JP2021132108A - 光電変換素子、及び光電変換素子の製造方法 - Google Patents

光電変換素子、及び光電変換素子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021132108A
JP2021132108A JP2020026351A JP2020026351A JP2021132108A JP 2021132108 A JP2021132108 A JP 2021132108A JP 2020026351 A JP2020026351 A JP 2020026351A JP 2020026351 A JP2020026351 A JP 2020026351A JP 2021132108 A JP2021132108 A JP 2021132108A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transport layer
photoelectric conversion
conversion element
layer
hole transport
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020026351A
Other languages
English (en)
Inventor
博 杉村
Hiroshi Sugimura
博 杉村
晋太郎 宮西
Shintaro Miyanishi
晋太郎 宮西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2020026351A priority Critical patent/JP2021132108A/ja
Priority to US17/162,597 priority patent/US20210257570A1/en
Priority to CN202110152402.3A priority patent/CN113285025A/zh
Publication of JP2021132108A publication Critical patent/JP2021132108A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K71/00Manufacture or treatment specially adapted for the organic devices covered by this subclass
    • H10K71/10Deposition of organic active material
    • H10K71/12Deposition of organic active material using liquid deposition, e.g. spin coating
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K30/00Organic devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation
    • H10K30/10Organic devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation comprising heterojunctions between organic semiconductors and inorganic semiconductors
    • H10K30/15Sensitised wide-bandgap semiconductor devices, e.g. dye-sensitised TiO2
    • H10K30/151Sensitised wide-bandgap semiconductor devices, e.g. dye-sensitised TiO2 the wide bandgap semiconductor comprising titanium oxide, e.g. TiO2
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/10Organic polymers or oligomers
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/20Carbon compounds, e.g. carbon nanotubes or fullerenes
    • H10K85/221Carbon nanotubes
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/30Coordination compounds
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K85/00Organic materials used in the body or electrodes of devices covered by this subclass
    • H10K85/50Organic perovskites; Hybrid organic-inorganic perovskites [HOIP], e.g. CH3NH3PbI3
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K2102/00Constructional details relating to the organic devices covered by this subclass
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K30/00Organic devices sensitive to infrared radiation, light, electromagnetic radiation of shorter wavelength or corpuscular radiation
    • H10K30/50Photovoltaic [PV] devices
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/549Organic PV cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

【課題】光電変換効率に優れ、製造コストを低くすることができる、光電変換素子を提供する。【解決手段】光電変換素子1は、電子輸送層4と、ホール輸送層7と、電子輸送層4及びホール輸送層7の間に配設される光吸収層6とを備える。光吸収層6は、針状結晶構造を有するペロブスカイト化合物を含有する。ホール輸送層7は、カーボンナノチューブと、ポリビニルブチラール樹脂とを含有する。ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度は、60mol%以上80mol%以下であることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、光電変換素子、及び光電変換素子の製造方法に関する。
光電変換素子は、例えば、光センサー、複写機、及び太陽電池に用いられている。この中で、太陽電池は、再生可能エネルギーの代表的な利用方法として本格的に普及しつつある。太陽電池としては、無機系光電変換素子を用いた太陽電池(例えば、シリコン系太陽電池、CIGS系太陽電池、及びCdTe系太陽電池)が普及している。
一方、太陽電池としては、有機系光電変換素子を用いた太陽電池(例えば、有機薄膜太陽電池、及び色素増感太陽電池)も検討されている。このような有機系光電変換素子を用いた太陽電池は、塗布処理で製造できるため、製造コストを低減できる可能性がある。そのため、有機系光電変換素子を用いた太陽電池は、次世代の太陽電池として期待されている。
近年では、有機系光電変換素子として、ペロブスカイト型結晶構造を有する化合物(以下、ペロブスカイト化合物と記載することがある)を光吸収層に用いた光電変換素子が検討されている。例えば、特許文献1に記載の光電変換素子においては、ペロブスカイト型結晶構造を持つ感光性材料の薄層と、カーボンナノチューブからなる導電材料の薄層とが積層されている。
特開2014−72327号公報
しかし、ペロブスカイト化合物の結晶構造は、その製造環境に存在する水分(湿度)の影響を受け易い。具体的には、ペロブスカイト化合物を用いた光電変換素子を大気雰囲気下(特に、湿度50%RH以上の大気雰囲気下)で形成すると、水分の影響によってペロブスカイト化合物が針状結晶構造を形成し、多孔質の光吸収層が形成される。このような多孔質の光吸収層上に電荷輸送層を塗布により形成した場合、多孔質である光吸収層の細孔(空隙)内に電荷輸送材料が浸透し、短絡により光電変換効率が低下する。特に、特許文献1に示すように、カーボンナノチューブのような導電性に優れる導電材料(より具体的にはホール輸送材料)を用いた場合、上述の短絡による光電変換効率の低下が顕著である。
そのため、ペロブスカイト化合物を用いた光電変換素子は、可能な限り湿度を低くした環境(例えば、グローブボックス内)で製造することが一般的である。このような環境であれば、ペロブスカイト化合物は板状結晶構造を形成するため、上述の短絡による光電変換効率の低下を抑制できる。しかし、ペロブスカイト化合物を用いた光電変換素子をこのような環境で製造すると、製造コストが増大する。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、光電変換効率に優れ、製造コストが低い光電変換素子及びその製造方法を提供することである。
本発明に係る光電変換素子は、電子輸送層と、ホール輸送層と、前記電子輸送層及び前記ホール輸送層の間に配設される光吸収層とを備える。前記光吸収層は、針状結晶構造を有するペロブスカイト化合物を含有する。前記ホール輸送層は、カーボンナノチューブと、ポリビニルブチラール樹脂とを含有する。
本発明の光電変換素子の製造方法は、第1電荷輸送材料を含有する第1電荷輸送層を形成する第1電荷輸送層形成工程と、前記第1電荷輸送層上に、光吸収層を形成する光吸収層形成工程と、前記光吸収層上に、第2電荷輸送材料を含有する第2電荷輸送層を形成する第2電荷輸送層形成工程とを含む。前記第1電荷輸送材料を含有する前記第1電荷輸送層、及び前記第2電荷輸送材料を含有する前記第2電荷輸送層のうちの一方が、電子輸送材料を含有する電子輸送層であり、他方がホール輸送材料を含有するホール輸送層である。前記光吸収層は、針状結晶構造を有するペロブスカイト化合物を含有する。前記ホール輸送層は、ポリビニルブチラール樹脂と、前記ホール輸送材料であるカーボンナノチューブとを含有する。
本発明の光電変換素子、及び本発明の製造方法により製造された光電変換素子は、光電変換効率に優れ、製造コストを低くすることができる。
本発明の第1実施形態に係る光電変換素子の一例を示す図である。 本発明の第1実施形態に係る光電変換素子の別の一例を示す図である。 ペロブスカイト化合物の結晶構造の基本単位格子を示す図である。 本発明の実施例1において形成した光吸収層を示す写真である。 本発明の実施例6において形成した光吸収層を示す写真である。 本発明の実施例1において形成したホール輸送層を示す写真である。 本発明の実施例6において形成したホール輸送層を示す写真である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。但し、本発明は、実施形態に何ら限定されず、本発明の目的の範囲内で適宜変更を加えて実施できる。なお、図中、同一又は相当部分については、同一の参照符号を付して説明を省略することがある。また、アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。更に、アクリレート及びメタクリレートを包括的に「(メタ)アクリレート」と総称する場合がある。本発明の実施形態において説明する各材料は、特に断りのない限り、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<第1実施形態:光電変換素子>
本発明の第1実施形態は、光電変換素子に関する。本実施形態に係る光電変換素子は、電子輸送層と、ホール輸送層と、光吸収層とを備える。光吸収層は、電子輸送層及びホール輸送層の間に配設される。光吸収層は、針状結晶構造を有するペロブスカイト化合物を含有する。ホール輸送層は、カーボンナノチューブと、ポリビニルブチラール樹脂とを含有する。
以下、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る光電変換素子1を説明する。図1に示す光電変換素子1は、一方の面から順番に、基体2と、第1導電層3と、電子輸送層4と、光吸収層6と、ホール輸送層7と、第2導電層8とを備える。電子輸送層4は、第1導電層3側の緻密酸化チタン層51と、光吸収層6側の多孔質酸化チタン層52とを含む2層構造である。但し、図2に示すように、電子輸送層4は、緻密酸化チタン層51のみを含む1層構造であってもよい。光電変換素子1は、使用時に、例えば基体2側の面に光(例えば、太陽光)が照射される。但し、光電変換素子1は、使用時に、第2導電層8側の面に光が照射されてもよい。
既に述べたように、光吸収層6は、針状結晶構造を有するペロブスカイト化合物を含有する。ホール輸送層7は、カーボンナノチューブと、ポリビニルブチラール樹脂とを含有する。このような構成を有する本実施形態に係る光電変換素子1は、以下の第1、第2、及び第3の利点を有する。
第1の利点を説明する。光吸収層6は、針状構造を有するペロブスカイト化合物により形成された多孔質領域を有する。ここで、光吸収層6が有する多孔質領域の細孔(空隙)に、ホール輸送層7からホール輸送材料が浸透した場合、電子輸送層4が含有する電子輸送材料とホール輸送材料とが接近又は接触して、電気抵抗が低下し、導電層間(即ち、第1導電層3と第2導電層8との間)の短絡が引き起こされることがある。しかし、本実施形態においては、ホール輸送層7が、ホール輸送材料であるカーボンナノチューブだけでなく、ポリビニルブチラール樹脂を含有する。ポリビニルブチラール樹脂はカーボンナノチューブに対して高い親和性を有するため、ポリビニルブチラール樹脂によってカーボンナノチューブの表面が被覆される。被覆により、カーボンナノチューブに、適度な絶縁性が付与される。従来、ポリビニルブチラール樹脂のような絶縁体である樹脂をホール輸送層に含有させることは、ホール輸送層の絶縁性を高めるため、光電変換素子の光電変換効率を低下させると考えられてきた。しかし、本発明者らは、ポリビニルブチラール樹脂により適度な絶縁性が付与されたカーボンナノチューブであれば、光吸収層6が有する多孔質領域の空隙に浸透した場合であっても、導電層間の短絡を抑制できることを見出した。導電層間の短絡が抑制されることにより、光電変換素子1の光電変換効率を向上できる。
第2の利点を説明する。第1の利点で説明したように、本実施形態に係る光電変換素子1は、針状結晶構造を有するペロブスカイト化合物を用いた場合であっても、導電層間の短絡を抑制できる。このため、可能な限り湿度を低くした環境(例えば、グローブボックス内)で板状結晶構造を有するペロブスカイト化合物を製造する必要がない。本実施形態に係る光電変換素子1は、大気雰囲気下にて製造できるため、製造コストを低くすることができる。
第3の利点を説明する。光吸収層6が有する多孔質領域の細孔(空隙)に、ホール輸送層7からポリビニルブチラール樹脂が浸透した場合、ペロブスカイト化合物の針状結晶の間にポリビニルブチラール樹脂が介在しているので、光電変換素子1はフレキシブル性を有する。フレキシブル性を有することから、光電変換素子1に衝撃を与えてもクラックなどが発生しにくい。また、基体2が例えばフレキシブル基板である場合には、光電変換素子1を湾曲した形状とすることもでき、光電変換素子1の形状の自由度が高くなる。以上、第1、第2、及び第3の利点を説明した。
[基体]
基体2の形状としては、例えば、平板状、フィルム状、及び円筒形状が挙げられる。光電変換素子1の基体2側の面に光を照射する場合、基体2は透明である。この場合、基体2の材質としては、例えば、透明ガラス(より具体的には、ソーダライムガラス、及び無アルカリガラス等)、及び耐熱性を有する透明樹脂が挙げられる。光電変換素子1の第2導電層8側の面に光を照射する場合、基体2は不透明でもよい。この場合、基体2の材質としては、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、マグネシウム、鉄、錫、チタン、金、銀、銅、タングステン、これらの合金(例えば、ステンレス鋼)及びセラミックが挙げられる。
[第1導電層]
第1導電層3は、光電変換素子1の陰極に相当する。第1導電層3を構成する材料としては、例えば、透明導電性材料及び非透明導電性材料が挙げられる。透明導電性材料としては、例えば、ヨウ化銅(CuI)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ(SnO2)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、及びガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)が挙げられる。非透明導電性材料としては、例えば、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム−酸化アルミニウム混合物(Al/Al23)及びアルミニウム−フッ化リチウム混合物(Al/LiF)が挙げられる。第1導電層3の膜厚は、特に限定されず、所望の特性(例えば、電子の輸送性及び透明性)を発揮し得る膜厚であればよい。
[電子輸送層]
電子輸送層4は、光吸収層6において光励起により発生した電子を第1導電層3に輸送する層である。このため、電子輸送層4は、光吸収層6で発生した電子を第1導電層3に移動させ易い材料を含有することが好ましい。電子輸送層4は、電子輸送材料として、例えば、酸化チタンを含有する。電子輸送層4における酸化チタンの含有割合は、高温で焼結させる場合には有機成分がほとんど残存せず、100質量%に近い。電子輸送層4を低温で作製する場合には、電子輸送層4は酸化チタン以外の成分を更に含んでもよい。また、電子輸送層4には、有機電子輸送材料を用いてもよい。
既に述べたとおり、電子輸送層4は、例えば、緻密酸化チタン層51と、多孔質層である多孔質酸化チタン層52とを含んでもよい。また、図2に示すように、電子輸送層4は、1層の緻密酸化チタン層51であってもよい。以下、緻密酸化チタン層51、及び多孔質酸化チタン層52について説明する。
(緻密酸化チタン層)
緻密酸化チタン層51の空隙率は、多孔質酸化チタン層52よりも低い。このため、光電変換素子1の製造時に、光吸収層6の形成に用いる光吸収材料(ペロブスカイト化合物)が、多孔質酸化チタン層52を通過した場合であっても、緻密酸化チタン層51の層内に浸透し難い。このため、光電変換素子1が緻密酸化チタン層51を備えることで、光吸収材料及び第1導電層3の接触が抑制される。また、光電変換素子1が緻密酸化チタン層51を備えることで、起電力低下の要因となる第1導電層3及び第2導電層8の接触が抑制される。電子輸送層4が緻密酸化チタン層51と多孔質酸化チタン層52との2層を含む場合、緻密酸化チタン層51の膜厚としては、5nm以上200nm以下が好ましく、10nm以上100nm以下がより好ましい。電子輸送層4が1層の緻密酸化チタン層51である場合、緻密酸化チタン層51の膜厚としては、2層を含む場合よりも厚く、200nm以上1000nm以下が好ましい。
(多孔質酸化チタン層)
光電変換素子1が多孔質酸化チタン層52を備えることで、次の利点が得られる。多孔質酸化チタン層52の空隙率は、緻密酸化チタン層51よりも高い。このため、光電変換素子1の製造時に、光吸収層6の形成に用いる光吸収材料が多孔質酸化チタン層52の細孔に浸透し、光吸収層6と電子輸送層4との接触面積が増大する。これにより、光吸収層6において光励起により発生した電子が、効率よく電子輸送層4に移動する。また、多孔質酸化チタン層52の表面の凹凸は、緻密酸化チタン層51よりも大きい。表面の凹凸が大きい多孔質酸化チタン層52の上に光吸収層6が形成される場合、ペロブスカイト化合物の針状結晶は、成長し過ぎず、適度な大きさとなる。適度な大きさの針状結晶構造を有するペロブスカイト化合物により形成された多孔質領域の空隙は、ホール輸送材料が浸透し過ぎない適度な大きさとなり、導電層間の短絡が更に抑制される。多孔質酸化チタン層52の膜厚としては、100nm以上2,0000nm以下が好ましく、200nm以上1,500nm以下がより好ましい。
[光吸収層]
光吸収層6は、光電変換素子1に入射された光を吸収して電子及びホールを発生させる層である。詳しくは、光吸収層6に光が入射すると、光吸収材料に含まれる低いエネルギーの電子が光励起され、高いエネルギーの電子とホールとが発生する。発生した電子は、電子輸送層4に移動する。発生したホールは、ホール輸送層7に移動する。このような電子及びホールの移動により、電荷分離が行われる。
光吸収層6は、光吸収材料として、針状結晶構造を有するペロブスカイト化合物を含有する。光吸収層6は、針状結晶構造を有するペロブスカイト化合物により形成された多孔質領域を有する。光吸収層6の多孔質領域の空隙の少なくとも一部には、ホール輸送層7から浸透したカーボンナノチューブとポリビニルブチラール樹脂とが充填されている。
(ペロブスカイト化合物)
ペロブスカイト化合物は、ペロブスカイト型結晶構造を有する化合物である。本実施形態で用いられるペロブスカイト化合物は、針状結晶構造を更に有する。本明細書において、針状結晶構造とは、ペロブスカイト化合物の短軸長さに対する長軸長さの比(アスペクト比)が5以上である構造をいう。
ペロブスカイト化合物の長軸長さとしては、5μm以上50μm以下が好ましく、7μm以上20μm以下がより好ましく、7μm以上15μm以下が更に好ましい。ペロブスカイト化合物のアスペクト比としては、5以上20以下が好ましく、5以上15以下がより好ましく、5以上12以下が更に好ましい。ペロブスカイト化合物の長軸長さ及びアスペクト比が上述の範囲であることで、ペロブスカイト化合物により形成される多孔質領域の空隙に、ポリビニルブチラール樹脂とカーボンナノチューブとが充填され易くなる。
なお、本明細書において、ペロブスカイト化合物の長軸長さ、及びアスペクト比は、各々、ペロブスカイト化合物の長軸長さの算術平均値、及びアスペクト比の算術平均値を意味し、これらの算術平均値は、実施例に記載の方法により測定される。
ペロブスカイト化合物の針状結晶構造は、次の方法で変更できる。例えば、その製造環境の湿度が高くなるほど、ペロブスカイト化合物のアスペクト比は大きくなる。また、製造に使用される材料の含水率が高くなるほど、ペロブスカイト化合物のアスペクト比は大きくなる。また、凹凸の少ない面上でペロブスカイト化合物の針状結晶構造を形成するほど、ペロブスカイト化合物の長軸長さ及び短軸長さが短くなる。
光電変換効率を向上させる観点から、ペロブスカイト化合物としては、下記一般式(1)で表される化合物(以下、ペロブスカイト化合物(1)と記載することがある)が好ましい。
Figure 2021132108
一般式(1)中、Aは有機分子であり、Bは金属原子であり、Xはハロゲン原子である。一般式(1)中、3つのXは、互いに同一のハロゲン原子を表してもよく、異なるハロゲン原子を表してもよい。
ペロブスカイト化合物(1)は、有機無機ハイブリッド化合物である。有機無機ハイブリッド化合物とは、無機材料と有機材料とで構成される化合物である。有機無機ハイブリッド化合物であるペロブスカイト化合物(1)を用いた光電変換素子1は、有機無機ハイブリッド光電変換素子とも呼ばれる。
図3は、ペロブスカイト化合物(1)が有する結晶構造の立方晶系の基本単位格子の図を示す。この基本単位格子は、各頂点に配置された有機分子Aと、体心に配置された金属原子Bと、各面心に配置されたハロゲン原子Xとを備えている。
光吸収材料が立方晶系の基本単位格子を有することは、X線回折法を用いて確認できる。詳しくは、ガラス板上に光吸収材料を含有する光吸収層6を作製し、光吸収層6を粉末状で回収し、粉末X線回折装置を用いて回収された粉末状の光吸収層6(光吸収材料)の回折パターンを測定する。或いは、光電変換素子1から光吸収層6を粉末状で回収し、粉末X線回折装置を用いて回収された粉末状の光吸収層6(光吸収材料)の回折パターンを測定する。
一般式(1)中、Aで表される有機分子としては、例えば、アルキルアミン、アルキルアンモニウム、及び含窒素複素環式化合物等が挙げられる。ペロブスカイト化合物(1)において、Aで表される有機分子は、1種の有機分子のみであってもよく、2種以上の有機分子であってもよい。
アルキルアミンとしては、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、エチルメチルアミン、メチルプロピルアミン、ブチルメチルアミン、メチルペンチルアミン、ヘキシルメチルアミン、エチルプロピルアミン、及びエチルブチルアミン等が挙げられる。
アルキルアンモニウムは、上述のアルキルアミンのイオン化物である。アルキルアンモニウムとしては、例えば、メチルアンモニウム(CH3NH3)、エチルアンモニウム、プロピルアンモニウム、ブチルアンモニウム、ペンチルアンモニウム、ヘキシルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、ジプロピルアンモニウム、ジブチルアンモニウム、ジペンチルアンモニウム、ジヘキシルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、トリペンチルアンモニウム、トリヘキシルアンモニウム、エチルメチルアンモニウム、メチルプロピルアンモニウム、ブチルメチルアンモニウム、メチルペンチルアンモニウム、ヘキシルメチルアンモニウム、エチルプロピルアンモニウム、及びエチルブチルアンモニウム等が挙げられる。
含窒素複素環式化合物としては、例えば、イミダゾール、アゾール、ピロール、アジリジン、アジリン、アゼチジン、アゼト、アゾール、イミダゾリン、及びカルバゾール等が挙げられる。含窒素複素環式化合物は、イオン化物であってもよい。イオン化物である含窒素複素環式化合物としては、フェネチルアンモニウムが好ましい。
Aで表される有機分子としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、メチルアンモニウム、エチルアンモニウム、プロピルアンモニウム、ブチルアンモニウム、ペンチルアンモニウム、ヘキシルアンモニウム又はフェネチルアンモニウムが好ましく、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、メチルアンモニウム、エチルアンモニウム、又はプロピルアンモニウムがより好ましく、メチルアンモニウムが更に好ましい。
一般式(1)中、Bで表される金属原子としては、例えば、鉛、スズ、亜鉛、チタン、アンチモン、ビスマス、ニッケル、鉄、コバルト、銀、銅、ガリウム、ゲルマニウム、マグネシウム、カルシウム、インジウム、アルミニウム、マンガン、クロム、モリブデン、及びユーロピウム等が挙げられる。ペロブスカイト化合物(1)において、Bで表される金属原子は、1種の金属原子のみであってもよく、2種以上の金属原子であってもよい。光吸収層6の光吸収特性及び電荷発生特性を向上させる観点から、Bで表される金属原子としては、鉛原子が好ましい。
一般式(1)中、Xで表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子等が挙げられる。ペロブスカイト化合物(1)において、Xで表されるハロゲン原子は、1種のハロゲン原子であってもよく、2種以上のハロゲン原子であってもよい。Xで表されるハロゲン原子としては、ペロブスカイト化合物(1)のエネルギーバンドギャップを狭くする観点から、ヨウ素原子が好ましい。詳しくは、3つのXのうち、少なくとも1つのXがヨウ素原子を表すことが好ましく、3つのXがヨウ素原子を表すことがより好ましい。
ペロブスカイト化合物(1)としては、一般式「CH3NH3PbX3(但し、Xはハロゲン原子を表す)」で表される化合物が好ましく、CH3NH3PbI3がより好ましい。ペロブスカイト化合物(1)として一般式「CH3NH3PbX3」で表される化合物(特に、CH3NH3PbI3)を用いることで、光吸収層6において電子とホールとをより効率良く発生させることができ、その結果、光電変換素子1の光電変換効率をより向上できる。
[ホール輸送層]
ホール輸送層7は、光吸収層6で発生したホールを捉えて、陽極である第2導電層8に輸送する層である。ホール輸送層7の膜厚としては、20nm以上2,000nm以下が好ましく、200nm以上600nm以下がより好ましい。ホール輸送層7の膜厚を20nm以上2,000nm以下とすることで、光吸収層6で発生したホールを円滑かつ効率的に第2導電層8に移動させることができる。
ホール輸送層7は、ホール輸送材料であるカーボンナノチューブと、結着樹脂であるポリビニルブチラール樹脂とを含有する。ホール輸送層7は、カーボンナノチューブと、ポリビニルブチラール樹脂とのみを含有してもよい。
(カーボンナノチューブ)
カーボンナノチューブとしては、例えば、単層カーボンナノチューブ、及び多層カーボンナノチューブが挙げられる。カーボンナノチューブとしては、多層カーボンナノチューブが好ましい。ホール輸送層7は、ホール輸送材料として、カーボンナノチューブのみを含有してもよい。
ホール輸送層7におけるカーボンナノチューブの含有割合としては、10質量%以上80質量%以下が好ましく、25質量%以上60質量%以下がより好ましく、40質量%以上50質量%以下が更に好ましい。カーボンナノチューブの含有割合が10質量%以上であると、導電性が向上して光電流が取り出しやすくなる。一方、カーボンナノチューブの含有割合が80質量%以下であると、短絡を一層防止できる。カーボンナノチューブの含有割合が50質量%以下であると、短絡を特に防止できる。なお、第2導電層8側から光を入射する場合には、カーボンナノチューブの含有量を更に減らし、ホール輸送層7が半透明になる程度の含有割合でカーボンナノチューブを含有することが好ましい。
ポリビニルブチラール樹脂の質量MRに対する、カーボンナノチューブの質量MCの比率MC/MRは、0.3以上1.0以下であることが好ましい。比率MC/MRが上述の範囲内であると、ポリビニルブチラール樹脂によってカーボンナノチューブに適度な絶縁性が付与され、導電層間の短絡を更に抑制できる。
(ポリビニルブチラール樹脂)
カーボンナノチューブとの親和性に優れ、カーボンナノチューブに適度な絶縁性を付与できることから、光吸収層6は、ポリビニルブチラール樹脂を含有する。ポリビニルブチラール樹脂は、光吸収層6に含有されるペロブスカイト化合物の結晶構造に影響を与え難い溶媒(例えば、イソプロピルアルコール、トルエン、又はクロロベンゼン)に、可溶である。このため、このような溶媒と、溶媒に溶解したポリビニルブチラール樹脂とを含有するホール輸送層用塗布液を、光吸収層6に塗布してホール輸送層7を形成する際に、光吸収層6に含有されるペロブスカイト化合物の結晶構造が変化することを抑制できる。
ポリビニルブチラール樹脂は、下記化学式(2)、(3)、及び(4)で表される繰り返し単位を有する。以下、化学式(2)、(3)、及び(4)で表される繰り返し単位を、各々、繰り返し単位(2)、(3)、及び(4)と記載することがある。
Figure 2021132108
ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度は、ポリビニルブチラール樹脂が有する繰り返し単位(2)、(3)、及び(4)の合計数に対する、繰り返し単位(2)の数の百分率(単位:mol%)である。光電変換素子1の光電変換効率を向上させるために、ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度は、60mol%以上80mol%以下であることが好ましく、60mol%以上75mol%以下であることがより好ましく、63mol%以上74mol%以下であることが更に好ましい。ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度が60mol%以上の場合には水酸基の量が少なくなるため、吸湿し難くなる。一方、ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度が80mol%以下であると、ポリビニルブチラール樹脂の合成が容易となる。ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度は、例えば、赤外分光法(IR)により測定できる。
ポリビニルブチラール樹脂の重量平均分子量は、1.5×104以上9.0×104以下であることが好ましく、2.0×104以上7.0×104以下であることが更に好ましい。ポリビニルブチラール樹脂の重量平均分子量は、例えばゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定できる。
カーボンナノチューブに適度な絶縁性を付与して、導電層間の短絡を抑制するために、カーボンナノチューブは、ポリビニルブチラール樹脂により被覆されていることが好ましい。光吸収層6で発生したホールをホール輸送層7へ効率的に受け渡すために、光吸収層6が有する多孔質領域の空隙内には、カーボンナノチューブの少なくとも一部とポリビニルブチラール樹脂の少なくとも一部とが、充填されている(位置している)ことが好ましい。なお、ホール輸送層7は、結着樹脂として、ポリビニルブチラール樹脂のみを含有してもよい。
[第2導電層]
第2導電層8は、光電変換素子1の陽極に相当する。第2導電層8を構成する材料としては、例えば、金属、透明導電性無機材料、導電性微粒子、及び導電性ポリマー(特に、透明導電性ポリマー)が挙げられる。金属としては、例えば、金、銀、及び白金が挙げられる。透明導電性無機材料としては、例えば、ヨウ化銅(CuI)、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化スズ(SnO2)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、及びガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)が挙げられる。導電性微粒子としては、例えば、銀ナノワイヤー及びカーボンナノファイバーが挙げられる。透明導電性ポリマーとしては、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸とを含むポリマー(PEDOT/PSS)が挙げられる。
光電変換素子1の第2導電層8側から光を入射する場合、入射した光を光吸収層6に到達させるため、第2導電層8は透明又は半透明であることが好ましく、透明であることがより好ましい。透明又は半透明の第2導電層8を構成する材料としては、透明導電性無機材料又は透明導電性ポリマーが好ましい。第2導電層8の膜厚としては、50nm以上1,000nm以下が好ましく、100nm以上300nm以下がより好ましい。
[その他]
以上、図1を参照して、本実施形態に係る光電変換素子の一例である光電変換素子1について説明した。但し、本実施形態に係る光電変換素子は、光電変換素子1に限定されず、例えば以下の点を変更可能である。
本実施形態に係る光電変換素子は、第2導電層上に表面層を更に備えてもよい。表面層は、空気中の水分及び酸素による光電変換素子の内部の劣化を抑制する層である。また、表面層は、光電変換素子の使用時に衝撃及び傷から外面を保護する層である。表面層を構成する材料としては、ガスバリア性の高い材料が好ましい。表面層は、例えば、樹脂組成物、シュリンクフィルム、ラップフィルム、又はクリア塗料を用いて形成できる。一方、密閉容器に収容して使用される光電変換素子は、表面層を備えないことが好ましい。光電変換素子の表面層側から光を入射する場合、表面層は、透明又は半透明であることが好ましく、透明であることがより好ましい。
本実施形態に係る光電変換素子の電子輸送層は、酸化チタンを含有していなくてもよい。例えば、電子輸送層は、酸化チタン以外の材料で構成された緻密層と、酸化チタン以外の材料で構成され多孔質層とを備えていてもよい。また、電子輸送層は、単層であってもよく、3層以上の多層構造であってもよい。
本実施形態に係る光電変換素子は、基体、第1導電層、及び第2導電層を備えなくてもよい。即ち、光電変換素子において、基体、第1導電層、及び第2導電層は、各々、省略されてもよい。また、本実施形態に係る光電変換素子が基体を備える場合、基体は導電性を有していてもよい。この場合、基体は、第1導電層としての機能も果たす。
<第2実施形態:光電変換素子の製造方法>
第2実施形態は、光電変換素子の製造方法に関する。本実施形態に係る光電変換素子の製造方法は、第1電荷輸送層形成工程と、光吸収層形成工程と、第2電荷輸送層形成工程とを含む。第1電荷輸送層形成工程において、第1電荷輸送材料を含有する第1電荷輸送層を形成する。光吸収層形成工程において、第1電荷輸送層上に、光吸収層を形成する。第2電荷輸送層形成工程において、光吸収層上に、第2電荷輸送材料を含有する第2電荷輸送層を形成する。第1電荷輸送材料を含有する第1電荷輸送層、及び第2電荷輸送材料を含有する第2電荷輸送層のうちの一方が、電子輸送材料を含有する電子輸送層である。第1電荷輸送材料を含有する第1電荷輸送層、及び第2電荷輸送材料を含有する第2電荷輸送層のうちの他方が、ホール輸送材料を含有するホール輸送層である。光吸収層は、針状結晶構造を有するペロブスカイト化合物を含有する。ホール輸送層は、ポリビニルブチラール樹脂と、ホール輸送材料であるカーボンナノチューブとを含有する。本実施形態に係る製造方法により得られる光電変換素子は、例えば、第1実施形態に係る光電変換素子である。本実施形態に係る製造方法により得られる光電変換素子は、第1実施形態で述べた理由と同じ理由により、光電変換効率に優れ、製造コストを低くすることができる。
本実施形態に係る光電変換素子の製造方法では、第1電荷輸送材料を含有する第1電荷輸送層が、電子輸送材料を含有する電子輸送層であり、第2電荷輸送材料を含有する第2電荷輸送層が、ホール輸送材料を含有するホール輸送層であることが好ましい。即ち、本実施形態に係る光電変換素子の製造方法では、第1電荷輸送層形成工程において電子輸送層を形成し、第2電荷輸送層形成工程においてホール輸送層を形成することが好ましい。
再び図1及び図2を参照して、本実施形態に係る光電変換素子の製造方法の一例として、光電変換素子1の製造方法を説明する。図1に示す光電変換素子1の製造方法は、例えば、基体2及び第1導電層3を備える積層体を準備する積層体準備工程と、積層体における第1導電層3上に、電子輸送材料を含有する電子輸送層4を形成する電子輸送層形成工程と、電子輸送層4上に光吸収層6を形成する光吸収層形成工程と、光吸収層6上に、ホール輸送材料を含有するホール輸送層7を形成するホール輸送層形成工程と、ホール輸送層7上に第2導電層8を形成する第2導電層形成工程とを備える。この製造方法では、電子輸送材料が第1電荷輸送材料であり、電子輸送層4が第1電荷輸送層であり、電子輸送層形成工程が第1電荷輸送層形成工程であり、ホール輸送材料が第2電荷輸送材料であり、ホール輸送層7が第2電荷輸送層であり、ホール輸送層形成工程が第2電荷輸送層形成工程である。
[積層体準備工程]
本工程では、基体2及び第1導電層3を備える積層体を準備する。積層体は、例えば、基体2上に第1導電層3を形成することで得られる。基体2上に第1導電層3を形成する方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、及びメッキ法が挙げられる。
[電子輸送層形成工程]
本工程では、積層体における第1導電層3上に、電子輸送材料を含有する電子輸送層4を形成する。詳しくは、図1に示す光電変換素子1を製造する場合、本工程は、緻密酸化チタン層形成工程と、多孔質酸化チタン層形成工程とを含む。もしくは、図2に示す光電変換素子1を製造する場合、本工程は、緻密酸化チタン層形成工程のみを含む。
(緻密酸化チタン層形成工程)
本工程では、積層体における第1導電層3上に緻密酸化チタン層51を形成する。第1導電層3上に緻密酸化チタン層51を形成する方法としては、例えば、チタンキレート化合物を含有する緻密酸化チタン層用塗布液を第1導電層3上に塗布した後、焼成する方法が挙げられる。緻密酸化チタン層用塗布液を第1導電層3上に塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、スクリーン印刷法、キャスト法、浸漬塗布法、ロールコート法、スロットダイ法、スプレーパイロリシス法、及びエアロゾルデポジション法が挙げられる。焼成後、形成された緻密酸化チタン層51を四塩化チタン水溶液に浸漬させるとよい。この処理により、緻密酸化チタン層51の緻密性を増大させることができる。
緻密酸化チタン層用塗布液の溶媒としては、例えば、アルコール(特に、1−ブタノール)が挙げられる。緻密酸化チタン層用塗布液が含有するチタンキレート化合物としては、例えば、アセト酢酸エステルキレート基を有する化合物、及びβ−ジケトンキレート基を有する化合物が挙げられる。
アセト酢酸エステルキレート基を有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、ジイソプロポキシチタニウムビス(メチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシチタニウムビス(エチルアセトアセテート)、ジイソプロポキシチタニウムビス(プロピルアセトアセテート)、ジイソプロポキシチタニウムビス(ブチルアセトアセテート)、ジブトキシチタニウムビス(メチルアセトアセテート)、ジブトキシチタニウムビス(エチルアセトアセテート)、トリイソプロポキシチタニウム(メチルアセトアセテート)、トリイソプロポキシチタニウム(エチルアセトアセテート)、トリブトキシチタニウム(メチルアセトアセテート)、トリブトキシチタニウム(エチルアセトアセテート)、イソプロポキシチタニウムトリ(メチルアセトアセテート)、イソプロポキシチタニウムトリ(エチルアセトアセテート)、イソブトキシチタニウムトリ(メチルアセトアセテート)、及びイソブトキシチタニウムトリ(エチルアセトアセテート)が挙げられる。
β−ジケトンキレート基を有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、ジイソプロポキシチタニウムビス(アセチルアセトネート)、ジイソプロポキシチタニウムビス(2,4−ヘプタンジオネート)、ジブトキシチタニウムビス(アセチルアセトネート)、ジブトキシチタニウムビス(2,4−ヘプタンジオネート)、トリイソプロポキシチタニウム(アセチルアセトネート)、トリイソプロポキシチタニウム(2,4−ヘプタンジオネート)、トリブトキシチタニウム(アセチルアセトネート)、トリブトキシチタニウム(2,4−ヘプタンジオネート)、イソプロポキシチタニウムトリ(アセチルアセトネート)、イソプロポキシチタニウムトリ(2,4−ヘプタンジオネート)、イソブトキシチタニウムトリ(アセチルアセトネート)、及びイソブトキシチタニウムトリ(2,4−ヘプタンジオネート)が挙げられる。
チタンキレート化合物としては、アセト酢酸エステルキレート基を有する化合物が好ましく、ジイソプロポキシチタニウムビス(アセチルアセトネート)がより好ましい。チタンキレート化合物としては、デュポン社製「TYZOR(登録商標)AA」シリーズのような市販品を用いてもよい。
(多孔質酸化チタン層形成工程)
本工程では、緻密酸化チタン層51上に多孔質酸化チタン層52を形成する。多孔質酸化チタン層52を形成する方法としては、例えば、酸化チタンを含有する多孔質酸化チタン層用塗布液を緻密酸化チタン層51上に塗布した後、焼成する方法が挙げられる。多孔質酸化チタン層用塗布液は、例えば、溶媒及び有機バインダーを更に含有してもよい。多孔質酸化チタン層用塗布液が有機バインダーを含有する場合、有機バインダーは焼成で除去される。多孔質酸化チタン層用塗布液を緻密酸化チタン層51に塗布する方法としては、例えば、スピンコート法、スクリーン印刷法、キャスト法、浸漬塗布法、ロールコート法、スロットダイ法、スプレーパイロリシス法、及びエアロゾルデポジション法が挙げられる。
多孔質酸化チタン層52の細孔径及び空隙率は、例えば、多孔質酸化チタン層用塗布液が含有する酸化チタン粒子の粒子径、並びに有機バインダーの種類及び含有量によって調整できる。
多孔質酸化チタン層用塗布液が含有する酸化チタンとしては、特に限定されないが、例えば、アナターゼ型の酸化チタンが挙げられる。多孔質酸化チタン層用塗布液は、例えば、酸化チタン粒子(より具体的には、日本アエロジル株式会社製「AEROXIDE(登録商標)TiO2 P25」等)をアルコール(より具体的には、エタノール等)に分散させることで調製できる。多孔質酸化チタン層用塗布液は、例えば、酸化チタンペースト(より具体的には、日揮触媒化成株式会社製「PST−18NR」等)をアルコール(より具体的には、エタノール等)で希釈することでも調製できる。
多孔質酸化チタン層用塗布液が有機バインダーを含有する場合、有機バインダーとしては、エチルセルロース、又はアクリル樹脂が好ましい。アクリル樹脂は、低温分解性に優れ、低温で焼成を行う場合であっても多孔質酸化チタン層52内に有機物が残存し難い。アクリル樹脂としては、300℃程度の温度で分解するものが好ましい。アクリル樹脂としては、例えば、少なくとも1種の(メタ)アクリルモノマーの重合体が挙げられる。(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、及びポリオキシアルキレン構造を有する(メタ)アクリルモノマーが挙げられる。
[光吸収層形成工程]
本工程では、電子輸送層4上(詳しくは、図1に示す多孔質酸化チタン層52上、又は図2に示す緻密酸化チタン層51上)に光吸収層6を形成する。光吸収層6は、針状結晶構造を有するペロブスカイト化合物を含有する多孔質層である。針状結晶構造を有するペロブスカイト化合物は、板状結晶構造を有するペロブスカイト化合物よりも安定的に製造でき、歩留まりに優れる。
ペロブスカイト化合物がペロブスカイト化合物(1)である場合、光吸収層6は、例えば、以下の1段階法又は2段階法により形成できる。
1段階法では、一般式「AX」で表される化合物(以下、化合物(AX)と記載する)を含有する溶液と、一般式「BX2」で表される化合物(以下、化合物(BX2)と記載する)を含有する溶液とを混合して、混合液を得る。一般式「AX」及び一般式「BX2」中のA、B、及びXは、各々、一般式(1)中のA、B、及びXと同義である。この混合液を、電子輸送層4上に塗布して、乾燥させることにより、一般式「ABX3」で表されるペロブスカイト化合物(1)を含有する多孔質層が形成される。混合液を電子輸送層4上に塗布する方法としては、例えば、浸漬塗布法、ロールコート法、スピンコート法、及びスロットダイ法が挙げられる。
2段階法では、化合物(BX2)を含有する溶液を電子輸送層4上に塗布して、塗布膜を形成する。この塗布膜上に、化合物(AX)を含有する溶液を塗布して、塗布膜中で化合物(BX2)と化合物(AX)とを反応させる。次いで、塗布膜を乾燥させることにより、一般式「ABX3」で表されるペロブスカイト化合物(1)を含有する多孔質層が形成される。化合物(BX2)を含有する溶液を電子輸送層4に塗布する方法、及び化合物(AX)を含有する溶液を塗布膜上に塗布する方法としては、例えば、浸漬塗布法、ロールコート法、スピンコート法、及びスロットダイ法が挙げられる。
大気雰囲気化下(通常環境下)で行った場合、1段階法及び2段階法の何れであっても、湿気の影響によって針状結晶構造を有するペロブスカイト化合物(1)が形成される。大気雰囲気下での塗布により光吸収層6を形成できるため、本実施形態に係る製造方法によれば、低コストで光電変換素子1を製造できる。
光吸収層形成工程では、上述の方法以外にも、例えば、電子輸送層4上に、ペロブスカイト化合物及び結着樹脂を含有する光吸収層用塗布液を塗布してもよい。
[ホール輸送層形成工程]
本工程では、光吸収層6上に、ホール輸送材料を含有するホール輸送層7を形成する。詳しくは、光吸収層6上に、ホール輸送層用塗布液を塗布することで、ホール輸送層7が形成される。このホール輸送層用塗布液は、ポリビニルブチラール樹脂と、ホール輸送材料であるカーボンナノチューブと、溶媒とを含有する。
ホール輸送層用塗布液に含有される溶媒としては、有機溶媒が好ましく、光吸収層6が溶解されず且つポリビニルブチラール樹脂が溶解する有機溶媒であることがより好ましく、イソプロピルアルコール、トルエン、又はクロロベンゼンが更に好ましい。光吸収層6が溶解されない溶媒を用いることで、光吸収層6におけるペロブスカイト化合物の針状結晶構造を好適に維持できる。また、ポリビニルブチラール樹脂が溶解する溶媒を用いることで、溶解状態のポリビニルブチラール樹脂によりカーボンナノチューブが薄く均一に被覆され、カーボンナノチューブに適度な絶縁性を付与できる。ホール輸送層用塗布液におけるカーボンナノチューブの含有割合は、例えば、0.5質量%5.0質量%以下である。また、ホール輸送層用塗布液におけるポリビニルブチラール樹脂の含有割合は、例えば、0.5質量%以上5.0質量%以下である。
ホール輸送層用塗布液は、カーボンナノチューブとポリビニルブチラール樹脂とを溶媒に入れ分散することで作製される。分散には、例えば、ホモジナイザー、又は超音波分散装置が用いられる。強いシェアがかかるとカーボンナノチューブが壊れるため、緩やかな分散条件に設定することが好ましい。
ホール輸送層用塗布液の塗布方法としては、例えば、浸漬塗布法、スプレー塗布法、スライドホッパー塗布法、ロールコート法、及びスピンコート法が挙げられる。ホール輸送層用塗布液は、浸漬塗布法、ロールコート法、又はスピンコート法により、塗布されることが好ましい。
[第2導電層形成工程]
本工程では、ホール輸送層7上に第2導電層8を形成する。ホール輸送層7上に第2導電層8を形成する方法としては、特に限定されず、第1導電層3の形成方法と同じ方法(より具体的には、真空蒸着法、スパッタリング法、及びメッキ法等)を用いることができる。
[その他]
以上、本実施形態に係る光電変換素子の製造方法の一例として、図1及び図2に示す光電変換素子1の製造方法を説明した。但し、本実施形態に係る光電変換素子の製造方法は、上述の製造方法に限定されず、例えば以下の点を変更可能である。
本実施形態に係る光電変換素子の製造方法は、第2導電層上に表面層を形成する表面層形成工程を更に備えてもよい。また、本実施形態に係る光電変換素子の製造方法は、積層体準備工程及び第2導電層形成工程を備えなくてもよい。更に、電子輸送層形成工程では、上述の緻密酸化チタン層形成工程及び多孔質酸化チタン層形成工程以外の方法で電子輸送層を形成してもよい。
以下、実施例を示して本発明を更に説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されるものではない。
<光電変換素子の製造>
以下の方法により、表1に示す光電変換素子(A−1)〜(A−10)及び(B−1)〜(B−2)を製造した。各光電変換素子の製造環境は、温度25℃且つ湿度60%RHの環境下であった。
Figure 2021132108
なお、表1で用いられる用語の意味は、次のとおりである。「酸化チタン2層」は、電子輸送層が、緻密酸化チタン層と多孔質酸化チタン層との2層構造であることを示す。「緻密酸化チタン1層」は、電子輸送層が、緻密酸化チタン層のみの1層構造であることを示す。「CNT/樹脂」は、ホール輸送層における、樹脂の質量に対するカーボンナノチューブの質量の比率を示す。樹脂の質量に対するカーボンナノチューブの質量の比率は、小数第2位を切り捨てた値を示している。「−」は、該当する成分を含有していないこと、又は該当する値がないことを示す。「−(CNTのみ)」は、ホール輸送層が樹脂を含有しておらずカーボンナノチューブのみを含有しているため、ホール輸送層における、樹脂の質量に対するカーボンナノチューブの質量の比率が計算できないことを示す。
表1の「ホール輸送層」の「樹脂」欄に示される樹脂は、次のとおりである。
BL−S:ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製「エスレックBL−S」、ブチラール化度74mol%)
BM−S:ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製「エスレックBM−S」、ブチラール化度73mol%)
BH−S:ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製「エスレックBH−S」、ブチラール化度73mol%)
BL−1:ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製「エスレックBL−1」、ブチラール化度63mol%)
PMMA:ポリメタクリル酸メチル樹脂(東京化成工業株式会社製「メタクリル酸メチルポリマー」)
[光電変換素子(A−1)]
(積層体準備工程)
フッ素ドープ酸化スズが蒸着された透明ガラス板(シグマアルドリッチ社製、膜厚:2.2mm)を、横25mm及び縦25mmの大きさに切断した。これにより、基体(透明ガラス板)及び第1導電層(フッ素ドープ酸化スズの蒸着膜)を備える積層体を準備した。この積層体に対して、エタノール中での超音波洗浄処理(10分間)、及びUV洗浄処理(15分間)を行った。
(緻密酸化チタン層形成工程)
チタンキレート化合物であるジイソプロポキシチタニウムビス(アセチルアセトネート)を75質量%の濃度で含有する1−ブタノール溶液(シグマアルドリッチ社製)を、1−ブタノールで希釈した。これにより、チタンキレート化合物の濃度が0.02mol/Lである緻密酸化チタン層用塗布液を調製した。スピンコート法により、上述の積層体における第1導電層上に、緻密酸化チタン層用塗布液を塗布し、450℃で15分間加熱した。これにより、第1導電層上に、膜厚50nmの緻密酸化チタン層を形成した。
(多孔質酸化チタン層形成工程)
酸化チタン及びエタノールを含有する酸化チタンペースト(日揮触媒化成株式会社製「PST−18NR」)1gをエタノール2.5gで希釈することにより、多孔質酸化チタン層用塗布液を調製した。上述の緻密酸化チタン層上に、スピンコート法により多孔質酸化チタン層用塗布液を塗布した後、450℃で1時間焼成した。これにより、緻密酸化チタン層上に、膜厚300nmの多孔質酸化チタン層を形成した。
(光吸収層形成工程)
光吸収層の形成は、大気雰囲気下にて行った。PbI2(東京化成工業株式会社製)922mgと、CH3NH3I(東京化成工業株式会社製)318mgとを、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)1.076mLに加熱溶解させた。PbI2及びCH3NH3Iのモル比は1:1であった。これにより、固形分濃度が55質量%である混合液を調製した。スピンコート法により、上述の多孔質酸化チタン層上にこの混合液を塗布した。塗布直後の液膜にトルエンを数滴滴下したところ、液膜が黄色から黒色に変化した。これにより、ペロブスカイト化合物(CH3NH3PbI3)が形成されたことを確認した。その後、液膜を100℃で60分間乾燥させた。これにより、多孔質酸化チタン層上に、ペロブスカイト化合物を含有する膜厚500nmの光吸収層が形成された。
(ホール輸送層形成工程)
超音波分散装置を用いて、カーボンナノチューブ(多層タイプカーボンナノチューブ、東京化成工業株式会社製「多層カーボンナノチューブ」)0.2gと、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製「エスレックBL−S」、重量平均分子量:2.3×104)0.2gとを、イソプロピルアルコール12.21mLに分散させた。これにより、ホール輸送層用塗布液を調製した。上述の光吸収層上に、スピンコート法を用いてホール輸送層用塗布液を塗布した。その後、塗布したホール輸送層用塗布液を、100℃で30分間乾燥させることで、有機溶媒(イソプロピルアルコール)を除去した。これにより、上述の光吸収層上に、膜厚500nmのホール輸送層を形成した。
(第2導電層形成工程)
真空蒸着法により、上述のホール輸送層上に、第2導電層を形成した。第2導電層は、膜厚150nm、横5mm及び縦5mmの金蒸着膜であり、陽極として備えられた。これにより、基体と、第1導電層と、電子輸送層(詳しくは、緻密酸化チタン層及び多孔質酸化チタン層)と、光吸収層と、ホール輸送層と、第2導電層とを備える、光電変換素子(A−1)を得た。
以下の点を変更した以外は、光電変換素子(A−1)の製造と同じ方法により、光電変換素子(A−2)〜(A−10)及び(B−1)〜(B−2)を製造した。
[光電変換素子(A−2)]
光電変換素子(A−2)の製造では、ホール輸送層形成工程において、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製「エスレックBL−S」)0.2gの代わりに、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製「エスレックBM−S」、重量平均分子量:5.3×104)0.2gを用いた。
[光電変換素子(A−3)]
光電変換素子(A−3)の製造では、ホール輸送層形成工程において、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製「エスレックBL−S」)0.2gの代わりに、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製「エスレックBH−S」、重量平均分子量:6.6×104)0.2gを用いた。
[光電変換素子(A−4)]
光電変換素子(A−4)の製造では、ホール輸送層形成工程において、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製「エスレックBL−S」)0.2gの代わりに、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製「エスレックBL−1」、重量平均分子量:1.9×104)0.2gを用いた。
[光電変換素子(A−5)]
光電変換素子(A−5)の製造では、ホール輸送層形成工程において、イソプロピルアルコール12.21mLの代わりに、トルエン11.13mLを用いた。
[光電変換素子(A−6)]
光電変換素子(A−6)の製造では、光電変換素子(A−1)の製造で実施した多孔質酸化チタン層形成工程を実施しなかった。更に、光電変換素子(A−6)の製造では、光電変換素子(A−1)の製造で1回実施した緻密酸化チタン層形成工程を、2回実施した。
[光電変換素子(A−7)]
光電変換素子(A−7)の製造では、ホール輸送層形成工程において、イソプロピルアルコール12.21mLの代わりにクロロベンゼン8.6mLを用い、塗布したホール輸送層用塗布液の乾燥温度を100℃から130℃に変更した。
[光電変換素子(A−8)]
光電変換素子(A−8)の製造では、ホール輸送層形成工程において、カーボンナノチューブの添加量を0.2gから0.1gに変更し、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製「エスレックBL−S」)の添加量を0.2gから0.3gに変更した。
[光電変換素子(A−9)]
光電変換素子(A−9)の製造では、ホール輸送層形成工程において、カーボンナノチューブの添加量を0.2gから0.08gに変更し、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製「エスレックBL−S」)の添加量を0.2gから0.32gに変更した。
[光電変換素子(A−10)]
光電変換素子(A−10)の製造では、ホール輸送層形成工程において、カーボンナノチューブの添加量は0.2gのまま変更せず、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製「エスレックBL−S」)の添加量を0.2gから0.15gに変更した。
[光電変換素子(B−1)]
光電変換素子(B−1)の製造では、ホール輸送層形成工程において、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製「エスレックBL−S」)を添加しなかった。つまり、カーボンナノチューブ0.2gをイソプロピルアルコール12.21mLに分散させたホール輸送層用塗布液(結着樹脂を含まないカーボンナノチューブ分散液)を用いた。
[光電変換素子(B−2)]
光電変換素子(B−2)の製造では、ホール輸送層形成工程において、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業株式会社製「エスレックBL−S」)の代わりにポリメタクリル酸メチル樹脂(東京化成工業株式会社製「メタクリル酸メチルポリマー」)を用いた。また、ポリメタクリル酸メチル樹脂がイソプロピルアルコール、トルエン、及びクロロベンゼンに溶解しなかったため、イソプロピルアルコールの代わりにメチルエチルケトンを用いた。
<光吸収層の観察>
光吸収層形成工程後、ホール輸送層形成工程前に、光電変換素子(A−1)及び(A−6)の光吸収層を観察した。
(光電変換素子(A−1)の光吸収層の観察)
光電変換素子(A−1)の光吸収層の表面を、光学顕微鏡(株式会社キーエンス製「デジタルマイクロスコープ VHX」)を用いて2000倍の倍率で観察した。図4に、観察された光電変換素子(A−1)の光吸収層の表面の写真を示す。なお、図4及び後述する図5〜図7の写真中に示されるスケールバーは、10.00μmの長さを示す。図4に示す写真から、光電変換素子(A−1)の光吸収層が針状結晶構造を有するペロブスカイト化合物Yによって構成されていること、及び針状結晶構造を有するペロブスカイト化合物Yによって多孔質領域が形成されていることが確認できた。
(光電変換素子(A−6)の光吸収層の観察)
光電変換素子(A−6)の光吸収層の表面を、光学顕微鏡(株式会社キーエンス製「デジタルマイクロスコープ VHX」)を用いて2000倍の倍率で観察した。図5に、観察された光電変換素子(A−6)の光吸収層の表面の写真を示す。図5に示す写真から、光電変換素子(A−6)の光吸収層が針状結晶構造を有するペロブスカイト化合物Yによって構成されていること、及び針状結晶構造を有するペロブスカイト化合物Yによって多孔質領域が形成されていることが確認できた。更に、図4及び図5に示す写真から、光電変換素子(A−1)の光吸収層に含有されるペロブスカイト化合物Yの針状結晶と比較して、光電変換素子(A−6)の光吸収層に含有されるペロブスカイト化合物Yの針状結晶は、大きく成長していることが確認できた。光電変換素子(A−1)の電子輸送層表面(多孔質酸化チタン層)と比較して、光電変換素子(A−6)の電子輸送層表面(緻密酸化チタン層)の凹凸が少ないため、ペロブスカイト化合物Yの針状結晶が大きく成長したものと考えられる。
<ペロブスカイト化合物の長軸長さ及びアスペクト比の測定>
光吸収層形成工程後、ホール輸送層形成工程前に、光電変換素子(A−1)及び(A−6)の光吸収層を観察し、ペロブスカイト化合物の長軸長さと、アスペクト比とを測定した。
(光電変換素子(A−1)の測定)
光電変換素子(A−1)の光吸収層の表面を、光学顕微鏡(株式会社キーエンス製「デジタルマイクロスコープ VHX」)を用いて2000倍の倍率で観察した。光吸収層の表面に確認されたペロブスカイト化合物の任意の20個について、長軸長さ及びアスペクト比を測定し、20個の測定値の合計を測定個数(20個)で徐することにより、その算術平均値を求めた。光電変換素子(A−1)の光吸収層に含有されるペロブスカイト化合物について、長軸長さの算術平均値は7μmであり、アスペクト比の算術平均値は5であった。
(光電変換素子(A−6)の測定)
光電変換素子(A−1)の測定と同じ方法により、光電変換素子(A−6)の光吸収層に含有されるペロブスカイト化合物の長軸長さ及びアスペクト比を測定し、その算術平均値を求めた。光電変換素子(A−6)の光吸収層に含有されるペロブスカイト化合物について、長軸長さの算術平均値は15μmであり、アスペクト比の算術平均値は12であった。
<ホール輸送層の観察>
ホール輸送層形成工程後、第2導電層形成工程前に、光電変換素子(A−1)及び(A−6)のホール輸送層の表面を、光学顕微鏡(株式会社キーエンス製「デジタルマイクロスコープ VHX」)を用いて2000倍の倍率で観察した。図6に、観察された光電変換素子(A−1)のホール輸送層の表面の写真を示す。図7に、観察された光電変換素子(A−6)のホール輸送層の表面の写真を示す。図6及び図7に示す写真から、針状結晶構造を有するペロブスカイト化合物Yにより形成された光吸収層の多孔質領域の空隙に、カーボンナノチューブとポリビニルブチラール樹脂とが充填されていることが確認できた。更に、図6及び図7に示す写真から、光吸収層の多孔質領域の空隙が大きい場合であっても、ホール輸送層の表面にピンホールがないことが確認できた。ホール輸送層の表面にピンホールがないことから、導電層間の短絡が防止されていると判断される。
<評価>
光電変換素子(A−1)〜(A−10)及び(B−1)〜(B−2)の各々について、短絡電流、開放電圧、曲線因子、及び光電変換効率を、ソーラーシミュレータ(株式会社ワコム電創製)を用いて測定した。光電変換素子の表面層側の第2導電層が陽極となり、基体側の第1導電層が陰極となるように、ソーラーシミュレータに光電変換素子を接続した。キセノンランプの光をエアマスフィルター(株式会社ニコン製「AM−1.5」)を通過させることにより得られた100mW/cm2の疑似太陽光を、光電変換素子に照射した。照射したときの光電変換素子の電流−電圧特性を測定し、電流−電圧曲線を得た。電流−電圧曲線から、短絡電流(Jsc)、開放電圧(Voc)、曲線因子(FF)、及び光電変換効率(η)を算出した。短絡電流、開放電圧、曲線因子、及び光電変換効率は、何れも、その数値が高いほど光電変換素子として優れていることを示す。結果を下記表2に示す。
Figure 2021132108
光電変換素子(A−1)〜(A−10)の光吸収層は、針状結晶構造を有するペロブスカイト化合物を含有し、ホール輸送層は、カーボンナノチューブと、ポリビニルブチラール樹脂とを含有していた。このため、表2に示すように、光電変換素子(A−1)〜(A−10)は、光電変換素子(B−1)〜(B−2)と比較し、短絡電流、開放電圧、曲線因子、及び変換効率が良好であった。また、光電変換素子(A−1)〜(A−10)は、大気雰囲気下で光吸収層を形成できるため低コストで製造できると判断される。
また、光電変換素子(A−1)〜(A−8)のホール輸送層において、ポリビニルブチラール樹脂の質量に対するカーボンナノチューブの質量の比率は、0.3以上1.0以下であった。このため、表2に示すように、光電変換素子(A−1)〜(A−10)のなかでも、光電変換素子(A−1)〜(A−8)の変換効率は、特に良好であった。
一方、光電変換素子(B−1)は、光電変換素子(A−1)〜(A−10)と比較し、短絡電流、開放電圧、曲線因子、及び光電変換効率が良好でなかった。これは、光電変換素子(B−1)は、ホール輸送層を形成する際に、ホール輸送材料であるカーボンナノチューブが、ポリビニルブチラール樹脂に被覆されることなく光吸収層の多孔質領域の空隙内に浸透し、その結果、部分的に導電層間の短絡が発生したためであると考えられる。
また、光電変換素子(B−2)は、光電変換素子(A−1)〜(A−10)と比較し、短絡電流、開放電圧、曲線因子、及び光電変換効率が良好でなかった。これは、ホール輸送層形成工程において用いたメチルエチルケトンにより、光吸収層に含有されるペロブスカイト化合物の針状結晶構造が崩れたためであると考えられる。
本発明に係る光電変換素子は、メガソーラーシステムのような太陽光発電システム、太陽電池、及び小型携帯機器用の電源等に利用できる。
1 :光電変換素子
2 :基体
3 :第1導電層
4 :電子輸送層
51 :緻密酸化チタン層
52 :多孔質酸化チタン層
6 :光吸収層
7 :ホール輸送層
8 :第2導電層

Claims (10)

  1. 電子輸送層と、ホール輸送層と、前記電子輸送層及び前記ホール輸送層の間に配設される光吸収層とを備え、
    前記光吸収層は、針状結晶構造を有するペロブスカイト化合物を含有し、
    前記ホール輸送層は、カーボンナノチューブと、ポリビニルブチラール樹脂とを含有する、光電変換素子。
  2. 前記ポリビニルブチラール樹脂のブチラール化度は、60mol%以上80mol%以下である、請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記ポリビニルブチラール樹脂の質量に対する、前記カーボンナノチューブの質量の比率は、0.3以上1.0以下である、請求項1又は2に記載の光電変換素子。
  4. 前記ペロブスカイト化合物の長軸長さは、5μm以上50μm以下であり、
    前記ペロブスカイト化合物の短軸長さに対する長軸長さの比は、5以上20以下である、請求項1〜3の何れか一項に記載の光電変換素子。
  5. 前記ペロブスカイト化合物は、下記一般式(1)で表される、請求項1〜4の何れか一項に記載の光電変換素子。
    Figure 2021132108
    (前記一般式(1)中、Aは有機分子であり、Bは金属原子であり、Xはハロゲン原子である。)
  6. 前記電子輸送層は、酸化チタンを含有する、請求項1〜5の何れか一項に記載の光電変換素子。
  7. 第1電荷輸送材料を含有する第1電荷輸送層を形成する第1電荷輸送層形成工程と、
    前記第1電荷輸送層上に、光吸収層を形成する光吸収層形成工程と、
    前記光吸収層上に、第2電荷輸送材料を含有する第2電荷輸送層を形成する第2電荷輸送層形成工程とを含み、
    前記第1電荷輸送材料を含有する前記第1電荷輸送層、及び前記第2電荷輸送材料を含有する前記第2電荷輸送層のうちの一方が、電子輸送材料を含有する電子輸送層であり、他方がホール輸送材料を含有するホール輸送層であり、
    前記光吸収層は、針状結晶構造を有するペロブスカイト化合物を含有し、
    前記ホール輸送層は、ポリビニルブチラール樹脂と、前記ホール輸送材料であるカーボンナノチューブとを含有する、光電変換素子の製造方法。
  8. 前記第1電荷輸送材料を含有する前記第1電荷輸送層が、前記電子輸送材料を含有する前記電子輸送層であり、
    前記第2電荷輸送材料を含有する前記第2電荷輸送層が、前記ホール輸送材料を含有する前記ホール輸送層であり、
    前記第2電荷輸送層形成工程において、前記光吸収層上に、ホール輸送層用塗布液を塗布することで、前記ホール輸送層が形成され、
    前記ホール輸送層用塗布液は、前記ポリビニルブチラール樹脂と、前記ホール輸送材料である前記カーボンナノチューブと、溶媒とを含有する、請求項7に記載の光電変換素子の製造方法。
  9. 前記ホール輸送層用塗布液に含有される前記溶媒は、イソプロピルアルコール、トルエン、又はクロロベンゼンである、請求項8に記載の光電変換素子の製造方法。
  10. 前記ホール輸送層用塗布液は、浸漬塗布法、ロールコート法、又はスピンコート法により、塗布される、請求項8又は9に記載の光電変換素子の製造方法。
JP2020026351A 2020-02-19 2020-02-19 光電変換素子、及び光電変換素子の製造方法 Pending JP2021132108A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020026351A JP2021132108A (ja) 2020-02-19 2020-02-19 光電変換素子、及び光電変換素子の製造方法
US17/162,597 US20210257570A1 (en) 2020-02-19 2021-01-29 Photoelectric conversion element and method of producing photoelectric conversion element
CN202110152402.3A CN113285025A (zh) 2020-02-19 2021-02-03 光电转换元件以及光电转换元件的制造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020026351A JP2021132108A (ja) 2020-02-19 2020-02-19 光電変換素子、及び光電変換素子の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021132108A true JP2021132108A (ja) 2021-09-09

Family

ID=77272862

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020026351A Pending JP2021132108A (ja) 2020-02-19 2020-02-19 光電変換素子、及び光電変換素子の製造方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20210257570A1 (ja)
JP (1) JP2021132108A (ja)
CN (1) CN113285025A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023120033A1 (ja) * 2021-12-24 2023-06-29 日本ゼオン株式会社 光電変換素子

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021044634A1 (ja) * 2019-09-06 2021-03-11 シャープ株式会社 表示装置、およびその製造方法
CN114141954A (zh) * 2021-10-13 2022-03-04 中国计量大学 一种以二氧化锡为基底聚合物界面修饰的钙钛矿薄膜及其制备方法、太阳电池
CN114141952B (zh) * 2021-11-30 2023-06-20 华能新能源股份有限公司 一种掺杂钙钛矿太阳能电池及其制备方法
CN116615037A (zh) * 2023-03-07 2023-08-18 北京协同创新研究院 钙钛矿太阳能电池、制备方法、钙钛矿光伏组件及叠层电池

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009098779A1 (ja) * 2008-02-08 2009-08-13 Meijo Nano Carbon Co., Ltd. カーボンナノチューブ分散液、及びその利用
CN104966781A (zh) * 2015-05-04 2015-10-07 青岛大学 一种钙钛矿纳米纤维膜太阳能电池及其制备方法
KR20160098093A (ko) * 2015-02-09 2016-08-18 성균관대학교산학협력단 나노와이어 페로브스카이트 태양전지 및 이의 제조 방법
US20170098513A1 (en) * 2014-05-23 2017-04-06 Ecole Polytechnique Federale De Lausanne (Epfl) Nanowires of organic-inorganic perovskites
WO2017104792A1 (ja) * 2015-12-16 2017-06-22 国立大学法人京都大学 錯体及びペロブスカイト材料、並びに該錯体若しくはペロブスカイト材料を用いたペロブスカイト型太陽電池
US10290432B1 (en) * 2018-02-13 2019-05-14 Nano And Advanced Materials Institute Limited Method for forming perovskite solar cell with printable carbon electrode
JP2019193914A (ja) * 2018-05-01 2019-11-07 パナソニックIpマネジメント株式会社 印刷方法、印刷装置、および太陽電池

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4762204B2 (ja) * 2007-07-04 2011-08-31 三菱電機株式会社 プログラム開発支援装置
JP2009155570A (ja) * 2007-12-27 2009-07-16 Mitsubishi Rayon Co Ltd カーボンナノチューブ含有組成物、これからなる塗膜を有する複合体およびその製造方法
KR101016099B1 (ko) * 2009-03-02 2011-02-17 주식회사 어플라이드카본나노 염료감응 태양전지용 액상 탄소나노선재를 이용한 태양전지의 상대전극, 이를 포함하는 태양전지와 그 제조방법
GB201208793D0 (en) * 2012-05-18 2012-07-04 Isis Innovation Optoelectronic device
GB201404840D0 (en) * 2014-03-18 2014-04-30 Isis Innovation Hole conduction layer
GB201517629D0 (en) * 2015-10-06 2015-11-18 Isis Innovation Device architecture
US10077507B2 (en) * 2015-11-30 2018-09-18 Wisconsin Alumni Research Foundation Solution growth of single-crystal perovskite structures

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009098779A1 (ja) * 2008-02-08 2009-08-13 Meijo Nano Carbon Co., Ltd. カーボンナノチューブ分散液、及びその利用
US20170098513A1 (en) * 2014-05-23 2017-04-06 Ecole Polytechnique Federale De Lausanne (Epfl) Nanowires of organic-inorganic perovskites
KR20160098093A (ko) * 2015-02-09 2016-08-18 성균관대학교산학협력단 나노와이어 페로브스카이트 태양전지 및 이의 제조 방법
CN104966781A (zh) * 2015-05-04 2015-10-07 青岛大学 一种钙钛矿纳米纤维膜太阳能电池及其制备方法
WO2017104792A1 (ja) * 2015-12-16 2017-06-22 国立大学法人京都大学 錯体及びペロブスカイト材料、並びに該錯体若しくはペロブスカイト材料を用いたペロブスカイト型太陽電池
US10290432B1 (en) * 2018-02-13 2019-05-14 Nano And Advanced Materials Institute Limited Method for forming perovskite solar cell with printable carbon electrode
JP2019193914A (ja) * 2018-05-01 2019-11-07 パナソニックIpマネジメント株式会社 印刷方法、印刷装置、および太陽電池

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023120033A1 (ja) * 2021-12-24 2023-06-29 日本ゼオン株式会社 光電変換素子

Also Published As

Publication number Publication date
CN113285025A (zh) 2021-08-20
US20210257570A1 (en) 2021-08-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20210257570A1 (en) Photoelectric conversion element and method of producing photoelectric conversion element
Fagiolari et al. Carbon-based materials for stable, cheaper and large-scale processable perovskite solar cells
Nejand et al. All-inorganic large-area low-cost and durable flexible perovskite solar cells using copper foil as a substrate
Wang et al. V2O5-PEDOT: PSS bilayer as hole transport layer for highly efficient and stable perovskite solar cells
Liu et al. Using a low-temperature carbon electrode for preparing hole-conductor-free perovskite heterojunction solar cells under high relative humidity
Zhang et al. Bifunctional alkyl chain barriers for efficient perovskite solar cells
Chen et al. A new photoanode architecture of dye sensitized solar cell based on ZnO nanotetrapods with no need for calcination
Etgar et al. Mesoscopic CH3NH3PbI3/TiO2 heterojunction solar cells
Mali et al. Bio-inspired carbon hole transporting layer derived from aloe vera plant for cost-effective fully printable mesoscopic carbon perovskite solar cells
US7691295B2 (en) Metal oxide paste composition and method of manufacturing semiconductor electrode using the same
Chang et al. Colloidal precursor-induced growth of ultra-even CH3NH3PbI3 for high-performance paintable carbon-based perovskite solar cells
Wang et al. Kinetics of electron recombination of dye-sensitized solar cells based on TiO 2 nanorod arrays sensitized with different dyes
Eensalu et al. Semitransparent Sb2S3 thin film solar cells by ultrasonic spray pyrolysis for use in solar windows
JP2015530738A (ja) 有機金属ハロゲン化物ペロブスカイトヘテロ接合太陽電池およびその製造方法
Sahu et al. Core-shell Au–TiO 2 nanoarchitectures formed by pulsed laser deposition for enhanced efficiency in dye sensitized solar cells
JP2005347245A (ja) 太陽電池及びその製造方法
Mahmood et al. A dye-sensitized solar cell based on a boron-doped ZnO (BZO) film with double light-scattering-layers structured photoanode
Yu et al. Enhanced photovoltaic performance of perovskite solar cells with mesoporous SiO2 scaffolds
Zhang et al. Enhancing perovskite quality and energy level alignment of TiO2 nanorod arrays-based solar cells via interfacial modification
Shariatinia Perovskite solar cells as modern nano tools and devices in solar power energy
Gu et al. Stable high-performance perovskite solar cells based on inorganic electron transporting bi-layers
JP7254591B2 (ja) 光電変換素子及びその製造方法
JP7072437B2 (ja) 光電変換素子の製造方法
Liu et al. Fully low-temperature processed carbon-based perovskite solar cells using thermally evaporated cadmium sulfide as efficient electron transport layer
KR101578875B1 (ko) 자기조직된 유전체를 포함하는 태양전지 및 그의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220921

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230419

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230606

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20231128