JP2017166503A - 終減速機の潤滑構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】シール部材の潤滑性を向上することができる終減速機の潤滑構造を提供する。
【解決手段】潤滑油が収容されたキャリア3と、キャリア3に回転可能に収容された入力部材5と、キャリア3に回転可能に収容され入力部材5と回転軸心が直交する方向に配置されたデフケース7と、入力部材5と一体回転可能に設けられたドライブピニオン9と、デフケース7と一体回転可能に設けられドライブピニオン9と噛み合ったリングギヤ11と、デフケース7の軸方向両側に配置されキャリア3の内部と外部とを区画する一対のシール部材13,15とを備えた終減速機1の潤滑構造において、キャリア3に、ドライブピニオン9とリングギヤ11との回転により掻き上げられた潤滑油を溜める油溜まり部17と、一端側が油溜まり部17と連通され他端側が少なくとも一方のシール部材13側に連通された油路19とを設けた。
【選択図】図2

Description

本発明は、車両に適用される終減速機の潤滑構造に関する。
従来、終減速機の潤滑構造としては、潤滑油が収容されたキャリアと、このキャリアに回転可能に収容された入力部材と、キャリアに回転可能に収容され入力部材と回転軸心が直交する方向に配置されたデフケースと、入力部材と一体回転可能に設けられたドライブピニオンと、デフケースと一体回転可能に設けられドライブピニオンと噛み合ったリングギヤと、デフケースの軸方向両側に配置されキャリアの内部と外部とを区画する一対のシール部材とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この終減速機の潤滑構造では、キャリア内に収容された潤滑油がドライブピニオンとリングギヤとの回転によって掻き上げられ、この掻き上げられた潤滑油がキャリア内を循環し、キャリア内の摺動部などを潤滑・冷却する。
特開平3−4055号公報
しかしながら、上記特許文献1のような終減速機の潤滑構造では、ドライブピニオンとリングギヤとの回転によって掻き上げられた潤滑油が、デフケースの軸方向両側に位置するシール部材に到達し難く、シール部材の潤滑性が低下していた。
そこで、この発明は、シール部材の潤滑性を向上することができる終減速機の潤滑構造の提供を目的としている。
本発明は、潤滑油が収容されたキャリアと、このキャリアに回転可能に収容された入力部材と、前記キャリアに回転可能に収容され前記入力部材と回転軸心が直交する方向に配置されたデフケースと、前記入力部材と一体回転可能に設けられたドライブピニオンと、前記デフケースと一体回転可能に設けられ前記ドライブピニオンと噛み合ったリングギヤと、前記デフケースの軸方向両側に配置され前記キャリアの内部と外部とを区画する一対のシール部材とを備えた終減速機の潤滑構造であって、前記キャリアには、前記ドライブピニオンと前記リングギヤとの回転により掻き上げられた潤滑油を溜める油溜まり部と、一端側が前記油溜まり部と連通され他端側が前記一対のシール部材の少なくとも一方側に連通された油路とが設けられていることを特徴とする。
この終減速機の潤滑構造では、キャリアに、ドライブピニオンとリングギヤとの回転により掻き上げられた潤滑油を溜める油溜まり部と、一端側が油溜まり部と連通され他端側が一対のシール部材の少なくとも一方側に連通された油路とが設けられているので、油溜まり部から油路を介して少なくとも一方側のシール部材に潤滑油を確実に供給することができる。
従って、このような終減速機の潤滑構造では、キャリアに設けられた油溜まり部と油路とにより、ドライブピニオンとリングギヤとの回転によって掻き上げられた潤滑油を安定してシール部材に供給することができ、シール部材の潤滑性を向上することができる。
本発明によれば、シール部材の潤滑性を向上することができる終減速機の潤滑構造を提供することができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態に係る終減速機の側面図である。 図1のX−X断面図である。 図2のY−Y断面図である。 本発明の実施の形態に係る終減速機のキャリアの斜視図である。 本発明の他の実施の形態に係る終減速機の断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る終減速機のキャリアの斜視図である。
図1〜図6を用いて本発明の実施の形態に係る終減速機の潤滑構造について説明する。
本実施の形態に係る終減速機1の潤滑構造は、潤滑油が収容されたキャリア3と、このキャリア3に回転可能に収容された入力部材5と、キャリア3に回転可能に収容され入力部材5と回転軸心が直交する方向に配置されたデフケース7と、入力部材5と一体回転可能に設けられたドライブピニオン9と、デフケース7と一体回転可能に設けられドライブピニオン9と噛み合ったリングギヤ11と、デフケース7の軸方向両側に配置されキャリア3の内部と外部とを区画する一対のシール部材13,15とを備えている。
そして、キャリア3には、ドライブピニオン9とリングギヤ11との回転により掻き上げられた潤滑油を溜める油溜まり部17と、一端側が油溜まり部17と連通され他端側が一対のシール部材13,15側に連通された油路19,21とが設けられている。
また、リングギヤ11と一方側のシール部材13との間には、動力伝達機構23が配置されている。
そして、油路19は、動力伝達機構23側に設けられており、リングギヤ11側から一方側のシール部材13にかけて傾斜している。
さらに、キャリア3には、油溜まり部17から入力部材5に臨む連通孔25が設けられている。
また、油路19,21は、一対のシール部材13,15のそれぞれに対して形成され、キャリア3に一体形成されている。
さらに、油溜まり部17は、ドライブピニオン9及びリングギヤ11の回転により掻き上げられた潤滑油を捕獲する側壁部27と、シール部材13,15に潤滑油を流通させる底壁部29とを有する。
図1〜図4に示すように、終減速機1は、キャリア3と、入力部材5と、差動機構31と、動力伝達機構23とを備えている。
キャリア3は、車体フレームなどの静止系部材に組付けられ、複数の分割部材からなる。
このキャリア3には、内部に入力部材5と、差動機構31と、動力伝達機構23とが収容された後、キャリア3の内部の摺動部を潤滑・冷却する潤滑油が収容される。
入力部材5は、軸状に形成されてキャリア3に収容され、軸方向に配置されたベアリング33,35を介してキャリア3に回転可能に支持されている。
この入力部材5は、一端側であるキャリア3の外部側の軸方向端部に、スプライン形状の連結部が形成され、連結部材37が一体回転可能に連結されている。
連結部材37は、一端側が連結部を介して入力部材5に一体回転可能に連結され、他端側に駆動力を入力させる、例えば、駆動源から駆動力が入力されるプロペラシャフトなどの入力側の部材(不図示)が一体回転可能に連結されている。
この連結部材37とキャリア3との径方向間にはキャリア3の内部と外部とを区画するシール部材39が配置されると共に、連結部材37の外周にはシール部材39を保護するダストカバー41が配置されている。
このような連結部材37を介して入力部材5に伝達された駆動力は、ギヤ組43で方向変換され、差動機構31側に伝達される。
ギヤ組43は、小径のドライブピニオン9と、大径のリングギヤ11とからなるベベルギヤ組で変速駆動されるように構成されている。
小径のドライブピニオン9は、入力部材5の他端側に入力部材5と連続する一部材で形成され、入力部材5と一体回転する。
大径のリングギヤ11は、差動機構31のデフケース7に形成されたフランジ部にボルトでデフケース7と一体回転するように固定され、小径のドライブピニオン9と噛み合っている。
このギヤ組43は、入力側の部材から入力部材5に伝達された駆動力を方向変換して差動機構31側に出力する。
差動機構31は、キャリア3内に収容され、デフケース7と、ピニオンシャフト45と、ピニオン47と、一対のサイドギヤ49,51とを備えている。
デフケース7は、回転軸心が入力部材5の回転軸心と直交する方向に配置され、軸方向両側に形成されたボス部でそれぞれベアリング53,55を介してキャリア3に回転可能に支持されている。
このデフケース7には、ピニオンシャフト45と、ピニオン47と、一対のサイドギヤ49,51とが収容され、ギヤ組43から伝達された駆動力を伝達する。
ピニオンシャフト45は、端部をデフケース7に係合してピンで抜け止め及び回り止めされ、デフケース7と一体に回転駆動される。このピニオンシャフト45には、ピニオン47が支承されている。
ピニオン47は、デフケース7の周方向等間隔に複数配置され、ピニオンシャフト45に支承されてデフケース7の回転によって公転する。
このピニオン47の背面側とデフケース7との径方向間には、ピニオン47の公転時に発生する径方向への移動を受ける球面ワッシャが配置されている。
このようなピニオン47は、一対のサイドギヤ49,51に駆動力を伝達すると共に、噛み合っている一対のサイドギヤ49,51に差回転が生じると回転駆動されるようにピニオンシャフト45に自転可能に支持されている。
一対のサイドギヤ49,51は、デフケース7内に相対回転可能に収容され、ピニオン47と噛み合っている。
この一対のサイドギヤ49,51の背面側とデフケース7との軸方向間には、ピニオン47との噛み合い反力による一対のサイドギヤ49,51の軸方向への移動を受けるスラストワッシャがそれぞれ配置されている。
このような一対のサイドギヤ49,51は、内周側にスプライン形状の連結部57,59が形成され、それぞれ駆動力を出力する、例えば、左右車輪側に連結された車軸などの出力側の部材(不図示)に連結される駆動軸(不図示)が一体回転可能に連結され、デフケース7に入力された駆動力を出力側の部材へ出力する。
この一対のサイドギヤ49,51に連結される駆動軸とキャリア3との径方向間には、それぞれキャリア3の内部と外部とを区画するシール部材13,15が配置されている。
このような差動機構31における一対のサイドギヤ49,51の差動は、動力伝達機構23の接続によって制限され、動力伝達機構23によって制御されて一対のサイドギヤ49,51に伝達された駆動力が出力側の部材に出力される。
このように差動機構31の差動を断続する動力伝達機構23を有する終減速機1は、いわゆる差動制限機能を有するデファレンシャル装置となっている。
動力伝達機構23は、キャリア3内に収容され、断続部61と、アクチュエータ63とを備えている。
断続部61は、デフケース7とサイドギヤ49との径方向間に配置され、複数の外側クラッチ板と、複数の内側クラッチ板とで構成される多板クラッチからなる。
複数の外側クラッチ板は、デフケース7の内周に形成されたスプライン形状の係合部に軸方向移動可能でデフケース7と一体回転可能に係合されている。
複数の内側クラッチ板は、複数の外側クラッチ板に対して軸方向に交互に配置され、サイドギヤ49のボス部の外周に形成されたスプライン形状の係合部に軸方向移動可能でサイドギヤ49と一体回転可能に係合されている。
この断続部61は、滑り摩擦を伴い伝達トルクを中間制御可能な制御型の摩擦クラッチからなり、デフケース7とサイドギヤ49との間、すなわち差動機構31の差動を断続する。このような断続部61は、アクチュエータ63によって作動される。
アクチュエータ63は、電動モータ65と、減速機構(不図示)と、カム機構67と、押圧部材69とを備えている。
電動モータ65は、キャリア3の外側に組付けられ、キャリア3の内部にモータ軸(不図示)が配置されている。
この電動モータ65は、コネクタ71を介して車両に搭載され車両の状況を送信する各種センサ(不図示)からの信号を受信可能なコントローラ(不図示)に接続され、コントローラによって制御可能に作動される。
このような電動モータ65のモータ軸から出力される回転は、減速機構によって減速される。
減速機構は、複数団の減速ギヤ組(不図示)を有し、電動モータ65とカム機構67との間に配置され、電動モータ65の作動による回転を減速し、カム機構67の回転部材73を回転させ、この回転部材73の回転がカム機構67によって軸方向推力に変換される。
カム機構67は、ボールカム機構であり、回転部材73と移動部材75とに周方向に形成された複数のカム面を軸方向に対向させ、これらのカム面間に介在されたカムボール77からなる。
回転部材73は、環状に形成され、デフケース7のボス部の外周に配置されたベアリング79と移動部材75との軸方向間に軸方向移動不能で、移動部材75と相対回転可能に配置されている。
なお、デフケース7と回転部材73との間に配置されたベアリング79は、カム機構67で回転部材73に発生するスラスト反力を受ける部材となっている。
この回転部材73の外径側には、減速機構のギヤと噛み合うギヤが形成されており、電動モータ65の作動により減速機構で減速された回転により回転部材73が回転される。
移動部材75は、環状に形成され、回転部材73と押圧部材69との軸方向間に配置され、デフケース7のボス部の外周上に軸方向移動可能に配置されている。
なお、移動部材75と押圧部材69との軸方向間には、移動部材75と押圧部材69との相対回転を許容すると共に、移動部材75の軸方向移動を押圧部材69に伝達させるスラストベアリングが配置されている。
この移動部材75と回転部材73との軸方向の対向面には、それぞれ周方向に形成された同一傾斜の複数のカム面が形成され、これらのカム面間にはカムボール77が介在されている。
カムボール77は、回転部材73の回転によって回転部材73と移動部材75との間に差回転が生じることにより、移動部材75を押圧部材69側へ軸方向押圧移動させるカムスラスト力を発生させる。
押圧部材69は、環状に形成され、移動部材75と断続部61との軸方向間に配置され、断続部61側に押圧部が突設され、この押圧部がデフケース7の壁部を貫通して設けられた貫通孔に挿入され、断続部61の複数のクラッチ板を押圧可能となっている。
この押圧部材69は、回転部材73の回転によって、カム機構67で変換された軸方向推力により移動部材75が押圧部材69側に軸方向移動することにより、押圧部材69が断続部61の接続方向に軸方向移動され、断続部61の複数のクラッチ板を押圧して断続部61を接続させる。
この断続部61の接続により、差動機構31の差動が制限され、入力部材5側から入力された駆動力が断続部61で制御され、一対のサイドギヤ49,51を介して出力側の部材に出力される。
一方、断続部61の接続は、電動モータ65を逆回転させることにより移動部材75が断続部61の接続解除方向に軸方向移動され、この移動部材75の移動により押圧部材69による複数のクラッチ板の押圧が解除され、断続部61が接続解除状態となる。
なお、押圧部材69とデフケース7の壁部との軸方向間には、押圧部材69を断続部61の接続解除方向に付勢するリターンスプリングが配置されており、このリターンスプリングによって押圧部材69が断続部61の接続解除方向に移動される。
この断続部61の接続解除により、差動機構31の差動制限が解除され、入力部材5側から入力された駆動力が断続部61で制御されずに、一対のサイドギヤ49,51を介して出力側の部材に出力される。
このような終減速機1では、キャリア3に収容された潤滑油がキャリア3の底部側に位置しており、この潤滑油がドライブピニオン9とリングギヤ11との回転により掻き上げられる。
この掻き上げられた潤滑油は、ドライブピニオン9とリングギヤ11との噛み合い部、入力部材5を支持するベアリング33,35、デフケース7を支持するベアリング53,55、動力伝達機構23、デフケース7の軸方向両側に配置されキャリア3の内部と外部とを区画する一対のシール部材13,15など、キャリア3の内部のギヤの噛み合い部や摺動部などを潤滑・冷却する。
このような終減速機1の潤滑構造において、デフケース7の軸方向両側に配置されたシール部材13,15は、ドライブピニオン9やリングギヤ11から遠く離れているので、シール部材13,15まで十分な潤滑油が供給されず、シール部材13,15の潤滑性が低下していた。
特に、動力伝達機構23側に配置されたシール部材13は、リングギヤ11とシール部材13との軸方向間に動力伝達機構23が配置されているので、動力伝達機構23の潤滑油との干渉によって、シール部材13まで潤滑油が到達し難くなっていた。
そこで、キャリア3には、ドライブピニオン9とリングギヤ11との回転により掻き上げられた潤滑油を溜める油溜まり部17と、一端側が油溜まり部17と連通され他端側が一対のシール部材13,15側に連通された油路19,21とが設けられている。
油溜まり部17は、キャリア3内の上方でドライブピニオン9及びリングギヤ11の外径側に位置され、ドライブピニオン9及びリングギヤ11の回転により掻き上げられた潤滑油を捕獲する側壁部27と、シール部材13,15に潤滑油を流通させる底壁部29とを有する。
この油溜まり部17は、側壁部27と底壁部29とがキャリア3と連続する一部材で形成され、側壁部27によってドライブピニオン9及びリングギヤ11の回転により掻き上げられた潤滑油を捕獲し、この捕獲した潤滑油を底壁部29に溜める。
このような油溜まり部17の底壁部29は、油路19,21と連通されており、油路19,21を介して油溜まり部17に溜められた潤滑油をシール部材13,15側に向けて流通させる。
油路19,21は、それぞれ一端が油溜まり部17の底壁部29側に連通され、他端が一対のシール部材13,15側にそれぞれ連通されている。
この油路19,21は、それぞれキャリア3内の上方に位置する油溜まり部17側から油溜まり部17より下方に位置するシール部材13,15側にかけて傾斜するように樋状にキャリア3と連続する一部材で形成されている。
特に、油路19,21のうちシール部材13側に配置された油路19は、動力伝達機構23の外周側に配置され、動力伝達機構23と潤滑油との干渉を防止しながら潤滑油を流通させ、潤滑油をシール部材13に供給させる。
このように油溜まり部17とシール部材13,15側とを油路19,21を介して連通させることにより、ドライブピニオン9とリングギヤ11との回転により掻き上げられた潤滑油が油溜まり部17に溜められ、この油溜まり部17に溜められた潤滑油を油路19,21を介して安定してシール部材13,15側に供給することができ、シール部材13,15の潤滑性を向上することができる。
特に、動力伝達機構23側に配置されたシール部材13には、動力伝達機構23と潤滑油との干渉を防止しながら潤滑油を流通させる油路19によって潤滑油が供給されるので、十分な量の潤滑油をシール部材13に供給することができ、動力伝達機構23が配置されていても、シール部材13の潤滑性を向上することができる。
ここで、キャリア3には、油溜まり部17から入力部材5に臨む連通孔25が設けられている。
連通孔25は、油溜まり部17の底壁部29を入力部材5側に向けて貫通して設けられ、入力部材5側の開口が入力部材5を支持するベアリング33,35間に位置されている。
このようにキャリア3に連通孔25を設けることにより、油溜まり部17に溜められた潤滑油を連通孔25を介して入力部材5を支持するベアリング33,35に十分な潤滑油を供給することができると共に、入力部材5の端部側に配置されたシール部材39にも十分な潤滑油を供給することができ、入力部材5側の潤滑性を向上することができる。
なお、キャリア3には、キャリア3の底部側に潤滑油を戻す戻し油路81が設けられており、キャリア3内の潤滑油の循環性が安定化されている。
このように構成された終減速機1の潤滑構造では、ドライブピニオン9とリングギヤ11との回転により掻き上げられた潤滑油が、ドライブピニオン9とリングギヤ11との噛み合い部、デフケース7を支持するベアリング53,55、動力伝達機構23などを潤滑・冷却すると共に、油溜まり部17に一時的に貯留される。
この油溜まり部17に貯留された潤滑油は、油路19,21を介してシール部材13,15側に供給され、一対のシール部材13,15を潤滑・冷却する。
加えて、油溜まり部17に貯留された潤滑油は、連通孔25を介して入力部材5を支持するベアリング33,35やシール部材39に供給され、入力部材5側の摺動部を潤滑・冷却する。
このようにキャリア3に油溜まり部17と、油路19,21と、連通孔25とを設けることにより、キャリア3内部のギヤの噛み合い部や摺動部に十分な潤滑油を供給することができ、終減速機1における潤滑性を向上することができる。
このような終減速機1の潤滑構造では、キャリア3に、ドライブピニオン9とリングギヤ11との回転により掻き上げられた潤滑油を溜める油溜まり部17と、一端側が油溜まり部17と連通され他端側が一対のシール部材13,15に連通された油路19,21とが設けられているので、油溜まり部17から油路19,21を介してシール部材13,15に潤滑油を確実に供給することができる。
従って、このような終減速機1の潤滑構造では、キャリア3に設けられた油溜まり部17と油路19,21とにより、ドライブピニオン9とリングギヤ11との回転によって掻き上げられた潤滑油を安定してシール部材13,15に供給することができ、シール部材13,15の潤滑性を向上することができる。
また、油路19は、動力伝達機構23側に設けられており、リングギヤ11側から一方側のシール部材13にかけて傾斜しているので、油路19によって動力伝達機構23と潤滑油との干渉を防止することができ、油溜まり部17に溜められた潤滑油を安定してシール部材13に供給することができる。
さらに、キャリア3には、油溜まり部17から入力部材5に臨む連通孔25が設けられているので、油溜まり部17に溜められた潤滑油を連通孔25を介して入力部材5側に供給することができ、入力部材5側の潤滑性を向上することができる。
また、油路19,21は、一対のシール部材13,15のそれぞれに対して形成され、キャリア3に一体形成されているので、油路19,21をキャリア3と別部材として取り扱うことがなく、部品点数を削減することができる。
さらに、油溜まり部17は、ドライブピニオン9及びリングギヤ11の回転により掻き上げられた潤滑油を捕獲する側壁部27と、シール部材13,15に潤滑油を流通させる底壁部29とを有するので、ドライブピニオン9及びリングギヤ11の回転によって掻き上げられた潤滑油を確実に油溜まり部17に溜めることができ、シール部材13,15に十分に潤滑油を供給することができる。
なお、図5,図6に示すように、動力伝達機構23(図2参照)を備えていない終減速機101において、キャリア103に、ドライブピニオン9とリングギヤ11との回転により掻き上げられた潤滑油を溜める油溜まり部17と、一端側が油溜まり部17と連通され他端側が一対のシール部材13,15側に連通された油路19,21とを設けてもよい。
この終減速機101は、デフケース7内に差動機構31の差動を制限する断続部61(図2参照)が設けられておらず、この断続部61の断続を操作するアクチュエータ63(図2参照)も設けられていない。
このため、このような終減速機101の潤滑構造では、ドライブピニオン9とリングギヤ11との回転によって掻き上げられた潤滑油と動力伝達機構23との干渉がなく、一方のシール部材13への潤滑油の十分な供給がなされるように見える。
しかしながら、一方のシール部材13は、リングギヤ11のドライブピニオン9との噛み合い部との背面側に配置されているので、リングギヤ11の回転によって掻き上げられた潤滑油の供給量が少なく、潤滑性が低下する恐れがあった。
そこで、キャリア103に、ドライブピニオン9とリングギヤ11との回転により掻き上げられた潤滑油を溜める油溜まり部17と、一端側が油溜まり部17と連通され他端側が一対のシール部材13,15に連通された油路19,21とを設けることにより、油溜まり部17から油路19,21を介してシール部材13,15に潤滑油を確実に供給することができる。
従って、このような終減速機101の潤滑構造でも、キャリア103に設けられた油溜まり部17と油路19,21とにより、ドライブピニオン9とリングギヤ11との回転によって掻き上げられた潤滑油を安定してシール部材13,15に供給することができ、シール部材13,15の潤滑性を向上することができる。
また、この終減速機101の潤滑構造においても、キャリア103には、油溜まり部17から入力部材5に臨む連通孔25が設けられており、入力部材5側の潤滑性が向上されている。
なお、本発明の実施の形態に係る終減速機の潤滑構造では、一対のシール部材のそれぞれに対して油路が設けられているが、これに限らず、一対のシール部材のうちドライブピニオンとリングギヤとの回転により掻き上げられた潤滑油が到達し難いシール部材側のみに油路を設けてもよい。
また、油路は、キャリアと連続する一部材で形成されているが、これに限らず、油路を構成する部材をキャリアと別体で形成させ、油路を構成する部材をキャリアに一体に固定してもよい。
さらに、動力伝達機構は、差動機構の差動を制限する差動制限機構となっているが、これに限らず、一対の回転部材間の動力伝達を断続する断続機構など、動力伝達機構はどのような機構であってもよい。
1,101…終減速機
3,103…キャリア
5…入力部材
7…デフケース
9…ドライブピニオン
11…リングギヤ
13…シール部材
15…シール部材
17…油溜まり部
19…油路
21…油路
23…動力伝達機構
25…連通孔
27…側壁部
29…底壁部

Claims (5)

  1. 潤滑油が収容されたキャリアと、このキャリアに回転可能に収容された入力部材と、前記キャリアに回転可能に収容され前記入力部材と回転軸心が直交する方向に配置されたデフケースと、前記入力部材と一体回転可能に設けられたドライブピニオンと、前記デフケースと一体回転可能に設けられ前記ドライブピニオンと噛み合ったリングギヤと、前記デフケースの軸方向両側に配置され前記キャリアの内部と外部とを区画する一対のシール部材とを備えた終減速機の潤滑構造であって、
    前記キャリアには、前記ドライブピニオンと前記リングギヤとの回転により掻き上げられた潤滑油を溜める油溜まり部と、一端側が前記油溜まり部と連通され他端側が前記一対のシール部材の少なくとも一方側に連通された油路とが設けられていることを特徴とする終減速機の潤滑構造。
  2. 請求項1記載の終減速機の潤滑構造であって、
    前記リングギヤと前記一方側のシール部材との間には、動力伝達機構が配置され、
    前記油路は、前記動力伝達機構側に設けられており、前記リングギヤ側から前記一方側のシール部材にかけて傾斜していることを特徴とする終減速機の潤滑構造。
  3. 請求項1又は2記載の終減速機の潤滑構造であって、
    前記キャリアには、前記油溜まり部から前記入力部材に臨む連通孔が設けられていることを特徴とする終減速機の潤滑構造。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の終減速機の潤滑構造であって、
    前記油路は、前記一対のシール部材のそれぞれに対して形成され、前記キャリアに一体形成されていることを特徴とする終減速機の潤滑構造。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の終減速機の潤滑構造であって、
    前記油溜まり部は、前記ドライブピニオン及び前記リングギヤの回転により掻き上げられた潤滑油を捕獲する側壁部と、前記シール部材に潤滑油を流通させる底壁部とを有することを特徴とする終減速機の潤滑構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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