JP2017176237A - ハンドルアダプターおよびibg手技用手術器具 - Google Patents

ハンドルアダプターおよびibg手技用手術器具 Download PDF

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Abstract

【課題】ステムインパクターに対する取り付け性および取り外し性に優れ、回旋方向にガタツキが生じにくいハンドルアダプター、およびそれを備えるIBG手技用手術器具を提供することである。【解決手段】インナーロッド2、アウターロッド3およびフック部4を備え、アウターロッド3が有する貫通孔33の一端部33a側にフック部4をスライドさせたとき、インナーロッド2の先端部2aがアウターロッド3の先端部3aから突出し、貫通孔33の他端部33b側にフック部4をスライドさせたとき、インナーロッド2の先端部2aがアウターロッド3の内部に収容される、ハンドルアダプター1である。このハンドルアダプター1を備えるIBG手技用手術器具を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、ハンドルアダプターおよびIBG手技用手術器具に関する。
人工股関節置換術後の大腿骨ステムの緩みに対する再置換手術において、大腿骨が菲薄化している場合がある。このような場合に、IBG手技(Impaction Bone Grafting)が使用されることがある。IBG手技では、髄腔形成を行うときにステムインパクターが使用される。ステムインパクターは、ハンドルアダプターと組み合わされた状態で使用される(例えば、特許文献1参照)。ハンドルアダプターとしては、ステムインパクターに対する取り付け性および取り外し性に優れ、回旋方向にガタツキが生じにくいものが望ましい。
特許第3394911号公報
本発明の課題は、ステムインパクターに対する取り付け性および取り外し性に優れ、回旋方向にガタツキが生じにくいハンドルアダプター、およびそれを備えるIBG手技用手術器具を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、以下の構成からなる解決手段を見出し、本発明を完成するに至った。
(1)先端部がステムインパクターの肩部に位置している凹部に嵌合可能な筒状のインナーロッドと、前記ステムインパクターの肩部に位置しているスリットに嵌合可能な爪部を先端部の外周部に有しており前記インナーロッドをスライド可能な状態で内部に挿通している筒状のアウターロッドと、前記インナーロッドの後端部側の外周部に取り付けられているフック部と、を備え、前記アウターロッドは、その後端部側の外周部において長手方向に沿って延びており前記フック部をスライド可能な状態で内部に挿通している貫通孔をさらに有し、前記貫通孔は、前記アウターロッドの先端部側に一端部および前記アウターロッドの後端部側に他端部をそれぞれ有し、前記貫通孔の一端部側に前記フック部をスライドさせたとき、前記インナーロッドの先端部が前記アウターロッドの先端部から突出し、前記貫通孔の他端部側に前記フック部をスライドさせたとき、前記インナーロッドの先端部が前記アウターロッドの内部に収容される、ハンドルアダプター。
(2)前記アウターロッドは、前記爪部を一対で有し、前記一対の爪部は、前記アウターロッドの中心軸を基準にして180°回転対称である、前記(1)に記載のハンドルアダプター。
(3)前記フック部を一対で備え、前記アウターロッドは、前記貫通孔を一対で有する、前記(1)または(2)に記載のハンドルアダプター。
(4)前記フック部を前記アウターロッドの先端部側に向けて付勢している付勢部材をさらに備える、前記(1)〜(3)のいずれかに記載のハンドルアダプター。
(5)前記付勢部材は、スプリングである、前記(4)に記載のハンドルアダプター。
(6)開口部を前記アウターロッドの先端部側に向けている状態で、前記アウターロッドの前記貫通孔よりも後端部側の外周部に取り付けられている有底筒状の第1胴部と、開口部を前記第1胴部側に向けており前記第1胴部に対してスライド可能な状態で、且つ、前記フック部の一部を外周部から突出させている状態で、前記フック部に取り付けられている有底筒状の第2胴部と、をさらに備え、前記付勢部材は、その一端側が前記第1胴部の内部に収容されており、他端側が前記第2胴部の内部に収容されている、前記(4)または(5)に記載のハンドルアダプター。
(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載のハンドルアダプターと、肩部に位置している凹部およびスリットを有するステムインパクターと、を備え、前記ハンドルアダプターは、前記凹部に前記インナーロッドの前記先端部が嵌合されており前記スリットに前記爪部が嵌合されている状態で、前記ステムインパクターと組み合わされている、IBG手技用手術器具。
(8)IBG手技用ガイドピンをさらに備え、前記アウターロッドは、外形が略角柱状であり、前記ステムインパクターは、前記肩部からステムインパクターの中心軸に沿って延びており、ステムインパクターの中心軸との間の距離が、前記アウターロッドの長手方向に垂直な断面における内接円の半径と同一である、平面状の壁部と、前記凹部の底部から遠位端部の間を貫通しており前記IBG手技用ガイドピンを挿通可能な挿通孔と、をさらに有し、前記凹部は、前記IBG手技用ガイドピンの直径の5倍以上の深さを有する、前記(7)に記載のIBG手技用手術器具。
本発明によれば、ステムインパクターに対する取り付け性および取り外し性に優れ、回旋方向にガタツキが生じにくいという効果がある。
本発明の一実施形態に係るハンドルアダプターにおいてインナーロッドの先端部がアウターロッドの先端部から突出している状態を示す一部断面平面図である。 図1に示すハンドルアダプターにおいてインナーロッドの先端部がアウターロッドの内部に収容されている状態を示す一部断面平面図である。 本発明の一実施形態に係るIBG手技用手術器具を示す一部断面平面図である。 図3に示すIBG手技用手術器具が備えるステムインパクターを示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のx矢視平面図である。 (a)および(b)は、図3に示すIBG手技用手術器具においてハンドルアダプターをステムインパクターに取り付けるときの手順を示す概略説明図である。 本発明の他の実施形態に係るIBG手技用手術器具を示す一部断面平面図である。 図6のf−f線に沿って切断した拡大破断面図である。 (a)および(b)は、図6に示すIBG手技用手術器具においてハンドルアダプターをステムインパクターに取り付けるときの手順を示す概略説明図である。 (c)および(d)は、図6に示すIBG手技用手術器具においてハンドルアダプターをステムインパクターに取り付けるときの手順を示す概略説明図である。
<ハンドルアダプター>
以下、本発明の一実施形態に係るハンドルアダプターについて、図1および図2を参照して詳細に説明する。
図1に示す本実施形態のハンドルアダプター1は、IBG手技において後述する図3に示すステムインパクター10と組み合わされて使用される部材である。図1に示すように、ハンドルアダプター1は、インナーロッド2、アウターロッド3およびフック部4を備えている。以下、ハンドルアダプター1の各構成部材について、具体的に説明する。
(インナーロッド)
インナーロッド2は、筒状の部材である。本実施形態のインナーロッド2は、略円筒状である。インナーロッド2は、その先端部2aが、図3に示すステムインパクター10の肩部11に位置している凹部12に嵌合可能に構成されている。また、インナーロッド2は、その内部に後述する図6に示すIBG手技用ガイドピン20を挿通可能に構成されている。インナーロッド2の構成材料としては、例えば、純チタン、チタン合金などが挙げられる。
(アウターロッド)
アウターロッド3は、図1に示すように、インナーロッド2をスライド可能な状態で内部に挿通している筒状の部材である。アウターロッド3は、外形が略角柱状に、内形がインナーロッド2をスライド可能な形状にそれぞれ構成されている。本実施形態のアウターロッド3は、外形が略四角柱状であり、内形が略円筒状であるが、これらに限定されるものではない。
アウターロッド3は、その先端部3aの外周部31に爪部32を有している。爪部32は、図3に示すステムインパクター10の肩部11に位置しているスリット13に嵌合可能な部位である。本実施形態のアウターロッド3は、図1に示すように、爪部32を一対で有している。一対の爪部32、32は、アウターロッド3の中心軸Oを基準にして180°回転対称である。
上述したアウターロッド3の中心軸Oとは、アウターロッド3の先端部3aおよび後端部3bの間を貫く軸であり、アウターロッド3を回転させたときに回転軸となる軸を意味するものとする。なお、アウターロッド3の後端部3bは、図示しないスライドハンマーが取り付けられる部位として機能する。
アウターロッド3の構成材料としては、例えば、ステンレス鋼(SUS)などが挙げられる。SUSとしては、例えば、SUS630などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
(フック部)
フック部4は、術者の手指によってフックされる部材である。フック部4は、インナーロッド2の後端部2b側の外周部21に取り付けられている。本実施形態では、次のような状態で、フック部4がインナーロッド2の外周部21に取り付けられている。本実施形態のインナーロッド2は、後端部2b側の外周部21に位置している貫通孔22を有している。フック部4は、その基端部41を貫通孔22に挿通させることによって、インナーロッド2の外周部21に取り付けられている。なお、フック部4の取り付け形態としては、これに限定されるものではない。
ここで、上述したアウターロッド3は、貫通孔33をさらに有している。貫通孔33は、アウターロッド3の後端部3b側の外周部31において、アウターロッド3の長手方向aに沿って延びている。また、貫通孔33は、フック部4をスライド可能な状態で内部に挿通している。貫通孔33は、アウターロッド3の先端部3a側に一端部33aを有しており、アウターロッド3の後端部3b側に他端部33bを有している。そして、ハンドルアダプター1は、以下の(I)および(II)の構成を備えている。
(I)図1に示すように、貫通孔33の一端部33a側にフック部4をスライドさせたとき、インナーロッド2の先端部2aが、アウターロッド3の先端部3aから突出する。
(II)図2に示すように、貫通孔33の他端部33b側にフック部4をスライドさせたとき、インナーロッド2の先端部2aが、アウターロッド3の内部に収容される。
上述した構成によれば、(I)および(II)の構成を使い分けることによって、ステムインパクター10に対するハンドルアダプター1の取り付け、および取り外しを簡単に行うことが可能となる。また、インナーロッド2、アウターロッド3およびフック部4が一体的に構成されることから、アウターロッド3の中心軸Oを基準とする回旋方向bにガタツキが生じにくくなる。なお、ステムインパクター10に対するハンドルアダプター1の取り付け、および取り外しについては、後述するIBG手技用手術器具100、100’において、詳細に説明する。
一方、図1に示すように、本実施形態のハンドルアダプター1は、フック部4を一対で備えている。また、本実施形態のアウターロッド3は、貫通孔33を一対で有している。これらの構成によれば、術者の手指によってフック部4をフックするときの安定性を向上させることができる。
ハンドルアダプター1は、付勢部材5をさらに備えている。付勢部材5は、フック部4をアウターロッド3の先端部3a側に向けて矢印c方向に付勢している。これらの構成によれば、フック部4に外力が加えられていないときには、フック部4が矢印c方向に付勢されていることによって、インナーロッド2の先端部2aがアウターロッド3の先端部3aから突出している状態を維持することができる。本実施形態の付勢部材5は、スプリングであるが、これに限定されるものではない。
ハンドルアダプター1は、第1胴部6および第2胴部7をさらに備えている。第1胴部6および第2胴部7はいずれも、有底筒状の部材である。第1胴部6は、その開口部61をアウターロッド3の先端部3a側に向けている状態で、アウターロッド3の貫通孔33よりも後端部3b側の外周部31に取り付けられている。第2胴部7は、その開口部71を第1胴部6側に向けており、第1胴部6に対してスライド可能な状態で、且つ、フック部4の一部を外周部72から突出させている状態で、フック部4に取り付けられている。そして、上述した付勢部材5は、その一端5a側が第1胴部6の内部に収容されており、他端5b側が第2胴部7の内部に収容されている。これらの構成によれば、フック部4の操作性を確保しつつ、ハンドルアダプター1のグリップ性を向上させることができる。
本実施形態では、第1胴部6がアウターロッド3の外周部31に溶接部8を介して取り付けられている。同様に、第2胴部7がフック部4に溶接部8を介して取り付けられている。これらの構成によれば、第1胴部6をアウターロッド3の外周部31に強固に取り付けることができ、第2胴部7をフック部4に強固に取り付けることができる。なお、第1胴部6および第2胴部7の取り付け形態としては、例示した形態に限定されるものではない。
本実施形態では、第1胴部6の開口部61の内径が、第2胴部7の開口部71の内径よりも大きい。そして、第2胴部7の開口部71側が、第1胴部6の開口部61を介して第1胴部6の内部に収容されている。なお、第1胴部6の開口部61の内径を、第2胴部7の開口部71の内径よりも小さくすることもできる。
<IBG手技用手術器具>
次に、本発明の一実施形態に係るIBG手技用手術器具(以下、「手術器具」と言うことがある。)について、図3〜図5を参照して詳細に説明する。
図3に示すように、本実施形態の手術器具100は、ハンドルアダプター1と、ステムインパクター10とを備えている。ステムインパクター10は、使用予定の人工股関節用ステムに対応する部材であり、髄腔形成器具として機能する部材である。ステムインパクター10は、図4に示すように、肩部11に位置している凹部12およびスリット13を有している。なお、ステムインパクター10は、壁部14および挿通孔15をさらに有しているが、これらの点については後述する他の実施形態に係る手術器具100’において、詳細に説明する。
図3に示すように、ハンドルアダプター1は、凹部12にインナーロッド2の先端部2aが嵌合されており、スリット13に爪部32が嵌合されている状態で、ステムインパクター10と組み合わされている。このような構成によれば、次のような効果が得られる。髄腔形成は、アウターロッド3の後端部3bに図示しないスライドハンマーを取り付け、ステムインパクター10の前後捻れを調整しつつステム設置位置までステムインパクター10を挿入することによって行う。スライドハンマーとステムインパクター10との間に位置するハンドルアダプター1は、上述のとおり、回旋方向bにガタツキが生じにくいことから、髄腔形成を行うときの精度を向上させることができる。また、ステムインパクター10を髄腔から抜去するときには、安定した状態で抜去することができる。
ハンドルアダプター1のステムインパクター10に対する取り付け、および取り外しは、次のようにして簡単に行うことができる。ハンドルアダプター1をステムインパクター10に取り付けるときには、まず、図2に示すように、貫通孔33の他端部33b側にフック部4をスライドさせ、インナーロッド2の先端部2aをアウターロッド3の内部に収容した状態にする。
次に、この状態で、図5(a)に示すように、スリット13に爪部32を嵌合させる。このとき、本実施形態の爪部32は一対であることから、一対の爪部32のうちスリット13に対して近い方の爪部32をスリット13に嵌合させればよく、それゆえスリット13に対して優れた嵌合性を発揮することができる。
次に、図1に示すように、貫通孔33の一端部33a側にフック部4をスライドさせ、インナーロッド2の先端部2aをアウターロッド3の先端部3aから突出させる。本実施形態では、フック部4が付勢部材5によって矢印c方向に付勢されている。したがって、貫通孔33の他端部33b側にスライドさせたフック部4を離せば、自動的に貫通孔33の一端部33a側にフック部4がスライドし、インナーロッド2の先端部2aがアウターロッド3の先端部3aから突出する。その結果、図5(b)に示すように、インナーロッド2の先端部2aが凹部12に嵌合されてハンドルアダプター1のステムインパクター10に対する取り付けが完了する。
ハンドルアダプター1をステムインパクター10から取り外すときには、まず、図2に示すように、貫通孔33の他端部33b側にフック部4をスライドさせ、インナーロッド2の先端部2aをアウターロッド3の内部に収容する。これにより、凹部12とインナーロッド2の先端部2aとの嵌合状態が解除される。そして、インナーロッド2の先端部2aをアウターロッド3の内部に収容した状態を維持しつつ、スリット13から爪部32を抜き出せば、ステムインパクター10からハンドルアダプター1を取り外すことができる。
次に、本発明の他の実施形態に係る手術器具について、図6〜図9を参照して詳細に説明する。なお、図6〜図9においては、上述した図1〜図5と同一の構成部分には同一の符号を付して説明は省略する場合がある。
図6に示すように、本実施形態の手術器具100’は、IBG手技用ガイドピン(以下、「ガイドピン」と言うことがある。)20をさらに備えている。ガイドピン20は、IBG手技において菲薄化した大腿骨の髄腔に骨片を充填する際のガイドとして使用される円柱状の部材である。ガイドピン20の構成材料としては、例えば、SUSなどが挙げられる。SUSとしては、例えば、SUS316、SUS630、SUS420J2などが挙げられる。SUS630、SUS420J2を採用する場合には、熱処理を施してもよい。
一方、ハンドルアダプター1におけるアウターロッド3は、上述のとおり、外形が略四角柱状である。
ステムインパクター10は、上述のとおり、壁部14および挿通孔15をさらに有している。壁部14は、図4に示すように、肩部11からステムインパクター10の中心軸Sに沿って延びている平面状の部位であり、いわゆる立ち壁である。ステムインパクター10の中心軸Sは、図4(b)に示すように、ステムインパクター10の遠位端部10a側における厚み方向dの中点を、ステムインパクター10の長手方向eに沿って連続して得られる構成である。本実施形態の中心軸Sは、図4(a)に示すように、ステムインパクター10の遠位端部10a側に位置しており互いに対向している内側面16および外側面17同士のなす角αの2等分線でもある。
図7に示すように、壁部14は、ステムインパクター10の中心軸Sとの間の距離Lが、アウターロッド3の長手方向a(図1参照)に垂直な断面における内接円34の半径Rと同一である。内接円34とは、上述した断面に含まれる最大円のことを意味するものとする。距離Lが半径Rと同一であるとは、距離Lが半径Rと実質的に同一であればよく、両者の値に若干の差があってもよいことを意味するものとする。なお、アウターロッド3は、上述のとおり、外形が略四角柱状であることから、4つの平面部35、および4つの角部36をそれぞれ有している。4つの角部36はいずれも、内接円34よりも外方に位置している。
挿通孔15は、図4に示すように、凹部12の底部121から遠位端部10aの間を貫通している。また、挿通孔15は、図6に示すように、ガイドピン20を挿通可能に構成されている。そして、凹部12は、ガイドピン20の直径Wの5倍以上の深さDを有している。これらの構成によれば、ハンドルアダプター1のステムインパクター10に対する取り付けを、ガイドピン20を介して以下のように簡単に行うことができる。
まず、図8(a)に示すように、ガイドピン20をステムインパクター10の挿通孔15に挿通させる。次に、ハンドルアダプター1におけるインナーロッド2の内部にガイドピン20を挿通させつつ、ハンドルアダプター1を凹部12に近づける。このとき、ハンドルアダプター1をガイドピン20に沿って動かすことができるので、凹部12を目視することが困難な場合であっても、ハンドルアダプター1を凹部12にスムーズに近づけることができる。また、ハンドルアダプター1を凹部12に近づけるときには、インナーロッド2の先端部2aをアウターロッド3の先端部3aから突出させた状態にし、且つ、スリット13に対して爪部32を離した状態にする。これにより、ハンドルアダプター1を凹部12に近づけると、図8(a)に示すように、インナーロッド2の先端部2aを凹部12に嵌合させることができる。
インナーロッド2の先端部2aを凹部12に嵌合させると、インナーロッド2とステムインパクター10が、互いに同軸上に拘束される。インナーロッド2とステムインパクター10が互いに同軸上に拘束されているとき、アウターロッド3は、図7に示すように、その平面部35がステムインパクター10の壁部14の近傍に位置する。アウターロッド3(ハンドルアダプター1)をステムインパクター10と同軸上で回旋させようとすると、内接円34よりも外方に位置している角部36がステムインパクター10の壁部14に干渉するため回旋させることができない。
ハンドルアダプター1を回旋させるには、アウターロッド3の角部36がステムインパクター10の壁部14に干渉しないように、アウターロッド3をステムインパクター10に対して偏心させればよい。アウターロッド3をステムインパクター10に対して偏心させるには、図8(b)に示すように、インナーロッド2の先端部2aをアウターロッド3の内部に収容して、インナーロッド2とステムインパクター10の同軸上の拘束を解除すればよい。また、アウターロッド3をステムインパクター10に対して偏心させると、ガイドピン20が凹部12内で曲げられた状態になる。本実施形態では、凹部12が、上述のとおり、ガイドピン20の直径Wの5倍以上の深さDを有している。このような構成によれば、ガイドピン20が凹部12内で自由に撓むことができ、ガイドピン20が凹部12内で曲げられるときの抵抗を小さくすることができる。それゆえ、比較的小さい力でアウターロッド3をステムインパクター10に対して偏心させることができる。
上述のようにしてアウターロッド3をステムインパクター10に対して偏心させつつハンドルアダプター1を回旋させて、図9(c)に示すように、スリット13に爪部32を嵌合させる。最後に、図9(d)に示すように、インナーロッド2の先端部2aをアウターロッド3の先端部3aから突出させる。その結果、インナーロッド2の先端部2aが凹部12に嵌合されてハンドルアダプター1がステムインパクター10に取り付けられる。
ハンドルアダプター1をステムインパクター10から取り外すときには、まず、インナーロッド2の先端部2aをアウターロッド3の内部に収容する。次に、ハンドルアダプター1を90°回旋させてスリット13から爪部32を抜き出せば、ステムインパクター10からハンドルアダプター1を取り外すことができる。
ガイドピン20の直径Wは、2〜5mm、凹部12の深さDは、10〜50mmにすることができるが、これらに限定されるものではない。
1 ハンドルアダプター
2 インナーロッド
2a 先端部
2b 後端部
21 外周部
22 貫通孔
3 アウターロッド
3a 先端部
3b 後端部
31 外周部
32 爪部
33 貫通孔
33a 一端部
33b 他端部
34 内接円
35 平面部
36 角部
4 フック部
41 基端部
5 付勢部材
5a 一端
5b 他端
6 第1胴部
61 開口部
7 第2胴部
71 開口部
72 外周部
8 溶接部
10 ステムインパクター
10a 遠位端部
11 肩部
12 凹部
121 底部
13 スリット
14 壁部
15 挿通孔
16 内側面
17 外側面
20 IBG手技用ガイドピン
100 IBG手技用手術器具
100’ IBG手技用手術器具

Claims (8)

  1. 先端部がステムインパクターの肩部に位置している凹部に嵌合可能な筒状のインナーロッドと、
    前記ステムインパクターの肩部に位置しているスリットに嵌合可能な爪部を先端部の外周部に有しており前記インナーロッドをスライド可能な状態で内部に挿通している筒状のアウターロッドと、
    前記インナーロッドの後端部側の外周部に取り付けられているフック部と、を備え、
    前記アウターロッドは、その後端部側の外周部において長手方向に沿って延びており前記フック部をスライド可能な状態で内部に挿通している貫通孔をさらに有し、
    前記貫通孔は、前記アウターロッドの先端部側に一端部および前記アウターロッドの後端部側に他端部をそれぞれ有し、
    前記貫通孔の一端部側に前記フック部をスライドさせたとき、前記インナーロッドの先端部が前記アウターロッドの先端部から突出し、
    前記貫通孔の他端部側に前記フック部をスライドさせたとき、前記インナーロッドの先端部が前記アウターロッドの内部に収容される、ハンドルアダプター。
  2. 前記アウターロッドは、前記爪部を一対で有し、
    前記一対の爪部は、前記アウターロッドの中心軸を基準にして180°回転対称である、請求項1に記載のハンドルアダプター。
  3. 前記フック部を一対で備え、
    前記アウターロッドは、前記貫通孔を一対で有する、請求項1または2に記載のハンドルアダプター。
  4. 前記フック部を前記アウターロッドの先端部側に向けて付勢している付勢部材をさらに備える、請求項1〜3のいずれかに記載のハンドルアダプター。
  5. 前記付勢部材は、スプリングである、請求項4に記載のハンドルアダプター。
  6. 開口部を前記アウターロッドの先端部側に向けている状態で、前記アウターロッドの前記貫通孔よりも後端部側の外周部に取り付けられている有底筒状の第1胴部と、
    開口部を前記第1胴部側に向けており前記第1胴部に対してスライド可能な状態で、且つ、前記フック部の一部を外周部から突出させている状態で、前記フック部に取り付けられている有底筒状の第2胴部と、をさらに備え、
    前記付勢部材は、その一端側が前記第1胴部の内部に収容されており、他端側が前記第2胴部の内部に収容されている、請求項4または5に記載のハンドルアダプター。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のハンドルアダプターと、
    肩部に位置している凹部およびスリットを有するステムインパクターと、を備え、
    前記ハンドルアダプターは、前記凹部に前記インナーロッドの前記先端部が嵌合されており前記スリットに前記爪部が嵌合されている状態で、前記ステムインパクターと組み合わされている、IBG手技用手術器具。
  8. IBG手技用ガイドピンをさらに備え、
    前記アウターロッドは、外形が略角柱状であり、
    前記ステムインパクターは、
    前記肩部からステムインパクターの中心軸に沿って延びており、ステムインパクターの中心軸との間の距離が、前記アウターロッドの長手方向に垂直な断面における内接円の半径と同一である、平面状の壁部と、
    前記凹部の底部から遠位端部の間を貫通しており前記IBG手技用ガイドピンを挿通可能な挿通孔と、をさらに有し、
    前記凹部は、前記IBG手技用ガイドピンの直径の5倍以上の深さを有する、請求項7に記載のIBG手技用手術器具。
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