以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る表示装置1の正面図である。表示装置1の一例は、飲食店の入口付近に設置された食券自動販売機(いわゆる券売機)である。この実施形態における飲食店は、外食チェーンを構成する各店舗である。図1での姿勢を基準として、表示装置1は、縦長のボックス形状であり、その正面の上側には、表示装置1の幅方向(図1の左右方向)に長手の矩形状をなす表示画面2が設けられている。この実施形態における表示画面2は、表示画面2とほぼ同じ大きさの矩形状に形成された透明のタッチパネル3を有する液晶表示ディスプレー(LCD)である。タッチパネル3は、第1受付手段、第2受付手段、第3受付手段、第4受付手段および第5受付手段として機能し、表示画面2の表面を覆うように表示画面2上に積層されている。
表示装置1の正面において表示画面2に下から隣接する位置には、左右方向に細長く正面側へ膨出した膨出部4が設けられている。膨出部4の上側正面の左端部には、表示装置1を管理する係員(例えば飲食店の従業員)を呼び出すための呼出ボタン5が設けられている。膨出部4の上側正面において左右方向における略中央位置には、硬貨を投入するための硬貨投入口6が設けられている。膨出部4の上側正面において硬貨投入口6の右隣には、表示装置1において進行中の処理を取り消すための取消ボタン7が設けられている。膨出部4の上側正面において取消ボタン7の右隣には、紙幣を投入するための紙幣入金口8が設けられ、膨出部4の下側正面において紙幣入金口8に下隣には、紙幣を排出するための紙幣出金口9が設けられている。
表示装置1の正面において膨出部4の下隣の左側には、食券を取り出すための取出口10が設けられ、取出口10の右隣には、返却された硬貨を取り出すための返却口11が設けられている。表示装置1の正面において返却口11の上隣(膨出部4と返却口11との間の位置)には、人体検知センサ12が取り付けられている。なお、表示装置1の正面における表示画面2、膨出部4、呼出ボタン5、硬貨投入口6、取消ボタン7、紙幣入金口8、紙幣出金口9、取出口10、返却口11および人体検知センサ12等の各部材のレイアウトは、任意の変更できる。
表示装置1で食券を購入したい利用客は、まず、表示装置1の正面に立つ。すると、人体検知センサ12が、この利用客の気配を検知し、人体検知センサ12による検知に応じて、例えば今まで休止状態にあった表示装置1が起動して待機状態となる。また、このときの表示画面2には、複数のメニューの情報を含んだカラーの販売画面20が表示される。販売画面20を見た利用客は、表示画面2のタッチパネル3を操作して所望のメニューを選択し、そのメニューの代金としての現金を硬貨投入口6および紙幣入金口8の少なくともいずれかに投入する。ここで、取消ボタン7を押せば、今までの操作を取り消して、最初からやり直すことができる。また、投入した現金が表示装置1内部で詰まった等の不具合があれば、利用客は、呼出ボタン5を押すことによって係員を呼び出すことができる。そして、決済の後に、選択したメニューが印字された食券が取出口10に発行される。また、釣銭が紙幣出金口9や返却口11から返却される。利用客は、取出口10から取り出した食券を持って飲食店内の調理カウンタ等に向かい、調理カウンタにおいて、食券と引き換えに、所望のメニューの料理を受け取る。
図2は、表示装置1の電気的構成を示すブロック図である。表示装置1は、制御部21と、制御部21に対して電気的に接続されたメモリ部22、貨幣処理部23、発券部24、第1I/F(インターフェース)部25および第2I/F部26とをさらに含む。制御部21は、CPUやROM等を含んだマイクロコンピュータ等によって構成されていて、第1受付手段、第2受付手段、第3受付手段、第4受付手段、第5受付手段、第1表示手段、第2表示手段、第3表示手段、第4表示手段、第5表示手段および無効手段として機能する。前述した表示画面2、タッチパネル3、取消ボタン7および人体検知センサ12は、制御部21に対して電気的に接続されていて、制御部21は、表示画面2における表示を制御したり、利用客や係員によるタッチパネル3の操作や、利用客による取消ボタン7の操作を受け付けたりする。人体検知センサ12による利用客の検知結果は、制御部21に入力される。
メモリ部22は、表示装置1が設置された飲食店で取り扱われる各メニューの情報等を記憶している。各メニューの情報は、メニュー名と、メニューの料理についての画像と、メニューの値段等とを含む。
貨幣処理部23は、硬貨投入口6や紙幣入金口8(図1参照)に投入された現金(紙幣や硬貨)を表示装置1の内部に取り込む構成や、取り込んだ現金の金種および真贋を識別する構成や、釣銭等の返却用の現金を紙幣出金口9や返却口11(図1参照)に排出する構成等を含む。制御部21は、利用客によって選択されたメニューの代金を、投入された現金から差し引くことによって、当該メニューの決済を行う。なお、制御部21には、非接触ICカードユニット27が接続されてもよい。制御部21は、非接触ICカードユニット27によって、電子マネー機能付きのICカードと通信し、当該ICカードに関連付けられた電子マネーでメニューを決済することもできる。
発券部24は、メニューの決済の完了に応じて、食券に、利用客が購入したメニューに関する必要な情報を印字して、この食券を取出口10(図1参照)に発行する構成等を含む。制御部21は、第1I/F部25を介してネットワーク(図示せず)に接続されており、飲食店に設けられた管理装置(図示せず)や、外食チェーンにおいて飲食店とは別の場所にある本部に設けられた管理装置(図示せず)とネットワーク経由で通信することができる。第2I/F部26は、USBメモリ等の携帯型記憶媒体(図示せず)が差し込まれるスロット(図示せず)を有する。制御部21は、スロットに差し込まれることによって第2I/F部26に接続された携帯型記憶媒体に記憶された情報を読み取って、メモリ部22に記憶させることができる。
次に、表示画面2における表示内容について詳しく説明する。図3は、表示画面2に表示された販売画面20を示す模式図である。図3では、制御部21は、表示画面2の全域に亘って販売画面20を表示している。図3の状態を基準として、例えば販売画面20の上端部の左側における横長のガイダンス表示領域30には、「お好みのメニューを選んで[購入]を押して下さい」という案内文を表示されている。販売画面20においてガイダンス表示領域30より下側の位置には、メニューの一覧を示したメニュー表示領域31が設けられている。メニュー表示領域31は、販売画面20においてガイダンス表示領域30よりも下側の領域のほぼ全域に亘る大きさを有した略矩形状の領域である。
メニュー表示領域31には、メニュー毎に設けられた複数(図3では12個)の個別領域32が表示されている。各個別領域32は、例えば略矩形状に形成されていて、対応するメニューの情報を含む。具体的に、各個別領域32には、対応するメニューの情報として、そのメニューの料理についての画像とメニュー名と値段とが、上からこの順番で並んで表示されている。個別領域32には、その大きさの違いに応じて例えば3つの種類があり、具体的に、個別領域32は、最も大きい大個別領域32Aと、大個別領域32Aの次に大きい中個別領域32Bと、最も小さい小個別領域32Cとを含む。図3では、スペシャルうどんおよびデラックスうどんの個別領域32は、大個別領域32Aであり、かけうどん、月見うどん、わかめうどん、肉うどん、きつねうどん、たぬきうどん、カレーうどんおよび天ぷらうどんの個別領域32は、中個別領域32Bであり、おにぎりおよびゆでたまごの個別領域32は、小個別領域32Cである。
なお、図3のメニュー表示領域31は、主にうどんのグループに属するメニューについてのメニュー表示領域31である。メニュー表示領域31は、1つだけ存在してもよいが、うどん以外のグループに応じて複数存在してもよい。メニュー表示領域31が複数存在する場合には、利用客が、例えば販売画面20においてタッチキーとして設けられたタブ(図示せず)を操作することによって、制御部21は、メニュー表示領域31を販売画面20に1つずつ切り替えて表示させる。
図3に示すように、制御部21は、複数の個別領域32を、販売画面20のメニュー表示領域31において所定のレイアウトで配置している。所定のレイアウトとは、各個別領域32についての大体の配置位置についてのレイアウトであり、一例として、図3に示すように大個別領域32Aが左右に並んで、中個別領域32Bが大個別領域32Aの下側において上下2列をなして並んで、小個別領域32Cが大個別領域32Aの右隣において上下に並ぶというようなレイアウトである。このレイアウトの場合には、メニュー表示領域31において2つの大個別領域32Aよりも左側に、デッドスペースをなす空き領域33が発生している。このレイアウトの情報と、前述した各メニューの情報とは、設定データとして、メモリ部22に記憶されている。設定データは、メニュー毎に食券に印刷する内容も含む。外食チェーンの場合、設定データは、全店舗共通の設定データとして本部で作成された後に、ネットワーク経由で各店舗にオンライン配信されて、第1I/F部25から表示装置1に入力されたり、前述した携帯型記憶媒体によって各店舗に持ち出されて、第2I/F部26から表示装置1に入力されたりする(図2参照)。
各個別領域32は、メニューを選択するために利用客によって操作されるタッチキーを含む。具体的には、それぞれの個別領域32が、1つのタッチキーになっている。これにより、表示装置1の利用客は、購入したいメニューに対応する個別領域32のタッチキーを操作するだけで、購入したいメニューを選択できる。
販売画面20においてメニュー表示領域31の右隣には、縦長の選択内容表示領域35が設けられている。選択内容表示領域35には、その上端部に、「ご選択内容」という見出しが表示され、この見出しの下側に、利用客によりメニュー表示領域31における個別領域32のタッチによって購入が選択されたメニューを示す確認アイコン36が、表示される。確認アイコン36は、選択された1つのメニューに対応しており、利用客によって複数のメニューが選択されたのであれば、制御部21は、メニューの数に応じた数の確認アイコン36を、選択された順に上から並ぶように選択内容表示領域35に表示させる。各確認アイコン36は、横長の矩形の枠で区画されていて、各確認アイコン36において、例えば、左半分にはメニューの料理の画像が表示され、略右半分にはメニュー名および値段が表示される。
各確認アイコン36の左上の隅には、クリアボタン37が表示されている。なお、クリアボタン37は、タッチパネル3によって構成されたタッチキーである(後述する他のボタンについても同様)。選択を取り消したいメニューがある利用客は、そのメニューについての確認アイコン36のクリアボタン37を押す。すると、制御部21は、この確認アイコン36が選択内容表示領域35から消去する。これにより、このメニューの選択がキャンセルされる。また、販売画面20において選択内容表示領域35の下隣には、「すべて取消」との文字を含んだリセットボタン38が表示されている。選択した全てのメニューについての選択を取り消したい利用客は、リセットボタン38を押す。すると、制御部21は、選択内容表示領域35にあった全ての確認アイコン36を消去する。これにより、全てのメニューの選択がキャンセルされる。なお、利用客が取消ボタン7(図1参照)を押した場合にも、制御部21は、利用客による全てのメニューの選択をキャンセルする。
販売画面20において選択内容表示領域35の上隣には、矩形状をなす金額表示領域39が設けられている。金額表示領域39の左側には、「入金額」という見出しと、「合計金額」という見出しと、「おつり」という見出しとが上側からこの順番で表示される。金額表示領域39において「入金額」の見出しの右隣には、前述した硬貨投入口6や紙幣入金口8(図1参照)に投入された現金の総額(図3では5000円)が表示される。「合計金額」の見出しの右隣に、選択内容表示領域35に表示されたメニューの値段の総額(図3では950円)が表示される。「おつり」の見出しの右隣には、入金額から合計金額を差し引いた金額(図3では4050円)が表示される。
販売画面20においてリセットボタン38の下隣には、購入ボタン40が設けられている。図3のように、メニューが選択されて、当該メニューの確認アイコン36が選択内容表示領域35に表示され、さらに、入金額が合計金額以上になっている状態において、利用客が購入ボタン40を押すと、制御部21は、選択されたメニューについて決済する。決済の完了に応じて、制御部21は、選択されたメニューについての食券を取出口10(図1参照)に発行し、釣銭を紙幣出金口9や返却口11(図1参照)に排出する。
飲食店では、時間の経過とともにメニューの売り切れが発生する場合がある。また、メニューには、在庫が無くなり次第に販売終了になる旧メニューと、販売終了になった旧メニューの代わりに新しく販売が開始される新メニューと、旧メニューおよび新メニュー以外の定番メニューとがある。メニューが旧メニューから新メニューへ切り替わる過渡期には、前述した設定データに旧メニューおよび新メニューの両方の情報が記憶されている。そのため、定番メニューについての個別領域32とともに、旧メニューについての個別領域32と新メニューについての個別領域32とが混在した状態で、販売画面20に表示される場合がある。旧メニューには、飲食店における在庫がまだ残っている旧メニューもあれば、売り切れに伴って完全になくなって営業時間中に販売終了になる旧メニューもある。また、新メニューには、対応する旧メニューの在庫がまだ残っているために、販売開始されていない新メニューもある。
このように売り切れのメニューや、販売終了のメニューや、販売開始前のメニューが存在する場合に、これらの販売対象外のメニュー(特に販売終了のメニューおよび販売開始前のメニュー)の個別領域32が販売画面20に表示されていると、販売画面20を見る利用客にとって紛らわしく見栄えが悪い。そこで、表示装置1では、販売画面20が表示される表示画面2の表示内容を変更することができる。
表示画面2の表示内容を変更するために、係員は、表示装置1に所定の操作をする。所定の操作として、係員が、表示装置1の表面に設けられた錠45の表面の鍵穴45A(図1参照)に専用の鍵を差し込んで捻ったり、表示画面2の隅などに設けられたボタン(図示せず)にタッチしたりする。当該所定の操作に応じて、制御部21は、表示装置1を設定モードにして、表示画面2に、販売画面20でなく、図4に示すように販売画面20とほぼ同じ大きさの係員画面50を表示させる。係員画面50には、販売画面20と同様にメニュー表示領域31が設けられ、このメニュー表示領域31には、複数の個別領域32と空き領域33とが、最新の販売画面20(図3参照)と同じレイアウトで表示されていて、各個別領域32が1つのタッチキーになっている。係員画面50においてメニュー表示領域31の右隣には、売切設定ボタン51と、第1受付手段の一例としての表示設定ボタン52と、画面切替ボタン53とが上下に並んで表示されている。
この実施形態において、デラックスうどんが、定番メニューであるものの売り切れになり、かけうどんが旧メニューであって売り切れ(この場合は販売終了)になり、肉うどんとたぬきうどんが販売開始前の新メニューであるとする。売り切れになったデラックスうどんに関し、係員は、タッチパネル3において、デラックスうどんの個別領域32と、売切設定ボタン51とにタッチする。係員は、個別領域32および売切設定ボタン51のうち、両方に同時にタッチしてもよいし、一方に先にタッチしてから他方にタッチしてもよい。また、売り切れのメニューが複数ある場合には、係員は、売切設定ボタン51に一度だけタッチした後に、対象となる複数の個別領域32にタッチすればよく、この場合、売切設定ボタン51に何度もタッチせずに済む。いずれの場合であっても、制御部21は、売り切れになったメニューの選択を、タッチパネル3における当該メニューの個別領域32および売切設定ボタン51への係員によるタッチによって受け付ける。
図4の場合には、制御部21は、売り切れになったメニューとして選択されたデラックスうどんの個別領域32に、「売切」とのメッセージを含んだ売切マーク54を重ねて表示させる。なお、売り切れのメニューについての在庫が補充された場合には、係員が、当該メニューの個別領域32にタッチキーとして表示された売切マーク54にタッチすると、制御部21は、この売切マーク54を消去する。これにより、売り切れになったメニューの販売が再開される。
販売終了になったかけうどん ならびに、販売開始前の肉うどんおよびたぬきうどんの各個別領域32は、利用客の混乱を避けるため、販売画面20において非表示になっていることが好ましい。そこで、係員は、これらのうどんの個別領域32を販売画面20において非表示にするために、係員画面50において、これらの個別領域32と表示設定ボタン52とにタッチする。係員は、各個別領域32および表示設定ボタン52のうち、両方に同時にタッチしてもよいし、一方に先にタッチしてから他方にタッチしてもよい。また、非表示にしたいメニューが複数ある場合には、係員は、表示設定ボタン52に一度だけタッチした後に、対象となる複数の個別領域32にタッチすればよく、この場合、表示設定ボタン52に何度もタッチせずに済む。いずれの場合であっても、制御部21は、タッチパネル3における特定の個別領域32および表示設定ボタン52への係員によるタッチによって、販売画面20において当該特定の個別領域32を非表示にする指示を受け付ける。そして、制御部21は、係員画面50において、当該特定の個別領域32(ここでは、販売終了になったかけうどん ならびに、販売開始前の肉うどんおよびたぬきうどんの各個別領域32)に、「非表示」とのメッセージを含んだ非表示マーク55を重ねて表示させる。
売切設定ボタン51および表示設定ボタン52は、メニュー表示領域31の右隣に常に表示されなくてもよい。その場合、係員が、売り切れ、販売終了または販売開始前のメニューの個別領域32にタッチすると、制御部21は、係員画面50においてタッチされた個別領域32の上に、図5に示すポップアップ画面56を表示させる。ポップアップ画面56には、売切設定ボタン51および表示設定ボタン52が含まれている。つまり、売切設定ボタン51および表示設定ボタン52は、個別領域32毎に存在し、係員画面50において対応する個別領域32に設けられている。係員が売切設定ボタン51または表示設定ボタン52にタッチすると、制御部21は、ポップアップ画面56の下の個別領域32に売切マーク54または非表示マーク55を表示させるとともに、ポップアップ画面56を消去する(図4のデラックスうどんや肉うどんの個別領域32を参照)。なお、売切マーク54または非表示マーク55が個別領域32に表示されるタイミングと、ポップアップ画面56が個別領域32から消去されるタイミングとは、同じであってもよいし、前後してもよい。
なお、前述したようにメニューのグループが複数存在することによってメニュー表示領域31が複数存在する場合には、係員は、画面切替ボタン53にタッチすることによって、メニュー表示領域31を係員画面50に1つずつ切り替えて表示させ、目的のメニュー表示領域31を係員画面50に表示させる。
係員は、以上のように売り切れのメニューの個別領域32に売切マーク54を表示させたり、販売終了または販売開始前のメニューの個別領域32に非表示マーク55を表示させたりした後に、前述した鍵穴45A(図1参照)に差し込んでいた専用の鍵を元の位置まで捩じる。すると、制御部21は、表示装置1を設定モードから待機モードに戻し、表示画面2において、今までの係員画面50でなく、図6に示すように係員画面50での設定を反映した最新の販売画面20を表示させる。最新の販売画面20において、制御部21は、係員画面50にて売切マーク54が表示されたデラックスうどんの個別領域32に、売切マーク54と同様の売切マーク57を表示させている。
つまり、制御部21は、最新の販売画面20において、係員画面50にて受け付けた選択の対象となる売り切れのメニューに対応する表示中の個別領域32に、売切マーク57によって売り切れの旨を表示する。これにより、販売中であるものの単に売り切れになったメニューは、売り切れの旨とともに販売画面20に引き続き表示されるので、利用客にとって表示画面2の表示内容がわかりやすくなる。そのため、表示画面2における複数のメニューの表示についての見栄えの向上を図れる。なお、制御部21は、売り切れのメニューの個別領域32に売切マーク57を表示させるだけでなく、この個別領域32の全体を、例えばグレーで塗り潰されるようにモノクロ表示にしてもよい。
一方、制御部21は、係員画面50では非表示マーク55が表示されたかけうどん、肉うどんおよびたぬきうどんの個別領域32(図4参照)を、最新の販売画面20において非表示にしている。なお、図6では、非表示になった個別領域32の輪郭を便宜上、破線で示しているが、非表示の個別領域32では、その全域が実際には透明であり、メニューの情報(画像やメニュー名や値段)はもちろんのこと、個別領域32の輪郭も販売画面20にあらわれていない。また、最新の販売画面20における各個別領域32のレイアウトは、直前の販売画面20における各個別領域32のレイアウト(図3参照)と同じであるので、非表示の個別領域32は、販売画面20では見えないものの、直前の販売画面20と同じ位置に存在している。つまり、制御部21は、直前の販売画面20において所定のレイアウトで配置される複数の個別領域32のうち、係員画面50にて受け付けた指示の対象となる個別領域32を、レイアウトが同じまま、販売画面20において非表示にする。非表示の個別領域32に対応するメニューは、販売対象から除外される。なお、ここでのレイアウトには、販売画面20におけるガイダンス表示領域30、選択内容表示領域35、リセットボタン38、金額表示領域39および購入ボタン40のレイアウトが含まれてもよい。
図6に示すように、販売終了になったメニューや販売開始前のメニューの個別領域32を非表示にすれば、現状では販売されないこれらのメニューが販売画面20に表示されることによって販売画面20の表示内容が紛らわしくなることを防止できるので、販売画面20における複数のメニューの表示についての見栄えの向上を図れる。特に、利用客にとっては、購入できない余計なメニューが視界に入らないので、販売画面20においてメニューを選択しやすくなる。また、係員は、非表示にしたいメニューに対応する個別領域32のタッチキーと表示設定ボタン52とを係員画面50においてタッチするという簡単な操作によって、所望の個別領域32を非表示にする指示を制御部21に受け付けさせて、当該個別領域32が販売画面20において非表示になるように設定できる。これにより、各店舗では、旧メニューの在庫状況に応じた適切なタイミングにおいて、各店舗の現場の係員が、表示画面2において旧メニューから新メニューへと表示を簡単に切り替えることができる。そのため、表示画面2においてメニューの表示設定を行う際における利便性の向上を図れる。
個別領域32を非表示にするための表示設定ボタン52が、個別領域32毎のポップアップ画面56に設けられている場合(図5参照)には、係員は、所望の個別領域32に設けられた表示設定ボタン52にアクセスするだけの簡単な操作によって、当該個別領域32が販売画面20において非表示になるように設定できる。これにより、表示画面2においてメニューの表示設定を行う際における利便性の一層の向上を図れる。
係員が販売終了でも販売開始前でもないメニューの個別領域32に非表示マーク55を誤って表示させることにより、当該個別領域32が販売画面20において非表示にされる場合がある。また、販売画面20において非表示にされた個別領域32についてのメニューの在庫がまだ存在していることが、当該個別領域32を販売画面20において非表示にした後に発覚する場合もある。これらの場合において、係員が、係員画面50において当該メニューの個別領域32にタッチキーとして表示された非表示マーク55(例えば図4のかけうどんの個別領域32を参照)にタッチすると、制御部21は、この非表示マーク55を消去する。つまり、制御部21は、販売画面20において非表示にされた個別領域32を表示する指示を、係員によるタッチパネル3の非表示マーク55のタッチによって受け付ける。そして、制御部21は、受け付けた指示の対象となる個別領域32を販売画面20に表示する(例えば図3のかけうどんの個別領域32を参照)。つまり、販売画面20において非表示にされた個別領域32を、必要に応じて再表示することができる。これにより、販売画面20においてメニューの表示設定を行う際における利便性の一層の向上を図れる。
また、係員は、図4に示すように係員画面50が表示された状態において、売切マーク54や非表示マーク55が表示されていない個別領域32(例えばきつねうどんの個別領域32)を、破線の矢印Aで示すように、非表示マーク55が表示された個別領域32(例えばかけうどんの個別領域32)へ向けてタッチパネル3上にてドラッグアンドドロップしてもよい。この場合、制御部21は、販売画面20において表示中の個別領域32から非表示中の別の個別領域32へのドラッグアンドドロップ操作を、ドラッグされた表示中の個別領域32と、当該個別領域32がドロップされた非表示中の個別領域32とを販売画面20において配置替えする指示として受け付ける。そして、制御部21は、この配置替えの指示の対象となる個別領域32同士を(つまり、表示中の個別領域32と非表示中の個別領域32とを)、図7に示すように販売画面20において配置替えする(図7のきつねうどんの個別領域32を参照)。
なお、個別領域32同士の配置替えは、同じサイズの個別領域32間ではもちろん可能だが、異なるサイズの個別領域32間(例えば大個別領域32Aと中個別領域32Bとの間)でも可能であってもよい。異なるサイズの個別領域32同士が配置替えされた場合には、制御部21は、配置替え後のこれらの個別領域32のサイズを、配置替え前のサイズから変更してもよい。また、配置替えは、表示中の個別領域32と非表示中の個別領域32との間でだけでなく、表示中の個別領域32同士の間(表示中の個別領域32と表示中の別の個別領域32との間)で可能であってもよい。
さらに、係員は、図4に示すように係員画面50が表示された状態において、売切マーク54や非表示マーク55が表示されていない個別領域32(例えばきつねうどんの個別領域32)を、破線の矢印Bで示すように、メニュー表示領域31における空き領域33へ向けてドラッグアンドドロップしてもよい。制御部21は、係員による個別領域32のタッチパネル3におけるドラッグアンドドロップ操作を、ドラッグされた表示中の個別領域32を空き領域33へ移動させる指示として受け付ける。そして、制御部21は、この指示の対象となる表示中の個別領域32を、図8に示すように販売画面20において空き領域33へ移動させる(図8のきつねうどんの個別領域32を参照)。
このように、表示中の個別領域32を、必要に応じて、非表示中の個別領域32と配置替えしたり、空き領域33へ移動させたりすることによって、販売画面20における別の位置に移動させることができる。特に、係員は、ドラッグアンドドロップ操作という直感的で簡単な操作によって、表示中の個別領域32を販売画面20における別の位置に移動させることができる。これにより、表示画面2においてメニューの表示設定を行う際における利便性の一層の向上を図れる。なお、「表示中の個別領域32」には、販売画面20に既に表示中の個別領域32だけでなく、販売画面20に現在表示されていなくても今回の設定によって表示される予定の個別領域32も含まれる。同様に、「非表示中の個別領域32」には、販売画面20において既に非表示となっている個別領域32だけでなく、販売画面20において現在表示されていても今回の設定によって非表示になる予定の個別領域32も含まれる。
以上のように、係員が表示画面2における表示内容を設定する際にタッチパネル3によって入力する指示は、販売画面20における特定の個別領域32を非表示にする指示と、非表示になった個別領域32を再表示する指示と、表示中の個別領域32と非表示中の個別領域32等とを配置替え(表示中の個別領域32同士の配置替えも含む)する指示と、表示中の個別領域32を空き領域33に移動させる指示と、売切れのメニューに対応する表示中の個別領域32に売り切れの旨を表示する指示とを含む。制御部21は、これらの指示の受け付けの際に、これらの指示以外の入力を無効にする。そのため、表示装置1におけるメニューの表示設定とは無関係の設定内容が当該入力によって誤って変更されたり消去されたりする不具合を防止できる。これにより、係員は、表示画面2においてメニューの表示設定だけを表示画面2上で間違えなく簡単に実施できるので、表示設定を行う際における利便性の一層の向上を図れる。また、この構成であれば、外食チェーンの本部も、前述した設定データを全店舗で共通化しても、表示画面2における店舗毎の表示設定を各店舗の係員に安心して任せることができる。また、各店舗では、現場の係員が、表示画面2における表示設定を各店舗独自にカスタマイズできる。
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項に記載の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、販売画面20において非表示にされる個別領域32に対応するメニューは、前述した実施形態では販売終了になったメニューおよび販売開始前のメニューの両方であったが、各店舗の運用上の都合に応じて、販売終了になったメニューおよび販売開始前のメニューの少なくともいずれかを含めばよい。また、販売画面20において、売り切れになったメニューの個別領域32には、売切マーク57が表示されるのでなく、この個別領域32自体が非表示になってもよい。
また、係員による表示装置1に対する操作がなくても、制御部21は、販売画面20における各個別領域32の表示および非表示を曜日や時間等の所定のタイミングにおいて自動で切り替えてもよい。例えば、日替わりメニューの個別領域32を販売画面20に一度に配置する場合において、曜日が変わるごとに、制御部21は、販売画面20において、該当する日替わりメニューの個別領域32を表示させ、他の個別領域32を非表示にする。また、別の例として、例えば、朝のメニューの個別領域32と昼のメニューの個別領域32とを販売画面20に一度に配置する場合において、時間帯が朝から昼に変わると、制御部21は、販売画面20において、昼のメニューの個別領域32を表示させ、朝の個別領域32を非表示にする。これにより、表示画面2においてメニューの表示設定を行う際における利便性の一層の向上を図れる。
また、表示装置1のメモリ部22において各メニューの在庫が管理されていてもよい。この場合において在庫がなくなったメニューが発生すると、このメニューが定番メニューである場合には、制御部21は、対応する個別領域32に売切マーク57を表示したり、当該個別領域32を非表示にしたりする。在庫がなくなったメニューが旧メニューである場合には、制御部21は、このメニューの個別領域32を非表示にするだけでもよいし、このメニューの個別領域32の代わりに、このメニューの代わりとなる新メニューの個別領域32を表示させてもよい。
また、前述した実施形態における表示装置1では、利用客が購入ボタン40をタッチすることに応じて決済されたが、利用客による個別領域32のタッチによってメニューを選択されると、選択したメニューについてすぐに決済されてもよい。また、決済に関し、メニューを選択する前に入金してもよいし、メニューを選択した後に入金してもよい。
また、表示装置1の一実施例として、食券自動販売機を例示したが、表示装置1は、映画館のチケット販売機や、駅の券売機も含み、さらに、紙のチケットを発行しないチケットレスの券売機や、発券機能や決済機能が省略されてメニューの表示機能を少なくとも有する装置も含む。なお、表示装置1の表示画面2は、カラー画面であってもよいし、モノクロ画面であってもよい。