JP2017166633A - 伝動ベルト - Google Patents
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Abstract
【課題】軸間距離が固定されたプーリレイアウトに容易に組み付けることができる一方、ベルト走行時に優れた動力伝達能力を得ることができる伝動ベルトを提供する。【解決手段】伝動ベルトBは、ゴム製のベルト本体10と、ベルト本体10の厚さ方向の中間部に層を形成するように埋設された織布心体14とを備える。織布心体14を構成する経糸及び緯糸のなす狭角が20〜35°であると共に、狭角がベルト長さ方向を向いて開口している。【選択図】図1
Description
本発明は伝動ベルトに関する。
ゴム製の平ベルトの抗張体として織布心体を用いることが知られている。例えば、特許文献1〜3には、有機繊維の平織の織布心体を抗張体とするゴム製の平ベルトが開示されている。
本発明の課題は、軸間距離が固定されたプーリレイアウトに容易に組み付けることができる一方、ベルト走行時に優れた動力伝達能力を得ることができる伝動ベルトを提供することである。
本発明は、ゴム製のベルト本体と、前記ベルト本体の厚さ方向の中間部に層を形成するように埋設された織布心体とを備えた伝動ベルトであって、前記織布心体を構成する経糸及び緯糸のなす狭角が20〜35°であると共に、前記狭角がベルト長さ方向を向いて開口している。
本発明によれば、ベルト本体に埋設された織布心体を構成する経糸及び緯糸のなす狭角が20〜35°であると共に、その狭角がベルト長さ方向を向いて開口していることにより、ベルト特性として引張初期が低弾性率となることから、軸間距離が固定されたプーリレイアウトに容易に組み付けることができる一方、ベルト走行時に更に伸ばされた際には高弾性率となり、優れた動力伝達能力を得ることができる。
実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、実施形態に係るラップドVベルトB(伝動ベルト)を示す。実施形態に係るラップドVベルトBは、例えば、送風機やコンプレッサーに使用されるエンドレスのものである。実施形態に係るラップドVベルトBは、例えば、ベルト長さが500〜2500mm、ベルト幅が10.0〜23.0mm、及びベルト厚さが5.5〜14.0mmである。
実施形態に係るラップドVベルトBは、ベルト内周側の圧縮ゴム層11と、中間の接着ゴム層12と、ベルト外周側の伸張ゴム層13との三重の層に構成された横断面形状が台形のゴム製のベルト本体10を備えている。ベルト本体10の厚さ方向の中間部、より具体的には、接着ゴム層12の厚さ方向の中間部には、層を形成するように織布心体14が埋設されている。ベルト本体10は、全体が外被補強布15によって覆われている。
圧縮ゴム層11、接着ゴム層12、及び伸張ゴム層13は、ゴム成分に各種のゴム配合剤が配合されて混練された未架橋ゴム組成物が加熱及び加圧されて架橋剤により架橋したゴム組成物で形成されている。
ゴム成分としては、例えば、天然ゴム(NR)、EPDMやEPMのエチレン−α−オレフィンエラストマー、クロロプレンゴム(CR)、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられる。ゴム成分は、これらのうちの1種又は2種以上のブレンドゴムであることが好ましい。
ゴム配合剤としては、カーボンブラックなどの補強材、充填剤、軟化剤、加工助剤、加硫促進助剤、老化防止剤、架橋剤、加硫促進剤等が挙げられる。
図2は織布心体14を示す。
織布心体14は、経糸14a及び緯糸14bにより構成された織布である。織布心体14の織物組織としては、例えば、平織、斜文織、朱子織、及びそれらの変化織等が挙げられる。これらのうち平織が好ましい。
経糸14a及び緯糸14bを形成する繊維材料としては、綿、麻等の天然繊維;6,6−ナイロン、4,6−ナイロン又は6−ナイロンなどのナイロン繊維(脂肪族ポリアミド繊維)、ポリエステル繊維、アラミド繊維(芳香族ポリアミド繊維)、PBO繊維等の合成繊維等が挙げられる。経糸14a及び緯糸14bは、天然繊維の紡績糸であっても、合成繊維の紡績糸又はフィラメント糸であっても、天然繊維及び合成繊維の混紡糸であっても、いずれでもよい。より具体的な織布心体14としては、例えば、経糸14a及び緯糸14bを綿の紡績糸で構成した織布、綿及びポリエステル繊維の混紡糸で構成した織布、綿及びアラミド繊維の混紡糸で構成した織布、アラミド繊維のフィラメント糸で構成した織布等が挙げられる。経糸14a及び緯糸14bの糸構成は、片撚り糸であっても、諸撚り糸であっても、ラング撚り糸であっても、いずれでもよい。経糸14a及び緯糸14bの繊度は、例えば100〜1200dtexである。経糸14a及び緯糸14bの糸密度は、例えば30〜85本/5cmである。経糸14a及び緯糸14bは、繊維材料、糸構成、繊度、及び糸密度が同一であることが好ましいが、それらが異なっていてもよい。
織布心体14を構成する経糸14a及び緯糸14bのなす角は90°ではなく、それらのなす狭角θは20〜35°である。そして、織布心体14は、その狭角θがベルト長さ方向を向いて開口するように設けられている。このように実施形態に係るラップドVベルトによれば、ベルト本体に埋設された織布心体を構成する経糸14a及び緯糸14bのなす狭角θが20〜35°であると共に、その狭角θがベルト長さ方向を向いて開口していることにより、ベルト特性として引張初期が低弾性率となることから、軸間距離が固定されたプーリレイアウトに容易に組み付けることができる一方、ベルト走行時に更に伸ばされた際には高弾性率となり、優れた動力伝達能力を得ることができる。
経糸14a及び緯糸14bのなす狭角θは、かかる観点から、好ましくは15°以上、より好ましくは20°以上であり、また、好ましくは40°以下、より好ましくは35°以下である。また、経糸14aがベルト長さ方向に対してなす狭角及び緯糸14bがベルト長さ方向に対してなす狭角は同一であることが好ましい。
織布心体14には、ベルト本体10に対する接着性を付与するため、成形加工前に接着処理が施されている。かかる接着処理としては、エポキシ樹脂やイソシアネート樹脂を含む下地接着処理液に浸漬して加熱する下地接着処理、いわゆるRFL水溶液に浸漬して加熱するRFL接着処理、ゴム糊に浸漬して乾燥させるソーキングゴム糊接着処理、ベルト本体10側となる面にゴム糊をコーティングして乾燥させるコーティングゴム糊接着処理が挙げられる。織布心体14に施される接着処理は、これらのうち1種又は2種以上であることが好ましい。
外被補強布15は、例えば、綿、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維等の糸で形成された織布、編物、不織布等によって構成されている。
外被補強布15には、ベルト本体10に対する接着性を付与するため、成形加工前に接着処理が施されている。かかる接着処理としては、エポキシ樹脂やイソシアネート樹脂を含む下地接着処理液に浸漬して加熱する下地接着処理、いわゆるRFL水溶液に浸漬して加熱するRFL接着処理、ゴム糊に浸漬して乾燥させるソーキングゴム糊接着処理、ベルト本体10側となる面にゴム糊をコーティングして乾燥させるコーティングゴム糊接着処理が挙げられる。外被補強布15に施される接着処理は、これらのうち1種又は2種以上であることが好ましい。なお、外被補強布15には、防かび剤等を含むゴム組成物を擦り込むフリクション処理が施されていてもよい。
実施形態に係るラップドVベルトBは、上記の通り、引張初期が低弾性率であるものの、図3に示すように、ベルト伸び率が2〜4%の範囲において、弾性率が急激に高くなる弾性率変化点を有することが好ましい。この弾性率変化点は、ベルト伸び率が2.5〜3.5%の範囲にあることがより好ましい。
図4は、実施形態に係るラップドVベルトBを用いたベルト伝動装置20を示す。
このベルト伝動装置20は、各々、外周にV溝が形成された駆動プーリ21及び従動プーリ22を備えている。これらの駆動プーリ21及び従動プーリ22は、それぞれ固定軸に取り付けられているため、軸間距離が固定されたプーリレイアウトを構成している。このような軸間距離が固定されたプーリレイアウトのベルト伝動装置20における実施形態に係るラップドVベルトBの組み付け時には、実施形態に係るラップドVベルトBは、ベルト特性として引張初期が低弾性率であることから、引っ張って伸ばすことにより容易に組み付けることができる。そして、組み付けられたラップドVベルトBは、ベルト伸び率が弾性率変化点よりも低いやや伸びた状態で、駆動プーリ21及び従動プーリ22に巻き掛けられることとなるが、ベルト走行時には、張り側部分では更に伸ばされて高弾性率となり、その結果、優れた動力伝達能力を得ることができる。
次に、実施形態に係るラップドVベルトBの製造方法を説明する。
まず、圧縮ゴム層用のゴムシート11’、接着ゴム層用のゴムシート12’、及び伸張ゴム層用のゴムシート13’、並びに経糸14a及び緯糸14bのなす狭角θが20〜35°である織布心体14’及び外被補強布15’を準備する。なお、織布心体14’及び外被補強布15’には所定の接着処理を施す。
次いで、図5Aに示すように、マントル31に、圧縮ゴム層用のゴムシート11’を複数回巻き付け、その上に、接着ゴム層用のゴムシート12’を巻き付ける。その上に、図5Bに示すように、織布心体14’を巻き付ける。この織布心体14’の巻き付け回数は2〜3回である。また、織布心体14’は、経糸14a及び緯糸14bのなす狭角θがベルト長さ方向を向いて開口するように設ける。更にその上に、図5Cに示すように、接着ゴム層用のゴムシート12’及び伸張ゴム層用のゴムシート13’を順に巻き付けて円筒状の積層構造体10’を作製する。
次いで、図5Dに示すように、円筒状の積層構造体10’をマントル31上で所定幅に輪切りにした後、それらをマントル31から取り外す。
次いで、環状の積層構造体10’を、圧縮ゴム層用のゴムシート11’側を外側にして一対のプーリ間に巻き掛けて回転させながら、図5Eに示すように、圧縮ゴム層用のゴムシート11’の積層部分の両側をV型に斜めに切除して体積を調整する。
続いて、図5Fに示すように、環状の積層構造体10’の外周を外被補強布15’で被覆する。
そして、図5Gに示すように、ラッピングした環状の積層構造体10’を円筒金型32の溝33に嵌め入れ、それを加硫缶に入れて加熱及び加圧する。このとき、環状の積層構造体10’のゴム成分が架橋してベルト本体10を形成し、且つ織布心体14’及び外被補強布15’がベルト本体10に接着一体化して実施形態に係るラップドVベルトBが製造される。
なお、以上の実施形態では、ラップドVベルトBを示したが、特にこれに限定されるものではなく、ローエッジVベルト、Vリブドベルト、平ベルト、歯付ベルト等であってもよい。
本発明は伝動ベルトの技術分野において有用である。
B ラップドVベルト(伝動ベルト)
10 ベルト本体
14 織布心体
14a 経糸
14b 緯糸
10 ベルト本体
14 織布心体
14a 経糸
14b 緯糸
Claims (2)
- ゴム製のベルト本体と、前記ベルト本体の厚さ方向の中間部に層を形成するように埋設された織布心体と、を備えた伝動ベルトであって、
前記織布心体を構成する経糸及び緯糸のなす狭角が20〜35°であると共に、前記狭角がベルト長さ方向を向いて開口した伝動ベルト。 - 請求項1に記載された伝動ベルトにおいて、
前記経糸がベルト長さ方向に対してなす狭角及び前記緯糸がベルト長さ方向に対してなす狭角が同一である伝動ベルト。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016053979A JP2017166633A (ja) | 2016-03-17 | 2016-03-17 | 伝動ベルト |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016053979A JP2017166633A (ja) | 2016-03-17 | 2016-03-17 | 伝動ベルト |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017166633A true JP2017166633A (ja) | 2017-09-21 |
Family
ID=59909966
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016053979A Pending JP2017166633A (ja) | 2016-03-17 | 2016-03-17 | 伝動ベルト |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2017166633A (ja) |
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2016
- 2016-03-17 JP JP2016053979A patent/JP2017166633A/ja active Pending
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