JP2017175019A - 太陽電池、及び、太陽電池の製造方法 - Google Patents

太陽電池、及び、太陽電池の製造方法 Download PDF

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麻由美 湯川
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明伸 早川
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Tetsuya Kurebayashi
哲也 榑林
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Abstract

【課題】初期性能、及び、フレキシブル性に優れた太陽電池、及び、その製造方法を提供する。【解決手段】電極が配されたガラス基板、樹脂基板2又は金属箔と、光電変換層6と、前記電極が配されたガラス基板、樹脂基板又は金属箔と、前記光電変換層との間に配置された第1の電子輸送層4とを有し、前記光電変換層がR−M−X3(Rは有機分子、Mは金属、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含み、前記第1の電子輸送層は平均粒子径1〜1000nmの無機酸化物粒子の凝集体であり、前記第1の電子輸送層が、前記電極が配されたガラス基板、樹脂基板又は金属箔と接している太陽電池。【選択図】図1

Description

本発明は、初期性能、及び、フレキシブル性に優れた太陽電池、及び、その製造方法に関する。
化石燃料の枯渇問題や地球温暖化問題を背景に、クリーンエネルギー源としての太陽電池が、近年大変注目されてきており、研究開発が盛んに行なわれるようになってきている。従来、実用化されてきたのは、単結晶Si、多結晶Si、アモルファスSi等に代表されるシリコン系太陽電池であるが、高価であることや原料Siの不足問題等が表面化するにつれて、次世代太陽電池への要求が高まりつつある。
太陽電池においては、ホール輸送層と電子輸送層とを積層した積層体である光電変換層を少なくとも一方を透明電極を用いた二つの電極で挟むことにより光電変換素子とする。また、光電変換層としては積層体の代わりに、ホール輸送層と電子輸送層とを混合して複合化した複合膜を用いることも検討されている。このような光電変換素子では、光励起により光キャリアが生成し、電子が電子輸送層を、ホールがホール輸送層を移動することで、電界が生じる。
現在実用化されている光電変換素子の多くはシリコン等の無機半導体を用いた無機太陽電池であるが、製造コストが高く大型かつリジットであるため利用範囲が限られている。そこで特許文献1に記載のような有機半導体を用いた有機太陽電池に注目が集まるが、光電変換効率が無機太陽電池に比べて劣るものとなっている。
そこで近年、特許文献2又は非特許文献1に記載のような有機無機ハイブリッド半導体と呼ばれる、中心金属に鉛、スズ等を用いたペロブスカイト構造を有する光電変換材料が発見されている。
特開2006−344794号公報 特開2014−72327号公報
M.M.Lee,et al,Science,2012,338,643
有機無機ハイブリッド半導体を光電変換材料として用いることで、初期性能、すなわち、初期の光電変換効率の向上が見込まれる。ところで、特許文献2及び非特許文献1に記載の有機無機ハイブリッド太陽電池には電子輸送層として酸化チタン(TiO)が用いられている。
通常、有機無機ハイブリッド太陽電池に用いられる電子輸送層としてTiOを用いる場合、電子輸送層を形成する方法としては、チタンのアルコキシドやチタンの錯体を塗布し、大気中で焼成することでTiOを形成する方法が一般的にとられており、酸化物を形成するために300℃以上の高温焼成工程が必要となる。
しかしながら、近年、太陽電池の更なるコストダウンのためにニーズが高まっている樹脂基材は一般に耐熱性が低く、300℃以上の高温焼成を有する工程には不向きである。耐熱性の高い金属薄膜基材(例えば、金属箔)であっても、R2R工程において、基材を引っ張りながら高温焼成する際に、基材が膨張したり、伸びたり、金属箔と、金属箔に積層された半導体層等とが剥離したりするという問題がある。このように樹脂基材や金属薄膜基材を用いて300℃以上の高温焼成工程を行うことは困難であるが、樹脂基材や金属薄膜基材を用いることには、コストダウンだけではなく太陽電池のフレキシブル性を高めることができるという利点がある。
また、チタンのアルコキシドやチタンの錯体を塗布し、300℃以下の低温で焼成し、太陽電池を作製した場合、TiOが充分に形成されておらず、高温焼成した場合に比べ、初期性能が低下することがわかった。
本発明は、電極が配されたガラス基板、樹脂基板又は金属箔と、光電変換層と、前記電極が配されたガラス基板、樹脂基板又は金属箔と、前記光電変換層との間に配置された第1の電子輸送層とを有し、前記光電変換層がR−M−X(Rは有機分子、Mは金属、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含み、前記第1の電子輸送層は平均粒子径1〜1000nmの無機酸化物粒子の凝集体であり、前記第1の電子輸送層が、前記電極が配されたガラス基板、樹脂基板又は金属箔と接している太陽電池である。
以下、本発明を詳述する。
本発明者らは、初期性能とフレキシブル性を両立させることを検討した。その結果、光電変換層にR−M−X(Rは有機分子、Mは金属、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を用い、電子輸送層として、平均粒子径1〜1000nmの無機酸化物粒子の凝集体を、電極が配されたガラス基板、樹脂基板又は金属箔上に形成するものとすることにより、優れた初期性能を達成することができること、電極が配された樹脂基板又は金属箔を用いることで優れたフレキシブル性を達成することもできることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の太陽電池は、電極が配されたガラス基板、樹脂基板又は金属箔を有する。なかでも、電極が配された樹脂基板又は金属箔を用いることにより、太陽電池のフレキシブル性を高めることができる。本明細書中、電極が配された金属箔とは、基材である金属箔に別途電極が配されたものであってもよいし、基材である金属箔がそのまま電極としても機能するものであってもよい。上記電極としては、透明電極又は金属電極等が挙げられる。
上記透明電極にはITO、IZO、AZO、GZO、FTO、ATO等の金属酸化物薄膜、TiN、ZrN、HfN等の導電性窒化物薄膜、LaB等の導電性ホウ素化物薄膜等が挙げられる。なかでも、低抵抗性と高い光透過性との観点からITO、IZO、AZO、GZO、FTO又はATOが好ましく、耐熱性の観点からFTO又はATOがより好ましい。
上記ガラス基板は特に限定されず、例えば、ソーダライムガラス、無アルカリガラス等の透明ガラス基板が挙げられる。上記樹脂基板としては、特に限定されないが、PET、PEN、PEEK等の樹脂基板等が挙げられる。
上記金属電極としては特に限定されないが、チタン、アルミニウム、SUS、銅等が挙げられる。なかでも、初期性能の観点から、チタンが好ましい。上記金属電極は、上記金属電極の材料を薄膜としたものであってもよいし、ガラス基板、樹脂基板又は金属箔上にスパッタリング法、蒸着法等によって上記金属電極の材料を積層したものであってもよい。
上記電極が金属電極である場合の基材としては、上記樹脂基板、上記金属箔を用いることができる。上記基材として上記金属箔を用いた場合、上記金属箔は、上記金属電極と同じ材料であってもよく、異なる材料でもよい。
上記金属箔としては、上記金属電極と同様の材料を用いることができる。金属箔を用いる場合は、上記金属箔上に絶縁材料を積層し、更に電極を積層することが好ましい。上記構成にすることで、太陽電池の性能を向上させることができる。上記絶縁材料としては、絶縁性を有する材料であれば特に限定されず、無機絶縁膜、絶縁樹脂等が挙げられる。上記無機絶縁膜としては、SiOやAl等が挙げられる。上記絶縁樹脂としては、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。なかでも、耐熱性、機械的強度に優れるので、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂がより好ましい。上記絶縁材料の厚さは、下限が500nm、上限は50μmであることが好ましい。
もっとも、上記金属箔を用いる場合には、上記絶縁材料を積層しなくてもよい。上記金属箔をそのまま電極として用いることで、得られる太陽電池はよりフレキシブル性が向上する。
上記電極の膜厚の好ましい下限は10nm、好ましい上限は1000nmである。電極の厚みを上記範囲内にすることにより、電極としての充分な性能を発揮できる。
本発明の太陽電池は、上記電極が配されたガラス基板、樹脂基板又は金属箔と、後述する光電変換層との間に配置された第1の電子輸送層を有する。上記第1の電子輸送層は、平均粒子径1〜1000nmの無機酸化物粒子の凝集体であり、上記第1の電子輸送層は、上記電極が配されたガラス基板、樹脂基板又は金属箔と接している。
本明細書中、無機酸化物粒子の凝集体とは、無機酸化物粒子が集合して形成された集合体又は塊をいう。無機酸化物粒子の凝集体であることは、上記第1の電子輸送層の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)(例えば、JEOL社のFE−TEM(JEM−ARM200F))で観察したときに、無機酸化物粒子同士の境目が存在すること、無機酸化物粒子同士が結合(ネッキング)していること等を確認することで判断することができる。例えば、チタンのアルコキシドやチタンの錯体を塗布し、大気中で焼成することでTiOを形成する方法により作製した電子輸送層には、このような無機酸化物粒子同士の境目、ネッキング等を確認することができない。
上記無機酸化物粒子の平均粒子径は、下限が1nm、上限が1000nmであり、好ましい下限が2nm、好ましい上限が500nmであり、より好ましい上限は100nmである。上記範囲内とすることで、得られる電子輸送層が充分に緻密な膜となり、漏れ電流を抑えることができ、電子と正孔の再結合を防ぐことができ、初期性能が向上する。また、粒子径分布の異なる2種類以上の粒子を混合してもよい。
なお、無機酸化物粒子の平均粒子径は、上記第1の電子輸送層の断面を透過型電子顕微鏡(TEM)(例えば、JEOL社のFE−TEM(JEM−ARM200F))で観察し、WinROOF2013による画像解析によって算出することができる。
上記第1の電子輸送層の細孔分布径は、好ましい下限が1nm、好ましい上限が40nmであり、より好ましい下限が5nm、より好ましい上限が20nmである。上記範囲内とすることで、得られる電子輸送層が充分に緻密な膜となり、漏れ電流を抑えることができ、電子と正孔の再結合を防ぐことができ、初期性能が向上する。
なお、細孔分布径は、上記第1の電子輸送層を剥ぎ取って回収した試料を用いて、液体窒素温度における窒素ガスの吸着等温線を測定して求めることができる。このとき、細孔の形状を円筒形と仮定したBJT法によって、測定された吸着剤の吸着等温線から細孔分布を算出する。測定は、例えば、QUANTA CHROME社製のAUTOSORB−1等を用いて行うことができる。
上記第1の電子輸送層は、上記無機酸化物粒子と、有機溶媒とを含むスラリー(第1のスラリー)を上記電極が配されたガラス基板、樹脂基板又は金属箔上に塗布し、300℃以下で焼成することで得ることができる。焼成温度は80℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましい。
上記第1のスラリーは、上記無機酸化物粒子を含有する。上記無機酸化物粒子としては、電子輸送能がある半導体粒子であれば特に限定されず、例えば、酸化チタン粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化ケイ素粒子、酸化亜鉛粒子等が挙げられる。なかでも、酸化チタン粒子が好ましい。酸化チタンは、バンドギャップが広く、資源も比較的豊富にあるという理由から、好適に使用することができる。
上記酸化チタン粒子としては、例えば、通常ルチル型の酸化チタン粒子、アナターゼ型の酸化チタン粒子、ブルッカイト型の酸化チタン粒子及びこれら結晶性酸化チタンを修飾した酸化チタン粒子等を用いることができる。
上記第1のスラリーにおける無機酸化物粒子の添加量の好ましい下限はスラリー中の0.1重量%、好ましい上限は70重量%である。上記添加量が0.1重量%未満であると、充分な厚みの電子輸送層を得ることができないことがあり、70重量%を超えると、粘度が上昇して平滑に塗布できないことがある。より好ましい下限は0.5重量%、より好ましい上限は50重量%である。
上記有機溶媒は、沸点が50〜300℃であることが好ましい。上記有機溶媒の沸点が50℃未満であると、得られる第1のスラリーは、塗布中に乾燥しやすく、長時間の連続印刷に用いる場合には不具合が生じることがある。上記沸点が300℃を超えると、得られる第1のスラリーは、塗布後の乾燥工程における乾燥性が低下する。なお、上記沸点は、常圧における沸点を意味する。
上記第1のスラリーにおける有機溶媒の含有量の好ましい下限は30重量%、好ましい上限は99.9重量%である。上記有機溶媒の含有量が30重量%未満であると、得られる第1のスラリーは、粘度が高くなり、塗工性が悪くなることがある。上記有機溶媒の含有量が99.9重量%を超えると、得られる第1のスラリーの粘度が低くなりすぎて塗工性が悪くなることがある。より好ましい下限は50重量%である。
上記第1のスラリーには、分散性を向上させるための添加剤が含まれてもよい。上記添加剤としては、エチルセルロースやアクリル樹脂等が挙げられる。上記添加剤の添加量は、上記空隙率を達成できる範囲内であることが好ましい。
上記第1の電子輸送層の製膜方法は特に限定されず、スピンコート法、スクリーン印刷法、スプレーパイロリシス法、エアロゾルデポジション法等により製膜する方法が挙げられる。
また、上記第1の電子輸送層の上に更に細孔分布径の大きい無機酸化物粒子を含む層(第2の電子輸送層と呼び、第1の電子輸送層と第2の電子輸送層とを合わせて電子輸送層と呼ぶ。)が形成されていてもよい。
上記第2の電子輸送層における無機酸化物粒子の平均粒子径は、好ましい下限が5nm、好ましい上限が1000nmであり、より好ましい上限が500nmである。また、粒子径分布の異なる2種類以上の粒子を混合してもよい。
上記第2の電子輸送層は多孔質層であることが好ましい。すなわち、本発明の太陽電池は、上記第1の電子輸送層と多孔質層である上記第2の電子輸送層とを有し、上記第1の電子輸送層が、第2の電子輸送層よりも、上記電極が配されたガラス基板、樹脂基板又は金属箔側に配置されていることが好ましい。
上記第2の電子輸送層が上記多孔質層であることにより、上記多孔質層の細孔に後述する光電変換層及びホール輸送層が浸透する(入り込む)ことができ、各界面の表面積が増加し、生成する電荷量を増加させることができる。
上記第2の電子輸送層の細孔分布径は、好ましい下限が40nm、好ましい上限が500nmであり、より好ましい下限が50nm、より好ましい上限が200nmである。細孔分布径が40nm以上であると、充分な界面面積が確保されるために、生成電荷量が上昇する。細孔分布径が500nm以下であると、上記多孔質層の細孔に後述する光電変換層及びホール輸送層が充分に浸透しやすくなる等の理由により生成電荷量が上昇する。
また、ここにおける細孔とは多孔質層内に孤立したものではなく、膜表面まで三次元的に繋がった構造のことをいう。細孔分布径は上記第1の電子輸送層と同様の方法によって測定できる。
上記多孔質層は、第1の電子輸送層と同様の手法により形成することができる。多孔質層の場合は、上記第1のスラリーに有機バインダを含有させてもよい(第2のスラリーと呼ぶ。)。その場合、上記無機酸化物粒子と上記有機バインダと上記有機溶媒とを含有した第2のスラリーを第1の電子輸送層上に印刷し、上記有機溶媒を揮発させた後、更に焼成処理にて上記有機バインダを消失させる必要がある。
上記有機バインダは特に限定されないが、エチルセルロース又は(メタ)アクリル樹脂を用いるのが好ましい。低温分解性に優れ、低温焼成を行う場合でも有機残渣量が少ないペーストとすることができることから(メタ)アクリル樹脂が特に好ましい。
上記(メタ)アクリル樹脂としては300℃程度の低温で分解するものであれば特に限定されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート及びポリオキシアルキレン構造を有する(メタ)アクリルモノマーからなる群より選択される少なくとも1種を重合してなる重合体が好適に用いられる。ここで、例えば(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。なかでも、少ない樹脂の量で高い粘度を得ることができることから、ガラス転移温度(Tg)が高く、かつ、低温脱脂性に優れるイソブチルメタクリレートの重合体であるポリイソブチルメタクリレートが好適である。また、上記多孔質層の細孔の平均径は上記無機酸化物粒子の粒子径を変えること以外に上記有機バインダの種類又は添加量を変更することによっても調整することが可能である。
上記有機バインダのポリスチレン換算による重量平均分子量の好ましい下限は5000、好ましい上限は500000である。上記重量平均分子量が5000未満であると、充分な粘度を発現することができないために塗布用途に適さないことがあり、500000を超えると、上記第2のスラリーの粘着力が高くなり、延糸が発生したりし、塗工性が低下することがある。上記重量平均分子量のより好ましい上限は100000であり、更に好ましい上限は50000である。なお、ポリスチレン換算による重量平均分子量の測定は、カラムとして例えばカラムLF−804(SHOKO社製)を用いてGPC測定を行うことで得ることができる。
上記第2のスラリーにおける無機酸化物粒子の添加量の好ましい下限はスラリー中の1重量%、好ましい上限は75重量%である。上記添加量が1重量%未満であると、充分な厚みの多孔質層を得ることができないことがあり、75重量%を超えると、粘度が上昇して平滑に塗布できないことがある。より好ましい下限は3重量%、より好ましい上限は50重量%である。更に好ましい上限は35重量%である。
上記第2のスラリーにおける有機溶媒の含有量の好ましい下限は55重量%、好ましい上限は95重量%である。上記有機溶媒の含有量が55重量%未満であると、得られる第2のスラリーは、粘度が高くなり、塗工性が悪くなることがある。上記有機溶媒の含有量が95重量%を超えると、得られる第2のスラリーの粘度が低くなりすぎて塗工性が悪くなることがある。より好ましい下限は60重量%である。
上記第2のスラリーにおける有機バインダの含有量としては特に限定されないが、好ましい下限は1重量%、好ましい上限は50重量%である。上記有機バインダの含有量が1重量%未満であると、第2のスラリーに充分な粘度が得られず、塗工性が低下することがあり、50重量%を超えると、第2のスラリーの粘度、粘着力が高くなりすぎて塗工性が悪くなることがある。
なお、上記有機バインダは、上記無機酸化物粒子よりも少ない含有量であることが好ましい。上記有機バインダが、上記無機酸化物粒子よりも多くなると、焼成後の有機残渣量が多くなることがある。
上記第2のスラリーは、大気雰囲気下において25℃から300℃まで10℃/分の昇温速度で加熱した後の有機バインダ及び有機溶媒の含有量が1重量%以下であることが好ましい。
この場合、上記第2のスラリーは、加熱後の表面不純物が少ないことから、粒子間の結合(ネッキング)が起こりやすく、その結果、粒子間抵抗を低減することが可能となることから、高い初期性能を実現することができる。
上記含有量が1重量%を超えると、無機酸化物粒子表面に不純物が残ってしまうため半導体を良好に積層することができないことがある。なお、上記含有量は、無機酸化物粒子に対する含有量である。
上記第2の電子輸送層には加熱焼成を行うことが好ましい。焼成温度の好ましい下限は50℃、好ましい上限は500℃であり、更に好ましい下限は100℃、更に好ましい上限は300℃である。また、有機バインダの除去及びネッキング性の向上のため、上記第2の電子輸送層に活性エネルギー線を照射してもよい。
上記活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、プラズマ、電子線等が挙げられる。
上記紫外線を照射する場合には、紫外線をその積算光量が100J/cm以上となるように照射することが好ましい。上記積算光量が100J/cm未満であると、有機残渣の除去を充分に行うことができないことがある。上記積算光量のより好ましい下限は150J/cmであり、好ましい上限は10000J/cmである。なお、積算光量は照射強度(mW/cm)×照射時間(秒)にて簡易的に算出することができる。
また、紫外線の照射強度は0.5〜1000mW/cmであることが好ましい。更に、紫外線の照射時間は1秒〜300分間であることが好ましく、1秒〜60分間であることがより好ましい。照射強度が小さすぎたり、照射時間が短すぎたりすると、有機残渣の除去が部分的にしか進行しないため充分な効果を得ることができず、照射強度が大きすぎたり、照射時間が長すぎたりすると、上記電極が配された樹脂基板の紫外線劣化又は熱的劣化を及ぼすことがある。
上記活性エネルギー線を照射する方法としては特に限定されず、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、水銀−キセノンランプ等を用いて紫外線を照射する方法、プラズマ発生装置等を用いてプラズマを照射する方法等が挙げられる。
上記活性エネルギー線を照射する場合には、上記第2の電子輸送層の表側(上記電極が配された樹脂基板と反対側)及び裏側(上記電極が配された樹脂基板側)の両方から活性エネルギー線を照射することが好ましい。これにより、上記第2の電子輸送層の内部まで充分に活性エネルギー線を照射することができる。その結果、少ない積算光量でも充分に、活性エネルギー線照射の効果を得ることができ、製造工程全体の時間短縮に繋げることができる。なお、表側からの照射、及び、裏側からの照射は、同時に行ってもよく、複数回に分けて順次行ってもよい。
上記第2の電子輸送層に活性エネルギー線を照射した後、更に上記第2の電子輸送層にパルス幅の小さいパルス白色光を照射することが好ましい。上記パルス白色光を照射することで、上記無機酸化物粒子間の表面の溶融による緻密化が起こり、その結果、表面抵抗を低下させることができる。
上記パルス白色光は、パルス幅が0.1〜10msであることが好ましい。これにより、瞬間的に強力な光エネルギーを照射することができる。
上記パルス白色光の積算光量としては特に限定されないが、4J/cm以上であることが好ましく、15〜40J/cmであることがより好ましい。これにより、上記無機酸化物粒子間の表面の溶融に充分なエネルギーを加えることができる。上記パルス白色光の照射回数は1〜5回であることが好ましい。
上記パルス白色光を照射する方法としては特に限定されず、例えば、ハロゲンフラッシュランプ、キセノンフラッシュランプ、LEDフラッシュランプ等を用いる方法が挙げられ、特にキセノンフラッシュランプを用いる方法が好ましい。
上記第2のスラリーを製造する方法としては、無機酸化物粒子と、有機バインダと、有機溶媒とを混合する混合工程を有する方法を用いることができる。上記混合の手段としては、例えば、2本ロールミル、3本ロールミル、ビーズミル、ボールミル、ディスパー、プラネタリーミキサー、自転公転式攪拌装置、ニーダー、押し出し機、ミックスローター、スターラー等を用いて混合する方法等が挙げられる。
本発明の太陽電池は、上記電極が配されたガラス基板、樹脂基板又は金属箔と、上記第1の電子輸送層の他に、R−M−X(Rは有機分子、Mは金属、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含む光電変換層を有する。上記電極が配されたガラス基板、樹脂基板又は金属箔、上記電子輸送層、上記光電変換層がこの順で並ぶことが好ましい。このような太陽電池においては、光励起により上記光電変換層で光キャリア(電子−ホール対)が生成し、それら光キャリアが半導体内を移動することで、電界が生じる。
なお、本発明の太陽電池は、上記有機無機ペロブスカイト化合物を含む光電変換層と上記電子輸送層とを含有していればよく、上記電子輸送層及び上記光電変換層が積層体であってもよいし、上記電子輸送層と上記光電変換層とを複合化された複合膜であってもよいが、上記光電変換層の電荷分離効率を向上させることができるため、複合膜のほうが好ましい。上記積層体とは、各層が薄膜状に連なる後述する図1のような構造をいい、上記複合膜とは、後述する図2のように各層が混在している状態の膜をいう。
上記光電変換層は、R−M−X(Rは有機分子、Mは金属、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表されるペロブスカイト構造をとる有機無機ペロブスカイト化合物を含むものである。上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶構造(ペロブスカイト構造)の一例を図3に模式的に示す。詳細は明らかではないが、上記ペロブスカイト構造を有することにより、結晶格子内の八面体の向きが容易に変わることができるため、上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなることから、高い初期性能を実現することができると推定される。
上記有機無機ペロブスカイト化合物のR−M−Xにおいて、RはC(l、m、nはいずれも正の整数)で示される分子であることが好ましい。Rは具体的にはメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、エチルメチルアミン、メチルプロピルアミン、ブチルメチルアミン、メチルペンチルアミン、ヘキシルメチルアミン、エチルプロピルアミン、エチルブチルアミン、イミダゾール、アゾール、ピロール、アジリジン、アジリン、アゼチジン、アゼト、アゾール、イミダゾリン、カルバゾール、メチルカルボキシアミン、エチルカルボキシアミン、プロピルカルボキシアミン、ブチルカルボキシアミン、ペンチルカルボキシアミン、ヘキシルカルボキシアミン、ホルムアミジニウム、グアニジン及びこれらのイオン(例えば、メチルアンモニウム(CHNH)等)、及びフェネチルアンモニウム等が挙げられる。なかでも、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、プロピルカルボキシアミン、ブチルカルボキシアミン、ペンチルカルボキシアミン、ホルムアミジニウム、グアニジン又はこれらのイオンやフェネチルアンモニウムが好ましく、メチルアミン、エチルアミン、ペンチルカルボキシアミン、ホルムアミジニウム、グアニジン又はこれらのイオンがより好ましい。
Mは鉛、スズ、亜鉛、チタン、アンチモン、ビスマス、ニッケル、鉄、コバルト、銀、銅、ガリウム、ゲルマニウム、マグネシウム、カルシウム、インジウム、アルミニウム、マンガン、クロム、モリブデン、ユーロピウム等が挙げられる。なかでも、電子軌道の重なりの観点から鉛、スズが好ましい。これらの金属原子は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子であり、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、硫黄等が挙げられる。これらのハロゲン原子又はカルコゲン原子は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、構造中にハロゲンを含有することで、上記有機無機ペロブスカイト化合物を構成する材料が有機溶媒に可溶になりやすくなり、安価な印刷法等への適用が可能になることから、ハロゲン原子を含むことが好ましい。更に、上記有機無機ペロブスカイト化合物のエネルギーバンドギャップが狭くなることから、ヨウ素を含むことがより好ましい。
上記有機無機ペロブスカイト化合物は、結晶性半導体であることが好ましい。結晶性半導体とはX線散乱強度分布を測定し、散乱ピークが検出できる半導体を意味している。上記有機無機ペロブスカイト化合物が結晶性半導体であることにより上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、初期性能が向上する。
また、結晶化の指標として結晶子サイズを評価することもできる。結晶子サイズとは、X線結晶構造解析により検出された半価幅を用いて、シェラーの式から算出することができる。結晶子サイズが150Å以上であると上記有機無機ペロブスカイト化合物中の電子の移動度が高くなり、初期性能が上昇する。より好ましい結晶子サイズは150Å以上である。また、上記有機無機ペロブスカイト化合物の結晶化度を上げる方法としては熱アニール、レーザー等の強度の強い光の照射、プラズマ照射等の方法が挙げられる。
本発明の太陽電池には、上記の各層の他に、ホール輸送層を設けることがより好ましい。上記ホール輸送層は、上記光電変換層上に設けられていることが好ましい。ホール輸送層の材料は特に限定されず、例えば、スピロビフルオレン骨格、チオフェン骨格、パラフェニレンビニレン骨格、ビニルカルバゾール骨格、アニリン骨格、ポリアセチレン骨格、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格、ペンタセン骨格又はポルフィリン骨格のいずれかを有する有機導電性材料、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化スズ等のP型金属酸化物、硫化モリブデン、硫化タングステン、硫化銅、硫化スズ等のP型金属硫化物、フルオロ基含有ホスホン酸、カルボニル基含有ホスホン酸等の界面活性剤が挙げられる。なかでも、比較的耐久性の高いP型半導体となることから、スピロビフルオレン骨格、チオフェン骨格、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格又はベンゾポルフィリン骨格のいずれかを有する有機導電性材料が好ましい。これら有機導電性材料は低分子でも高分子でもよい。また、上記有機導電性材料はリチウム等のドーパントを含有していてもよい。
本発明の太陽電池は、上記電極が配されたガラス基板、樹脂基板又は金属箔の他に、対向電極を更に有することが好ましい。対向電極の材料は特に限定されず、従来公知の材料を用いることができるが、電極が配された樹脂基板を用いた場合は、対向電極としては、例えば、金、銀、白金等の金属、CuI、ITO、SnO、FTO、AZO、IZO、GZO等の導電性透明材料、導電性透明ポリマー等が挙げられる。また、金属箔を用いた場合は、対向電極として、例えば、CuI、ITO、SnO2、FTO、AZO、IZO、GZO、Agナノワイヤー等の導電性透明材料、導電性透明ポリマー等が挙げられる。これらの材料は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明の太陽電池の一例を図1に模式的に示す。図1に示す太陽電池1は積層体であり、電極(透明電極)3が配された樹脂基板2、第1の電子輸送層4、光電変換層6、ホール輸送層7、対向電極8で構成されており、そのうち第1の電子輸送層4の膜厚の好ましい下限は10nm、好ましい上限は2μmであり、光電変換層6及びホール輸送層7の膜厚の好ましい下限はそれぞれ10nm、好ましい上限はそれぞれ1μmである。上記樹脂基板2と透明電極3とをあわせて金属箔で代替することもできる。
本発明の太陽電池の別の一例を図2に模式的に示す。図2に示す太陽電池1’は複合膜であり、電極(透明電極)3’が配された樹脂基板2’、第1の電子輸送層4’、第2の電子輸送層5、光電変換層6’、ホール輸送層7’、対向電極8’で構成されており、そのうち第2の電子輸送層5と光電変換層6’とホール輸送層7’とが含まれる層の膜厚の好ましい下限は50nm、好ましい上限は5μmである。上記膜厚が50nm以上であると、光を充分に吸収することにより、初期性能が上昇する。また、上記厚みが5μm以下であると、生成した電荷が効率的に電極に回収されやすくなり、このため初期性能が上昇する。第2の電子輸送層5と光電変換層6’とホール輸送層7’とが含まれる層の膜厚のより好ましい下限が100nm、より好ましい上限が2μmである。上記樹脂基板2’と透明電極3’とをあわせて金属箔で代替することもできる。
電極が配されたガラス基板、樹脂基板又は金属箔上に、平均粒子径1〜1000nmの無機酸化物粒子と、有機溶媒とを含む第1のスラリーを塗布して300℃以下で焼成し、上記平均粒子径1〜1000nmの無機酸化物粒子の凝集体である第1の電子輸送層を形成する工程と、上記第1の電子輸送層上に、R−M−X(Rは有機分子、Mは金属、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含む光電変換層を形成する工程と、を有する太陽電池の製造方法もまた、本発明の1つである。
本発明によれば、初期性能、及び、フレキシブル性に優れた太陽電池、及び、その製造方法を提供することができる。
本発明の太陽電池の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の太陽電池の別の一例を模式的に示す断面図である。 有機無機ペロブスカイト化合物(ペロブスカイト構造)の一例を示す模式図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
金属箔としてTi箔を陰極として使用し、純水、アセトン、メタノールをこの順に用いて各10分間超音波洗浄した後、乾燥させた。
金属チタン粉末0.5重量部を過酸化水素水40重量部とアンモニア水10重量部に溶解させ、クエン酸を2重量部添加し、得られた錯体水溶液をオートクレーブに入れ、200℃24時間水熱処理をした後、沈殿物を回収し、酸化チタンナノ粒子を作製した。上記酸化チタンナノ粒子をレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(HORIBA社製)を用いて測定した結果、平均粒子径5nmであった。メタノール5重量部に酸化チタンナノ粒子10重量部を分散させて第1のスラリーを得た後、スピンコート法によりTi箔上に第1のスラリーを塗布した後、200℃で10分間焼成し、第1の電子輸送層を作製した。作製した第1の電子輸送層を剥ぎ取って回収した試料を用いて、液体窒素温度における窒素ガスの吸着等温線を測定した。細孔の形状を円筒形と仮定したBJT法によって、測定された吸着剤の吸着等温線により第1の電子輸送層の細孔分布径を測定した結果、5nmであった。上記第1の電子輸送層の膜厚はJIS B 0601−2001に準拠してBruker社製のDimension FastScan AFMのScanasist Airモードを用いて測定した結果、50nmであった。更に、有機バインダとしてのポリイソブチルメタクリレートと酸化チタン(平均粒子径16nm)とを含有した第2のスラリーを同じくスピンコート法により積層し、200℃で10分間焼成した後、UVを30分間照射し第2の電子輸送層を作製した。第1の電子輸送層と同じ方法により第2の電子輸送層の細孔分布径を測定した結果、80nmであった。次いで、PbIをDMFに溶解させて1Mの溶液を調製した。これを上記第2の電子輸送層上にスピンコート法によって製膜した。更に、ヨウ化メチルアンモニウムをプロパノールに溶解させて1Mの溶液を調製した。この溶液内に上記のPbIを製膜したサンプルを浸漬させることによってCHNHPbIを含む光電変換層を形成した。最後にホール輸送層としてSpiro−OMeTAD(スピロビフルオレン骨格を有する)を68mM、Tert−butylpyridineを55mM、Lithium Bis(trifluoromethylsulfonyl)imide塩を9mM溶解させた溶液をスピンコート法により積層した。電子輸送層と光電変換層とホール輸送層との合計膜厚は450nmとなった。
ホール輸送層上に、陽極として真空蒸着により厚み100nmの金膜を形成し、太陽電池を得た。
(実施例2)
実施例2は実施例1にて用いた金属箔をITO電極が配されたPEN基材(ぺクセルテクノロジー社製)に変更した以外は実施例1と同様にして太陽電池を作製した。
(実施例3、実施例4、実施例5)
実施例3、実施例4及び実施例5は実施例2にて用いた平均粒子径が5nmの酸化チタン粒子を、平均粒子径が50nm、100nm、10nmと250nmの混合物である酸化チタン粒子に変更した以外は実施例2と同様にして太陽電池を作製した。
(実施例6)
実施例6は実施例2にて用いた平均粒子径が5nmの酸化チタン粒子を、平均粒子径が10nmの酸化アルミニウムに変更した以外は実施例2と同様にして太陽電池を作製した。
(比較例1)
比較例1はガラス基板上に厚み1000nmのFTO膜をスプレーパイロリシスデポジション法にて形成し、純水、アセトン、メタノールをこの順に用いて各10分間超音波洗浄した後、乾燥させ、陰極として使用した。次いで、2重量%に調整したチタンテトライソプロポキシドエタノール溶液を用いて500℃で焼成して第1の電子輸送層を作製した。次に上記と同様の方法で第2のスラリーを塗布し、焼成した。光電変換層としてP3HTとICBA(フラーレン誘導体)をクロロベンゼンに溶解させ、電子輸送層上にスピンコートし、光電変換層を作製した。上記光電変換層上にMoOを蒸着し、ホール輸送層を成膜した。最後に電極として金を蒸着し、太陽電池を得た。
(比較例2)
比較例2は比較例1にて用いたガラス基板を樹脂基材に変更し、2重量%に調整したチタンテトライソプロポキシドエタノール溶液の焼成温度500℃を200℃に変更した以外は比較例1と同様にして太陽電池を作製した。
(比較例3)
比較例3は比較例2にて用いた2重量%に調整したチタンテトライソプロポキシドエタノール溶液を10nmの酸化チタン粒子を分散させたメタノール溶液に変更した以外は比較例2と同様にして太陽電池を作製した。
(比較例4)
比較例4は実施例1にて用いた金属箔をFTOが成膜されたガラス基板上に変更し、5nmの酸化チタン粒子を分散させたメタノール溶液をチタンテトライソプロポキシドエタノール溶液に変更し、500℃で焼成した以外は実施例1と同様にして太陽電池を作製した。
(比較例5)
比較例5は比較例4にて500℃での焼成を200℃に変更した以外は比較例4と同様にして太陽電池を作製した。
(比較例6)
比較例6は実施例2にて用いた5nmの酸化チタン粒子を1200nmに変更した以外は実施例2と同様にして太陽電池を作製した。
(比較例7)
比較例7は比較例4にて用いたFTOが成膜されたガラス基板を樹脂基材に変更した以外は比較例4と同様にして太陽電池を作製した。
(比較例8)
比較例8は比較例7にて500℃での焼成を200℃に変更した以外は比較例7と同様にして太陽電池を作製した。
(評価)
<初期性能>
太陽電池の電極間に電源(KEITHLEY社製、236モデル)を接続し、ソーラーシミュレーション(山下電装社製)を用いて強度100mW/cmの光を照射し光電変換効率を測定した。実施例1−6、比較例5−8については比較例4の変換効率を1に規格化し、比較例2、比較例3については比較例1の変換効率を1に規格化した際、0.9以上であった場合を○○、0.7以上0.9未満であった場合を○、0.7未満であった場合を×とした。
<フレキシブル性>
フレキシブル性は、太陽電池を直径30mmの筒に巻きつけたとき、筒を1周することが可能な場合を〇、不可能な場合を×とした。
Figure 2017175019
本発明によれば、初期性能、及び、フレキシブル性に優れた太陽電池、及び、その製造方法を提供することができる。
1,1’ 太陽電池
2,2’ 樹脂基板
3,3’ 透明電極
4,4’ 第1の電子輸送層
5 第2の電子輸送層
6,6’ 光電変換層
7,7’ ホール輸送層
8,8’ 対向電極

Claims (3)

  1. 電極が配されたガラス基板、樹脂基板又は金属箔と、光電変換層と、前記電極が配されたガラス基板、樹脂基板又は金属箔と、前記光電変換層との間に配置された第1の電子輸送層とを有し、
    前記光電変換層がR−M−X(Rは有機分子、Mは金属、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含み、
    前記第1の電子輸送層は平均粒子径1〜1000nmの無機酸化物粒子の凝集体であり、
    前記第1の電子輸送層が、前記電極が配されたガラス基板、樹脂基板又は金属箔と接していることを特徴とする太陽電池。
  2. 無機酸化物粒子が酸化チタン粒子であることを特徴とする請求項1記載の太陽電池。
  3. 電極が配されたガラス基板、樹脂基板又は金属箔上に、平均粒子径1〜1000nmの無機酸化物粒子と、有機溶媒とを含む第1のスラリーを塗布して300℃以下で焼成し、前記平均粒子径1〜1000nmの無機酸化物粒子の凝集体である第1の電子輸送層を形成する工程と、
    前記第1の電子輸送層上に、R−M−X(Rは有機分子、Mは金属、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含む光電変換層を形成する工程と、
    を有することを特徴とする太陽電池の製造方法。
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