JP2017171948A - 電気を用いたコンクリート補修工法における鉄筋コンクリート構造体内鉄筋に対するリード線電気接続構造及び同リード線電気接続方法 - Google Patents

電気を用いたコンクリート補修工法における鉄筋コンクリート構造体内鉄筋に対するリード線電気接続構造及び同リード線電気接続方法 Download PDF

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【課題】電気を用いたコンクリートの補修工法における鉄筋コンクリート構造体内の鉄筋に対するリード線の接続工事が少ない工数で容易に施工することがでようにする。【解決手段】鉄筋コンクリート構造体1における鉄筋2の埋設位置表面に、所望深さのアンカー部材頭部埋設孔4を穿孔し、そのアンカー部材頭部埋設孔4の底部より鉄筋コンクリート構造体1内の鉄筋2の側部にアンカー部材挿入孔を穿孔し、これに導電性のアンカー部材を挿入し鉄筋2に接触させるとともにアンカー部材とリード線7とを電気接続させ、しかる後アンカー部材頭部埋設孔4を充填材8で埋める。【選択図】図1

Description

本発明は、鉄筋コンクリート構造体の鉄筋を電気的に防食若しくは腐食を抑制する電気防食工法、コンクリートの脱塩工法、又はコンクリートの再アルカリ化工法等の電気を用いたコンクリートの補修工法において、鉄筋コンクリート構造体内の鉄筋に電気回路を構成するためのリード線を接続させるための、電気を用いたコンクリート補修工法における鉄筋コンクリート構造体内鉄筋に対するリード線電気接続構造及び同リード線電気接続方法に関する。
一般に電気を用いたコンクリート補修工法の一種として、高架道路や橋梁を構成する鉄筋コンクリート床版や桟橋等の鉄筋コンクリート構造体内部の鉄筋の腐食を防止又は抑制する電気防食法が採用されている。
従来、このような鉄筋の腐食対策には、鉄筋に電流を供給することにより鉄筋の腐食を防止する電気的防食方法あるいは鉄筋の腐食を抑制する電気的腐食抑制方法が知られており、電流の供給方式によって外部電源方式と流電陽極方式とに大別されている。(以下、本明細書では前記「電気的腐食抑制」を含めて「電気的防食」と記す)
また、高架道路のコンクリート床版の底面側に対して電気防食施工を施す方式に、線状陽極方式及び点状陽極方式がある。線状陽極方式は、コンクリート表面に複数の溝を形成し、その溝に線状の陽極材が埋め込むようにしており、点状陽極方式は、鉄筋量に応じてコンクリートに複数の穴を設け、そこに陽極材を挿入した後、当該穴をセメント系のモルタル等によって埋め戻し、陽極材をコンクリート内に設置するようになっている(例えば、特許文献1を参照)。
このような電気的防食方法を既設の鉄筋コンクリート構造体に施す場合には、鉄筋コンクリート構造体の内部の鉄筋に対して、外部電源方式では電源に、流電陽極方式では陽極材にそれぞれ導通させるための導電線を電気接続させる必要がある。
その方法として従来は、図5に示すように鉄筋コンクリート構造体30をその表面から電動ハンマー等の破砕機を使用してコンクリートを斫取り、その斫取りによって形成した削孔31内に鉄筋32を露出させ、これにリード線33の先端を溶接し、そのリード線33の他端側を鉄筋コンクリート構造体30の表面に出して削孔31をモルタル等の充填材34で埋めている。
また電気を用いたコンクリート補修工法としては、上記の他に、コンクリートの脱塩工法やコンクリートの再アルカリ化工法などが実用化されているが、コンクリート構造体の内部の鉄筋に対して導通線を電気接続させる必要がある状況は電気的防食工法と変わらない。(例えば、特許文献2、特許文献3を参照)
特表平8−511581号公報 特開平1−176287号公報 特開平2−302384号公報
上述した従来の鉄筋コンクリート構造体内の鉄筋に対するリード線の接続方法では、コンクリート表面からリード線接続用のための穴(削孔)を斫取りによって形成するものであるため、その穴は大きくならざるを得ず掘削に手数と時間を要するとともに鉄筋コンクリート構造体の損傷が大きくなり、埋戻し作業にも手数を要するという問題があった。
また、リード線の接続は溶接によるものであるため、鉄筋の疲労強度が低下する。このため同一構造物に多くの計測端子用等のリード線を接続させることができないという問題があった。
後に穴をモルタルによって埋める必要があるが、床版の電気防食の場合には底面から下向きに開けられている穴を埋めることが多く、しかも鉄筋の上側に空洞が形成されているものであるため、十分に埋める作業に手数を要するという問題がある。
また、従来はこのような鉄筋コンクリート構造体内の鉄筋に対するリード線の接続作業が面倒であったため、点状陽極方式の場合においても、鉄筋に対して導通させた1つのリード線を多数の陽極材のリード線に導通させていた。一方、流電陽極方式の場合は、犠牲陽極とも称される陽極材が継時的に消耗し、流電陽極と鉄筋との電位差が減少し、遂には電気防食作用が消滅するものであり、点状陽極方式では、各陽極材毎に消耗の程度が異なる。
しかし、従来のように多数の陽極材を共通の導電材を通じて1の鉄筋接続部分に導通させている方式では、共通の導電材の鉄筋接続部に近い位置を鉄筋コンクリート構造体外に露出させておき、ここに電流計を介在させて防食作用の効果の確認を行っているため、点状陽極方式における陽極材毎の防食効果の確認ができないという問題があった。
本発明はこのような従来の問題に鑑み、電気を用いたコンクリートの補修工法における鉄筋コンクリート構造体内の鉄筋に対するリード線の接続工事が少ない工数で容易に施工することができ、特に点状陽極方式の電気防食工事において、陽極材毎にそのリード線を鉄筋コンクリート構造体内の鉄筋に電気接続させることが容易に可能であり、また、脱塩工法、再アルカリ化工法などの電気化学的補修工法の場合も、鉄筋コンクリート構造体内の鉄筋にリード線を容易に電気接続させることが可能となる電気を用いたコンクリート補修工法における鉄筋コンクリート構造体内鉄筋に対するリード線電気接続構造及び同リード線電気接続方法の提供を目的としたものである。
上述の如き従来の問題を解決するための本発明の第1の特徴は、鉄筋コンクリート構造体の鉄筋埋設位置の表面に、所望深さに穿設されたアンカー部材頭部埋設孔と、該アンカー部材頭部埋設孔の底部より前記鉄筋コンクリート構造体の鉄筋の外面に対して接線方向に向き、且つ外面が前記鉄筋に接触されている導電材料からなるアンカー部材と、該アンカー部材の頭部に電気接続され、前記アンカー頭部埋設孔外に導出されているリード線と、前記アンカー頭部埋設孔に充填された充填材とを備え、前記充填材内に前記リード線とアンカー部材の頭部との電気接続部分が埋設されている電気を用いたコンクリート補修工法における鉄筋コンクリート構造体内鉄筋に対するリード線電気接続構造。
本発明の第2の特徴は、前記第1の特徴に加え、アンカー部材は頭部を有するタッピングネジ又はボルトからなるネジ部材であり、該ネジ部材のネジ山部分が前記鉄筋に接触されていることにある。
本発明の第3の特徴は前記第2の特徴に加え、ネジ部材は前記鉄筋より硬度の高い材料からなるタッピングネジであり該タッピングネジのネジ山が前記鉄筋の表面に食い込んだ状態で電気接続がなされていることにある。
本発明の第4の特徴は、前記第1の特徴に加え、前記アンカー部材は、先端部分に拡開片部を有するスリーブと、該スリーブ内に嵌合された心棒とを有し、前記スリーブ内への心棒の圧入によって拡開片部が拡開されているあと施工アンカーであり、前記拡開片部の外面が前記鉄筋に接触されていることにある。
ことにある。
本発明の第5の特徴は鉄筋コンクリート構造体における鉄筋埋設位置の表面に、所望深さのアンカー部材頭部埋設孔を穿孔し、該アンカー部材頭部埋設孔の底部より前記鉄筋コンクリート構造体内の鉄筋の側部にアンカー部材挿入孔を穿孔し、該アンカー部材挿入孔に頭部付のアンカー部材を挿入してその外面を前記鉄筋に接触させるとともに該アンカー部材の頭部とリード線とを電気接続させ、しかる後前記アンカー部材頭部埋設孔に充填材を充填する電気を用いたコンクリート補修工法における鉄筋コンクリート構造体内鉄筋に対するリード線電気接続方法にある。
本発明の第6の特徴は前記第5の特徴に加え、アンカー部材として頭部を有するタッピングネジ又はボルトからなるネジ部材を使用し、該ネジ部材を前記アンカー部材挿入孔にねじ込むことにより、該ネジ部材の外面のネジ山部分を前記鉄筋に接触させることにある。
本発明の第7の特徴は前記第5の特徴に加え、前記アンカー部材として、先端部分に拡開片部を有するスリーブと、該スリーブ内に嵌合された心棒とを有し、前記スリーブ内への心棒の圧入によって拡開片部が拡開されているあと施工アンカーを使用し、前記アンカー部材挿入孔内に前記スリーブを挿入した後、該心棒を前記拡開片部内に圧入させることにより該拡開片部を半径方向に開き、前記鉄筋に圧接させることにある。
本発明に係る電気を用いたコンクリート補修工法における鉄筋コンクリート構造体内鉄筋に対するリード線電気接続構造においては、前記第1の特徴のように、鉄筋コンクリート構造体の鉄筋埋設位置の表面に、所望深さに穿設されたアンカー部材頭部埋設孔と、該アンカー部材頭部埋設孔の底部より前記鉄筋コンクリート構造体の鉄筋の外面に対して接線方向に向き、且つ外面が前記鉄筋に接触されている導電材料からなるアンカー部材と、該アンカー部材の頭部に電気接続され、前記アンカー頭部埋設孔外に導出されているリード線と、前記アンカー頭部埋設孔に充填された充填材とを備え、前記充填材内に前記リード線とアンカー部材の頭部との電気接続部分が埋設されている構造であるため、アンカー部材頭部埋設孔の形成は電動ドリルなどの簡易な工具を使用した穿孔作業によって容易に形成することができ、またアンカー部材を鉄筋に対して接触させる作業も、コンクリート構造体にアンカー挿入孔をドリル等の簡易な工具によって穿設し、その中に挿入する簡易な作業により鉄筋を大きく露出させることなくなされ、アンカー部材に接続させたリード線の先端部分は、充填材によって鉄筋コンクリート構造体表面内部に埋設されているため、耐久性に富んだ構造となる。
本発明は前記第2の特徴のように、アンカー部材は頭部を有するタッピングネジ又はボルトからなるネジ部材であり、該ネジ部材のネジ山部分が前記鉄筋に接触されている構造であることにより、コンクリート構造体にアンカー挿入孔をドリル等の簡易な工具によって穿設し、その中にねじ込むことによって、アンカー部材と鉄筋との電気接続がなされ、簡易な作業で安定した導通状態が得られる。
本発明は前記第3の特徴のように、ネジ部材は前記鉄筋より硬度の高い材料からなるタッピングネジであり該タッピングネジのネジ山が前記鉄筋の表面に食い込んだ状態で電気接続がなされていることにより、鉄筋に対する電気接続状態がより安定したものとなる。
本発明は前記第4の特徴のように、前記アンカー部材は、先端部分に拡開片部を有するスリーブと、該スリーブ内に嵌合され該スリーブに対して軸方向に相対移動されることによって前記拡開片部を押し広げる心棒とから構成され、前記スリーブ内への前記心棒の嵌合によって拡開片部が拡開されているあと施工アンカーであり、前記拡開片部の外面が前記鉄筋に接触されている構造であるため、アンカー部材と鉄筋との安定した電気接続状態が得られるとともにアンカー部材の抜け止めの安定性が向上し、耐久性に富んだものとなる。
本発明の電気を用いたコンクリート補修工法における鉄筋コンクリート構造体内鉄筋に対するリード線電気接続方法は、前記第5の特徴のように、鉄筋コンクリート構造体における鉄筋埋設位置の表面に、所望深さのアンカー部材頭部埋設孔を穿孔し、該アンカー部材頭部埋設孔の底部より前記鉄筋コンクリート構造体内の鉄筋の側部にアンカー部材挿入孔を穿孔し、該アンカー部材挿入孔に頭部付のアンカー部材を挿入してその外面を前記鉄筋に接触させるとともに該アンカー部材の頭部とリード線とを電気接続させ、しかる後前記アンカー部材頭部埋設孔に充填材を充填するであるため、アンカー部材頭部埋設孔の穿孔を電動ドリルなどの簡易な工具を使用して容易に施工することができる。
また、コンクリート構造体に対するアンカー挿入孔の穿設は、ドリル等の簡易な工具によって施工でき、その中にアンカー部材を挿入して定着させる簡易な作業により施工できる。
更に、鉄筋に対するリード線接続に溶接を使用しないため、鉄筋の耐久性を損なうことがなく、また、鉄筋コンクリート構造体表面の穿孔は、従来の斫によって鉄筋を露出させる方法に比べ、鉄筋コンクリート構造体の損傷を小さくできるため、1の鉄筋コンクリート構造体に対して多数のリード線接続部分を設置することが可能となる。
本発明は前記第6の特徴のように、アンカー部材として頭部を有するタッピングネジ又はボルトからなるネジ部材を使用し、該ネジ部材を前記アンカー部材挿入孔にねじ込むことにより、該ネジ部材の外面のネジ山部分を前記鉄筋に接触させるようにしたことにより、1本のネジ又はボルトからなるネジ部材をアンカー部材挿入孔にねじ込む作業によって容易に鉄筋に対して導通させることが可能となり、少ない作業によって容易に施工できる。
本発明は前記第7の特徴のように、前記アンカー部材として、先端部分に拡開片部を有するスリーブと、該スリーブ内に嵌合された心棒とを有し、前記スリーブ内への心棒の圧入によって拡開片部が拡開されているあと施工アンカーを使用し、前記アンカー部材挿入孔内に前記スリーブを挿入した後、該心棒を前記拡開片部内に圧入させることにより該拡開片部を半径方向に開き、前記鉄筋に圧接させるようにしたことによりアンカー部材の鉄筋に対する電気接続性能が向上し、且つアンカー部材の引き抜き抵抗が大きく、耐久性が高い。
本発明に係る鉄筋コンクリート構造体内鉄筋に対するリード線電気接続構造の第一実施例を示す断面図である。 (a)(b)は、図1に示す第一実施例の鉄筋コンクリート構造体内鉄筋に対するリード線電気接続方法の工程を示す説明図である。 本発明に係る鉄筋コンクリート構造体内鉄筋に対するリード線電気接続構造の第二実施例を示す断面図である。 (a)(b)は、図1に示す第一実施例の鉄筋コンクリート構造体内鉄筋に対するリード線電気接続方法の工程を示す説明図である。 従来の鉄筋に対するリード線接続構造の一例を示す縦断面図である。
次に、本発明に係る電気を用いたコンクリート補修工法における鉄筋コンクリート構造体内鉄筋に対するリード線電気接続構造の実施態様を図に示した実施例に基づいて説明する。
図1、図2は第一実施例を示している。この例ではアンカー部材として頭部を有するタッピングネジからなるネジ部材を使用している。図において符号1は鉄筋コンクリート構造体であり、2は鉄筋コンクリート構造体1内の底面近くに存在している鉄筋である。鉄筋2には、その外周面に導電性の金属材料からなるアンカー部材であるタッピングネジ3の側面が接触されている。
タッピングネジ3は、図2(a)に示すように鉄筋コンクリート構造体1内に埋設されている鉄筋2の外周面を内面に露出させたアンカー部材挿入孔5にねじ込むことによって鉄筋2に接触されている。
この例では、タッピングネジ3の材料として鉄筋2より硬度の高いものを使用するとともに、アンカー部材挿入孔5をタッピングネジ3の直径よりそのネジ山の高さ分だけ小さいものとし、タッピングネジ3のネジ山3aを強制的にアンカー部材挿入孔5の内周面に食い込ませてねじ込むことにより、該タッピングネジ3のネジ山3aを鉄筋2の外周に食い込ませ、これによって鉄筋に対してタッピングネジ3を電気接続させている。
尚、図には示してないがタッピングネジ3の材料を鉄筋2より硬度の低いものを使用し、そのネジ込みによってネジ山3aが鉄筋2に接触して潰された状態となって電気接続されるようにしてもよい。
アンカー部材挿入孔5は、鉄筋コンクリート構造体1の外面(本例では底面)に開けられたアンカー部材頭部埋設孔4の底面4aに開口されており、この底面4aとタッピングネジ3の頭部3bとの間に端子金具6を介在させ、タッピングネジ3のネジ込みによって、端子金具6とタッピングネジ3の頭部3bとを圧接させている。
端子金具6は、円形リング状の端子部6aを有し、その外周に突設したリード線接続部6bに被覆電線からなるリード線7が固着されている。
アンカー部材頭部埋設孔4内には、前述したタッピングネジ3の頭部3b、端子金具6及びリード線7の先端を埋め込む様にモルタル等の充填材8によって埋められている。
リード線7の他端側は、鉄筋コンクリート構造体1の表面に沿わせて配線し、外部電源方式の電気防食法では、該鉄筋コンクリート構造体1に埋設した陽極材10に接続させ、流電陽極方式の電気防食法では、外部電源に接続させる。
アンカー部材を構成するネジ部材としては、前述したタッピングネジ3の他、図 に示すように傘型等の頭部10bを有し軸部の外周にネジ山10aが形成されたボルトであってもよい。
次に上述したアンカー部材としてタッピングネジ3をする場合の実施例の施工方法について説明する。
まず鉄筋コンクリート構造体1内の鉄筋2の位置を、コンクリート内部探査レーダを使用して探索する。次いで、アンカー部材頭部埋設孔4を穿孔する位置を決定し、図2(a)に示すようにアンカー部材頭部埋設孔4を穿孔する。この穿孔はコンクリート用のドリルを使用する。またその深さはアンカー部材頭部埋設孔4の底部4aが鉄筋2に到達しない深さとすることが好ましい。
次いで、アンカー部材頭部埋設孔4の底部4aにアンカー部材挿入孔5を穿孔する。この穿孔もコンクリート用のドリルを使用する。
次いで、図2(b)に示すようにタッピングネジ3にリード線7を接続した端子金具6の端子部6aを嵌め合わせた後、アンカー部材挿入孔5内にドライバーを使用してねじ込み、図1に示すようにタッピングネジ3のネジ山3aを鉄筋2の側面に食い込ませるか、或いはタッピングネジのネジ山3aを鉄筋に食い込ませて押し付けて潰すことによって電気接続させるとともに、頭部3bとアンカー部材頭部埋設孔4の底部との間に端子部6aを挟み込んで、リード線7とタッピングネジ3とを電気接続させる。しかる後、アンカー部材頭部埋設孔4内に無収縮性モルタル等からなる充填材8を詰めてこれを埋める。
図3〜図4は第二実施例を示しており、アンカー部材として、既設のコンクリート構造物に対して設置するあと施工アンカー14を使用している。尚、前述した実施例と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
あと施工アンカー14を使用している。このあと施工アンカー14は、中空筒状のスリーブ15と、その中に挿入される心棒16とを有しており、スリーブ15の先端部分に半径方向に向けた複数のスリットを形成することによりそのスリット間を拡開片部17とし、その拡開片部17の内面を先細りのテーパ孔状になるに開き動作用テーパ面18が内面側に盛り上げた状態に形成されている。また、スリーブの他端側外周にはネジ20が刻設され、これにワッシャ18が嵌められ、その後端側にナット21が装着螺嵌されている。
心棒16は、開き動作用テーパ面18によって構成されるテーパ孔のもっと広口側よりやや小径で、前記テーパ孔の最も細い部分より大径に形成されている。
このあと施工アンカー14のスリーブ15をアンカー部材挿入孔5内に挿入した状態で、心棒16を拡開片部17内のテーパ孔内に打ち込むことにより、拡開片部16がスリーブ半径方向に湾曲され、その外周面が鉄筋2に圧接され、これによって鉄筋2とスリーブ15とが導通されている。
スリーブ15の後端のネジ20部分にリード線7の端子金具6を嵌め合わせ、その外側からネジ20にナット21螺合して締め付けることにより、端子金具6をワッシャ18とナット20との間に挟み込ませてスリーブ15とリード線7とを導通させている。
上述した心棒打ち込み式のあと施工アンカー14を使用した場合の施工は、第一実施例と同様にアンカー部材頭部埋設孔4及びアンカー部材挿入孔5を穿設した後、スリーブ15をアンカー部材挿入孔5に挿入する。この時スリーブ15は、その先端がアンカー部材挿入孔5の底面に接触した状態で、拡開片部17が鉄筋2の側面に位置する長さとする。
次いで心棒16を拡開片部17で囲まれた状態に形成されているテーパ孔内にハンマー等の手動工具を使用して打ち込み、拡開片部17をスリーブ拡開方向に湾曲させる。これによってその外側面を鉄筋2に圧接させる。さらにナット20を締め付けてスリーブ15を引き抜き方向に動作させることによって拡開片部17がアンカー部材挿入孔5内面に食い込むとともに鉄筋2との接触圧が高まる。
前述したスリーブ15とリード線7との接続は、スリーブ15をアンカー部材挿入孔5に挿入する前に行っておいてもよく、前述した心棒16の打ち込みによるアンカー部材の定着作業の後に行ってもよい。
次いで第一実施例と同様にアンカー部材頭部埋設孔4に充填材を充填してスリーブ15の頭部とリード線との接続部分をその中に埋め込む。
尚、上述した例では、あと施工アンカーとして心棒打ち込み式のものを使用しているが、この他、一般に使用されているスリーブを打ち込み操作することによって拡開片部が拡開方向に湾曲されるスリーブ打ち込み式、先端の太径部をスリーブの先端外に突出させておき、これをナットの操作によって拡開片部内に引き込む方式等、拡開片部を有する各種のあと施工アンカーが使用できる。
1 鉄筋コンクリート構造体
2 鉄筋
3 タッピングネジ
3a ネジ山
3b 頭部
4 アンカー部材頭部埋設孔
4a 底面
5 アンカー部材挿入孔
6 端子金具
6a 端子部
6b リード線接続部
7 リード線
8 充填材
10 陽極材
14 あと施工アンカー
15 スリーブ
16 心棒
17 拡開片部
18 開き動作用テーパ面
19 ワッシャ
20 ネジ
21 ナット

Claims (7)

  1. 鉄筋コンクリート構造体の鉄筋埋設位置の表面に、所望深さに穿設されたアンカー部材頭部埋設孔と、該アンカー部材頭部埋設孔の底部より前記鉄筋コンクリート構造体の鉄筋の外面に対して接線方向に向き、且つ外面が前記鉄筋に接触されている導電材料からなるアンカー部材と、該アンカー部材の頭部に電気接続され、前記アンカー頭部埋設孔外に導出されているリード線と、前記アンカー頭部埋設孔に充填された充填材とを備え、前記充填材内に前記リード線とアンカー部材の頭部との電気接続部分が埋設されている電気を用いたコンクリート補修工法における鉄筋コンクリート構造体内鉄筋に対するリード線電気接続構造。
  2. 前記アンカー部材は頭部を有するタッピングネジ又はボルトからなるネジ部材であり、該ネジ部材のネジ山部分が前記鉄筋に接触されている請求項1に記載の電気を用いたコンクリート補修工法における鉄筋コンクリート構造体内鉄筋に対するリード線電気接続構造。
  3. 前記ネジ部材は前記鉄筋より硬度の高い材料からなるタッピングネジであり該タッピングネジのネジ山が前記鉄筋の表面に食い込んだ状態で電気接続がなされている請求項2に記載の電気を用いたコンクリート補修工法における鉄筋コンクリート構造体内鉄筋に対するリード線電気接続構造。
  4. 前記アンカー部材は、先端部分に拡開片部を有するスリーブと、該スリーブ内に嵌合された心棒とを有し、前記スリーブ内への心棒の圧入によって拡開片部が拡開されているあと施工アンカーであり、前記拡開片部の外面が前記鉄筋に接触されている請求項1に記載の電気を用いたコンクリート補修工法における鉄筋コンクリート構造体内鉄筋に対するリード線電気接続構造。
  5. 鉄筋コンクリート構造体における鉄筋埋設位置の表面に、所望深さのアンカー部材頭部埋設孔を穿孔し、該アンカー部材頭部埋設孔の底部より前記鉄筋コンクリート構造体内の鉄筋の側部にアンカー部材挿入孔を穿孔し、該アンカー部材挿入孔に頭部付のアンカー部材を挿入してその外面を前記鉄筋に接触させるとともに該アンカー部材の頭部とリード線とを電気接続させ、しかる後前記アンカー部材頭部埋設孔に充填材を充填する電気を用いた電気を用いたコンクリート補修工法における鉄筋コンクリート構造体内鉄筋に対するリード線電気接続方法。
  6. 前記アンカー部材として頭部を有するタッピングネジ又はボルトからなるネジ部材を使用し、該ネジ部材を前記アンカー部材挿入孔にねじ込むことにより、該ネジ部材の外面のネジ山部分を前記鉄筋に接触させる請求項5に記載の電気を用いたコンクリート補修工法における鉄筋コンクリート構造体内鉄筋に対するリード線電気接続方法。
  7. 前記アンカー部材として、先端部分に拡開片部を有するスリーブと、該スリーブ内に嵌合され該スリーブに対して軸方向に相対移動されることによって前記拡開片部を押し広げる心棒とから構成されるあと施工アンカーを使用し、前記アンカー部材挿入孔内に前記スリーブを挿入した後、該心棒を前記拡開片部内に圧入させることにより該拡開片部を半径方向に開き、前記鉄筋に圧接させる請求項5に記載の電気を用いたコンクリート補修工法における鉄筋コンクリート構造体内鉄筋に対するリード線電気接続方法。
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