JP2017110801A - フリクションホイールアッセンブリ、及び、その製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動ホイールと従動ホイールとの間の摩擦による動力伝達を安定的に行うことができる簡単な構成の組付けの容易なフリクションホイールアッセンブリを提供する。
【解決手段】エンジンブロック3に取り付けられるアーム支持軸11を中心にして揺動アーム16を揺動自在に支持し、その揺動アーム16の両端部で一対のガイドロッド20を支持し、一対のガイドロッドでスライド自在に支持されたブラケット23でフリクションホイール31を回転自在に支持する。ガイドロッドに支持された弾性部材33でフリクションホイールが駆動ホイールおよび従動ホイールに弾性接触する方向にブラケットを付勢し、フリクションホイールの接触圧が不均一な場合に、接触圧の高い側からフリクションホイールに負荷される反力により揺動アームおよびブラケットを揺動させて駆動ホイールおよび従動ホイールに対するフリクションホイールの接触圧の均一化を図る。
【選択図】図3

Description

この発明は、駆動ホイールと従動ホイールの対向部間に設けられるフリクションホイールを有し、駆動ホイールおよび従動ホイールに対するフリクションホイールの摩擦接触によって駆動ホイールの回転を従動ホイールに伝達するフリクションホイールアッセンブリ、及び、その製造方法に関する。
二酸化炭素の排出量を削減するため、車両の停止時にエンジンを停止し、アクセルペダルの踏み込による車両の発進時にエンジンを瞬時に始動させるモータ機能付き発電機(ISG)(Integrated Starter Generator)が搭載されたエンジンにおいては、普通、ベルト伝動装置によってエンジンのクランクシャフトの回転をウォータポンプ等の補機やモータ機能付き発電機に動力伝達している。また、エンジンの始動時には、モータ機能付き発電機の回転をクランクシャフトに動力伝達している。
上記のようなベルト伝動装置を採用するエンジンの動力伝達装置においては、クランクシャフトの回転に伴ってウォータポンプが常に回転することになる。このため、エンジンの暖気運転のように、ウォータポンプを回転させる必要のないときや、エンジンを速やかに最大効率に到達させる場合においてもウォータポンプが回転することになってトルク損失が大きく、燃料消費も多いという問題がある。
上記の問題を解決するため、下記特許文献1に記載された動力伝達装置としてのベルトドライブにおいては、クランクシャフトの端部に取り付けた駆動ホイール(クランクシャフトプーリ)と補機の回転軸に取り付けた従動ホイール(フリクションプーリ)との間にフリクションホイールアッセンブリを組込み、そのフリクションホイールアッセンブリにおけるフリクションホイールを駆動ホイールおよび従動ホイールに対して接触、離反可能とし、ウォータポンプの駆動時には、フリクションホイールを駆動ホイールおよび従動ホイールと接触する位置に変位して、そのフリクションホイールの接触回転により駆動ホイールから従動ホイールに動力を伝達している。
また、モータ機能付き発電機(ISG)の始動によるエンジンの始動時にはフリクションホイールを離反位置に変位して、駆動ホイールから従動ホイールへの動力伝達を遮断している。
特表2008−519950号公報
ところで、上記ベルトドライブにおいては、アームの先端部でフリクションホイールを回転自在に支持し、作動装置により後端部を中心にアームを揺動させて、フリクションホイールを駆動ホイールと従動ホイールの双方に対して接触する係合位置と、駆動ホイールと接触する状態を維持して従動ホイールから離反する非係合位置との間で移動させるようにしているため、係合位置においてフリクションホイールを駆動ホイールと従動ホイールの双方に対して均一に接触させることができず、摩擦による動力伝達を安定的に行うことができないという不都合がある。
また、上記ベルトドライブをエンジンの補機ベルトの駆動に用いる場合、車体下部からの水はね等によって、フリクションホイールが被水しやすい。そこで、被水によってフリクションホイールに錆が生じるのを防止するために、その表面にめっき等の防錆処理を施すことがある。また、このフリクションホイールの外径面には、駆動ホイールおよび従動ホイールとの間の動力伝達効率を向上するために、ゴム等の摩擦材層が形成されることがある。
この摩擦材層の形成に際しては、フリクションホイールを予熱するとともに、加熱して軟化したゴム等の弾性素材をそのフリクションホイールの外径面に設けることが多いが、一般的に採用される電気亜鉛めっき等の湿式法によるめっき被膜は、フリクションホイールの予熱や加熱した弾性素材によって剥離しやすいことが知られている。しかも、電気亜鉛めっきの被膜は表面が緻密かつ平滑であるがゆえに、その表面に形成した摩擦材層との間で十分な密着性が確保し難い。このため、長期間の使用に伴って、めっき被膜と摩擦材層との間で剥離が生じ、動力伝達に支障が生じ得る問題がある。
この発明は、駆動ホイールと従動ホイールとの間の摩擦による動力伝達を安定的に行うことができる簡単な構成の組付けの容易なフリクションホイールアッセンブリを提供することを第1の課題とし、駆動ホイールと従動ホイールとの間の摩擦による動力伝達を安定的に行うとともに、フリクションホイールの長寿命化を図ることを第2の課題とする。
上記の第1の課題を解決するため、この発明においては、駆動ホイールおよび従動ホイールのそれぞれの外径面に対する摩擦接触によって駆動ホイールの回転を従動ホイールに伝達するフリクションホイールを有してなるフリクションホイールアッセンブリにおいて、ホイール支持対象に取り付けられるアーム支持軸と、そのアーム支持軸により両端間の中央部が支持されて、アーム支持軸を中心に揺動自在に支持された揺動アームと、その揺動アームの両端部に一端部が支持された一対の平行配置のガイドロッドと、その一対のガイドロッドによって一端部がスライド自在に支持されたブラケットと、そのブラケットの他端部において、前記アーム支持軸と平行する軸心を中心にして回転自在に支持され、摩擦接触により駆動ホイールの回転を従動ホイールに伝達するフリクションホイールと、前記一対のガイドロッドのそれぞれに支持されて前記フリクションホイールが前記駆動ホイールおよび従動ホイールのそれぞれの外径面に弾性接触する方向に前記ブラケットを付勢する弾性部材からなる構成としたのである。
上記の構成からなるフリクションホイールアッセンブリにおいては、駆動ホイールと従動ホイールの外径面にフリクションホイールを接触し、駆動ホイールと従動ホイールの中心を結ぶ直線に対して一対のガイドロッドが交差する配置とし、ブラケットに対する揺動アームの相対移動により弾性部材を収縮させ、その収縮保持状態でアーム支持軸をホイール支持対象に固定して組み付けとする。
上記のようなフリクションホイールアッセンブリの組付けにより、弾性部材の復元弾性によりフリクションホイールが駆動ホイールおよび従動ホイールのそれぞれの外径面に弾性接触する。
駆動ホイールおよび従動ホイールに対するフリクションホイールの接触時、フリクションホイールの駆動ホイールに対する接触圧と従動ホイールに対する接触圧が相違すると、接触圧の高い側からフリクションホイールに負荷される反力によりブラケットにモーメント荷重が負荷され、アーム支持軸を中心とする揺動アームおよびブラケットの揺動により駆動ホイールおよび従動ホイールに対するフリクションホイールの接触圧の均一化が図られる。
ここで、フリクションホイールの軸方向幅の2等分位置を通り、フリクションホイールの回転軸心に直交する仮想平面と一対のガイドロッドのそれぞれの軸心を含む仮想平面を同一平面の配置として、フリクションホイールアッセンブリの重心を上記仮想平面上に位置させるのが好ましい。
上記のように、フリクションホイールアッセンブリの重心をフリクションホイールの軸方向幅の2等分位置を通ってフリクションホイールの回転軸心に直交する仮想平面上に位置させることにより、フリクションホイールに傾きを生じさせるような回転モーメントがフリクションホイールアッセンブリに負荷されることがなくなり、フリクションホイールを駆動ホイールおよび従動ホイールの双方に対して安定して接触させることができる。
フリクションホイールを駆動ホイールおよび従動ホイールの双方に対して弾性接触させる弾性部材は、揺動アームとブラケットの対向部間に組込むようにしてもよく、あるいは、ブラケットとガイドロッドの対向部間に組み込むようにしてもよい。
また、上記の第2の課題を解決するため、前記フリクションホイールは、その外径面に多孔質状の金属被膜が形成されるとともに、前記金属被膜上に、前記駆動ホイールと前記従動ホイールに接触可能な前記フリクションホイールよりも軟質な素材からなる摩擦材層を備えているのが好ましい。
上記のように、フリクションホイールの外径面に金属被膜を形成することにより、被水環境下においても、フリクションホイールに錆が生じるのを防止することができ、長寿命化を図ることができる。しかも、金属被膜を多孔質状とすることにより、多孔質状の金属被膜に摩擦材層が食い込んで、金属被膜と摩擦材層の間の高い密着性を確保することができる。このため、駆動ホイールと従動ホイールとの間の摩擦による動力伝達を安定的に行うことができる。なお、ここでの多孔質とは単分子もしくは複数分子が薄片状に積層した際、単分子もしくは複数分子の隙間を有した状態をいう。
前記金属被膜は、亜鉛被膜とするのが好ましい。この亜鉛被膜は基材(フリクションホイール)の保護作用が高く、長期間に亘って高い防錆効果を維持することができる。
また、この発明においては、駆動ホイールおよび従動ホイールのそれぞれの外径面に対する摩擦接触によって駆動ホイールの回転を従動ホイールに伝達するフリクションホイールを有してなるフリクションホイールアッセンブリの製造方法において、前記駆動ホイールと前記従動ホイールとの間で動力を伝達することが可能なフリクションホイールの外径面に、金属または前記金属の合金を含む粒子を衝突させて、前記外径面に前記金属を含む金属被膜を形成する工程と、前記金属被膜の表面に、加熱溶融した弾性材料を設けた上でその弾性材料を硬化させて、前記駆動ホイールおよび前記従動ホイールに接触可能な摩擦材層を形成する工程と、を備えた構成としたのである。
上記の製造方法のように、フリクションホイールの外径面に、金属または金属合金を含む粒子を衝突させることにより、その外径面に多孔質状の金属被膜が形成される。この多孔質状の金属被膜は、その表面に加熱溶融した弾性部材を設けて摩擦材層を形成する際に、その応力(熱応力や弾性部材の熱伸縮によって生じる応力)を緩和する作用を発揮する。このため、摩擦材層を形成する際の応力に起因して、フリクションホイールの外径面から金属被膜が剥離するのを防止することができる。しかも、この多孔質状の金属被膜に摩擦材層が食い込むため、金属被膜と摩擦材層の間の高い密着性を確保することができる。
さらに、フリクションホイールの外径面に粒子を衝突させたときのピーニング効果によって、この外径面を硬化することができ、機械強度の向上を図ることもできる。
このフリクションホイールアッセンブリの製造方法においては、前記金属を亜鉛とし、前記金属被膜を亜鉛被膜とするのが好ましい。上述したように、亜鉛被膜は基材(フリクションホイール)の保護作用が高く、長期間に亘って防錆効果を維持することができる。
この発明においては、上記のように、駆動ホイールおよび従動ホイールに対するフリクションホイールの接触圧が不均一であると、ブラケットにアーム支持軸を中心とするモーメント荷重が負荷されて接触圧の均一化が図られるため、フリクションホイールによって駆動ホイールと従動ホイールとの間の摩擦による動力伝達を安定的に行うことができる。
また、揺動アームの両端部に支持された一対のガイドロッドに沿ってブラケットをスライド自在に支持し、そのブラケットの他端部にフリクションホイールを回転自在に支持し、上記ガイドロッドにより弾性部材を支持する部品点数の少ない簡単な構成であり、しかも、フリクションホイールを駆動ホイールおよび従動ホイールに接触し、ブラケットに対する揺動アームの相対移動により弾性部材を弾性変形させ、揺動アームを支持するアーム支持軸をホイール支持対象に固定することによって組み付けとすることができるため、組み付けも容易である。
さらに、上記のようにフリクションホイールアッセンブリを構成することにより、フリクションホイールと金属被膜との間、および、金属被膜と摩擦材層の間の高い密着性を確保して、駆動ホイールと従動ホイールとの間の摩擦による動力伝達を安定的に行うことができる。さらに、被水環境下においても、フリクションホイールに錆が発生するのを防止することができ長寿命化を図ることができる。
また、上記のようにフリクションホイールアッセンブリの製造方法を構成することにより、摩擦材層を形成する際の応力(熱応力や弾性部材の熱伸縮によって生じる応力)に起因して、フリクションホイールから金属被膜が剥離するのを防止するとともに、金属被膜と摩擦材層との間の高い密着性を確保することができる。このため、動力伝達を安定的に行うことができるとともに、フリクションホイールの長寿命化を図ることができる。
この発明に係るフリクションホイールアッセンブリを採用した動力伝達装置の概略図 図1に示すフリクションホイールアッセンブリの縦断面図 図2のIII−III線に沿った断面図 図3に示すフリクションホイールアッセンブリの変形例を示す断面図 この発明に係るフリクションホイールアッセンブリの他の実施の形態を示し、そのフリクションホイールアッセンブリを採用した動力伝達装置の概略図 図5に示すフリクションホイールアッセンブリの縦断面図 図6のVII−VII線に沿った断面図 図7に示すフリクションホイールアッセンブリの変形例を示す断面図
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、駆動ホイール1と従動ホイール2の対向部間にこの発明に係るフリクションホイールアッセンブリ10を組み込んで、駆動ホイール1の回転を従動ホイール2に伝達する動力伝達装置の概略図を示す。
実施の形態では、スタータ・ジェネレータが搭載されたエンジンの補機駆動用動力伝達装置におけるクランクシャフトプーリを駆動ホイール1とし、補機としてのウォータポンプの回転軸に取り付けたフリクションプーリを従動ホイール2としているが、駆動ホイール1および従動ホイール2はクランクシャフトプーリや補機の回転軸に取り付けたフリクションプーリに限定されるものではない。
図2および図3に示すように、フリクションホイールアッセンブリ10は、ホイール支持対象としてのエンジンブロック3に取り付けられるアーム支持軸11と、そのアーム支持軸11によって揺動自在に支持される揺動アーム16と、その揺動アーム16の両端部に支持された一対の平行配置のガイドロッド20と、そのガイドロッド20によってスライド支持されたブラケット23と、そのブラケット23に回転自在に支持されたフリクションホイール31およびそのフリクションホイール31が図1に示す駆動ホイール1と従動ホイール2に弾性接触する方向にブラケット23を付勢する弾性部材33とからなる。
アーム支持軸11は頭部12を後端部に有するストレート軸部13の先端に小径のねじ軸部14を設けた構成とされ、上記ねじ軸部14がエンジンブロック3にねじ込まれて取り付けとされる。このとき、アーム支持軸11は、ねじ軸部14にカラー15が嵌合される状態での取り付けとされ、その取り付けによってカラー15はストレート軸部13とエンジンブロック3とで軸方向の両端から挟持される。
揺動アーム16は両端間の中央部にボス部17が設けられている。ボス部17の軸方向長さはカラー15の軸方向長さより短く、そのボス部17の軸心上に形成された軸挿入孔18にアーム支持軸11のストレート軸部13が挿通されて、ストレート軸部13を中心に揺動アーム16が揺動自在に支持されている。揺動アーム16を円滑に揺動させるため、軸挿入孔18内にすべり軸受35を組み込んでいる。
揺動アーム16の両端部には、ボス部17の軸心から等距離離れた位置にロッド挿入孔19が形成されている。
一対のガイドロッド20は、フランジ21を一端部に有する。このガイドロッド20はフランジ21を下向きとして他端部が揺動アーム16の両端部に形成されたロッド挿入孔19に挿入され、そのロッド挿入孔19から上方に突出する端部に止め輪22が取り付けられて抜止めとされている。
ブラケット23は、平板部24の一端部に側方に張り出す支持片部25を設けた側面L字状をなし、上記支持片部25の両端部に上下面で開口するガイド孔26が設けられ、そのガイド孔26にガイドロッド20が挿入されてスライド自在に支持されている。ブラケット23を円滑にスライドさせるため、ガイド孔26内にすべり軸受34が組み込まれている。
ブラケット23の下方となる他端部にはホイール支持軸27が設けられている。ホイール支持軸27は支持片部25と同方向に張り出し、その軸心はアーム支持軸11に平行している。
ホイール支持軸27は、段付き軸とされ、先端の小径軸部27aに転がり軸受28が嵌合され、その転がり軸受28を介してフリクションホイール31が回転自在に支持されている。
また、ホイール支持軸27には先端面で開口するねじ孔29が設けられ、そのねじ孔29にねじ込まれるボルト30の頭部30aと小径軸部27aの付け根に設けられた軸方向の端面27bによって転がり軸受28は軸方向に位置決めされている。
フリクションホイール31のホイール本体31aの外周には摩擦係数の高い摩擦材層32が設けられている。フリクションホイール31の軸方向幅の2等分位置を通ってホイール支持軸27の軸心に直交する仮想平面F1は、一対のガイドロッド20の軸心を含む仮想平面と同一面を形成し、その仮想平面F1上にフリクションホイール31の重心が配置されて、フリクションホイール31に傾きが生じないようにされている。
弾性部材33は、コイルスプリングからなる。この弾性部材33は、一対のガイドロッド20のそれぞれに支持されて揺動アーム16とブラケット23間に配置され、ブラケット23を揺動アーム16から離反する方向に向けて付勢している。
実施の形態で示す動力伝達装置は上記の構造からなり、フリクションホイールアッセンブリ10の組付けに際しては、駆動ホイール1と従動ホイール2の外径面にフリクションホイール31を接触し、駆動ホイール1と従動ホイール2の中心を結ぶ直線の一側方にフリクションホイールアッセンブリ10を配置し、一対のガイドロッド20をホイール中心を結ぶ上記直線と交差する配置とした後、揺動アーム16を押し込み、ブラケット23に対する揺動アーム16の相対移動により弾性部材33を収縮させる。その弾性部材33の収縮保持状態において、揺動アーム16の軸挿入孔18に挿入されたアーム支持軸11とエンジンブロック3に予め形成されたねじ孔4に位置合わせを行い、そのねじ孔4にアーム支持軸11のねじ軸部14をねじ込んで揺動アーム16の取り付けとする。
上記のようなフリクションホイールアッセンブリ10の組付けにより、弾性部材33の復元弾性によりフリクションホイール31が駆動ホイール1および従動ホイール2のそれぞれの外径面に弾性接触する。
ここで、駆動ホイール1および従動ホイール2に対するフリクションホイール31の弾性接触時、フリクションホイール31の駆動ホイール1に対する接触圧と従動ホイール2に対する接触圧が相違すると、接触圧の高い側からフリクションホイール31に負荷される反力によりブラケット23にモーメント荷重が負荷され、アーム支持軸11を中心とする揺動アーム16およびブラケット23の揺動により駆動ホイール1および従動ホイール2に対するフリクションホイール31の接触圧の均一化が図られる。このため、フリクションホイール31によって駆動ホイールと従動ホイールとの間の摩擦による動力伝達が安定的に行なわれることになる。
実施の形態で示すように、フリクションホイール31の軸方向幅の2等分位置を通り、フリクションホイール31を回転自在に支持するホイール支持軸27の軸心に直交する仮想平面F1上にフリクションホイールアッセンブリ10の重心を位置させることにより、フリクションホイール31に傾きを生じさせるような回転モーメントがフリクションホイールアッセンブリ10に負荷されることがなくなり、フリクションホイール31を駆動ホイール1および従動ホイール2の双方に対して安定して接触させることができる。
図3に示したフリクションホイールアッセンブリ10の変形例を図4に示す。この変形例に係るフリクションホイールアッセンブリ10においては、フリクションホイール31の外周に、金属被膜36として、多孔質状の亜鉛被膜(以下において、金属被膜36と同じ符号を付する。)が形成されている。なお、ここでの多孔質とは単分子もしくは複数分子が薄片状に積層した際、単分子もしくは複数分子の隙間を有した状態をいう。本図においては、金属被膜36を見やすくするため、その厚さを実際よりも誇張して描いている。
このように、亜鉛被膜36を形成することにより、被水環境下においても、フリクションホイール31に錆が発生するのを防止することができ、フリクションホイールアッセンブリ10の長寿命化を図ることができる。ここでいう亜鉛被膜36とは、亜鉛のみからなる被膜と、亜鉛と他の金属の合金からなる被膜の両方を含む。なお、この実施形態においては、金属被膜36として、フリクションホイール31の保護作用が高い亜鉛被膜36を採用したが、防食性を発揮し得る他の金属被膜36を採用することもできる。
摩擦材層32の素材として、例えばゴム材を採用することができる。この摩擦材層32は、亜鉛被膜36の表面に密着して設けられている。多孔質状の亜鉛被膜36に摩擦材層32が食い込むことによって、高い密着性が確保されている。
なお、この変形例においては、摩擦材層32の素材としてゴム材を採用したが、この素材はゴム材に限定されず、フリクションホイール31よりも軟質の樹脂材等の素材も適宜採用することができる。フリクションホイール31よりも軟質であれば、摩擦材層32と駆動ホイール1および従動ホイール2との間の密着性が高まり、駆動ホイール1から従動ホイール2への動力伝達をスムーズに行い得るためである。
図2および図3では、一対のガイドロッド20のそれぞれに支持された弾性部材33でブラケット23を揺動アーム16から離反する方向に向けて付勢するようにしたが、図6および図7に示すように、ガイドロッド20のフランジ21とブラケット23の支持片部25の対向部間に弾性部材33を組み込んで、ブラケット23を揺動アーム16に向けて付勢してもよい。
図6および図7に示すフリクションホイールアッセンブリ10においては、図4に示すように、駆動ホイール1と従動ホイール2の中心を結ぶ直線の一側方にフリクションホイール31が配置され、他側方に揺動アーム16が配置される組み込みとし、フリクションホイール31が駆動ホイール1および従動ホイール2の双方に接触する状態において、揺動アーム16に引張り力を付与して弾性部材33を収縮し、その収縮保持状態において揺動アーム16の軸挿入孔18に挿入されたアーム支持軸11をエンジンブロック3に形成されたねじ孔4にねじ係合してフリクションホイールアッセンブリ10の組付けとする。
上記のようなフリクションホイールアッセンブリ10の組付け状態において、フリクションホイール31の駆動ホイール1に対する接触圧と従動ホイール2に対する接触圧が相違すると、図1に示す場合と同様に、接触圧の高い側からフリクションホイール31に負荷される反力によりブラケット23にモーメント荷重が負荷され、アーム支持軸11を中心とする揺動アーム16およびブラケット23の揺動により駆動ホイール1および従動ホイール2に対するフリクションホイール31の接触圧の均一化が図られる。
図7に示したフリクションホイールアッセンブリ10の変形例を図8に示す。この変形例に係るフリクションホイールアッセンブリ10においても、フリクションホイール31の外周に、金属被膜36として、多孔質状の亜鉛被膜36が形成されている。この変形例に係るフリクションホイールアッセンブリ10においても、図4に示したものと同様に、亜鉛被膜36を形成することにより、被水環境下においても、フリクションホイール31に錆が発生するのを防止することができ、フリクションホイールアッセンブリ10の長寿命化を図ることができる。
図4および図8に示す金属被膜36が形成されたフリクションホイールアッセンブリ10の製造方法について説明する。この製造方法においては、まず、ホイール本体31aの外径面に、金属またはこの金属の合金を含む粒子を衝突させる。この粒子として、球状の鉄核の周りに、粉末状とした亜鉛、アルミニウム、および、マグネシウムの合金を設けたもの(商品名:Zアイアン(株式会社エマナック西日本製))を採用した。
この粒子を高速度でホイール本体31aの外径面に衝突させると、この粒子表面の亜鉛と他の金属の合金が外径面に付着して、所定の厚みの亜鉛被膜36(亜鉛を主成分とする合金の被膜)が形成される。この亜鉛被膜36は、亜鉛と他の金属の合金が、薄片状に積層した多孔質状(ポーラス状)となっている。なお、上記粒子の採用はあくまでも一例であって、ホイール本体31aの外径面に防食性を発揮し得る金属被膜36を形成し得る限りにおいて、他の種類の粒子を採用することもできる。
次に、ホイール本体31aを金型に入れた上で、このホイール本体31aを予熱し、この金型内に加熱溶融した高温のゴム材を流し込む。そして、このゴム材を冷却して、亜鉛被膜36の表面に、硬化したゴム材からなる摩擦材層32を形成する。
上記のように、亜鉛被膜36が多孔質状に形成されることにより、その表面に加熱溶融したゴム材を設けて摩擦材層32を形成する際に、その応力(熱応力やゴム材の熱伸縮によって生じる応力)を緩和する作用が発揮される。このため、摩擦材層32を形成する際の応力に起因して、ホイール本体31aの外径面から亜鉛被膜36が剥離するのを防止することができる。しかも、多孔質状の亜鉛被膜36に摩擦材層32が食い込むため、亜鉛被膜36と摩擦材層32との間の高い密着性を確保することができる。
また、外径面に粒子を衝突させたときのピーニング効果によって、この外径面を硬化することができ、機械強度の向上を図ることもできる。
上記実施形態に係るフリクションホイールアッセンブリ10、および、その製造方法はあくまでも一例であって、駆動ホイール1と従動ホイール2との間の摩擦による動力伝達を安定的に行うとともに長寿命化を図る、という本願発明の課題を解決し得る限りにおいて、各構成部品の形状や配置を変更したり、その製造工程に変更を加えたりすることも許容される。
1 駆動ホイール
2 従動ホイール
3 エンジンブロック(プーリ支持対象)
10 フリクションホイールアッセンブリ
11 アーム支持軸
16 揺動アーム
20 ガイドロッド
23 ブラケット
31 フリクションホイール
32 摩擦材層
33 弾性部材
36 金属被膜(亜鉛被膜)

Claims (8)

  1. 駆動ホイールおよび従動ホイールのそれぞれの外径面に対する摩擦接触によって駆動ホイールの回転を従動ホイールに伝達するフリクションホイールを有してなるフリクションホイールアッセンブリにおいて、
    ホイール支持対象に取り付けられるアーム支持軸と、そのアーム支持軸により両端間の中央部が支持されて、アーム支持軸を中心に揺動自在に支持された揺動アームと、その揺動アームの両端部に一端部が支持された一対の平行配置のガイドロッドと、その一対のガイドロッドによって一端部がスライド自在に支持されたブラケットと、そのブラケットの他端部において、前記アーム支持軸と平行する軸心を中心にして回転自在に支持され、摩擦接触により駆動ホイールの回転を従動ホイールに伝達するフリクションホイールと、前記一対のガイドロッドのそれぞれに支持されて前記フリクションホイールが前記駆動ホイールおよび従動ホイールのそれぞれの外径面に弾性接触する方向に前記ブラケットを付勢する弾性部材からなることを特徴とするフリクションホイールアッセンブリ。
  2. 前記フリクションホイールの軸方向幅の2等分位置を通り、フリクションホイールの回転軸心に直交する仮想平面上に前記一対のガイドロッドのそれぞれを配置した請求項1に記載のフリクションホイールアッセンブリ。
  3. 前記揺動アームと前記ブラケットの対向部間に弾性部材を組み込んで、揺動アームから離反する方向に向けてブラケットを付勢した請求項1または2に記載のフリクションホイールアッセンブリ。
  4. 前記ブラケットと前記ガイドロッドの他端部間に弾性部材を組み込んで、揺動アームに向けてブラケットを付勢した請求項1または2に記載のフリクションホイールアッセンブリ。
  5. 前記フリクションホイールの外径面に多孔質状の金属被膜が形成されるとともに、前記金属被膜上に、前記駆動ホイールと前記従動ホイールに接触可能な前記フリクションホイールよりも軟質な素材からなる摩擦材層を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のフリクションホイールアッセンブリ。
  6. 前記金属被膜を亜鉛被膜としたことを特徴とする請求項5に記載のフリクションホイールアッセンブリ。
  7. 駆動ホイールおよび従動ホイールのそれぞれの外径面に対する摩擦接触によって駆動ホイールの回転を従動ホイールに伝達するフリクションホイールを有してなるフリクションホイールアッセンブリの製造方法において、
    前記駆動ホイールと前記従動ホイールとの間で動力を伝達することが可能なフリクションホイールの外径面に、金属または前記金属の合金を含む粒子を衝突させて、前記外径面に前記金属を含む金属被膜を形成する工程と、
    前記金属被膜の表面に、加熱溶融した弾性材料を設けた上でその弾性材料を硬化させて、前記駆動ホイールおよび前記従動ホイールに接触可能な摩擦材層を形成する工程と、
    を備えたことを特徴とするフリクションホイールアッセンブリの製造方法。
  8. 前記金属を亜鉛とし、前記金属被膜を亜鉛被膜としたことを特徴とする請求項7に記載のフリクションホイールアッセンブリの製造方法。
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