JP2017170781A - 積層体およびそれを用いた車両部品 - Google Patents

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雅之 横田
松岡 英夫
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Abstract

【課題】強化繊維複合樹脂の破断、飛散、破面の露出を防止するとともに、優れた外観を有する積層体およびそれを用いた車両部品を提供する。
【解決手段】強化繊維複合樹脂からなる成形体の少なくとも一方の表面にシート状物を積層してなる積層体であって、以下の(1)〜(3)のいずれかを満足する積層体。
(1)シート状物が布帛であり、かつシート状物の破断荷重が成形体の破断荷重の3%以上であること。(2)成形体の強化繊維が面内方向に略二次元方向に分散しており、かつシート状物が引張試験において降伏点降下を示さないこと。(3)成形体の強化繊維が面内方向に略二次元方向に分散しており、かつシート状物が引張試験において降伏点降下を示し、成形体とシート状物とが熱圧着により接着されていること。
【選択図】なし

Description

本発明は、強化繊維複合樹脂からなる成形体の少なくとも片側の表面にシート状物を積層してなる積層体およびそれを用いた車両部品に関する。
強化繊維と樹脂からなる強化繊維複合樹脂は、軽量性や力学特性に優れるとともに、複雑形状の成形品を製造できることから、各種産業用途に幅広く利用されている。その中で、強化繊維複合樹脂と他の素材とを組み合わせることにより、部材に加えられる外力、および外力による変形を抑制する研究開発が行われてきた。
例えば特許文献1では、繊維強化樹脂材料と発泡芯材とを積層することにより、衝撃を吸収することができるとされている。しかしながら、積層体が破断に至る外力を受けた際、破断による繊維強化樹脂材料の飛散および破面の露出防止を図るには不十分であることが課題である。また、最外層が繊維強化樹脂材料で構成されていることから、意匠性などの機能を付与するには、塗装などの更なる工程の追加が必要であり、作業労力の増大やそれに伴うコスト高が問題である。
一方、樹脂成形体の表面に加飾材を設けることで、樹脂成形体の表面に意匠性などの機能を付与した積層体も、各種産業用途に幅広く利用されており、強化繊維複合樹脂材料の表面に加飾材を設けた積層体について、研究開発が行われてきた。
例えば、特許文献2には、繊維強化樹脂材料の表面に加飾材を積層することで、軽量かつ力学特性に優れ、意匠性を兼ね備えた加飾成形体およびその製造方法が開示されている。しかしながら、この技術により得られる積層体は、積層体が破断に至る外力を受けた際、破断による繊維強化樹脂材料の飛散および破面の露出防止を図るには不十分である課題があった。
特開2014−208420号公報 特開2006−44264号公報
本発明は、強化繊維複合樹脂の破断、飛散、破面の露出を防止するとともに、優れた外観を有する積層体およびそれを用いた車両部品を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る積層体は、強化繊維複合樹脂からなる成形体の少なくとも一方の表面にシート状物を積層してなる積層体であって、以下の(1)〜(3)のいずれかを満足することを特徴とする。
(1)前記シート状物が布帛であり、かつ前記シート状物の破断荷重が前記成形体の破断荷重の3%以上であること。
(2)前記成形体の強化繊維が面内方向に略二次元方向に分散しており、かつ前記シート状物が引張試験において降伏点降下を示さないこと。
(3)前記成形体の強化繊維が面内方向に略二次元方向に分散しており、かつ前記シート状物が引張試験において降伏点降下を示し、前記成形体と前記シート状物とが熱圧着により接着されていること。
なお、上記(1)において「布帛」とは、織物や編物、不織布等の布状シート状物の総称であり、後述のシート状物A〜Cなどを総称する上位概念を意味する。
このような本発明に係る積層体においては、上記(2)(3)において、上記シート状物の破断荷重が上記成形体の破断荷重の0.3%以上であることが好ましく、とくに0.3%以上3%未満であることが好ましい。
また、上記成形体に含まれる強化繊維の重量平均繊維長としては、3〜30mmの範囲にあることが好ましい。
また、上記成形体に含まれる強化繊維としては、とくに限定されないが、炭素繊維やガラス繊維、アラミド繊維などの強化繊維、あるいはこれらを組み合わせた強化繊維などを使用できる。なかでも、優れた力学特性を容易に実現できることから、上記成形体に含まれる強化繊維が炭素繊維であることが好ましい。
また、上記成形体を形成する樹脂としては、良好な成形性や大量生産に適していることから、熱可塑性樹脂であることが好ましい。
本発明は、上記のような積層体を用いた車両部品についても提供する。
本発明によれば、係る積層体は、軽量かつ力学特性に優れ、積層体の破断、飛散、破面の露出を防止できるとともに、優れた外観を有する積層体を提供できる。とくに、車両部品に用いて好適な積層体を提供できる。
以下に、本発明について、実施の形態とともに詳細に説明する。
本発明における強化繊維複合樹脂に用いる樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれでもよいが、好ましくは熱可塑性樹脂である。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン)、ポリアミド(例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、芳香族ナイロン)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート)、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルフォキサイド、ポリテトラフルオロエチレン、アクロニトリルブタジエンスチレン共重合体、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリエーテル・エーテル・ケトン、ポリオキシメチレンなどを用いることができる。また、上記熱可塑性樹脂の誘導体や、上記熱可塑性樹脂の共重合体、さらにそれらの混合物でもよい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、エポキシ、フェノール( レゾール型) 、ユリア・メラミン、ポリイミドなどや、これらの共重合体、変性体、および、2種類以上ブレンドした樹脂などを使用することができる。さらに、耐衝撃性向上のために、上記熱硬化性樹脂にエラストマーもしくはゴム成分を添加してもよい。この中でも特に成形品の剛性、強度の観点からエポキシ樹脂が好ましい。
本発明における強化繊維複合樹脂に用いられる強化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維などを用いることができる。これらの繊維は2種以上混合して用いても構わない。より軽量で、より耐久性の高い成形品を得るためには、炭素繊維を使用することが好ましい。
本発明に用いられる成形体としては、強化繊維が成形体中に2〜60質量%の割合で含まれていることが好ましい。強化繊維を2質量%以上含むことにより、得られる成形品の力学特性を向上させることができる。一方、強化繊維を60質量%以下含むことにより、成形加工の際の流動性の低下を抑制し、強化繊維へマトリックス樹脂成分を十分に含浸させることができ、結果的に力学特性を向上させることができる。また、成形体や積層体の平滑性を向上させ、積層シートの外観をより向上させることができる。
本発明に用いられる成形体を形成する強化繊維の繊維長としては、3〜30mmの範囲にあることが好ましい。成形体がこのような繊維長の範囲の強化繊維で形成されていることにより、強化繊維を良好に分散させた状態を保ちながら成形体材料を流動させることが可能になり、成形品が成形された後の強化繊維の分布のばらつき(例えば、強化繊維体積含有率のばらつき)が小さくなり、成形品の機械特性が安定し、その機械特性のばらつきも小さくなる。この強化繊維の繊維長のより好ましい範囲は10〜25mmであり、さらに好ましい範囲は15〜20mmである。
本発明に用いられる成形体を形成する強化繊維は、成形体の表面に平行な略二次元方向に分散(配向)していることが好ましい。成形体を形成する強化繊維がこのような配向状態にあることにより、積層体が表面に対して垂直な方向に受けた外力による荷重を成形体の表面に平行な略二次元面に分散することができ、結果としてシート状物に伝播する荷重を抑制することができ、シート状物の破断を防止することができる。成形体を形成する強化繊維を成形体の表面に平行な略二次元面に配向させる成形体の好ましい製造方法としては、強化繊維の織物、編物、不織物に樹脂を含浸させる方法、強化繊維複合樹脂からなるペレットを射出プレス成形により成形する方法が挙げられるが、これらの方法に制限されるものではない。
本発明における成形体の製造方法としては、強化繊維の織物、編物、不織物に樹脂を含浸させる方法、強化繊維複合樹脂からなるペレットを押出機などの溶融混練装置を用いて金型に射出して冷却固化させる方法などが挙げられる。
本発明におけるシート状物に用いる材料は、有機材料、無機材料のいずれでもよいが、軽量化の観点から好ましくは有機材料である。
本発明におけるシート状物としては、織物、編物、不織物などの布帛、シート、フィルムなどを挙げることができる。
本発明におけるシート状物の破断荷重は、シート状物を積層する成形体の破断荷重の0.3%以上であることが好ましい。シート状物がこの値を下回る破断荷重であると、破断、飛散、破面の露出を防止することができない。また、より好ましくは3%未満であり、シート状物がこのような破断荷重を有することにより、積層方法に因らず成形体の破断、飛散、破面の露出を防止することが可能となる。
本発明におけるシート状物においては、成形体の強化繊維が面内方向に略二次元方向に分散しており、かつシート状物が引張試験において降伏点降下を示さないことが好ましい。シート状物が引張試験において降伏点降下を示すシート状物である場合、積層体が受ける外力および外力による変形によってシート状物にネッキング、すなわち局部的な変形が発生し、シート状物が破断ないし成形体から剥離して成形体の破断、飛散、破面の露出を防止できない場合があるため好ましくない。ただし、シート状物が引張試験において降伏点降下を示す場合には、成形体とシート状物とが熱圧着により接着されていることが好ましい。
本発明に係る積層体では、成形体の少なくとも一方の表面にシート状物が積層されてなる。積層体がこのような構造を有することにより、成形体の破断、飛散、破面の露出を防止することが可能となる。本発明における成形体の一方の表面のみにシート状物を積層する場合、成形体の外力および外力の変形によって生じる破断、飛散、破面の露出を防止したい表面側にシート状物を積層することが好ましい。
本発明における成形体とシート状物との積層方法としては、熱圧着による接着、接着剤を用いた接着、機械的接合などを挙げることができる。
本発明に用いられる成形体を形成する強化繊維が、成形体の表面に平行な略二次元面に配向している場合、本発明における成形体とシート状物とは熱圧着により接着されていることが好ましい。このような積層状態にすることで成形体とシート状物との接合界面が一種の干渉層を形成するため、成形体の破断、飛散、破面の露出を防止することができる。
本発明における積層体を用いた車両部品の例としては、ボンネットフード、ルーフパネル、ドアパネル、トランクリッド、フロアパネルなどが挙げられる。
以下、実施例に沿って本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。なお、諸特性は以下の方法により測定した。
(1)繊維長
ペレット中の炭素繊維の重量平均繊維長は、得られたペレットを500℃で1時間焼成し、得られた灰分を水分散させた後、濾過を行い、その残渣を光学顕微鏡にて観察し、1,000本の長さを測定した結果を重量平均繊維長に換算することにより求めることができる。具体的には、樹脂組成物のペレットを10g程度ルツボに入れ、電気コンロにて可燃性ガスが発生しなくなるまで蒸し焼きにした後、500℃に設定した電気炉内でさらに1時間焼成することにより、炭素繊維の残渣のみを得る。その残渣を光学顕微鏡にて50〜100倍に拡大した画像を観察し、無作為に選んだ1,000本の長さを測定し、その測定値(mm)(小数点2桁が有効数字)を用いて次の式1または式2に基づき計算する。
重量平均繊維長(Lw)=Σ(Wi×Li)/ΣWi=Σ(π×ri2×Li×ρ×ni×Li)/Σ(π×ri2×Li×ρ×ni)・・・(式1)
ここで、Liは炭素繊維の繊維長、niは繊維長Liの炭素繊維の本数、Wiは繊維長Liの炭素繊維の重量、riは繊維長Liの炭素繊維の繊維径、ρは炭素繊維の密度、πは円周率を示し、炭素繊維の断面形状を繊維径riの真円と近似している。
繊維径ri、および密度ρが一定である場合、上記式1は次の通りに近似され、次の式2により重量平均繊維長を求めることができる。
重量平均繊維長(Lw)=Σ(Li2×ni)/Σ(Li×ni)・・・(式2)
(2)炭素繊維複合材料中の炭素繊維体積含有率(Vf)
上記の流動試験後の炭素繊維複合材料プレス成形品から約2gのサンプルを切り出し、その質量を測定した。その後、サンプルを500℃に加熱した電気炉の中で1時間加熱してマトリックス樹脂等の有機物を焼き飛ばした。室温まで冷却してから、残った炭素繊維の質量を測定した。炭素繊維の質量に対する、マトリックス樹脂等の有機物を焼き飛ばす前のサンプルの質量に対する比率を測定し、炭素繊維の含有率とした。
(3)破断強度、伸度、シート状物の降伏点降下
インストロン社製万能材料試験機5985型を用い、試験片幅25mm、チャック間距離25mm、引張速度500mm/分の条件で応力−歪曲線を測定する。破断時の荷重を読みとり、その荷重を初期繊度で除することで破断強度を算出し、破断時の歪を読みとり、試料長で除した値を100倍することで、破断伸度を算出した。いずれの値も、この操作を水準毎に5回繰り返し、得られた結果の単純平均値を求め、小数点第2位を四捨五入した値である。また、得られた応力−歪曲線からシート状物の降伏点降下の有無を評価した。
(4)破断、飛散、破面の露出評価
インストロン社製落錘衝撃試験機Dynatup9250HVを用い、試験片幅10mm、支点間距離60mm、ロードセル8115、錘7.2kg、錘先端R5(三角形状)、落下高さ0.1mm、試験温度23℃の条件で落錘衝撃試験を実施し、試験片を観察して以下の基準で判断した。
○:シート状物が破断せず、強化繊維複合樹脂の破面が露出しない。
×:シート状物が破断し、強化繊維複合樹脂の破面が露出している。
(成形体A)
炭素繊維束を繊維長15mmにカットし、カットした炭素繊維束とポリアミド(ナイロン6)短繊維(単繊維繊度1.7dtex、カット長51mm、捲縮数12山/25mm、捲縮率15%)を質量比で90:10の割合で混合し、カーディング装置に投入した。出てきたウェブをクロスラップし、炭素繊維とナイロン6繊維とからなる目付100g/m2のシート状の炭素繊維集合体を形成した。シート状の炭素繊維集合体の巻取り方向を0°とし、炭素繊維集合体を12枚、(0°/90°/0°/90°/0°/90°)sとなるように積層し、炭素繊維と熱可塑性樹脂の体積比が35:65となるように6ナイロン樹脂メルトブロー不織布(東レ株式会社製“アミラン”CM1001)をさらに積層した後に、全体をステンレス板で挟み、240℃で90秒間予熱後、2.0MPaの圧力をかけながら180秒間、240℃にてホットプレスした。次いで、加圧状態で50℃まで冷却し、厚さ1.6mmの炭素繊維複合材料の平板を得て、強化繊維が強化繊維複合樹脂からなる成形体の表面に平行な略二次元面に配向している成形体Aとして用いた。
(成形体B)
長繊維炭素繊維強化6ナイロンの東レ株式会社製“トレカ”樹脂TLP1060を以下の条件で射出成形して強化繊維がランダムに配向している成形体Bを作製した。
型締圧力:110ton
金型温度:80℃
成形樹脂温度:280℃
射出速度:50mm/s
成形品寸法(L×W×H):150×100×3.0mm
ゲート:φ2mmピンゲート。
(シート状物A)
シート状物Aとして、66ナイロン繊維の織物である東レ株式会社製エアバッグ用66ナイロン織物(品番#4253)を用いた。
(シート状物B)
シート状物Bとして、アラミド繊維の東レ・デュポン株式会社製“Kevlar”29(1670dtex)を、経糸17本/インチ、緯糸17本/インチ、目付224g/m、厚さ0.3mmで織物にしたものを用いた。
(シート状物C)
シート状物Cとして、ポリエステル繊維束からなる人工皮革(不織布)である東レ株式会社製“エクセーヌ”700Wを用いた。
(シート状物D)
シート状物Dとして、軟質塩化ビニルシートであるアキレス株式会社製アキレス青味透明の厚み0.5mm、硬度#350のものを用いた。
(シート状物E)
6ナイロンである東レ株式会社製6ナイロン樹脂S133を3時間の真空乾燥後、280℃で溶融させて混練した。なお、ホッパー下部は窒素パージを行った。次いで、FSS(Fiber Sintered Stereo)タイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比になるよう計量しながらマルチマニホールドダイに供給、シート状に成形した後、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化した。得られたキャストフィルムを室温まで徐冷後、巻き取ったものをシート状物Eとして用いた。
(シート状物F)
ポリエステルフィルムである東レ株式会社製“ルミラー”SF20(厚さ188μm)と、ナイロン6フィルムである東レフィルム加工株式会社製“レイファンNO”1401(厚さ100μm)とを用い、ポリエステルフィルムに東洋モートン社製AD−76P1と東洋モートン社製CAT−15Lをそれぞれ100質量部と15質量部混合した得た接着剤(固形分濃度50質量%)を乾燥後厚みで7g/mとなるよう塗布し、乾燥温度70℃から90℃で速度20m/minで乾燥後、ナイロン6フィルムをニップ圧力0.4MPa、温度40℃でラミネートニップロールにより貼り合わせを行った。その後、40℃で7日間の熱処理を施して得た積層シートをシート状物Fとして用いた。
(シート状物G)
シート状物Gとして、ポリオレフィンの長尺シート状発泡体である東レ株式会社製“トーレペフ”15020AP17を用いた。
(積層方法A)
槽内温度を310℃に設定したヤマト科学株式会社製遠赤外線加熱炉DIR631内で成形体Aを150秒間予熱した後、炉内から取り出して140℃に予熱された熱盤上に配置されたシート状物の上に設置した。次いで炉内から取り出して30秒後に140℃に予熱されたもう1枚の熱盤を用い、両熱盤に設けた孔から真空引きを行いながら、プレス圧40kg/cm、プレス時間180秒でプレスを行い、積層体を作製した。
(積層方法B)
成形体Bを作製する工程において、シート状物を所定の寸法にカットし、金型にセットして、インサート成形して積層体を作製した。
(積層方法C)
成形体のシート状物積層面にエポキシ系接着剤のHuntsman Advanced Materials(Switzerland)GmbH社製“Araldite”AW136HとHardner HY991を100重量部:40重量部の割合で混合したものを接着剤層の厚さが0.2mmとなるように塗布し、その面上にシート状物を積層して加圧した後、23℃×24時間で硬化させて積層体を作製した。
(積層方法D)
積層方法Cにおいてエポキシ系接着剤をアクリル系接着剤のデンカ株式会社製ハードロックNS−700M−20に変更した以外は同一の方法で積層体を作製した。
(実施例1)
成形体A、シート状物A、積層方法Aにより得られた積層体の破断、飛散、破面の露出を評価した結果は○であった。
(実施例2〜16)
成形体、シート状物、積層方法をそれぞれ表の通りの組み合わせにして得られた積層体の破断、飛散、破面の露出を評価した結果は○であった。これら実施例の条件と結果を表1に示す。なお、表1、表2におけるCFは炭素繊維を表している。
(比較例1)
表2に示すように、成形体Aの破断、飛散、破面の露出を評価した結果は×であった。
(比較例2)
成形体Bの破断、飛散、破面の露出を評価した結果は×であった。
(比較例3〜16)
成形体、シート状物、積層方法をそれぞれ表の通りの組み合わせにして得られた積層体の破断、飛散、破面の露出を評価した結果は×であった。これら比較例の条件と結果を表2に示す。
Figure 2017170781
Figure 2017170781
本発明における積層体の用途は特に限定されないが、車両部品、建築部材、各種家電機器などの製品(部品)などに特に好適に用いることができるものである。

Claims (6)

  1. 強化繊維複合樹脂からなる成形体の少なくとも一方の表面にシート状物を積層してなる積層体であって、以下の(1)〜(3)のいずれかを満足することを特徴とする積層体。
    (1)前記シート状物が布帛であり、かつ前記シート状物の破断荷重が前記成形体の破断荷重の3%以上であること。
    (2)前記成形体の強化繊維が面内方向に略二次元方向に分散しており、かつ前記シート状物が引張試験において降伏点降下を示さないこと。
    (3)前記成形体の強化繊維が面内方向に略二次元方向に分散しており、かつ前記シート状物が引張試験において降伏点降下を示し、前記成形体と前記シート状物とが熱圧着により接着されていること。
  2. 前記(2)(3)において、前記シート状物の破断荷重が前記成形体の破断荷重の0.3%以上である、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記成形体に含まれる強化繊維の重量平均繊維長が3〜30mmの範囲にある、請求項1または2に記載の積層体。
  4. 前記成形体に含まれる強化繊維が炭素繊維である、請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
  5. 前記成形体を形成する樹脂が熱可塑性樹脂である、請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の積層体を用いた車両部品。
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