JP2017167049A - 水中の弗化物イオンおよび水銀の濃度を並列かつ自動で測定するためのシステムおよび方法 - Google Patents

水中の弗化物イオンおよび水銀の濃度を並列かつ自動で測定するためのシステムおよび方法 Download PDF

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Abstract

【課題】弗化物イオンと水銀の水中濃度を並行かつ自動で測定し、異常値を監視でき、人力によるサンプリング等の頻度からの作業負担を要求しない手法。【解決手段】弗化物イオン濃度測定手段および水銀濃度測定手段に接続するように構成されるシステムであって、弗化物イオンまたは水銀の水源に接続して測定対象となる試料原水を蓄積し循環させるように構成される循環水系と、試料原水を循環水系が接続する採取容器から採取し受取容器に排出するように構成される第一採取手段と、受取容器から第一の量の試料原水を採取し弗化物イオン濃度測定手段の試料受入容器に渡し所定の希釈率に希釈するように構成される第二採取手段と、受取容器から第二の量の試料原水を採取し所定の希釈率に希釈し第三の量の希釈した試料液を採取し水銀濃度測定手段に渡すように構成される第三採取手段とを含むシステム。【選択図】図1

Description

本発明は、水中の弗化物イオンおよび水銀の濃度を並列に自動測定するためのシステムまたは方法に関する。
工場においては、冷却に用いる水や洗浄に用いる工業用の水等が大量に用いられている。これらの工業用の水の多くは、冷却部分や洗浄部分と貯水槽(循環槽)との配管によって循環させて用いられる。そこで、これらの循環用水には、環境排水基準に規定される物質が少なからず含まれており、操業の状況によって急激に濃度が高くなったり、循環することにより徐々に高くなったりしていくものもある。このため、値が高くなった循環用水等は、ブリードオフしては廃水処理設備にて環境排水基準値以下に処理することによって、工場外に排出される。このようなことから、貯水槽(循環槽)の水質を常時モニタリングすることは肝要となる。
環境排水基準に規定される物質として弗化物イオン(F-)と水銀(Hg)がある。例えば我が国の水質汚濁防止法と排水基準を定める省令が定める一律の排水基準としては、2015年現在の基準値(許容限度)であるが「水銀及びアルキル水銀その他の水銀化合物」が0.005 mg Hg/L以下、「ふっ素及びその化合物」は8 mg F/L以下(海域以外の公共用水域に排出されるもの)または15 mg F/L(海域に排出されるもの)とされている。また、工場の所在地によってはこれよりも厳しい基準値が条例等で別途定められている場合もある。そこで、弗化物イオン(F-)と水銀(Hg)についても、同様に、貯水槽(循環槽)の水質をモニタリングする必要がある。
一方、工場では、一般に発生した貴金属スクラップ(弗素系樹脂を含む)、リチウムイオン電池、または電子基板に含まれる水銀リレーといった廃電子部品屑を炉(定置炉やキルン炉など)で焼却処理しているが、その処理量が増加傾向にある。このため、排ガス洗浄設備等からの冷却用水や洗浄用水に含まれる弗化物イオンと水銀の濃度が高くなりつつあり、これまで以上に貯水槽(循環槽)の水質をモニタリングする頻度が必要となってきた。また、人力によるサンプリングに伴う作業負担も問題となってきた。
このような排水中の金属濃度分析のための自動化については、例えば特許文献1に記載の手法が提案されている。
特開2009-210333号公報
しかしながら特許文献1に記載されている従来技術は、1又は2以上の試料液採取箇所に対して1種類の金属濃度分析を自動で行う装置及びシステムであり、弗化物イオンと水銀のように別々の測定機器で各々の測定用試料液を調製して、分析を行う装置及びシステムではない。このため、測定用試料液の作製には、試料液採取箇所に対して計量、希釈などといった煩雑な作業が前処理として要求され、自動運転を謳っている従来技術に係る分析装置であっても、2つの測定を並列かつ自動で行うためには改善の余地があった。
上記事情に鑑み、弗化物イオンと水銀の水中濃度を並行かつ自動で測定し、異常値を監視でき、人力によるサンプリング等の頻度からの作業負担を要求しない手法が課せられた。
本発明の一つの実施形態においては、水中の弗化物イオンおよび水銀の濃度を自動測定するためのシステムであって、
前記システムは、
弗化物イオンの水中濃度を測定するように構成される弗化物イオン濃度測定手段、および
水銀の水中濃度を測定するように構成される水銀濃度測定手段
に接続するように構成されるものであり、
前記システムは、
弗化物イオンまたは水銀の水源に接続して、測定対象となる試料原水を蓄積し循環させるように構成される、循環水系と、
前記試料原水を、前記循環水系が接続する採取容器から採取し、受取容器に排出するように構成される、第一採取手段と、
前記受取容器から、第一の量の前記試料原水を採取し、前記弗化物イオン濃度測定手段の試料受入容器に渡し、所定の希釈率に希釈するように構成される、第二採取手段と、
前記受取容器から、第二の量の前記試料原水を採取し、所定の希釈率に希釈し、第三の量の前記希釈した試料液を採取し、前記水銀濃度測定手段に渡すように構成される、第三採取手段と
を含むシステムが提供される。
また当該実施形態は、水中の弗化物イオンおよび水銀の濃度を自動測定するための方法であって、
弗化物イオンの源または水銀の源に接続して測定対象となる試料原水を蓄積し循環させるように構成される循環水系から、前記試料原水を採取し、受取容器に格納するステップと、
前記受取容器から、第一の量の前記試料原水を採取し、弗化物イオン濃度測定手段に渡し、所定の希釈率に希釈して、前記弗化物イオン濃度測定手段が試料原水中の弗化物イオン濃度を算出するステップと、
前記受取容器から、第二の量の前記試料原水を採取し、所定の希釈率に希釈し、第三の量の前記希釈した試料液を採取し、前記水銀濃度測定手段が試料原水中の水銀濃度を算出するステップと
を含む方法も提供する。
本発明に係るシステムまたは方法を用いることによって、弗化物イオンと水銀の水中濃度を並行かつ自動で測定ができ、貯水槽(循環槽)の水質の監視や異常値の管理をすることが可能で、かつ人力による作業負担も軽減され、継続的に機能するという効果を図ったものである。
本発明の実施形態に係るシステムを説明するための概略図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明するが、これは本発明を何ら限定するものではない。
本明細書においては、「約」または「およそ」なる表現は、特段の断わりが無いかぎりはその修飾する数値の±10%の範囲を包摂する。
本明細書においては、水中濃度に関する文脈における「弗化物イオン」、「フッ化物イオン」、「フッ素」または「ふっ素」などの表記は、特段の断わりが無いかぎりは環境基準(排水基準)における「ふっ素及びその化合物」すなわち水中の弗化物イオンおよびその前駆体化合物を含有する。なお混乱を避けるため、本明細書の記載においては原則としては「弗化物イオン」表記で統一している。またその濃度については、上述したように従来技術に基づいて弗化物イオン換算量として計算することができる。
本明細書においては、「水銀」または「Hg」なる表現は、特段の断わりが無いかぎりは金属水銀、無機水銀(硫化水銀、酸化水銀、塩化第一水銀、塩化第二水銀など)、アルキル水銀その他の水銀化合物(メチル水銀、ジメチル水銀、エチル水銀チオサリチル酸ナトリウム、ジエチル水銀、酢酸フェニル水銀など)を包含する。なおその濃度については、上述したように従来技術に基づいて金属水銀換算量として計算することができる。
本明細書においては、弗化物イオンおよび水銀(アルキル水銀その他の水銀化合物を含む)の濃度定量方法に関しては環境基準(排水基準)に合った任意の手法を選択することができる。具体的には、弗化物イオンの測定には当該環境庁告示に示されるJIS K 0102:2013の第34節「ふっ素化合物」の項に掲げられる測定方法を使用できる。また具体的には、水銀の測定には当該環境庁告示に示される昭和46年環境庁告示第59号付表1に掲げられる測定方法を使用できる。
本発明に係る実施形態については、図1を参照しつつ以下に説明する。
実施形態に係るシステム 100 は、弗化物イオン濃度測定手段 89 および水銀濃度測定手段 99 (それぞれ各成分の自動測定を行う)に接続し、システム全体として自動化された二種の測定を並行かつ継続的に実現できるように構成されている。概要として、システム 100 は測定用試料水を水源としての循環水系 102 から採取し、当該二種の濃度測定手段と協働して自動かつ並列に弗化物イオン濃度と水銀濃度を測定することを可能とするものである。なお、図1中の実線矢印は水の流れならびに当該水に添加される希釈用水もしくは試薬の流れの概要を示すものである。また一点鎖線矢印はデータ通信の流れの概要を示すものである。別の実施形態においてはこれらの矢印以外の流れがあってもよい。なお、弗化物イオン濃度測定手段 89 および水銀濃度測定手段 99 はシステム 100 に含まれていないことに留意されたい。
弗化物イオン濃度測定手段 89 は市販の任意の分析装置であってよく、例えば好ましくはイオン電極式分析計または吸光光度計であってよい。
弗化物イオン濃度測定手段 89 としてのイオン電極式分析計は、例えばF-72(堀場製作所製)やMM-60R(東亞DKK株式会社製)などが市販されており、これらを使うことが可能である。
水銀濃度測定手段 99 も市販の任意の分析装置であってよく、例えば好ましくは安全性と共存元素の妨害の少なさという観点から原子吸光装置、ICP発光分析装置(ICP/OES)、ICP質量分析装置(ICP/MS)または水銀測定装置であってよい。
水銀濃度測定手段 99 は、水銀濃度専用測定装置として、例えばRA-5、RA-3A、RA-3110(日本インスツルメンツ株式会社製)やHG-400(平沼産業株式会社製)などが市販されており、これらを使うことが可能である。
循環水系 102 は、システム 100 外の工場敷地内の貯水槽(以下、試料原水採取箇所) 79 とシステム 100 と配管で接続し、試料原水採取箇所 79 の試料原水を循環する循環水系である。循環水系 102 には、第一採取手段 104 のために、測定室内に採取容器 104a を設け、試料原水が試料原水採取箇所 79 からその採取容器 104a を経由して試料原水採取箇所 79 にふたたび循環するようになっている。具体的には、行きの試料原水を採取容器 104a の下から入れ、採取容器 104a の上部から戻りの試料原水を排出する機構によって循環できる。なお、循環水系 102 は、試料原水採取箇所ごとに設けられる。
第一採取手段 104 は、循環水系 102 の中に設置された採取容器 104a から試料原水を採取(サンプリング)し、受取容器 104b に排出するように機能する手段である。
第一採取手段 104 が採取する試料原水の量は特に限定されず、測定目的や計器の検出限界や循環水系の容量などに応じた任意の量を採取することができるものであってもよい。
また第一採取手段 104 は、水を自動で採取するためなどの各種装置・手段を含むことができる。第一採取手段 104 が含みうるものとしては例えば、採取ノズル管、当該採取ノズル管を水源に対して移動させる手段(モーター等)、当該採取ノズル管を洗浄する手段(洗浄用水供給装置等)、ピストンビュレット、減圧ポンプ、採取した水を一時的に蓄えておく手段(バッファータンクなど)、ドレーン、フィルター、およびそれらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定はされない。上記フィルターの使用については例えば、水源の水が汚泥、スラリー、砕石や塵芥などを含んで懸濁しておりそのままでは水質検査に適さないような場合に、好ましい。上記フィルターとしては例えば、濾紙、濾過膜、濾過カラム、ガラスボールフィルターなどが含まれるが、これらに限定はされない。
また第一採取手段 104 は、後述する制御手段 114 とデータ通信するための手段を含むことが可能で、例えば有線もしくは無線の受信機または送信機やLAN(ローカルエリアネットワーク)への接続手段などを使うことができる。これにより、制御手段 114 からの第一採取手段 104 の実施開始指示及び第一採取手段 104 の制御手段 114 への終了報告による第二採取手段 108 もしくは第三採取手段 110 の実施開始指示が可能となる。
また第一採取手段 104 は、正確な定量や汚染防止の観点などから、洗浄手段を含んでもよい。例えば洗浄手段は、洗浄水タンクに収めた洗浄用水(蒸留水、脱イオン水、もしくは水道水など)を使って第一採取手段 104 を洗浄するものであってよい。
第二採取手段 108 は、第一採取手段 104 の受取容器 104b から、第一の量の試料原水を採取して弗化物イオン濃度測定手段 89 、具体的には、弗化物イオン濃度測定手段 89 の測定用容器 89a に渡し、弗化物イオン濃度の値を得させるように機能するものである。当該第一の量は特に限定されないが、弗化物イオン濃度測定手段 89 の仕様(計量管の容量や要請される希釈率や添加試薬量など)に基づいて定まる量であってよく、例えば第一の量を約100 mL以下の量とすることができる。
なお第二採取手段 108 には希釈手段 122 が含まれ、弗化物イオン濃度測定手段 89 の試料受入容器 89a に渡す試料原水を、所定の希釈率に希釈するように構成される。例えば希釈手段 122 は、試料原水を弗化物イオン濃度測定手段 89 に渡した後に希釈用水で希釈するように機能するものであってよい。
第二採取手段 108 は、第一採取手段 104 と同様に、弗化物イオン濃度測定手段 89 や、後述する制御手段 114 とデータ通信するための手段を含んでいてもよい。
なお、弗化物イオン濃度測定手段 89 が稼働中に常に溶液を通しておく必要がある装置である場合(イオン電極式分析装置など)には、第二採取手段 108 が分析実行時以外には弗化物イオン濃度測定手段 89 の測定用容器 89a を洗浄用水で満たしておくような構成にしておくことが望ましい。なお、試料液受入の際には、直前に洗浄用水を排出するような構成となっている。
第三採取手段 110 は、第一採取手段 104 の受取用容器 104b から、採取した試料原水を希釈し、第三の量の試料原水を採取して水銀濃度測定手段 99 、具体的にはその測定用容器 99a に渡し、水銀濃度の値を得させるように機能するものである。第二の量は特に限定されないが、水銀濃度測定手段 99 の仕様(計量管の容量や要請される希釈率や添加試薬量など)に基づいて定まる量であってよく、例えば第二の量は約5 mL程度の量とすることができる。
なお、第三採取手段 110 には希釈手段 124 が含まれてもよく、受取容器 104b から採取された試料原水を、所定の希釈率に希釈してから水銀濃度測定手段 99 に渡すように構成される。希釈手段 124 は、水銀濃度測定手段 99 に試料原水を渡すに先立って試料原水を希釈用水で希釈するように機能してもよい。
本発明では、水銀濃度測定手段 99 は市販の装置である。そのため、当該装置に付属している測定用容器には容量の制約があり(5mL程度)、第三採取手段 110 においては受取容器 104b から装置付属の測定用容器 99a に水を受けても直接希釈できない場合がある。そのため別の態様では、第三採取手段 110が、第一採取手段 104 の受取容器 104b から第一の量の試料原水が採取された後に受取容器 104b の残りの試料原水を排出して、さらにその後に第二の量の試料原水を受取容器 104b に採取してから、その第二の量の試料原水を希釈手段 124 が所定の希釈倍率に希釈してから、その希釈されたうちから第三の量を水銀濃度測定手段 99 (の測定用容器 99a )に渡すように機能することができる。
なおさらに別の態様では、希釈用容器を設置し、当該第二の量の試料原水を希釈用容器に排出し、所定の希釈倍率に希釈した後、第二の量を採取して水銀濃度測定手段 99 に渡すことも可能である。
また第三採取手段 110 は、上述した第一採取手段 104 または第二採取手段 108 と同様の特徴や手段を含むものであってもよい。
本実施形態に係る第二採取手段 108 と第三採取手段 110 の行う操作は、並行して自動で行うものである。或る態様においては、第二採取手段 108 と第三採取手段 110 とは協働する別個の装置であってよい。別の態様では、第二採取手段 108 と第三採取手段 110 とが単一の装置に含まれていてもよい。
記録手段 112 は、第二採取手段 108 が渡した第一の量の試料原水に基づいて弗化物イオン濃度測定手段 89 が定量した弗化物イオン濃度をデータとして格納するように機能する。また記録手段 112 は、第三採取手段 110 が渡した第二の量の試料原水に基づいて水銀濃度測定手段 99 が定量した水銀濃度をデータとして格納するようにも機能する。或る態様においては当該データが、後述する計時手段 118 が定める測定時刻と紐付されていてもよい。なお記録手段 112 は複数の記録媒体(例えば電磁記録媒体)から構成されるものであってもよく、例えば物理的には別箇の記録媒体に別箇の濃度データをそれぞれ格納するようにしてもよい。
ある態様では、システム 100 が異常値検出手段を含んでもよい。異常値検出手段は、記録手段 112 が格納する記録に基づき弗化物イオンまたは水銀の濃度の値が所定の閾値を超えたかどうかの判断を行うように構成される手段である。当該閾値は環境基準や気温その他の一時的な条件等に基づき適切に定めることができる。当該閾値が記録手段 112 に格納され異常値検出手段が随時参照する構成となっていてもよいし、異常値検出手段自身が当該閾値を格納していてもよい。ある実施形態においては、弗化物イオン濃度測定手段 89 が算出した弗化物イオンの水中濃度の値が所定の弗化物イオン濃度閾値を超えているとき、または、水銀濃度測定手段 99 が算出した水銀の水中濃度の値が所定の水銀濃度閾値を超えているときに、警報(例えば警告灯の点灯など)を出すようにすることができる。
計時手段 118 は、測定が行なわれる時刻を特定するために、測定地点の時刻を定める機能を有する手段である。計時手段 118 は例えば電波時計等の装置であってもよいし、NTPサーバと同期するソフトウェアを含んでもよい。測定を行う時刻は任意に定めることができ、決まった日の定刻(例えば本システムを設置する工場等の施設の営業日の始業時と終業時や、あるいは0時、6時、12時、18時のうちの一回以上など)に行うようにしてもよいし、任意の時間おき(例えば約10分間おき、約30分間おき、もしくは約1時間おきなど)に測定を行ってもよい。計時手段 118 は、コンピュータ(図示せず)によって制御されるものであってよい。また当該コンピュータは計時手段 118 以外の他の構成要素を制御してもよい(他の実施形態でも同様である)。またそれら他の構成要素が別箇の時計を含むことも可能であり、それら複数の時計同士を同期するように制御することも可能である。
本実施形態では、計時手段 118 より測定時間の情報を得て、第一採取手段 104 の実施指示が行われる。その終了の報告を受けてから、第二採取手段 108 もしくは第三採取手段 110 の実施指示、各々の測定手段の終了を受けての記録手段 112 の実施指示を出すプログラムを有する制御手段 114 を有する。好ましい態様では、制御手段 114 の動作として、第一採取手段 104 の実施指示の後に、第二採取手段 108 の実施指示が行われ、さらにその後に、第三採取手段 110 の実施指示が行われてから、記録手段 112 の実施指示が行われる。換言すれば、計時手段 118 は一連の実施のトリガーとして機能できるものである。
制御手段 114 は、計時手段 118 、第一採取手段 104 、第二採取手段 108 、第三採取手段 110 とデータ通信するための手段を含むことが可能で、例えば有線もしくは無線の受信機または送信機やLAN(ローカルエリアネットワーク)への接続手段などを使うことができる。
希釈手段 122 は、第二採取手段 108 が試料原水を弗化物イオン濃度測定手段 89 に渡すに際し、適切な濃度分析を行うために希釈用の水を注入し、試料原水を所定の希釈率を以って希釈するように機能するものである。当該希釈用の水としては測定精度に実質的に影響しない範囲で任意のものを使用でき、例えば蒸留水、脱イオン水、もしくは水道水などを用いてよい。
希釈手段 124 は、第三採取手段 110 が試料原水を水銀イオン濃度測定手段 99 に渡すに際しても、希釈手段 122 と同様に希釈用の水を注入できる。
希釈手段 122, 124 が対象の水を希釈する際の希釈率は、試料原水の濃度、用いる測定手段が安定して測定できる濃度範囲によって決まる。すなわち、原水を用いる測定手段が安定して測定できる濃度範囲まで、希釈して、測定を実施する。たとえば、本発明では、フッ素濃度では、原水が2 ppm〜200 ppmの範囲にあることが想定され、用いる装置の測定範囲は、0.05 ppm〜10,000 ppmであるために、希釈率は、本システムの仕様から10倍とすることができる。同様に、水銀の濃度についても原水が0.1 ppb〜200 ppbの範囲にあることが想定され、用いる装置の測定範囲は、0.005 ppb〜400 ppbであるために、希釈率は、本システムの仕様から10倍とすることができる。
上述したシステム 100 を用いることにより、所定の工程を含んだ水中の弗化物イオンおよび水銀の濃度を自動かつ並列に測定するための方法を実現することができる。この方法は、制御手段 114 によってハードウェア資産およびソフトウェア資産を用いて実行することが可能となる。制御手段 114 は例えば自動制御盤であり、計時手段 118 からの時間の情報を受けて動作可能である。
本出願人の金属精錬工場の貯水槽(循環槽)からの試料用原水を対象として、本発明に係る自動システムおよび方法を使用して自動測定の検証を行った。態様としては上述した実施形態に対応するものを使用し、水源として、本出願人の工場内に在る定置炉、新定置炉、キルンの3基のガス冷却用循環水の貯水槽(循環槽)およびシックナーからの廃水槽の4基から配管を接続し、測定室内に採取容器4基を設置し、各々の配管に接続し、4基の試料原水採取箇所から試料原水を循環できるようにした。
弗化物イオン濃度測定手段として、マルチ水質計MM-60R(東亞DKK株式会社製)を使用した。当該水質計の試料採取量は5 mLとし、緩衝液の量は5 mLまたは50 mLとした。弗化物イオン単能電極にはF-125(東亞DKK株式会社製)を、比較電極にはHS-305DP(東亞DKK株式会社製)を使用した。
水銀濃度測定手段として、還元気化水銀測定装置RA-3A(日本インスツルメンツ株式会社製)を使用した。当該測定装置の試料採取量は5 mLとした。分析試薬として、硫酸(1+1)を0.7 mL、硝酸を0.2 mL、2.5% KMnO4を0.7 mL、0.8% 塩化ヒドロキシルアンモニウムを3 mL、10% 塩化スズを0.3 mLをそれぞれ添加して用いた。
各測定手段間のデータ通信はLAN経由で行った。
測定は、1から3日間にわたり連続して行った。測定間隔は、1時間ごと1回とした。
上記実施の結果、人力負担を要することなく、自動濃度測定運転を行うことが可能であることが実証された。
79 試料原水採取箇所
89 弗化物イオン濃度測定手段
89a 弗化物イオン濃度測定手段の用いる測定用容器
99 水銀濃度測定手段
99a 水銀濃度測定手段の用いる測定用容器
100 本発明の実施形態に係るシステム
102 循環水系
104 第一採取手段
104a 第一採取手段が試料原水を採取する先の採取容器
104b 第一採取手段が試料原水を収める受取容器
108 第二採取手段
110 第三採取手段
112 記録手段
114 制御手段
118 計時手段
122 第二採取手段が含む希釈手段
124 第三採取手段が含む希釈手段

Claims (10)

  1. 水中の弗化物イオンおよび水銀の濃度を自動測定するためのシステムであって、
    前記システムは、
    弗化物イオンの水中濃度を測定するように構成される弗化物イオン濃度測定手段、および
    水銀の水中濃度を測定するように構成される水銀濃度測定手段
    に接続するように構成されるものであり、
    前記システムは、
    弗化物イオンまたは水銀の水源に接続して、測定対象となる試料原水を蓄積し循環させるように構成される、循環水系と、
    前記試料原水を、前記循環水系が接続する採取容器から採取し、受取容器に排出するように構成される、第一採取手段と、
    前記受取容器から、第一の量の前記試料原水を採取し、前記弗化物イオン濃度測定手段の試料受入容器に渡し、所定の希釈率に希釈するように構成される、第二採取手段と、
    前記受取容器から、第二の量の前記試料原水を採取し、所定の希釈率に希釈し、第三の量の前記希釈した試料液を採取し、前記水銀濃度測定手段に渡すように構成される、第三採取手段と
    を含む
    ことを特徴とする、システム。
  2. 前記システムが、
    前記第一採取手段、前記第二採取手段、および前記第三採取手段のうちの少なくとも一つの手段を洗浄するように構成される、洗浄手段
    をさらに含む
    ことを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記システムが、
    前記第二採取手段から渡された前記第一の量の前記試料原水に基づいて前記弗化物イオン濃度測定手段が算出する弗化物イオンの水中濃度についてのデータ、および、前記第三採取手段から渡された前記第二の量の前記試料原水に基づいて前記水銀濃度測定手段が算出する水銀の水中濃度についてのデータを格納するように構成される、記録手段
    をさらに含む
    ことをさらに特徴とする、請求項1または2に記載のシステム。
  4. 前記システムが、
    時刻を定めるための計時手段と、
    前記計時手段より測定時間の情報を得て、前記第一採取手段の実施指示、その終了の報告を受けて前記第二採取手段もしくは前記第三採取手段の実施指示、各々の測定手段の終了を受けての記録手段の実施指示を出すように構成される、制御手段と
    をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシステム。
  5. 前記第二採取手段が含む希釈手段が、前記弗化物イオン濃度測定手段の測定用容器に渡した後に、試料原水を希釈用水で希釈するように機能するか、
    または、
    前記第三採取手段が含む希釈手段が、前記水銀濃度測定手段の測定用容器に試料原水を渡すに先立って試料原水を希釈用水で希釈するように機能する、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のシステム。
  6. 前記第三採取手段が含む希釈手段が、第一採取手段の受取容器から、第二の量の試料原水を採取して受取容器の残りの試料原水を排出した後、採取した第二の量の試料原水を受取容器に排出し、所定の希釈倍率に希釈するように機能する、請求項5に記載のシステム。
  7. 前記弗化物イオン濃度測定手段が、イオン電極式分析装置、または吸光光度計を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のシステム。
  8. 前記水銀濃度測定手段が、原子吸光装置、ICP発光分析装置、またはICP質量分析装置を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のシステム。
  9. 水中の弗化物イオンおよび水銀の濃度を自動測定するための方法であって、
    弗化物イオンの源または水銀の源に接続して測定対象となる試料原水を蓄積し循環させるように構成される循環水系から、前記試料原水を採取し、受取容器に格納するステップと、
    前記受取容器から、第一の量の前記試料原水を採取し、弗化物イオン濃度測定手段に渡し、所定の希釈率に希釈して、前記弗化物イオン濃度測定手段が試料原水中の弗化物イオン濃度を算出するステップと、
    前記受取容器から、第二の量の前記試料原水を採取し、所定の希釈率に希釈し、第三の量の前記希釈した試料液を採取し、前記水銀濃度測定手段が試料原水中の水銀濃度を算出するステップと
    を含む、方法。
  10. 前記弗化物イオン濃度測定手段が算出した弗化物イオンの水中濃度の値が所定の弗化物イオン濃度閾値を超えているとき、または、前記水銀濃度測定手段が算出した水銀の水中濃度の値が所定の水銀濃度閾値を超えているときに、警報を出すステップ
    をさらに含む、請求項9に記載の方法。
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