JP2017170541A - 面取り装置及び面取り方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】上面層側にテラス形状を形成する加工においても、基板表層部の割れや酸化被膜層及び接合バッファー層の剥離等を無くし、劈開性のある被加工材に対しても低ダメージ加工とする。【解決手段】板状の被加工材Wの端面を研削する面取り装置において、研削ユニット50Bのスピンドル106に嵌合して固定された振動フランジ22と、振動フランジ22に内蔵されZ方向に超音波振動する圧電素子21と、外周の下面に砥石24が設けられ、振動フランジ22へ嵌合された砥石ホイール108と、を備え、砥石24に圧電素子21による超音波振動を与えながらZ方向に切り込んで被加工材Wの端面にテラスを形成する。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体基板として、貼り合わせウェーハや成膜層付ウェーハの上面層側の外周部に不可避に残存する未接着部を除去する処理、すなわちテラス形状を形成する加工を行うのに好適な面取り装置及び面取り方法に関する。
素子の高速化や低消費電力等の利点を有するSOIウェーハとしては、貼り合わせウェーハとして、酸化膜(絶縁膜)が形成された一枚のシリコンウェーハに、もう一枚のシリコンウェーハを貼り合わせ、この貼り合わせたシリコンウェーハの一方を研削・研磨してSOI層を形成したもの、シリコンウェーハの内部に酸素イオンを打ち込んだのち、高温アニールを行うことによって、シリコンウェーハの内部に埋め込み酸化膜を形成し、該酸化膜の上部をSOI層としたもの、SOI層側となるシリコンウェーハ(活性層側ウェーハ)の表層部に、水素イオン等を打ち込んでイオン注入層を形成したのち、支持基板用のシリコンウェーハと貼り合わせたもの、などが知られている。
また、ウェーハ上に回路の素材となる酸化シリコンやアルミニウムなどの薄膜を形成する方法としては、イオンをアルミニウムなどの金属にぶつけて分子や原子をはがし、ウェーハ上に堆積させるスパッタ法、銅配線を成膜する電気メッキ法、ウェーハの表面に特殊なガスを供給して化学反応を起こし、そこで生成された分子の層を膜とするCVD法、ウェーハを加熱することで表面に酸化シリコンの膜を形成する熱酸化、などが知られている。
貼り合わせウェーハや成膜層付ウェーハを製造する場合、剥離・離脱によるパーティクルの発生を防ぐため、貼り合わせウェーハの外周部に不可避に残存する未接着部を除去する処理、すなわちテラス部形成処理が必要とされている。つまり、2種以上の異なる材料特性を有する一体物ウェーハ(物理的に貼り合わせや結晶成長品)のエッジ近辺の結晶不安定領域、または形状ダレ等デバイス特性を低下させる要因となる部分を面取り機にて除去加工が行われている。
そこで、面取り部におけるキズの発生や面取り形状の崩れなしに、活性層側ウェーハのテラス部品質を改善した貼り合わせウェーハを安価に得るため、貼り合わせ強化熱処理後、平面研磨またはエッチングにより活性層側ウェーハを薄膜化したのち、支持基板ウェーハに対し、鏡面面取り加工とテラス加工を行うことが知られ、例えば、特許文献1に記載されている。
また、半導体装置や電子部品等の素材となるウェーハや、様々な形状の脆性材料の板状体、例えば、サファイヤ、SiC(シリコンカーバイド)、GaN(窒化ガリウム)、LT(タンタル酸リチウム)、LN(ニオブ酸リチウム)等の化合物半導体、酸化物の板状体でのウェーハは、スライシング装置でスライスされた後、その周縁の割れや欠け等を防止するために外周部に面取り加工が行われる。
さらに、脆性材料の板状体(ワーク)に対しても、割れや欠けを生じさせることなく、高精度の面取り加工を可能にし、高精度の仕上げ加工を可能にするため、板状体に超音波振動を与えて面取り加工を行うことが知られ、例えば、特許文献2に記載されている。
特開2010−135662号公報 特開2015−174180号公報
上記従来技術において、特許文献1に記載のものでは、活性層側ウェーハを薄膜化した支持基板ウェーハには良いが、2種以上の異なる材料特性を有する一体物ウェーハ(物理的に貼り合わせや結晶成長品)のエッジ近辺の結晶不安定領域、または形状ダレ等でデバイス特性を低下させる要因となる部分には適用が困難である。
そこで、ウェーハに超音波振動を与えて加工を行うことが良いが、単に、特許文献2に記載のように行っただけでは、十分ではない。
特に、ウェーハの厚さ方向、いわゆるZ切り込み(スラスト方向送り)では、ワークを砥石回転状態でインフィードさせると上層部が薄膜化したとき割れやすい。さらに、この切り込み方向では、接触面積も多いため砥石が目詰まりしやすい。さらに、ウェーハにスラスト荷重がかかるので圧縮応力が発生し、フィルム加工に近い状態となり、劈開することが多い。さらに、クーラントが研削面全体に回らず潤滑不良になり、スラッジ排出性が低下する。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、特に、Z切り込みによるテラス形状の形成、上面層側にテラス形状を形成する加工においても、基板表層部の割れや酸化被膜層及び接合バッファー層の剥離等を無くし、劈開性のあるワーク(被加工材)に対しても低ダメージ加工とすることにある。また、低ダメージ加工によって砥石切れ味を要因とする研削性能維持、あるいは砥石形状の精度維持を図ることにある。
上記目的を達成するため、本発明は、板状の被加工材の端面を研削する面取り装置において、研削ユニットのスピンドルに嵌合して固定された振動フランジと、前記振動フランジに内蔵されZ方向に超音波振動する圧電素子と、外周の下面に砥石が設けられ、前記振動フランジに嵌合された砥石ホイールと、を備え、前記砥石に前記圧電素子による超音波振動を与えながらZ方向に切り込んで前記被加工材の端面にテラスを形成するものである。
さらに、上記において、前記砥石は外周部に上側が大きく下側が小さくなったテーパ部が形成されたことが望ましい。
さらに、上記において、前記テーパ部は水平平面から90°以上150°以内のテーパとされたことが望ましい。
さらに、上記において、前記砥石は前記砥石ホイールの円周方向に複数に分割されて配置され、分割された個々の間に排出孔が設けられたことが望ましい。
さらに、上記において、前記砥石ホイールは前記振動フランジへテーパ嵌合されたことことが望ましい。
さらに、上記において、前記圧電素子は前記スピンドルに設けられたスリップリングを介して駆動する電源が供給されたことが望ましい。
さらに、上記のものにおいて、前記圧電素子は円環形状とされ、前記振動フランジに内蔵されたことが望ましい。
また、本発明は、板状の被加工材の端面にテラス形状を形成する面取り方法であって、外周部に上側が大きく下側が小さくなったテーパ部が形成された砥石にZ方向に超音波振動を与えながらZ方向に切り込んで前記被加工材の端面にテラスを形成するものである。
また、本発明は、支持基板の上層が活性層とされたウェーハの前記活性層側にテラス形状を形成する面取り方法であって、外周部に上側が大きく下側が小さくなったテーパ部が形成された砥石にZ方向に超音波振動を与えながらZ方向に切り込んで前記テラス形状を形成するものである。
さらに、上記の方法において、前記活性層を除去して前記支持基板を再利用することが望ましい。
本発明によれば、研削ユニットのスピンドルに振動フランジを固定し、圧電素子で砥石にZ方向(厚さ方向)に超音波振動を与えながら、Z方向に切り込んで被加工材の端面にテラスを形成するように研削するので、超音波振動方向と切り込み方向が一致し、上面層側からテラス形状を形成する加工において、切り込み方向に対して平行面となる側にキャビテーションを起こし、切り込み方向に対して垂直な加工面の低ダメージ加工を実現できる。
したがって、垂直面となる表層部の割れや酸化被膜層及び接合バッファー層の剥離等を無くすことができると共に、研削面の洗浄、研削屑の排出を促進し、研削性能維持、あるいは砥石形状の精度維持を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る主要部を示す正面図 図1における要部の拡大図 本発明の一実施形態に係る主要部を示す平面図 本発明の一実施形態に係る砥石ホイールの表面に垂直な断面図及び平行な断面図 本発明の一実施形態に係るZ切り込みの手順を示す説明図 Z方向切り込みで超音波振動を与えない場合の除去量及びスピンドル電流の時間変化を示すグラフ 本発明の一実施形態に係るZ方向切り込みで超音波振動を与えた場合の除去量及びスピンドル電流の時間変化を示すグラフ
以下に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態に係る面取り装置の主要部を示す正面図、図3は平面図であり、図2は、図1における要部の拡大図、図4は、砥石ホイール108の表面に垂直な断面図及び平行な断面図である。
面取り装置50は、超音波振動を利用して、ウェーハや様々な形状の脆性材料の板状体(ワーク)、例えば、サファイヤ、SiC(シリコンカーバイド)、GaN(窒化ガリウム)、LT(タンタル酸リチウム)等の化合物半導体、酸化物のワークの外周部の面取り加工を行う装置である。ただし、必ずしも脆性材料の板状体に限らず、任意材料の板状体の外周部の面取り加工を行うことも可能である。以下において、面取り加工を行うワークをウェーハであるものとして説明する。
図に示すように面取り装置50は、ウェーハ送りユニット50Aと研削ユニット50Bとから構成される。ウェーハ送りユニット50Aの水平に配設されたベースプレート51上には、一対のY軸ガイドレール52、52が所定の間隔をもって敷設される。この一対のY軸ガイドレール52、52上にはY軸リニアガイド54、54、…を介してY軸テーブル56がスライド自在に支持される。
Y軸テーブル56の下面にはナット部材58が固着されており、ナット部材58にはY軸ボールネジ60が螺合される。Y軸ボールネジ60は、一対のY軸ガイドレール52、52の間において、その両端部がベースプレート51上に配設された軸受部材62、62に回動自在に支持されており、その一端にY軸モータ64が連結される。
Y軸モータ64を駆動することによりY軸ボールネジ60が回動し、ナット部材58を介してY軸テーブル56がY軸ガイドレール52、52に沿って水平方向(Y軸方向)にスライド移動する。
Y軸テーブル56上には、一対のY軸ガイドレール52、52と直交するように一対のX軸ガイドレール66、66が敷設される。この一対のX軸ガイドレール66、66上にはX軸リニアガイド68、68、…を介してX軸テーブル70がスライド自在に支持される。
X軸テーブル70の下面にはナット部材72が固着されており、ナット部材72にX軸ボールネジ74が螺合される。X軸ボールネジ74は、一対のX軸ガイドレール66、66の間において、その両端部がX軸テーブル70上に配設された軸受部材76、76に回動自在に支持されており、その一方端に不図示のX軸モータの出力軸が連結される。したがって、X軸モータを駆動することによりX軸ボールネジ74が回動し、ナット部材72を介してX軸テーブル70がX軸ガイドレール66、66に沿って水平方向(X軸方向)にスライド移動する。
X軸テーブル70上には、垂直にZ軸ベース80が立設されており、Z軸ベース80に
は一対のZ軸ガイドレール82、82が所定の間隔をもって敷設される。この一対のZ軸
ガイドレール82、82にはZ軸リニアガイド84、84を介してZ軸テーブル86がス
ライド自在に支持される。
Z軸テーブル86の側面にはナット部材88が固着されており、ナット部材88にZ軸
ボールネジ90が螺合される。Z軸ボールネジ90は、一対のZ軸ガイドレール82、82の間において、その両端部がZ軸ベース80に配設された軸受部材92、92に回動自在に支持されており、その下端部にZ軸モータ94の出力軸が連結される。
Z軸モータ94を駆動することによりZ軸ボールネジ90が回動し、ナット部材88を介してZ軸テーブル86がZ軸ガイドレール82、82に沿って鉛直方向(Z軸方向)にスライド移動する。Z軸テーブル86上にはθ軸モータ96が設置される。
θ軸モータ96の出力軸にはZ軸に平行なθ軸(回転軸θ)を軸心とするθ軸シャフト98が連結されており、このθ軸シャフト98の上端部に吸着テーブル(保持台)10が水平に連結される。テラス面取りされるウェーハWは、吸着テーブル10上に載置されて、真空吸着によって保持される。
ウェーハ送りユニット50Aにおいて、吸着テーブル10は、Y軸モータ64を駆動することにより図中Y軸方向に水平移動し、X軸モータを駆動することにより図中X軸方向に水平移動する。そして、Z軸モータ94を駆動することにより図中Z軸方向に垂直移動し、θ軸モータ96を駆動することによりθ軸回りに回転する。
研削ユニット50Bのベースプレート51上には架台102が設置される。架台102上には外周モータ104が設置されており、この外周モータ104の出力軸にはZ軸に平行な回転軸CHを軸心とするスピンドル106が連結される。ウェーハWの外周部を面取り加工する砥石ホイール108は、スピンドル106に着脱可能に装着され、外周モータ104に駆動されることにより回転する。砥石ホイール108にウェーハWが接触する加工点に向けてクーラント(研削液)を吐出するノズル121(図3)が設けられる。
以上のごとく構成された面取り装置50において、ウェーハWは次のように面取り加工される。面取り加工の実施前の準備工程として、面取り加工するウェーハWを吸着テーブル10上に載置して吸着保持する。そして、外周モータ104とθ軸モータ96とを駆動して、砥石ホイール108と吸着テーブル10とを共に同方向に高速回転させる。例えば、砥石ホイール108の回転速度を3000rpmとし、吸着テーブル10の回転速度を、ウェーハWの外周速度が5mm/secとなる速さとする。
また、Z軸モータ94を駆動して吸着テーブル10の高さを調整してウェーハWの高さを砥石ホイール108の研削溝の高さに対応させる。更に、X軸モータを駆動して、ウェーハWの回転軸となるθ軸(回転軸θ)と、砥石ホイール108の回転軸CHとのX軸方向の位置を一致させる。
次に、面取り加工の実施工程として、Y軸モータ64を駆動して、ウェーハWを砥石ホイール108に向けて送る。そして、ウェーハWの外周部が砥石ホイール108に当接する直前で減速し、その後、低速でウェーハWを砥石ホイール108に向けて送る。これにより、ウェーハWの外周部が砥石ホイール108に摺接し、次に説明するように、微小量ずつ研削されて面取り加工される。また、ノズル121から加工点に向けてクーラントを吐出し、加工点の冷却と共に、研削屑や砥石の磨耗粉(破砕・脱落した砥粒)の排出が行われる。
そして、ウェーハWの外周部が研削溝の最深部に到達して所定時間が経過すると面取り加工を終了し、ウェーハWを砥石ホイール108から離間する方向に移動させてウェーハWを回収する位置に移動させる。
図2は、図1における要部の拡大図であり、22は振動フランジであり、円環形状でリング型の圧電素子21を内蔵し、スピンドル106に嵌合して固定される。砥石ホイール108は、振動フランジ22へ振動ロスが生じないようにテーパ嵌合されている。
また、リング型の圧電素子21の大きさは、その最外周が砥石24の最内周に近づくような大きさとされている。さらに、リング型の圧電素子21は、スピンドル106に設けられた高回転に耐えるスリップリング23を介して駆動する電源が供給され、図で上下方向、つまりZ方向に超音波振動する。
なお、超音波とは、例えば、20kHz以上の周波数の音波であり、リング型圧電素子21は、20kHzの周波数の超音波によりZ方向に振動する。ただし、20kHz以上の周波数の超音波で振動させてもよい。また、加工条件等によっては20kHzよりも低い周波数の音波であってもよい。
図4の上図は砥石ホイール108の表面に垂直な断面図であり、下図は砥石ホイール108の表面に平行な断面図である。図4は、砥石ホイール108を示し、その外周の下面に砥石24が設けられている。砥石24は、その外周部に上側が大きく下側が小さくなった水平平面から90°以上150°以内のテーパとされたテーパ部26が形成されている。また、砥石24は、砥石ホイール108の円周方向にセグメント化、つまり複数に分割されており、分割された個々の間には研削屑等を排出する排出孔25が設けられている。
図5は、Z切り込み(スラスト方向送り)の手順を示す説明図であり、貼り合わせウェーハの上層である活性層30あるいは接着層31までを除去し、支持基板32は加工を実施しない場合を示し、次のような場合に適している。活性層30と支持基板32との中間層は、熱硬化性やUV接着剤で接合して接着層31とされ、機械的な接合強度が高い。活性層30は比較的に材料強度が高い材質(Si)や活性層側の仕上げ厚みが厚い。成膜で活性層30を形成する場合もあるが、膜厚が厚く材料強度的にも強固になっている。
最終的に貼り合わせを剥離して活性層30のみを使用し、支持基板32は製造工程中の総合材料強度の確保や、成膜母材としてのみに寄与させ、リサイクルして再利用する。支持基板32はガラスやアルミナ系焼結体等コストや成形性、耐摩耗性が高い等であり、デバイス特性に寄与しない。
まず、(b)に示すように、成膜による厚み誤差が大きい場合は活性層30の上平面を平滑化する。次に(c)のように面取り装置により、超音波振動をZ方向に与えながらZ方向に切り込みを開始する。つまり、自転する被研削物(ワーク)に対し回転した砥石24を上から下降させ、指定した厚みになるまで研削するインフィードを行う。
砥石24は、メッシュサイズが#400〜#800程度のメタルボンドであり、砥石24の寿命や加工品質を考慮して調整する。砥石側のスピンドル回転数は、1000〜4000rpm、ワーク側の回転数は、50〜200rpm、切り込み速度は、0.1〜5mm/secが望ましいが、材料により適切に選択する。
次に(d)において砥石24のテーパ部は、水平平面から90°以上150°以内とし、材料強度が高い活性層30に対して加工性をよくするキャビテーション効果を促進できる。そして、活性層30のテラスが形成され、接着層31まで除去する。次に(e)のように支持基板32及び接着層31を剥離するか、剥離前あるいは後にダイシングしてチップ化する。
以上のように、加工砥石に超音波振動を伝搬させることにより、キャビテーション効果によって、クーラントが入りにくい、スラッジが排出され難い、ことによる加工点への目詰まりを防止できる。特に、Z方向への切り込みにおいて、超音波振動をZ方向に与えることと、Z方向に先細りとなったテーパ部とを有することにより、テーパ部ではキャビテーションを効果的に与えることができる。したがって、切り込み方向に対して垂直面となる図5で水平な加工面に至るまで研削面の洗浄、研削屑の排出を促進し、研削砥粒の突出し量を安定的に確保されて加工品質が向上する。
また、送り方向(除去方向)であるZ方向への砥粒を振動させるので、元々の切削能力と砥粒の振動加速運動が追加され、研削性能が向上する。そして、テーパ部を設けたことにより、研削抵抗がZ切り込みの方向に対して横方向となる水平方向に分力となることで、加工時の押し込み力を抑制し、被研削物(ワーク)に対する曲げ荷重を小さくすることができる。
これにより、Z方向への低ダメージ加工とすることができ、劈開性のあるワークに対しても割れない加工を実現することができる。特に、2種以上の異なる材料特性を有する一体物ウェーハ(物理的に貼り合わせや結晶成長品)の上面層側に、Z方向からテラス形状を形成する加工においても、基板表層部の割れや酸化被膜層及び接合バッファー層の剥離等を無くすことができる。
また、切り込み方向と超音波振動方向を合わせることで、超音波振動方向及び切り込み方向に対して平行面となる側にキャビテーションを起こし、垂直面となる表面の脆性面側にはキャビテーションによるダメージが発生しない。そして、切り込み方向に対して垂直な方向を振動方向にすれば研削性能を優先することができ、キャビテーションと切込みの方向を、粗加工、精加工などの用途別に使い分けすることができる。これにより、砥粒への潤滑不良と加工負荷が分散される事により、砥石の形状維持性能が向上し、ワーク品質の安定化、砥石ライフの向上を図ることができる。
さらに、砥粒の運動性が高まることにより加工能率向上し、通常加工速度よりもより速い加工スピードが実現する。また目詰まり防止と加工性能が向上する事で、接触面積の広い砥石が採用できるので、形状精度と砥石ライフを向上できる。
図6は、従来技術のように、Z方向切り込みで超音波振動を与えない場合の除去量及びスピンドル電流の時間変化を示すグラフであり、加工時間の経過と共にスピンドル電流が増加し、目詰まりが進行していることが分かる。なお、この例では加工送り速度が0.1μm/s程度で除去量が20μm程度で行っており、これ以上に加工送り速度、除去量を大きくすることは加工品質等から困難であった。
図7は、Z方向切り込みで超音波振動を与えた場合の除去量及びスピンドル電流の時間変化を示すグラフである。加工条件は、砥石24がメッシュサイズ#600のメタルボンド、超音波振動20kHz振幅2μm、スピンドル回転数1000rpm、ワーク側の回転数100rpm、として行った。
加工時間の経過と共にスピンドル電流が増加することは認められず安定し、除去も良好に進行している。また、この例では加工送り速度が0.8μm/s程度で除去量が45μm程度で行っており、図6のものと比べて加工時間も短縮でき、加工品質も向上し、基板表層部の割れや酸化被膜層及び接合バッファー層の剥離等も生じていない。
W ウェーハ(被加工材)
10 吸着テーブル
21 圧電素子
22 振動フランジ
23 スリップリング
24 砥石
25 排出孔
26 テーパ部
30 活性層
31 接着層
32 支持基板
50 面取り装置
50A ウェーハ送りユニット
50B 研削ユニット
106 スピンドル
108 砥石ホイール

Claims (10)

  1. 板状の被加工材の端面を研削する面取り装置において、
    研削ユニットのスピンドルに嵌合して固定された振動フランジと、
    前記振動フランジに内蔵されZ方向に超音波振動する圧電素子と、
    外周の下面に砥石が設けられ、前記振動フランジに嵌合された砥石ホイールと、
    を備え、
    前記砥石に前記圧電素子による超音波振動を与えながらZ方向に切り込んで前記被加工材の端面にテラスを形成することを特徴とする面取り装置。
  2. 前記砥石は外周部に上側が大きく下側が小さくなったテーパ部が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の面取り装置。
  3. 前記テーパ部は水平平面から90°以上150°以内のテーパとされたことを特徴とする請求項2に記載の面取り装置。
  4. 前記砥石は前記砥石ホイールの円周方向に複数に分割されて配置され、分割された個々の間に排出孔が設けられたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の面取り装置。
  5. 前記砥石ホイールは前記振動フランジへテーパ嵌合されたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の面取り装置。
  6. 前記圧電素子は前記スピンドルに設けられたスリップリングを介して駆動する電源が供給されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の面取り装置。
  7. 前記圧電素子は円環形状とされ、前記振動フランジに内蔵されたことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の面取り装置。
  8. 板状の被加工材の端面にテラス形状を形成する面取り方法であって、外周部に上側が大きく下側が小さくなったテーパ部が形成された砥石にZ方向に超音波振動を与えながらZ方向に切り込んで前記被加工材の端面にテラスを形成することを特徴とする面取り方法。
  9. 支持基板の上層が活性層とされたウェーハの前記活性層側にテラス形状を形成する面取り方法であって、外周部に上側が大きく下側が小さくなったテーパ部が形成された砥石にZ方向に超音波振動を与えながらZ方向に切り込んで前記テラス形状を形成することを特徴とする面取り方法。
  10. 前記活性層を除去して前記支持基板を再利用することを特徴とする請求項9に記載の面取り方法。
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