JP2017214892A - ターボチャージャ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノズルベーンと、該ノズルベーンが摺動する相手側部材との間のクリアランスを小さく維持することが可能なターボチャージャを提供する。
【解決手段】ターボチャージャ1は、排ガスにより回転駆動されるタービンと、タービンに流入する排ガスの流路9を形成するように互いに対向する一対の流路形成壁面2a,4aと、流路内に設けられ、流路の断面積を変えるように開度調節可能なノズルベーン8と、一対の流路形成壁面にそれぞれ対向するノズルベーンの一対の摺動面のうち少なくとも一方を少なくとも部分的に被覆する第1被覆層26a,26bと、第1被覆層に対向するように設けられ、流路形成壁面の一方を部分的に被覆する第2被覆層28a,28bとを備え、第1被覆層又は第2被覆層の少なくとも一方は固体潤滑材を含むとともに、第1被覆層又は第2被覆層の一方は第1物質を含み、他方は第1物質よりも極性が小さい第2物質を含む。
【選択図】図4

Description

本開示は、ターボチャージャ及びその製造方法に関する。
ターボチャージャにおいて、エンジンの排ガス流路に設けたノズルベーンを用いて過給圧を調節することが知られている。
このようなターボチャージャでは、過給圧を調節するためにノズルベーンの開度が変更されるとき、ノズルベーンは排ガス流路を形成する壁面に対して摺動する。そこで、ノズルベーンを壁面に対して円滑に摺動させるため、ノズルベーンと壁面との間には通常クリアランスが設けられる。
この場合、エンジンからの排ガスが、ノズルベーンの翼面を迂回して、ノズルベーンと壁面との間の隙間を介してタービンに到達すると、該隙間から迂回した排ガスの持つエネルギーはタービンに伝達されず、また、タービン周辺の排ガスの流れが乱れるため、タービン効率が低下する場合がある。
このような観点から、ノズルベーンと壁面との間の隙間は狭いことが望ましい。
特許文献1には、ノズルベーンの両側のスライド面に、炭素超微粉体を含む炭素系乾性膜が形成されたターボチャージャが記載されている。該炭素系乾性膜は、ノズルベーンの両側のスライド面とタービンケーシングを形成するケース部材の内壁面との間の隙間を充填するように設けられている。これにより、ノズルベーンのケース部材の内壁面に対する摺動性を維持しつつ、ノズルベーンとケース部材との間のクリアランスを小さく維持するようになっている。
特許第3876212号明細書
ところで、ターボチャージャの運転中、ノズルベーンや、ノズルベーンが摺動する壁面を形成するタービンケーシングは熱に起因して変形するため、ノズルベーンと壁面との間のクリアランスを小さく設計することは難しい。
この点、特許文献1に記載のように、ノズルベーンと、ノズルベーンが摺動する相手側部材との間のクリアランスを埋めるようにノズルベーンの摺動面を潤滑性の被覆層を設けることで、ノズルベーンの摺動時に被覆層がすり減らされることにより、大きすぎない適度なクリアランスが形成されることが期待できる。
しかしながら、場合によっては、被覆層に含まれる潤滑材が相手側部材に凝着することがある。そうすると、ノズルベーンの摺動時に、例えば相手側部材に凝着した凝着物等によって被覆層が破壊されることによりノズルベーンと相手側部材との間の隙間が拡大し、小さなクリアランスが維持できなくなる場合がある。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、ノズルベーンと、該ノズルベーンが摺動する相手側部材との間のクリアランスを小さく維持することが可能なターボチャージャ及びその製造方法を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係るターボチャージャは、
エンジンからの排ガスにより回転駆動されるように構成されたタービンと、
前記タービンに流入する前記排ガスの流路を形成するように互いに対向する一対の流路形成壁面と、
前記流路内に設けられ、前記流路の断面積を変えるように開度調節可能なノズルベーンと、
前記一対の流路形成壁面にそれぞれ対向する前記ノズルベーンの一対の摺動面のうち少なくとも一方を少なくとも部分的に被覆する第1被覆層と、
前記第1被覆層に対向するように設けられ、前記流路形成壁面の少なくとも一方を少なくとも部分的に被覆する第2被覆層と、
を備え、
前記第1被覆層又は前記第2被覆層の少なくとも一方は固体潤滑材を含むとともに、
前記第1被覆層又は前記第2被覆層の一方は第1物質を含み、前記第1被覆層又は前記第2被覆層の他方は前記第1物質よりも極性が小さい第2物質を含む。
ターボチャージャの運転中、第1被覆層と第2被覆層とが互いに凝着して一体的な被覆層を形成すると、ノズルベーンが動いた際に被覆層内において不均一なせん断破壊が生じ、その後のノズルベーンの動きに伴って、せん断破壊によって分離された2つの被覆層同士が接触して摩耗が進行してしまう。
この点、上記(1)の構成では、互いに対向する第1被覆層と第2被覆層の一方は極性が比較的大きい第1物質を含み、他方は極性が比較的小さい第2物質を含む。このため、第1被覆層と第2被覆層とは親和性が低く、極性の差に起因して互いをはじくので、第1被覆層又は第2被覆層の一方に含まれる固体潤滑材が、第1被覆層又は第2被覆層の他方に凝着しにくくなる。よって、固体潤滑材の凝着後にノズルベーンが動いた際に固体潤滑材が不均一なせん断破壊を引き起こすリスクが低減され、ノズルベーンと、該ノズルベーンが摺動する流路形成壁面との間のクリアランスを小さく維持することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記第1物質は、前記第2物質よりも溶解パラメータが2.5以上大きい。
上記(2)の構成では、互いに対向する第1被覆層と第2被覆層を構成する第1物質と第2物質(又は第2物質と第1物質)とは、極性の指標である溶解パラメータの差が2.5よりも大きい。このため、第1物質と第2物質の極性の差により、第1被覆層又は第2被覆層の一方に含まれる固体潤滑材の、第1被覆層又は第2被覆層の他方への凝着を効果的に抑制して、固体潤滑材の凝着に起因する被覆層の破壊を効果的に抑制することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、
前記第1物質は、アセトニトリル、水、クロロホルム、アセトン及びメタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
前記第2物質は、ジオキサン、四塩化炭素、炭化水素、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸及びグリセリンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む。
上記(3)の構成によれば、極性が比較的大きい第1物質及び極性が比較的小さい第2物質として上述の物質を用いることにより、第1物質と第2物質との間で極性に差をもたらすことができる。これにより、第1被覆層又は第2被覆層の一方に含まれる固体潤滑材の、第1被覆層又は第2被覆層の他方への凝着を効果的に抑制して、固体潤滑材の凝着に起因する被覆層の破壊を効果的に抑制することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、前記固体潤滑材は、窒化ホウ素を含む。
上記(4)の構成によれば、比較的高温領域で良好な摺動特性を有する窒化ホウ素を固体潤滑材として用いることで、ターボチャージャの高温での運転時においても、ノズルベーンの流路形成壁面に対する摺動性を維持することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れかの構成において、前記第1被覆層又は前記第2被覆層の前記少なくとも一方の膜厚は、0.1μm以上500μm以下である。
上記(5)の構成によれば、固体潤滑材を含む第1被覆層又は第2被覆層の膜厚は0.1μm以上であるので、例えば、第1被覆層又は第2被覆層が形成されるノズルベーンの摺動面又は流路形成壁面の表面に凹凸があったとしても、良好な摺動性能を発揮することができる。
一方、上記(5)によれば、固体潤滑材を含む第1被覆層又は第2被覆層の膜厚は500μm以下であるので、ターボチャージャの運転中における第1被覆層又は第2被覆層の剥離を抑制することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(5)の何れかの構成において、前記ノズルベーンの一対の摺動面のうち前記少なくとも一方と、前記流路形成壁面の前記少なくとも一方との間のクリアランスは、10μm以上100μm以下である。
上記(6)の構成によれば、ノズルベーンの摺動面と、流路形成壁面との間のクリアランスは10μm以上であるので、ノズルベーンの流路形成壁面に対する円滑な摺動が損なわれない。
一方、上記(6)の構成によれば、ノズルベーンの摺動面と、流路形成壁面との間のクリアランスは100μm以下であるので、ノズルベーンの摺動面と流路形成壁面との間の隙間へのエンジンからの排ガスの流入を十分に抑制することができ、タービン効率の低下を抑制することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(6)の何れかの構成において、前記第1被覆層又は前記第2被覆層の前記少なくとも一方は、表面硬化処理された前記摺動面又は前記流路形成壁面上に設けられている。
上記(7)の構成によれば、固体潤滑材を含む第1被覆層又は第2被覆層が設けられるノズルベーンの摺動面又は流路形成壁面は、表面硬化処理により硬く変形しにくくなっている。よって、接触等により摺動面又は流路形成壁面に外力が加わった際のノズルベーンの摺動面又は流路形成壁面の変形を抑制することができ、摺動面又は流路形成壁面からの第1被覆層又は第2被覆層の剥離を抑制することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(7)の何れかの構成において、前記第1被覆層又は前記第2被覆層の前記少なくとも一方は、Sn、Ag及びPbからなる群から選ばれる少なくとも1種をさらに含む。
上記(8)の構成によれば、固体潤滑材を含む第1被覆層又は第2被覆層は、硬度が比較的小さいSn、Ag又はPbを含むので、比較的低温の温度領域において、ノズルベーンの流路形成壁面に対する摺動性を向上させることができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(8)の何れかの構成において、前記第1被覆層又は前記第2被覆層の前記少なくとも一方は、O、S、Se及びTeからなる群から選ばれる少なくとも1種をさらに含む。
上記(9)の構成では、固体潤滑材を含む第1被覆層又は第2被覆層に含まれる上述した元素と、ノズルベーン又は流路形成壁面を構成する金属元素とが結合して、良好な摺動特性を有する化合物(例えば金属酸化物や金属硫化物)が生成される。よって、上記(9)の構成によれば、ノズルベーンの流路形成壁面に対する摺動性がより良好となる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(9)の何れかの構成において、前記第1被覆層又は前記第2被覆層の前記少なくとも一方は、フッ素をさらに含む。
上記(10)の構成では、固体潤滑材を含む第1被覆層又は第2被覆層はフッ素を含むので、フッ素とノズルベーン又は流路形成壁面を構成する金属元素とが結合して、とくに比較的高温の温度領域において摺動特性が良好なフッ化金属が生成される。よって、上記(10)の構成によれば、ノズルベーンの流路形成壁面に対する摺動性がより良好となる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(10)の何れかの構成において、前記第1被覆層又は前記第2被覆層の前記少なくとも一方は、Cr、Ta、Ba、Ca及びNiからなる群から選ばれる少なくとも1種をさらに含む。
上記(11)の構成によれば、固体潤滑材を含む第1被覆層又は第2被覆層にCr、Ta、Ba、Ca又はNiが含まれている場合、これらの元素により、比較的高温化での摺動特性が良好な酸化物が生成することある。よって、上記(11)の構成によれば、ノズルベーンの流路形成壁面に対する摺動性がより良好となる。
(12)本発明の少なくとも一実施形態に係るターボチャージャの製造方法は、
エンジンからの排ガスにより回転駆動されるように構成されたタービンと、
前記タービンに流入する前記排ガスの流路を形成するように互いに対向する一対の流路形成壁面と、
前記流路内に設けられ、前記流路の断面積を変えるように開度調節可能なノズルベーンと、
を備えるターボチャージャの製造方法であって、
前記一対の流路形成壁面にそれぞれ対向する前記ノズルベーンの一対の摺動面のうち少なくとも一方を少なくとも部分的に被覆する第1被覆層を形成する第1形成ステップと、
前記第1被覆層に対向するように設けられ、前記流路形成壁面の少なくとも一方を少なくとも部分的に被覆する第2被覆層を形成する第2形成ステップと、
を備え、
前記第1被覆層又は前記第2被覆層の少なくとも一方は固体潤滑材を含むとともに、
前記第1被覆層又は前記第2被覆層の一方は第1物質を含み、前記第1被覆層又は前記第2被覆層の他方は前記第1物質よりも極性が小さい第2物質を含む。
上記(12)の製造方法によれば、互いに対向する第1被覆層と第2被覆層の一方は極性が比較的大きい第1物質を含み、他方は極性が比較的小さい第2物質を含む。このため、第1被覆層と第2被覆層とは親和性が低く、極性の差に起因して互いをはじくので、第1被覆層又は第2被覆層の一方に含まれる固体潤滑材が、第1被覆層又は第2被覆層の他方に凝着しにくくなる。よって、固体潤滑材の凝着後にノズルベーンが動いた際に固体潤滑材が不均一なせん断破壊を引き起こすリスクが低減され、ノズルベーンと、該ノズルベーンが摺動する流路形成壁面との間のクリアランスを小さく維持することができる。
(13)幾つかの実施形態では、上記(12)の製造方法において、 前記第1物質又は前記第2物質の何れか一方と、前記固体潤滑材と、を含む被覆材を塗布することで、前記第1被覆層又は前記第2被覆層を形成する。
上記(13)の製造方法によれば、第1物質又は第2物質の何れか一方と、固体潤滑材と、を含む被覆材を塗布することにより、簡素な方法で、第1被覆層又は第2被覆層を形成することができる。
(14)幾つかの実施形態では、上記(12)の製造方法において、前記第1物質又は前記第2物質の何れか一方と、前記固体潤滑材と、を含むメッキ液を用いてメッキ処理することにより、前記第1被覆層又は前記第2被覆層を形成する。
上記(14)の製造方法によれば、第1物質又は第2物質の何れか一方と、固体潤滑材と、を含むメッキ液を用いてメッキ処理することにより、簡素な方法で、第1被覆層又は第2被覆層を形成することができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、ノズルベーンと、該ノズルベーンが摺動する相手側部材(流路形成壁面)との間のクリアランスを小さく維持することが可能なターボチャージャ及びその製造方法が提供される。
一実施形態に係るターボチャージャの回転軸方向に沿った概略断面図である。 一実施形態に係るターボチャージャのタービン部分の概略断面図である。 一実施形態に係る可変ノズル機構の構成を示す図である。 一実施形態に係るタービンの部分的な断面図である。 一実施形態に係るターボチャージャの運転中におけるノズルベーン及び流路形成壁面を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
以下、幾つかの実施形態に係るターボチャージャについて説明する。
図1は、一実施形態に係るターボチャージャの回転軸方向に沿った概略断面図である。図2は、一実施形態に係るターボチャージャのタービン部分の概略断面図である。図3は、一実施形態に係る可変ノズル機構の構成を示す図である。
図1に示すように、ターボチャージャ1は、不図示のエンジンからの排ガスにより回転駆動されるように構成されたタービンロータ12を含むタービン13と、回転シャフト15を介してタービンロータ12と接続されたコンプレッサロータ(不図示)を含むコンプレッサ(不図示)と、を備える。コンプレッサロータは、タービンロータ12の回転により同軸駆動されて、エンジンへの吸気を圧縮するように構成されている。また、回転シャフト15は軸受22によって回転可能に支持されている。
タービンロータ12、軸受22、コンプレッサロータは、それぞれ、タービンハウジング16、軸受ハウジング18及びコンプレッサハウジング(不図示)に収容されており、タービンハウジング16と軸受ハウジング18、及び、軸受ハウジング18とコンプレッサハウジングは、それぞれ、例えばボルトによって締結されている。
タービンハウジング16の外周側には、不図示の排気マニホールドと連通し、エンジンから排出された排ガスが流れるスクロール状の排ガス通路20が形成されている。また、スクロール状の排ガス通路20と、タービンロータ12との間には、タービンロータ12に作用する排ガスの流れを制御する可変ノズル機構10が配置されている。
図1に示す例示的な実施形態において、可変ノズル機構10は、ノズルベーン8と、ノズルベーン8が取り付けられるノズルマウント2と、ノズルマウント2に対向するように設けられたノズルプレート4と、ノズルマウント2とノズルプレート4との間に設けられるノズルサポート6と、を有する。
図1に示すように、ノズルマウント2は、タービンハウジング16とタービンハウジング16と軸受ハウジング18との間に挟まれた状態で、例えばボルトで締結されることによって、軸受ハウジング18に固定されている。
また、図3に示すように、ノズルサポート6の一端は、ノズルマウント2の一面2aに連結され、他端は、ノズルプレート4の一面4aが連結されている。ノズルサポート6は、回転シャフト15の周方向に沿って複数配置されている。ノズルプレート4は、ノズルサポート6によって、ノズルマウント2の一面2aから離間して支持されている。
ノズルマウント2とノズルプレート4との間には、タービンロータ12に流入する排ガスが流れる流路9が形成されている。すなわち、ノズルマウント2の一面2a及びノズルプレート4の一面4aは、排ガスの流路9を形成するように互いに対向する一対の流路形成壁面を構成する。
図3に示すように、ノズルベーン8は、流路9内に設けられており、ノズル軸8cを介してレバープレート3の一端側に連結されている。また、レバープレート3の他端側は、ドライブリング5に連結されている。ドライブリング5は、円盤状に形成されており、ノズルマウント2の他面2bに回転可能に配置されている。
ドライブリング5は不図示のアクチュエータなどにより駆動されて回転可能になっている。ドライブリング5が回転すると、各レバープレート3が回転し、ノズル軸8cを介してノズルベーン8の開度(翼角)が変化するように構成されている。
このように構成される可変ノズル機構10を備えたターボチャージャ1では、スクロール状の排ガス通路20を流れた排ガスは、図1の矢印fで示したように、ノズルマウント2とノズルプレート4との間の流路9に流れ込み、ノズルベーン8によって流れ方向が制御されて、タービンハウジング16の中心部へと流れる。そして、タービンロータ12に作用した後に、排気出口24から外部に排出される。
図2において、二点鎖線で示されるノズルベーン8’は、実線で示されるノズルベーン8よりも開度が大きい状態である。すなわち、二点鎖線で示されるノズルベーン8’同士の間の距離Dは、実線で示されるノズルベーン8同士の間の距離Dよりも大きい。このため、排ガスの流路面積は、開度が小さい時に比べて、開度が大きい時の方が大きくなる。
このように、ノズルベーン8の開度を変化させることにより、排ガスの流路面積が変更されて排ガスのタービンロータへの流入速度が変化する。したがって、ノズルベーン8の開度を調節することにより、園児における過給圧を調節することができる。
図4は、一実施形態に係るタービンの部分的な断面図であり、ノズルベーンの周辺部を示す図である。図4に示すように、ノズルベーン8は、一対の流路形成壁面を構成するノズルプレート4の一面4a及びノズルマウント2の一面2aにそれぞれ対向する摺動面8a,8bを有する。摺動面8a,8bは、それぞれ第1被覆層26a,26bで少なくとも部分的に被覆されているとともに、摺動面8a,8bにそれぞれ対向するノズルプレート4の一面4a及びノズルマウント2の一面2aは、それぞれ第2被覆層28a,28bで少なくとも部分的に被覆されている。第1被覆層26a,26bは、それぞれ、固体潤滑材及び第1物質を含むとともに、第2被覆層28a,28bは、それぞれ、第1物質よりも極性が小さい第2物質を含む。
このような構成を有するタービンによれば、ノズルベーン8と、該ノズルベーン8が摺動する流路形成壁面(ノズルマウント2の一面2a又はノズルプレート4の一面4a)との間のクリアランスd,d(図4参照)を小さく維持することができる。
このことについて、図5を参照して説明する。図5は、一実施形態に係るターボチャージャの運転中におけるノズルベーン及び流路形成壁面を示す図である。
なお、図5においては、図の簡略化のため、ノズルベーン8の一対の摺動面8a,8bのうち、ノズルプレート4側の摺動面8aのみが被覆層で覆われているとともに、一対の流路形成壁面を構成する一面2a,4a,のうち、ノズルプレート4の一面4aが被覆層で覆われている態様を示した。
ターボチャージャの運転中、ノズルベーン8の摺動面8aを被覆する被覆層と、該摺動面8aに対向するノズルプレート4の一面4aとを被覆する被覆層とが、例えば、同一の第1物質を含む場合、2つの被覆層は、極性が同程度であるため、互いの親和性が高く、2つの被覆層のうち、一方の被覆層の一部が他方の被覆層に凝着して、一体的な被覆層を形成する場合がある。この場合、ノズルベーン8が動いた際に被覆層内において不均一なせん断破壊が生じ、その後のノズルベーン8の動きに伴って、せん断破壊によって分離された2つの被覆層同士が接触して摩耗が進行してしまい、2つの被覆層の間の隙間が拡大してしまうことがある。
この点、上述した実施形態では、互いに対向する第1被覆層26a,26bと第2被覆層28a,28bの一方(上述の実施形態の場合第1被覆層26a,26b)は極性が比較的大きい第1物質を含み、他方(上述の実施形態の場合第2被覆層28a,28b)は極性が比較的小さい第2物質を含む。このため、第1被覆層26a,26bと第2被覆層28a,28bとは親和性が低く、極性の差に起因して互いをはじくので、第1被覆層26a,26bに含まれる固体潤滑材が、第2被覆層28a,28bに凝着しにくくなる。
例えば、図5(A)に示すように、ノズルベーン8の摺動面8aに設けられた第1被覆層26aと、ノズルプレート4の一面4aに設けられた第2被覆層28aとは、極性の差に起因して互いをはじくため、第1被覆層26aと第2被覆層28aとの界面は平坦なものとなる。したがって、図5(A)に図示される状態からノズルベーン8の開度が変更されて、ノズルベーン8及びノズルプレート4が相対的に矢印の方向に移動して、図5(B)に図示される状態となる過程においても、第1被覆層26aと第2被覆層28aとの間の平坦な界面が維持されやすく、第1被覆層26aに含まれる固体潤滑材が、第2被覆層に凝着しにくい。
したがって、上述した実施形態では、固体潤滑材の凝着後にノズルベーン8が動いた際に固体潤滑材が不均一なせん断破壊を引き起こすリスクが低減され、ノズルベーン8と、該ノズルベーン8が摺動する流路形成壁面(ノズルマウント2の一面2a又はノズルプレート4の一面4a)との間のクリアランスを小さく維持することができる。
なお、図4においては、ノズルベーン8の一対の摺動面8a,8bの両方が固体潤滑材及び比較的極性の大きい第1物質を含む第1被覆層26a,26bで被覆されているとともに、流路形成壁面を構成するノズルプレート4の一面4a及びノズルマウント2の一面2aの両方が、比較的極性の小さい第2物質を含む第2被覆層28a,28bで被覆されている例を示したが、本発明はこの態様に限定されない。
例えば、一実施形態では、第1被覆層は、ノズルベーン8の一対の摺動面8a,8bのうち、片方のみ(例えば摺動面8aのみ)に設けられていてもよい。この場合、ノズルプレート4の一面4a及びノズルマウント2の一面2aのうち、第1被覆層が設けられた摺動面(例えば摺動面8a)に対向する一方(例えばノズルプレート4の一面4a)のみに、第2被覆層が設けられていてもよい。
また、例えば一実施形態では、固体潤滑材は、ノズルベーン8の一対の摺動面8a又は8bに設けられる第1被覆層ではなく、ノズルプレート4の一面4a又はノズルマウント2の一面2aに設けられる第2被覆層に含まれていてもよい。
また、例えば一実施形態では、第1被覆層が比較的極性の小さい第2物質を含むとともに、第2被覆層が比較的極性の大きい第1物質を含んでいてもよい。
なお、本発明は、図4に示す実施形態に限られるものではないが、以降においては、発明の容易な把握のため、図4に示す実施形態及び符号に基づいて説明する。
幾つかの実施形態では、比較的極性が大きい第1物質は、比較的極性が小さい第2物質よりも、溶解パラメータが2.5以上大きい。
溶解パラメータは、物質の極性の指標として用いられる。互いに対向する第1被覆層26a,26bと第2被覆層28a,28bを構成する第1物質と第2物質(又は第2物質と第1物質)との溶解パラメータの差が2.5以上大きければ、第1物質と第2物質の極性の差により、第1被覆層26a,26bに含まれる固体潤滑材の、第2被覆層28a,28bへの凝着を効果的に抑制して、固体潤滑材の凝着に起因する被覆層(第1被覆層26a,26b又は第2被覆層28a,28b)の破壊を効果的に抑制することができる。
上述した固体潤滑材の被覆層への凝着を効果的に抑制可能な第1物質と第2物質との組み合わせは、様々であるが、例えば、第1物質は、アセトニトリル、水、クロロホルム、アセトン及びメタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む物質であるとともに、第2物質は、ジオキサン、四塩化炭素、炭化水素、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸及びグリセリンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む物質であってもよい。
幾つかの実施形態では、第1被覆層26a,26b(又は第2被覆層28a,28b)に含まれる固体潤滑材は、窒化ホウ素を含む。
窒化ホウ素は、例えば、典型的に用いられる炭素を主成分とする固体潤滑材等に比べて、比較的高温領域で良好な摺動特性を有する。このような特性を有する窒化ホウ素を固体潤滑材として用いることで、ターボチャージャ1の高温での運転時においても、ノズルベーン8の流路形成壁面(すなわちノズルマウント2の一面2a又はノズルプレート4の一面4a)に対する摺動性を維持することができる。
幾つかの実施形態では、固体潤滑材を含む第1被覆層26a,26b(又は第2被覆層28a,28bであってもよい)の膜厚は、0.1μm以上500μm以下である。
固体潤滑材を含む第1被覆層26a,26b又は第2被覆層28a,28bの膜厚が0.1μm以上であれば、例えば、第1被覆層26a,26b又は第2被覆層28a,28bが形成されるノズルベーン8の摺動面8a,8b又は流路形成壁面(すなわちノズルマウント2の一面2a又はノズルプレート4の一面4a)の表面に凹凸があったとしても、良好な摺動性能を発揮することができる。
固体潤滑材を含む第1被覆層26a,26b又は第2被覆層28a,28bの膜厚が500μm以下でれあば、ターボチャージャ1の運転中における第1被覆層26a,26b又は第2被覆層28a,28bの剥離を抑制することができる。
幾つかの実施形態では、ノズルベーン8の一対の摺動面8a,8bのうち、第1被覆層26a,26bが形成された少なくとも一方(図4に示す実施形態では摺動面8a,8bの両方)と、流路形成壁面(すなわちノズルマウント2の一面2a又はノズルプレート4の一面4a)のとの間のクリアランスは、10μm以上100μm以下である。
上述のクリアランスが10μm以上であれば、ノズルベーン8の流路形成壁面(ノズルマウント2の一面2a又はノズルプレート4の一面4a)に対する円滑な摺動が損なわれない。
一方、上述のクリアランスが100μm以下であれば、ノズルベーン8の摺動面8a,8bと流路形成壁面(ノズルマウント2の一面2a又はノズルプレート4の一面4a)との間の隙間へのエンジンからの排ガスの流入を十分に抑制することができ、タービン効率の低下を抑制することができる。
幾つかの実施形態では、固体潤滑材を含む第1被覆層26a,26b(又は第2被覆層28a,28b)は、表面硬化処理された摺動面8a,8b又は前記流路形成壁面(ノズルマウント2の一面2a又はノズルプレート4の一面4a)上に設けられている。
固体潤滑材を含む第1被覆層26a,26b又は第2被覆層28a,28bが設けられるノズルベーン8の摺動面8a,8b又は流路形成壁面(ノズルマウント2の一面2a又はノズルプレート4の一面4a)を表面硬化処理することにより、これらの表面は硬く変形しにくくなっている。よって、接触等により摺動面8a,8b又は流路形成壁面(ノズルマウント2の一面2a又はノズルプレート4の一面4a)に外力が加わった際のノズルベーン8の摺動面8a,8b又は流路形成壁面(ノズルマウント2の一面2a又はノズルプレート4の一面4a)の変形を抑制することができ、摺動面又は流路形成壁面からの第1被覆層26a,26b又は第2被覆層28a,28bの剥離を抑制することができる。
第1被覆層26a,26b又は第2被覆層28a,28bが設けられるノズルベーン8の摺動面8a,8b又は流路形成壁面(ノズルマウント2の一面2a又はノズルプレート4の一面4a)を表面硬化処理するための方法としては、例えば、焼入れ又は窒化が挙げられる。
固体潤滑材を含む上述の第1被覆層26a,26b又は第2被覆層28a,28bには、種々の添加剤が含まれていてもよい。これにより、固体潤滑材を含む被覆層に様々な特性を付与することができる。
幾つかの実施形態では、固体潤滑材を含む第1被覆層26a,26b又は第2被覆層28a,28bは、Sn、Ag及びPbからなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。
この場合、固体潤滑材を含む第1被覆層26a,26b又は第2被覆層28a,28bは、硬度が比較的小さいSn、Ag又はPbを含むので、比較的低温の温度領域(例えば、200℃〜500℃程度)において、ノズルベーン8の流路形成壁面(ノズルマウント2の一面2a又はノズルプレート4の一面4a)に対する摺動性を向上させることができる。
幾つかの実施形態では、固体潤滑材を含む第1被覆層26a,26b又は第2被覆層28a,28bは、O、S、Se及びTeからなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。
この場合、固体潤滑材を含む第1被覆層26a,26b又は第2被覆層28a,28bに含まれる上述した元素と、ノズルベーン8又は流路形成壁面(ノズルマウント2の一面2a又はノズルプレート4の一面4a)を構成する金属元素とが結合して、良好な摺動特性を有する化合物(例えば金属酸化物や金属硫化物)が生成される。よって、ノズルベーン8の流路形成壁面(ノズルマウント2の一面2a又はノズルプレート4の一面4a)に対する摺動性がより良好となる。
幾つかの実施形態では、第1被覆層26a,26b又は第2被覆層28a,28bは、フッ素を含んでいてもよい。
この場合、固体潤滑材を含む第1被覆層26a,26b又は第2被覆層28a,28bはフッ素を含むので、フッ素とノズルベーン8又は流路形成壁面(ノズルマウント2の一面2a又はノズルプレート4の一面4a)を構成する金属元素とが結合して、とくに比較的高温の温度領域において摺動特性が良好なフッ化金属が生成される。よって、ノズルベーン8の流路形成壁面(ノズルマウント2の一面2a又はノズルプレート4の一面4a)に対する摺動性がより良好となる。
幾つかの実施形態では、第1被覆層26a,26b又は第2被覆層28a,28bは、Cr、Ta、Ba、Ca及びNiからなる群から選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。
以上に説明した構成を有するターボチャージャ1の製造方法は、ノズルベーン8の一対の摺動面8a,8bのうち少なくとも一方を少なくとも部分的に被覆する第1被覆層26a,26bを形成する第1形成ステップと、流路形成壁面(ノズルマウント2の一面2a又はノズルプレート4の一面4a)の少なくとも一方を少なくとも部分的に被覆する第2被覆層28a,28bを第1被覆層26a,26bに対向するように形成する第2形成ステップと、を備える。
第1形成ステップ又は第2形成ステップにおいて固体潤滑材を含む被覆層を形成する場合には、第1物質又は第2物質の何れか一方と、固体潤滑材と、を含む被覆材を、ノズルベーン8の一対の摺動面8a,8bの少なくとも一方又は流路形成壁面(ノズルマウント2の一面2a又はノズルプレート4の一面4a)の少なくとも一方を少なくとも部分的に塗布することで、固体潤滑材を含む第1被覆層26a,26b又は第2被覆層28a,28bを形成してもよい。
また、固体潤滑材を含む被覆材を塗布する方法として、被覆材で覆われた鋼球等を、被塗物であるノズルベーン8の摺動面8a,8b又は流路形成壁面(ノズルマウント2の一面2a又はノズルプレート4の一面4a)に投射し、固体潤滑材を含む被覆材を転写することにより塗布する方法(インピンジメント法)を採用してもよい。
あるいは、第1形成ステップ又は第2形成ステップにおいて固体潤滑材を含む被覆層を形成する場合には、第1物質又は第2物質の何れか一方と、固体潤滑材と、を含むメッキ液を用いてノズルベーン8の一対の摺動面8a,8bの少なくとも一方又は流路形成壁面(ノズルマウント2の一面2a又はノズルプレート4の一面4a)の少なくとも一方をメッキ処理することで、固体潤滑材を含む第1被覆層26a,26b又は第2被覆層28a,28bを形成してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
1 ターボチャージャ
2 ノズルマウント
2a 一面
2b 他面
3 レバープレート
4 ノズルプレート
4a 一面
5 ドライブリング
6 ノズルサポート
8 ノズルベーン
8a,8b 摺動面
8c ノズル軸
9 流路
10 可変ノズル機構
12 タービンロータ
13 タービン
15 回転シャフト
16 タービンハウジング
18 軸受ハウジング
20 排ガス通路
22 軸受
24 排気出口
26a,26b 第1被覆層
28a,28b 第2被覆層

Claims (14)

  1. エンジンからの排ガスにより回転駆動されるように構成されたタービンと、
    前記タービンに流入する前記排ガスの流路を形成するように互いに対向する一対の流路形成壁面と、
    前記流路内に設けられ、前記流路の断面積を変えるように開度調節可能なノズルベーンと、
    前記一対の流路形成壁面にそれぞれ対向する前記ノズルベーンの一対の摺動面のうち少なくとも一方を少なくとも部分的に被覆する第1被覆層と、
    前記第1被覆層に対向するように設けられ、前記流路形成壁面の少なくとも一方を少なくとも部分的に被覆する第2被覆層と、
    を備え、
    前記第1被覆層又は前記第2被覆層の少なくとも一方は固体潤滑材を含むとともに、
    前記第1被覆層又は前記第2被覆層の一方は第1物質を含み、前記第1被覆層又は前記第2被覆層の他方は前記第1物質よりも極性が小さい第2物質を含む
    ことを特徴とするターボチャージャ。
  2. 前記第1物質は、前記第2物質よりも溶解パラメータが2.5以上大きいことを特徴とする請求項1に記載のターボチャージャ。
  3. 前記第1物質は、アセトニトリル、水、クロロホルム、アセトン及びメタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含み、
    前記第2物質は、ジオキサン、四塩化炭素、炭化水素、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸及びグリセリンからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のターボチャージャ。
  4. 前記固体潤滑材は、窒化ホウ素を含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のターボチャージャ。
  5. 前記第1被覆層又は前記第2被覆層の前記少なくとも一方の膜厚は、0.1μm以上500μm以下であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のターボチャージャ。
  6. 前記ノズルベーンの一対の摺動面のうち前記少なくとも一方と、前記流路形成壁面の前記少なくとも一方との間のクリアランスは、10μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のターボチャージャ。
  7. 前記第1被覆層又は前記第2被覆層の前記少なくとも一方は、表面硬化処理された前記摺動面又は前記流路形成壁面上に設けられていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載のターボチャージャ。
  8. 前記第1被覆層又は前記第2被覆層の前記少なくとも一方は、Sn、Ag及びPbからなる群から選ばれる少なくとも1種をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載のターボチャージャ。
  9. 前記第1被覆層又は前記第2被覆層の前記少なくとも一方は、O、S、Se及びTeからなる群から選ばれる少なくとも1種をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載のターボチャージャ。
  10. 前記第1被覆層又は前記第2被覆層の前記少なくとも一方は、フッ素をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載のターボチャージャ。
  11. 前記第1被覆層又は前記第2被覆層の前記少なくとも一方は、Cr、Ta、Ba、Ca及びNiからなる群から選ばれる少なくとも1種をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載のターボチャージャ。
  12. エンジンからの排ガスにより回転駆動されるように構成されたタービンと、
    前記タービンに流入する前記排ガスの流路を形成するように互いに対向する一対の流路形成壁面と、
    前記流路内に設けられ、前記流路の断面積を変えるように開度調節可能なノズルベーンと、
    を備えるターボチャージャの製造方法であって、
    前記一対の流路形成壁面にそれぞれ対向する前記ノズルベーンの一対の摺動面のうち少なくとも一方を少なくとも部分的に被覆する第1被覆層を形成する第1形成ステップと、
    前記第1被覆層に対向するように設けられ、前記流路形成壁面の少なくとも一方を少なくとも部分的に被覆する第2被覆層を形成する第2形成ステップと、
    を備え、
    前記第1被覆層又は前記第2被覆層の少なくとも一方は固体潤滑材を含むとともに、
    前記第1被覆層又は前記第2被覆層の一方は第1物質を含み、前記第1被覆層又は前記第2被覆層の他方は前記第1物質よりも極性が小さい第2物質を含む
    ことを特徴とするターボチャージャの製造方法。
  13. 前記第1物質又は前記第2物質の何れか一方と、前記固体潤滑材と、を含む被覆材を塗布することで、前記第1被覆層又は前記第2被覆層を形成することを特徴とする請求項12に記載のターボチャージャの製造方法。
  14. 前記第1物質又は前記第2物質の何れか一方と、前記固体潤滑材と、を含むメッキ液を用いてメッキ処理することにより、前記第1被覆層又は前記第2被覆層を形成することを特徴とする請求項12に記載のターボチャージャの製造方法。
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