JP2017172622A - 動力伝達ローラ、及び、動力伝達ローラの製造方法 - Google Patents

動力伝達ローラ、及び、動力伝達ローラの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】駆動ローラと従動ローラとの間の摩擦による動力伝達を安定的に行うとともに長寿命化を図った動力伝達ローラを提供する。【解決手段】駆動ローラDと従動ローラSとの間に介在して、駆動ローラDの回転力を摩擦力によって従動ローラS側に伝達する動力伝達ローラにおいて、外径面に多孔質状の金属被膜2aが形成され、駆動ローラDと従動ローラSとの間で動力を伝達することが可能なローラ本体2と、金属被膜2a上に形成され、駆動ローラD及び従動ローラSに接触可能なローラ本体2よりも軟質の素材からなる弾性層3と、を備えた動力伝達ローラを構成する。【選択図】図1

Description

この発明は、駆動ローラと従動ローラとの間に介在して、駆動ローラの回転力を摩擦力によって従動ローラに伝達する動力伝達ローラ、及び、その製造方法に関する。
従来、エンジンの動力伝達機構においては、エンジンのクランクと、ウォータポンプ(WP)やアイドリングストップジェネレータ(ISG)等の補機類との間の動力の伝達を、アイドラプーリを経由して架け渡した補機ベルトを介して行っていた。この場合、クランクの回転に伴って、補機類も常に回転することになるため、例えば、エンジンの暖気運転のようにWPを回転させる必要がない時にも不必要に回転することになり、ベルト損失とプーリの不必要な回転に起因する燃費の低下が問題となっていた。
この問題を解決すべく、例えば、特許文献1の図1に示すように、補機ベルトを用いる代わりに、駆動ローラ(クランクシャフトプーリ)と従動ローラ(フリクションプーリ)との間に動力伝達用のアイドラローラ(フリクションホイール)を介在させ、駆動ローラの回転力を、アイドラローラの摩擦力によって、従動ローラに伝達する技術が開示されている。このアイドラローラは、補機ベルトと異なり、その位置を進退させることによって、駆動ローラや従動ローラとの間の接離状態を自在に変えることができる。
例えば、図8に示すように、駆動ローラD(例えばクランクローラ)、従動ローラS1(例えばISGローラ)等の各ローラ(D、S1、S2、Rs)を配置した場合、アイドラローラRiを矢印d1の方向に移動させると、このアイドラローラRiと駆動ローラD及び従動ローラS1とを当接させて、アイドラローラRiを介して駆動ローラDから従動ローラS1に動力を伝達することができる。その一方で、アイドラローラRiを矢印d2の方向に移動させると、このアイドラローラRiと駆動ローラD及び従動ローラS1とが離間して、動力の伝達を遮断することができる。
このアイドラローラを進退させて、駆動ローラ及び従動ローラに均等に当接させる機構(カムアクチュエータ)について、例えば、特許文献2の図1を用いて説明する。本図に示すカムアクチュエータは、モータ1の回転を遊星減速機Rで減速し、その減速した回転を偏心カム3によって連接棒201の往復運動に変換して、この連接棒201の端部で支持されたプーリ300を進退させるようにしたものである。このプーリ300を進退させることにより、エンジンの稼働状況等の諸条件に対応して、駆動ローラから従動ローラへの動力の伝達又は遮断を制御し、燃費の向上を図っている。
この連接棒201は、その中ほどで軸方向から若干量だけ揺動可能に構成されている。このように、揺動可能とすることにより、プーリ300が駆動ローラ及び従動ローラと当接した際に、プーリ300と各ローラとの間の当接力がほぼ等しくなるように連接棒201が揺動して、プーリ300が最適な位置に位置決めされる。
特許第4891914号公報 特許第4809341号公報
特許文献1、2に示すアイドラローラをエンジンの補機ベルトの駆動に用いる場合、車体下部からの水はね等によって、そのローラが被水しやすい。そこで、被水によってローラに錆が生じるのを防止するために、その表面にめっき等の防錆処理を施すことがある。また、このローラの外径面には、駆動ローラ及び従動ローラとの間の動力伝達効率を向上するために、ゴム等の弾性層が形成されることがある。
この弾性層の形成に際しては、ローラを予熱するとともに、加熱して軟化したゴム等の弾性素材をそのローラの外径面に設けることが多いが、一般的に採用される電気亜鉛めっき等の湿式法によるめっき被膜は、ローラの予熱や加熱した弾性素材によって剥離しやすいことが知られている。しかも、電気亜鉛めっきの被膜は表面が緻密かつ平滑であるがゆえに、その表面に形成した弾性層との間で十分な密着性が確保し難い。このため、長期間の使用に伴って、めっき被膜と弾性層との間で剥離が生じ、動力伝達に支障が生じ得る問題もある。
そこで、この発明は、駆動ローラと従動ローラとの間の摩擦による動力伝達を安定的に行うとともに、アイドラローラの長寿命化を図ることを課題とする。
この課題を解決するために、この発明においては、駆動ローラと従動ローラとの間に介在して、前記駆動ローラの回転力を摩擦力によって前記従動ローラ側に伝達する動力伝達ローラにおいて、外径面に多孔質状の金属被膜が形成され、前記駆動ローラと前記従動ローラとの間で動力を伝達することが可能なローラ本体と、前記金属被膜上に形成され、前記駆動ローラ及び前記従動ローラに接触可能な前記ローラ本体よりも軟質の素材からなる弾性層と、を備えたことを特徴とする動力伝達ローラを構成した。
このように、ローラ本体の外径面に金属被膜を形成することにより、被水環境下においても、ローラ本体に錆が生じるのを防止することができ、長寿命化を図ることができる。しかも、金属被膜を多孔質状とすることにより、多孔質状の金属被膜に弾性層が食い込んで、金属被膜と弾性層の間の高い密着性を確保することができる。このため、駆動ローラと従動ローラとの間の摩擦による動力伝達を安定的に行うことができる。なお、ここでの多孔質とは単分子もしくは複数分子が薄片状に積層した際、単分子もしくは複数分子の隙間を有した状態をいう。
この構成においては、車両本体側に固定される揺動軸と、前記揺動軸に揺動自在に設けられる揺動アームと、前記ローラ本体を回転自在に支持するローラ軸受と、前記揺動アームに設けられ、前記駆動ローラと前記従動ローラとの間の所定位置において、両ローラとの当接力がバランスするように前記ローラ軸受を付勢する付勢部材と、をさらに備えた構成とするのが好ましい。
このように動力伝達ローラを構成することにより、動力伝達ローラのローラ本体に、駆動ローラ又は従動ローラの少なくとも一方が当接すると、その当接力によって付勢部材が伸縮して、揺動アームが揺動軸周りに揺動する。この揺動によって、揺動アームが各ローラの位置に対応した位置に変位して、駆動ローラと動力伝達ローラとの間、及び従動ローラと動力伝達ローラとの間のそれぞれの当接力がほぼ等しくなり、その状態で駆動ローラから従動ローラに、安定的に動力を伝達することができる。
前記各構成においては、前記金属被膜を亜鉛被膜とするのが好ましい。亜鉛被膜は基材(ローラ本体)の保護作用が高く、長期間に亘って防錆効果を維持することができる。
また、この発明においては、駆動ローラと従動ローラとの間に介在して、前記駆動ローラの回転力を摩擦力によって前記従動ローラ側に伝達する動力伝達ローラの製造方法において、前記駆動ローラと前記従動ローラとの間で動力を伝達することが可能なローラ本体の外径面に、金属又は前記金属の合金を含む粒子を衝突させて、前記外径面に前記金属を含む金属被膜を形成する工程と、前記金属被膜の表面に、加熱溶融した弾性材料を設けた上でその弾性材料を硬化させて、前記駆動ローラ及び前記従動ローラに接触可能な弾性層を形成する工程と、を備えたことを特徴とする動力伝達ローラの製造方法を構成した。
このように、ローラ本体の外径面に、金属又は金属合金を含む粒子を衝突させることにより、その外径面に多孔質状の金属被膜が形成される。この多孔質状の金属被膜は、その表面に加熱溶融した弾性部材を設けて弾性層を形成する際に、その応力(熱応力や弾性部材の熱伸縮によって生じる応力)を緩和する作用を発揮する。このため、弾性層を形成する際の応力に起因して、ローラ本体の外径面から金属被膜が剥離するのを防止することができる。しかも、この多孔質状の金属被膜に弾性層が食い込むため、金属被膜と弾性層の間の高い密着性を確保することができる。
さらに、ローラの外径面に粒子を衝突させたときのピーニング効果によって、この外径面を硬化することができ、機械強度の向上を図ることもできる。
この動力伝達ローラの製造方法においては、前記金属を亜鉛とし、前記金属被膜を亜鉛被膜とするのが好ましい。上述したように、亜鉛被膜は基材(ローラ本体)の保護作用が高く、長期間に亘って防錆効果を維持することができる。
上記のように動力伝達ローラを構成することにより、ローラ本体と金属被膜との間、及び、金属被膜と弾性層の間の高い密着性を確保して、駆動ローラと従動ローラとの間の摩擦による動力伝達を安定的に行うことができる。さらに、被水環境下においても、ローラ本体に錆が発生するのを防止することができ長寿命化を図ることができる。
また、上記のように動力伝達ローラの製造方法を構成することにより、弾性層を形成する際の応力(熱応力や弾性部材の熱伸縮によって生じる応力)に起因して、ローラ本体から金属被膜が剥離するのを防止するとともに、金属被膜と弾性層との間の高い密着性を確保することができる。このため、動力伝達を安定的に行うことができるとともに、ローラ本体の長寿命化を図ることができる。
この発明に係る動力伝達ローラの実施形態の一例を示す図であって、(a)は正面図、(b)は(a)中のb−b線に沿う断面図 図1に示す動力伝達ローラの、(a)は側面図、(b)は背面図 図1に示す動力伝達ローラのIII−III線に沿う断面図 図1に示す動力伝達ローラの斜視図 図1に示す動力伝達ローラの分解斜視図 図1に示す動力伝達ローラの作用を示す平面図 動力伝達ローラに偏心カム機構を併設した状態の平面図であって、(a)は動力伝達状態、(b)は動力切断状態 各ローラの配置を示す平面図
この発明に係る動力伝達ローラ1の実施形態の一例を図1から図5に示す。図1(a)は動力伝達ローラ1の正面図、(b)は断面図、図2(a)は側面図、(b)は背面図、図3は断面図、図4は斜視図、図5は分解斜視図である。
この動力伝達ローラ1は、クランク等の駆動源に接続された駆動ローラDと、ウォータポンプ(WP)やアイドリングストップジェネレータ(ISG)等の補機類を作動させる従動ローラSとの間に介在して、駆動ローラDの回転力を摩擦力によって従動ローラS側に伝達するためのものであり、ローラ本体2、弾性層3、揺動軸4、揺動アーム5、ローラ軸受6、一対の付勢部材7、7を主要な構成要素としている。なお、駆動ローラD及び従動ローラSとしての機能は、クランク等の各ローラに固有のものではなく、例えば、ISGが駆動ローラD、クランクが従動ローラSとして機能することもある。
ローラ本体2は、弾性層3を介して、駆動ローラDと従動ローラSとの間で動力伝達を行うための有底円筒状の部材である。このローラ本体2の外径面には、金属被膜2aとして、多孔質状の亜鉛被膜(以下において、金属被膜2aと同じ符号を付する。)が形成されている。なお、ここでの多孔質とは単分子もしくは複数分子が薄片状に積層した際、単分子もしくは複数分子の隙間を有した状態をいう。
このように、亜鉛被膜2aを形成することにより、被水環境下においても、ローラ本体2に錆が発生するのを防止することができ、動力伝達ローラ1の長寿命化を図ることができる。ここでいう亜鉛被膜2aとは、亜鉛のみからなる被膜と、亜鉛と他の金属の合金からなる被膜の両方を含む。なお、この実施形態においては、金属被膜2aとして、ローラ本体2の保護作用が高い亜鉛被膜2aを採用したが、防食性を発揮し得る他の金属被膜2aを採用することもできる。
弾性層3としてのゴム層(以下において、弾性層3と同じ符号を付する。)は、亜鉛被膜2aの表面に密着して設けられている。多孔質状の亜鉛被膜2aにゴム層3が食い込むことによって、高い密着性が確保されている。
なお、この実施形態においては、弾性層3の素材にゴムを採用したが、この素材はゴムに限定されず、ローラ本体2よりも軟質の樹脂材等の素材も適宜採用することができる。ローラ本体2よりも軟質であれば、弾性層3と駆動ローラD及び従動ローラSとの間の密着性が高まり、駆動ローラDから従動ローラSへの動力伝達をスムーズに行い得るためである。
ローラ本体2の円筒底部には複数の孔2bが形成され、このローラ本体2の軽量化が図られている。このローラ本体2の回転中心には軸受孔2cが形成されており、ローラ軸受6(この実施形態では玉軸受)の内輪6a及び軸受孔2cに軸受保持部材8を挿し込むことによって、内輪6a側に設けたローラ本体2とローラ軸受6の外輪6bとが相対回転自在となっている(図1(b)参照)。このように、ローラ本体2を内輪6aとともに回転させるように構成することにより、ローラ軸受6への負荷が小さくなり、その長寿命化を図ることができる。
このローラ軸受6の外輪6bには、受け部材9が嵌め込まれている。この受け部材9には、ローラ軸受6を中心とする対称位置に、一対の貫通孔9a、9aが形成されている。各貫通孔9aには、付勢部材7のシャフト7aが挿し込まれ、その頭部側(図3において、シャフト7aの上端側)は、揺動軸4によって揺動自在に設けられた揺動アーム5に固定されている。その一方で、シャフト7aの先端部(図3において、シャフト7aの下端側)は、ワッシャ7cによって抜け止めされつつ受け部材9から突出自在となっている。
コイルばね7bは、シャフト7aと同軸に設けられている。このコイルばね7bは、図1(a)に示すローラ本体2の下側半分に駆動ローラD又は従動ローラSの少なくとも一方が当接すると、その当接力によって縮むようになっている。さらに、駆動ローラD及び従動ローラSのそれぞれの当接力に対応して、一対のコイルばね7b、7bのそれぞれが独立して伸縮するとともに、揺動アーム5が揺動軸4周りに揺動するようになっている。
この実施形態のように、付勢部材7を対で構成すれば、付勢時における付勢部材7のねじれが生じにくく、駆動ローラD及び従動ローラSに対して、動力伝達ローラ1を確実に当接させることが可能となる。このため、駆動ローラDと従動ローラSとの間の摩擦による動力伝達を安定的に行うことができる。しかも、一対の付勢部材7、7の中間にローラ軸受6を設けることができ、このローラ軸受6の回転時の安定性も確保することができる。なお、付勢部材7を対で構成することは必須ではなく、単一の付勢部材7でローラ軸受6を付勢する構成としてもよい。
また、ローラ本体2及びゴム層3の幅方向中央を通る面内に、ローラ軸受6及び付勢部材7を配置することにより(図1(b)参照)、付勢部材7によってローラ軸受6を付勢した際に、その付勢力によるモーメントの発生を防止し、ローラ本体2がこのモーメントに起因して傾斜するのを防止することができる。このため、駆動ローラD及び従動ローラSに対して、動力伝達ローラ1(弾性層3)を確実に当接させることが可能となり、駆動ローラDと従動ローラSとの間の摩擦による動力伝達を安定的に行うことができるとともに、各ローラD、Sの当接不良に起因するゴム層3の摩耗等の不具合を防止することができる。
揺動軸4、揺動アーム5、ローラ軸受6、及び付勢部材7は、全てローラ本体2の内径側(円筒内)に配置されている。このため、この動力伝達ローラ1を含む動力伝達機構の小型化を図ることができる。揺動軸4は、スペーサ10を介して駆動ローラD及び従動ローラSを覆うカバー(図示せず)に固定されている。このカバーを所定位置に嵌め込むことによって、駆動ローラDと従動ローラSとの間の所定位置に、動力伝達ローラ1が配置される。この場合、動力伝達ローラ1に、付勢部材7を縮めた状態での保持及びその解除を自在に行い得る機構(図示せず)を設けることにより、カバー嵌め込み時において動力伝達ローラ1と駆動ローラD及び従動ローラSが接触するのを防止して、この動力伝達ローラ1の取付けを容易かつスムーズに行うことができる。
上記においては、カバー側に動力伝達ローラ1を設ける構成について述べたが、エンジンブロック側に取付スペースが確保できるのであれば、このエンジンブロックに動力伝達ローラ1を設ける構成とすることもできる。
図6に示すように、動力伝達ローラ1のローラ本体2に、駆動ローラD又は従動ローラSの少なくとも一方が当接すると、その当接力によって一対の付勢部材7、7のコイルばね7b、7bのそれぞれが独立して伸縮するとともに、揺動アーム5が揺動軸4周りに揺動する。この揺動によって、揺動アーム5が各ローラD、Sの位置に対応した位置に変位して(本図中に実線で示す揺動アーム5参照)、駆動ローラDと動力伝達ローラ1(ゴム層3)との間、及び従動ローラSと動力伝達ローラ1(ゴム層3)との間のそれぞれの当接力がほぼ等しくなり、その状態で駆動ローラDから従動ローラSに、安定的に動力を伝達することができる。
この動力伝達ローラ1のローラ軸受6の近傍には、図7(a)(b)に示すように、このローラ軸受6に当接可能に偏心軸11a周りに回動する偏心カム11が設けられている。この偏心軸11aは、遊星ギア機構等の減速機構12を介してモータ(図示せず)に接続されている。偏心カム11がローラ軸受6に当接していない状態では(図7(a)参照)、動力伝達ローラ1は駆動ローラDと従動ローラSにそれぞれ当接し、駆動ローラDから従動ローラSへの動力伝達がなされる。その一方で、偏心カム11がローラ軸受6に当接し、動力伝達ローラ1に設けられた付勢部材7の付勢力に抗して(付勢部材7を押し縮めるように)このローラ軸受6を押し込むと、動力伝達ローラ1と駆動ローラD及び従動ローラSとがそれぞれ離間し(図7(b)参照)、駆動ローラDから従動ローラSへの動力伝達が遮断される。
このように、偏心カム11を設けることにより、駆動ローラDと従動ローラSとの間の動力の伝達及び切断を、容易かつスムーズに行うことができる。偏心カム11を用いる代わりに、各種アクチュエータを採用し、このアクチュエータでローラ軸受6を押し込むようにしても、同様の作用を得ることができる。なお、偏心カム11によるローラ軸受6の押し込みは、必ずしもローラ軸受6を直接押し込むものでなくてもよく、このローラ軸受6に設けた押圧部材(図示せず)を介して押し込むようにしてもよい。
図1等に示す動力伝達ローラ1の製造方法について説明する。この製造方法においては、まず、ローラ本体2の外径面に、金属又はこの金属の合金を含む粒子を衝突させる。この粒子として、球状の鉄核の周りに、粉末状とした亜鉛、アルミニウム、及び、マグネシウムの合金を設けたもの(商品名:Zアイアン(株式会社エマナック西日本製))を採用した。
この粒子を高速度でローラ本体2の外径面に衝突させると、この粒子表面の亜鉛と他の金属の合金が外径面に付着して、所定の厚みの亜鉛被膜2a(亜鉛を主成分とする合金の被膜)が形成される。この亜鉛被膜2aは、亜鉛と他の金属の合金が、薄片状に積層した多孔質状(ポーラス状)となっている。なお、上記粒子の採用はあくまでも一例であって、ローラ本体2の外径面に防食性を発揮し得る金属被膜2aを形成し得る限りにおいて、他の種類の粒子を採用することもできる。
次に、ローラ本体2を金型に入れた上で、このローラ本体2を予熱し、この金型内に加熱溶融した高温のゴム材を流し込む。そして、このゴム材を冷却して、亜鉛被膜2aの表面に、硬化したゴム材からなるゴム層3を形成する。
上記のように、亜鉛被膜2aが多孔質状に形成されることにより、その表面に加熱溶融したゴム材を設けてゴム層3を形成する際に、その応力(熱応力やゴム材の熱伸縮によって生じる応力)を緩和する作用が発揮される。このため、ゴム層3を形成する際の応力に起因して、ローラ本体2の外径面から亜鉛被膜2aが剥離するのを防止することができる。しかも、多孔質状の亜鉛被膜2aにゴム層3が食い込むため、亜鉛被膜2aとゴム層3との間の高い密着性を確保することができる。
また、外径面に粒子を衝突させたときのピーニング効果によって、この外径面を硬化することができ、機械強度の向上を図ることもできる。
上記実施形態に係る動力伝達ローラ1、及び、その製造方法はあくまでも一例であって、駆動ローラDと従動ローラSとの間の摩擦による動力伝達を安定的に行うとともに長寿命化を図る、という本願発明の課題を解決し得る限りにおいて、各構成部品の形状や配置を変更したり、その製造工程に変更を加えたりすることも許容される。
1 動力伝達ローラ
2 ローラ本体
2a 亜鉛被膜(金属被膜)
2b 孔
2c 軸受孔
3 ゴム層(弾性層)
4 揺動軸
5 揺動アーム
6 ローラ軸受
6a 内輪
6b 外輪
7 付勢部材
7a シャフト
7b コイルばね
7c ワッシャ
8 軸受保持部材
9 受け部材
9a 貫通孔
10 スペーサ
11 偏心カム
11a 偏心軸
12 減速機構
D 駆動ローラ
S 従動ローラ

Claims (5)

  1. 駆動ローラ(D)と従動ローラ(S)との間に介在して、前記駆動ローラ(D)の回転力を摩擦力によって前記従動ローラ(S)側に伝達する動力伝達ローラにおいて、
    外径面に多孔質状の金属被膜(2a)が形成され、前記駆動ローラ(D)と前記従動ローラ(S)との間で動力を伝達することが可能なローラ本体(2)と、
    前記金属被膜(2a)上に形成され、前記駆動ローラ(D)及び前記従動ローラ(S)に接触可能な前記ローラ本体(2)よりも軟質の素材からなる弾性層(3)と、
    を備えたことを特徴とする動力伝達ローラ。
  2. 車両本体側に固定される揺動軸(4)と、
    前記揺動軸(4)に揺動自在に設けられる揺動アーム(5)と、
    前記ローラ本体(2)を回転自在に支持するローラ軸受(6)と、
    前記揺動アーム(5)に設けられ、前記駆動ローラ(D)と前記従動ローラ(S)との間の所定位置において、両ローラ(D、S)との当接力がバランスするように前記ローラ軸受(6)を付勢する付勢部材(7)と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の動力伝達ローラ。
  3. 前記金属被膜(2a)を亜鉛被膜(2a)としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の動力伝達ローラ。
  4. 駆動ローラ(D)と従動ローラ(S)との間に介在して、前記駆動ローラ(D)の回転力を摩擦力によって前記従動ローラ(S)側に伝達する動力伝達ローラの製造方法において、
    前記駆動ローラ(D)と前記従動ローラ(S)との間で動力を伝達することが可能なローラ本体(2)の外径面に、金属又は前記金属の合金を含む粒子を衝突させて、前記外径面に前記金属を含む金属被膜(2a)を形成する工程と、
    前記金属被膜(2a)の表面に、加熱溶融した弾性材料を設けた上でその弾性材料を硬化させて、前記駆動ローラ(D)及び前記従動ローラ(S)に接触可能な弾性層(3)を形成する工程と、
    を備えたことを特徴とする動力伝達ローラの製造方法。
  5. 前記金属を亜鉛とし、前記金属被膜(2a)を亜鉛被膜としたことを特徴とする請求項4に記載の動力伝達ローラの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019088803A (ja) * 2017-09-08 2019-06-13 エンゼルプレイングカード株式会社 カードシュータ装置およびテーブルゲームシステム

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