アンライセンスバンドでLTE/LTE−Aを運用するシステム(例えば、LAAシステム)においては、他事業者のLTE、Wi−Fi又はその他のシステムとの共存のため、干渉制御機能が必要になると考えられる。なお、アンライセンスバンドでLTE/LTE−Aを運用するシステムは、運用形態がCA、DC又はSAのいずれであるかに関わらず、総称して、LAA、LAA−LTE、LTE−U、U−LTEなどと呼ばれてもよい。
一般に、アンライセンスバンドのキャリア(キャリア周波数又は単に周波数と呼ばれてもよい)を用いて通信を行う送信ポイント(例えば、無線基地局(eNB)、ユーザ端末(UE)など)は、当該アンライセンスバンドのキャリアで通信を行っている他のエンティティ(例えば、他のUE)を検出した場合、当該キャリアで送信を行うことが禁止されている。
このため、送信ポイントは、送信タイミングよりも所定期間前のタイミングで、リスニング(LBT)を実行する。具体的には、LBTを実行する送信ポイントは、送信タイミングよりも所定期間前のタイミングで、対象となるキャリア帯域全体(例えば、1コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier))をサーチし、他の装置(例えば、無線基地局、UE、Wi−Fi装置など)が当該キャリア帯域で通信しているか否かを確認する。
なお、本明細書において、リスニングとは、ある送信ポイント(例えば、無線基地局、ユーザ端末など)が信号の送信を行う前に、他の送信ポイントなどから所定レベル(例えば、所定電力)を超える信号が送信されているか否かを検出/測定する動作を指す。また、無線基地局及び/又はユーザ端末が行うリスニングは、LBT、CCA、キャリアセンスなどと呼ばれてもよい。
送信ポイントは、他の装置が通信していないことを確認できた場合、当該キャリアを用いて送信を行う。例えば、送信ポイントは、LBTで測定した受信電力(LBT期間中の受信信号電力)が所定の閾値以下である場合、チャネルがアイドル状態(LBTidle)であると判断し送信を行う。「チャネルがアイドル状態である」とは、言い換えると、特定のシステムによってチャネルが占有されていないことをいい、チャネルがアイドルである、チャネルがクリアである、チャネルがフリーである、などともいう。
一方、送信ポイントは、対象となるキャリア帯域のうち、一部の帯域でも他の装置が使用中であることを検出した場合、自らの送信処理を中止する。例えば、送信ポイントは、当該帯域に係る他の装置からの信号の受信電力が、所定の閾値を超過していることを検出した場合、チャネルはビジー状態(LBTbusy)であると判断し、送信を行わない。LBTbusyの場合、当該チャネルは、改めてLBTを行いアイドル状態であることが確認できた後に初めて利用可能となる。なお、LBTによるチャネルのアイドル状態/ビジー状態の判定方法は、これに限られない。
LBTのメカニズム(スキーム)としては、FBE(Frame Based Equipment)及びLBE(Load Based Equipment)が検討されている。両者の違いは、送受信に用いるフレーム構成、チャネル占有時間などである。FBEは、LBTに係る送受信の構成が固定タイミングを有するものである。また、LBEは、LBTに係る送受信の構成が時間軸方向で固定でなく、需要に応じてLBTが行われるものである。
具体的には、FBEは、固定のフレーム周期をもち、所定のフレームで一定時間(LBT時間(LBT duration)などと呼ばれてもよい)キャリアセンスを行った結果、チャネルが使用可能であれば送信を行うが、チャネルが使用不可であれば次のフレームにおけるキャリアセンスタイミングまで送信を行わずに待機するというメカニズムである(図1A参照)。
一方、LBEは、キャリアセンス(初期CCA、initial)を行った結果チャネルが使用不可であった場合はキャリアセンス時間を延長し、チャネルが使用可能となるまで継続的にキャリアセンスを行うというECCA(Extended CCA)手順を実施するメカニズムである。LBEでは、適切な衝突回避のためランダムバックオフが必要である(図1B参照)。
なお、キャリアセンス時間(LBT時間、キャリアセンス期間などと呼ばれてもよい)とは、1つのLBT結果を得るために、リスニングなどの処理を実施してチャネルの使用可否を判断するための時間(例えば、1シンボル長又は1シンボル長より短い時間)である。
送信ポイントは、LBT結果に応じて所定の信号(例えば、チャネル予約(channel reservation)信号)を送信することができる。LBT結果とは、LBTが設定されるキャリアにおいてLBTにより得られたチャネルの空き状態に関する情報(例えば、LBTidle、LBTbusy)のことをいう。チャネル予約信号を送信することにより、他のシステム等からの送信をブロックすることが可能となる。
以上述べたように、LAAシステムにおいて、送信ポイントに、LBTメカニズムに基づく同一周波数内における干渉制御を導入することにより、LAAとWi−Fiとの間の干渉、LAAシステム間の干渉などを回避することができる。また、LAAシステムを運用するオペレータ毎に、送信ポイントの制御を独立して行う場合であっても、LBTによりそれぞれの制御内容を把握することなく干渉を低減することができる。
ところで、LAAシステムでも、UEに対するアンライセンスバンドのSCell(Secondary Cell)の設定または再設定などを行うため、UEがRRM(Radio Resource Management)測定により周辺に存在するSCellを検出し、受信品質を測定した後、ネットワークへ報告を行うことが必要となる。LAAにおけるRRM測定のための信号は、Rel.12で規定されたディスカバリ信号(DS:Discovery Signal)をベースに検討されている。
なお、LAAにおけるRRM測定のための信号は、検出測定信号、ディスカバリ参照信号(DRS:Discovery Reference Signal)、ディスカバリ信号(DS:Discovery Signal)、LAA DRS、LAA DSなどと呼ばれてもよい。また、アンライセンスバンドのSCellは、例えばLAA SCellと呼ばれてもよい。
LAA DRSは、Rel.12 DRSと同様に、既存システム(例えば、LTE Rel.10−12)における同期信号(PSS(Primary Synchronization Signal)/SSS(Secondary Synchronization Signal))とCRS(Cell-specific Reference Signal)との組み合わせ、又は既存システムにおける同期信号(PSS/SSS)とCRSとCSI−RS(Channel State Information Reference Signal)との組み合わせなどで構成することが考えられる。
また、ネットワーク(例えば、eNB)は、UEに対して、周波数ごとにLAA DRSのDMTC(Discovery Measurement Timing Configuration)を設定することができる。DMTCは、DRSの送信周期(DMTC周期(DMTC periodicity)などと呼ばれてもよい)や、DRS測定タイミングのオフセットなどに関する情報を含む。
DRSは、DMTC周期ごとに、DMTC期間(DMTC duration)の中で送信される。ここで、Rel.12では、DMTC期間は6ms長固定である。また、DMTC期間の中で送信されるDRSの長さ(DRS期間(DRS occasion)、DS期間、DRSバースト、DSバーストなどと呼ばれてもよい)は1ms以上5ms以下である。LAAでも、同様の設定とすることが検討されている。なお、LAA DRSでは、LBT時間を考慮して、DRS期間を1サブフレーム未満としてもよいし、1サブフレーム以上としてもよい。
UEは、ネットワークから通知されるDMTCによって、LAA DRSの測定期間のタイミングや周期を把握し、LAA DRSの測定を実施する。さらにRRM測定に加え、DRSを用いてCSI測定を行うことが検討されている。例えば、DRSに含まれるCRSやCSI−RSを用いてCSI測定を行う。
また、アンライセンスバンドにおいてDRS送信を行う場合、DLデータ(例えば、PDSCH、PDCCH/EPDCCH等)の送信タイミングにあわせて送信することが考えられる。この場合、無線基地局は、DLデータの送信前に行うリスニング結果がアイドル状態であれば、所定のバースト期間においてDLデータとDRSの送信を行うことができる。
一方で、アンライセンスバンドにおけるDLの測定精度を向上させる観点からは、無線基地局がDLデータと、ディスカバリ信号を異なるタイミングで送信する場合も考えられる。特に、DLデータ送信が長い期間行われない場合には、DLデータ送信とは別にDRS送信を行うことが有効となる。かかる場合に、各DL送信前に行うリスニングをどのように行うかが問題となる。一つの方法として、無線基地局がDLデータの送信前とディスカバリ信号の送信前にそれぞれ同じ条件のリスニングを行うことが考えられる。
これに対し、本発明者等は、DRSはDLデータ送信と比較して送信機会(送信期間等)が制限される点に着目した。例えば、DRSは、所定の送信候補期間(例えば、DMTC周期)の範囲内で送信され、当該送信候補期間の周期(例えば、DMTC周期)も長周期に設定されることが考えられる。また、本発明者等は、LBT結果(LBTidle)によるチャネル予約信号や、DMTC期間におけるDLデータ送信が隣接セルにおけるDRS送信をブロックするおそれがある点に着目した。
そこで、本発明者等は、DRS送信前のリスニング(DRS用リスニング)は、DRS送信機会をできるだけ優先的に確保できるメカニズム(例えば、リスニング動作の簡略化、DMTC期間内におけるDRS送信を優先する等)とすることがアンライセンスバンドにおけるDRS送信に有効となることを見出した。
そして、本発明者等は、DLデータ送信用のリスニングと、DRS用のリスニングに対して異なる条件を適用することを着想した。異なる条件としては、リスニングにおける処理動作、リスニングを行うタイミング(送信期間)等を指す。例えば、DMTCの期間等を考慮して、DRS用リスニングのタイミング、DLデータ送信用リスニングのタイミング、DLデータ送信のタイミングの少なくとも一つを制御することを着想した。
以下に、本実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態では、リスニングが設定されるキャリアをアンライセンスバンドとして説明するが、これに限られない。本実施の形態は、リスニングが設定される周波数キャリア(又は、セル、CC)であれば、ライセンスバンド又はアンライセンスバンドに関わらず適用することができる。
また、以下の説明では、LTE/LTE−Aシステムにおいてリスニングを適用する場合について説明するが、本実施の形態はこれに限られない。信号送信前にリスニングを適用して測定用信号をDLデータ信号と異なるタイミングで送信する構成であれば適用可能である。
(第1の態様)
第1の態様では、DRS送信(DRSバースト)前に行うリスニング動作(LBT動作)を、DLデータ送信用のリスニング動作(又は、Wi−Fiにおけるリスニング動作)と異なるよう設定する場合について説明する。
図2にDLデータ(例えば、PUSCH)の送信前に行うリスニングの一例を示す。図2は、リスニングにおいてランダムバックオフを適用すると共に、ランダムバックオフにおけるウィンドウサイズを可変とするメカニズムを適用する場合を示している。なお、DLデータ送信に適用可能なリスニング動作は図2に限られない。
ランダムバックオフとは、チャネルが空き状態(アイドル状態)となった場合であっても、各送信ポイントがすぐに送信を開始するのでなく、ランダムに設定される期間だけ送信を待機してチャネルがクリアであれば送信を開始するメカニズムを指す。これにより、複数の送信ポイント間で送信機会を分散してフェアにすることができる。ランダムバックオフにおけるウィンドウ(コンテンションウィンドウ(CW:Contention Window)とも呼ぶ)サイズとは、ランダムに設定されるバックオフ期間の範囲を決定するためのウィンドウサイズを指す。
各送信ポイントに設定されるバックオフ期間は、ランダムに設定されるカウンタ値(乱数値)に基づいて決定することができる。カウンタ値の範囲はコンテンションウィンドウ(CW)サイズに基づいて決定され、例えば、0〜CWサイズ(整数値)の範囲からランダムにカウンタ値が設定される。
送信ポイントは、初期CCA(initial CCA)によりチャネルがアイドル状態と判断した場合にランダムバックオフ用のカウンタ値を生成する。そして、所定期間(defer period(D_eCCA)とも呼ばれる)の待ち時間だけチャネルが空いていることを確認できるまでカウンタ値を保持する。チャネルが所定期間空いていることを確認できた場合、送信ポイントは、所定時間単位(例えば、eCCAスロット時間単位)のセンシングを行い、チャネルが空いている場合にはカウンタ値を減らし、カウンタ値がゼロになったら送信を行うことができる。
ランダムバックオフにおいて、カウンタ値はCWサイズに関連づけられた範囲から決定される。図2ではバックオフ期間として1〜16の中からランダムな値が選択される場合を示している。また、CWサイズは、受信側からのACK/NACK等のフィードバック結果に応じて変更を行うことが考えられる。例えば、送信ポイントからDLデータパケット送信を行った後に受信側からACKが返ってこなかった場合、当該送信ポイントは衝突が起こっていたと判断してCWサイズを拡大することができる。図2では、パケット送信に対するACKフィードバックがない場合にCWサイズを16から32に拡大する場合を示している。
このように、DLデータ送信用のリスニングでは、初期のリスニング(initial CCA)の結果、チャネルがアイドル状態の場合にDLデータ送信を行い、ビジー状態の場合にランダムバックオフを適用したリスニングを適用する。なお、LAAにおけるDLデータ送信に適用可能なリスニング動作は図2に限られない。例えば、CWサイズの変更動作はACK/NACK結果以外の条件に基づいて変更してもよい。
これに対し、DRS送信前に行うリスニングでは、無線基地局は、初期のリスニング(initial CCA)及び/又はCWサイズの調整(CW adjustment)を適用しないで行う構成とすることができる。例えば、所定の待機期間(defer period)と、CCA期間(CCA duration)と、バックオフ期間(カウンタ値)を設定してリスニングを行う場合(方法1)、バックオフ期間(カウンタ値)を0に設定してリスニングを行う場合(方法2)を適用することができる。
<方法1>
図3に所定の待機期間(defer period)と、CCA期間(CCA duration)と、バックオフ期間(カウンタ値)を設定してリスニングを行う場合の一例を示す。図3Aは、defer periodが16μs、CCA(スロット)期間が9μm、カウンタ値が1に設定された場合を想定している。また、リスニングに適用する条件は図3に示す例に限られない。
defer periodは、他のシステム(例えば、Wi−Fi)においてデータ送信終了タイミングとその後に送信される送達確認信号(ACK)のフィードバック送信開始タイミングの時間間隔(SIFS)より長くなるように設定する。カウンタ値Nは、所定値(例えば、N=1)又は固定のCWサイズから選択することができる。また、無線基地局は、他のセルにおけるDRSの送信タイミングと同期送信を行うために、カウンタ値がゼロとなってもDRSを送信せずに延期動作(self-deferral procedure)を行ってもよい。この場合、カウンタ値が1の状態で待機する(カウンタ値を0にしない)ことも可能である。
図3Bを参照して、方法1におけるリスニング動作の一例を示す。まず、無線基地局は、ランダムバックオフを利用するためにカウンタ値(N)を生成する(ST101)。カウンタ値(N)は、所定値(例えば、1)を設定してもよいし、固定的に定義されたCWサイズの中から選択される整数値とすることができる(ST102)。無線基地局は、カウンタ値を生成後、所定期間(defer period)だけチャネルが空いていることを確認する(ST103)。
無線基地局は、所定期間にチャネルが空いていることを確認できた場合(ST103−Yes)、所定のスロット期間(例えば、拡張CCA(eCCA)期間)単位のセンシングを行いチャネル状態の確認を行う(ST104)。チャネル状態がビジー状態である場合(ST104−Yes)、無線基地局は、再度所定期間(defer period)だけチャネルが空いていることを確認する(ST103)。
チャネル状態がアイドル状態である場合(ST104−No)、カウンタ値を1減らす又は何も行わずカウンタ値を保留する(ST105)。カウンタ値がゼロになるまでスロット時間単位のセンシングを継続し(ST104〜ST105)、カウンタ値がゼロになった場合(ST106−Yes)、必要に応じてDRS送信(DLバースト送信)又は予約信号の送信を行う(ST107)。
なお、無線基地局は、他セルのDRSの送信タイミングと同期送信を行う(所定のタイミングでDRSを行う)場合、カウンタ値がゼロとなってもDRSを送信せずに延期動作(self-deferral procedure)を行ってもよい(ST105、又はST107)。
このように、初期のリスニング(initial CCA)及び/又はCWサイズの調整(CW adjustment)を適用しないでLBTのリスニング動作を行うことにより、DLデータ送信用のリスニングと比較して、DRSを早く送信することが可能となる。これにより、DLデータと異なるタイミングでDRSを送信する場合であっても、DRSの送信機会を確保することが可能となる。
<方法2>
図4にバックオフ期間(カウンタ値)を0に設定してリスニングを行う場合の一例を示す。図4Aは、defer periodが25μs、カウンタ値が0に設定(CCA期間を非設定)された場合を想定している。リスニングに適用する条件は図4に示す例に限られない。
defer periodは、他のシステム(例えば、Wi−Fi)においてデータ送信終了タイミングとその後に送信される送達確認信号(ACK)のフィードバック送信開始タイミングの時間間隔(SIFS)より長くなるように設定する。また、無線基地局は、DRSの送信候補期間(DMTC期間)より早いタイミングにおいて、所定期間(defer period)でチャネルがアイドル状態であると判断した場合、DRSの送信候補期間までに予約信号(reservation signal)を送信する必要がある。
図4Bを参照して、方法2におけるリスニング動作の一例を示す。無線基地局は、カウンタ値を生成せずに、所定期間(defer period)だけチャネルが空いていることを確認する(ST201)。無線基地局は、チャネルが所定期間空いていることを確認できた場合(ST201−Yes)、DRS送信を行うか否かを判断する(ST202)。DRS送信を行う場合(ST202−Yes)、無線基地局はDRSの送信又は予約信号の送信を行う(ST203)。
このように、カウンタ値を0に設定することにより、DLデータ送信用のリスニングと比較して、DRSを早く送信することが可能となる。これにより、DLデータと異なるタイミングでDRSを送信する場合であっても、DRSの送信機会を確保することが可能となる。
(第2の態様)
第2の態様では、DRS送信前に行うリスニング期間を所定期間に設定(例えば、所定期間に制限)する場合について説明する。リスニングを行うために設定される所定期間は、アクティブウィンドウ(Active window)、ウィンドウ(window)、リスニングウィンドウとも呼ぶ。
DRS送信用のリスニングを行う所定期間(リスニングウィンドウ)は、DRSの送信候補期間であるDMTC期間に基づいて設定することができる(図5参照)。例えば、DRS送信用のリスニングウィンドウは、図5Aに示すDMTCと同じ期間とすることができる。
図5Aでは、DMTC期間の一例としてDMTC期間を6サブフレームで構成する場合を示しているが、設定可能なDMTC期間はこれに限られない。また、図5Aでは、DMTC期間の中で送信されるDRSの長さ(DRS期間)を1サブフレーム未満に設定する場合を示しているが、本実施の形態はこれに限られない。
また、DRS送信用のリスニングウィンドウは、DMTC期間の先頭(開始点)から所定値(X2μs)だけ前、及び/又はDMTC期間の末尾(終了点)から所定値(Y2μs)だけ前に時間的にシフトさせた期間としてもよい(図5B、5C参照)。これにより、DRSが送信される期間(例えば、DMTC期間)の直前からリスニングを行うことができるため、リスニング結果に応じてDRSの送信候補期間の先頭からDRS送信を行うことができる。
なお、DRS期間が1サブフレーム未満で設定される場合、1サブフレームの先頭領域及び/又は末尾領域にDRSが送信されない構成となる。かかる場合、DRSが送信される期間を考慮して、X2及び/又はY2を0に設定することができる。
また、DRS送信用のリスニングウィンドウは、DMTC期間内においてDRSが送信される期間を考慮して分割して設定することも可能である(図5D参照)。この場合、無線基地局は、DRS候補位置の開始位置と送信時間に関する情報、又はDRSが配置されるサブフレーム境界に関する情報をユーザ端末に通知する構成とすることができる。
無線基地局は、DRS送信用のリスニングウィンドウにおいてリスニング結果(LBTidle)に基づくDRS送信に成功した場合にリスニングウィンドウの残りの期間ではLBT動作を行わないように制御してもよい(図5B参照)。これにより、不要なリスニング動作を回避することができる。
また、無線基地局は、あるリスニングウィンドウにおける終了時のバックオフカウンタ値を、次のリスニングウィンドウの開始時点におけるバックオフカウンタとして設定してもよい(図5C参照)。図5Cでは、あるリスニングウィンドウにおいてカウンタ値が2から1に低減した状態で当該リスニングウィンドウが終了した場合、次のリスニングウィンドウにおいてカウンタ値を1に設定してリスニングを行う場合を示している。これにより、チャネルが混んでいる場合(ビジー状態が続く場合)であっても、DRSの送信機会を確保することが可能となる。
(第3の態様)
第3の態様では、DLデータ(例えば、PDSCH)送信前に行うリスニングを、DRS送信期間、及び/又はDMTCの一部又は全部の期間で行わないように制御する場合について説明する。DLデータ送信用のリスニングを行わない(制限する)期間は、フローズンウィンドウ(Frozen window)とも呼ぶ。
DLデータ送信用のリスニングを制限する期間は、DRSの送信期間、DMTC期間の一部、又はDMTC期間の全部に設定することができる(図6参照)。図6Aは、DMTC期間の一例を示している。図6Aでは、DMTC期間を6サブフレームで構成する場合を示しているが、設定可能なDMTC期間はこれに限られない。また、図6Aでは、DMTC期間の中で送信されるDRS期間を1サブフレーム未満に設定する場合を示しているが、本実施の形態はこれに限られない。
図6Bは、無線基地局がDRSを送信している期間を、DLデータ送信用のリスニングを制限する期間(Frozen window)として設定する場合を示している。この場合、DLデータ送信用のリスニングを制限する期間をDRS送信期間に限定して短くすることができるため、DLデータ(例えば、PDSCH)の送信機会の低減を抑制することができる。
また、DRSを送信している期間をFrozen windowとして設定する場合、無線基地局は、DLデータの送信期間を制限してもよい。DLデータの送信期間を制限する場合について図7を参照して説明する。図7Aは、DMTC期間の一例を示している。
例えば、無線基地局は、図7Bに示すように、DMTC期間においてDRS送信を行った後のDLデータ送信を制限する(制限1)。これにより、当該DLデータ送信が他セルのDRS送信用のリスニングに及ぼす影響を回避することができる。
また、無線基地局は、図7Cに示すように、DMTC期間においてDRS送信を伴わない(DRS送信と同時に送信しない)DLデータ送信を制限する(制限2)。DRS送信を伴うDLデータ送信は、DRS(CRS、PSS/SSS(CSI−RSを含む場合もある))とDLデータ(例えば、PUSCH)が同一サブフレーム内に多重されて送信される場合を指す。
また、無線基地局は、図7Dに示すように、DMTC期間においてDRS送信を伴うDLデータ送信を行う(DRS送信と同時に送信する)場合であっても、DLデータ送信が所定期間X3(例えば、X3=1ms)を超える場合には、当該DLデータ送信を制限する(制限3)。
このように、無線基地局は、DRSを送信している期間をFrozen windowとして設定する場合、DLデータ送信に対して上記制限1から制限3の少なくとも一つを適用してDLデータ送信を行うことができる。例えば、制限1から制限3の全てを適用する場合、無線基地局は、DMTC期間においてDRSを送信するサブフレーム以外のDLデータ送信を行わないように制御する(図7E参照)。
これにより、当該DLデータ送信が他セルのDRS送信用のリスニングに及ぼす影響を回避することができる。また、無線基地局は、DRSを送信する期間以外ではDLデータ送信用のリスニングを行うことができるため、DLデータの送信タイミングを早く設定(例えば、DMTC期間後の直後のタイミングに設定)することができる(図7E参照)。
図6Cは、DMTC期間を、DLデータ送信用のリスニングを制限する期間(Frozen window)として設定する場合を示している。また、DMTC期間より長い期間をFrozen windowとして設定してもよい。
これにより、DMTC期間内におけるDLデータ送信の送信機会を低減することができるため、DRS送信用のリスニングに対するDLデータ送信の影響を抑制することができる。その結果、DMTC期間内においてDRSの送信を適切に行うことができる。
また、Frozen windowは、DMTC期間の先頭(開始点)から所定値(X2μm)だけ前、及び/又はDMTC期間の末尾(終了点)から所定値(Y2μm)だけ前に時間的にシフトさせた期間としてもよい。これにより、DRSが送信される期間(例えば、DMTC期間)の直前からDLデータ送信用のリスニングを制限することができるため、DRS用のリスニングに対する影響を効果的に低減することができる。
なお、DRS期間が1サブフレーム未満となる場合、1サブフレームの先頭領域及び/又は末尾領域にDRSが送信されない期間が設定される場合がある。かかる場合、DRSが送信される期間を考慮して、X2及び/又はY2を0に設定することが好ましい。なお、Frozen windowは、上述したDRS送信用のリスニングウィンドウと同じ期間としてもよいし、異なる期間としてもよい。
図6Dは、DMTC期間の一部を、DLデータ送信用のリスニングを制限する期間(Frozen window)として設定する場合を示している。ここでは、DMTC期間の前半部分をFrozen windowとして設定しているが、これに限られない。この場合、DMTC期間内における一部の期間をDLデータ送信用のリスニング(DLデータ送信)に利用することができる。
DMTCの全期間をFrozen windowとする場合(図6C参照)、無線基地局の周囲に他セル(例えば、DLデータ送信やDRS送信を行うセル)が存在しない場合であっても、当該無線基地局はDRSの送信後のDMTC期間でDLデータ送信用のリスニングやDLデータ送信を行うことができない。したがって、DMTCの一部の期間をFrozen windowとすることにより、DRS送信をFrozen windowで適切に行うと共に、DLデータ送信の送信期間の低減を抑制することができる。特に、DMTC期間の前半部分をFrozen windowとすることにより、DMTC期間においてDRS送信を早期に行い、後半部分でDLデータ送信を行うことが可能となる。
また、DMTC期間の全部又は一部をDLデータ送信用のリスニングを行わないFrozen windowとする場合(図6C、6D参照)、DLデータ送信はDLデータ送信用のリスニングと同様に制限してもよいし、異なる条件で制限してもよい。DLデータ送信(例えば、PUSCH)を制限する場合の一例を図8に示す。図8Aは、DMTC期間の一例を示している。
例えば、無線基地局は、図8Bに示すように、DMTC期間内におけるDLデータ送信を制限する。これにより、当該DLデータ送信が他セルのDRS送信用のリスニングに及ぼす影響を回避することができる。
また、無線基地局は、図8Cに示すように、DMTC期間においてDRS送信を伴うDLデータ送信(DRS送信と同じサブフレームに多重されるDLデータ送信)のみ許容する。つまり、無線基地局は、DMTC期間においてDRS送信を伴わない(DRS送信と同時に送信しない)DLデータ送信を制限する。
また、無線基地局は、図8Dに示すように、DMTC期間においてDRS送信を伴うDLデータ送信を行う(DRS送信と同時に送信する)場合であっても、DLデータ送信が所定期間Y3(例えば、Y3=2ms)を超える場合には、当該DLデータ送信を制限する。
このように、DMTC期間を考慮してDLデータ送信用のリスニング及び/又はDLデータ送信のタイミングを制御することにより、DLデータと異なるタイミングで送信するDRS送信を適切に行うと共に、DLデータ送信の送信機会の低減を抑制することができる。
(第4の態様)
第4の態様では、DLデータ送信前に行うリスニングを制限する期間(Frozen window)を設定する場合のユーザ端末動作について説明する。
将来の通信システムのユーザ端末は、レーダー(例えば、気象レーダー等)の周波数を感知して干渉しないように制御するため、ダイナミック周波数選択(DFS:Dynamic Frequency Selection)機能が搭載されることが考えられる。これに加えて、トラフィック量が高い状況でLBTを行う場合、アンライセンスバンド(unlicensed SCell)では、リスニングによる待機時間が増加する可能性が高い。
したがって、本実施の形態では、ユーザ端末にDLデータ送信前に行うリスニングを制限する期間(Frozen window)に関する情報を通知して、ユーザ端末が当該情報に基づいてDLデータに対するモニタリングを制御する構成とすることができる。これにより、ユーザ端末における消費電力の増加を抑制すること(バッテリーセービング)ができる。
この場合、無線基地局は、既存のLTEシステムにおけるDRX(間欠受信)制御に加えて、DLデータ送信用のリスニングを制限するFrozen windowをセル固有に設定してユーザ端末に通知することができる。例えば、無線基地局は、リスニングを行う所定のセル(例えば、アンライセンスセル)に設定されるFrozen windowに関する情報をユーザ端末に通知する。この場合、無線基地局は、下り制御情報(DCI)の共通サーチスペース、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、報知情報等)を利用してユーザ端末に通知する。
所定セルにおけるFrozen windowに関する情報を受信したユーザ端末は、当該所定セルのFrozen windowが設定される期間においてDLデータ(例えば、PDSCH、PDCCH/EPDCCH)のモニタリングを行わないように制御する(図9参照)。無線基地局は、一つのFrozen windowをユーザ端末に通知してもよいし、あらかじめ複数の候補期間(Frozen window)を上位レイヤシグナリングで設定すると共に、特定の期間を下り制御情報(DCI)で動的にユーザ端末に通知してもよい。
このように、既存のDRXとは別にアンライセンスバンド毎に設定されるFrozen windowに基づいてユーザ端末がDLデータのモニタリング有無を制御することにより、ユーザ端末における消費電力の増加を抑制することができる。
(無線通信システムの構成)
以下、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、本発明の実施形態に係る無線通信方法が適用される。なお、上記の各実施の態様に係る無線通信方法は、それぞれ単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用してもよい。
図10は、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。なお、図10に示す無線通信システムは、例えば、LTEシステム、SUPER 3G、LTE−Aシステムなどが包含されるシステムである。この無線通信システムでは、複数のコンポーネントキャリア(CC)を一体としたキャリアアグリゲーション(CA)及び/又はデュアルコネクティビティ(DC)を適用することができる。また、複数のCCには、ライセンスバンドを利用するライセンスバンドCCと、アンライセンスバンドを利用するアンライセンスバンドCCが含まれる。なお、この無線通信システムは、IMT−Advancedと呼ばれても良いし、4G、5G、FRA(Future Radio Access)などと呼ばれても良い。
図10に示す無線通信システム1は、マクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12(12a−12c)と、を備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。
ユーザ端末20は、無線基地局11及び無線基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、異なる周波数を用いるマクロセルC1とスモールセルC2を、CA又はDCにより同時に使用することが想定される。また、ユーザ端末20は、少なくとも2CC(セル)を用いてCAを適用することができ、6個以上のCCを利用することも可能である。
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(例えば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、Legacy carrierなどと呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。一方、ユーザ端末20と無線基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(例えば、3.5GHz、5GHzなど)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、無線基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。無線基地局11と無線基地局12との間(又は、2つの無線基地局12間)は、有線接続(光ファイバ、X2インターフェースなど)又は無線接続する構成とすることができる。
無線基地局11及び各無線基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されるものではない。また、各無線基地局12は、無線基地局11を介して上位局装置30に接続されてもよい。
なお、無線基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、マクロ基地局、集約ノード、eNB(eNodeB)、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。また、無線基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、スモール基地局、マイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、HeNB(Home eNodeB)、RRH(Remote Radio Head)、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。以下、無線基地局11及び12を区別しない場合は、無線基地局10と総称する。各ユーザ端末20は、LTE、LTE−Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末だけでなく固定通信端末を含んでよい。
無線通信システムにおいては、無線アクセス方式として、下りリンクについてはOFDMA(直交周波数分割多元接続)が適用され、上りリンクについてはSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用される。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域幅を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。なお、上り及び下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限られない。
無線通信システム1では、下りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、下りL1/L2制御チャネルなどが用いられる。PDSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報、所定のSIB(System Information Block)が伝送される。また、PBCHにより、MIB(Master Information Block)などが伝送される。
下りL1/L2制御チャネルは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel)、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)などを含む。PDCCHにより、PDSCH及びPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)などが伝送される。PCFICHにより、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICHにより、PUSCHに対するHARQの送達確認信号(ACK/NACK)が伝送される。EPDCCHは、PDSCH(下り共有データチャネル)と周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCIなどを伝送するために用いられてもよい。
また、下りリンクの参照信号として、セル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)、チャネル状態測定用参照信号(CSI−RS:Channel State Information-Reference Signal)、復調用に利用されるユーザ固有参照信号(DM−RS:Demodulation Reference Signal)などを含む。
無線通信システム1では、上りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)などが用いられる。PUSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報が伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)、送達確認信号(HARQ-ACK)などが伝送される。PRACHにより、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブル(RAプリアンブル)が伝送される。
<無線基地局>
図11は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。無線基地局10は、複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106と、を備えている。なお、送受信部103は、送信部及び受信部で構成される。
下りリンクにより無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
ベースバンド信号処理部104では、ユーザデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御等のRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(例えば、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の送信処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理等の送信処理が行われて各送受信部103に転送される。また、下り制御信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われて、各送受信部103に転送される。
各送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102により増幅され、送受信アンテナ101から送信される。
一方、上り信号については、各送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がそれぞれアンプ部102で増幅される。各送受信部103はアンプ部102で増幅された上り信号を受信する。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
例えば、送受信部(送信部)103は、DLデータ(例えば、PUSCH及び/又はPDCCH/EPDCCH)と測定用信号(例えば、DRS)をリスニング結果に基づいてユーザ端末に送信することができる。また、送受信部(送信部)103は、DLデータ送信前に行うリスニングが制限される期間(Frozen window)及び/又はDLデータ送信が制限される期間に関する情報をユーザ端末に送信することができる。また、送受信部(送信部)103は、DMTCに関する情報をユーザ端末に送信することができる。なお、送受信部103は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置とすることができる。
ベースバンド信号処理部104では、入力された上り信号に含まれるユーザデータに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ、PDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放等の呼処理や、無線基地局10の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
伝送路インターフェース106は、所定のインターフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。また、伝送路インターフェース106は、基地局間インターフェース(例えば、光ファイバ、X2インターフェース)を介して隣接無線基地局10と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。
図12は、本実施形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。なお、図12では、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図12に示すように、ベースバンド信号処理部104は、制御部(スケジューラ)301と、送信信号生成部(生成部)302と、マッピング部303と、受信信号処理部304と、測定部305と、を備えている。
制御部(スケジューラ)301は、PDSCHで送信される下りデータ、PDCCH及び/又はEPDCCHで伝送される下り制御情報のスケジューリング(例えば、リソース割当て/マッピング等)を制御する。また、システム情報、同期信号、ページング情報、CRS、CSI−RS、ディスカバリ信号等のスケジューリング(例えば、リソース割当て/マッピング等)の制御も行う。
制御部301は、各ユーザ端末から送信されるPUSCHで送信される上りデータ信号、PUCCH及び/又はPUSCHで送信される上り制御信号、PRACHで送信されるランダムアクセスプリアンブル、上り参照信号等のスケジューリングを制御する。
また、制御部301は、信号の送信前に行うリスニング結果に基づいてDLデータとDRSの送信を制御し、当該DLデータ送信前に行うリスニングと、測定用信号の送信前に行うリスニングに対して異なる条件(リスニング動作、送信期間の制限等)を適用することができる。
例えば、制御部301は、DLデータ送信用のリスニングに初期CCA及び/又はCWの変更動作を適用し、DRS送信用のリスニングに初期CCA及び/又はCWの変更動作を適用しないように制御することができる(図3参照)。また、制御部301は、DRS送信用のリスニングにおいてバックオフカウンタ値を0に固定して設定することができる(図4参照)。
例えば、制御部301は、DRS送信用のリスニングを、あらかじめ設定された所定期間(アクティブウィンドウ)の範囲内で行うように制御することができる(図5参照)。所定期間は、DRSの送信候補期間(DMTC)と同じ期間、又はDRSの送信候補期間(DMTC)より開始点及び/又は終了点を時間方向において所定値だけ前にシフトした期間とすることができる。また、制御部301は、所定期間の範囲で行った測定用信号用のリスニング終了時点のバックオフカウンタ値を、次の所定期間の範囲(開始時)における測定用信号用のリスニングに適用することができる。
また、制御部301は、DRSの送信を行う期間、DRSの送信候補期間(DMTC)の全期間、及びDRSの送信候補期間の一部の期間の少なくとも一つにおいて、DLデータ送信前に行うリスニングを行わないように制御する(図6参照)。また、制御部301は、DRSの送信を行う期間、DRSの送信候補期間(DMTC)の全期間、及びDRSの送信候補期間の一部の期間の少なくとも一つにおいて、DLデータ送信を行わないように制御する(図7、図8参照)。
なお、制御部301は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置とすることができる。
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、DL信号を生成して、マッピング部303に出力する。例えば、送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、下り信号の割当て情報を通知するDLアサインメント及び上り信号の割当て情報を通知するULグラントを生成する。なお、送信信号生成部302は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置とすることができる。
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、送信信号生成部302で生成された下り信号(例えば、同期信号、セル固有参照信号、チャネル状態を測定する参照信号を含むディスカバリ信号等)を、所定の無線リソースにマッピングして、送受信部103に出力する。なお、マッピング部303は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置とすることができる。
受信信号処理部304は、ユーザ端末から送信されるUL信号(例えば、送達確認信号(HARQ−ACK)、PUSCHで送信されたデータ信号等)に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。処理結果は、制御部301に出力される。受信信号処理部304は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。
測定部305は、受信した信号を用いて受信電力(例えば、RSRP(Reference Signal Received Power))、受信品質(RSRQ(Reference Signal Received Quality))やチャネル状態などについて測定することができる。また、測定部305は、アンライセンスバンドにおけるDL信号(DLデータ、DRS等)の送信前に行うリスニングにおいて、他システム等から送信される信号の受信電力を測定することができる。測定部305で測定した結果は、制御部301に出力される。制御部301は測定部305の測定結果(リスニング結果)に基づいて、DL信号の送信を制御することができる。
測定部305は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
<ユーザ端末>
図13は、本実施形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。なお、送受信部203は、送信部及び受信部から構成されてもよい。
複数の送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、それぞれアンプ部202で増幅される。各送受信部203はアンプ部202で増幅された下り信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。
送受信部(受信部)203は、無線基地局がリスニング結果に基づいて送信するDLデータとDRSを受信する。また、送受信部(受信部)203は、DLデータ送信前に行うリスニングが制限される期間(Frozen window)及び/又はDLデータ送信が制限される期間に関する情報を受信することができる。なお、送受信部203は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置とすることができる。
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などを行う。下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。また、下りリンクのデータのうち、報知情報もアプリケーション部205に転送される。
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御の送信処理(例えば、HARQの送信処理)や、チャネル符号化、プリコーディング、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理、IFFT処理などが行われて各送受信部203に転送される。送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202により増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
図14は、本実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。なお、図14においては、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図14に示すように、ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、制御部401と、送信信号生成部402と、マッピング部403と、受信信号処理部404と、測定部405と、を備えている。
制御部401は、送信信号生成部402、マッピング部403及び受信信号処理部404の制御を行うことができる。例えば、制御部401は、無線基地局10から送信された下り制御信号(PDCCH/EPDCCHで送信された信号)及び下りデータ信号(PDSCHで送信された信号)を、受信信号処理部404から取得する。制御部401は、下り制御情報(ULグラント)や、下りデータに対する再送制御の要否を判定した結果等に基づいて、上り制御信号(例えば、HARQ−ACK等)や上りデータの生成/送信(UL送信)を制御する。また、制御部401は、リスニング(UL−LBT)結果に基づいてUL信号の送信を制御する。
また、制御部401は、DLデータ送信前に行うリスニングが制限される期間(Frozen window)及び/又はDLデータ送信が制限される期間に関する情報に基づいてDLデータの受信処理(例えば、モニタリングするタイミング等)を制御することができる。なお、制御部401は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置とすることができる。
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、UL信号を生成して、マッピング部403に出力する。例えば、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、DL信号に対応する送達確認信号(HARQ−ACK)やチャネル状態情報(CSI)等の上り制御信号を生成する。
また、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて上りデータ信号を生成する。例えば、送信信号生成部402は、無線基地局10から通知される下り制御信号にULグラントが含まれている場合に、制御部401から上りデータ信号の生成を指示される。送信信号生成部402は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置とすることができる。
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、送信信号生成部402で生成された上り信号(上り制御信号及び/又は上りデータ)を無線リソースにマッピングして、送受信部203へ出力する。マッピング部403は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置とすることができる。
受信信号処理部404は、DL信号(例えば、無線基地局からPDCCH/EPDCCHで送信される下り制御信号、PDSCHで送信される下りデータ信号等)に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号等)を行う。受信信号処理部404は、無線基地局10から受信した情報を、制御部401、測定部405に出力する。なお、受信信号処理部404は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。また、受信信号処理部404は、本発明に係る受信部を構成することができる。
また、測定部405は、受信した信号を用いて受信電力(例えば、RSRP(Reference Signal Received Power))、受信品質(RSRQ(Reference Signal Received Quality))やチャネル状態などについて測定してもよい。また、測定部405は、アンライセンスバンドにおけるUL信号の送信前に行うリスニングにおいて、他システム等から送信される信号の受信電力を測定することができる。測定部405で測定した結果は、制御部401に出力される。制御部401は測定部405の測定結果(リスニング結果)に基づいて、UL信号の送信を制御することができる。
測定部405は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的に分離した2つ以上の装置を有線又は無線で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
例えば、無線基地局10やユーザ端末20の各機能の一部又は全ては、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを用いて実現されても良い。また、無線基地局10やユーザ端末20は、プロセッサ(CPU:Central Processing Unit)と、ネットワーク接続用の通信インターフェースと、メモリと、プログラムを保持したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体と、を含むコンピュータ装置によって実現されてもよい。つまり、本発明の一実施形態に係る無線基地局、ユーザ端末などは、本発明に係る無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
ここで、プロセッサやメモリなどは情報を通信するためのバスで接続される。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、CD−ROM(Compact Disc−ROM)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクなどの記憶媒体である。また、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。また、無線基地局10やユーザ端末20は、入力キーなどの入力装置や、ディスプレイなどの出力装置を含んでいてもよい。
無線基地局10及びユーザ端末20の機能構成は、上述のハードウェアによって実現されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実現されてもよいし、両者の組み合わせによって実現されてもよい。プロセッサは、オペレーティングシステムを動作させてユーザ端末の全体を制御する。また、プロセッサは、記憶媒体からプログラム、ソフトウェアモジュールやデータをメモリに読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。
ここで、当該プログラムは、上記の各実施形態で説明した各動作を、コンピュータに実行させるプログラムであれば良い。例えば、ユーザ端末20の制御部401は、メモリに格納され、プロセッサで動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC)は、キャリア周波数、セルなどと呼ばれてもよい。
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスで指示されるものであってもよい。
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって)行われてもよい。
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRCConnectionSetup)メッセージ、RRC接続再構成(RRCConnectionReconfiguration)メッセージなどであってもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。