JP2006344507A - 光電変換用電極及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、無機半導体粒子間を強固に緻密化した無機半導体層と、この無機半導体層と、導電層を備えた光透過性を有する可撓性基板の導電層の接着を、短時間に且つ大きな接着力にすることで、発電効率を高めかつ可撓性に富んだ光電変換用電極の生産性を向上させ、大量生産を可能とし安価にできる光電変換用電極及びその製造方法関する。
【解決手段】 導電層を備えた光透過性を有する可撓性基板1の導電層3の上に、マイクロ波吸収発熱層4とこのマイクロ波吸収発熱層4上に無機半導体層5を形成してマイクロ波の照射により緻密化した前記無機半導体層5bを形成したことを特徴とする光電変換用電極。
【選択図】図1
【解決手段】 導電層を備えた光透過性を有する可撓性基板1の導電層3の上に、マイクロ波吸収発熱層4とこのマイクロ波吸収発熱層4上に無機半導体層5を形成してマイクロ波の照射により緻密化した前記無機半導体層5bを形成したことを特徴とする光電変換用電極。
【選択図】図1
Description
本発明は、色素増感型太陽電池等に用いる光電変換用電極及びその製造方法に関するものである。
製造プロセスが容易で、低コスト化ができ、環境負荷も低い等の観点から色素増感型太陽電池の開発に期待が持たれている。現行の色素増感型太陽電池は、導電性ガラス基板上に半導体の微粒子を分散したペーストを塗布した後乾燥し、その後増感色素を担持させた負極と導電性ガラス基板にPtなどの触媒を担持させた対極の間に封入された電解液から構成されており、資源的な制約がなく、安価に製造できる可能性があることで注目されている。従来、光が入射する側の表面の内面に透明導電層を設けたガラス板を基板として、その上に各種の電池構成要素を加工する製造方法を採っていた。これは、現在のところ、色素増感太陽電池において、高い光電変換効率を実現するためには、500℃付近の温度で1〜2時間焼結させることが効果的であるためである。
色素増感型太陽電池の光電変換用電極(無機半導体電極)の作製方法は、一般に酸化チタニウム(TiO2)ペーストをドクターブレード法や印刷法などにより導電性ガラス基板上に一様に塗布し乾燥させる工程を数回〜数十回繰り返した後、500℃付近の温度で1〜2時間焼結させる方法である。このため、基板がガラスのように耐熱性の高いものに限られるため、製造時の作業性、生産性が劣り、コスト面で高価となる問題がある。
上記の光電変換用電極は、ガラス基板をプラスチックフィルムに変えることができれば安価でフレキシブルな太陽電池の作製が可能となる。しかし、プラスチックフィルムの基板を使用する場合には、プラスチックフィルム基板の耐熱温度以下になる条件で酸化チタニウムなどの半導体微粒子を焼結して形成しなければならず、このため無機半導体膜と基板の密着性および無機半導体同士の密着性が十分得られず、高い変換効率を得るのが困難であった。
プラスチックフィルムを基板とした場合の光電変換用電極の製造方法として、プラスチックフィルム基板上の導電層面上に無機半導体の無機半導体層を形成し、この無機半導体層にマイクロ波を照射して無機半導体層を焼結する方法がある(特許文献1)。しかし、この方法の場合、フィルム上の導電層がマイクロ波を吸収して発熱することで無機半導体を焼結して緻密化するものであるから、焼結温度がプラスチックフィルム基板に与える熱の影響が大きい。また、焼結の向上を狙って焼結温度を上げるとプラスチックフィルム基板が劣化し、さらに、焼結時間を長くすると生産性が下がるので連続生産方式に不向きであった。
特開2004−342319
本発明は、無機半導体粒子間を強固に緻密化した無機半導体層と、この無機半導体層と、導電層を備えた光透過性を有する可撓性基板の導電層の接着を、短時間に且つ大きな接着力にすることで、発電効率を高め且つ可撓性に富んだ光電変換用電極の生産性を向上させるとともに、大量生産を可能としコスト面でも安価にできる光電変換用電極及びその製造方法関する。
本発明は、導電層を備えた光透過性を有する可撓性基板の導電層の上に、マイクロ波吸収発熱層とこのマイクロ波吸収発熱層上に無機半導体層を形成して、マイクロ波の照射により緻密化した無機半導体層を形成することを特徴とする。
さらに、前記マイクロ波吸収発熱層と無機半導体層に照射するマイクロ波の周波数を300MHz〜300GHzにしたことを特徴とする。
さらに、前記光透過性を有する可撓性基板を、プラスチックフィルムとしたことを特徴とする。
さらに、前記マイクロ波吸収発熱層を、酸素欠損を有する酸化チタン(TiO2-x)としたことを特徴とする。
さらに、前記マイクロ波吸収発熱層を、酸窒化チタン(TiOXNY)としたことを特徴とする。
さらに、前記マイクロ波吸収発熱層の厚みを、0.5μm〜5μmとしたことを特徴とする。
さらに、前記無機半導体層を、金属酸化物で形成したことを特徴とする。
さらに、前記金属酸化物を、酸化チタンとしたことを特徴とする。
また、導電層を備えた光透過性を有する可撓性基板の導電層上にマイクロ波吸収発熱層を形成する第1工程と、前記マイクロ波吸収発熱層上に無機半導体層を形成する第2工程と、前記第2工程で形成したマイクロ波吸収発熱層と無機半導体層とにマイクロ波を照射して無機半導体層を緻密化する第3工程とよりなることを特徴とする。
さらに、前記第1工程が、マイクロ波吸収発熱剤を塗布した後乾燥してマイクロ波吸収発熱層を形成する工程を有し、前記第2工程が、無機半導体を塗布した後乾燥して無機半導体層を形成する工程を備えていることを特徴とする。
さらに、前記第1工程と前記第2工程の塗布を、印刷法で行なうことを特徴とする。
上記した本発明の解決手段によると、本発明は、導電層を備えた光透過性を有する可撓性基板の導電層の上に、マイクロ波吸収発熱層とこのマイクロ波吸収発熱層上に無機半導体層を形成してマイクロ波の照射によって得られる緻密化した無機半導体層は、マイクロ波が照射されるとマイクロ波吸収発熱層がマイクロ波を吸収して優先的に発熱するので、無機半導体を緻密化する温度を、可撓性基板に与える影響を抑制しつつ高くすることができるので、無機半導体を強固に緻密化した無機半導体層にするとともに可撓性基板の導電層と強固に緻密化した無機半導体層との接着力を強くし、且つ無機半導体の粒子間の接着を強くする。このため、可撓性に富み且つ発電効率の良好な光電変換用電極を得る。さらに、マイクロ波吸収発熱層の存在により優先的に発熱して強固に緻密化した無機半導体層を形成する時間が短縮されるので生産性を向上させ光電変換用電極の大量生産を可能とする効果がある。
本発明による光電変換用電極8の説明用模式的断面図である図1において、1は、光を透過する材質であり且つ可撓性を備えた可撓性基板2に導電性剤を一定の厚みの層に形成した導電層3を備えた光透過性を有する可撓性基板である。
導電層3の上に構成したマイクロ波吸収発熱層4は、溶剤にマイクロ波吸収発熱剤4aの微粒子を混入してペーストとし、このペーストを、前記導電層を備えた光透過性を有する可撓性基板1の上に均一に塗布して乾燥して形成したものである。尚、他の方法として、マイクロ波吸収発熱剤4aの微粒子を物理的成膜法(スパッタリング、イオンプレーティング、真空蒸着)により、前記導電層を備えた光透過性を有する可撓性基板1の上に均一に形成してもよい。
無機半導体層5は、前述の工程で形成したマイクロ波吸収発熱層4の上に、溶剤に無機半導体5aの微粒子を混入してペーストとしこのペーストを、塗布し乾燥して無機半導体層5が形成される。
このように、導電層3を備えた光透過性を有する可撓性基板1の導電層3と、マイクロ波吸収発熱層4と無機半導体層5を、層状に形成した状態でマイクロ波6を照射する。このマイクロ波6は、無機半導体層5を透過してマイクロ波吸収発熱層4に達し、照射されたマイクロ波のほとんどが、マイクロ波吸収発熱層4に捕捉されマイクロ波吸収発熱層4で発熱する。この熱で無機半導体層5を形成する無機半導体5aの微粒子同士は、強固に緻密化される。この無機半導体層5の緻密化するための熱は、マイクロ波吸収発熱層4で発生させるので、可撓性基板2に与える熱の影響を少なくすると共に、無機半導体層5に高い熱を作用させる。このようにして得られた無機半導体層5は、強固に緻密化された無機半導体層5bとして形成される。
即ち、無機半導体層5には、マイクロ波吸収発熱層4で発生する局部的に高い熱を作用させるので、無機半導体5aの微粒子同士が互いに強固に緻密化(強固にネッキング)される。このため光電変換効率を良くすることができる。同時に、導電層3と無機半導体層5の間も、マイクロ波吸収発熱層4で発生する局部的に高い熱で加熱されることで緻密化された無機半導体層5bが導電層3に強力に接着される。このため良好な可撓性を得る。このようにして、可撓性に富み且つ光電変換効率の良い光電変換用電極8が得られる。
上記の可撓性基板1は、フレキシブルなプラスチックフィルムとして、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリイミド等を使用することができ、その厚みは、50〜200μm程度のフィルムを用いることが好ましい。特にポリエチレンテレフタレートであると大量に市販されているから安価に入手できるのでより好適である。
また、可撓性基板1(プラスチックフィルム)上に備えられた透明導電膜の表面抵抗値は、低いほどよい。透明導電膜の表面抵抗値は10Ω/□以下が好ましい。
可撓性基板2の表面に形成する導電層3は、太陽光の可視領域から近赤外線領域に対して光吸収が少ない導電材料なら特に限定されないが、ITO(酸化インジュウム、酸化スズ、化合物)や酸化スズ(フッ素をドープされたものを含む)、酸化亜鉛で形成した。
マイクロ波吸収発熱層4を構成するマイクロ波吸収発熱剤4aの微粒子は、酸素欠損を有する酸化チタン(TiO2-X)の微粒子を水等の溶媒に均一分散したペーストを調整し塗布することができる。尚、マイクロ波吸収発熱剤4aの微粒子は、酸窒化チタン(TiOXNY)でもよい。さらに、ペーストの作製方法としては、マイクロ波吸収発熱剤4aの微粒子を水、溶剤等の溶媒に均一分散するためにボールミル、乳鉢、遠心機等を使用するのが好ましい。このマイクロ波吸収発熱剤4aの微粒子を可撓性基板1上に塗布して形成したマイクロ波吸収発熱層4は、基材をいためず且つ揮発成分を除去できる程度の50〜200℃程度で乾燥させる。なお、上記マイクロ波吸収発熱剤4aである酸素欠損を有する酸化チタン(TiO2-x)及び酸窒化チタン(TiOXNY)のX、Yは、任意の数字であり、TiO2-x 及びTiOXNYの表記は、非化学量論的物質であるため、このような表記としている。
尚、マイクロ波吸収発熱層4は、前述の方法によらず、導電層3に各種の物理的成膜法(スパッタリング、イオンプレーティング、真空蒸着)によって形成してもよい。
表1は、マイクロ波吸収発熱層4にマイクロ波6を照射してその発熱効果を得るための予備試験である。この予備試験は、導電層を備えた光透過性を有する可撓性基板1の導電層3と、酸素欠陥を有する酸化チタン(TiO2-X)粒子のマイクロ波吸収発熱剤4aと、無機半導体層5の3種を被照射体とし、この被照射体に28GHz、1kWのマイクロ波を1分間照射した後の各被照射体温度である。
表1の結果から明白なように、マイクロ波吸収発熱剤4aは、1300℃であり極めて高温になる。導電層3は、192℃と可撓性基板2の耐熱温度以下であり、さらに無機半導体5がマイクロ波6を殆ど吸収しないので低温であることを知見した。
この知見によると、マイクロ波吸収発熱層4上に無機半導体層5を形成して、その上からマイクロ波6を照射すると、このマイクロ波は、無機半導体層5を透過してマイクロ波吸収発熱層4に吸収されて高温に発熱し、この熱で無機半導体層5を緻密化する。またこのとき導電層3は可撓性基板2の耐熱温度より低い。したがって、可撓性基板2をプラスチックフィルムとしても、マイクロ波吸収発熱層4の働きにより無機半導体層5をきわめて高い温度で緻密化することができ、無機半導体5aを強くネッキングする(緻密化する)ので、発電効率のよい光電変換用電極が得られる。
また、マイクロ波吸収発熱層4は、マイクロ波6の照射で高温になるので、導電層3との接着性を高める。さらに、マイクロ波吸収発熱層4は、照射されるマイクロ波6の殆どを吸収するので導電層3による発熱を抑制し可撓性基板2への熱の影響を抑制することができる。
さらに、マイクロ波吸収発熱層4の厚みは、0.5μm〜5μmとするのが望ましい。すなわち、マイクロ波吸収発熱層4の厚みが0.5μm未満では、マイクロ波6がマイクロ波吸収発熱層4の層中を透過してマイクロ波吸収発熱特性が低下し十分な発熱は得られない可能性があり、さらに、マイクロ波吸収発熱層4の厚みが5μmを超えると、導電層を備えた光透過性を有する可撓性基板1の光透過性が著しく低下するため光電変換用電極としての性能が低下する。従って、マイクロ波吸収層4の厚みは、0.5μm〜5μmとするのが望ましい。
無機半導体層5を形成する無機半導体5aは、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マンガン、酸化カドミニウム、酸化インジウム、酸化鉛、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化アンチモン、酸化ビスマス、酸化銅、酸化水銀、酸化銀、酸化マンガン、酸化鉄、酸化バナジウム、酸化錫、酸化ジルコニウム、酸化ストロンチウム、酸化ガリウム、酸化けい素、酸化クロムなどの金属酸化物類がある。そして、無機半導体層5は、無機半導体5aの微粒子を溶剤中に分散させたペーストを作成し、このペーストを塗布した後、ペーストを前記導電層を備えた透過性を有する可撓性基板1をいためない温度で乾燥させて揮発成分を除去して形成する。塗布法は、スピンコータ、スクリーン印刷、吹きつけ法、転写法、ローラ方等を用いることができる。
上記無機半導体5aは、上記中でも特に安価で性能に優れたアナターゼ型酸化チタン微粒子が好ましい。無機半導体5aの微粒子の平均粒径で1 nm〜200nmが好ましい。
以下図2に示す光電変換用無機半導体電極の製造工程について述べる。
図2に示す光電変換用電極の製造工程は、第1工程11と第2工程12と第3工程13を有する。
前記第1工程11は、導電層を備えた光透過性を有する可撓性基板1の導電層上に溶剤でペースト状にしたマイクロ波吸収発熱剤4aの微粒子を一定の厚みに塗布するマイクロ波吸収発熱層成膜工程21と、このマイクロ波吸収発熱層成膜工程21で形成したマイクロ波吸収発熱層4の溶剤を導電層を備えた光透過性を有する可撓性基板1がいためられず且つ溶剤成分を除去できる程度の50〜200℃程度で乾燥させるマイクロ波吸収発熱層乾燥工程22と、で構成してある。この第1工程11では、導電層3を備えた透過性を有する可撓性基板1の導電層3上にマイクロ波吸収発熱層4が形成される。
前記第2工程12は、第1工程11の後段に設けてあり、前記第1工程11で形成したマイクロ波吸収発熱層4の上に溶剤でペースト状にした無機半導体5aを一定の厚みに塗布する無機半導体層成膜工程23と、この無機半導体層成膜工程23で形成された無機半導体層5を導電層を備えた光透過性を有する可撓性基板1がいためられず且つ溶剤成分を除去できる温度(50〜200℃)で乾燥させる無機半導体層乾燥工程24と、で構成してある。この第2工程12では、第1工程11で形成されたマイクロ波吸収発熱層4上に、無機半導体層5を形成する。
前記第3工程13は、第1工程11から第2工程12を経て形成されたマイクロ波吸収発熱層4と無機半導体層5を加熱するマイクロ波照射工程25を有する構成である。この第3工程13は、第1工程11から第2工程12を経て形成された無機半導体層5にマイクロ波6を照射し、このマイクロ波がマイクロ波吸収発熱層4で吸収され発熱し無機半導体層5を加熱して無機半導体5aを緻密化(強固にネッキング)された無機半導体層5bを形成する工程である。
上記した製造方法によると、第1工程11と第2工程12と第3工程13は、マイクロ波吸収発熱層4が導電層を備え光透過性を有する可撓性基板1と無機物半導体層5の間にマイクロ波吸収発熱層4を介在させた状態でマイクロ波6を照射するので、マイクロ波吸収発熱層4がマイクロ波6を吸収して優先的に発熱するものである。このため、強固に緻密化した無機半導体層5bを短時間に形成するとともに、この緻密化した無機半導体層5bと導電層3との接着を短時間にすることができる。従って、光電変換用無機半導体電極の製造装置を連続的に稼動可能であり、大量生産が容易に達成できる。
(実施例)
(実施例)
光電変換用電極8の導電層を備えた光透過性を有する可撓性基板1(プラスチックフィルム基板)として、株式会社トービ製の透明導電性フィルム(OTEC-110)を使用した。
マイクロ波吸収発熱剤4aの微粒子としては、酸化チタン粒子(日本エアロジル株式会社製 P25)を原料とし、真空熱処理をして平均粒子径30nmの酸素欠陥を有する酸化チタン(TiO2-x)粒子を作り、これを30wt%、メタノールと水の混合溶液に分散させた。
ついで、このマイクロ波吸収発熱剤4aの微粒子をナイフコーターにて、導電層を備えた光透過性を有する可撓性基板1の導電層3上に塗布し0.5μmのマイクロ波吸収発熱層4を得た。
無機半導体層5としては、酸化チタン(TiO2)ペーストとしてSolaronix社製 HT-Lを用い、上記マイクロ波吸収発熱層4の上に塗布し、乾燥させた。
そして、形成したマイクロ波吸収発熱層4と無機半導体層5に、富士電波工業株式会社製の電磁波加熱焼結装置を使用して、発信周波数28GHz、電波出力0.7kW、照射時間1分間の条件でマイクロ波を照射して、無機半導体層5の緻密化を行い緻密化した無機半導体層5bを形成した。
このようにして得られた緻密化した無機半導体層5bは導電層3(PET)に強固に接着しており、これを光学顕微鏡で観察してもクラックはほとんど認められなかった。また、折り曲げても剥離は確認できなかった。
次いで、上記の工程で緻密化した無機半導体層5bにN3色素[Ru(dcbpy)2(NCS)2]を含むアセトニトリル・t-ブタノール混合液中に24時間浸漬することにより色素担持を行い、着色した電極表面をメタノールで洗浄して乾燥させ、光電変換用電極8を作製した。この光電変換用電極に、白金がスッパタされたFTOガラスを対極として重ね、0.1 M LiI,0.05 M I2,
0.3 M Propyl-2,3-dimethylimidazolium,
0.5 M 4-Tert-butylpyridineをアセトニトリル
に溶解した電解質溶液を注入することで、変換効率2.4%の色素増感太陽電池を作製することができた。太陽電池の特性はソーラーシミュレータ(Yamashita Denso Yss-80)を用い,AM-1.5,100 mW cm-2の条件で評価した。
0.3 M Propyl-2,3-dimethylimidazolium,
0.5 M 4-Tert-butylpyridineをアセトニトリル
に溶解した電解質溶液を注入することで、変換効率2.4%の色素増感太陽電池を作製することができた。太陽電池の特性はソーラーシミュレータ(Yamashita Denso Yss-80)を用い,AM-1.5,100 mW cm-2の条件で評価した。
比較例1
次に比較例1として、マイクロ波吸収層4なしで、実施例1と同様にして酸化チタンの無機半導体層を得た。
次に比較例1として、マイクロ波吸収層4なしで、実施例1と同様にして酸化チタンの無機半導体層を得た。
得られた酸化チタンの無機半導体層はPETに対する付着性が弱く軽く折り曲げると剥がれ落ちた。
次いで、実施例1と同様に色素担持を行い、電解質溶液を注入し、色素増感太陽電池を作製すると、変換効率は0.1%であった。
この実施形態による光電変換用電極は、光電変換用電極の無機半導体層5に色素を担持させた後、別の導電層を備えた透過性を有する可撓性基板を重ね合わせてその間に電解質を封入することで色素増感型太陽電池に利用できる。
1 導電層を備えた透過性を有する可撓性基板
4 マイクロ波吸収発熱層
4a マイクロ波吸収発熱剤
5 無機半導体層
5a 無機半導体
5b 緻密化した無機半導体層
6 マイクロ波
8 光電変換用電極
11 第1工程11
12 第2工程12
13 第3工程13
4 マイクロ波吸収発熱層
4a マイクロ波吸収発熱剤
5 無機半導体層
5a 無機半導体
5b 緻密化した無機半導体層
6 マイクロ波
8 光電変換用電極
11 第1工程11
12 第2工程12
13 第3工程13
Claims (11)
- 導電層を備えた光透過性を有する可撓性基板の導電層の上に、マイクロ波吸収発熱層とこのマイクロ波吸収発熱層上に無機半導体層を形成して、マイクロ波の照射により緻密化した無機半導体層を形成することを特徴とする光電変換用電極。
- 前記マイクロ波吸収発熱層と無機半導体層に照射するマイクロ波の周波数を300MHz〜300 GHzにしたことを特徴とする請求項1記載の光電変換用電極。
- 前記光透過性を有する可撓性基板を、プラスチックフィルムとしたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の光電変換用電極。
- 前記マイクロ波吸収発熱層を、酸素欠損を有する酸化チタン(TiO2-x)としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光電変換用電極。
- 前記マイクロ波吸収発熱層を、酸窒化チタン(TiOXNY)としたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光電変換用電極。
- 前記マイクロ波吸収発熱層の厚みを、0.5μm〜5μmとしたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の光電変換用電極。
- 前記無機半導体層を、金属酸化物で形成したことしたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の光電変換用電極。
- 前記金属酸化物を、酸化チタンとしたことを特徴とする請求項7記載の光電変換用電極。
- 導電層を備えた光透過性を有する可撓性基板の導電層上にマイクロ波吸収発熱層を形成する第1工程と、前記マイクロ波吸収発熱層上に無機半導体層を形成する第2工程と、前記第2工程で形成したマイクロ波吸収発熱層と無機半導体層とにマイクロ波を照射して無機半導体層を緻密化する第3工程とよりなることを特徴とする光電変換用電極の製造方法。
- 前記第1工程が、マイクロ波吸収発熱剤を塗布した後乾燥してマイクロ波吸収発熱層を形成する工程を有し、前記第2工程が、無機半導体を塗布した後乾燥して無機半導体層を形成する工程を備えていることを特徴とする請求項9記載の光電変換用電極の製造方法。
- 前記第1工程と前記第2工程の塗布を印刷法で行なうことを特徴とする請求項10記載の光電変換用電極の製造方法。
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