JP2017170583A - レーザ溶接ロボットシステムの教示方法 - Google Patents

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一弥 北山
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Abstract

【課題】レーザ溶接ロボットシステムの教示登録において、走査パターンずれを防止する教示方法を提供する。
【解決手段】マニピュレータと、前記マニピュレータに搭載されたレーザ加工ヘッドと、前記マニピュレータと前記レーザ加工ヘッドの制御を行う制御装置と、前記制御装置と通信して動作教示を行う教示装置と、を備えたレーザ溶接ロボットシステムの教示方法であって、前記教示装置を用いて動作教示モードでサーボONした際に、前記レーザ加工ヘッドのレーザ照射位置を、走査パターンの基準位置である原点へ自動で原点復帰する。
【選択図】図6

Description

本開示は、レーザ溶接ロボットシステムの教示方法に関するものである。
近年、加工点から離れた位置からレーザビームを照射し溶接などの加工を行うリモートレーザと呼ばれる加工法が注目されている。
一般的なリモートレーザ溶接には、図9のように2つのミラーを遥動することによりレーザの照射位置を制御するレーザ加工ヘッドが用いられる(例えば、特許文献1参照)。
現在、図1のようにレーザ加工ヘッドを多関節型ロボットのエンドエフェクタに搭載し、自動車に代表される薄板鋼板の溶接を行うレーザ溶接ロボットシステムが多く提案されている。
レーザ溶接に用いられるレーザは可視光では無いため、肉眼では見ることができない。
そこで、動作教示を行う際には一般的に加工用レーザ光ではなく可視光パイロットレーザ光(以降、ガイド光とする)が用いられる。動作教示時には加工用レーザ光と同じ光軸上にガイド光を照射し、このガイド光を目視確認しながらレーザ照射位置を教示する。
従来、ロボットによってレーザ加工ヘッドを所定の位置へ移動し、ガイド光で示される溶接点を教示するステップと、教示された溶接点を基準位置として生成される走査パターンを教示するステップとをそれぞれ独立して行う方法が示されている。(例えば、特許文献2参照)
これにより、あらかじめ走査パターンを教示登録しておけば、ロボットの動作教示においては走査パターンの基準位置である溶接点を教示するだけでよい。
したがって、S字や円形状などの走査パターンにおいて、実際の走査パターン上の複数の溶接点を教示する必要が無くなり、教示時間を大幅に減少させることができる。
また、走査パターンの形状を変更したいときには、あらかじめ登録されている走査パターンの種類やパラメータを変更するだけでよいので、容易に変更することもできる。
特開平8−192286号公報 特開2007−98464号公報
従来の方法では、レーザ加工ヘッドのレーザ照射可能範囲内のある一点(例えば、照射可能範囲の中心)を走査パターンの基準位置、すなわち原点として設定している。この場合、レーザ加工ヘッドのレーザ照射位置が原点から外れた状態でマニピュレータを動かして溶接点の教示登録をすると、実際の動作では基準位置に対して走査パターンが生成されてしまう。そのため、ガイド光で教示した溶接点からずれた位置に溶接が行われてしまうという課題を有していた。
また、従来の教示方法では、ガイド光を照射して溶接点の確認をしながら教示登録を行うが、ガイド光だけではレーザ加工ヘッドのレーザの照射位置が原点にあるかどうかを目視確認することができないため、原点にあるかどうか気付きにくいという問題もある。
もちろん教示装置のモニタに表示されている数値を確認し、手動で原点復帰してパターンずれを回避することは可能だが、直感的ではないため実作業においては困難である。
このような場合、一般的な機械装置で用いられるような自動原点復帰機能を利用して、レーザ加工ヘッドのレーザの照射位置を原点復帰する方法が有効であるが、これまでレーザ溶接ロボットシステムにおいてはその自動原点復帰方法についての詳細は開示されていない。
本開示は、上記課題を解決するレーザ加工ヘッドのレーザ照射位置の自動原点復帰機能を有するレーザ溶接ロボットシステムの教示方法を提供する。
上記課題を解決するために、レーザ溶接ロボットシステムは、マニピュレータと、マニピュレータに搭載されたレーザ加工ヘッドと、マニピュレータとレーザ加工ヘッドの制御を行う制御装置と、制御装置と通信して動作教示を行う教示装置と、を有する。そして、レーザ溶接ロボットシステムの教示方法は、教示装置を用いて動作教示モードでサーボONした際に、レーザ加工ヘッドのレーザ照射位置を、走査パターンの基準位置である原点へ自動で移動する原点復帰機能を有する。原点復帰機能によりロボットによる溶接点の教示時には、常にレーザ加工ヘッドのレーザ照射位置が原点にある状態で教示を行うことができる。
また、レーザ加工ヘッドは、入射したレーザ光を平行光にする第1のレンズと、平行光を集光する第2のレンズと、第2のレンズで集光したレーザ光をシフトする第1の平行板と、第1の平行板を第1の回転軸で回転させる駆動源である第1のモータと、第1の平行板でシフトしたレーザ光をシフトする第2の平行板と、第2の平行板を第2の回転軸で回転させる駆動源である第2のモータと、を有する。さらに、レーザ加工ヘッドは、第1の回転軸と第2の回転軸とが同方向になるように第1の平行板と第2の平行板を配置し、第1のモータで第1の平行板を回転し、第2のモータで第2の平行板を回転することで、加工対象物に対するレーザ光の照射位置を制御する。第1の平行板と第2の平行板にあらかじめプリセット動作を設定することで、原点復帰することができる。
また、制御装置は、教示装置を用いてマニピュレータの教示点の登録を行う時に、レーザ加工ヘッドのレーザ照射位置が原点復帰しているか否かの判定を行う機能を有する。さらに、制御装置は、原点復帰していない状態で教示点の登録をしようとすると、教示装置に警告表示する機能を有する。これによりガイド光による教示点と走査パターンの位置ずれを防ぐことができる。
また、制御装置は、教示装置を用いて動作教示モードでサーボONした時に、レーザ加工ヘッドのレーザ照射位置が原点復帰しているか否かの判定を行う機能を有する。さらに、制御装置は、原点復帰していない場合は教示装置に警告表示を行い、原点復帰するか否かを選択できる機能を有する。これによりレーザ照射位置を確認しながら任意のタイミングで原点復帰することができる。
また、制御装置は、レーザ加工ヘッドの回転軸が1回転±360度以上の多回転にある状態で原点復帰する際に、多回転の状態から最小回転角で原点復帰する機能を有する。これにより、原点復帰動作にかかる時間を短縮することができる。
また、制御装置は、レーザ加工ヘッドのレーザ照射可能範囲の中心を原点として設定している。これにより、原点復帰後の位置を容易に把握することができる。
以上のように、本開示は、ロボットによる溶接点の教示時には、常にレーザ照射位置が走査パターンの基準位置である原点復帰されるため、レーザ加工ヘッドのレーザ照射位置を気にする必要が無く、容易にロボットの動作教示をすることができる。
また、動作教示モード中に確認のためにレーザ加工ヘッドの照射位置を変えてしまった場合でも、溶接点の教示登録をする際に教示装置に警告が表示され、照射位置が原点に無いことを知ることができ走査パターンの位置ずれを未然に防止することができる。
さらに、多回転リセット機能を用いれば、原点復帰動作に掛かる時間も短縮できる。
従って、本開示によれば、レーザ加工ヘッドのレーザ照射位置を気にすることなく容易に溶接点の教示登録を行うことができ、さらに走査パターンの位置ずれを未然に防止することが可能な優れたレーザ溶接ロボットシステムを実現することができる。
図1は、実施の形態におけるレーザ加工システムの概略構成を示す図である。 図2は、実施の形態におけるレーザ加工ヘッドの概略構成を示す図である。 図3は、実施の形態におけるレーザ光の照射位置を説明するための図である。 図4は、実施の形態における円状のレーザ光の照射状態を示す図である。 図5は、実施の形態におけるらせん状のレーザ光の照射状態を示す図である。 図6は、実施の形態におけるレーザ溶接ロボットシステムの教示手順を示す図である。 図7は、実施の形態における原点復帰時に−360<θ1<360に領域変換して多回転リセットするための原点補正方法を示す図である。 図8は、実施の形態における原点復帰時に−180<θ1<180に領域変換するための原点補正方法を示す図である。 図9は、従来のレーザ加工ヘッドの概略構成を示す図である。 図10は、従来の走査パターンの一例を示す図である。
(実施の形態)
以下、本開示の実施の形態について、先ず、基本的な考え方について説明し、その後、図面を用いて詳細に説明する。
本実施の形態のレーザ加工ヘッドは、ノズル先端部に集光するレーザ光の集光位置をシフトさせるレーザ光のシフト機能を有する。さらに、本実施のレーザ加工ヘッドは、レーザ光の光路上に配置されておりレーザ光の光軸に平行な第1の回転軸に対して所定の傾斜角度を維持しながら第1の回転軸を中心として回転する第1の平行板と、レーザ光の光軸に平行は第2の回転軸に対して第1の平行板と同じ傾斜角度を維持しながら第2の回転軸を中心に回転する第2の平行板と、これらの平行板を独立に回転させる2つのモータを有する。
この場合、レーザ光は、平行板の厚みとレーザ光の光軸に対する傾斜角度で決まる量だけ平行シフトする。そして、平行板を回転させると、2次元照射平面状でレーザ光は円弧を描くことができる。
以下、図1から図8を用いて、本実施の形態のレーザ加工システムとレーザ加工ヘッドについて説明する。図1は、レーザ加工システムの概略構成を示す図である。図2は、レーザ加工ヘッドの概略構成を示す図である。図3は、レーザ光の照射位置を説明するための図である。図4は、円状のレーザ光の照射状態を示す図である。図5は、らせん状のレーザ光の照射状態を示す図である。図6は、教示モードに移行した際に、自動で原点復帰する機能を備えたレーザ溶接ロボットシステムの教示手順を示す図である。図7は、原点復帰時に−360<θ1<360に領域変換して多回転リセットするための原点補正方法を示す図である。図8は、原点復帰時に−180<θ1<180領域変換するための原点補正方法を示す図である。
図1を用いて、レーザ加工システムについて説明する。
図1において、レーザ加工システムは、レーザ加工ヘッド41と、レーザ加工ヘッド41が取り付けられておりレーザ加工ヘッド41を移動させるマニピュレータ42と、レーザ加工ヘッド41の動作とマニピュレータ42の動作を制御する制御装置43と、制御装置と通信しマニピュレータとレーザ加工ヘッドの教示作業を行う教示装置47と、マニピュレータの教示を行うレーザ光を出力する出力源としてのレーザ発振器44を有している。レーザ発振器44から出力されたレーザ光は、光ファイバー45によりレーザ加工ヘッド41まで導光される。レーザ加工システムは、レーザ加工ヘッド41から出力されたレーザ光を加工対象物46に照射することで、加工対象物46の加工を行う。また、レーザ発振器44は、溶接点の教示時には加工用レーザ光の替わりにガイド光を出力することもできる。なお、制御装置43は、レーザ発振器44の出力を制御する機能も有している。
図2を用いて、レーザ加工ヘッド41について説明する。
レーザ加工ヘッド41は、コネクタ12を有しており、このコネクタ12により光ファイバー45と接続されている。また、レーザ加工ヘッド41は、第1の冷却水ホース接続部2と第2の冷却水ホース接続部13を有し、一方から冷却水を内部に導入し、他方から冷却水を排出することができる。これにより、レーザ加工ヘッド41を冷却することができる。
レーザ加工ヘッド41は、第1のレンズであるコリメーションレンズ4と、第2のレンズであるフォーカスレンズ5を有している。光ファイバー45から出たレーザ光(LB)は、一定の広がりを持つ。そのため、コリメーションレンズ4で平行光に補正される。この平行光は、フォーカスレンズ5によって加工点に集光される。
レーザ加工ヘッド41は、コリメーションレンズ4やフォーカスレンズ5を固定するレンズホルダ3と、レンズホルダ3を保持するレンズボディ1を有している。コリメーションレンズ4とフォーカスレンズ5は、レンズホルダ3に固定される。また、レーザ加工ヘッド41の先端側には、第1の部材23によって第1の保護ガラス25が、第2の部材24によって第2の保護ガラス26がシールドホルダ8に固定され、レバー9を操作してシールドホルダ8をレーザ加工ヘッド41に対して脱着できる。また、レーザ加工ヘッド41の先端側には、ノズル保持部10によって内側ノズル11が保持されている。
レーザ加工ヘッド41は、第1のサーボモータ14と、第1のタイミングベルト15と、第1のタイミングベルトプーリー16と、第1の平行板17と、第1のホルダ18とを有しており、これらにより第1の光学ユニットが構成される。第1の平行板17は、両端をベアリングで保持した円筒状の第1のホルダ18内に固定され、なお、第1の平行板17と第1のホルダ18の間に平行ピンを設け、上記両者の位置相対関係を一定とする。第1のホルダ18の外周面に設けられた第1のタイミングベルトプーリー16および第1のタイミングベルト15を介して第1のサーボモータ14によって回転される。具体的には、レーザ加工ヘッド41から出力されるレーザ光の光軸方向と同方向の第1の回転軸を中心に回転する。第1のサーボモータ14は、例えば、50Wのシリアルエンコーダ付きブラシレスDCサーボモータ、いわゆるACサーボモータであり、マニピュレータ42に採用しているサーボモータと同種で出力容量が異なるものである。
レーザ加工ヘッド41は、第2のサーボモータ21と、第2のタイミングベルト22と、第2のタイミングベルトプーリー20と、第2の平行板19と、第2のホルダ7とを有しており、これらにより第2の光学ユニットが構成される。第2の平行板19は、両端をベアリングで保持した円筒状の第2のホルダ7内に固定され、なお、第2の平行板19と第2のホルダ7の間に平行ピンを設け、上記両者の位置相対関係を一定とする。第2のホルダ7の外周面に設けられた第2のタイミングベルトプーリー20および第2のタイミングベルト22を介して第2のサーボモータ21によって回転される。具体的には、レーザ加工ヘッド41から出力されるレーザ光の光軸方向と同方向の第2の回転軸を中心に回転する。
第1の光学ユニットと第2の光学ユニットとは、同一構成であり、個々の部品はすべて同一である。このようにすることで、2つの光学ユニットの応答バランスが同じになり、制御し易いといった利点がある。そして、第1の光学ユニットと第2の光学ユニットとは、第1の回転軸と第2の回転軸とが同方向であり、かつ、ボディケース6の中心に対して対称の位置になるように配置されている。すなわち、第1の回転軸に鉛直な面を基準にして対称となるように配置されている。図2で示すと、上下に対称に配置されている。なお、このような配置にすると、第1のサーボモータ14と第2のサーボモータ21とが同じ方向に回転した場合、第1の平行板17の回転方向と第2の平行板19の回転方向とは逆になる。そのため、第1の平行板17を駆動する第1のサーボモータ14の回転方向定義を逆転させており、この状態で制御を行うようにしている。
なお、レーザ加工ヘッドの小型化と、レーザ加工ヘッドのレーザ照射範囲を広くする点から、第1の光学ユニットと第2の光学ユニットとは、第1の回転軸と第2の回転軸とが、同方向で、かつ、一致するように配置することが望ましい。
フォーカスレンズ5を通過したレーザ光は、第1の平行板17を通過する際に2度屈折し、第1の平行板17の板厚と、第1の回転軸に対する第1の平行板17の取り付け角度である傾斜角度と、第1の平行板17の屈折率によって定まる量だけ平行にシフトする。本実施の形態の第1の平行板17と第2の平行板19は、合成石英製であって、板厚t=13mm、第1の回転軸(第2の回転軸)に対する傾斜角45°、屈折率は1.44963である。従って、第1の平行板17を通過したレーザ光は、4.1mmシフトする。その後、レーザ光は、第2の平行板19を通過する際にも同様にシフトする。従って、本実施の形態の構成におけるレーザ光の動作範囲は、直径16.4mmの円内となる。
第1の平行板17と第2の平行板19の2枚の平行板を通過したレーザ光の照射位置は、図3に示すように、大きさが固定され、角度が自由に変えられる2つのベクトルによって表すことができる。従って、加工対象物46にレーザ光が投射される位置は、以下の式1および式2で表すことができる。
X=LCOSθ1+LCOSθ2・・・(式1)
Y=LSINθ1+LSINθ2・・・(式2)
L:1枚の平行板を通過する時のシフト量
θ1:第1の平行板17の回転角度
θ2:第2の平行板19の回転角度
第1の平行板17の回転角度θ1と第2の平行板19の回転角度θ2は、それぞれ独立した別のサーボモータで制御されている。従って、レーザ光の移動可能範囲の中であれば、レーザ光によりあらゆる図形を描くことができる。特に、円などの図形を描くときは、1つのサーボモータまたは2つのサーボモータを、回転の反転動作をさせることなく、同一方向に回転させ続けることによりスムーズに描くことができる。
実際の運用では、レーザ溶接でよく使用される溶接パターンとして、図4に示す円や、図5に示すらせんなど、全部のパターンについて、モータを反転動作させることなく描くことができる。すなわち、第1の回転軸と第2の回転軸を同一方向に回転することで、第1の回転軸および第2の回転軸の反転動作なしに、加工対象物に対して円弧状や円状やらせん状にレーザ光を照射することができる。
なお、第1の回転軸と第2の回転軸との回転角度の位相差により、レーザ光を照射可能な範囲の半径が決まる。
以上のように、本実施の形態のレーザ加工ヘッドは、レーザ光がガラスからなる平行板を通過するときにシフトする特性を利用し、レーザ加工ヘッドの内部に、レーザ光の光軸方向に2枚重ねた平行板を設置する。2枚の平行板の回転は、それぞれ別のサーボモータで独立して制御され、レーザ光のシフト方向とシフト量をコントロールする。
次に、本実施形態におけるレーザ加工ヘッドのレーザ照射位置の自動原点復帰機能を有するレーザ溶接ロボットシステムの教示手順について、図6に示すフローチャートに基づいて詳細に説明する。
本実施形態は、レーザ加工ヘッドのレーザ照射可能範囲の中心を走査パターンの基準位置、すなわち原点として設定し、ロボットの教示によって移動されるレーザ加工ヘッドの停止位置ごとに1点ずつ溶接点の教示登録を順次行うものである。
まず、教示装置によって制御装置へ動作教示モードに移行する(S0)。教示モードではマニピュレータを任意の姿勢に動かすことが可能であり、レーザ加工ヘッドを所定の溶接点へ移動して教示登録することができる。そして、教示モードでサーボONすることで、マニピュレータを任意の姿勢に動かすことが可能な状態となる(S1)。
教示モードでサーボONすると、制御装置に記憶されている、レーザ加工ヘッドの第1の平行板17の回転角度θ1と第2の平行板19の回転角度θ2を駆動するサーボモータの現在の角度情報が読み込まれる(S2)。
次に、サーボONされたときに読み込まれたθ1とθ2の角度情報より、制御装置はレーザ照射位置が原点にあるか否かを判断する(S3)。
ここで、本実施の形態において、レーザ加工ヘッドのレーザ照射可能範囲の中心を原点とした場合、θ1とθ2の位相差が180°となっている状態が原点位置、すなわち(X,Y)=(0,0)となる。
よって、ここでの原点は分かり易くθ1=0〔°〕、θ2=180〔°〕とする。ただし、θ1を任意の角度とする場合でも、θ1とθ2の位相差が180°であればよいので、θ1=90〔°〕、θ2=−90〔°〕やθ1=0〔°〕、θ2=−180〔°〕が原点であってもよい。
レーザ照射位置が原点に無い場合(S3:NO)は、教示装置に原点に無いことを意味する内容の警告を表示し、原点復帰を実行するか否かを選択する。例えば、「レーザ照射位置が原点にありません。原点復帰しますか?(Y/N)」などを表示する(S4)。
原点復帰を実行した場合(S4:YES)、制御装置は、原点位置を目標値としてあらかじめ設定されているプリセット動作を実行し、レーザ加工ヘッドのθ1とθ2を原点へ復帰するようサーボモータを駆動する(S5)。
なお、ここで駆動されるのはレーザ照射位置を制御するθ1とθ2のサーボモータだけであり、マニピュレータが自動で動くことは無いため安全である。
既に原点復帰されている状態(S3:YES)であれば、原点復帰動作は行わず、そのままθ1とθ2は動くことなく次のステップへ移行する。
また、原点復帰を実行しないを選択した場合(S4:NO)も、原点復帰動作は行わず、そのままθ1とθ2は動くことなく次のステップへ移行する。
次に、レーザ加工ヘッドが原点復帰している状態で、教示装置を用いてマニピュレータを動かし溶接点の教示登録を行う(S6)。このとき、ガイド光を照射した状態で溶接点を確認しながら教示登録を行っていく。レーザ加工ヘッドが原点復帰している場合、走査パターンの基準位置を溶接点として教示登録していくことになる。
ここで、ワークに対しレーザ加工ヘッドのレーザ照射位置や範囲の確認を行いたいときは、教示装置を用いてレーザ照射位置を任意の位置に動かすこともできる。ただし、原点復帰していない状態で溶接点の教示登録を行うと、走査パターンがずれてしまうので、教示登録を実行する直前に再度、原点復帰しているかどうかの確認を行う。
教示装置によって溶接点を教示し登録を実行しようとすると、制御装置に記憶されているレーザ加工ヘッドの回転角度θ1とθ2の現在の角度情報が読み込まれる(S7)。
次に、溶接点を教示し登録を実行しようとしたときに読み込まれたθ1とθ2の角度情報より、制御装置はレーザ照射位置が原点にあるか否かを判断する(S8)。
レーザ照射位置が原点位置に無い場合(S8:NO)は、教示装置に原点に無いことを意味する内容の警告を表示する。例えば、「レーザ照射位置が原点にありません。サーボを再投入し、原点復帰をしてからもう一度教示登録をしてください。」などを表示する(S9)。
このとき、走査パターンのずれを防ぐため、溶接点の教示登録の実行は一旦キャンセルされる(S10)。
そして、再度原点復帰して溶接点の登録を行うには、まずサーボOFFし(S11)、再度サーボONすれば前記の通り原点復帰が再実行されるので、そのまま原点復帰している状態でマニピュレータのみを動かして溶接点の教示登録を行えばよい(S1〜S7)。
溶接点の教示登録を行う際にレーザ照射位置が原点にある場合(S8:YES)は、そのまま教示登録が実行される(S12)。
ロボットによる溶接点の教示登録が終わったら、次は登録された溶接点を基準位置として走査パターンの教示登録を行う(S13)。走査パターンの教示登録は、教示装置を用いてあらかじめ登録されている走査パターンを選択し、形状パラメータを入力するだけでレーザ加工ヘッドを動かすことなく行うことができる。
例えば、スポット溶接で円弧パターンを描きたい場合は、図4のように走査パターンを円弧に設定し、半径r、開始点s、終了点eなどのパラメータを入力し、教示登録をすればよい。これにより、溶接点を中心にパラメータ通りの走査パターンの動作プログラムが生成され実行される。
以上のように、本開示によれば、ロボットによる教示登録をする時には、常にレーザ照射位置が走査パターンの基準位置に原点復帰されるため、レーザ加工ヘッドのレーザ照射位置を気にする必要が無く、容易にロボットの動作教示をすることができる。
また、動作教示モード中に確認のためにレーザ加工ヘッドの照射位置を変えてしまった場合でも、溶接点の教示登録をする際に教示装置に警告が表示され、照射位置が原点に無いことを知ることができ、走査パターンの教示点ずれを未然に防止することができる。
<原点復帰方法の詳細>
ここでは図7を用いて、多回転リセット機能を用いた原点復帰方法について説明する。
サーボON時の現在のθ1またはθ2の角度が非常に大きい値の場合、そのまま原点復帰しようとすると、余分に回転して時間がかかってしまう場合がある。例えば、現在位置がθ1=400〔°〕にある場合、原点位置であるθ1=0〔°〕にするには―400〔°〕回転させなければならない。実際には―40〔°〕回転させることで360〔°〕、すなわち0〔°〕となるが、指令値としては―400〔°〕で原点復帰が行われてしまう。
そこで、多回転リセット機能を用いて1回転以上の回転をリセットし、現在角度をθ1を−360<θ1<360に領域変換する。
ここではθ1を例として詳細を説明するが、θ2について同様の方法で領域変換をすることも可能である。
まず、教示モードでサーボONすると、モータの現在角度におけるエンコーダパルス数Pm1が制御装置に読み込まれる。そして、原点におけるエンコーダパルス数Pz1より、現在角度を表すパルス数P1は以下の式3で表すことができる。
P1=Pm1−Pz1・・・(式3)
また、エンコーダの分解能Prev[pulse/rev]より、P1でのモータの回転数Nm1は以下の式4で表すことができる。
Nm1=P1/Prev・・・(式4)
そして、モータと出力軸の減速比iより、モータがNm1回転したときの出力軸の回転数N1は以下の式5で表すことができる。
N1=Nm1/i・・・(式5)
よって、出力軸の現在角度θ1は以下の式6のようになる。
θ1=N1×360・・・(式6)
ここで、θ1の絶対値が|θ1|≧360(|N1|≧1)で1回転以上している状態にあるとき、多回転リセット機能によりθ1を−360<θ1<360に領域変換する。
現在の出力軸の回転数N1の小数点以下を切り捨てた整数の回転数をNa1とすると、Na1回転するのに必要なエンコーダパルス数Pa1は以下の式7で表すことができる。
Pa1=Na1×Prev×i・・・(式7)
ここで、現在制御装置に記憶されている原点のエンコーダパルス数Pz1にPa1を足したエンコーダパルス数を、以下の式8のように、新たな原点データPz1’として上書き補正する。
Pz1’=Pz1+Pa1・・・(式8)
すると、原点データをPz1’に補正後の現在角度を表すパルス数P1’は以下の式9のようになる。
P1’=Pm1−Pz1’・・・(式9)
また、原点データをPz1’に補正後のモータの回転数Nm1’は以下の式10のようになる。
Nm1’=P1’/Prev・・・(式10)
そして、原点データをPz1’に補正後の出力軸の回転数N1’は以下の式11のようになる。
N1’=Nm1’/i・・・(式11)
最終的に、原点データをPz1’に補正後の出力軸の角度θ1’は以下の式12のようになる。
θ1’=N1’×360・・・(式12)
以上の処理によって出力軸角度は−360<θ1<360になり、多回転がリセットされる。
例えば、θ1=400〔°〕は多回転リセット機能によりθ1=40〔°〕に変換され、最短経路で原点復帰することになる。
次に、多回転リセット後のθ1が180<|θ1|<360の領域にある場合を考える。例えば、θ1=300〔°〕のとき、そのまま原点復帰すると−300〔°〕で回転されてしまうが、実際の最短経路は+60〔°〕回転させることで360〔°〕、すなわち原点である0〔°〕となる。
そこで、多回転リセット後のθ1が180<|θ1|<360の領域にある場合、原点復帰時の動作を最小にするため、θ1をさらに−180<θ1<180領域に変換する。
ここでは、図8を用いて−180<θ1<180領域に変換する方法について説明する。
まず、多回転リセット後の原点におけるエンコーダパルス数Pz1’にモータ1回転分のエンコーダパルス数を加算もしくは減算したものを、新たな原点データPz1”として上書き補正する。θ1がθ1>0もしくはθ1<0の場合、以下の式13および式14のようになる。
(θ1>0の時)
Pz1”=Pz1’+Prev・・・(式13)
(θ1<0の時)
Pz1”=Pz1’−Prev・・・(式14)
すると、原点データをPz1”に補正後の現在角度を表すパルス数P1”は以下の式15のようになる。
P1”=Pm1−Pz1”・・・(式15)
また、原点データをPz1”に補正後のモータの回転数Nm1”は以下の式16のようになる。
Nm1”=P1”/Prev・・・(式16)
そして、原点データをPz1”に補正後の出力軸の回転数N1”は以下の式17のようになる。
N1”=Nm1”/i・・・(式17)
最終的に、原点データをPz1”に補正後の出力軸の角度θ1”は以下の式18のようになる。
θ1”=N1”×360・・・(式18)
以上の処理によって、出力軸の角度は−180<θ1<180領域に変換される。
例えば、θ1=300〔°〕は領域変換によってθ1=−60〔°〕に変換され、最短経路で原点復帰することになる。
以上の方法を用いれば、原点復帰の動作を最小に抑えることが可能となり、レーザ溶接ロボットシステムの溶接点の教示時間を短縮することができる。
本開示は、レーザ溶接ロボットシステムにおいて、マニピュレータの動作教示の原点復帰を自動で行うことで溶接点の教示登録を容易に行うことができ、さらには走査パターンの溶接位置ずれを未然に防止する方法として、産業上有用である。
1 レンズボディ
2 第1の冷却水ホース接続部
3 レンズホルダ
4 コリメーションレンズ
5 フォーカスレンズ
6 ボディケース
7 第2のホルダ
8 シールドホルダ
9 レバー
10 ノズル保持部
11 内側ノズル
12 コネクタ
13 第2の冷却水ホース接続部
14 第1のサーボモータ
15 第1のタイミングベルト
16 第1のタイミングベルトプーリー
17 第1の平行板
18 第1のホルダ
19 第2の平行板
20 第2のタイミングベルトプーリー
21 第2のサーボモータ
22 第2のタイミングベルト
23 第1の部材
24 第2の部材
25 第1の保護ガラス
26 第2の保護ガラス
41 レーザ加工ヘッド
42 マニピュレータ
43 制御装置
44 レーザ発振器
45 光ファイバー
46 加工対象物
47 教示装置

Claims (6)

  1. マニピュレータと、
    前記マニピュレータに搭載されたレーザ加工ヘッドと、
    前記マニピュレータと前記レーザ加工ヘッドの制御を行う制御装置と、
    前記制御装置と通信して動作教示を行う教示装置と、を備えたレーザ溶接ロボットシステムの教示方法であって、
    前記教示装置を用いて動作教示モードでサーボONした際に、前記レーザ加工ヘッドのレーザ照射位置を、走査パターンの基準位置である原点へ自動で移動する原点復帰機能を備えているレーザ溶接ロボットシステムの教示方法。
  2. レーザ加工ヘッドは、入射したレーザ光を平行光にする第1のレンズと、
    前記平行光を集光する第2のレンズと、
    前記第2のレンズで集光したレーザ光をシフトする第1の平行板と、
    前記第1の平行板を第1の回転軸で回転させる駆動源である第1のモータと、
    前記第1の平行板でシフトしたレーザ光をシフトする第2の平行板と、
    前記第2の平行板を第2の回転軸で回転させる駆動源である第2のモータと、を有し、
    前記第1の回転軸と前記第2の回転軸とが同方向になるように前記第1の平行板と前記第2の平行板を配置し、前記第1のモータで前記第1の平行板を回転し、前記第2のモータで前記第2の平行板を回転することで、加工対象物に対するレーザ光の照射位置を制御するレーザ加工ヘッドであって、前記レーザ加工ヘッドを用いて、レーザ溶接の教示動作を行う請求項1に記載のレーザ溶接ロボットシステムの教示方法。
  3. 制御装置は、教示装置を用いてマニピュレータの教示点の登録を行う時に、レーザ加工ヘッドのレーザ照射位置が原点復帰しているか否かの判定を行う機能を有しており、原点復帰していない状態で教示点の登録をしようとすると、前記教示装置に警告表示する機能を備えた請求項1または2に記載のレーザ溶接ロボットシステムの教示方法。
  4. 制御装置は、教示装置を用いて動作教示モードでサーボONした時に、レーザ加工ヘッドのレーザ照射位置が原点復帰しているか否かの判定を行う機能を有しており、原点復帰していない場合は教示装置に警告表示を行い、原点復帰するか否かを選択できる機能を備えた請求項1または2に記載のレーザ溶接ロボットシステムの教示方法。
  5. 制御装置は、レーザ加工ヘッドの回転軸が1回転±360度以上の多回転にある状態で原点復帰する際に、前記多回転の状態から最小回転角で原点復帰する請求項1または2に記載のレーザ溶接ロボットシステムの教示方法。
  6. 制御装置は、レーザ加工ヘッドのレーザ照射可能範囲の中心を原点とする請求項1から5のいずれかに記載のレーザ溶接ロボットシステムの教示方法。
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