JP2017171321A - 充填方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 内容物を充填する過程における水分の侵入を防ぐことができ、さらには充填後の容器内への水分の侵入も確実に防止することが可能な充填方法を提供する。【解決手段】 樹脂成形体からなる容器の外周面に無機粒子を含む水蒸気バリア組成物を塗布して塗膜を形成する工程と、塗膜を形成した後、容器内に内容物を充填する工程と、内容物を充填した容器を密閉して乾燥させ、容器内に残存する水分を外部に透過させる工程と、塗膜を熱処理して水蒸気バリア層とする工程とを有する。容器に内容物を充填した後、凍結乾燥を行い、その後、容器を密閉して乾燥を行ってもよい。無機粒子は、無機層状化合物である。【選択図】 図1
Description
本発明は、薬剤等の内容物を容器内へ充填する充填方法に関するものであり、水分の侵入による内容物の劣化を確実に防止することが可能な新規な充填方法に関する。
例えば各種薬剤が充填される医療用の容器として、プラスチックをブロー成形したブロー成形ボトルやブロー成形バッグ等が用いられている。ブロー成形によれば効率的に容器を製造することが可能であり、近年では、バイアルと称される医療用の容器もブロー成形技術により製造されるようになってきている。
ただし、前記医療用の容器においては、耐薬剤性や酸素透過防止能等、一般の容器に比べて性能に関する要求が厳しく、特に前記バイアルでは、前記性能と併せて水蒸気バリア性や機械的強度等も要求される。そこで、これら要求に応えるべく、いわゆる多層バイアルも提案されており、各層に使用するプラスチック材料や層構成等について、様々な検討がなされている。
例えば、材質について言えば、吸着性の観点等から、ポリプロピレン等に代わり環状ポリオレフィン系樹脂を用いることが検討されている(特許文献1等参照)。特許文献1には、環状オレフィン系化合物又は架橋多環式炭化水素系化合物を重合体成分とする樹脂を含有する材料からなる衛生品用容器(医薬品、食品その他の衛生品を保存するための容器)が開示されており、内容物の品質を長期にわたり安定して保持し、各種の公定書に規定する試験に合格できる非常に衛生性の高い容器を提供することができるとしている。
ところで、容器に充填される内容物の種類によっては、水分の侵入が厳しく制限される場合があり、この場合、内容物を予め十分乾燥させておく必要があるとともに、容器の水蒸気バリア性をより一層向上させる必要がある。容器の水蒸気バリア性を向上させるためには、例えばケイ素酸化物(シリカ)やアルミニウム酸化物(アルミナ)等の無機材料を真空蒸着法によりコーティングする方法が有効であることが知られているが、大掛かりな設備が必要であり、また工程も煩雑であることから、製造コストの上昇を招くことになる。
また、仮に真空蒸着により容器に十分な水蒸気バリア性を付与したとしても、乾燥した内容物を容器に充填する過程等において、水分が侵入してしまう可能性もある。さらに、充填された内容物に水分が含まれていた場合、真空蒸着による水蒸気バリア性が妨げとなって、容器内から水分を追い出すことは難しくなる。
本発明は、前述の従来の実情に鑑みて提案されたものであり、内容物を充填する過程において、水分の侵入を防ぐことができるとともに、容器内に入り込んだ水分を排除することも可能で、さらには充填後の水分の侵入も確実に防止することが可能な充填方法を提供することを目的とする。
前述の目的を達成するために、本発明の充填方法は、樹脂成形体からなる容器の外周面に無機粒子を含む水蒸気バリア組成物を塗布して塗膜を形成する工程と、塗膜を形成した後、容器内に内容物を充填する工程と、内容物を充填した容器を密閉して乾燥させ、容器内に残存する水分を外部に透過させる工程と、前記塗膜を熱処理して水蒸気バリア層とする工程とを有することを特徴とするものである。
水蒸気バリア組成物の塗膜は、熱処理前の状態では水蒸気バリア機能を発揮しない。したがって、塗膜を形成した後、容器内に内容物を充填し、容器を密閉して乾燥させると、容器内の水分は、容器や塗膜を透過して、速やかに外部に排出される。その後、水蒸気バリア組成物の塗膜を熱処理して硬化させれば、水蒸気バリア機能が発揮され、充填後の保存時等において、外部の水分が容器内に侵入することはない。
ここで、容器内に内容物を充填し、密閉・乾燥により容器内の水分を追い出した後に水蒸気バリア組成物の塗膜を形成することも考えられ。しかしながら、この場合には、水蒸気バリア組成物に含まれる水分が逆に容器内に侵入してしまう可能性がある。また、内容物が薬剤や食品等の場合、充填後に有機溶剤等を含む水蒸気バリア組成物で容器を処理することは、好ましいものではない。
本発明によれば、内容物を充填する過程における水分の侵入を防ぐことができ、さらには充填後の容器内への水分の侵入も確実に防止することが可能である。
以下、本発明を適用した充填方法の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
先ず、本発明の実施形態においては、図1(A)に示すように、樹脂成形体からなる容器1を準備する。容器1を構成する樹脂材料は任意であり、内容物に応じて適宜選定することができる。
薬剤用の容器1の場合、多層構成とすることも可能であり、例えば内層、バリア層、外層の3層が積層された構成とし、各層間に接着のための接着層を設けることで、全部で5層構成とすることも可能である。
このような多層構成とする場合、各層の材質は任意であるが、例えば、前記積層構造において、内5と外層については、環状ポリオレフィン系樹脂により形成することが好ましい。環状ポリオレフィン系樹脂は薬剤吸着性が低く、内層に環状ポリオレフィン系樹脂を用いることで、容器1内に充填される薬剤の吸着を最小限に抑えることができる。また、環状ポリオレフィン系樹脂は透明性が高いので、これを内層と外層に用いることで、容器1全体の透明性を確保することもできる。
これら内層や外層に用いられる環状ポリオレフィン系樹脂は、環内にエチレン性二重結合を有する重合性の環状オレフィンを少なくとも重合成分とする樹脂であり、重合成分である環状オレフィンは、単環式オレフィンであってもよく、多環式オレフィンであってもよい。
前記環状オレフィンとしては、公知のものがいずれも使用可能であるが、代表的なものとしては、ノルボルネン類、シクロペンタジエン類、ジシクロペンタジエン類、さらにはノルボルネン類とシクロペンタジエンとの縮合により得られる多環式オレフィン等を例示することができる。
また、前記環状ポリオレフィン系樹脂は、1種類の環状オレフィンの単独重合体であってもよいし、種類の異なる環状ポリオレフィンの共重合体(例えば、単環式オレフィンと多環式オレフィンとの共重合体等)であってもよい。あるいは、環状オレフィンと他の共重合性単量体との共重合体であってもよい。この場合、他の共重合性単量体としては、例えば、エチレンやプロピレン等の鎖状オレフィン、(メタ)アクリル系単量体、不飽和ジカルボン酸又はその誘導体、重合性ニトリル化合物、ビニルエステル類、共役ジエン類等を挙げることができる。
ただし、内層の環状ポリオレフィン系樹脂に関して言えば、薬剤低吸着性の観点から、1種類の環状オレフィンの単独重合体や、種類の異なる環状ポリオレフィンの共重合体のような、環状ポリオレフィンのみからなるホモポリマーであることが好ましい。環状ポリオレフィンのホモポリマーは、他の共重合性単量体との共重合体に比べて薬剤の吸着性が低い。また、良好な耐衝撃性を備える上でも好ましい。
一方、前記バリア層は、高いガスバリア性を有する樹脂で形成される。ガスバリア性樹脂としては、例えばエチレン− ビニルアルコール共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、飽和ポリエステル樹脂等が挙げられるが、中でも、エチレン− ビニルアルコール共重合体樹脂を用いることが好ましい。エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂は、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物からなるものであり、公知のものがいずれも使用可能である。エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂において、好ましくは、エチレン含有量が20〜70モル%、酢酸ビニルのけん化度が95モル%以上であり、より好ましくは、エチレン含有量が25〜50モル%、酢酸ビニルのけん化度が98モル%以上である。 けん化度が低いとガスバリア性が低下するおそれがある。
前記のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂は、前記エチレン等と共重合し得る第3のモノマー成分を含んでもよい。共重合し得る第3のモノマー成分としては、プロピレン等のα−オレフィン、アクリル酸、メタクリル酸等の不飽和酸が挙げられる。これらの共重合モノマーの割合は、5モル%以下であることが好ましい。
前記内層とバリア層、あるいは前記ガスバリア層と外層の接着に用いる接着剤(すなわち接着層を構成する接着剤)であるが、この接着剤には、無水マレイン酸変性ポリプロピレンを主成分とする接着剤を用いることが好ましい。無水マレイン酸変性ポリプロピレンは、オレフィン系材料に対しても良好な接着力を発揮するのみならず、透明性にも優れている。例えば、無水マレイン酸変性ポリプロピレンにスチレン系エラストマーを添加し、これを接着剤として用いる。スチレン系エラストマーを添加すると、融点が高くなり、蒸気滅菌を施しても接着層が白濁することはない。また、スチレン系エラストマーが衝撃吸収の役割を果たし、大きな衝撃が加わっても界面剥離が生ずることはない。
添加するスチレン系エラストマーは、熱可塑性のあるスチレン末端ブロックと弾性のある中間ブロックにより構成されるもので、スチレン系モノマーとエラストマー成分との共重合体により構成されている。ここで、スチレン系モノマーとしては、スチレンやα−メチルスチレン等を挙げることができ、エラストマー成分としては、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、1,3−ペンタジエン等を挙げることができる。スチレン系エラストマーの具体例としては、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン−ブタジエン共重合体等を挙げることができる。また。用いるスチレン系エラストマーは、無水マレイン酸変性したものであってもよい。
次に、図1(B)に示すように、容器1の外周面に水蒸気バリア組成物を塗布し、その塗膜2を形成する。
水蒸気バリア組成物は、無機粒子及び樹脂を含有するものであり、熱処理により例えば熱硬化性樹脂が接触して硬化すると、無機粒子が規則的に並ぶことで気体が透過し難くなり、いわゆる迷路効果により水蒸気バリア性を発揮するものである。
したがって、無機粒子は、いわゆる無機層状化合物であることが好ましい。無機層状化合物は、単位結晶層が互いに積み重なって層状構造を形成しているものであり、具体例としては、グラファイト、リン酸塩系誘導体型化合物(リン酸ジルコニウム系化合物等)、カルコゲン化物、ハイドロタルサイト類化合物、リチウムアルミニウム複合水酸化物、粘土系鉱物等を挙げることができる。粘土系鉱物としては、カオリナイト等のカオリナイト−蛇紋石族の粘土鉱物、タルク等のタルク−パイロフィライト族の粘土鉱物、モンモリロナイト等のスメクタイト族の粘土鉱物、バーミキュライト族の粘土鉱物、テトラシリリックマイカ等のマイカ族の粘土鉱物、ザンソフィライト等の脆雲母族の粘土鉱物、クリノクロア等の緑泥石族の粘土鉱物等である。
樹脂としては、例えばポリビニルアルコール(PVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、多糖類、ポリアクリル酸およびそのエステル類、ポリメタアクリル酸およびそのエステル類、アミド樹脂、イミド樹脂、エステル樹脂、一分子中に2種類以上の官能基を有する樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
前記水蒸気バリア組成物としては市販のものが使用可能であり、例えば住友化学社製、商品名EXCEVIER NOH1200、商品名EXCEVIER NOH2200等を挙げることができる。
水蒸気バリア組成物を容器1の外周面に塗布して形成した塗膜2は、乾燥することにより含まれる水分や有機溶剤等をできる限り揮散させておく。乾燥に際しては、若干の加熱を行ってもよいが、加熱温度は、塗膜2が水蒸気バリア機能を発揮しない程度の温度とする必要がある。具体的には、例えば80℃以下である。この段階では、水蒸気バリア組成物の塗膜2を硬化させず、水蒸気を透過し得る状態としておく。
なお、水蒸気バリア組成物の塗膜2を形成する際には、容器1の表面に予めアンカーコート層を形成しておき、この上に塗膜2を形成するようにしてもよい。アンカーコート層は、エチレンイミン系、2液硬化型ウレタン系のアンカーコート剤等を用いて形成することができる。アンカーコート層にも市販の材料を使用することができ、例示するならば、互応化学工業社製、商品名Z−687(水系)、互応化学工業社製、商品名GX926(水系)、東洋モートン社製、商品名EL−510−1(有機溶剤系)等を挙げることができる。
次いで、図1(C)に示すように、容器1内に内容物3を充填する。充填する内容物3も任意であるが、例えば薬剤の他、コーヒー豆等のように水分を嫌うものである場合に、本発明の効果が高い。
内容物3は、容器1へ充填する前に十分乾燥しておくことが好ましいが、この段階では乾燥が不十分であっても構わない。例えば内容物3の水分量が2%程度であっても構わない。
また、例えば容器1に収容した後に、凍結乾燥等により乾燥することも可能である。凍結乾燥は、環境を低圧、低温状態とすることで、内容物3に含まれる水分の沸点を低下させ、乾燥を行う方法である。
通常、凍結乾燥を行う場合には、半打栓(キャップを開放した)状態で水分を抜き、真空を戻す際に窒素充填とともに打栓することが多い。この時、水蒸気バリア性のない容器を用いると、乾燥した内容物が再度吸湿してしまい、変質や劣化を引き起こす。本実施形態のように、容器1に水蒸気バリア組成物の塗膜2を形成しておき、凍結乾燥後に水蒸気バリア機能を発揮するようにしておけば、凍結乾燥後に外部から水分が侵入することはなく、内容物の変質や劣化等を確実に防止することができる。
また、凍結乾燥の際には、完全に乾燥させることが必要であり、一部でも乾燥が不十分であると、全てが無駄になる。したがって、凍結乾燥による乾燥では、過剰に乾燥させるのが一般的であり、時間ロスやエネルギーロスに繋がる。通常の水蒸気バリアコーティングを施した場合でも、真空乾燥、窒素置換、打栓という工程は変わらないので、乾燥が不十分という状態は許されず、完全に乾燥するまで時間をかける必要がある。これに対して、本実施形態の充填方法では、凍結乾燥が終わった時点で未だ塗膜2が水蒸気バリア性を有していないので、再度加熱乾燥させることで、容器1内から水分を追い出すことが可能である。したがって、凍結乾燥時間を短時間にしても、十分な乾燥状態を実現することができ、乾燥時間の短縮や使用エネルギーの削減を図ることが可能である。
容器1内に内容物3を充填(収容)した後、図1(D)に示すように、容器1の口部に蓋4を装着し、密閉する。そして、その状態で加熱乾燥を行う。この加熱乾燥の温度も、水蒸気バリア組成物が硬化しない程度の温度とし、塗膜2がこの段階では水蒸気バリア機能を発揮しないようにする。すると、容器1内の内圧が上昇し、内容物3に僅かに残存していた水分(H2O)が蒸発するとともに、容器1や塗膜2を透過して外部へと揮散される。その結果、容器1内の内容物3は、十分に乾燥された状態となる。
このようにして容器1内の水分を完全に追い出した後、図1(E)に示すように、塗膜2に対して熱処理を行う。熱処理は、水蒸気バリア組成物が硬化し、塗膜2が水蒸気バリア機能を発揮し得る温度で行い、これにより、図1(F)に示すように、塗膜2は水蒸気バリア層5に変換される。熱処理の具体的温度としては、80℃〜120℃である。
熱処理後の水蒸気バリア層5は、水蒸気バリア組成物に含まれる無機層状化合物が規則的に配列し、いわゆる迷路効果により高度なガスバリア性が付与される。したがって、水蒸気も確実に遮断され、容器1内に水分が侵入することはない。
以上が容器1への内容物3の充填方法であるが、本発明者は、水蒸気バリア組成物の塗膜や硬化後の水蒸気バリア層5の水蒸気透過量を実際に計測することにより、本発明の有効性を確かめた。
実験は、容量20mLの容器内に純水20mLを注入し、温度40℃、湿度成り行きで2週間放置して1日当たりの水蒸気蒸発量を測定した。具体的には、容器内の純水の減少量を内表面積(0.0054m2)で除して、単位面積当たりの水分蒸発量を算出した。結果は、下記の通りである。
(1)水蒸気バリア組成物のコーティングなし 0.086g/m2/day
(2)水蒸気バリア組成物のコーティングのみ 0.093g/m2/day
(3)水蒸気バリア組成物のコーティング+80℃乾燥(2時間) 0.090g/m2/day
(4)水蒸気バリア組成物のコーティング+100℃乾燥(2時間) 0.032g/m2/day
(5)水蒸気バリア組成物のコーティング+120℃乾燥(2時間) 0.037g/m2/day
(2)水蒸気バリア組成物のコーティングのみ 0.093g/m2/day
(3)水蒸気バリア組成物のコーティング+80℃乾燥(2時間) 0.090g/m2/day
(4)水蒸気バリア組成物のコーティング+100℃乾燥(2時間) 0.032g/m2/day
(5)水蒸気バリア組成物のコーティング+120℃乾燥(2時間) 0.037g/m2/day
(2)の水蒸気コーティングのみの場合、(1)のコーティングなしの場合に比べて水蒸気蒸発量が増えているが、これはコーティング液に含まれる水分を計測されたためと考えられる。いずれにしても、80℃以下の乾燥温度では、水蒸気蒸発量がコーティングなしの場合と変わらず、コーティングが水蒸気バリア性を発揮していないと考えられる。これに対して、乾燥温度を100℃以上とすることで、水蒸気蒸発量が著しく少なくなっており、水蒸気バリア性が発揮されていると考えられる。
実験からも明らかなように、本発明の充填方法によれば、内容物3を容器1内に入れた状態で、内容物3に含まれる水分を容器1外へ追い出すことができ、また、保存時には水蒸気バリア層5の働きにより、外部から容器1内への水分の侵入を防止することができるすなわち、。内容物3を充填する過程において、水分の侵入を防ぐことができるとともに、容器1内に入り込んだ水分を排除することも可能で、さらには充填後の容器1内への水分の侵入も確実に防止することが可能である。
以上、本発明を適用した実施形態についてを説明してきたが、本発明が前述の実施形態に限られるものでないことは言うまでもなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、多様な変更または改良を加えることが可能である。
例えば、内容物3を容器1に充填する前に、熱を伴わない放射線滅菌等の工程を入れてもよい。また、実施形態として、次のような使用形態も可能である。すなわち、例えば容器メーカーが樹脂成形により容器を成形し、水蒸気バリア組成物をコーティングし、常温で乾燥した状態で顧客に納入する。これを納入先の例えば薬品メーカーが、洗浄し、低温で乾燥して薬剤を充填する。この状態で凍結乾燥し、密閉後、ドライ環境で過熱乾燥し、熱処理を行って水蒸気バリア性を発現させ、商品として出荷する。
1 容器
2 塗膜
3 内容物
4 蓋
5 水蒸気バリア層
2 塗膜
3 内容物
4 蓋
5 水蒸気バリア層
Claims (3)
- 樹脂成形体からなる容器の外周面に無機粒子を含む水蒸気バリア組成物を塗布して塗膜を形成する工程と、
塗膜を形成した後、容器内に内容物を充填する工程と、
内容物を充填した容器を密閉して乾燥させ、容器内に残存する水分を外部に透過させる工程と、
前記塗膜を熱処理して水蒸気バリア層とする工程と
を有することを特徴とする充填方法。 - 容器に内容物を充填した後、凍結乾燥を行い、その後、容器を密閉して乾燥を行うことを特徴とする請求項1記載の充填方法。
- 前記無機粒子は、無機層状化合物であることを特徴とする請求項1または2記載の充填方法。
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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2016
- 2016-03-22 JP JP2016057006A patent/JP2017171321A/ja active Pending
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2017
- 2017-03-22 WO PCT/JP2017/011501 patent/WO2017164247A1/ja active Application Filing
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