部と室内の床部との間には、上記空気通路の下端を該空気通路以外の室内空間と連通する下側連通路が、またシート状物の上端部、又は該上端部と室内の天井部との間には、空気通路の上端を該空気通路以外の室内空間と連通する上側連通路がそれぞれ形成され、送風手段は、外壁開口部を通して入射した太陽光により空気通路の空気が加熱されて該空気通路を上昇することで、空気通路と空気通路以外の室内空間との間に連通路を介して自然対流を生じさせるものとされていることを特徴とする。
この第6の発明では、室内にシート状物が外壁開口部との間に空気通路を区画するように配置され、この空気通路は、シート状物下側の下側連通路及びシート状物上側の上側連通路を介して空気通路以外の室内空間と連通している。そして、外壁開口部を通して入射した太陽光が例えばシート状物等に当たって空気通路の空気が加熱されると、その空気が空気通路を上昇して上側連通路を経て空気通路以外の室内空間に流れ、これに伴い、空気通路以外の室内空間の臭い成分を含む空気が下側連通路を経て空気通路の下端に流れ込む。このような流れにより、空気通路と空気通路以外の室内空間との間に空気の自然対流が生じて送風手段となり、この自然対流による臭い成分を含む空気が光触媒に当たって、その空気中の特定臭い成分の全ての種類が臭気強度2以下に低減される。このことで、光触媒に室内の空気を送って当てるための送風手段が簡単な構造で得られる。
第7の発明は、第1〜第5の発明のいずれか1つにおいて、外壁開口部を通して入射する太陽光により発電する太陽電池を備え、送風手段は、上記太陽電池の出力電力を受けて作動するファン装置であることを特徴とする。尚、太陽電池とはソーラーセル、その複数のソーラーセルを組み合わせたソーラーモジュール、複数のソーラーモジュールを組み合わせたソーラーアレイのいずれかをいうものとし、これらは出力電圧の大きさが異なるだけである。
この第7の発明では、室内において、外壁開口部を通して入射する太陽光が照射される位置に太陽電池が配置されており、この太陽電池に太陽光が照射されると、太陽電池が発電し、この太陽電池の出力電力を受けて室内のファン装置が作動して送風し、室内の空気が励起状態の光触媒に送られて接触し、その空気中の特定臭い成分の全ての種類が臭気強度2以下に低減される。このことで、光触媒に室内の空気を送って当てるための送風手段が容易に得られる。
しかも、光触媒を励起状態とするための紫外線は、室内に入射した太陽光に基づいて発生し、同じ入射太陽光をエネルギー源として太陽電池で電力に変え、その電力により送風手段も動作するので、外部の電源や電力は不要となる。
第8の発明は、第1〜第7の発明のいずれか1つにおいて、建物の室は、賃貸用の空き室であることを特徴とする。
この第8の発明では、建物の室である賃貸用の空き室において、紫外線の照射により光触媒が励起状態となる一方、送風手段が動作して室内の臭い成分を含む空気が励起状態の光触媒に当たり、その空気中に含まれる臭気強度3以上の特定臭い成分の全ての種類が光触媒により分解されて臭気強度2以下に低減される。このことで、空き室が人の使用や居住のないまま放置されて閉鎖空間となる期間中は、絶えず光触媒による消臭処理が続けられることとなり、室を見るために訪れた入居希望者が入室時に臭いについて好ましい第1印象を持つようになり、空き室の入居率の向上を期待することができる。
また、光触媒は除去可能であるので、空き室の入居が決まった後は、その光触媒を送風手段と共に除去すればよく、容易に元通りにすることができる。
この第9の発明は消臭方法に係るものであり、この消臭方法は、建物の外壁部に開口する外壁開口部を通して太陽光が入射する室内の臭い成分を除去するための消臭方法であって、室内に除去可能に設けられている光触媒に紫外線を照射して励起状態にし、その励起状態になった光触媒に室内の臭い成分を含む空気を所定以上の風速で送って当てることにより、室内の空気中に含まれる臭気強度3以上の特定の臭い成分の全ての種類を、上記光触媒との接触により臭気強度2以下に低減することを特徴とする。
この第9の発明では、室内に設けられている光触媒が紫外線の照射により励起状態となり、この励起状態になった光触媒に室内の臭い成分を含む空気が所定以上の風速で送られて当てられ、その室内の空気中に含まれる臭気強度3以上の特定の臭い成分の全ての種類が光触媒との接触により臭気強度2以下に低減される。このことで、室内の空間が閉鎖された空間であっても、臭気強度3以上の特定臭い成分の全ての種類が臭気強度2以下に低減され、その閉鎖空間に特定の臭い成分が充満することはなく、閉鎖空間内の消臭効果を実感することができる。
また、光触媒は室内に除去可能に設けられているので、消臭しようとする室に必要に応じて光触媒を設けるだけでよく、消臭が不要となったときには光触媒を除去すれば済み、室の消臭を容易に行うことができる。
以上説明したように、本発明によると、太陽光が建物の外壁開口部を通して入射する室内に、励起状態で臭い成分を分解する光触媒と、室内の臭い成分を含む空気を光触媒に当たるように送る送風手段とを設け、室内の空気中に含まれる臭気強度3以上の特定の臭い成分の全ての種類を光触媒との接触により臭気強度2以下に低減するようにしたことにより、室内の空間が閉鎖された空間であっても臭気強度3以上の特定臭い成分の全ての種類を低減して、その閉鎖空間内の消臭効果を実感することができる。また、外壁開口部を通して太陽光が室内に入射されている限り自動的に、光触媒を励起状態にして室内の空気を当てることができり、室内の空気の消臭を人手の掛からない無人の状態で安定して行うことができる。さらに、消臭しようとする室に必要に応じて光触媒を設けるだけでよく、消臭が不要となったときには光触媒を除去すれば済み、室の消臭を容易に行うことができる。
図1は、本発明の実施形態1に係る消臭システムを概略的に示す断面図である。 図2は、実施形態2に係る消臭システムを概略的に示す図1相当図である。 図3は、実施形態3に係る消臭システムを概略的に示す図1相当図である。 図4は、実施形態4に係る消臭システムを概略的に示す図1相当図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
(実施形態1)
図1において、1は建物B内に形成された室で、この室1は床部2、天井部3及び壁部4を有し、壁部4のうち建物Bの外側に位置する外壁部4aには外壁開口部としての窓7が開口され、この窓7には、窓7を開閉する窓ガラス9を有するサッシ8が嵌め込まれており、この窓7(窓ガラス9)を通して太陽光が室1内に入射するようになっている。上記室1は、例えばビル、店舗、事務所等の賃貸物件における賃貸用の空き室が望ましいが、そのような賃貸用の空き室に限定されず、人が使用や居住している室等、その他の用途の室であってもよい。
このような室1の内部に本発明の実施形態1に係る消臭システムSが設けられ、この消臭システムSは、臭い成分を分解する光触媒(図示せず)を有する消臭素子含有層12を備えている。光触媒は、紫外線の照射により励起状態になり、臭い成分をラジカル分解するもので、例えば二酸化チタン(TiO)や酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム、硫化亜鉛、窒化ガリウム、酸化ガリウム等が用いられる。この実施形態では、光触媒を有する消臭素子含有層12は室1内の床部2表面(上面)において、窓7(窓ガラス9)を通して室1内に入射する太陽光が当たる部分に設けられており、この窓7を通して入射する太陽光が消臭素子含有層12の光触媒に照射されたときに、その太陽光に含まれる紫外線により光触媒が励起状態になるようにしている。
光触媒を床部2表面に露出した状態で設ける場合、例えば光触媒を塗料に混ぜて塗布して床部2表面に塗膜を形成したり、光触媒を繊維に吹き付け、その繊維を床部2表面に貼り付けたり、或いは光触媒を粉体で床部2表面に固着したりして設けられている。このように設けることで、光触媒(消臭素子含有層12)は、通常の使用状態では除去されないが、使用停止時には床部2表面(室1の内部)から容易に除去可能となっており、例えば塗膜の場合は拭き取って除去できるようになっている。
室1内には、図示しないが、回転するファンブレードにより吸込み部から吸い込んだ空気を吹出し部から吹き出させる送風手段としての消臭専用の電動ファン装置15と、窓7(外壁開口部)を通して入射する太陽光を受けて発電する太陽電池17とが近接して配置され、これらは床部2から離れた状態で例えば1つの支持台19上に載置されている。太陽電池17は、ソーラーセル、ソーラーモジュール、ソーラーアレイのいずれかからなるもので、室1内の床部2表面(上面)において、窓7(窓ガラス9)を通して室1内に入射する太陽光が当たる部分に配置されており、この太陽電池17に、窓7を通して室1内に入射する太陽光が当たることで、太陽電池17が発電するようになっている。
また、太陽電池17の電気出力部は電動ファン装置15に電線(図示せず)により接続されており、太陽電池17が発電すると、その電力が電動ファン装置15に送られて該電動ファン装置15が作動(回転)し、この電動ファン装置15の吸い込み部から室1内の空気を吸い込んだ後に吹出し部から同じ室1内に吹き出させるようになっている。そして、この電動ファン装置15は、吹出し部からの空気の吹出し方向が上記床部2上の光触媒(消臭素子含有層12)に向いていて、吹出し部から吹き出された空気が床部2表面上で励起状態になった光触媒に当たるように所定以上の風速で送るものとされている。その風速は、光触媒に空気が連続して接触できる程度であればよく、例えば0.1m/s以上でが好ましい。
そして、消臭システムSは、上記床部2表面上に太陽光が当たるように設けられて太陽光に含まれる紫外線により励起状態になる光触媒を有する消臭素子含有層12と、太陽光により発電する太陽電池17と、この太陽電池17により作動して消臭素子含有層12の光触媒に室1内の臭い成分を含む空気を当てる電動ファン装置15とで構成され、室1内の空気中に含まれる臭気強度3以上の特定の臭い成分の全ての種類が、光触媒との接触により臭気強度2以下に低減される性能を有する。
また、このような消臭システムSを用いた消臭方法は、建物Bにおける室1内の床部2表面に除去可能に設けられている光触媒に、太陽光に含まれる紫外線を照射して励起状態にし、その励起状態になった光触媒に、太陽電池17の出力電力により作動する電動ファン装置15により、室1内の臭い成分を含む空気を所定以上の風速で送って当てることにより、室1内の空気中に含まれる臭気強度3以上の特定の臭い成分の全ての種類を、光触媒との接触により臭気強度2以下に低減するものである。
上記臭気強度とは、例えば一般社団法人繊維評価技術協議会におけるSEKマーク繊維製品認証基準の消臭加工に基づいて設定される強度であり、以下のように設定される。
対象となる全ての臭い成分の臭気物質の各々について溶剤に溶かし、その溶液をサンプル瓶に滴下してサンプル瓶内で所定濃度のガスを生成し、そのサンプル瓶内の臭気の有無を官能評価する。
この官能評価では、複数の官能評価実施者について、予め、T&Tオルファクトメータを用いてβ-フェニルエチルアルコール(バラ臭)、メチルシクロペンテノロン(カラメル臭)、Iso-吉草酸(靴下臭)、Υ-ウンデカラクトン(桃臭)及びスカトール(糞便臭)の5つの臭気により嗅覚異常がないことを確認した後、それら複数の官能評価実施者が各サンプル瓶内のガスの臭いを嗅いだときに感じる程度を臭気強度1〜5として設定している。
すなわち、臭気強度1は「やっと感知できるにおい」であり、臭気強度2は「何のにおいであるかがわかる弱いにおい」であり、臭気強度3は「らくに感知できるにおい」であり、臭気強度4は「強いにおい」であり、臭気強度5は「強烈なにおい」である。従って、臭気強度3以上とは「容易に臭気を感じる」程度である。
また、上記室1R内部の空気中に含まれる臭い成分(臭気物質)は、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ノナナール、t-2-ノネナール、酢酸、プロピオン酸、n-酪酸、Iso-酪酸、n-吉草酸、Iso-吉草酸、カプロン酸(ヘキサン酸)、アンモニア、インドール、スカトール、ピリジン、メチルメルカプタン、硫化水素、硫化メチル、二硫化メチル、トリメチルアミン、1-ブタノール、アセトン、ジェオスミン、2-メチルイソボルネオール、2,4,6-トリクロロアニソール、トルエンの26種類の中から、複数種類が複合されたものである。
したがって、この実施形態では、室1内の床部2表面において、窓7(窓ガラス9)を通して室1内に入射する太陽光が当たる部分に光触媒を有する消臭素子含有層12が設けられているので、この消臭素子含有層12の光触媒に窓7を通して入射する太陽光が照射されたときに、その太陽光に含まれる紫外線により光触媒が励起状態になる。
また、同じ室1内には、窓7を通して入射する太陽光により発電する太陽電池17と、この太陽電池17の出力電力を受けて作動する電動ファン装置15とが設けられているので、入射する太陽光があると、その太陽光を受けて太陽電池17が発電し、その電力により電動ファン装置15が作動し、この電動ファン装置15に室1内の臭い成分を含む空気が吸い込まれて床部2に向けて吹き出され、この吹き出された空気は、床部2表面の上記励起状態になった光触媒に当たるように所定以上の風速で送られる。こうして励起状態の光触媒に室1内の臭い成分を含む空気が当たることで、その空気中に含まれる臭気強度3以上の特定臭い成分の全ての種類が励起状態の光触媒に接触し、それら特定の臭い成分の全ての種類が光触媒により分解されて臭気強度3以上から臭気強度2以下に低減される。
そして、光触媒は太陽光に含まれる紫外線の照射により確実に励起状態になり、かつ、その光触媒に室1内の臭い成分を含む空気が強制的に送られて当たるので、室1内の空気を満遍なく確実に光触媒に接触させることができる。よって、室1の内部空間が閉鎖された空間であっても、臭気強度3以上の特定臭い成分の全ての種類が臭気強度2以下に低減され、その閉鎖空間に特定の臭い成分が充満することはなく、閉鎖空間内の消臭効果を実感することができる。
このため、室1が賃貸物件における空き室である場合、その空き室が人の使用や居住のないまま放置されて閉鎖空間となる期間中は、絶えず消臭素子含有層12の光触媒による消臭処理が続けられることとなり、室1を見るために訪れた入居希望者が入室時に臭いについて好ましい第1印象を持つようになり、その結果、空き室の入居率の向上を期待することができる。
また、窓7を通して室1内に入射する太陽光を利用しているので、その太陽光が室1内に入射されている限り自動的に、消臭素子含有層12の光触媒は励起状態になり、かつ太陽電池17が発電して電動ファン装置15が送風し、その電動ファン装置15から空気が光触媒に当てられるようになり、室1内の空気の消臭を人手の掛からない無人の状態で安定して行うことができる。
しかも、光触媒は床部2表面の消臭素子含有層12に設けられて、窓7を通して入射して床部2表面に当たる太陽光に含まれる紫外線により励起状態になるので、日中、室1内に窓7を通して入射された太陽光が光触媒に照射されると、その光触媒が励起されることになる。このことで、別途の紫外線照射装置を要することなく、太陽光をそのまま利用して光触媒を励起状態にすることができる。
また、室1内に、窓7を通して入射する太陽光が照射されると発電する太陽電池17が配置され、この太陽電池17の出力電力を受けて電動ファン装置15が作動して送風するので、光触媒に室1内の空気を送って当てるための送風手段が容易に得られる。
すなわち、光触媒を励起状態とするための紫外線は、室1内に入射した太陽光に含まれるものであり、同じ太陽光で太陽電池17を発電させて、その電力により電動ファン装置15を作動させるので、外部の電源や電力は不要となる。
さらに、光触媒を含む消臭素子含有層12は室1内の床部2に除去可能に設けられているので、消臭しようとする目的の室1の床部2表面に光触媒含有の消臭素子含有層12を設け、かつ太陽電池17と電動ファン装置15とを設置するだけで、その室1の臭い成分を低減して消臭することができる。そして、その室1の消臭が不要となったとき、例えば空き室の場合に入居が決まった後は、光触媒を含む消臭素子含有層12を床部2表面から除去し(光触媒を塗膜で設けたときには拭き取る)、かつ太陽電池17と電動ファン装置15とを室1から撤去すればよく、室1を消臭開始前の状態に容易に戻すことができる。
尚、この実施形態1では、床部2表面に光触媒を設けているが、室1内の他の部分に設けてもよく、例えば壁部4の表面や天井部3の表面(室内側の面)、或いは窓7における窓ガラス9の内面(室内側の面)に設けることができる。その場合、光触媒を設ける場所に応じて、その固定構造を適宜選択すればよい。
(実施形態2)
図2は本発明の実施形態2を示し(尚、以下の各実施形態では、図1と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する)、光触媒を太陽光が当たらない位置に設けたものである。
すなわち、上記実施形態1では、光触媒が床部2表面に設けられているのに対し、この実施形態では、図2に示すように、光触媒を含む消臭素子含有層12は、窓7と反対側に位置する壁部4であって窓7から室1内に入射した太陽光が当たらない部分の表面(室内側の面)に設けられている。この光触媒の壁部4表面への固定構造は、実施形態1に記載の床部2表面への固定構造と同様である。
また、電動ファン装置15は、壁部4表面の消臭素子含有層12に対向するように配置されて例えば支持台19上に載置され、その吹出し口から吹き出された空気が所定の風速で壁部4表面の消臭素子含有層12の光触媒に当たるようになっている。
一方、太陽電池17は、実施形態1と同様に、室1内の窓側に窓7を通して入射する太陽光を受けるように配置されて、例えば支持台19上に載置されている。
そして、室1内には、紫外線を照射する専用のUV−LED21(消臭紫外線照射装置)が壁部4表面の消臭素子含有層12に対向するように配置され、このUV−LED21は例えば電動ファン装置15と同じ支持台19に載置されている。UV−LED21は紫外線の照射方向が壁部4表面の消臭素子含有層12に向くように配置されており、UV−LED21から紫外線を壁部4上の消臭素子含有層12の光触媒に照射して、その光触媒を励起状態にするようにしている。この場合、UV−LED21に代えてブラックライトLED等を利用してもよい。
また、上記UV−LED21は、電動ファン装置15と共に上記太陽電池17に電線23によって接続されており、太陽電池17の出力電力により電動ファン装置15とUV−LED21とを作動させるようになっている。その他の構成は実施形態1と同様である。
この実施形態の場合、室1内において、窓7を通して入射する太陽光が照射される位置に太陽電池17が配置されており、この太陽電池17に太陽光が照射されると、太陽電池17は発電し、この太陽電池17の出力電力を受けて、UV−LED21が作動して紫外線を出力し、この紫外線が壁部4表面の消臭素子含有層12の光触媒に照射されて光触媒が励起状態になる。また同時に、太陽電池17の出力電力を受けて電動ファン装置15も作動し、この電動ファン装置15から吹き出された室1内の空気が壁部4表面の励起状態の光触媒に当たるようになる。このように励起状態の光触媒に室1内の空気が当たることで、その空気中に含まれる臭気強度3以上の特定臭い成分の全ての種類が励起状態の光触媒に接触し、それら特定の臭い成分の全ての種類が光触媒により分解されて臭気強度3以上から臭気強度2以下に低減される。
このため、室1内において、窓7と反対側の壁部4で日射が当たらない部分に光触媒を設けても、UV−LED21を太陽電池17からの出力電力により作動させて紫外線を光触媒に照射し、光触媒を励起状態にできるようになり、日射が当たらない部分で消臭効果を発揮させることができる。
尚、この実施形態において、光触媒は、床部2や天井部3において窓7と反対側に位置する側で窓7から室1内に入射した太陽光が当たらない部分の表面(室内側の面)に設けることもできる。その場合、太陽電池17は窓7側の位置にそのまま配置し、UV−LED21と電動ファン装置15とを、UV−LED21にあっては紫外線を照射して光触媒を励起状態にできるように、また電動ファン装置15にあっては吹き出した室内空気が励起状態の光触媒に当たるようにそれぞれ配置すればよい。
(実施形態3)
図3は本発明の実施形態3を示し、送風手段の構成及び光触媒の配置位置を変えたものである。
すなわち、この実施形態では、図3に示すように、室1内には、実施形態1及び2における電動ファン装置15、太陽電池17及びUV−LED21が設けられていない。その代わり、室1内には、窓7と平行に延びる取り外し可能なシート状物26が窓7に対し所定の間隔をあけた状態で対向するように配置され、このシート状物26と窓7との間に空気通路28が区画され、室1内は、空気通路28とそれ以外の室内空間29とに分けられている。この空気通路28は、空気通路28以外の室内空間29に対し後述する下側及び上側連通路31,32を除いて連通しないように密閉されていることが望ましい。シート状物26は、例えば窓際に吊すカーテンや、室1内の日焼け防止用のシートとして利用することができる。
そして、このシート状物26の窓7側の面(空気通路28側の面)に光触媒を有する消臭素子含有層12が設けられており、実施形態1と同様に、窓7を通して入射する太陽光がシート状物26上の消臭素子含有層12の光触媒に照射されたときに、その太陽光に含まれる紫外線により光触媒が励起状態になるようになっている。
さらに、上記シート状物26は、下端部と床部2との間及び上端部と天井部3との間にそれぞれ間隔があけられた状態で配置されており、そのシート状物26の下端部と床部2との間には、空気通路28の下端を空気通路28以外の室内空間29と連通する下側連通路31が、またシート状物26の上端部と天井部3との間には、空気通路28の上端を空気通路28以外の室内空間29と連通する上側連通路32がそれぞれ形成されている。
尚、シート状物26を下端部が床部2に接触し、上端部が天井部3に接触するように配置し、そのシート状物26の下端部及び上端部にそれぞれ開口からなる下側及び上側連通路31,32を設けるようにしてもよく(連通路31,32がシート状物26そのものに開口している)、或いは、シート状物26の下端部と床部2との間又はシート状物26の上端部と天井部3との間に一方の連通路を形成し、シート状物26の上端部又は下端部に開口からなる他方の連通路を形成するようにしてもよい。
このような構造により、窓7を通して室1内に入射した太陽光がシート状物26上の消臭素子含有層12の光触媒を励起状態にするだけでなく、空気通路28の周囲に位置する部材(主にシート状物26)や空気通路28内の空気が太陽光で加熱され、それに伴い空気通路28の空気が軽くなって同空気通路28を上昇するようになっており、この空気通路28を上昇する空気の流れにより、空気通路28とそれ以外の室内空間29との間に連通路31,32を介して自然対流Cを生じさせる送風手段が構成されている。その他の構成は、実施形態1と同様である。
したがって、この実施形態においては、室1内にシート状物26が窓7と対向するように配置され、このシート状物26に光触媒を有する消臭素子含有層12が設けられているので、窓7を通して入射する太陽光がシート状物26上の光触媒に照射されると、その太陽光に含まれる紫外線により光触媒が励起状態になる。
そして、上記シート状物26は窓7との間に空気通路28を区画するように配置され、この空気通路28は、シート状物26下側の下側連通路31及び上側の上側連通路32を介して空気通路28以外の室内空間29と連通しているので、窓7を通して入射した太陽光がシート状物26等に当たって加熱されると、シート状物26等からの伝熱により空気通路28の空気も加熱される。この加熱された空気は軽くなって空気通路28を上昇し、その後に上側連通路32を経て空気通路28以外の室内空間29に流れる。これに伴い、逆に空気通路28以外の室内空間29の空気が下側連通路31を経て空気通路28の下端に流れ込む。このような流れにより、空気通路28と空気通路28以外の室内空間29との間に空気の自然対流Cが生じ、この自然対流Cに沿って流れる空気がシート状物26上の励起状態の光触媒に当たって、その空気中の特定臭い成分の全ての種類が臭気強度2以下に低減される。このことで、光触媒に室1内の空気を送って当てるための電動ファン装置15は不要となり、送風手段が簡単な構造で得られる。
また、シート状物26は取り外し可能に配置されているので、室1の消臭が不要となったとき、例えば空き室の場合に入居が決まった後は、シート状物26自体を撤去すればよく、室1を消臭開始前の状態に容易に戻すことができる。
(実施形態4)
図4は実施形態4を示し、光触媒12を設ける位置を変えたものである。すなわち、この実施形態では、図4に示すように、上記実施形態3(図3参照)において、光触媒を有する消臭素子含有層12はシート状物26の表面に代えて、窓ガラス9の内面(室内側の面)に例えば塗膜により除去可能に固着されており、窓7を通して室1内に入射された太陽光に含まれる紫外線が窓ガラス9の内表面の光触媒を励起状態にするようにしている。
その他の構成は実施形態3と同じであり、従って、この実施形態でも実施形態3と同様の作用効果を奏することができる。
(その他の実施形態)
尚、上記実施形態1及び2では、太陽電池17の出力電力により電動ファン装置15やUV−LED21が作動するようにしているが、これら電動ファン装置15やUV−LED21を外部商用電源、乾電池、充電可能な蓄電池等の電力を受けて作動するようにすることもできる。しかし、電源が別途に不要になる等の点で太陽電池17を用いるのが好ましい。
また、上記各実施形態では、建物の外壁部4aに開口する外壁開口部は窓7としているが、ガラスが嵌め込まれたドアによって開閉される出入り口等であってもよい。
本発明は、空き室等の密閉空間において、その内部の空気中に含まれる臭気強度3以上の特定臭い成分の全ての種類を臭気強度2以下に低減でき、極めて有用である。
B 建物
S 消臭システム
C 自然対流
1 室
2 床部
3 天井部
4 壁部
4a 外壁部
7 窓(外壁開口部)
9 窓ガラス
12 消臭素子含有層
15 電動ファン装置(送風手段)
17 太陽電池
21 UV−LED(消臭紫外線照射装置)
26 シート状物
28 空気通路
29 空気通路以外の室内空間
31 下側連通路
32 上側連通路

Claims (9)

  1. 建物の外壁部に開口する外壁開口部を通して太陽光が入射する室内の臭い成分を除去するための消臭システムであって、
    上記室内に除去可能に設けられ、上記室内に入射した太陽光に基づいて発生した紫外線の照射により励起状態となって臭い成分を分解する光触媒と、
    上記室内の空気を、上記励起状態になった光触媒に当たるように所定以上の風速で送る送風手段とを備え、
    上記室内の空気中に含まれる臭気強度3以上の特定の臭い成分の全ての種類が、上記光触媒との接触により臭気強度2以下に低減される性能を有することを特徴とする消臭システム。
  2. 請求項1において、
    光触媒が、外壁開口部の建具におけるガラスの内面、又は室内の床部、壁部もしくは天井部の表面に除去可能に設けられていることを特徴とする消臭システム。
  3. 請求項1において、
    室内にシート状物が外壁開口部に対向するように取り外し可能に配置され、
    上記シート状物に光触媒が設けられていることを特徴とする消臭システム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つにおいて、
    光触媒は、外壁開口部を通して入射する太陽光に含まれる紫外線により励起状態になるように構成されていることを特徴とする消臭システム。
  5. 請求項1〜3のいずれか1つにおいて、
    外壁開口部を通して入射する太陽光により発電する太陽電池と、
    上記太陽電池の出力電力を受けて、光触媒に該光触媒が励起状態になるように紫外線を照射する紫外線照射装置とが設けられていることを特徴とする消臭システム。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つにおいて、
    室内にシート状物が、外壁開口部に対向して該外壁開口部との間に空気通路を区画するように配置され、
    上記シート状物の下端部、又は該下端部と室内の床部との間には、上記空気通路の下端を該空気通路以外の室内空間と連通する下側連通路が、またシート状物の上端部、又は該上端部と室内の天井部との間には、空気通路の上端を該空気通路以外の室内空間と連通する上側連通路がそれぞれ形成され、
    送風手段は、外壁開口部を通して入射した太陽光により空気通路の空気が加熱されて該空気通路を上昇することで、空気通路と空気通路以外の室内空間との間に連通路を介して対流を生じさせるものとされていることを特徴とする消臭システム。
  7. 請求項1〜5のいずれか1つにおいて、
    外壁開口部を通して入射する太陽光により発電する太陽電池を備え、
    送風手段は、上記太陽電池の出力電力を受けて作動するファン装置であることを特徴とする消臭システム。
  8. 請求項1〜7のいずれか1つにおいて、
    建物の室は、賃貸用の空き室であることを特徴とする消臭システム。
  9. 建物の外壁部に開口する外壁開口部を通して太陽光が入射する室内の臭い成分を除去するための消臭方法であって、
    室内に除去可能に設けられている光触媒に紫外線を照射して励起状態にし、
    その励起状態になった光触媒に室内の空気を所定以上の風速で送って当てることにより、室内の空気中に含まれる臭気強度3以上の特定の臭い成分の全ての種類を、上記光触媒との接触により臭気強度2以下に低減することを特徴とする消臭方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2022501122A (ja) * 2018-09-21 2022-01-06 ソウル バイオシス カンパニー リミテッドSeoul Viosys Co., Ltd. 光照射モジュール及びこれを含む殺菌装置

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