JP2017175853A - 電動車両の制御方法、及び、電動車両の制御装置 - Google Patents

電動車両の制御方法、及び、電動車両の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】複数のコントローラを用いて停止制御を実行する場合でも、各コントローラ間の通信遅れの影響による外乱抑止効果の低減を抑止することができる技術を提供することを目的とする。【解決手段】ドライバによるアクセル操作量に応じてトルク指令値を算出する車両制御コントローラと、当該トルク指令値に基づいてモータを制御するモータコントローラとを備えた電動車両の制御方法であって、電動車両が停車間際になると、モータ回転速度または速度パラメータの低下とともにトルク指令値を外乱トルクに収束させる停止制御が実行されているか否かを判定する停止制御判定ステップと、を含み、停止制御判定ステップにおいて停止制御が実行されていると判定された場合は、モータコントローラにおいて、停止制御が実行されていないと判定された場合よりもフィードバック制御系が有するフィードバックゲインを大きくする。【選択図】図1

Description

本発明は、電動車両の制御方法、及び、電動車両の制御装置に関する。
従来、モータ回転速度検出手段とトルク指令値算出手段とを有し、モータ回転速度の検出値の低下とともにトルク指令値を調整し、モータトルクを概ね勾配抵抗となる外乱トルク推定値に収束させる停止制御を実行する電動車両の制御装置が知られている(特許文献1参照)。当該電動車両の制御装置は、停止制御と、駆動力伝達系のねじり振動を抑制する制振制御とを併用して実行することで、平坦路、登坂路、降坂路によらず、加速度振動の無い滑らかな減速を停車間際で実現し、なおかつ停車状態を保持することができる。
特開2015−133799号公報
ところで、上述した停止制御では、モータ回転速度検出値のフィードバック制御系を構成することにより、外乱の影響によりモータ回転速度検出値に振動が発生した場合でも、当該振動を抑制するようにトルク指令値を算出することで、駆動力伝達系に生じる外乱の影響を抑止している。
しかしながら、モータ回転速度検出とトルク指令値算出とがそれぞれ異なるコントローラによって実行される場合、各コントローラ間の通信遅れの影響によって、上記フィードバック制御系を介してトルク指令値算出手段が取得する振動の位相にずれが生じてしまう。このため、モータ回転速度フィードバック制御系を用いてトルク指令値を算出することによる外乱抑止効果が低減されてしまい、例えば、登坂路における停止制御中にギヤバックラッシュを跨ぐ場面で加速度ショックが発生する恐れがある。
本発明は、複数のコントローラを用いて停止制御を実行する場合でも、各コントローラ間の通信遅れの影響による外乱抑止効果の低減を抑止することができる技術を提供することを目的とする。
本発明による電動車両の制御方法は、ドライバによるアクセル操作量に応じてトルク指令値を算出する車両制御コントローラと、当該トルク指令値に基づいてモータを制御するモータコントローラとを備えた電動車両の制御方法であって、モータ回転速度または当該モータ回転速度に比例する速度パラメータを検出する速度パラメータ検出ステップと、モータに作用する外乱トルクを推定する外乱トルク推定ステップと、車両制御コントローラが算出したトルク指令値をモータコントローラの入力とし、当該トルク指令値に対してモータ回転速度または速度パラメータをフィードバックするフィードバック制御系を用いて電動車両の駆動力伝達系に生じるねじり振動を抑制する制振制御を施した最終トルク指令値を算出する制振制御ステップと、最終トルク指令値に従って、モータを制御するモータ制御ステップと、電動車両が停車間際になると、モータ回転速度または速度パラメータの低下とともにトルク指令値を外乱トルクに収束させる停止制御が実行されているか否かを判定する停止制御判定ステップと、を含む。そして、停止制御判定ステップにおいて停止制御が実行されていると判定された場合は、モータコントローラにおいて、停止制御が実行されていないと判定された場合よりもフィードバック制御系が有するフィードバックゲインを大きくする。
本発明によれば、車両が停止制御中の場合にのみ、停止制御において併用される制振制御のフィードバックゲインを大きくすることにより、制振制御に係るモータ回転速度フィードバックの応答を速めることができるので、停止制御中における外乱抑止効果を向上させることができる。
図1は、第1実施形態に係る電動車両の制御装置を備えた電気自動車の主要構成を示すブロック図である。 図2は、第1実施形態に係る電動車両の制御装置によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。 図3は、アクセル開度−トルクテーブルの一例を示す図である。 図4は、車両の駆動力伝達系を説明するための図である。 図5は、停止制御処理を説明するためのブロック図である。 図6は、図5で示したモータ回転速度F/Bトルク設定器の詳細を説明するための図である。 図7は、図5で示した外乱トルク推定値器の詳細を説明するための図である。 図8は、制振制御処理を説明するためのブロック図である。 図9は、バンドパスフィルタH2(s)の周波数特性を説明するための図である。 図10は、第1実施形態の電動車両の制御装置による制御結果を説明するための図である。 図11は、第2実施形態に係る電動車両の制御装置において用いられる、制振制御フィードバックゲイン−モータ回転速度テーブルの一例である。 図12は、第2実施形態に係る電動車両の制御装置において用いられる、外乱トルク推定値−モータ回転速度閾値テーブルの一例である。
図1は、一実施形態における電動車両の制御装置を備えた電動車両の主要構成を示すブロック図である。電動車両とは、車両の駆動源の一部または全部として電動モータを備え、電動モータの駆動力により走行可能な自動車のことであり、電気自動車や、ハイブリッド自動車が含まれる。
モータコントローラ2は、電動モータ4(以下、単にモータ4と称する)を制御するコントローラである。モータコントローラ2には、車速V、モータ4の回転子位相α、駆動輪9a、9bの駆動輪角速度、モータ4の電流iu、iv、iw等の車両状態を示す信号、および、後述する車両制御コントローラ10によって算出されるトルク指令値がデジタル信号として入力される。モータコントローラ2は、入力された信号に基づいてモータ4を制御するためのPWM信号を生成する。また、生成したPWM信号に応じてインバータ3の駆動信号を生成する。
車両制御コントローラ10は、車両の駆動力を制御するコントローラである。車両制御コントローラ10には、アクセル開度θ、および、モータコントローラ2によって検出されるモータ回転速度ωmがCAN等の通信手段を介して入力される。車両制御コントローラ10は、入力された信号に基づいてモータ4に所望のトルクを発生させるためのトルク指令値を算出する。算出したトルク指令値は、CAN等の通信手段を介してモータコントローラ2へ出力される。
インバータ3は、相ごとに備えられた2個のスイッチング素子(例えば、IGBTやMOS−FET等のパワー半導体素子)をオン/オフすることにより、バッテリ1から供給される直流の電流を交流に変換し、モータ4に所望の電流を流す。
モータ(三相交流モータ)4は、インバータ3から供給される交流電流により駆動力を発生し、減速機5および駆動軸8を介して、左右の駆動輪9a、9bに駆動力を伝達する。また、モータ4は、車両の走行時に駆動輪9a、9bに連れ回されて回転するときに、回生駆動力を発生させることで、車両の運動エネルギーを電気エネルギーとして回収する。この場合、インバータ3は、モータ4の回生運転時に発生する交流電流を直流電流に変換して、バッテリ1に供給する。
電流センサ7は、モータ4に流れる3相交流電流iu、iv、iwを検出する。ただし、3相交流電流iu、iv、iwの和は0であるため、任意の2相の電流を検出して、残りの1相の電流は演算により求めてもよい。
回転センサ6は、例えば、レゾルバやエンコーダであり、モータ4の回転子位相αを検出する。
図2は、モータコントローラ2、または、車両制御コントローラ10によって行われる処理の流れを示すフローチャートである。ステップS201からステップS206に係る処理は、車両システムが起動している間、一定間隔で常時実行される。
ステップS201では、車両状態を示す信号がモータコントローラ2、または、車両制御コントローラ10に入力される。ここでは、アクセル開度θ(%)が車両制御コントローラ10に入力され、モータ4の回転子位相α(rad)、駆動輪9a、9bの駆動輪回転角度(rad)、モータ4の回転速度Nm(rpm)、モータ4に流れる三相交流電流iu、iv、iw、および、バッテリ1の直流電圧値Vdc(V)がモータコントローラ2に入力される。
車速V(km/h)は、図示しない車速センサや、他のコントローラより通信にて取得される。または、モータコントローラ2は、回転子機械角速度ωmにタイヤ動半径rを乗算し、ファイナルギヤのギヤ比で除算することにより車速v(m/s)を求め、3600/1000を乗算することで単位変換して、車速V(km/h)を求める。
アクセル開度θ(%)は、図示しないアクセル開度センサから取得されるか、他のコントローラから通信にて取得される。
モータ4の回転子位相α(rad)は、回転センサ6から取得される。モータ4の回転速度Nm(rpm)は、回転子角速度ω(電気角)をモータの極対数pで除算して、モータ4の機械的な角速度であるモータ回転速度ωm(rad/s)を求め、求めたモータ回転速度ωmに60/(2π)を乗算することによって求められる。回転子角速度ωは、回転子位相αを微分することによって求められる。
モータ4に流れる電流iu、iv、iw(A)は、電流センサ7から取得される。
直流電圧値Vdc(V)は、バッテリ1とインバータ3間の直流電源ラインに設けられた電圧センサ(不図示)により検出する。なお、直流電圧値Vdc(V)は、バッテリコントローラ(不図示)から送信される信号により検出するようにしてもよい。
ステップS202では、車両制御コントローラ10が、基本目標トルクとしての第1のトルク目標値Tm1*を算出する。具体的には、車両制御コントローラ10は、ステップS201で入力されたアクセル開度θとモータ回転速度ωmとに基づいて、図3に示すアクセル開度−トルクテーブルを参照することにより、第1のトルク目標値Tm1*を算出する。ただし、アクセル開度−トルクテーブルは一例であり、図3に示すものに限定されるものではない。
ステップS203では、モータコントローラ2、および、車両制御コントローラ10が停止制御処理を行う。具体的には、モータコントローラ2がモータ回転速度を検出し、検出したモータ回転速度を車両制御コントローラ10に送信する。車両制御コントローラ10は、車両が停車間際か否かを判定し、停車間際でない場合は、ステップS202で算出した第1のトルク目標値Tm1*を第3のトルク目標値Tm3*に設定し、停車間際の場合は、第2のトルク目標値Tm2*を第3のトルク目標値Tm3*に設定する。この第2のトルク目標値Tm2*は、モータコントローラ2から取得されるモータ回転速度の低下とともに外乱トルク指令値Tdに収束するものであって、登坂路では正トルク、降坂路では負トルク、平坦路では概ねゼロである。算出された第3のトルク目標値Tm3*は、CAN等の通信手段を介してモータコントローラ2へ送信され、モータ4に所望のトルクを発生させるトルク指令値として設定される。これにより、路面の勾配に関わらず、停車状態を維持することができる。停止制御処理の詳細は、後述する。
ステップS204では、モータコントローラ2が制振制御処理を行う。具体的には、ステップS203で設定された第3のトルク目標値Tm3*と、モータ回転速度ωmとに基づいて、駆動軸トルクの応答を犠牲にすることなく、駆動力伝達系振動(駆動軸8のねじり振動など)を抑制する最終トルク指令値としての第6のトルク目標値Tm6*を設定する。第6のトルク目標値Tm6*を設定する制振制御演算処理の詳細については、後述する。
ステップS205では、モータコントローラ2が、ステップS204で算出した第6のトルク目標値Tm6*、モータ回転速度ωm、および、直流電圧値Vdcに基づいて、d軸電流目標値id*、q軸電流目標値iq*を求める。例えば、モータトルク指令値、モータ回転速度、および直流電圧値と、d軸電流目標値およびq軸電流目標値との関係を定めたテーブルを予め用意しておいて、このテーブルを参照することにより、d軸電流目標値id*、q軸電流目標値iq*を求める。
ステップS206では、モータコントローラ2が、d軸電流idおよびq軸電流iqをそれぞれ、ステップS205で求めたd軸電流目標値id*およびq軸電流目標値iq*と一致させるための電流制御を行う。このため、まず初めに、ステップS201で入力された三相交流電流値iu、iv、iwと、モータ4の回転子位相αとに基づいて、d軸電流idおよびq軸電流iqを求める。続いて、d軸、q軸電流指令値id*、iq*と、d軸、q軸電流id、iqとの偏差から、d軸、q軸電圧指令値vd、vqを算出する。なお、算出したd軸、q軸電圧指令値vd、vqに対して、d−q直交座標軸間の干渉電圧を相殺するために必要な非干渉電圧を加算するようにしてもよい。
次に、d軸、q軸電圧指令値vd、vqと、モータ4の回転子位相αから、三相交流電圧指令値vu、vv、vwを求める。そして、求めた三相交流電圧指令値vu、vv、vwと直流電圧値Vdcから、PWM信号tu(%)、tv(%)、tw(%)を求める。このようにして求めたPWM信号tu、tv、twにより、インバータ3のスイッチング素子を開閉することによって、モータ4をトルク指令値で指示された所望のトルクで駆動させることができる。
以下、一実施形態の電動車両の制御装置において、ステップS203で実行される停止制御処理の詳細について説明する。
<停止制御>
まず、本実施形態における電動車両の制御装置の、モータトルクTmからモータ回転速度ωmまでの伝達特性Gp(s)について説明する。なお、この伝達特性Gp(s)は、外乱トルクの推定も含めた停止制御処理において、車両の駆動力伝達系をモデル化した車両モデルとして用いられる。
図4は、車両の駆動力伝達系をモデル化した図であり、同図における各パラメータは、以下に示すとおりである。
m:モータのイナーシャ
w:駆動輪のイナーシャ
M:車両の重量
d:駆動系のねじり剛性
t:タイヤと路面の摩擦に関する係数
N:オーバーオールギヤ比
r:タイヤの荷重半径
ωm:モータ回転速度
m *:モータトルク指令値
d:駆動輪のトルク
F:車両に加えられる力
V:車両の速度
ωw:駆動輪の角速度
そして、図4より、以下の運動方程式を導くことができる。
式(1)〜(5)で示す運動方程式に基づいて、モータトルクTmからモータ回転速度ωmまでの伝達特性Gp(s)を求めると、次式(6)で表される。
ただし、式(6)中のa3、a2、a1、a0、b3、b2、b1、b0は、次式(7)で表される。
式(6)に示す伝達関数の極と零点を調べると、次式(8)で示す伝達関数に近似することができ、1つの極と1つの零点は極めて近い値を示す。これは、次式(8)のαとβが極めて近い値を示すことに相当する。
従って、式(8)における極零相殺(α=βと近似する)を行うことにより、次式(9)に示すように、Gp(s)は、(2次)/(3次)の伝達特性を構成する。
また、本実施形態に係る停止制御は、続くステップS204の制振制御(フィードフォワード補償器)を併用するので、車両モデルGp(s)は、Gp(s)と制振制御のアルゴリズムにより、次式(10)で示すとおり、制振制御を適用した場合の車両応答Gr(s)と見なすことができる。
続いて、図5〜7を参照して、停止制御処理の詳細について説明する。
図5は、停止制御処理を実現するためのブロック図である。停止制御処理は、車両制御コントローラ10が備えるモータ回転速度F/Bトルク設定器501と、外乱トルク推定器502と、加算器503と、トルク比較器504とを用いて、モータコントローラ2から送信されるモータ回転速度ωmに基づいて行われる。以下、それぞれの構成について詳細を説明する。
モータ回転速度F/Bトルク設定器501は、モータコントローラ2から送信されるモータ回転速度ωmに基づいて、モータ回転速度フィードバックトルク(以下、モータ回転速度F/Bトルクと呼ぶ)Tωを算出する。詳細は図6を用いて説明する。
図6は、モータ回転速度ωmに基づいて、モータ回転速度F/BトルクTωを算出する方法を説明するための図である。モータ回転速度F/Bトルク設定器501は、乗算器601を備え、モータ回転速度ωmにゲインKvrefを乗算することにより、モータ回転速度F/BトルクTωを算出する。ただし、Kvrefは、電動車両の停止間際に電動車両を停止させるのに必要な負(マイナス)の値であり、例えば、実験データ等により適宜設定される。モータ回転速度F/BトルクTωは、モータ回転速度ωmが大きいほど、大きい制動力が得られるトルクとして設定される。
なお、モータ回転速度F/Bトルク設定器501は、モータ回転速度ωmにゲインKvrefを乗算することによりモータ回転速度F/BトルクTωを算出するものとして説明したが、モータ回転速度ωmに対する回生トルクを定めた回生トルクテーブルや、モータ回転速度ωmの減衰率を予め記憶した減衰率テーブル等を用いて、モータ回転速度F/BトルクTωを算出してもよい。
図5に示す外乱トルク推定器502は、モータコントローラ2から送信されるモータ回転速度ωmと、第3のトルク目標値Tm3*とに基づいて、外乱トルク推定値Tdを算出する。外乱トルク推定器502の詳細は図7を用いて説明する。
図7は、モータ回転速度ωmと、第3のトルク目標値Tm3*とに基づいて、外乱トルク推定値Tdを算出する方法を説明するためのブロック図である。外乱トルク推定器502は、制御ブロック701と、制御ブロック702と、減算器703とを備える。
制御ブロック701は、H1(s)/Gr(s)なる伝達特性を有するフィルタとしての機能を担っており、モータ回転速度ωmに対してフィルタリング処理を施すことにより、第1のモータトルク推定値を算出する。H1(s)は、分母次数と分子次数との差分が、車両応答Gr(s)(式(10)参照)の分母次数と分子次数との差分以上となる伝達特性を有するローパスフィルタである。
制御ブロック702は、H1(s)なる伝達特性を有するローパスフィルタとしての機能を担っており、第3のトルク目標値Tm3*に対してフィルタリング処理を行うことにより、第2のモータトルク推定値を算出する。
そして、減算器703によって、第1のモータトルク推定値と第2のモータトルク推定値との偏差が演算されることにより、車両に作用する外乱を表すパラメータである外乱トルク推定値Tdが算出される。
なお、上記の通り算出される外乱トルク推定値Tdは、図7に示す通り、外乱オブザーバにより推定されるものであるが、車両前後Gセンサ等の計測器を用いて推定されても良い。
ここで、車両に作用する外乱としては、空気抵抗、乗員数や積載量に起因する車両質量の変動によるモデル化誤差、タイヤの転がり抵抗、路面の勾配抵抗等が考えられるが、停車間際やイニシャルスタート時に支配的となる外乱要因は勾配抵抗である。外乱要因は運転条件により異なるが、外乱トルク推定器502は、モータトルク指令値Tm*と、モータ回転速度ωmと、制振制御を適用した場合の伝達特性Gr(s)とに基づいて、外乱トルク推定値Tdを算出するので、上述した外乱要因を一括して推定することができる。これにより、いかなる運転条件においても、減速からの滑らかな停車を実現することができる。
図5に示す加算器503は、モータ回転速度F/Bトルク設定器501によって算出されたモータ回転速度F/BトルクTωと、外乱トルク推定器502によって算出された外乱トルク推定値Tdとを加算することによって、第2のトルク目標値Tm2*を算出する。モータ回転速度ωmが低下して0に近づくと、モータ回転速度F/BトルクTωも0に近づくため、第2のトルク目標値Tm2*は、モータ回転速度ωmの低下に応じて、外乱トルク推定値Tdに収束していく。
トルク比較器504は、第1のトルク目標値Tm1*と第2のトルク目標値Tm2*の大きさを比較し、値が大きい方のトルク目標値を第3のトルク目標値Tm3*に設定する。車両の走行中、第2のトルク目標値Tm2*は第1のトルク目標値Tm1*よりも小さく、車両が減速して停車間際(車速が所定車速以下)になると、第1のトルク目標値Tm1*よりも大きくなる。従って、トルク比較器504は、第1のトルク目標値Tm1*が第2のトルク目標値Tm2*より大きければ、停車間際以前と判断して、第1のトルク目標値Tm1*を第3のトルク目標値Tm3*として設定する。また、トルク比較器504は、第2のトルク目標値Tm2*が第1のトルク目標値Tm1*より大きくなると、車両が停車間際と判断して、第1のトルク目標値Tm1*ではなく第2のトルク目標値Tm2*を第3のトルク目標値Tm3*として設定する。なお、停車状態を維持するため、第2のトルク目標値Tm2*は、登坂路では正トルク、降坂路では負トルク、平坦路では概ねゼロに収束する。
以上が停止制御処理の詳細である。このような処理を行うことにより、車両が走行している路面の勾配に関わらず、モータトルクのみで滑らかに停車し、停車状態を保持することができる。
<制振制御>
次に、上述の図2に係るステップS204で実行される制振制御処理の詳細について、図8を用いて説明する。以下に説明する制振制御処理は、モータコントローラ2で実行される。
図8は、本実施形態において用いる制振制御処理の詳細を説明するブロック図である。制振制御処理は、フィードフォワード補償器とフィードバック補償器とで構成される。フィードフォワード補償器801(以下、F/F補償器801という)は、上記式(10)で示した車両応答Gr(s)と、車両へのトルク入力とモータの回転速度の伝達特性のモデルGp(s)の逆系から構成されるGr(s)/Gp(s)なる伝達特性を有するフィルタとしての機能を担っている。F/F補償器801は、第3のトルク目標値Tm3*に対してフィルタリング処理を行うことにより、第4のトルク目標値Tm4*を算出する。
制御ブロック802、803、および、ゲイン補償器804は、フィードバック補償器(以下、フィードバックのことをF/Bという)にて用いられるフィルタである。制御ブロック802は式(9)で表されるGp(s)なる伝達特性を有するフィルタであり、上述した第4のトルク目標値Tm4*と、後述するゲイン補償器804からの出力である第5のトルク目標値Tm5*とを加算した値に対してフィルタリング処理を施すことにより、モータ回転速度推定値を算出する。そして、減算器806において、制御ブロック802の出力であるモータ回転速度推定値から、検出したモータ回転速度ωmが減算される。減算器806からの出力値は制御ブロック803に入力される。
制御ブロック803は、伝達特性H2(s)と、車両へのトルク入力とモータの回転速度の伝達特性のモデルGp(s)の逆系とから構成されるH(s)/Gp(s)なる伝達特性を有するフィルタであり、減算器806からの出力に対してフィルタリング処理を行う。当該フィルタリング処理が行われることで、モータ回転速度推定値とモータ回転速度ωmとの偏差がトルク(F/B補償トルク)に換算される。当該トルク値は、車両に作用する外乱に相当する。F/B補償トルクは、ゲイン補償器804に出力される。
伝達特性H2(s)について説明する。H2(s)は、バンドパスフィルタとして構成された場合に、駆動力伝達系に生じる振動のみを低減するフィードバック要素となる。バンドパスフィルタを構成する伝達特性H2(s)の周波数特性は、図9で示すように設定されることで最も大きな制振効果を得ることができる。すなわち、伝達特性H2(s)は、周波数fLC以下のローパス側、および、周波数fHc以上のハイパス側の減衰特性が略一致し、かつ、駆動軸のねじり共振周波数fpが、対数軸(logスケール)上で、通過帯域の中央部近傍となるように設定されている。
例えば伝達特性H2(s)を一次のハイパスフィルタと一次のローパスフィルタとで構成する場合は、伝達特性H2(s)は、次式(11)のように構成される。
ただし、τL=1/(2πfHC)、fHC=k・fp、τH=1/(2πfLC)、fLC=fp/kである。また、周波数fpは駆動系のねじり共振周波数とし、kはバンドパスを構成する任意の値とする。
ゲイン補償器804は、制振制御に係るF/B補償器のフィードバックゲインKFB(以下単にゲインKFBと呼ぶ)を構成するフィルタであり、ゲインKFBの値を調整することで、制振制御処理において用いるF/B補償器の安定性、あるいは、外乱抑止性能を調整することができる。例えば、ゲインKFBの値を大きくすることで、モータ回転速度のフィードバック制御系においてのモータコントローラ2と車両制御コントローラ10との間に生じる通信遅れを補償して、外乱抑止性能を高めることができる。しかしながら、制振制御処理において用いるF/B補償器は、フィードバックゲインの値を大きくすると、モータ回転角度や速度検出により発生するノイズの影響により、高周波のトルク成分が大きく出力されてしまう場合がある。
例えば、車両走行中に発生する25〜150Hz帯の振動成分は、モータユニット、またはドライブシャフト等から発生する振動がマウント等を介して車体に伝わると、いわゆるこもり音が発生することがある。このため、外乱抑止性能の向上を目的としてF/B補償器のフィードバックゲインを上げると、前述の高周波のトルク成分が大きくなり、こもり音が顕著に表れることになる。結果として、フィードバックゲインの設定は、こもり音とのトレードオフの関係となるため、車両の走行状態によらずに常にフィードバックゲインを理想状態(フィードバックゲイン=1)に設定することは出来ない。
しかしながら、車両が低速域となる停止制御中であれば、車両に発生する振動は、25〜150Hz帯以下の振動成分が支配的となる。したがって、本発明に係る電動車両の制御装置は、車両が停止制御中であるか否かを判定し、車両が停止制御中であると判定した場合は、ゲインKFBの値を停止制御中以外の値より大きな値に変更する。これにより、こもり音の原因となる高周波のトルク成分を増大させることなく、停止制御中の外乱抑止効果を向上させることができる。
車両が停止制御中であるか否かの判断は、上述した第1のトルク目標値Tm1*と第2のトルク目標値Tm2*とに基づいて判断される。具体的には、トルク比較器504を用いて、第1のトルク目標値Tm1*と第2のトルク目標値Tm2*とを比較して、第2のトルク目標値Tm2*が第1のトルク目標値Tm1*よりも大きくなると、車両が停止制御中であると判断される。
以上説明した第1実施形態の電動車両の制御装置による制振制御結果について、図10を参照して説明する。
図10は、第1実施形態による制御結果と、従来技術による制御結果との比較図である。図10(a)は、従来技術による制御結果を示しており、図10(b)は、第1実施形態の制御結果を示している。両図面とも、上から順に、モータ回転速度、モータトルク指令値、車両前後加速度をそれぞれ表している。
図10で示されるのは、車両が、緩やかな登り勾配で停止制御を実施する場面における制御結果である。
時刻t0では、図5で示したトルク比較器504によって第1のトルク目標値Tm1*と第2のトルク目標値Tm2*とを比較し、第2のトルク目標値Tm2*が第1のトルク目標値Tm1*よりも大きくなるタイミングで停止間際と判断されることで、停止制御が開始される。
停止制御が開始された時刻t0から時刻t2にかけては、停止制御によりモータ回転速度が漸近的に0に収束するとともに、モータトルクが、登坂路で停車し、停車を維持するための正の値に漸近的に収束する。ここで、停止制御により車両が登坂路で停止する場合は、モータトルクが負から正の値に変化するため、時刻t1からt2の間でギヤのバックラッシュを跨ぐ区間を通過する。
この時、従来技術による制御結果(図10(a))では、時刻t1から時刻t2の間でバックラッシュ区間を通過する際、モータ回転速度が大きく振動している。これは、モータコントローラ2が検出したモータ回転速度を車両制御コントローラ10にフィードバックし、取得したモータ回転速度に基づいてトルク指令値を算出する車両制御コントローラ10から、当該トルク指令値をモータコントローラ2へと出力する際のフィードバックループに係る各コントローラ間の通信遅れにより、モータ回転速度をフィードバックすることによる外乱抑止性能が低下することに起因する。
一方で、第1実施形態による制御結果(図10(b))では、停止制御中に、図8のゲイン補償器804で示すゲインKFBの値を大きくすることにより制振制御におけるモータ回転速度のフィードバック応答を速めたことで、各コントローラ間の通信遅れが補償されるので、時刻t1からt2の間でバックラッシュ区間を通過する際のモータ回転速度の振動を低減できている。また、停止制御中の車両は低速域にあり、モータ回転速度が停止制御中以外に比べて遅いので、フィードバックゲインを上げても、こもり音の原因となるような25〜150Hz帯の振動成分が顕著に増幅されることはない。
以上、第1実施形態の電動車両の制御装置は、ドライバによるアクセル操作量に応じてトルク指令値を算出する車両制御コントローラ10と、当該トルク指令値に基づいてモータを制御するモータコントローラ2とを備えた電動車両の制御方法を実現する制御装置であって、モータ回転速度または当該モータ回転速度に比例する速度パラメータを検出する速度パラメータ検出ステップと、モータに作用する外乱トルクを推定する外乱トルク推定ステップと、車両制御コントローラが算出したトルク指令値をモータコントローラの入力とし、当該トルク指令値に対してモータ回転速度または速度パラメータをフィードバックするフィードバック制御系を用いて電動車両の駆動力伝達系に生じるねじり振動を抑制する制振制御を施した最終トルク指令値を算出する制振制御ステップと、最終トルク指令値に従って、モータを制御するモータ制御ステップと、電動車両が停車間際になると、モータ回転速度または速度パラメータの低下とともにトルク指令値を外乱トルクに収束させる停止制御が実行されているか否かを判定する停止制御判定ステップと、を含む。そして、停止制御判定ステップにおいて停止制御が実行されていると判定された場合は、モータコントローラ2において、停止制御が実行されていないと判定された場合よりもフィードバック制御系が有するフィードバックゲインを大きくする。これにより、トルク指令値の算出、および、算出したトルク指令値に基づくモータ4の制御を別個のコントローラを用いて実行する場合でも、モータ回転速度のフィードバック制御系による外乱抑止効果を向上させることができるので、登坂路における停止制御中にギヤバックラッシュ区間を跨ぐ場面でも、ギヤバックラッシュに起因する加速度ショックを低減することができる。
また、第1実施形態の電動車両の制御装置は、車両情報に基づいて第1のトルク目標値を算出する第1のトルク目標値算出ステップと、モータ回転速度または速度パラメータの低下とともに外乱トルク推定値に収束する第2のトルク目標値を算出する第2のトルク目標値算出ステップと、第1のトルク目標値と第2のトルク目標値とを比較するトルク目標値比較ステップと、をさらに含む。停止制御判定ステップは、第2のトルク目標値が第1のトルク目標値より大きくなると、停止制御が実行されていると判定する。これにより、停止制御が実行されるタイミングであって、かつ、車両がギヤバックラッシュ区間を跨ぐ前のタイミングでフィードバックゲインを変更することができるので、ギヤバックラッシュに起因する加速度ショックを確実に低減することができる。
また、第1実施形態の電動車両の制御装置によれば、外乱トルクは、登坂路では正の値、降坂路では負の値、平坦路では概ねゼロと推定される。これにより、車両が走行している路面の勾配に関わらず、モータトルクのみで滑らかに停車し、停車状態を保持することができる。
−第2実施形態−
以下に説明する第2実施形態の電動車両の制御装置は、これまで説明した第1実施形態とは、ゲインKFBの値を大きくするタイミングとなる停止制御が開始されたか否かの判定方法が異なる。具体的には、第2実施形態の電動車両の制御装置は、モータコントローラ2が、図11に示すテーブルに基づいて、モータ回転速度に応じて停止制御が開始されたか否かを判定し、ゲインKFBの値を変更する。
図11は、ゲインKFBの値とモータ回転速度との関係を示す図である。図11の横軸はモータ回転速度を表し、縦軸はゲインKFBの値を表す。図中のモータ回転速度ωmLおよびωmHは、ゲインKFBの値を変更するタイミングを判定するための閾値である。図で示されるとおり、本実施形態では、モータ回転速度ωmHを閾値として停止制御が開始されると判定し、モータ回転速度ωmLにかけてゲインKFBの値を大きくする。モータ回転速度ωmHは、車両の速度が低速域にあって、停止制御が開始され得ると判定可能な閾値であり、例えば500rpmである。モータ回転速度ωmLは、車両の速度がさらに低下して、確実に停止制御が開始されていると判定可能な閾値であり、例えば200rpmである。
このように、モータ回転速度に応じて停止制御中か否かを判定することで、第1実施形態に比べて停止制御中か否かの判定に係る演算量を減らすことができるので、モータコントローラ2でのソフトウェアの演算負荷を低減することができる。
また、車両の走行路面の勾配に応じて停止制御を開始するモータ回転速度の値は変わるので、停止制御処理中に算出される外乱トルク推定値に応じてモータ回転速度の閾値ωmLおよびωmHを変更しても良い。
図12は、外乱トルク推定値と、モータ回転速度ωmLおよびωmHとの関係を示す図である。図12の横軸は外乱トルク推定値を表し、縦軸はモータ回転速度閾値を表している。外乱トルク推定値が大きくなるほど、すなわち、登坂路の路面勾配が大きくなるほど、停止制御中にバックラッシュ区間に入る時のモータ回転速度が大きくなる。
したがって、第2実施形態においては、図12に示すとおり、ゲインKFBの値を変更するタイミングを計るための閾値であるモータ回転速度ωmLおよびωmHを、外乱トルク推定値が大きくなるほど大きな値に設定してもよい。これにより、路面勾配に応じて停止制御中にバックラッシュ区間に入るモータ回転速度が変わっても、バックラッシュ区間を跨ぐ前にゲインKFBの値を大きくすることができるので、バックラッシュ区間で生じ得る加速度ショックを確実に抑制することができる。
以上、第2実施形態の電動車両の制御装置によれば、停止制御判定ステップは、モータ回転速度または速度パラメータと、車両が停止間際か否かを判定する閾値とを比較して、モータ回転速度または速度パラメータが閾値以下になると、前記停止制御が実行されていると判定する。これにより、停止制御が実行されているか否かの判定にかかる演算負荷を低減することができる。
また、第2実施形態の電動車両の制御装置によれば、停止制御判定ステップは、モータ回転速度または速度パラメータと比較する閾値の大きさを、電動車両が走行中の路面の勾配に応じて変更する。これにより、車両が走行している路面の勾配に関わらず、ギヤバックラッシュに起因する加速度ショックを確実に低減することができる。
本発明は、上述した一実施形態に限定されることはない。例えば、停止制御に用いられる外乱トルク推定値、あるいは、第2のトルク目標値Tm2*の算出に係る各構成をモータコントローラ2が備えていてもよい。具体的には、例えば、モータコントローラ2が、モータ回転速度F/Bトルク設定器501と、外乱トルク推定器502と、加算器503とを備え、検出したモータ回転速度ωmに基づいて算出した第2のトルク目標値Tm2*を車両制御コントローラ10へ送信する構成としてもよい。
また、第2実施形態の説明では、停止制御が開始されたか否かの判定はモータコントローラ2において実行されるものとしたが、車両制御コントローラ10によって実行されてもよい。その際は、車両制御コントローラ10は、当該判定の閾値となるモータ回転速度をモータコントローラ2から受信する構成としてもよい。
また、上述の説明では、停止制御中にギヤバックラッシュ区間を跨ぐのは車両が登坂路を走行中であることを前提としたが、必ずしも登坂路に限らず、停止制御中にモータトルクが負から正、あるいは、正から負へ0を跨いで変化する場合であれば、平坦路や降坂路でもギヤバックラッシュ区間を跨ぐ可能性がある。したがって、本発明に係る電動車両の制御方法は、停止制御中にギヤバックラッシュ区間を跨ぐ場面であれば、車両が走行している路面の勾配に関わらず、ギヤバックラッシュに起因する加速度ショックを低減することができる。
2…モータコントローラ(速度パラメータ検出部、制振制御部、停止制御判定部、モータ制御部)
10…車両制御コントローラ(外乱トルク推定部)

Claims (6)

  1. ドライバによるアクセル操作量に応じてトルク指令値を算出する車両制御コントローラと、当該トルク指令値に基づいてモータを制御するモータコントローラとを備えた電動車両の制御方法において、
    モータ回転速度または当該モータ回転速度に比例する速度パラメータを検出する速度パラメータ検出ステップと、
    前記モータに作用する外乱トルクを推定する外乱トルク推定ステップと、
    前記車両制御コントローラが算出した前記トルク指令値を前記モータコントローラの入力とし、当該トルク指令値に対して前記モータ回転速度または前記速度パラメータをフィードバックするフィードバック制御系を用いて電動車両の駆動力伝達系に生じるねじり振動を抑制する制振制御を施した最終トルク指令値を算出する制振制御ステップと、
    前記最終トルク指令値に従って、前記モータを制御するモータ制御ステップと、
    電動車両が停車間際になると、前記モータ回転速度または前記速度パラメータの低下とともに前記トルク指令値を前記外乱トルクに収束させる停止制御が実行されているか否かを判定する停止制御判定ステップと、を含み、
    前記停止制御判定ステップにおいて前記停止制御が実行されていると判定された場合は、前記モータコントローラにおいて、前記停止制御が実行されていないと判定された場合よりも前記フィードバック制御系が有するフィードバックゲインを大きくする、
    ことを特徴とする電動車両の制御方法。
  2. 車両情報に基づいて第1のトルク目標値を算出する第1のトルク目標値算出ステップと、
    前記モータ回転速度または前記速度パラメータの低下とともに前記外乱トルクに収束する第2のトルク目標値を算出する第2のトルク目標値算出ステップと、
    前記第1のトルク目標値と前記第2のトルク目標値とを比較するトルク目標値比較ステップと、をさらに含み、
    前記停止制御判定ステップは、前記第2のトルク目標値が前記第1のトルク目標値より大きくなると、前記停止制御が実行されていると判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電動車両の制御方法。
  3. 前記停止制御判定ステップは、前記モータ回転速度または前記速度パラメータと、車両が停止間際か否かを判定する閾値とを比較して、前記モータ回転速度または前記速度パラメータが前記閾値以下になると、前記停止制御が実行されていると判定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電動車両の制御方法。
  4. 前記停止制御判定ステップは、前記モータ回転速度または前記速度パラメータと比較する前記閾値の大きさを、電動車両が走行中の路面の勾配に応じて変更する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の電動車両の制御方法。
  5. 前記外乱トルクは、登坂路では正の値、降坂路では負の値、平坦路では概ねゼロと推定される、
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の電動車両の制御方法。
  6. ドライバによるアクセル操作量に応じてトルク指令値を算出する車両制御コントローラと、当該トルク指令値に基づいてモータを制御するモータコントローラとを備えた電動車両の制御装置において、
    モータ回転速度または当該モータ回転速度に比例する速度パラメータを検出する速度パラメータ検出部と、
    前記モータに作用する外乱トルクを推定する外乱トルク推定部と、
    前記車両制御コントローラが算出した前記トルク指令値を前記モータコントローラの入力とし、当該トルク指令値に対して前記モータ回転速度または前記速度パラメータをフィードバックするフィードバック制御系を用いて電動車両の駆動力伝達系に生じるねじり振動を抑制する制振制御を施した最終トルク指令値を算出する制振制御部と、
    前記最終トルク指令値に従って、前記モータを制御するモータ制御部と、
    電動車両が停車間際になると、前記モータ回転速度または前記速度パラメータの低下とともに前記トルク指令値を前記外乱トルクに収束させる停止制御が実行されているか否かを判定する停止制御判定部と、を備え、
    前記停止制御判定部において前記停止制御が実行されていると判定された場合は、前記モータコントローラにおいて、前記停止制御が実行されていないと判定された場合よりも前記フィードバック制御系が有するフィードバックゲインを大きくする、
    ことを特徴とする電動車両の制御装置。
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