JP2017175392A - 水晶振動板 - Google Patents

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幸田 直樹
Naoki Koda
直樹 幸田
宏樹 吉岡
Hiroki Yoshioka
宏樹 吉岡
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Abstract

【課題】水晶振動板の振動を阻害せずに、空間ギャップ量のバラツキが生じにくい水晶振動板を提供する。【解決手段】水晶振動板1の各主面の振動領域の外部で水晶振動板の主面に密着して形成されるとともに、振動領域1aの近傍で励振電極2〜よりも厚肉の厚肉部21〜を有する各主面の引出電極4〜と、引出電極の厚肉部で接合されるとともに、振動領域で水晶振動板の各主面から一定の間隔で離隔して形成される各主面の励振電極とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は厚みすべり振動してなる水晶振動板に関する。
現在、気密封止を必要とする水晶振動デバイスとして、例えば、水晶振動子、水晶フィルタ、水晶発振器等が挙げられる。この種の水晶振動デバイスで厚みすべり振動してなる水晶振動子では、水晶振動板と、水晶振動板の両主面の上面に形成された励振電極を有しており、水晶振動板を挟んだ状態で対向配置された異極の励振電極に対して電荷が加わると、対向配置された励振電極の形成部分を中心として厚みすべり振動してなる振動領域が構成される。
このような水晶振動子では、水晶振動板の主面上に直接励振電極が形成されているため、次のような問題点を避けられない事情があった。
振動領域における水晶振動板の母材のみによって励起される厚みすべり振動に対して、励振電極の電極材料が錘となって振動を抑制する方向に作用する。
電極材料の酸化など時間の経過とともに励振電極の膜状態が変化することで、励振電極の重さにも変化が生じるようになり、厚みすべり振動の周波数変動にも経時的な変化を生じてしまう。
水晶振動板と励振電極との密着性を考慮した電極材料の膜構成の設計が必要不可欠となる。特に、少なくとも水晶との密着性が高い電極材料からなる下地電極層と、導電性の高い電極材料からなる主電極層との多層構成とする必要があるため、膜構成の設計に伴う製造上の条件管理や膜厚のコントロールなどが単層の膜構成に比べて複雑で製造難易度が高まってしまう。
励振電極が水晶振動板の主面上に直接形成された振動領域では、水晶振動板や励振電極による個別の要素だけでなく、これらを組み合わせた複合的な要素によっても周波数温度特性が変化する。このため、これらの各要素が原因となる周波数温度特性の変化を見極め、各要素による製造条件などの見直しを行い、周波数温度特性を改善していくことが困難となり、特性改善の難易度が高まってしまう。
このような問題点を解決するため、特許文献1の水晶振動デバイスでは、水晶振動板とこの水晶振動板から所定の隙間を介して対向配置された基板とを有しており、対向配置された基板のそれぞれに励振電極が対向して形成された、いわゆる空間電界方式の水晶振動デバイスが提案されている。
特開平7−115341号公報
ところで、この上記した特許文献1の水晶振動デバイスでは、水晶振動板の両主面側に配置された基板の配置状態により、空間ギャップ量のバラツキが生じやすい。空間ギャップ量のバラツキが生じると、直列共振抵抗値への影響が非常に大きくなり、直列共振抵抗値が高くなる。このような空間ギャップ量は、水晶振動板と基板との接合材料の状態、水晶振動場と基板の面状態(平坦度や平行度)やその傾き、励振電極の電極材料の膜形成状態などにより大きく左右されることになる。このため、水晶振動板と基板とを用いる空間電界方式の水晶振動デバイスでは、空間ギャップ量のバラツキの影響が大きく、特性の不安定なりやすい。
そこで、上記課題を解決するために、本発明は、水晶振動板の振動を阻害せずに、空間ギャップ量のバラツキが生じにくい水晶振動板を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、一主面と他主面とを有する厚みすべり振動してなる水晶振動板であって、上記水晶振動板の両主面で対向する励振電極が配置され、上記励振電極を水晶振動板の各主面の端部へと延出する引出電極が具備されており、上記水晶振動板の一主面に密着して形成されるとともに、少なくとも上記励振電極の近傍で上記励振電極よりも厚肉の厚肉部を有する第1引出電極と、上記第1引出電極の厚肉部で接合されて保持されるとともに、上記水晶振動板の一主面から一定の間隔で離隔して形成される第1励振電極と、上記水晶振動板の他主面に密着して形成されるとともに、少なくとも上記励振電極の近傍で上記励振電極よりも厚肉の厚肉部を有する第2引出電極と、上記第2引出電極の厚肉部で接合されて保持されるとともに、上記水晶振動板の他主面から一定の間隔で離隔して形成される第2励振電極とを有する。
本発明の構成によれば、水晶振動板の各主面に密着して厚肉部を有する引出電極が形成されるとともに、この肉厚部で接合され保持されることで水晶振動板の各主面から一定の間隔で離隔して形成される励振電極が形成されている。このため、基板などの第3部材を介在することなく水晶振動板との空間ギャップ量を引出電極の厚肉部の厚みと励振電極の厚みとの差のみにより設定することができる。つまり、第3部材との接合状態や面状態などに左右されることなく、電極材料のみにより空間ギャップ量が設定できるため、空間ギャップ量のバラツキが生じにくくなる。その結果、直列共振抵抗値への悪影響も小さくなり、直列共振抵抗値特性が大幅に改善され安定する。
また、水晶振動板の各主面から一定の間隔で離隔して形成される励振電極が形成されているため、励振電極の電極材料が錘となって水晶振動板の厚みすべり振動を抑制することがない。励振電極の電極材料の酸化などが生じて時間経過とともに励振電極の膜状態が変化したとしても、厚みすべり振動の周波数変動にも経時的な変化を生じることもない。複数の構成部材によることなく、水晶振動板の母材の要素のみを考慮することで、周波数温度特性などの改善が行えるため、より正確で精度の高いものとできる。
以上により、従来に比べてより電気的特性の優れた信頼性の高い空間電界方式の水晶振動板を提供することができる。
また、上述の構成に加えて、上記水晶振動板は、上記水晶振動板の一主面に密着して形成されるとともに、上記励振電極の近傍で第1励振電極よりも厚肉の厚肉部を有し、当該肉厚部で第1励振電極の端部の一部を接合して第1励振電極を保持する第1補助電極と、上記水晶振動板の他主面に密着して形成されるとともに、上記励振電極の近傍で第2励振電極よりも厚肉の厚肉部を有し、当該肉厚部で第2励振電極の端部の一部を接合して第1励振電極を保持する第2補助電極とを有してもよい。
本発明の構成によれば、上述の作用効果に加えて、水晶振動板の各主面に密着して厚肉部を有する補助電極が形成されるとともに、この肉厚部で各主面の励振電極の端部が上記各主面に形成された引出電極以外の部分で接合され保持される。つまり、各主面の励振電極の端部が引出電極と補助電極の少なくとも2点以上の部分で支えることができるため、より安定した状態で水晶振動板の各主面から一定の間隔で離隔して励振電極が形成できる。このため、耐衝撃性能が高まり、外部からの衝撃によりギャップ量が変化することが抑えられる。
本発明によれば、水晶振動板の振動を阻害せずに、空間ギャップ量のバラツキが生じにくい水晶振動板を提供することができる。
本発明の実施形態にかかる水晶振動板の概略構成を示した上面側の斜視図である。 図1の下面側の斜視図である。 図1と図2のA−A線に沿った断面図である。 本発明の実施形態の変形例を示した断面図である。 本発明の実施形態にかかる水晶振動板の製造工程を示した模式図である。 本発明の実施形態にかかる水晶振動板の製造工程を示した模式図である。 本発明の実施形態にかかる水晶振動板の製造工程を示した模式図である。 本発明の実施形態にかかる水晶振動板の製造工程を示した模式図である。 本発明の他の実施形態にかかる水晶振動板の概略構成を示した上面側の斜視図である。 図9の下面側の斜視図である。 図9のB−B線に沿った断面図である。 図10のC−C線に沿った断面図である。 本発明の他の実施形態を示した平面図である。
以下、本発明の実施形態について、水晶振動デバイスとして水晶振動子を例に挙げ、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態による水晶振動板の上面側の斜視図であり、図2は図1の下面側の斜視図であり、図3は図1と図2のA−A線に沿った断面図である。
本実施形態において、水晶振動板1は厚みすべり振動してなる平面視矩形状のATカット水晶振動板であり、表面(一主面)11と裏面(他主面)12とにそれぞれ各種電極が配置された水晶振動子である。本形態では、例えば、水晶振動板1はX軸が長辺で、Z′軸が短辺になるよう設定している。
水晶振動板1の表面の中央部分には、平面視略方形状の第1励振電極2が配置され、水晶振動板1の裏面の中央部分には、平面視略方形状の第2励振電極3が配置され、第1励振電極2と第2励振電極3とが対向した状態で配置されている。本形態では、例えば、第1励振電極2と第2励振電極3とは同形状で同一面積に構成されており、かつ水晶振動板1を介して正対向して形成されている平面視略方形状の部分を振動領域1aとし、この平面視略方形状の振動領域1aの外側を周辺領域(振動領域の外部)1bとして想定している。
第1励振電極2は当該第1励振電極2の端部から水晶振動板1の表面11の端部の一部へと延出する第1引出電極4と接続され、第2励振電極3は当該第2励振電極3の端部から水晶振動板1の裏面12の端部の一部へと延出する第2引出電極5と接続されている。
より具体的には、第1引出電極4は水晶振動板1のX軸方向の一端部側13でZ′軸方向の一端の隅部15から当該隅部15に最も近接する第1励振電極2の角部21へと延出するように構成されている。第2引出電極5は水晶振動板1のX軸方向の他端部側14でZ′軸方向の他端の隅部17から当該隅部17に最も近接する第2励振電極3の角部33へと延出するように構成されている。
なお、これらの第1励振電極2、第2励振電極3、第1引出電極4、第2引出電極5は、例えばニッケルやクロムなどの下地層の上部に、金などの導電層が形成された積層構成であり、真空蒸着法やスパッタリング法により構成されるが、当該金属材料のみに限定されるものではない。
本発明では、上記各種電極のみにより空間ギャップを構成していることに特徴があり、以下各種電極の構造の詳細について説明する。第1引出電極4は、水晶振動板の表面の周辺領域1bのみに形成されており、水晶振動板の表面11に密着して形成されている。本形態では、第1引出電極4は、例えば、水晶振動板1の表面11の隅部15から振動領域1aの角部11a(後述する第1励振電極2の角部21と平面視重畳する位置)へと帯状に形成されており、第1引出電極4のうち振動領域1aの角部11aの近傍した部分のみが、後述する第1励振電極2よりも厚肉の厚肉部41を有している。
第1励振電極2は、第1引出電極4の厚肉部41より薄肉に形成されており、第1引出電極4の厚肉部41の上面と第1励振電極2の角部21の上面とが同一面となるような位置でお互いに接合されている。このため、第1励振電極2は、第1引出電極4の厚肉部41に保持され、水晶振動板の表面11の振動領域1aのみで水晶振動板の表面11から一定の間隔G1で離隔した状態で形成されている。なお、間隔G1については、5μm以下に設定しており、より好ましくは0.5〜2μm程度に設定することで直列共振抵抗値を劣化させず、振動特性を妨げない。このため、励振電極の厚みと引出電極の厚肉部の厚みの差は0.5〜5μm程度に設定するとよい。また、第1励振電極2は振動領域1aのみで配置するものに限らず、振動領域1aから多少はみ出して形成したものであってもよい。第1引出電極4は周辺領域1bのみに配置したものに限らず、振動領域1aに多少入り込んで形成したものであってもよい。
第2引出電極5は、水晶振動板の裏面の周辺領域1bのみに形成されており、水晶振動板の裏面12に密着して形成されている。本形態では、第2引出電極5は、例えば、水晶振動板1の裏面12の隅部17から振動領域1aの角部13a(後述する第2励振電極3の角部33と平面視重畳する位置)へと帯状に形成されており、第2引出電極5のうち振動領域1aの角部13aの近傍した部分のみが、後述する第2励振電極3よりも厚肉の厚肉部51を有している。
第2励振電極3は、第2引出電極5の厚肉部51より薄肉に形成されており、第2引出電極5の厚肉部51の上面と第2励振電極3の角部31の上面とが同一面となるような位置でお互いに接合されている。このため、第2励振電極3は、第2引出電極5の厚肉部51に保持され、水晶振動板の裏面12の振動領域1aのみで水晶振動板の裏面12から一定の間隔G2で離隔した状態で形成されている。なお、間隔G2については、5μm以下に設定しており、より好ましくは0.5〜2μm程度に設定することで直列共振抵抗値を劣化させず、振動特性を妨げない。このため、励振電極の厚みと引出電極の厚肉部の厚みの差は0.5〜5μm程度に設定するとよい。また、第2励振電極3は振動領域1aのみで配置するものに限らず、振動領域1aから多少はみ出して形成したものであってもよい。第2引出電極5は周辺領域1bのみに配置したものに限らず、振動領域1aに多少入り込んで形成したものであってもよい。
なお、上記各引出電極の厚肉部41,51の領域設定は振動領域1aの近傍領域のみに形成したものに限らない。例えば、上記各引出電極の全体の厚みを後述する各励振電極の厚みよりも厚肉とする構成であってもよい。
以上のように構成された水晶振動板1は、図示しないセラミックベースなどのパッケージへ収納するとともに、パッケージ内に支持状態で搭載され、導電性樹脂接着剤や金属バンプ・めっきバンプなどの導電性接合材により、電気的機械的接合される。
そして所定の加熱などによる安定化処理を行った後、図示しない蓋体にてパッケージの開口部をシーム接合やビーム接合、ろう接合、ガラス封止などの手段により、気密封止を行うことで水晶振動デバイスとしての水晶振動子の完成となる。
なお、上記本発明の実施形態では、直方体形状の水晶振動板1を例にして説明しているが、これらの形状に限らず、図4に示すような構成であってもよい。図4の(a)は、断面プラノコンベックス形状の水晶振動板101に適用したものである。図4の(b)は、断面バイコンベックス形状の水晶振動板102に適用したものである。図4の(c)は、断面プラノ逆メサ形状の水晶振動板103に適用したものである。図4の(d)は、断面バイ逆メサ形状の水晶振動板104に適用したものである。図4の(e)は、断面プラノメサ形状の水晶振動板105に適用したものである。図4の(f)は、断面バイメサ形状の水晶振動板106に適用したものである。本発明の実施形態では、上述のように振動領域1aに平面だけでなく、曲面や段差を有する様々な断面形状を有する水晶振動板に対しても有効に構成することができ適用が可能である。
次に上記本発明の実施にかかる水晶振動板1の製造方法について図5乃至図8を参照しながら説明する。
−振動領域の設定工程−
図5に示すように、厚みすべり振動してなる平面視矩形状のATカットの水晶振動板1を準備し、水晶振動板1の表裏面の中央部分に後述する第1励振電極2と第2励振電極3とが対向して配置される領域を考慮して、水晶振動板1の表裏面で中央部分に平面視略方形状の振動領域1aを設定し、この振動領域1aの外側を周辺領域1bとして設定する。なお、本発明の実施形態では、単板の水晶振動板1を準備したものを説明しているが、ウェハ状態のものを準備し、後の工程で分割して個々の単板を得るものであってもよい。
−振動領域の段差部の形成工程−
図6に示すように、水晶振動板1の表裏面で中央部分に設定した振動領域1aの上面に対して、スパッタ法あるいは蒸着法などにより、銅などのシード層S1,S2を形成する。その後、シード層S1,S2の上面に対して、電解メッキ法などにより、シード層S1,S2と同材質からなる銅などの犠牲層T1,T2を形成する。これにより、水晶振動板1の振動領域1aには、その表裏面の主面形状に対応したシード層S1,S2と犠牲層T1,T2からなる平面視略矩形状の段差部11A,12Aを形成する。
−各種電極の形成工程−
図7に示すように、振動領域1aに段差部11A,12Aが形成された水晶振動板1の上面に対して、スパッタ法あるいは蒸着法などにより、表面側に第1励振電極2と第1引出電極4、裏面側に第2励振電極3と第2引出電極5とを形成する。これらの電極は、例えばニッケルなどの下地層の上部に、金などの導電層が形成された積層構成となる。
具体的には、水晶振動板の表面側の段差部11Aの上面に密着した状態で、段差部11Aの上面領域のみに第1励振電極2を形成する。そして、第1励振電極と接合されるとともに水晶振動板1の表面11の周辺領域1bのみに形成され、段差部11Aの端部111A(振動領域1aの角部11a、第1励振電極2の角部21と平面視重畳する位置)から水晶振動板1の表面11の隅部15にかけて帯状の第1引出電極4を水晶振動板1の表面11に密着した状態で形成する。このとき、第1引出電極4のうち、段差部11Aの上部から段差部11Aの側端部を経由して水晶振動板1の表面11に形成された部分が少なくとも振動領域1aの近傍した第1励振電極2よりも厚肉の厚肉部41を構成する。
また、水晶振動板の裏面側の段差部12Aの上面に密着した状態で、段差部12Aの上面領域のみに第2励振電極3を形成する。そして、第2励振電極と接合されるとともに水晶振動板1の裏面12の周辺領域1bのみに形成され、段差部12Aの端部121A(振動領域1aの角部13a、第2励振電極3の角部33と平面視重畳する位置)から水晶振動板1の裏面12の隅部17にかけて帯状の第2引出電極5を水晶振動板1の表面12に密着した状態で形成する。このとき、第2引出電極5のうち、段差部12Aの上部から段差部12Aの側端部を経由して水晶振動板1の表面12に形成された部分が少なくとも振動領域1aの近傍した第2励振電極3よりも厚肉の厚肉部51を構成する。
−振動領域の段差部の除去工程−
以上のように構成された水晶振動板1に対して、メタルエッチング法などにより、水晶振動板1の表裏面の振動領域1aに形成されたシード層S1,S2と犠牲層T1,T2からなる平面視略矩形状の段差部11A,12Aをのみ除去する。具体的には、各種電極のニッケルや金を溶融させず、銅のみを溶融させるアンモニア銅錯塩等の湿式メタルエッチング液に浸漬することで、シード層S1,S2と犠牲層T1,T2のみを除去することができる。
その結果、図8に示すように、第1引出電極4は、水晶振動板1の表面11の周辺領域1bのみに形成され、振動領域1aに近接する部分で厚肉部41を有するとともに水晶振動板1の表面11に密着して形成される。第1励振電極2は、水晶振動板1の表面11の振動領域1aのみに形成され、第1引出電極4の厚肉部41の上部で接合されるとともに水晶振動板1の表面11の振動領域1aから一定の間隔G1(上記段差部11Aの厚みに相当)で離隔して形成される。
第2引出電極5は、水晶振動板1の裏面12の周辺領域1bのみに形成され、振動領域1aに近接する部分で厚肉部51を有するとともに水晶振動板1の裏面12に密着して形成される。第2励振電極3は、水晶振動板1の裏面12の振動領域1aのみに形成され、第2引出電極5の厚肉部51の上部で接合されるとともに水晶振動板1の裏面12の振動領域1aから一定の間隔G2(上記段差部11Aの厚みに相当)で離隔して形成される。
なお、上記各間隔(G1,G2)を構成していた各段差部(11A,12a)は、振動領域1aの上面に沿って形成されたものであるため、各段差部(11A,12a)の上面に形成される各励振電極(第1励振電極2,第2励振電極3)も水晶振動板の振動領域1aの上面に沿って形成することができる。つまり、本形態による製造方法では、水晶振動板の振動領域1aの主面状態に対応して形成することができるため、例えば、図4(a)や図4(b)等に示される曲面を有する主面状態の水晶振動板であったとしても有効に形成することができる。
本発明の実施形態による水晶振動板1では、基板などの第3部材を介在することなく水晶振動板1の各主面(表面11と裏面12)と各励振電極(第1励振電極2と第2励振電極3)との空間ギャップ量(一定の間隔G1、G2)を各引出電極(第1引出電極4と第2引出電極5)の各厚肉部41,51の厚みと各励振電極の厚みとの差のみにより容易に設定できる。つまり、第3部材との接合状態や面状態などが左右されることなく、各種電極のみにより空間ギャップ量が設定できるため、空間ギャップ量のバラツキが生じにくくなる。直列共振抵抗値への悪影響も小さくなり、直列共振抵抗値特性が大幅に改善され安定する。
また、水晶振動板1の各主面(表面11と裏面12)の振動領域1aから一定の間隔G1,G2で離隔して形成される各励振電極(第1励振電極2と第2励振電極3)が形成されているため、各励振電極(第1励振電極2と第2励振電極3)の電極材料が錘となって水晶振動板1の厚みすべり振動を抑制することがない。各励振電極(第1励振電極2と第2励振電極3)の電極材料の酸化などが生じて時間経過とともに各励振電極(第1励振電極2と第2励振電極3)の膜状態が変化したとしても、厚みすべり振動の周波数変動にも経時的な変化を生じることもない。水晶振動板1の母材の要素のみを考慮することで、周波数温度特性などの改善が行えるため、より正確で精度の高いものとできる。以上により、従来に比べてより電気的特性の優れた信頼性の高い空間電界方式の水晶振動板1を提供することができる。
次に、本発明の他の実施形態について、水晶振動デバイスとして水晶振動子を例に挙げ、図面を参照しながら説明する。図9は本発明の他の実施形態による水晶振動板の上面側の斜視図であり、図10は図9の下面側の斜視図であり、図11は図9のB−B線に沿った断面図であり、図12は図10のC−C線に沿った断面図である。図13は本発明の他の実施形態の変形例を示した平面図である。なお、上記実施形態と同様の部分については、同番号を付しており説明の一部を割愛するとともに相違点を中心に説明する。
第1励振電極2は当該第1励振電極2の端部から水晶振動板1の表面11の端部の一部へと延出する第1引出電極4と接続され、かつ第1引出電極4と対向する位置に配置された第1補助電極6と接続される。第2励振電極3は当該第2励振電極3の端部から水晶振動板1の裏面12の端部の一部へと延出する第2引出電極5と接続され、かつ第2引出電極5と対向する位置に配置された第2補助電極7と接続される。
より具体的には、第1引出電極4は水晶振動板1のX軸方向の一端部側13でZ′軸方向の一端の隅部15から当該隅部15に最も近接する第1励振電極2の角部21へと延出するように構成され、第1補助電極6は水晶振動板1の表面でX軸方向の他端部側14でZ′軸方向の他端の隅部17から当該隅部17に最も近接する第1励振電極2の角部23へと延出するように構成されている。
第2引出電極5は水晶振動板1のX軸方向の一端部側13でZ′軸方向の他端の隅部16から当該隅部16に最も近接する第2励振電極3の角部32へと延出するように構成され、第2補助電極7は水晶振動板1の裏面でX軸方向の他端部側14でZ′軸方向の他端の隅部18から当該隅部18に最も近接する第2励振電極3の角部34へと延出するように構成されている。
なお、第1補助電極6と第2補助電極7とは、各励振電極の角部から水晶振動板の隅部まで延出されているため、これらを引出電極として活用することも可能である。また、上記他の実施形態に限ることなく、第1補助電極6と第2補助電極7とは、各励振電極の角部から水晶振動板の隅部まで延出することなく、振動領域の近傍のみに形成する構成であってもよい。また、本形態では各主面に補助電極を1点だけ形成したものを開示しているが、各励振電極の周囲の端部に複数の補助電極を配置構成してもよい。
本発明では、上記各種電極のみにより空間ギャップを構成していることに特徴があり、以下各種電極の構造の詳細について説明する。第1引出電極4は、水晶振動板の表面の周辺領域1bのみに形成されており、水晶振動板の表面11に密着して形成されている。本形態では、第1引出電極4は、例えば、水晶振動板1の表面11の隅部15から振動領域1aの角部11a(後述する第1励振電極2の角部21と平面視重畳する位置)へと帯状に形成されており、第1引出電極4のうち振動領域1aの角部11aの近傍した部分のみが、後述する第1励振電極2よりも厚肉の厚肉部41を有している。
第1補助電極6は、水晶振動板の表面11の周辺領域1bのみに形成されており、水晶振動板の表面11に密着して形成されている。本形態では、第1補助電極6は、例えば、水晶振動板1の表面11の隅部17から振動領域1aの角部13a(後述する第1励振電極2の角部23と平面視重畳する位置)へと帯状に形成されており、第1補助電極6のうち振動領域1aの角部13aの近傍した部分のみが、後述する第1励振電極2よりも厚肉の厚肉部61を有している。
第1励振電極2は、第1引出電極4の厚肉部41や第1補助電極6の肉厚部61より薄肉に形成されており、第1引出電極4の厚肉部41の上面と第1励振電極2の角部21の上面とが同一面となるような位置でお互いに接合され、第1補助電極6の厚肉部61の上面と第1励振電極2の角部23の上面とが同一面となるような位置でお互いに接合されている。このため、第1励振電極2は、第1補助電極6の厚肉部61に保持され、水晶振動板の表面11の振動領域1aのみで水晶振動板の表面11から一定の間隔G1で離隔した状態で形成されている。なお、間隔G1については、5μm以下に設定しており、より好ましくは0.5〜2μm程度に設定することで直列共振抵抗値を劣化させず、振動特性を妨げない。このため、引出電極の厚肉部および補助電極の厚肉部と励振電極の厚みとの厚みの差は0.5〜5μm程度に設定するとよい。また、第1補助電極6は周辺領域1bのみに配置したものに限らず、振動領域1aに多少入り込んで形成したものであってもよい。
第2引出電極5は、水晶振動板の裏面12の周辺領域1bのみに形成されており、水晶振動板の裏面12に密着して形成されている。本形態では、第2引出電極5は、例えば、水晶振動板1の裏面12の隅部16から振動領域1aの角部12a(後述する第2励振電極3の角部32と平面視重畳する位置)へと帯状に形成されており、第2引出電極5のうち振動領域1aの角部12aの近傍した部分のみが、後述する第2励振電極3よりも厚肉の厚肉部51を有している。
第2補助電極7は、水晶振動板の表面の周辺領域1bのみに形成されており、水晶振動板の裏面12に密着して形成されている。本形態では、第2補助電極7は、例えば、水晶振動板1の裏面12の隅部18から振動領域1aの角部14a(後述する第2励振電極3の角部34と平面視重畳する位置)へと帯状に形成されており、第2補助電極7のうち振動領域1aの角部14aの近傍した部分のみが、後述する第2励振電極3よりも厚肉の厚肉部71を有している。
第2励振電極3は、第2引出電極5の厚肉部51や第2補助電極7の厚肉部71より薄肉に形成されており、第2引出電極5の厚肉部51の上面と第2励振電極3の角部32の上面とが同一面となるような位置でお互いに接合され、第2補助電極7の厚肉部71の上面と第2励振電極3の角部34の上面とが同一面となるような位置でお互いに接合されている。このため、第2補助電極7の厚肉部71に保持され、第2励振電極3は、水晶振動板の裏面12の振動領域1aのみで水晶振動板の裏面12から一定の間隔G2で離隔した状態で形成されている。なお、間隔G2については、5μm以下に設定しており、より好ましくは0.5〜2μm程度に設定することで直列共振抵抗値を劣化させず、振動特性を妨げない。このため、引出電極の厚肉部および補助電極の厚肉部と励振電極の厚みとの厚みの差は0.5〜5μm程度に設定するとよい。また、第2補助電極7は周辺領域1bのみに配置したものに限らず、振動領域1aに多少入り込んで形成したものであってもよい。
本発明の他の実施形態による水晶振動板1では、上記実施形態に加え、水晶振動板1の各主面(表面11と裏面12)に密着して厚肉部61,71を有する各補助電極(第1補助電極6と第2補助電極7)とが形成されるとともに、この肉厚部で各励振電極(第1励振電極2と第2励振電極3)の端部が上記各主面に形成された各引出電極(第1引出電極4と第2引出電極5)以外で接合される。つまり、各主面の励振電極(第1励振電極2と第2励振電極3)の端部が引出電極(第1引出電極4と第2引出電極5)と補助電極(第1補助電極6と第2補助電極7)の少なくとも2点以上の部分で支えることができるため、より安定した状態で水晶振動板の各主面の振動領域1aから一定の間隔で離隔して励振電極(第1励振電極2と第2励振電極3)が形成できる。このため、耐衝撃性能が高まり、外部からの衝撃によりギャップ量が変化することが抑えられる。
なお、上記実施形態に限らず、図13に示すような構成であってもよい。図13の(a)では、上面側のみ図示しているものであるが、各補助電極D3を各引出電極D2の形成されていない各励振電極D1の全ての隅部に形成したものである。また、図中の塗りつぶしの部分は水晶振動板1と密着した各電極の厚肉部を示している。図13の(b)では、上面側のみ図示しているものであるが、各励振電極D1のうち各引出電極D2の形成されていない部分を振動領域1aから外側にはみ出させて形成し、各励振電極のはみ出した領域のうち隅部分のみを略L字状の厚肉部として形成し補助電極の代わりに形成したものである。また、図中の塗りつぶしの部分は水晶振動板1と密着した各電極の厚肉部を示している。これらの実施形態では、各励振電極の周囲により多くの厚肉部が配置されているため、耐衝撃性能がさらに高まる構成となっている。
本発明の実施形態では水晶振動子を例に挙げているが、水晶振動子以外に水晶フィルタや水晶発振器など他の水晶振動デバイスへも適用可能である。
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
水晶振動板および水晶振動デバイスの量産に適用できる。
1 水晶振動板
2 第1励振電極
3 第2励振電極
4 第1引出電極
5 第2引出電極
6 第1補助電極
7 第2補助電極

Claims (2)

  1. 一主面と他主面とを有する厚みすべり振動してなる水晶振動板であって、
    上記水晶振動板の両主面で対向する励振電極が配置され、上記励振電極を水晶振動板の各主面の端部へと延出する引出電極が具備されており、
    上記水晶振動板の一主面に密着して形成されるとともに、少なくとも上記励振電極の近傍で上記励振電極よりも厚肉の厚肉部を有する第1引出電極と、
    上記第1引出電極の厚肉部で接合されて保持されるとともに、上記水晶振動板の一主面から一定の間隔で離隔して形成される第1励振電極と、
    上記水晶振動板の他主面に密着して形成されるとともに、少なくとも上記励振電極の近傍で上記励振電極よりも厚肉の厚肉部を有する第2引出電極と、
    上記第2引出電極の厚肉部で接合されて保持されるとともに、上記水晶振動板の他主面から一定の間隔で離隔して形成される第2励振電極とを有する
    ことを特徴とする水晶振動板。
  2. 上記特許請求項1記載の水晶振動板であって、
    上記水晶振動板の一主面に密着して形成されるとともに、上記励振電極の近傍で第1励振電極よりも厚肉の厚肉部を有し、当該肉厚部で第1励振電極の端部の一部を接合して第1励振電極を保持する第1補助電極と、
    上記水晶振動板の他主面に密着して形成されるとともに、上記励振電極の近傍で第2励振電極よりも厚肉の厚肉部を有し、当該肉厚部で第2励振電極の端部の一部を接合して第1励振電極を保持する第2補助電極とを有する
    ことを特徴とする水晶振動板。
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