JP2011138275A - アーク溶接ロボットの制御装置及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】制御装置10は、1つの指令に応じてマニピュレータM1を駆動制御し、指定距離に基づいてレーザ変位センサLSを、第1センシング点から第2センシング点に移動させる。制御装置10は指令に応じてレーザ変位センサLSが取得した両センシング点の検出結果に基づき溶接線座標系を演算し、溶接線座標系に基づきマニピュレータM1の位置・姿勢を演算し、位置・姿勢に基づき逆演算してマニピュレータM1の各軸角度を求め記憶する。
【選択図】図1
Description
(1) 溶接線倣いでは、特徴点をつなぎ合わせた溶接線軌道を得る必要があるが、前提としては、ある程度の溶接長が必要となるため、短ピッチ溶接には適用できない。なお、図13において、溶接トーチ100と前記溶接トーチ100に対してオフセットして取付けられたレーザセンサ110が、一対の金属板が重ね合わされて形成されたワークWの前記開先120に所定のピッチPiでアーク溶接を行う場合が示されている。前記オフセットは、倣いを行う場合のレーザセンサ110の先見距離Lとなる。先見距離Lは、溶接トーチ100の先端と溶接進行方向側に所定距離離間したツール座標系上のレーザポイント間の距離をいう。このような場合、配置された複数の溶接部位130において、各溶接部位130の溶接開始点と溶接終了点間のピッチPi(溶接長)が、溶接トーチ100とレーザセンサ110の先見距離Lよりも短いと、溶接線倣いのアーク溶接はできないことになる。
又、第2の補正方法では、ワークが回転ずれを起こした場合にも回転ずれに応じた姿勢に修正することができる。しかし、姿勢を求めるためにはロボット言語プログラミングによる数十行の計算が溶接線毎に必要となり、実用的ではない。
請求項3の発明は、溶接トーチとともにマニピュレータのアームに対して設けられ、第1センシング点及び第2センシング点におけるワークの開先位置のセンサ座標系上の座標及び前記開先に対する角度を検出結果として取得する位置センサを備えたアーク溶接ロボットの制御装置に使用されるプログラムであって、コンピュータを、前記溶接トーチの前記開先に対する狙い角及び前進後退角を記憶する姿勢記憶手段と、第1・第2センシング点間の距離を記憶する距離記憶手段と、1つの指令に応じて、前記マニピュレータを駆動制御し、前記距離に基づいて前記位置センサを第1センシング点から第2センシング点に移動させる制御手段と、前記指令に応じて前記位置センサが取得した、第1、第2センシング点の検出結果に基づき溶接線座標系を演算し、前記溶接線座標系に基づき前記狙い角及び前進後退角となるマニピュレータの位置・姿勢を演算し、前記マニピュレータの位置・姿勢に基づき、逆演算して前記マニピュレータの各軸角度を求める演算手段と、前記指令に応じて前記各軸角度を保存する保存手段として機能させるためのプログラムを要旨とするものである。
請求項6の発明は、溶接トーチとともにマニピュレータのアームに対して設けられ、センシング点におけるワークの開先位置のセンサ座標系上の座標及び前記開先に対する角度を検出結果として取得する位置センサを備えたアーク溶接ロボットの制御装置に使用されるプログラムであって、コンピュータを、前記溶接トーチの前記開先に対する狙い角を記憶する姿勢記憶手段と、1つの指令に応じて前記位置センサが取得した、2センシング点の検出結果に基づき溶接線座標系を演算し、前記溶接線座標系に基づき前記狙い角となるマニピュレータの位置・姿勢を演算し、前記マニピュレータの位置・姿勢に基づき、逆演算して前記マニピュレータの各軸角度を求める演算手段と、前記指令に応じて前記各軸角度を保存する保存手段として機能させるためのプログラムを要旨とするものである。
請求項3、請求項6の発明によれば、プログラムにより、請求項1、請求項4のアーク溶接のロボットの制御装置に記載の効果を容易に実現することができる。
図1は溶接ロボットの制御装置10の構成を示すブロック図である。溶接ロボットの制御装置10は、ワーク(作業対象物)Wに対してアーク溶接を自動で行うように制御するものである。溶接ロボットの制御装置10は、溶接作業を行うマニピュレータM1と、マニピュレータM1を制御するロボット制御装置RCと、ワークWの形状を検出する位置センサとしてのレーザ変位センサLSとを備える。
レーザ変位センサLSは、レーザ照射方向がツール座標系のいずれかの軸と平行となるようにセンサヘッドLSaが取り付けられている。図2(a)にはツールである溶接トーチ14が示されている。ここでツール座標系は図2(a)のように、溶接トーチ14の軸心にZ軸を一致させたものとして表わされる。そして、本実施形態では、図2(b)に示すように溶接トーチ14に対して、レーザ変位センサLSのセンサヘッドLSaはレーザ照射方向がZ−方向となるように、かつ、溶接トーチ14の溶接進行方向がツール座標系のX軸になるように設定され、レーザ変位センサLSが前記X軸に平行になるように取り付けされる。レーザ変位センサLS(すなわち、図2(b)に示すセンサヘッドLSa)は、溶接トーチ14の先端から溶接進行方向側に所定距離離間した位置にレーザ照射するようにされている。溶接トーチ14の先端と溶接進行方向側に所定距離離間したツール座標系上のレーザポイント間の距離をセンサの先見距離Tという。
上記のように構成された溶接ロボットの制御装置10の作用を説明する。
まず、開先位置の検出を行うための教示方法について説明する。
開先検出は、図4に示すように、センシング点A1と、センシング点A1から指定距離だけセンサ取付け方向(すなわち、溶接進行方向)に平行移動した点A2においてそれぞれ開先位置の検出を行う。センシング点A1は第1センシング点、A2は第2センシング点に相当する。図4において、FOVは、レーザ変位センサLSの視野範囲を示している。レーザ変位センサLSは、この視野範囲FOVの測距データに基づいて開先位置を検出する。
CPU20は、センシング点A1、及び点A2を変換行列TTCを使用して、センサ座標系に変換した後に、レーザ変位センサLSが出力した検出点座標分をシフトした点をA1’(サーチ1点目),A2’(サーチ2点目)とする。
ここで、前記変換行列について説明する。
CPU20は、溶接線座標系の演算を行う。具体的には、CPU20は、図6(a)に示すように溶接進行方向として、点A1’、点A2’を含む進行方向ベクトル
CPU20は、センシング点A1において前記「開先検出&ポーズ演算命令」とともに教示データとして狙い角が教示される。図5に示すように狙い角は、溶接線座標系のY軸を基準(0度)として、Z軸左ネジ周りの角度で定義する。
又、CPU20は、センシング点A1において前記「開先検出&ポーズ演算命令」とともに教示データとして前進後退角が教示される。上記教示された前進後退角を反映させるため、CPU20は、図6(b)に示すように、溶接線座標系Z軸と垂直な姿勢を基準(0度)とし、Y軸右ネジ周りの角度で前進後退角(前進角又は後退角)を定義する。
(プログラムの例)
次に、教示モードで教示が行われてCPU20が生成し、記憶部23に読み出し可能に記憶した教示作業プログラムの例を図8〜10を参照して説明する。なお、説明の便宜上、ワークWとして、一対の鉄板がL字状に配置された隅肉継手の場合を説明するが、継手の種類は限定されるものではない。
ステップ6では、変数代入命令[P11,P1]の命令により、溶接開始点P1(開先点A1’)のポーズ変数を、アプローチ点P11に代入する。ポーズ成分代入命令は、指定したポーズ変数の成分を指定座標系上で変更する命令である。すなわち、ステップ7では、例えば、ポーズ成分代入命令[P11 M1,X+=50mm,ユーザ座標系1]は、マニピュレータM1用のアプローチ点P11を、溶接開始点(開先点A1’)からユーザ座標系1のX軸方向に50mm平行移動した位置を設定する。
ステップ9では、変数代入命令[P12,P2]の命令により、溶接終了点P2(開先点B1’)のポーズ変数を、退避点P12に代入する。
ステップ13では、直線補間命令により、教示された移動速度(例えば、7200cm/min)で、溶接開始点P1に直線補間する。このとき、CPU20は、ステップ3で記憶部23の所定記憶領域に格納したマニピュレータM1の各軸角度で、すなわち、反映された狙い角及び前進後退角で、溶接トーチ14は溶接開始点P1に位置させるようにマニピュレータM1を移動制御する。
本実施形態の溶接ロボットの制御装置10によれば、下記の特徴がある。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図11、12を参照して説明する。第2実施形態の制御装置10のハード構成は、第1実施形態と同一であるため、前記実施形態と同一構成については、同一符号を付して重複説明を省略し、ソフト的な構成の相違を中心に説明する。なお、本実施形態では、記憶部23は教示時に狙い角を記憶する姿勢記憶手段、及び保存手段に相当する。又、CPU20は、演算手段に相当する。
開先位置の検出を行うための教示は、教示点となるセンシング点に溶接トーチ14を位置させた状態で、位置決め命令又は直線補間命令を教示し、次に、「開先検出&ポーズ演算命令」、すなわち、開先検出とポーズ演算の処理命令を教示する。そして、上記のように「開先検出&ポーズ演算命令」があった場合、センシング点において、開先位置の検出、トーチ姿勢(狙い角)の算出、及び溶接線座標系の算出がそれぞれ行われる。
開先検出は、図11に示すように、センシング点A1において第1実施形態と同様に開先位置の検出を行う。なお、開先検出中は、すなわちセンシング点A1に溶接トーチ14が位置しているとき、マニピュレータM1は停止している。
(2.溶接線座標系の演算)
CPU20は、溶接線座標系の演算を行う。具体的には、CPU20は、図12に示すように、溶接線座標系のZ軸として、センサ座標系のXC軸とする。従って、開先の延びる方向とは一致しない。
(3.狙い角の反映)
CPU20は、センシング点A1において前記「開先検出&ポーズ演算命令」とともに教示データとして狙い角が教示される。この狙い角の反映は、第1実施形態と同様にCPU20は行う。
(4) 本実施形態の制御装置10は、センシング点A1におけるワークWの開先位置のセンサ座標系上の座標及び開先に対する角度を検出結果として取得するレーザ変位センサLS(位置センサ)を備える。制御装置10は、溶接トーチ14の開先に対する狙い角を記憶する記憶部23(姿勢記憶手段)を備える。又、制御装置10は、開先検出&ポーズ演算命令(1つの指令)に応じてレーザ変位センサLS(位置センサ)が取得した、センシング点A1の検出結果に基づき溶接線座標系を演算し、溶接線座標系に基づき狙い角となるマニピュレータM1の位置・姿勢を演算し、マニピュレータM1の位置・姿勢に基づき、逆演算してマニピュレータM1の各軸角度を求めるCPU20(演算手段)を備える。又、開先検出&ポーズ演算命令(1つの指令)に応じて前記各軸角度を保存する記憶部23(保存手段)を備える。この結果、本実施形態によれば、溶接線倣いが適用できないワークに対しても溶接トーチ14の狙い角のトーチ姿勢の自動調整ができ、ロボット言語プログラミングが不要となり、1つの命令により、数値指定に基づいて所望のトーチ姿勢が得られる。本実施形態によれば、溶接線座標系を活用しているため、溶接区間へのアプローチ点や退避点のみならず、溶接線に対する狙いオフセットも数値で簡単に設定できる。又、本実施形態によれば、基準となる位置からの相対ずれではなく、センシングしているワークWに対する絶対位置・姿勢が直接求められるため、基準となるワーク、いわゆるマスターワークが不要となり、マスターワークの管理の手間を低減できる。
(6) 本実施形態の教示作業プログラムは、コンピュータ(ロボット制御装置RC)を、溶接トーチ14の開先に対する狙い角を記憶する姿勢記憶手段としての機能させる。又、教示作業プログラムでは、コンピュータ(ロボット制御装置RC)を、開先検出&ポーズ演算命令(1つの指令)に応じて位置センサが取得した、センシング点A1の検出結果に基づき溶接線座標系を演算し、溶接線座標系に基づき狙い角となるマニピュレータM1の位置・姿勢を演算し、マニピュレータM1の位置・姿勢に基づき、逆演算して前記マニピュレータの各軸角度を求める演算手段として機能させる。又、教示作業プログラムは、開先検出&ポーズ演算命令(1つの指令)に応じて前記各軸角度を保存する保存手段として機能させる。この結果、上記(4)の効果を容易に実現できる。
・ 前記実施形態のレーザ変位センサLSは、ラインレーザセンサを使用したが、レーザをミラーに当てて走査するスキャニング型のレーザ変位センサに代えてもよい。
・ 前記実施形態において、直線補間命令に代えて、円弧補間命令等の他の補間命令であってもよい。
・ 第1実施形態では、指定距離は、予めティーチペンダントTPで入力するようにしたが、予め変数としてプログラム等に書込みされ、記憶部23に記憶されていてもよい。
RC…ロボット制御装置(制御手段、演算手段、姿勢記憶手段、距離記憶手段、保存手段)、A,B,A1,B1…センシング点、W…ワーク、
10…制御装置、13…アーム、14…溶接トーチ。
Claims (6)
- 溶接トーチとともにマニピュレータのアームに対して設けられ、第1センシング点及び第2センシング点におけるワークの開先位置のセンサ座標系上の座標及び前記開先に対する角度を検出結果として取得する位置センサと、前記溶接トーチの前記開先に対する狙い角及び前進後退角を記憶する姿勢記憶手段と、第1・第2センシング点間の距離を記憶する距離記憶手段と、1つの指令に応じて、前記マニピュレータを駆動制御し、前記距離に基づいて前記位置センサを第1センシング点から第2センシング点に移動させる制御手段と、前記指令に応じて前記位置センサが取得した、第1、第2センシング点の検出結果に基づき溶接線座標系を演算し、前記溶接線座標系に基づき前記狙い角及び前進後退角となるマニピュレータの位置・姿勢を演算し、前記マニピュレータの位置・姿勢に基づき、逆演算して前記マニピュレータの各軸角度を求める演算手段と、前記指令に応じて前記各軸角度を保存する保存手段を備えることを特徴とするアーク溶接ロボットの制御装置。
- 前記姿勢記憶手段は、教示時に入力された狙い角及び前進後退角を記憶することを特徴とする請求項1に記載のアーク溶接ロボットの制御装置。
- 溶接トーチとともにマニピュレータのアームに対して設けられ、第1センシング点及び第2センシング点におけるワークの開先位置のセンサ座標系上の座標及び前記開先に対する角度を検出結果として取得する位置センサを備えたアーク溶接ロボットの制御装置に使用されるプログラムであって、
コンピュータを、
前記溶接トーチの前記開先に対する狙い角及び前進後退角を記憶する姿勢記憶手段と、
第1・第2センシング点間の距離を記憶する距離記憶手段と、
1つの指令に応じて、前記マニピュレータを駆動制御し、前記距離に基づいて前記位置センサを第1センシング点から第2センシング点に移動させる制御手段と、
前記指令に応じて前記位置センサが取得した、第1、第2センシング点の検出結果に基づき溶接線座標系を演算し、前記溶接線座標系に基づき前記狙い角及び前進後退角となるマニピュレータの位置・姿勢を演算し、前記マニピュレータの位置・姿勢に基づき、逆演算して前記マニピュレータの各軸角度を求める演算手段と、
前記指令に応じて前記各軸角度を保存する保存手段として機能させるためのプログラム。 - 溶接トーチとともにマニピュレータのアームに対して設けられ、センシング点におけるワークの開先位置のセンサ座標系上の座標及び前記開先に対する角度を検出結果として取得する位置センサと、
前記溶接トーチの前記開先に対する狙い角を記憶する姿勢記憶手段と、
1つの指令に応じて前記位置センサが取得した、センシング点の検出結果に基づき溶接線座標系を演算し、前記溶接線座標系に基づき前記狙い角となるマニピュレータの位置・姿勢を演算し、前記マニピュレータの位置・姿勢に基づき、逆演算して前記マニピュレータの各軸角度を求める演算手段と、
前記指令に応じて前記各軸角度を保存する保存手段を備えることを特徴とするアーク溶接ロボットの制御装置。 - 前記姿勢記憶手段は、教示時に入力された狙い角を記憶することを特徴とする請求項4に記載のアーク溶接ロボットの制御装置。
- 溶接トーチとともにマニピュレータのアームに対して設けられ、センシング点におけるワークの開先位置のセンサ座標系上の座標及び前記開先に対する角度を検出結果として取得する位置センサを備えたアーク溶接ロボットの制御装置に使用されるプログラムであって、
コンピュータを、
前記溶接トーチの前記開先に対する狙い角を記憶する姿勢記憶手段と、
1つの指令に応じて前記位置センサが取得した、前記センシング点の検出結果に基づき溶接線座標系を演算し、前記溶接線座標系に基づき前記狙い角となるマニピュレータの位置・姿勢を演算し、前記マニピュレータの位置・姿勢に基づき、逆演算して前記マニピュレータの各軸角度を求める演算手段と、
前記指令に応じて前記各軸角度を保存する保存手段として機能させるためのプログラム。
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