JP2017171133A - 車両用バンパ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】カラーナットをバンパに接合する際の熱ひずみを抑制することができる車両用バンパ構造を提供すること。
【解決手段】車両用バンパ構造は、車幅方向に延在するバンパビーム21と、バンパビーム21に取り付けられるアイボルト取付用のカラーナット3と、バンパビーム21に固定されたバンパビーム取付プレート22と、を備えている。カラーナット3は、車体前後方向に延在する円筒部本体31と、円筒部本体31の車体前後方向の中央部に設けられた接合フランジ部3cと、円筒部本体31の内壁3bに形成された雌ねじ部3dと、を有している。円筒部本体31の車体前後方向の一方側は、バンパビーム取付プレート22を貫通して前記バンパビーム21に固定している。接合フランジ部3cは、バンパビーム取付プレート22の車体前後方向の他方側表面22bに接合している。
【選択図】図3

Description

本発明は、牽引に使用されるアイボルトが取り付けられるカラーナットを備えた車両用バンパ構造に関する。
従来、車両を牽引する牽引用フック(アイボルト)は、バンパフェイスに形成された挿通孔からバンパ内に挿入させて、バンパ内に設けた取付ボルト(カラーナット)のねじ孔に螺着させることによって取り付けられる(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載のリヤバンパにおける牽引用フックの取付構造は、牽引用フックが螺着される取付ボルトと、バンパビーム内に挿設されて取付ボルトを挿通させるためのカラーと、取付ボルトをリヤフレームに固定するための支持ナットと、を備えている。
しかし、特許文献1に記載の牽引用フックの取付構造は、牽引用フックが螺着される部材が、取付ボルトと、カラーと、支持ナットとで構成されているため、部品点数が増加するという問題点があった。
このような問題点を解消して部品点数を削減したものとしては、例えば、特許文献2に記載された車両牽引装置が知られている。特許文献2に記載の車両用牽引装置は、フック(アイボルト)の雄ねじ部を、ナット部材(カラーナット)の雌ねじ部に螺着させているので、部品点数が少ない。ナット部材は、フランジ部をサイドメンバの蓋体に溶接してサイドメンバに連結されている。そのナット部材は、バンパリインフォースを挿通して雄ネジ部にナットを締結することで、バンパリインフォースに固定されている。
実開平4−39911号 特開2004−338666号公報
特許文献2に記載の車両用牽引装置は、サイドメンバの蓋体にナット部材のフランジ部を溶接していることで、入熱箇所が端部にあって、かつ、ナット部材が前後非対称形状に形成されている。このため、ナット部材は、溶接時に雌ネジ部に熱ひずみが発生して、フックを螺合させ難くなるという問題点があった。
そこで、本発明は、アイボルト取付用のカラーナットをバンパに接合する際の熱ひずみを抑制することができる車両用バンパ構造を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明に係る車両用バンパ構造は、車幅方向に延在するバンパビームと、前記バンパビームに取り付けられるアイボルト取付用のカラーナットと、前記バンパビームに固定されたバンパビーム取付プレートと、を備え、前記カラーナットは、車体前後方向に延在する円筒部本体と、前記円筒部本体の車体前後方向の中央部に設けられた接合フランジ部と、前記円筒部本体の内壁に形成された雌ねじ部と、を有し、前記円筒部本体の車体前後方向の一方側は、前記バンパビーム取付プレートを貫通して前記バンパビームに固定し、前記接合フランジ部は、前記バンパビーム取付プレートの車体前後方向の他方側表面に接合していることを特徴とする。
かかる構成によれば、車両用バンパ構造のアイボルト取付用のカラーナットは、円筒部本体に接合フランジ部と、雌ねじ部と、を有していることで、ナット部材の機能と、カラー部材の機能とを果すため、部品点数を削減することができる。
また、カラーナットは、円筒部本体の車体前後方向の中央部に接合フランジ部を設けているので、接合フランジ部をバンパビーム取付プレートに接合した際に、接合時の熱を車体前後方向に均等に分散させることができるため、熱ひずみが発生するのを抑制することができる。
カラーナットは、接合フランジ部をバンパビーム取付プレートの車体前後方向の他方側表面に接合して固定しているので、衝突時に、溶接部に亀裂ができたとしても、バンパビームの圧潰変形による衝突エネルギー(衝突荷重)の吸収性に影響しないように配置することができる。
例えば、歩行者保護用の衝撃吸収部材を設置したことによって、アイボルトの長さが長くなった場合であっても、円筒部本体の車体前後方向の他方側の長さを長くすることで、牽引時に、アイボルトを比較的小さな力で支えることができる。このため、牽引時に、バンパビーム取付プレートと接合フランジ部との溶接部にかかる力を軽減させることができる。その結果、アイボルトで車両を牽引するときの牽引荷重に対する牽引強度(以下、単に「牽引強度」という)を高くすることも可能である。
また、前記カラーナットは、前記接合フランジを中心とする対称形状に形成されていることが好ましい。
かかる構成によれば、カラーナットが接合フランジを中心とする対称形状に形成されていることで、円筒部本体の接合フランジから車体前後方向の長さが均等に形成されるため、牽引時にアイボルトからカラーナットにかかるこじれを軽減させて、支点の応力の集中を抑制することができる。
また、前記円筒部本体の前記接合フランジ部より車体前後方向の一方側に形成された一方側円筒部は、前記バンパビームに形成された貫通孔に隙間を介して貫通し、前記バンパビームの一方側壁部に接合部材を介して固定されていることが好ましい。
かかる構成によれば、カラーナットは、円筒部を、バンパビームの貫通孔に隙間を介して貫通して、バンパビームの一方側壁部に接合部材を介して固定されているので、バンパビームとの位置決めが不要となるため、組付性を向上させることができる。
また、前記バンパビームは、車体前後方向の他方側に開口する略ハット断面形状に形成された断面ハット形状部と、車体前後方向の一方側に車幅方向に延設されたビード形状の溝部と、を有していることが好ましい。
かかる構成によれば、バンパビームは、車体前後方向の他方側に開口する断面ハット形状部と、車体前後方向の一方側に車幅方向に延設されたビード形状の溝部と、を有していることで、補強されているため、軽量化を図ることができると共に、衝突に対する剛性を向上させることができる。
また、前記一方側円筒部は、前記溝部の底部に形成された前記貫通孔に隙間を介して貫通し、前記溝部に隣接された前記一方側壁部に前記接合部材を介して固定されていることが好ましい。
かかる構成によれば、カラーナットの一方側円筒部が貫通される貫通孔は、バンパビームの溝部の底部に形成されていることによって、溝部が補強用ビードの役目をするため、一方側円筒部をしっかりと支持することができる。また、一方側円筒部が接合部材を介して固定されるバンパビームの一方側壁部は、溝部に隣接されていることによって、溝部の稜線で補強されているため、強度剛性を向上させることができる。
また、前記バンパビームは、車幅方向の両端部から中央部へ断面積が増大するように形成されていることが好ましい。
かかる構成によれば、バンパビームは、車幅方向の両端部から中央部に亘って断面積が増大するように形成されていることによって、車両前方、または、車両後方からの全面衝突時に対する耐力を向上させることができる。
また、前記バンパビームは、車体前後方向の一方側に歩行者保護用の衝撃吸収部材を備え、前記衝撃吸収部材は、車体前後方向の一方端より車体前後方向の他方側に、前記カラーナットに装着するアイボルトを挿通させるためのアイボルト挿通孔を形成していることが好ましい。
かかる構成によれば、バンパビームの車体前後方向の一方側に設けられた衝撃吸収部材は、衝突時に、車体前後方向の一方端が圧潰変形して衝撃を吸収することで、歩行者等の被衝突部を保護する性能を向上させることができる。また、アイボルトは、衝撃吸収部材の車体前後方向の一方端より車体前後方向の他方側にアイボルト挿通孔があるので、衝突吸収性能を維持しながら、カラーナットにバンパビームを容易に着脱させることができる。
また、前記バンパビームは、前記断面ハット形状部の上下に形成された鍔部と、前記溝部と、を前記バンパビーム取付プレートに重ねた状態で、サイドフレームの一方側端部に設けられた連結フランジに、少なくとも三点固定で固定していることが好ましい。
かかる構成によれば、バンパビームは、補強用の稜線を形成する断面ハット形状部の鍔部と溝部とを、バンパビーム取付プレートに重ねた状態で、サイドフレームの一方側端部の連結フランジに三点固定したことで、しっかりとサイドフレームに連結することができる。これにより、車両を牽引するときの牽引荷重をサイドフレームで確実に支持することができる。
また、前記バンパビームは、前記バンパビーム取付プレートを介してバルクヘッドに固定されていることが好ましい。
かかる構成によれば、バンパビームは、バンパビーム取付プレートを介してバルクヘッドに固定されているので、バンパビームをバルクヘッドに仮固定して一体化した後、この一体化したものをサイドフレームに固定することができる。このため、組付作業の作業性を向上させることができる。
また、前記衝撃吸収部材は、前記バンパビームの上面部から車体前後方向の一方側に延出された上壁部と、前記バンパビームの下面部から車体前後方向の一方側に延出された下壁部と、前記上壁部及び前記下壁部の車体前後方向の他方側端部にそれぞれ形成されたバンパビーム固定部と、前記上壁部及び前記下壁部の車体前後方向の他方側端部の前記バンパビーム固定部以外の箇所に形成された切欠部と、を有し、前記上壁部及び前記下壁部の車体前後方向の一方側部位は、前記バンパビームの一方側表面の一方側に配置されていることが好ましい。
かかる構成によれば、衝撃吸収部材は、切欠部が形成されていることによって、軽量化させることができるため、バンパビームの断面開き、及び、ねじれ変形を抑制することができる。また、例えば、車両に歩行者が一方側から衝突した場合、衝撃吸収部材の一方側表面に歩行者の脚部が衝突することによって、上壁部と下壁部とが変形して後退するので、衝突エネルギーを吸収することが可能である。
本発明に係る車両用バンパ構造は、カラーナットをバンパに接合する際の熱で発生する熱ひずみを抑制することができる。
本発明の実施形態に係る車両用バンパ構造の一例を示す要部斜視図であり、バンパフェイスを取り外した状態を示す。 車両用バンパ構造を示す要部正面図である。 図2のIII−III拡大断面図である。 衝撃吸収部材を取り外した状態のバンパを示す拡大斜視図である。 バンパを示す拡大斜視図である。 バンパを示す拡大平面図である。 バンパを示す拡大底面図である。 図6のVIII−VIII拡大断面図である。 図6のIX−IX拡大断面図である。 バンパビームの取り付け状態を示す要部分解斜視図である。 バンパビームが取り付けられるサイドフレームの前端部を示す要部拡大斜視図である。 カラーナットの組付手順を示す要部拡大縦断面図であり、(a)はカラーナットにバンパビーム取付プレートを設置したときの状態を示す、(b)はバンパビームを設置したときの状態を示す、(c)は接合部材及び衝撃吸収部材を設置したときの状態を示す。
以下、図1〜図12に基づき本発明の実施形態に係る車両用バンパ構造の一例を説明する。
なお、車両の進行方向を「前」、後退方向を「後」、鉛直上方側を「上」、鉛直下方側を「下」、車幅方向を「左」、「右」として適宜説明する。以下、車体前部1aのバンパ2にアイボルト取付用のカラーナット3を備えた車両Cの場合を例に挙げて本発明を説明する。
<車両>
車両Cは、図1に示すように、車体1に、車幅方向に延在するバンパ2と、バンパ2に取り付けられたアイボルト取付用のカラーナット3と、を有するものであればよく、その形式及び種類は特に限定されない。つまり、車両Cは、車体前部1aまたは車体後部にバンパ2を有している乗用車、バス、作業車等の全ての対応可能である。以下、車体前部1aにバンパ2を設けた乗用車の場合を例に挙げて説明する。
<車体>
図1に示すように、車体1の車体前部1aには、カラーナット3を備えたバンパ2と、バンパ2を架設した矩形のバルクヘッド6と、バルクヘッド6の左右両端部に連結されたサイドフレーム5と、バルクヘッド6の前側下端部に取り付けられたロアプレート7と、を備えている。
以下、車体1の右側にカラーナット3を設置した場合を例に挙げて説明する。また、車体前部1aは、略左右対称であるため、以下、カラーナット3が配置されている車体1の右側を主に説明して、車体1の左側の説明を適宜省略する。
<バンパ>
バンパ2は、車幅方向に延在するバンパビーム21と、バンパビーム21に取り付けられたカラーナット3と、バンパビーム21の後側に固定されたバンパビーム取付プレート22と、バンパビーム21の前側に設けられた接合部材23及び衝撃吸収部材24と、衝撃吸収部材24を前側から覆うバンパフェイス(図示省略)と、を備えている。
<バンパビーム>
図2及び図3に示すように、バンパビーム21は、バンパ本体を形成する横長の金属製板部材である。バンパビーム21は、例えば、一枚の鋼板をプレス成形することによって形成されている。図3に示すように、バンパビーム21は、それぞれ後記する断面ハット形状部21aと、鍔部21cと、上壁部21dと、下壁部21eと、前壁部21fと、溝部21gと、貫通孔21iと、ボルト挿通孔21nと、を有している。
図1及び図2に示すように、バンパビーム21は、バルクヘッドアッパ61及びバルクヘッドロア62の左右両端部に上下方向に延設された左右一対のバルクヘッドサイド63の中間部に跨るように架設されている。バンパビーム21の左右両端部は、バルクヘッドサイド63よりも車幅方向車外側に突出して配置されている。そのバンパビーム21の右側の突出部位には、前側に接合部材23及び衝撃吸収部材24が設置され、バルクヘッドサイド63とバンパビーム21との間にバンパビーム取付プレート22が設置されている。
図4に示すように、バンパビーム21は、左右両端部から中央部に亘って断面積が増大するように形成されている。つまり、バンパビーム21の左右両端部は、平面視して、中央部よりも後方に位置するように、略円弧状に湾曲して形成されている。このため、バンパビーム21の左右両端部のバンパビーム取付プレート22の前面22aから前方への突出長さL1は、バンパビーム21の中央部の後端から前方への突出長さL2(図8参照)よりも小さい。そして、バンパビーム21の左右両端部の断面積は、バンパビーム21の車幅方向中央部の断面積の方が大きく、中央部側の断面積が増大するように形成されている。
図4に示すように、バンパビーム21の左右両端部の上下中央部には、バンパビーム取付プレート22を介してバルクヘッド6に固定するボルト等の固定手段(図示省略)を挿入するためのボルト挿通孔21jがそれぞれ形成されている。バンパビーム21の左端部の鍔部21cの上部には、仮止めボルト取付片25が接合されている。仮止めボルト取付片25は、バンパビーム21の左端側に仮止めボルト挿通孔25aを形成させるための部材である。バンパビーム21には、バルクヘッド6に取り付ける際に、バンパビーム21を、バルクヘッドサイド63(図10参照)に仮止めさせるボルト(図示省略)を挿入する仮止めボルト取付片25が接合されている。仮止めボルト取付片25には、バルクヘッドサイド63に固定された脚部付ナット64に仮止めされる仮止めボルト(図示省略)が挿入される仮止めボルト挿通孔25aが形成されている(図10参照)。
図10に示すように、バンパビーム21は、その仮止めボルトでバルクヘッドサイド63に仮止めした後、断面ハット形状部21aの鍔部21cと溝部21gとをバンパビーム取付プレート22に重ねた状態で、後記するサイドフレーム5の連結フランジ51に、少なくとも三点固定される(図4参照)。
図3及び図4に示すように、断面ハット形状部21aは、後方側に開口部21bを有する略ハット断面形状に形成された部位である。バンパビーム21において、断面ハット形状部21aは、左端から右端に亘って全体に形成されている。
図3に示すように、開口部21bは、断面ハット形状部21aの後方側に形成されて、バンパビーム取付プレート22によって閉塞されている。このため、断面ハット形状部21aと、バンパビーム取付プレート22との間には、車幅方向に延設された空洞2aを形成する閉断面が形成されている。
鍔部21cは、バンパビーム21の上下両端部の左右両端部間に亘って、垂直に形成された部位である。鍔部21cの右端側は、バンパビーム取付プレート22の前面22aに当接した状態に設置されている。鍔部21cの左端側は、バルクヘッドサイド63に直接取り付けられている。図4に示すように、鍔部21cは、車幅方向において、両端部側が中央部よりも上下方向の幅が大きく形成されている。上下の鍔部21cの上下両端部は、それぞれ後方向に向けて曲げられている。
上壁部21dは、上側の鍔部21cの下端から前方向に向けてやや下方に傾斜して形成された上面部を形成する部位である。上壁部21dは、バンパビーム21において、上側の鍔部21cの下側(前側)に形成されている。上壁部21dは、平面視して、左右両端部の前後方向の幅が、左右両端部に寄るのに従って小さくなるように、中央部の前後方向の幅よりも小さく形成されて、略円弧状に湾曲して形成されている。上壁部21dには、車幅方向に適宜な間隔を介して多数のビード部21kが形成されている。
下壁部21eは、下側の鍔部21cの上端から前方向に向けてやや上方に傾斜して形成された下面部を形成する部位である。下壁部21eは、バンパビーム21において、下側の鍔部21cの上側(前側)に形成されている。つまり、下壁部21eは、上壁部21dに対して溝部21gを介して略対称に形成されている。図7に示すように、下壁部21eは、底面視して、左右両端部の前後方向の幅が、左右両端部に寄るのに従って小さくなるように、中央部の前後方向の幅よりも小さく形成されて、略円弧状に湾曲して形成されている。下壁部21eには、車幅方向に適宜な間隔を介して多数のビード部21mが形成されている。
そのビード部21k,21mは、図6または図7に示すように、バンパビーム21の補強用に形成された縦断面視して凸形状の部位である(図8参照)。ビード部21k,21mは、上壁部21d及び下壁部21eにおいて左右の両端部間に亘って適宜な間隔で、縦断面視して凹凸状に多数連続形成されている。ビード部21k,21mは、平面視して矩形に形成されている。
図3に示すように、前壁部21fは、縦断面視して、上下方向中央部に形成された溝部21gを介して所定間隔離間して段差状に形成された上下一対の垂直な部位である。前壁部21fは、バンパビーム21において、上壁部21dと下壁部21eとの間の中央部側にそれぞれ形成されている。上側の前壁部21fは、上壁部21dの前端から下方向に向けて垂下するように形成されている。下側の前壁部21fは、下壁部21eの前端から上方向に向けて立設したように形成されている。上下の前壁部21fは、溝部21gに沿って車幅方向に略平行に延在している。上下の前壁部21fは、バンパビーム21において、縦断面視して前側にビード形状(凸形状)に突出した部位の最先端に形成されている。
図4に示すように、溝部21gは、バンパビーム21の上下方向の中央部に形成されて、車幅方向に向けてビード形状(凹溝形状)に延設されている。溝部21gは、縦断面視して、上下の前壁部21fを連結するように凹状に折り曲げて形成されている。溝部21g内の右端部には、ボルト挿通孔21jと、貫通孔21iと、仮止めボルト挿通孔21nと、が形成されている。溝部21g内の左端部には、ボルト挿通孔21jが形成されている。
図3に示すように、貫通孔21iは、カラーナット3の前側円筒部31aが隙間S1を介して遊嵌された状態で挿通される孔である。貫通孔21iは、縦断面視して溝部21gの上下方向中央部に形成されている。
図10に示すように、ボルト挿通孔21jは、バンパビーム21の左右端部にそれぞれ少なくとも三箇所以上形成されている。
図2に示すように、仮止めボルト挿通孔21nは、バンパビーム21をバルクヘッド6に仮固定する際に、仮固定用のボルトが挿入される孔である。仮止めボルト挿通孔21nは、バンパビーム21において、右端側のバルクヘッドサイド63の前方に形成されている。
<バンパビーム取付プレート>
図3に示すように、バンパビーム取付プレート22は、バンパビーム21に沿って車幅方向に延在されて、バンパビーム21の右端部を後側から保持する金属製板部材である。バンパビーム取付プレート22は、バンパビーム21よりも板厚の厚い1枚の金属板をプレス成形して形成されている。バンパビーム取付プレート22は、バンパビーム21の鍔部21cに接合される前面22aと、カラーナット3の接合フランジ部3cに接合される後面22bと、カラーナット3の前側円筒部31aが嵌合するカラーナット挿入孔22cと、を有している。なお、バンパビーム取付プレート22は、バンパビーム21の右側のみに取り付けても、左右両側に取り付けてもよい。
<接合部材>
接合部材23は、前側円筒部31aの前端部を保持する金属製板部材である。接合部材23は、前側円筒部31aが挿入されるカラーナット設置孔23aを有する略矩形の部材から成る(図4参照)。接合部材23の上下端部は、上下の前壁部21fの前面に架設するように配置されて、スポット溶接で接合されている。接合部材23のカラーナット設置孔23aの前側周縁部は、前側円筒部31aにミグ溶接で接合されている。
<衝撃吸収部材>
図1に示す衝撃吸収部材24は、バンパビーム21の前方側に車幅方向に延設された所謂セーフティプレートである。衝撃吸収部材24は、バンパビーム21、接合部材23及びカラーナット3の前面を覆うように配置されて、バンパビーム21との間で車幅方向に延設された閉断面を形成している(図9参照)。衝撃吸収部材24は、バンパビーム21と比較して剛性が低い部材によって、縦断面視して、前方方向に突出した凸形状に形成されている。衝撃吸収部材24は、車両Cの前部が構造物や歩行者等の被衝突物と衝突したときに、変形することで衝突エネルギー(衝突荷重)を吸収して歩行者等の被衝突物への衝撃を緩和し、車両Cや、その乗員への衝撃を軽減する機能を備えた金属製部材である。
図5及び図6に示すように、衝撃吸収部材24は、例えば、中央部に配置された中央部材24oと、中央部材24oの右側に設けられた右側部材24pと、中央部材24oの左側に設けられた左側部材24qと、の三つの部材を車幅方向に連設して成る。衝撃吸収部材24の最も前端に形成された前壁部24aは、平面視して、中央部材24oが車幅方向に向けて真っすぐに形成され、右側部材24p及び左側部材24qが中央部材24oよりも後方に位置するように湾曲して形成されている。
なお、衝撃吸収部材24は、バンパビーム21と同様に、中央部材24oと、右側部材24pと、左側部材24qと、を1枚の鋼板をプレス成形して一体化したものであってもよい。
図5及び図6に示すように、衝撃吸収部材24は、それぞれ後記する前壁部24aと、上壁部24bと、下壁部24cと、アイボルト挿通孔24d(図2参照)と、バンパビーム固定部24e,24fと、切欠部24g,24hと、突部24i,24jと、凹部24m,24nと、開口24kと、凹部24m,24nと、を有している。
図8及び図9に示すように、前壁部24aは、衝撃吸収部材24の前端面を形成する壁部であって、縦断面視して、上壁部24bの前端から垂下した状態に形成されている。
上壁部24bは、衝撃吸収部材24の上面を形成する壁部である。上壁部24bは、バンパビーム21の上壁部21dから前壁部24aの上端まで前方に略水平に延出されている。上壁部24bの後端部には、後記するバンパビーム固定部24e、切欠部24g及び突部24iが形成されている(図5及び図6参照)。
下壁部24cは、衝撃吸収部材24の下面を形成する壁部である。下壁部24cは、バンパビーム21の下壁部21eから前壁部24aの下端まで、後方から前方に向かうのに連れて上方に位置するように、前方の斜め上方向に向けて延出されている。下壁部24cの後端部には、後記するバンパビーム固定部24f、切欠部24h、突部24j及び開口24kが形成されている(図7参照)。上壁部24b及び下壁部24cの前方側部位は、バンパビーム21の前側表面21hの前方に配置されて前側表面21hを覆っている(図9参照)。
図3に示すように、アイボルト挿通孔24dは、カラーナット3にアイボルト4を装着させる際に、アイボルト4を挿通させるための孔である。図2に示すように、アイボルト挿通孔24dは、衝撃吸収部材24において、右側のバルクヘッドサイド63よりも右端寄りの位置に形成されている。アイボルト挿通孔24dは、平面視して略湾曲状に形成された衝撃吸収部材24において、衝撃吸収部材24の右端部に形成されていることで、衝撃吸収部材24の最前端よりも後方側に配置されている(図5及び図7参照)。
図9に示すように、バンパビーム固定部24e,24fは、衝撃吸収部材24をバンパビーム21に固定するための接合部位である。図5〜図7に示すように、バンパビーム固定部24e,24fは、上壁部24b及び下壁部24cの後端部に、複数の切欠部24g,24hの左右両側に形成された突出片から成る。その突出片形状のバンパビーム固定部24e,24fの左右両端縁部には、上下方向に膨らんで形成された後記する突部24i,24jが形成されている。上下のバンパビーム固定部24e,24fは、バンパビーム21の上壁部24b及び下壁部24cに当接した状態に設置されて、スポット溶接等によって上壁部24b及び下壁部24c上のビード部21k,21m間の位置に接合されている。図6に示す上側のバンパビーム固定部24eを形成する突出片の前後方向の長さは、図7に示す下側のバンパビーム固定部24fを形成する突出片の前後方向の長さよりも小さい。
切欠部24g,24hは、衝撃吸収部材24の上壁部24b及び下壁部24cの後端部において、左右端部間に方形波を形成するようにバンパビーム固定部24e,24fと交互に形成されている。換言すると、切欠部24g,24hは、上壁部24b及び下壁部24cの後端部において、バンパビーム固定部24e,24f以外の箇所に矩形に切欠形成されている。各バンパビーム固定部24e,24f間の切欠部24g,24h内には、バンパビーム21のビード部21k,21mが挿入配置されている。図8に示すように、切欠部24g,24hの先端側の縁部は、バンパビーム21の前壁部21fよりも前側に配置されている。
突部24i,24jは、各切欠部24g,24hの左右縁部に略逆L字状に膨らんで形成された部位である。衝撃吸収部材24の車幅方向の中央部側にある突部24i,24jは、バンパビーム21のビード部21k,21mの両側に配置されている。衝撃吸収部材24の左右端部側の位置に形成された突部24i,24jは、バンパビーム21のビード部21k,21mに重ねて配置されている。
図5及び図7に示すように、開口24kは、下壁部24cに適宜な間隔で複数形成された略長円形の孔である。開口24k及び切欠部24g,24hは、バンパビーム21の軽量化の役目と、衝突時の衝突荷重によってバンパビーム21の断面開き及びねじれ変形を抑制する役目と、衝突時にバンパビーム21を断面変形させてエネルギーを吸収する役目と、を果す部位である。
図5に示すように、凹部24m,24nは、前壁部24aの左右両端部の中央部に形成された平面視して三角形の溝である。
<カラーナット>
図3に示すように、カラーナット3は、内壁3bにアイボルト4が螺着される雌ねじ部3dを有する金属製の筒状部材である。カラーナット3は、前後方向に延在する円筒部本体31と、円筒部本体31の前後方向の中央部に設けられた接合フランジ部3cと、接合フランジ部3cの内側から後方側の円筒部本体31内にわたって形成された前記雌ねじ部3dと、を主に有している。カラーナット3は、接合フランジ部3cを中心とする対称形状に形成されている。図1に示すように、カラーナット3は、右側のバルクヘッドサイド63の右側に連結されたサイドフレーム5の前方位置に、前後方向に向けて配置されている。
図3に示すように、円筒部本体31は、前後方向の中央部に一体成形された鍔状の接合フランジ部3cから前方に延設された前側円筒部31aと、接合フランジ部3cから後方に延設された後側円筒部31bと、から構成されている。
前側円筒部31aは、バンパビーム21の貫通孔21iに隙間S1を介して貫通し、バンパビーム21の前側に設けられたに接合部材23を介してバンパビーム21の前壁部21fにスポット溶接で接合されている。換言すると、前側円筒部31aは、溝部21gの底部に形成された貫通孔21iに遊挿し、溝部21gの外周縁部に隣接された前壁部21fに接合部材23を介して接合されている。
図3及び図6に示すように、後側円筒部31bは、バンパビーム取付プレート22から後方向に突出した状態に配置されている。
接合フランジ部3cは、円筒部本体31の外周面3aの中央部から外周方向に突出形成された平板状のリング形状部位である。接合フランジ部3cは、隣接したバンパビーム取付プレート22の後方側の後面22bにミグ溶接で接合されている。
内壁3bには、後側寄りの中央部位に雌ねじ部3dが形成されている。雌ねじ部3dは,内壁3bにおいて、接合フランジ部3cの前側に隣接して取り付けられるバンパビーム取付プレート22の設置部位から後側円筒部31bの中央部まで形成されている。つまり、雌ねじ部3dは、接合フランジ部3cよりも後方側の円筒部本体31の内壁3bにも形成されている。
<アイボルト>
図3に示すように、アイボルト4は、車両Cを牽引する際に、カラーナット3に螺着されるボルトである。アイボルト4は、後端側に雄ねじ部を有し、前端側にワイヤロープ等が取り付けられる輪部4aを有している。
<バルクヘッド>
図1及び図2に示すように、バルクヘッド6は、ラジエータ(図示省略)を支持する正面視して矩形状(四角枠状)の金属製部材である。バルクヘッド6は、上下に所定間隔離間して設けられ車幅方向に沿って略平行に延在するバルクヘッドアッパ61及びバルクヘッドロア62と、バルクヘッドアッパ61及びバルクヘッドロア62の左右両端部を連結する一対のバルクヘッドサイド63と、から構成されている。
図10に示すバルクヘッドサイド63の前端部には、中央部の上下から車幅方向外側に向けてそれぞれ突出形成された支持片63aと、上下の支持片63aの基端部にそれぞれ形成された前締結部63bと、上側の前締結部63bの上方に接合された脚部付ナット64と、を有している。バルクヘッドサイド63の後端部には、後記するナット付きブラケット52,53の後締結部52a,53aに螺着されるボルトが挿入される後側ボルト挿入孔(図示省略)が形成されている。
<ロアプレート>
図1及び図2に示すように、ロアプレート7は、衝撃吸収部材24の下方に所定間隔離間して配置され、歩行者との衝突時に歩行者の脚部を前方へ払うための所謂足払い部材である。ロアプレート7は、車幅方向に沿って延在する板状の金属製部材から成る。ロアプレート7は、バルクヘッドロア62の前端側に溶接等で固定されている。
<サイドフレーム>
図1に示すように、サイドフレーム5は、バルクヘッド6の左右両端部の前端部から後方に向けてそれぞれ延設されている所謂フロントサイドフレームである。図10及び図11に示すように、サイドフレーム5の前端には、バンパビーム21の三つのボルト挿通孔21jを貫通したボルトがバルクヘッドサイド63を介して螺着される前締結部51aを有する連結フランジ51が接合されている。サイドフレーム5において、連結フランジ51からバルクヘッドサイド63の前後方向の幅だけ後方の位置には、バルクヘッドサイド63の車幅方向外側に形成された不図示のボルト挿入孔に挿入された連結ボルトが螺着される後締結部52a,53aを有するナット付きブラケット52,53が接合されている。
図11に示す連結フランジ51の前締結部51aは、後側にナット(図示省略)が接合されて、雌ねじ状になっている。
ナット付きブラケット52,53は、サイドフレーム5の上下面に上下方向に向けて突出した状態に設置されている。ナット付きブラケット52,53は、後側にナット(図示省略)が接合されて、雌ねじ状になっている。
≪車両用バンパ構造の作用≫
次に、図1〜図12を参照しながら本発明の実施形態に係る車両用バンパ構造の作用を説明する。
まず始めに、図12(a)〜(c)を参照してカラーナット3の組付けを説明する。
まず、図12(a)に示すように、カラーナット3の前側円筒部31aをバンパビーム取付プレート22のカラーナット挿入孔22cに挿入する。次に、接合フランジ部3cの外周面をミグ溶接でバンパビーム取付プレート22の後面に接合する。
次に、図12(b)に示すように、接合部材23をバンパビーム21の前壁部21fに当接した状態に配置して、接合部材23の外周部と前壁部21fとをスポット溶接で接合する。続いて、前側円筒部31aに、バンパビーム21の貫通孔21i、及び、カラーナット設置孔23aを嵌めるようにして、バンパビーム取付プレート22の前面22aにバンパビーム21を当接した状態に配置する。
この状態で、図12(c)に示すように、接合部材23のカラーナット挿入孔23cの前側周縁部と前側円筒部31aとをミグ溶接で接合する。すると、バンパビーム21は、カラーナット3の接合フランジ部3cに接合されたバンパビーム取付プレート22と、カラーナット3の前端部に接合された接合部材23とによって挟持された状態に保持される。つまり、カラーナット3は、バンパビーム21の前壁部21fに、接合部材23を介して固定されることになる。カラーナット3は、前側円筒部31aをバンパビーム21の貫通孔21iに挿入しているので、バンパビーム21がカラーナット3に対して位置決めした状態に配置されている。このため、カラーナット3は、バンパビーム21との位置決めが不要となることにより、位置決め作業が不要になるので、組付性を向上させることができる。
図3に示すように、前側円筒部31aは、溝部21gの底部の貫通孔21iに介して貫通し、溝部21gに隣接された前壁部21fに接合部材23を介して固定されることで、溝部21gが補強用ビードの役目をするため、しっかりと支持されている。また、溝部21gは、溝部21gの外周に隣接されている前壁部21fを補強することができるため、バンパビーム21の強度剛性を向上させることができる。
次に、バンパビーム21の前方側に、衝撃吸収部材24を取り付ける。続いて、衝撃吸収部材24のアイボルト挿通孔24dの前方にあるバンパフェイス(図示省略)の蓋体を開放して、アイボルト4をバンパフェイスの蓋体装着孔(図示省略)、アイボルト挿通孔24dを挿通してカラーナット3の雌ねじ部3dに螺着する。
そのカラーナット3は、アイボルト取付用の雌ねじ部3dと、前記したバンパビーム取付プレート22に接合される接合フランジ部3cと、を有していることで、ナット部材と、カラー部材との機能を果すので、部品点数を削減することができる。
この場合、カラーナット3は、雌ねじ部3dを接合フランジ部3cよりも後方側の円筒部本体31の内壁3bに形成し、さらに、前側円筒部31aと後側円筒部31bとが接合フランジ部3cを中心として対称形状に形成されている。このため、円筒部本体31の接合フランジ部3cから車体前後方向の長さが均等に形成されているので、牽引時にアイボルト4からカラーナット3にかかるこじれを軽減させることができる。
図3に示すように、歩行者保護用の衝撃吸収部材24を設置したことで、アイボルト4の長さL5が長くなった場合であっても、例えば、後側円筒部31bの前後方向の長さL3を長くすることにより、牽引時に、アイボルト4を比較的小さな力で支えることができる。このため、牽引時にアイボルト4からカラーナット3にかかるこじれを軽減させて、支点の応力の集中を抑制することができる。これにより、バンパビーム取付プレート22と接合フランジ部3cとの溶接部にかかる力も軽減させることができる。その結果、アイボルトで車両を牽引するときの牽引荷重に対する牽引強度を高くすることも可能である。
カラーナット3の接合フランジ部3cが接合されるバンパビーム取付プレート22は、バンパビーム21との間に車幅方向に空洞2aが延設されて、補強されている。このため、接合フランジ部3cの外周の溶接部は、衝突時に、亀裂ができたとしても、バンパビーム21の圧潰変形による衝突エネルギー(衝突荷重)の吸収性に影響しないように配置することができる。
また、バンパビーム21は、後方側に開口する断面ハット形状部21aと、前方側にビード形状の溝部21gと、を有していることによって、補強されているため、軽量化と、衝突に対する剛性の向上を図ることができる。
さらに、バンパビーム21は、左右両端部から中央部へ断面積が増大するように形成されていることによって、車両前方、または、車両後方からの全面衝突時に対する耐力を向上させることができる。
このように形成されたバンパビーム21を車体1に取り付ける場合は、図10に示すように、ボルトを左側の仮止めボルト取付片25の仮止めボルト挿通孔25aを挿通して脚部付ナット64に螺着すると共に、ボルトを右側の仮止めボルト挿通孔21nを挿通してバルクヘッドサイド63に仮止めする。
バンパビーム21は、バンパビーム取付プレート22を介してバルクヘッド6に固定されているので、バンパビーム21をバルクヘッド6に仮固定して一体化した後、この一体化したものをサイドフレーム5に固定することができる。このため、組付作業の作業性を向上させることができる。
仮止め後、バンパビーム21は、補強用の稜線を形成する断面ハット形状部21aの上下の鍔部21cと溝部21gとをバンパビーム取付プレート22に重ねた状態で、サイドフレーム5の前側端部5aの連結フランジ51に、ボルトにより三点固定で共締めする。このため、バンパビーム21は、断面ハット形状部21aの鍔部21c及び溝部21gを、バンパビーム取付プレート22に重ねた状態で、サイドフレーム5の連結フランジ51に三点固定したことで、しっかりとサイドフレーム5に連結することができる。これにより、車両を牽引するときの牽引荷重をサイドフレーム5で確実に支持することができる。
このようなバンパ2を備えた車両Cの前部が被衝突物に衝突した場合、衝突荷重が図9に示す衝撃吸収部材24に加わる。そして、前壁部24a、上壁部24b、及び、下壁部24cは、後方に押圧されて折れ曲がるように変形して潰れ、バンパビーム21の前壁部21fに当接する。なお、バンパビーム21は、衝突した際に、変形中の衝撃吸収部材24を安定して支持しつつ、衝撃吸収部材24の変形を阻害することがないように適度に変形して衝撃を軽減することができる。
例えば、車両Cに歩行者が前突した場合、バンパビーム21の前側表面21hを覆っている衝撃吸収部材24の前面に歩行者の脚部が衝突することによって、上壁部24bと下壁部24cとが圧潰変形して後退するので、衝突エネルギーを吸収して脚部への衝撃を軽減させることができる。
図5〜図7に示すように、衝撃吸収部材24は、上壁部24b及び下壁部24cの後端部に、複数のバンパビーム固定部24e,24fと、複数の切欠部24g,24hと、を有していることによって、軽量化させることができるため、バンパビーム21の断面開き、及び、ねじれ変形を抑制することができる。
[変形例]
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造及び変更が可能であり、本発明はこれら改造及び変更された発明にも及ぶことは勿論である。
例えば、カラーナット3は、車体前部1aに配置したバンパ2に取り付けた場合を例に挙げて説明したが、車体後部のリヤバンパに取り付けることもできる。
1 車体
3 カラーナット
3c 接合フランジ部
3b 内壁
3d 雌ねじ部
4 アイボルト
5 サイドフレーム
5a 前側端部(一方側端部)
6 バルクヘッド
21 バンパビーム
21a 断面ハット形状部
21b 開口部
21d 上壁部(上面部)
21e 下壁部(下面部)
21f 前壁部(一方側壁部)
21g 溝部
21h 前側表面(一方側表面)
21i 貫通孔
22 バンパビーム取付プレート
22b 後面(前後方向の一方側表面)
23 接合部材
24 衝撃吸収部材
24b 上壁部
24c 下壁部
24e,24f バンパビーム固定部
24g,24h 切欠部
31 円筒部本体
31a 前側円筒部(一方側円筒部)
S1 隙間

Claims (10)

  1. 車幅方向に延在するバンパビームと、
    前記バンパビームに取り付けられるアイボルト取付用のカラーナットと、
    前記バンパビームに固定されたバンパビーム取付プレートと、を備え、
    前記カラーナットは、車体前後方向に延在する円筒部本体と、
    前記円筒部本体の車体前後方向の中央部に設けられた接合フランジ部と、
    前記円筒部本体の内壁に形成された雌ねじ部と、を有し、
    前記円筒部本体の車体前後方向の一方側は、前記バンパビーム取付プレートを貫通して前記バンパビームに固定し、
    前記接合フランジ部は、前記バンパビーム取付プレートの車体前後方向の他方側表面に接合していることを特徴とする車両用バンパ構造。
  2. 前記カラーナットは、前記接合フランジを中心とする対称形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用バンパ構造。
  3. 前記円筒部本体の前記接合フランジ部より車体前後方向の一方側に形成された一方側円筒部は、前記バンパビームに形成された貫通孔に隙間を介して貫通し、前記バンパビームの一方側壁部に接合部材を介して固定されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用バンパ構造。
  4. 前記バンパビームは、車体前後方向の他方側に開口する略ハット断面形状に形成された断面ハット形状部と、
    車体前後方向の一方側に車幅方向に延設されたビード形状の溝部と、を有していることを特徴とする請求項3に記載の車両用バンパ構造。
  5. 前記一方側円筒部は、前記溝部の底部に形成された前記貫通孔に隙間を介して貫通し、前記溝部に隣接された前記一方側壁部に前記接合部材を介して固定されていることを特徴とする請求項4に記載の車両用バンパ構造。
  6. 前記バンパビームは、車幅方向の両端部から中央部へ断面積が増大するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用バンパ構造。
  7. 前記バンパビームは、車体前後方向の一方側に歩行者保護用の衝撃吸収部材を備え、
    前記衝撃吸収部材は、車体前後方向の一方端より車体前後方向の他方側に、前記カラーナットに装着するアイボルトを挿通させるためのアイボルト挿通孔を形成していることを特徴とする請求項1に記載の車両用バンパ構造。
  8. 前記バンパビームは、前記断面ハット形状部の上下に形成された鍔部と、前記溝部と、を前記バンパビーム取付プレートに重ねた状態で、サイドフレームの一方側端部に設けられた連結フランジに、少なくとも三点固定で固定していることを特徴とする請求項4に記載の車両用バンパ構造。
  9. 前記バンパビームは、前記バンパビーム取付プレートを介してバルクヘッドに固定されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用バンパ構造。
  10. 前記衝撃吸収部材は、前記バンパビームの上面部から車体前後方向の一方側に延出された上壁部と、
    前記バンパビームの下面部から車体前後方向の一方側に延出された下壁部と、
    前記上壁部及び前記下壁部の車体前後方向の他方側端部にそれぞれ形成されたバンパビーム固定部と、
    前記上壁部及び前記下壁部の車体前後方向の他方側端部の前記バンパビーム固定部以外の箇所に形成された切欠部と、を有し、
    前記上壁部及び前記下壁部の車体前後方向の一方側部位は、前記バンパビームの一方側表面の一方側に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の車両用バンパ構造。
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