JP2017169397A - 回転電機の絶縁積層板構造体およびその製造方法 - Google Patents

回転電機の絶縁積層板構造体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】樹脂絶縁部が積層鉄心の表面から離れることを防ぐことができる回転電機の絶縁積層板構造体を得る。【解決手段】鋼板312が積層された積層鉄心301aと、積層鉄心301aの表面を覆う樹脂絶縁部302とを備えた回転電機の絶縁積層回転子1であって、積層鉄心301aは、蟻溝320aが側面に形成された切欠き鋼板313aを有し、切欠き鋼板313aにおける蟻溝320aが形成されている側面は、樹脂絶縁部302に覆われている。【選択図】図9

Description

この発明は、回転電機の絶縁積層板構造体およびその製造方法に関する。
従来、プレス金型を用いて電磁鋼板を打ち抜くことによって形成される鋼板を複数枚積層することによって構成される積層鉄心に、コイルと積層鉄心との電気的導通を防止するための樹脂材料から構成される樹脂絶縁部を一体成形することで形成された回転電機の絶縁積層板構造体が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−98473号公報
しかしながら、積層鉄心に樹脂絶縁部を一体成形した後に、樹脂が硬化する過程において、樹脂の収縮および変形によって樹脂絶縁部が積層鉄心の表面から離れてしまい、その結果、回転電機の絶縁積層板構造体の寸法精度が低下してしまうという問題点があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、樹脂絶縁部が積層鉄心の表面から離れることを防ぐことができる回転電機の絶縁積層板構造体およびその製造方法を提供するものである。
この発明に係る回転電機の絶縁積層板構造体は、鋼板が積層された積層鉄心と、積層鉄心の表面を覆う樹脂絶縁部とを備えた回転電機の絶縁積層板構造体であって、積層鉄心は、溝が側面に形成された切欠き鋼板を有し、切欠き鋼板における溝が形成されている側面は、樹脂絶縁部に覆われている。
この発明に係る回転電機の絶縁積層板構造体によれば、鋼板が積層された積層鉄心と、積層鉄心の表面を覆う樹脂絶縁部とを備えた回転電機の絶縁積層板構造体であって、積層鉄心は、溝が側面に形成された切欠き鋼板を有し、切欠き鋼板における溝が形成されている側面は、樹脂絶縁部に覆われているので、積層鉄心に樹脂絶縁部を一体成形した後に、樹脂が硬化する過程において、溝に流れ込んだ樹脂が樹脂抜け止め部となり、被覆絶縁部が積層鉄心の表面から離れることを防止することができる。
この発明の実施の形態1に係る絶縁積層回転子を示す斜視図である。 図1の絶縁積層回転子を示す分解斜視図である。 図1の積層鉄心を示す斜視図である。 図3の鋼板を示す平面図である。 図3の切欠き鋼板を示す平面図である。 図1の絶縁積層回転子を示す平面図である。 図6のVII−VII線に沿った断面を示す斜視図である。 図1の絶縁積層回転子を示す側面図である。 図8のIX−IX線に沿った矢視断面図である。 図5の蟻溝の変形例を示す平面図である。 図10の蟻溝の変形例を示す平面図である。 図11の蟻溝の変形例を示す平面図である。 図5の蟻溝の変形例を示す平面図である。 図13の蟻溝の変形例を示す平面図である。 図14の蟻溝の変形例を示す平面図である。 図5の蟻溝の変形例を示す平面図である。 図16の蟻溝の変形例を示す平面図である。 図17の蟻溝の変形例を示す平面図である。 図5の蟻溝の変形例を示す平面図である。 図19の蟻溝の変形例を示す平面図である。 図19の蟻溝の変形例を示す平面図である。 図20の蟻溝の変形例を示す平面図である。 図19の蟻溝の変形例を示す平面図である。 図20の蟻溝の変形例を示す平面図である。 インシュレータ一体成形工程における樹脂注入位置および樹脂抜け止め部の断面を示す斜視図である。 図3の積層鉄心の変形例を示す斜視図である。 図26の切欠き鋼板を示す平面図である。 図1の絶縁積層回転子の変形例を示す平面図である。 図28のXXIX−XXIX線に沿った断面を示す斜視図である。 図28の絶縁積層回転子を示す側面図である。 図30のXXXI−XXXI線に沿った矢視断面図である。 図3の積層鉄心の変形例を示す斜視図である。 図32の切欠き鋼板を示す平面図である。 図1の絶縁積層回転子の変形例を示す平面図である。 図34のXXXV−XXXV線に沿った断面を示す斜視図である。 図34の絶縁積層回転子を示す側面図である。 図36のXXXVII−XXXVII線に沿った矢視断面図である。 この発明の実施の形態2に係る絶縁積層固定子の要部を示す斜視図である。 図38の絶縁分割積層鉄心を示す拡大図である。 図38の絶縁分割積層鉄心を示す斜視図である。 図38の分割積層鉄心を示す斜視図である。 図41の鋼板を示す平面図である。 図41の切欠き鋼板を示す平面図である。 図40の絶縁分割積層鉄心を示す平面図である。 図44のXLV−XLV線に沿った断面を示す斜視図である。 図44の絶縁分割積層鉄心を示す側面図である。 図46のXLVII−XLVII線に沿った矢視断面図である。 インシュレータ一体成形工程における樹脂注入位置および樹脂抜け止め部の断面を示す斜視図である。 図40の絶縁分割積層鉄心の変形例を示す斜視図である。 図49の分割積層鉄心を示す斜視図である。 図50の切欠き鋼板を示す平面図である。 図49の絶縁分割積層鉄心を示す平面図である。 図52のLIII−LIII線に沿った矢視断面図である。 図49の絶縁分割積層鉄心を示す側面図である。 図54のLV−LV線に沿った矢視断面図である。 図40の絶縁分割積層鉄心の変形例を示す斜視図である。 図56の分割積層鉄心を示す斜視図である。 図57の切欠き鋼板を示す平面図である。 図57の絶縁分割積層鉄心を示す平面図である。 図59のLX−LX線に沿った矢視断面図である。 図56の絶縁分割積層鉄心を示す側面図である。 図61のLXII−LXII線に沿った矢視断面図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る絶縁積層回転子を示す斜視図である。この実施の形態1では、回転電機の絶縁積層板構造体として、絶縁積層回転子1を例に説明する。絶縁積層回転子1は、回転軸となるシャフト2と、シャフト2に固定される絶縁積層鉄心3とを備えている。
図2は図1の絶縁積層回転子1を示す分解斜視図である。絶縁積層鉄心3は、積層鉄心301aと、積層鉄心301aの表面に設けられた樹脂絶縁部302とを備えている。樹脂絶縁部302は、例えば、PPS、LCP、PBT、POM、PA、PETなどの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、または、BMCなどの熱硬化性樹脂から構成される。絶縁積層鉄心3は、積層鉄心301aに樹脂絶縁部302が一体成形されることによって形成される。
絶縁積層回転子1を製造する方法としては、樹脂絶縁部302を積層鉄心301aに一体成形した後にシャフト2を積層鉄心301aに組み立てる方法と、積層鉄心301aにシャフト2を組み立てた後に樹脂絶縁部302を積層鉄心301aに一体成形する方法とが挙げられ、いずれの方法であってもよい。
樹脂絶縁部302には、図示しないコイルが取り付けられる。樹脂絶縁部302は、絶縁積層鉄心ティース先端部303と、絶縁積層鉄心ティース巻装部304と、絶縁積層鉄心ティース側面部305と、樹脂外周部306とを有している。図示しないコイルは、絶縁積層鉄心ティース巻装部304と、絶縁積層鉄心ティース側面部305とに巻き回される。絶縁積層鉄心3と図示しないコイルとは、樹脂絶縁部302を介して電気的に絶縁される。
図3は図1の積層鉄心301aを示す斜視図である。積層鉄心301aは、シャフト2が挿入される貫通孔が形成された積層鉄心中央部307と、積層鉄心中央部307から径方向外側に突出する積層鉄心ティース部308と、積層鉄心ティース部308の径方向外側端部に設けられ、周方向に突出する積層鉄心ティース先端部309とを有している。この例では、径方向とは絶縁積層鉄心3の軸線を中心とした径方向である。また、この例では、周方向とは絶縁積層鉄心3の軸線を中心とした周方向である。積層鉄心ティース部308は、周方向を向く一対の積層鉄心ティース側面部310を有している。積層鉄心ティース先端部309は、径方向外側を向く積層鉄心外周部311を有している。積層鉄心外周部311は、積層鉄心301aの外周部を構成する。
積層鉄心301aは、複数枚の鋼板312と、少なくとも一枚の切欠き鋼板313aとが積層されることによって構成されている。図3では、積層鉄心301aが一枚の切欠き鋼板313aを備えている例を示している。切欠き鋼板313aが鋼板312に挟まれて積層されることによって、積層鉄心ティース側面部310には、抜け止め溝314aが形成されている。
図4は図3の鋼板312を示す平面図である。所望の形状に切り出される鋼板312は、シャフト2が挿入される貫通孔が形成された鋼板中央部315と、鋼板中央部315から径方向外側に突出する鋼板ティース部316と、鋼板ティース部316の径方向外側端部に設けられ、周方向に突出する鋼板ティース先端部317とを有している。鋼板ティース部316は、周方向を向く鋼板ティース側面部318を有している。鋼板ティース先端部317は、径方向外側を向く鋼板外周部319を有している。
図5は図3の切欠き鋼板313aを示す平面図である。切欠き鋼板313aは、一対の鋼板ティース側面部318のそれぞれに溝である蟻溝320aが形成されている。鋼板ティース側面部318は、切欠き鋼板313aにおけるティース側面部となる。切欠き鋼板313aにおけるその他の構成は、鋼板312と同様である。蟻溝320aは、例えば、凹み寸法が1.0mm〜2.0mm、幅寸法が2.0mmとなっている。図3に示すように、複数枚の鋼板312および切欠き鋼板313aを積層することによって、積層鉄心ティース側面部310に抜け止め溝314aが形成された積層鉄心301aが得られる。
図6は図1の絶縁積層回転子1を示す平面図、図7は図6のVII−VII線に沿った断面を示す斜視図である。樹脂絶縁部302は、複数枚の鋼板312と切欠き鋼板313aとが積層されて形成される抜け止め溝314aに設けられ、射出成形された樹脂が硬化して一体化した樹脂抜け止め部321aを有している。
図8は図1の絶縁積層回転子1を示す側面図、図9は図8のIX−IX線に沿った矢視断面図である。積層鉄心ティース側面部310の抜け止め溝314aに射出成形された樹脂が硬化することにより、樹脂抜け止め部321aが形成される。抜け止め溝314aは、蟻溝320aの形状で切り出されているので、絶縁積層鉄心ティース側面部305の樹脂製薄膜と積層鉄心301aの表面とが積層鉄心ティース側面部310の表面に対して垂直な方向に離れることがなく、これにより、絶縁積層鉄心ティース側面部305と積層鉄心301aとの間に隙間322aが生じることを防止することができる。この効果により、巻線領域323aが抑制されることを防止することができ、高い性能を有する回転電機を得ることができる。なお、蟻溝320aの形状は、図示する形状に限らない。
以下、切欠き鋼板313aにおける蟻溝320aの形状について説明する。図10は図5の蟻溝320aの変形例を示す平面図である。蟻溝320aは、蟻溝320aの開口部324の幅方向の寸法が切欠き鋼板313aの板厚寸法と同等以上で、蟻溝320aの開口部324の幅方向の寸法より大きい直径寸法の円形状部325を有することで、蟻溝320aの開口部324に抜け止めの鍔部326を形成することができる。例えば、板厚寸法が0.5mmの切欠き鋼板313aの場合、蟻溝320aの開口部324の幅方向の寸法が0.5mm〜0.8mm、円形状部325の直径寸法が1.0mm〜1.5mm、鍔部326の幅寸法が0.25mm〜0.5mmとなる。
開口部324の中心線と円形状部325の中心線とは必ずしも一致する必要はない。図11は図10の蟻溝320aの変形例を示す平面図である。例えば、開口部324の中心線327から円形状部325の中心線328を0.2mmだけオフセットして配置してもよい。図12は図11の蟻溝320aの変形例を示す平面図である。例えば、円形状部325が開口部324の中心線327を中心として片側にのみ配置されるように、非対称な形状で円形状部325が配置されてもよい。
図13は図5の蟻溝320aの変形例を示す平面図である。蟻溝320aは、矩形であっても同様の効果を得ることができる。蟻溝320aの開口部329の幅方向の寸法が切欠き鋼板313aの板厚寸法と同等以上で、蟻溝320aの開口部329の幅方向の寸法より大きい矩形幅寸法の矩形状部330を有することで、蟻溝320aの開口部329に抜け止めの鍔部331を形成することができる。例えば、板厚寸法が0.5mmの切欠き鋼板313aの場合、蟻溝320aの開口部329の幅方向の寸法が0.5mm〜0.8mm、矩形状部330の幅方向の寸法が1.0mm〜1.5mm、鍔部331の幅寸法が0.25mm〜0.5mmとなる。
開口部329の中心線と矩形状部330の中心線とは必ずしも一致する必要はない。図14は図13の蟻溝320aの変形例を示す平面図である。例えば、開口部329の中心線332から矩形状部330の中心線333を0.2mmだけオフセットして配置してもよい。図15は図14の蟻溝320aの変形例を示す平面図である。例えば、矩形状部330が開口部329の中心線332を中心として片側にのみ配置されるように、非対称な形状で矩形状部330が配置されてもよい。
図16は図5の蟻溝320aの変形例を示す平面図である。蟻溝320aは、三角形であっても同様の効果を得ることができる。蟻溝320aの開口部334の幅方向の寸法が切欠き鋼板313aの板厚寸法と同等以上で、蟻溝320aの開口部334の幅方向の寸法より大きい幅寸法の三角形状部335を有することで、蟻溝320aの開口部334に抜け止めの鍔部336を形成することができる。例えば、板厚寸法が0.5mmの切欠き鋼板313aの場合、蟻溝320aの開口部334の幅方向の寸法が0.5mm〜0.8mm、三角形状部335の幅方向の寸法が1.0mm〜1.5mm、鍔部336の幅寸法が0.25mm〜0.5mmである。
開口部334の中心線と三角形状部335の中心線とは必ずしも一致する必要はない。図17は図16の蟻溝320aの変形例を示す平面図である。例えば、開口部334の中心線337から三角形状部335の中心線338を0.2mmだけオフセットして配置してもよい。図18は図17の蟻溝320aの変形例を示す平面図である。例えば、三角形状部335が開口部334の中心線337を中心として片側にのみ配置されるように、非対称な形状で三角形状部335が配置されてもよい。
蟻溝320aは、切欠き鋼板313aの輪郭を荒く切り出し、微細な突起または凹みを設けることによっても同様の効果を得ることができる。図19は図5の蟻溝320aの変形例を示す平面図である。積層鉄心ティース側面部310の表面に対して垂直な開口溝側面339の片方の面または両面に、半円形状の突起340aを配置することで、抜け止め形状を形成することができる。例えば、板厚寸法が0.5mm〜0.8mmの切欠き鋼板313aの場合、半円形状の突起340aの直径寸法が0.5mm〜0.8mmとなる。図20は図19の蟻溝320aの変形例を示す平面図である。積層鉄心ティース側面部310の表面に対して垂直な開口溝側面339の片方の面または両面に、半円形状の凹み341aを配置することで抜け止め形状を形成することができる。例えば、板厚寸法が0.5mmの切欠き鋼板313aの場合、半円形状の凹み341aの直径寸法が0.5mm〜0.8mmとなる。
図21は図19の蟻溝320aの変形例を示す平面図である。突起340bは、半円形状に限らず、矩形であっても同様の効果を得ることができる。図22は図20の蟻溝320aの変形例を示す平面図である。凹み341bは、半円形状に限らず、矩形であっても同様の効果を得ることができる。図23は図19の蟻溝320aの変形例を示す平面図である。突起340cは、半円形状に限らず、三角形状であっても同様の効果を得ることができる。図24は図20の蟻溝320aの変形例を示す平面図である。凹み341cは、半円形状に限らず、三角形状であっても同様の効果を得ることができる。また、突起340a、突起340b、突起340c、凹み341a、凹み341b、凹み341cは、同一の開口溝側面339に複数設けられてもよい。
次に、製造工程について説明する。まず、鉄心積層工程について説明する。本発明の積層鉄心301aは、鋼板312と切欠き鋼板313aとから構成される。珪素鋼板または電磁鋼板を、プレス金型を用いて打ち抜くことによって、所望の形状を有する鋼板312および切欠き鋼板313aが得られる。また、ワイヤーカット放電加工機で切り出すことによっても所望の形状を有する鋼板312および切欠き鋼板313aが得られる。
その後、複数枚の鋼板312に、切欠き鋼板313aを少なくとも1枚挟んで積層することで、抜け止め溝314aが形成された積層鉄心301aが得られる。絶縁積層回転子1の機能に問題の無い範囲で、積層鉄心ティース側面部310に抜け止め溝314aを複数設けてもよい。また、鋼板312および切欠き鋼板313aは、蟻溝320aを除く形状が同一であることから、鋼板ティース側面部318を打ち抜く部品を入れ替えることができるプレス金型を用意することで、鋼板312および切欠き鋼板313aを連続的に打ち抜き、積層することができる。
次に、インシュレータ一体成形工程について説明する。図25はインシュレータ一体成形工程における樹脂注入位置および樹脂抜け止め部321aの断面を示す斜視図である。積層鉄心301aおよびシャフト2を図示していない成形金型の内部に入れる。成形金型は、積層鉄心301aの上面、下面、外周面、積層鉄心ティース部308の両側面を密閉する、図示しない金型内壁と樹脂注入孔342とから構成される。例えば、樹脂注入孔342は、絶縁積層鉄心ティース巻装部304を形成する位置などに任意に設けられ、樹脂注入孔342から成形樹脂が注入される。図中の矢印は、樹脂注入孔342から樹脂が流れる方向を示す。注入された成形樹脂は、図示していない金型内壁と積層鉄心301aとの間の空間であるキャビティ部を流れ、積層鉄心301aを覆い、硬化し一体化した樹脂絶縁部302を形成する。成形樹脂が絶縁積層鉄心ティース巻装部304を形成するキャビティ部を流れる過程で、積層鉄心ティース側面部310に設けられた抜け止め溝314aに成形樹脂が充填され、硬化することで樹脂抜け止め部321aが形成される。この樹脂抜け止め部321aは、絶縁積層鉄心ティース巻装部304において、積層鉄心ティース側面部310の表面から積層鉄心ティース側面部310の表面に対して垂直な方向に樹脂絶縁部302が離れて隙間322aが生じることを防止する。
次に、樹脂抜け止め部321aの設置位置の変形例について説明する。図26は図3の積層鉄心301aの変形例を示す斜視図である。積層鉄心301bは、複数枚の鋼板312と、切欠き鋼板313bとを備え、それぞれを積層することによって構成されている。積層鉄心ティース先端部309における径方向内側面に抜け止め溝314bが形成されている。
図27は図26の切欠き鋼板313bを示す平面図である。切欠き鋼板313bは、鋼板ティース先端部317に蟻溝320bが形成されている。例えば、蟻溝320bは、凹み寸法が1.0mm〜2.0mm、幅寸法が2.0mmである。鋼板312と切欠き鋼板313bとを積層することによって、積層鉄心ティース先端部309に抜け止め溝314bが形成された積層鉄心301bを得ることができる。
図28は図1の絶縁積層回転子1の変形例を示す平面図、図29は図28のXXIX−XXIX線に沿った断面を示す斜視図である。樹脂絶縁部302は、複数枚の鋼板312と切欠き鋼板313bとが積層されて形成される抜け止め溝314bに、射出成形された樹脂が硬化して一体化した樹脂抜け止め部321bを有している。
図30は図28の絶縁積層回転子1を示す側面図、図31は図30のXXXI−XXXI線に沿った矢視断面図である。積層鉄心ティース先端部309の抜け止め溝314bには、一体化し硬化した樹脂抜け止め部321bが存在する。抜け止め溝314bは、蟻溝320bの形状で切り出されているので、絶縁積層鉄心ティース先端部303の樹脂製薄膜と積層鉄心301bの表面とが積層鉄心ティース先端部309の表面に対して垂直な方向に離れることなく、これにより、隙間322bが生じることを防止することができる。この効果によって、巻線領域323bが抑制されることを防止することができ、効率の良い回転電機を得ることができる。なお、抜け止め溝314bの形状は、蟻溝形状に限らず、例えば、表面を荒く切り出すことで同様の効果が得られる。
図32は図3の積層鉄心301aの変形例を示す斜視図である。積層鉄心301cは、複数枚の鋼板312と、切欠き鋼板313cとを備え、それぞれを積層することによって構成されている。積層鉄心ティース先端部309における積層鉄心外周部311に抜け止め溝314cが形成されている。
図33は図32の切欠き鋼板313cを示す平面図である。切欠き鋼板313cは、鋼板ティース先端部317における径方向外側面である鋼板外周部319に蟻溝320cが形成されている。鋼板外周部319は、切欠き鋼板313cにおける外周部となる。例えば、蟻溝320cは、凹み寸法が1.0mm〜2.0mm、幅寸法が2.0mmである。鋼板312と切欠き鋼板313cとを積層することによって、積層鉄心ティース先端部309における積層鉄心外周部311に抜け止め溝314cが形成された積層鉄心301cを得ることができる。
図34は図1の絶縁積層回転子1の変形例を示す平面図、図35は図34のXXXV−XXXV線に沿った断面を示す斜視図である。樹脂絶縁部302は、複数枚の鋼板312と切欠き鋼板313cとが積層されて形成される抜け止め溝314cに、射出成形された樹脂が硬化して一体化した樹脂抜け止め部321cを有している。
図36は図34の絶縁積層回転子1を示す側面図、図37は図36のXXXVII−XXXVII線に沿った矢視断面図である。積層鉄心ティース先端部309における積層鉄心外周部311の抜け止め溝314cには、一体化し硬化した樹脂抜け止め部321cが存在する。抜け止め溝314cは、蟻溝320cの形状で切り出されているので、樹脂外周部306の樹脂製薄膜と積層鉄心301cの表面とが積層鉄心外周部311の表面に対して垂直な方向に離れることなく、これにより、隙間322cが生じることを防止することができる。この効果によって、外径寸法が膨らむことを防止することができ、相対する固定子との間のエアギャップを小さくすることができ、回転電機の小型化および回転電機の性能向上の少なくとも何れか一方を得ることができる。なお、抜け止め溝314cの形状は、蟻溝形状に限らず、例えば、表面を荒く切り出すことで同様の効果を得られる。
なお、この実施の形態1に係る絶縁積層板構造体は、サーボモータ用、燃料噴射バルブ開閉タイミング制御ユニット用、空調機ファンモータ用、車載用燃料ポンプユニット用の回転電機の回転子に適用できる絶縁積層板構造体である。
実施の形態2.
図38はこの発明の実施の形態2に係る絶縁積層固定子の要部を示す斜視図である。この実施の形態2では、回転電機の絶縁積層板構造体として、絶縁積層固定子4を例に説明する。絶縁積層固定子4は、互いに連結され円環状に配置された複数の絶縁分割積層鉄心401aを備えている。図38では、半周分である6個の絶縁分割積層鉄心401aを示している。
図39は図38の絶縁分割積層鉄心401aを示す拡大図である。絶縁分割積層鉄心401aは、分割積層鉄心402aと、分割積層鉄心402aの表面に設けられた樹脂絶縁部403とを備えている。樹脂絶縁部403は、例えば、PPS、LCP、PBT、POM、PRTなどの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、BMC、SMCなどの熱硬化性樹脂から構成される。樹脂絶縁部403は、射出成形によって分割積層鉄心402aに一体成形される。絶縁分割積層鉄心401aには、図示しないコイルが巻き回される。分割積層鉄心402aとコイルとの間は、樹脂絶縁部403を介して絶縁される。
図40は図38の絶縁分割積層鉄心401aを示す斜視図である。樹脂絶縁部403は、ティース先端突出部404と、ティース先端部405と、バックヨーク鍔部406と、ティース曲面巻装部407と、ティース側面巻装部408とを有している。図示しないコイルは、ティース曲面巻装部407と、ティース側面巻装部408とに巻き回される。
図41は図38の分割積層鉄心402aを示す斜視図である。分割積層鉄心402aは、分割積層鉄心バックヨーク部409と、分割積層鉄心バックヨーク部409から径方向内側に突出する分割積層鉄心ティース部410と、分割積層鉄心ティース部410の径方向内側端部に設けられ、周方向に突出する分割積層鉄心ティース突出部411とを有している。分割積層鉄心ティース部410は、周方向を向く分割積層鉄心ティース側面部412を有している。分割積層鉄心バックヨーク部409は、径方向外側を向く分割積層鉄心外周部413を有している。分割積層鉄心ティース突出部411は、径方向内側を向く分割積層鉄心ティース内周部414を有している。分割積層鉄心ティース内周部414は、切欠き鋼板416aにおける内周部となる。
分割積層鉄心402aは、複数枚の鋼板415と、少なくとも1枚の切欠き鋼板416aとが積層されることによって構成されている。図41では、分割積層鉄心402aが一枚の切欠き鋼板416aを備えている例を示している。切欠き鋼板416aが鋼板312に挟まれて積層されることによって、分割積層鉄心ティース側面部412には、抜け止め溝417aが形成されている。
図42は図41の鋼板415を示す平面図である。所望の形状に切り出される鋼板415は、鋼板バックヨーク部418と、鋼板バックヨーク部418の中央部から径方向内側に突出する鋼板ティース部419と、鋼板ティース部419の径方向内側端部に設けられ、周方向に突出する鋼板ティース先端部420とを有している。鋼板ティース部419は、周方向を向く鋼板ティース側面部421を有している。鋼板ティース先端部420は、径方向内側を向く鋼板内周部422を有している。
図43は図41の切欠き鋼板416aを示す平面図である。切欠き鋼板416aは、鋼板ティース側面部421に溝である蟻溝423aが形成されている。切欠き鋼板416aにおけるその他の構成は、鋼板415と同様である。蟻溝423aは、例えば、凹み寸法が0.5mm〜3.0mm、幅寸法が1.0mm〜5.0mmとなっている。複数枚の鋼板415および切欠き鋼板416aを積層することによって、分割積層鉄心ティース側面部412に抜け止め溝417aが形成された分割積層鉄心402aが得られる。
図44は図40の絶縁分割積層鉄心401aを示す平面図、図45は図44のXLV−XLV線に沿った断面を示す斜視図である。樹脂絶縁部403は、複数枚の鋼板415と切欠き鋼板416aとが積層されて形成された抜け止め溝417aに設けられ、射出成形された樹脂が硬化して一体化した樹脂抜け止め部424aを有している。
図46は図44の絶縁分割積層鉄心401aを示す側面図、図47は図46のXLVII−XLVII線に沿った矢視断面図である。分割積層鉄心402aの分割積層鉄心ティース側面部412に形成された抜け止め溝417aに射出成形された樹脂が硬化することにより、ティース側面巻装部408に一体化した樹脂抜け止め部424aが形成される。これにより、分割積層鉄心ティース側面部412を覆う樹脂製絶縁被覆が分割積層鉄心ティース側面部412から分割積層鉄心ティース側面部412の表面に対して垂直な方向に離れることがなく、これにより、ティース側面巻装部408と分割積層鉄心402aとの間に隙間425aが生じることを防止することができる。この効果により、巻線領域426が抑制されることを防止することができ、効率の良い回転電機を得ることができる。なお、切欠き鋼板416aの蟻溝423aは、図示する形状に限らず、例えば、実施の形態1と同様に、切欠き鋼板416aに微細な突起を設けることで同様の効果が得られる。
次に、製造工程について説明する。まず、鉄心積層工程について説明する。本発明の分割積層鉄心402aは、鋼板415と切欠き鋼板416aとから構成される。珪素鋼板または電磁鋼板を、プレス金型を用いて打ち抜くことによって、所望の形状を有する鋼板415および切欠き鋼板416aが得られる。また、ワイヤーカット放電加工機で切り出すことによっても所望の形状を有する鋼板415および切欠き鋼板416aが得られる。
その後、複数枚の鋼板415に、切欠き鋼板416aを少なくとも1枚挟んで積層することで、抜け止め溝417aを有する分割積層鉄心402aが得られる。絶縁積層固定子4の機能に問題の無い範囲で、分割積層鉄心ティース側面部412に抜け止め溝417aを複数設けてもよい。また、鋼板415および切欠き鋼板416aは、蟻溝423aを除く形状が同一であることから、鋼板ティース側面部421を打ち抜く部品を入れ替えることができるプレス金型を用意することで、鋼板415および切欠き鋼板416aを連続的に打ち抜き、積層することができる。
次に、インシュレータ一体成形工程について説明する。図48はインシュレータ一体成形工程における樹脂注入位置および樹脂抜け止め部424aの断面を示す斜視図である。分割積層鉄心402aを図示していない成形金型の内部に入れる。成形金型は、分割積層鉄心402aの上面、下面、外周面、ティース部の両側面を密閉する、図示しない金型内壁と樹脂注入孔427とから構成される。例えば、樹脂注入孔427は、ティース曲面巻装部407を形成する位置などに任意に設けられ、樹脂注入孔427から成形樹脂が注入される。図中の矢印は、樹脂注入孔427から樹脂が流れる方向を示す。注入された成形樹脂は、図示していない金型内壁と分割積層鉄心402aとの間の空間であるキャビティ部を流れ、充填後に硬化することで、分割積層鉄心402aを覆い、一体化した樹脂絶縁部403を形成する。成形樹脂がティース側面巻装部408を形成するキャビティ部を流れる過程で、分割積層鉄心ティース側面部412に設けられた抜け止め溝417aに成形樹脂が充填され、硬化することで樹脂抜け止め部424aが形成される。この樹脂抜け止め部424aは、ティース側面巻装部408において、分割積層鉄心ティース側面部412の表面から分割積層鉄心ティース側面部412の表面に対して垂直な方向に樹脂絶縁部403が離れて隙間425aが生じることを防止する。また、ティース毎に分割されているので、金型と設備を小形化することができる。
以下、樹脂抜け止め部424aの設置位置の変形例について説明する。図49は図40の絶縁分割積層鉄心401aの変形例を示す斜視図である。絶縁分割積層鉄心401bは、分割積層鉄心402bと、樹脂絶縁部403とを備え、それぞれを積層することによって構成されている。樹脂絶縁部403が、分割積層鉄心402bの径方向外側における外周面である分割積層鉄心外周部413に設けられた樹脂外周部428を有している点で、絶縁分割積層鉄心401aと異なる。コイルをティース曲面巻装部407、ティース側面巻装部408に巻き回すことで、絶縁分割積層鉄心401bとコイルとの間は、樹脂絶縁部403を介して電気的に絶縁される。
図50は図49の分割積層鉄心402bを示す斜視図である。分割積層鉄心402bは、分割積層鉄心バックヨーク部409と、分割積層鉄心バックヨーク部409から径方向内側に突出する分割積層鉄心ティース部410と、分割積層鉄心ティース部410の径方向内側端部に設けられ、周方向に突出する分割積層鉄心ティース突出部411とを有している。分割積層鉄心ティース部410は、周方向を向く分割積層鉄心ティース側面部412を有している。分割積層鉄心バックヨーク部409は、径方向外側を向く分割積層鉄心外周部413を有している。分割積層鉄心ティース突出部411は、径方向内側を向く分割積層鉄心ティース内周部414を有している。
分割積層鉄心402bは、複数枚の鋼板415と、少なくとも1枚の切欠き鋼板416bとが積層されることによって構成されている。切欠き鋼板416bが鋼板415に挟まれて積層されることによって、分割積層鉄心外周部413には、抜け止め溝417bが形成されている。
図51は図50の切欠き鋼板416bを示す平面図である。切欠き鋼板416bは、鋼板バックヨーク部418の径方向外側面に蟻溝423bが形成されている。鋼板バックヨーク部418は、切欠き鋼板416bにおける外周部となる。切欠き鋼板416bにおけるその他の構成は、鋼板415と同様である。蟻溝423bは、例えば、凹み寸法が0.5mm〜3.0mm、幅寸法が1.0mm〜5.0mmとなっている。複数枚の鋼板415および切欠き鋼板416bを積層することによって、分割積層鉄心外周部413に抜け止め溝417bが形成された分割積層鉄心402bが得られる。
図52は図49の絶縁分割積層鉄心401bを示す平面図、図53は図52のLIII−LIII線に沿った矢視断面図である。樹脂絶縁部403は、複数枚の鋼板415と切欠き鋼板416bとが積層されて形成された抜け止め溝417bに設けられ、射出成形された樹脂が流し込まれ硬化することでバックヨーク鍔部406における外周部に一体化した樹脂抜け止め部424bを有している。
図54は図49の絶縁分割積層鉄心401bを示す側面図、図55は図54のLV−LV線に沿った矢視断面図である。分割積層鉄心402bにおける分割積層鉄心バックヨーク部409の分割積層鉄心外周部413に形成された抜け止め溝417bに射出成形された樹脂が硬化することにより、バックヨーク鍔部406における外周部である樹脂外周部428に一体化した樹脂抜け止め部424bが形成される。これにより、分割積層鉄心外周部413を覆う樹脂製絶縁被覆が分割積層鉄心外周部413から分割積層鉄心外周部413の表面に対して垂直な方向に離れ、隙間425bが生じることを防止することができる。この効果により、絶縁積層固定子4の内径寸法が安定化し、絶縁積層固定子4と回転子との径方向についての設計上のクリアランスを小さくすることができ、小型で効率が良い回転電機を得ることができる。なお、切欠き鋼板416bの蟻溝423bは、図51に図示する形状に限らず、例えば、切欠き鋼板416bに微細な突起または凹みを設けることで同様の効果が得られる。
図56は図40の絶縁分割積層鉄心401aの変形例を示す斜視図である。絶縁分割積層鉄心401cは、分割積層鉄心402cと、樹脂絶縁部403とを備え、それぞれを積層することによって構成されている。樹脂絶縁部403が、ティース先端部405における径方向内側面に設けられた樹脂内周部429を有している点で、絶縁分割積層鉄心401cと異なる。コイルをティース曲面巻装部407、ティース側面巻装部408に巻き回すことで、絶縁分割積層鉄心401cとコイルとの間は、樹脂絶縁部403を介して電気的に絶縁される。
図57は図56の分割積層鉄心402cを示す斜視図である。分割積層鉄心402cは、分割積層鉄心バックヨーク部409と、分割積層鉄心バックヨーク部409から径方向内側に突出する分割積層鉄心ティース部410と、分割積層鉄心ティース部410の径方向内側端部に設けられ、周方向に突出する分割積層鉄心ティース突出部411とを有している。分割積層鉄心ティース部410は、周方向を向く分割積層鉄心ティース側面部412を有している。分割積層鉄心バックヨーク部409は、径方向外側を向く分割積層鉄心外周部413を有している。分割積層鉄心ティース突出部411は、径方向内側を向く分割積層鉄心ティース内周部414を有している。
分割積層鉄心402cは、複数枚の鋼板415と、少なくとも1枚の切欠き鋼板416cとが積層されることによって構成されている。切欠き鋼板416cが鋼板312に挟まれて積層されることによって、分割積層鉄心ティース内周部414には、抜け止め溝417cが形成されている。
図58は図57の切欠き鋼板416cを示す平面図である。切欠き鋼板416cは、鋼板ティース先端部420の鋼板内周部422に蟻溝423cが形成されている。切欠き鋼板416cにおけるその他の構成は、鋼板415と同様である。蟻溝423cは、例えば、凹み寸法が0.5mm〜3.0mm、幅寸法が1.0mm〜5.0mmとなっている。なお、分割積層鉄心402cは、複数枚の鋼板で切欠き鋼板416cを挟まなくてもよい。例えば、分割積層鉄心402cは、複数枚の鋼板415と、切欠き鋼板416cとを隣り合わせて積層することで、分割積層鉄心402cの内周部に積層方向の一方向に開口する抜け止め溝417cを形成してもよいし、複数枚の鋼板415を含まずに切欠き鋼板416cだけ形成されてもよい。
図59は図57の絶縁分割積層鉄心401cを示す平面図、図60は図59のLX−LX線に沿った矢視断面図である。樹脂絶縁部403は、分割積層鉄心402cの分割積層鉄心ティース内周部414に形成された抜け止め溝417cに設けられ、射出成形された樹脂が流し込まれて硬化することで、ティース先端部405における樹脂内周部429に一体化した樹脂抜け止め部424cを有している。
図61は図56の絶縁分割積層鉄心401cを示す側面図、図62は図61のLXII−LXII線に沿った矢視断面図である。分割積層鉄心402cにおける分割積層鉄心ティース内周部414に形成された抜け止め溝417cに射出成形された樹脂が硬化することにより、ティース先端部405における樹脂内周部429に一体化した樹脂抜け止め部424cが形成される。これにより、分割積層鉄心ティース内周部414を覆う樹脂製絶縁被覆が分割積層鉄心ティース内周部414から分割積層鉄心ティース内周部414の表面に対して垂直な方向に離れ、隙間425cが生じることを防止することができる。この効果により、絶縁積層固定子4の内径寸法が安定化し、絶縁積層固定子4と回転子との径方向についての設計上のクリアランスを小さくすることができ、小型で効率が良い回転電機を得ることができる。なお、切欠き鋼板416cの蟻溝423cは、図58に図示する形状に限らず、例えば、切欠き鋼板416cに微細な突起または凹みを設けることで同様の効果が得られる。
なお、この実施の形態2に係る絶縁積層固定子4は、サーボモータ用、燃料噴射バルブ開閉タイミング制御ユニット用、空調用ファンモータ、車載用燃料ポンプユニット、巻上機用の回転電機の固定子に適用できる絶縁積層板構造体である。
1 絶縁積層回転子、2 シャフト、3 絶縁積層鉄心、4 絶縁積層固定子、301a、301b、301c 積層鉄心、302 樹脂絶縁部、303 絶縁積層鉄心ティース先端部、304 絶縁積層鉄心ティース巻装部、305 絶縁積層鉄心ティース側面部、306 樹脂外周部、307 積層鉄心中央部、308 積層鉄心ティース部、309 積層鉄心ティース先端部、310 積層鉄心ティース側面部、311 積層鉄心外周部、312 鋼板、313a、313b、313c 切欠き鋼板、314a、314b、314c 抜け止め溝、315 鋼板中央部、316 鋼板ティース部、317 鋼板ティース先端部、318 鋼板ティース側面部、319 鋼板外周部、320a、320b、320c 蟻溝、321a、321b、321c 樹脂抜け止め部、322a、322b、322c 隙間、323a、323b 巻線領域、324 開口部、325 円形状部、326 鍔部、327 中心線、328 中心線、329 開口部、330 矩形状部、331 鍔部、332 中心線、333 中心線、334 開口部、335 三角形状部、336 鍔部、337 中心線、338 中心線、339 開口溝側面、340a、340b、340c 突起、341a、341b、341c 凹み、342 樹脂注入孔、401a、401b、401c 絶縁分割積層鉄心、402a、402b、402c 分割積層鉄心、403 樹脂絶縁部、404 ティース先端突出部、405 ティース先端部、406 バックヨーク鍔部、407 ティース曲面巻装部、408 ティース側面巻装部、409 分割積層鉄心バックヨーク部、410 分割積層鉄心ティース部、411 分割積層鉄心ティース突出部、412 分割積層鉄心ティース側面部、413 分割積層鉄心外周部、414 分割積層鉄心ティース内周部、415 鋼板、416a、416b、416c 切欠き鋼板、417a、417b、417c 抜け止め溝、418 鋼板バックヨーク部、419 鋼板ティース部、420 鋼板ティース先端部、421 鋼板ティース側面部、422 鋼板内周部、423a、423b、423c 蟻溝、424a 424b、424c 樹脂抜け止め部、425a、425b、425c 隙間、426 巻線領域、427 樹脂注入孔、428 樹脂外周部、429 樹脂内周部。

Claims (7)

  1. 鋼板が積層された積層鉄心と、前記積層鉄心の表面を覆う樹脂絶縁部とを備えた回転電機の絶縁積層板構造体であって、
    前記積層鉄心は、溝が側面に形成された切欠き鋼板を有し、
    前記切欠き鋼板における前記溝が形成されている側面は、前記樹脂絶縁部に覆われている回転電機の絶縁積層板構造体。
  2. 前記溝は、前記切欠き鋼板におけるティース側面部に形成されている請求項1に記載の回転電機の絶縁積層板構造体。
  3. 前記溝は、前記切欠き鋼板における外周部に形成されている請求項1に記載の回転電機の絶縁積層板構造体。
  4. 前記溝は、前記切欠き鋼板における内周部に形成されている請求項1に記載の回転電機の絶縁積層板構造体。
  5. 前記溝の形状は、蟻溝形状である請求項1から請求項4までの何れか一項に記載の回転電機の絶縁積層板構造体。
  6. 前記溝の内周面には、突起または凹みが形成されている請求項1から請求項4までの何れか一項に記載の回転電機の絶縁積層板構造体。
  7. 鋼板が積層された積層鉄心の表面に樹脂を一体成形する絶縁積層板構造体の製造方法であって、
    側面に溝が形成された切欠き鋼板を前記積層鉄心に含めることで、前記積層鉄心の側面に抜け止め溝を形成し、前記積層鉄心の表面に樹脂を一体成形する際に、前記抜け止め溝に流れ込んだ樹脂により樹脂抜け止め部を形成する回転電機の絶縁積層板構造体の製造方法。
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