JP2017166727A - 無機繊維質断熱材及びその製造方法 - Google Patents

無機繊維質断熱材及びその製造方法 Download PDF

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剛史 福井
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剛史 福井
光雄 鈴木
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Abstract

【課題】水蒸気などのガス成分に対し高バリア性を有していると共に、面圧特性に優れた無機繊維質断熱材と、その製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】炉内被加熱面のライニング施工に用いられる無機繊維質断熱材において、無機繊維集合体層と炉内被加熱面に無機酸化物ガラス質緻密層を有し、かつ、該無機酸化物ガラス質緻密層形成前後の無機繊維集合体層の面圧特性比が0.9以上1.0以下である無機繊維質断熱材と、その製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、炉内のライニングに用いられる無機繊維質断熱材およびその製造方法に関する。
従来、炉内壁には鋼板またはレンガなどの重質な耐火物が多く用いられてきた。しかしながら、近年では、高断熱性、高耐熱衝撃性、急速降昇温が可能など、操業性および省エネルギー性に優れた無機繊維断熱材の使用が拡大している。
一例として、亜鉛やアルミニウムなどの取鍋へのライニング材など溶融金属と直接接する部材において検討が実施されている。本部材において、ライニング材には、空の取鍋へ溶融金属を流し込む為、大きな熱衝撃が負荷される。また、工程中、溶融金属を安定に保持するため、高い断熱性能が求められる。本部材において無機繊維質断熱材は、その軽量性および断熱性から、溶融温度低下を防止できる。また、取鍋を構成する鉄皮および耐火材の構造を簡素化できるなどの利点を有している。
各種焼鈍炉などにおいても無機繊維断熱材の使用は拡大している。焼鈍炉に無機繊維質断熱材を用いる場合、炉内に酸素や水分の混入が防止される構成を有することが望まれる。特に連続亜鉛メッキ用焼鈍炉などでは、無機繊維断熱材が含む空気や水分を窒素などの不活性ガスへの置換にかかる時間が長くかかるため、ガス置換にかかる時間が低減できる無機繊維断熱材が、操業停止時間を短縮できるメリットが非常に大きいために求められてきた。
特許文献1には、セラミックファイバを有機および無機バインダーにより結合して成形された成形体であって、該成形体の炉内ライニング方向に対し直角な少なくとも一面にガス難浸透性コーティングを施した繊維質成形体が記載されている。このコーティング材は、珪石等の耐火骨材粉末と、ガラス材粉末と、アルコキシドゾルとを含む組成物を吹付け等により塗布し、乾燥後、1000〜1200℃で熱処理することにより形成される。
特許文献2には、溶融亜鉛メッキ設備のメッキポットの内張の耐火材として、セラミックファイバーブロックを50〜350kg/mに圧縮成形したものが記載されている。
特許文献3には、無機繊維質成形体表面からの繊維飛散を低減する目的で、シリカアルミナ繊維を無機バインダーおよび有機バインダーで成形し、その表面を無機繊維、無機粒子及び有機バインダーを含むコート材でコーティングした無機繊維成形体が記載されている。
特開平8−239257号公報 特開2002−121658号公報 特開2001−278680号公報
しかしながら、上記記載の方法における無機繊維質断熱材は種々の問題点を有していた。特許文献1および3にあっては、無機酸化物由来のガラス質緻密層を形成する為に、雰囲気加熱を必要とするが、該ガラス質緻密層の形成温度が、基材である無機繊維集合体の粒成長または結晶化する温度よりも高い場合、基材の結晶化または粒成長を促進し、
結果として基材物性、特にガラス質緻密層形成後の面圧特性、の劣化を促進してしまう課題がある。
また、特許文献2にあっては、セラミックファイバーブロックの空隙内やセラミックファイバーブロック同士の当接部分(目地部分)に、溶融金属が浸透し、鉄皮などを侵食することが懸念される。また、セラミックファイバーブロックは、空隙率が高いため、セラミックファイバーブロック内部の酸素や水蒸気を窒素などの安定化ガスに置換するのに多大な労力がかかる課題がある。
そこで、本発明では、無機繊維集合体の無機酸化物ガラス質緻密層形成後面圧特性劣化を生じさせることなく、かつガスバリア性及び/又は溶融金属耐食性に優れた無機繊維質断熱材を目的とするものである。
本発明者等は上記実情に鑑み、無機繊維質断熱材にガスバリア性及び/又は溶融金属耐食性を、無機繊維集合体の無機酸化物ガラス質緻密層形成後面圧特性劣化を生じさせることなく付与する為、鋭意検討した結果、釉薬など無機酸化物ガラス質緻密層材料をバーナ直火等の直火式加熱により、無機酸化物ガラス質緻密層形成後無機繊維集合体の面圧特性劣化を生じさせることなく、上記無機酸化物ガラス質緻密層が積層された無機繊維質断熱材を見出し、本発明の目的が達成された。
即ち、本発明の要旨は、以下に存する。
[1]炉内被加熱面のライニング施工に用いられる無機繊維質断熱材において、無機繊維集合体層と炉内被加熱面に無機酸化物ガラス質緻密層を有し、かつ、該無機酸化物ガラス質緻密層形成前後の無機繊維集合体層の面圧特性比が0.9以上1.0以下であることを特徴とする無機繊維質断熱材。
[2]前記無機繊維断熱材において、無機繊維集合体層にアルミナ繊維を含み、無機酸化物ガラス質緻密層形成後の該アルミナ繊維のムライト格子定数のa軸が7.565Å以上かつb軸が7.693Å以下である、[1]に記載の無機繊維質断熱材。
[3]前記無機繊維断熱材において、無機繊維集合体層にレフラクトリセラミックファイバーを含み、無機酸化物ガラス質緻密層形成後の該レフラクトリセラミックファイバーのX線回折分析(2θ=30°)におけるピークが検出されない、[1]又は[2]に記載の無機繊維質断熱材。
[4]前記無機酸化物ガラス質緻密層は釉薬焼成物を含有する、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の無機繊維質断熱材。
[5]無機繊維集合体層の表面に釉薬を塗布する工程、及び直火式加熱による釉薬焼成により釉薬焼成物を含有する無機酸化物ガラス質緻密層を形成する工程を有することを特徴とする、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の無機繊維質断熱材の製造方法。
本発明の無機繊維質断熱材は、ガスバリア性及び/又は溶融金属耐食性と面圧性どちらにも優れたものである。本発明の無機繊維質断熱材の製造方法は、無機繊維集合体層の表面に釉薬を塗布し、釉薬をバーナ直火等の直火式加熱により釉薬焼成し無機酸化物ガラス質緻密層を形成するため、釉薬に供給される時間当たりのエネルギー供給量、すなわちエネルギー密度は、電気炉などによる雰囲気加熱より相対的に高い。つまり、本発明の製造方法では、雰囲気加熱と比較して、極短時間で釉薬は溶融かつ緻密化し、無機繊維集合体の粒成長や結晶化に必要なエネルギーは付与されず、耐熱温度の高い無機酸化物ガラス質緻密層を、無機繊維集合体の面圧特性を劣化させることなく形成できる利点がある。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。以下の記載は、本発明の実施形態の代表例であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に限定されない。
本発明の無機繊維質断熱材は、炉内被加熱面のライニング施工に用いられる無機繊維質断熱材において、無機繊維集合体層と炉内被加熱面に無機酸化物ガラス質緻密層を有し、かつ、該無機酸化物ガラス質緻密層形成前後の無機繊維集合体層の面圧特性比が0.9以上1.0以下である。
本発明の無機繊維集合体層の無機繊維は、特に限定されるものではないが、アルミナ繊維又はレフラクトリセラミックファイバーが挙げられる。無機繊維集合体層材料はアルミナ繊維の集合体であるアルミナ繊維ブランケット又はレフラクトリセラミックファイバーの集合体であるレフラクトリセラミックファイバーブランケットの少なくともいずれか一方にて構成されてもよく、複数枚のブランケットを積層したものであってもよい。
アルミナ繊維ブランケット及びレフラクトリセラミックファイバーブランケットは、ゾルゲル法又は溶融法等の公知の方法で得ることができる。
無機繊維集合体層のショット率は、特段の制限はないが、通常7%以下であり、好ましくは5%以下、より好ましくは3%以下、特に好ましくは1%以下である。
アルミナ繊維のアルミナ/シリカの組成比(質量比)は65〜98/35〜2のムライト組成、又はハイアルミナ組成と呼ばれる範囲にあることが好ましく、さらに好ましくは70〜95/30〜5、特に好ましくは70〜74/30〜26の範囲である。
後述する無機酸化物ガラス質緻密層形成後のアルミナ繊維のムライト格子定数のa軸及びb軸について、特段の制限はないが、該a軸が7.565Å以上かつ該b軸が7.693Å以下であることは、無機酸化物ガラス質緻密層形成によりムライト結晶相の結晶化又は結晶粒成長が進行していない点で好ましい。アルミナ繊維中のムライト結晶相は結晶化に伴い、a軸が縮まり、b軸が伸長していく。つまり、ムライト格子定数のa軸が7.570Å以上かつb軸が7.693Å以下であることで、アルミナ繊維系ブランケットの機械的強度、特に面圧が維持される点で好ましい。
該ムライト格子定数のa軸は通常7.565Å以上であり、好ましくは7.570Å以上である、一方上限は、特段の制限はないが、通常7.600Å以下である。
該ムライト格子定数のb軸は通常7.693Å以下であり、好ましくは7.690Å以下である、一方下限は、特段の制限はないが、通常7.670Å以上である。
また、該ムライト格子定数のc軸は、特段の制限はないが、通常2.880Å以上2.890Å以下である。
アルミナ繊維は、繊維径3μm以下の繊維を実質的に含まないものが好ましい。ここで繊維径3μm以下の繊維を実質的に含まないとは、繊維径3μm以下の繊維が、全無機繊維質量の0.1質量%以下であることを表す。
また、無機繊維の平均繊維径は、5〜8μmであることが好ましい。無機繊維の平均繊維径が太すぎると、マット状無機繊維集合体層の反発力や靭性が低下し、逆に細すぎても空気中に浮遊する発塵量が多くなり、また繊維径3μm以下の無機繊維が含有される確率が高くなる。
レフラクトリセラミックファイバーとは、アルミナの組成比(質量比)は60%以下であり、構造が非晶質であり、かつ平均繊維径は3μm程度である無機繊維をいう。
無機酸化物ガラス質緻密層形成後のレフラクトリセラミックファイバーについてX線回折分析における2θ=30°におけるピークが検出されないことが、レフラクトリセラミックファイバーのシリカ相の結晶化が進行しておらず、機械的強度、特に面圧が維持されている点で好ましい。
無機酸化物ガラス質緻密層とは、無機繊維集合体層の炉内被加熱面側にあり、層内に残存する気孔率が低く、かつ溶融金属への耐食性を有する無機酸化物を含有する層をいう。
無機酸化物ガラス質緻密層の無機酸化物は、上記特性を有するものであれば特に限定はないが、釉薬焼成物が好ましい。無機酸化物ガラス質緻密層中の無機酸化物の割合は、通常70重量%以上、好ましくは80%重量以上、特に好ましくは90重量%以上である。
なお、上記特性を損なわない限り添加剤等が無機酸化物ガラス質緻密層に適宜含有していてもよい。
無機酸化物ガラス質緻密層の水蒸気透過率は、40時間当たり通常230g/m以下、好ましくは200g/m以下である。下限は特段の制限はないが、通常20g/m以上である。無機酸化物ガラス質緻密層の水蒸気透過率が上記範囲内であることで、層内に残存する気孔率が低く、溶融金属の侵入が抑制され、基材である無機繊維集合体層の侵食が抑制される点で好ましい。
本発明の無機繊維質断熱材を製造するには、特段の制限はないが、前記無機繊維集合体層表面に釉薬を塗布し、直火式加熱による釉薬焼成により、釉薬焼成物を含有する無機酸化物ガラス質緻密層を作成する方法が望ましい。なかでも、前記無機繊維集合体層表面に粉末釉薬を塗布することが、形成された無機酸化物ガラス質緻密層が黒色に変色・変質等の劣化が生じない点で好ましい。さらに、前記無機繊維集合体層に水を粉末釉薬に対して10〜30重量%噴霧することが、形成された無機酸化物ガラス質緻密層が黒色に変色・変質等の劣化が生じず、かつ粉末釉薬を無機繊維集合体層表面に保持しやすくなるため、より好ましい。
というのも、無機酸化物ガラス質緻密層を形成させたい面に粉末釉薬を塗布する為、側壁に無機酸化物ガラス質緻密層を形成する場合には粉末釉薬の落下が課題となる可能性がある。ここで、落下防止の為に水を多量に含んだ状態、例えばスラリー状態で塗布した場合、釉薬は無機繊維集合体表面に固定されるが、直火式バーナによる加熱時に、形成された無機酸化物ガラス質緻密層が黒色に変色・変質等の劣化が生じる虞がある。一方で、粉末釉薬を無機繊維集合体層上に塗布する前後のいずれかまたは両方で、上記既定の範囲となるように水噴霧する場合、釉薬粉末は落下せず、かつ直火加熱後に変色・変質(劣化)することなく、側壁などに直接無機酸化物ガラス質緻密層を形成することができるからである。
粉末釉薬としては、耐火骨材粉末、ガラス材粉末、水、及び増粘剤を混合して調製したものが好ましい。
耐火骨材粉末としては、珪石、ロー石、シャモット、ムライト、アルミナ等の1種又は2種以上を用いることができる。耐火骨材粉末の粒度は、好ましくは100μm以下であり、44μm以下のものを多く含むことがより好ましい。また、耐火骨材粉末の粒度分布ピークが5μm以上30μm以下であることが好ましい。
ガラス材粉末としては、フリット、ホウ珪酸ガラス等を用いることができる。ガラス材粉末の粒度は、300μm以下であることが望ましく、コーティング材の施工性よりみて44μm以上であることが好ましい。また、ガラス材粉末の粒度分布ピークが60μm以上200μm以下であることが好ましい。
耐火骨材粉末とガラス材粉末との配合比は、耐火骨材粉末90〜60重量%、ガラス材粉末10〜40重量%であることが好ましい。ガラス材粉末が10重量%未満であると、ガス難浸透性の緻密な組織が得られず、また40重量%を超えると耐熱性が得られない。
耐火度の異なる複数の釉薬粉を用いることで耐火度が調整されてもよい。また、釉薬中のアルカリ金属およびアルカリ土類金属の割合を変えることで耐火度を調整してもよい。耐火度の高い釉薬は、アルカリ金属およびアルカリ土類の混合割合は低く、結晶性物質であることが多い。釉薬の化学組成をaRO・bAO・xAl・ySiO(R:アルカリ金属、A:アルカリ土類金属)として表した場合、RO及びAOが多いと溶融した釉薬の流動性が高くなる。ROとAOと流動性に与える影響は、ROの方が大きい。
また、耐火骨材の成分としては、Al及びSiOの合計が60重量%以下であり、上記ROが5重量%以下かつ上記AOが9重量%以下であること、及びガラス材の成分としては、Al及びSiOの合計が65重量%以下であり、上記ROが10重量%以下かつ上記AOが10重量%以下であることが、上記耐火骨材及びガラス材を用いることで、無機酸化物ガラス質緻密層の厚みを均一に形成することができる点で、好ましい。
粉末釉薬は、刷毛塗り、スプレーなどにより、上記無機繊維成形体に塗布することが好ましい。
前記無機繊維集合体層表面に上記釉薬を塗布し、直火式加熱による釉薬焼成により、釉薬焼成物を含有する無機酸化物ガラス質緻密層を作成する。直火式加熱としては、特段の制限はないが、直火式バーナによる加熱が好ましい。直火式加熱条件としては、釉薬が焼成されれば特段の制限はないが、温度を800〜1600℃、時間を2〜10分間にて行うことが、無機繊維集合体層の面圧特性劣化を生じさせることがない点で好ましい。
なお、無機繊維集合体層は、アルミナゾルなど無機質ゾルが含浸担持していてもよい。無機質ゾルを無機繊維集合体層に担持させるには、無機繊維集合体層を無機質ゾルに浸漬した後、次いで乾燥すればよいが、これに限定されない。
この無機繊維質断熱材は、前記無機酸化物ガラス質緻密層形成前後の無機繊維集合体層の面圧特性比が0.9以上、好ましくは0.95以上であり、上限は1.0以下である。工業炉内のライニング材として利用した場合、無機酸化物ガラス質緻密層形成後も無機繊維集合体層の面圧が高く維持されているため、施工性に優れる点で好ましい。
無機繊維集合体層の面圧は、50mm×50mmの試験片を切り出し、試験片の面積(S)と重量(W)から目標嵩密度(GBD=0.40g/cm3)に於ける厚み(t:mm)を求める(t(mm)=(W/S)/0.30×10)。該試験片を、圧縮試験機で25[mm/分]の速度で所定厚み(t)まで圧縮し、15秒後の圧力を面圧とした。ここで、無機繊維集合体層材料がアルミナ繊維ブランケットである場合、5℃/分で昇温、1400℃で24時間保持、5℃/分で降温した温度履歴のサンプルと温度履歴なしのサンプルについて比較する。また、無機繊維集合体層材料がレフラクトリセラミックファイバーブランケットである場合、5℃/分で昇温、1000℃で3時間保持、5℃/分で降温した温度履歴のサンプルと温度履歴なしのサンプルについて比較する。該比較値を面圧特性比とする。
また、本発明の無機繊維質断熱材と前記無機繊維集合体層材料を前記ガスバリア層と対面側に積層して、無機繊維質断熱材ブロックとすることが好ましい。積層方法については、特段の制限はないが、従来の公知の方法を採用することができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。以下の記載は、本発明の実施形態の代表例であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に限定されない。なお、以下の実施例等において得られた無機繊維質断熱材の物性測定及び評価方法は、以下の通りである。
[水蒸気透過度]
50mm×50mmのサイズにサンプルを切出し、その重量W(g)を測定する。50mm×50mmの開口部を有する深さ10mmのアルミニウム製の容器内に、乾燥した塩化カルシウム10gを入れ、前記サンプルを開口部に設置する。その後、サンプルと容器側面の接合部をアルミニウムテープにより完全に封入し、試験体とする。この試験体を温度23.0℃、相対湿度75%の恒温恒湿チャンバ内に設置する。40時間後にサンプルを容器から取り出し、その重量W(g)を測定する。水蒸気透過度T(g/m/40hr)を下記式により算出する。
T=(W−W)/(0.05×0.05)
Tが200g/m(ただし、厚さ21mmで40hr当り)未満であれば良好であると判定される。
[無機繊維集合体層の面圧測定]
抜き型を用いて50mm×50mmの試験片を切り出し、試験片の重量を0.01gの精度で測り取り、試験片の面積(S)と重量(W)から目標嵩密度(GBD=0.40g/cm)に於ける厚み(t:mm)を求める(t(mm)=(W/S)/0.40×10)。この試験片を、圧縮試験機で25[mm/分]の速度で所定厚み(t)まで圧縮し、15秒後の圧力を面圧とした。
ここで、実施例の態様において、無機繊維集合体層材料をガス式バーナで直接5分間直火式加熱(火炎温度1500℃)を行った温度履歴有のサンプルと温度履歴無のサンプルについて比較した(該比較値を面圧特性比とした)。
比較例の態様において、無機繊維集合体層材料がアルミナ繊維ブランケットである場合、5℃/分で昇温、1400℃で24時間保持、5℃/分で降温した温度履歴のサンプルと温度履歴なしのサンプルについて比較した。また、無機繊維集合体層材料がレフラクトリセラミックファイバーブランケットである場合、5℃/分で昇温、1000℃で3時間保持、5℃/分で降温した温度履歴のサンプルと温度履歴なしのサンプルについて比較した(該比較値を面圧特性比とした)。
[X線回折]
各無機繊維集合体層材料について、下記条件にてX線回折測定を実施した。
X線出力(CuKα):40kV、30mA
走査軸:θ/2θ
走査範囲(2θ):10.0−70.0
測定モード:Coutinuous
読込幅:0.016°
計数時間:50.2 sec
自動可変スリット(Automatic−DS):10mm(照射幅)
横発散マスク:10mm(照射幅)
無機繊維集合体層中にレフラクトリセラミックファイバーを含む場合には、さらに2θ=30°のピークを同定分析した。
また、無機繊維集合体層中にアルミナ繊維を含む場合には、ピーク位置をプロファイルフィッティング法(Peason−VII関数)により求め、それを元に格子定数の精密化を行った。初期値は下記の通りで実施した。
項目:ムライト
結晶系:斜方晶系
空間群:Pbam(55)
格子定数:PDF No.15−776(ムライトの値)
精密化範囲(2θ):10〜68°
[実施例1]
無機繊維集合体層材料であるアルミナ繊維ブランケット(三菱樹脂株式会社製 マフテックTM MLS−2)を50mm×50mmのサイズに1枚切出した。また、粉末釉薬A(福島釉薬株式会社 石灰釉1号)100重量部(ガスバリア層材料1)を調製した。
前記ガスバリア層材料1を上記アルミナ繊維ブランケットの片側表面に1.5g塗布し、ガス式バーナで直接5分間加熱(火炎温度1500℃)し、釉薬焼成物を含有するガスバリア層を有する無機繊維質断熱材を作製した。
[実施例2]
無機繊維集合体層材料であるレフラクトリセラミックファイバーブランケット(イソライト工業株式会社 イソウール1400ブランケット 8P12.5T)を50mm×50mmのサイズに1枚切出した。また、粉末釉薬A(福島釉薬株式会社 石灰釉1号)100重量部及び粉末釉薬B(福島釉薬株式会社 無鉛フリット)70重量部を混合し、ガスバリア層材料2を調製した。
前記ガスバリア層材料2を上記レフラクトリセラミックファイバーの片側表面に1.5g塗布し、ガス式バーナで直接5分間加熱(火炎温度1500℃)し、釉薬焼成物を含有するガスバリア層を有する無機繊維質断熱材を作製した。
[実施例3]
実施例1において、粉末釉薬をアルミナ繊維ブランケット上に広げた後、水0.3g噴霧したこと以外は実施例1と同様にして無機繊維質断熱材を作製した。
[比較例1]
実施例1において、ガスバリア層を形成しなかったこと以外は実施例1と同様にして無機繊維質断熱材を作製した。
[比較例2]
実施例1において、ガスバリア層材料1にさらに水を110重量部添加した液(ガスバリア層材料3)をアルミナ繊維ブランケットの片側表面に2.5g塗布後、110℃にて3時間乾燥し、その後電気炉にて5℃/分で昇温、1400℃で24時間保持、5℃/分で降温した(雰囲気加熱)こと以外は実施例1と同様にして無機繊維質断熱材を作製した。
[比較例3]
実施例2において、ガスバリア層材料2に水を110重量部添加した液(ガスバリア層材料4)をレフラクトリセラミックファイバーの片側表面に2.5g塗布後、110℃にて3時間乾燥し、その後電気炉にて5℃/分で昇温、1000℃で3時間保持、5℃/分で降温した(雰囲気加熱)こと以外は実施例2と同様にして無機繊維質断熱材を作製した。
上記結果から、本発明の無機繊維質断熱材は、ガスバリア性が良好かつ無機酸化物ガラス質緻密層形成後の面圧特性が劣化しないものであることが判る。また、本発明の無機繊維質断熱材はガスバリア性が良好であることから、無機酸化物ガラス質緻密層に残存する気孔率が低く、溶融金属が侵入されにくいと考えられる。ゆえに、本発明の無機繊維質断熱材は溶融金属耐食性に優れたものとなると考えられる。

Claims (5)

  1. 炉内被加熱面のライニング施工に用いられる無機繊維質断熱材において、無機繊維集合体層と炉内被加熱面に無機酸化物ガラス質緻密層を有し、かつ、該無機酸化物ガラス質緻密層形成前後の無機繊維集合体層の面圧特性比が0.9以上1.0以下であることを特徴とする無機繊維質断熱材。
  2. 前記無機繊維断熱材において、無機繊維集合体層にアルミナ繊維を含み、無機酸化物ガラス質緻密層形成後の該アルミナ繊維のムライト格子定数のa軸が7.565Å以上かつb軸が7.693Å以下である、請求項1に記載の無機繊維質断熱材。
  3. 前記無機繊維断熱材において、無機繊維集合体層にレフラクトリセラミックファイバーを含み、無機酸化物ガラス質緻密層形成後の該レフラクトリセラミックファイバーのX線回折分析(2θ=30°)におけるピークが検出されない、請求項1又は2に記載の無機繊維質断熱材。
  4. 前記無機酸化物ガラス質緻密層は釉薬焼成物を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の無機繊維質断熱材。
  5. 無機繊維集合体層の表面に釉薬を塗布する工程、及び直火式加熱による釉薬焼成により、釉薬焼成物を含有する無機酸化物ガラス質緻密層を形成する工程を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の無機繊維質断熱材の製造方法。
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