JP2017166443A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017166443A
JP2017166443A JP2016054096A JP2016054096A JP2017166443A JP 2017166443 A JP2017166443 A JP 2017166443A JP 2016054096 A JP2016054096 A JP 2016054096A JP 2016054096 A JP2016054096 A JP 2016054096A JP 2017166443 A JP2017166443 A JP 2017166443A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
processor
wgv
pressure
supercharging pressure
sensor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016054096A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6518612B2 (ja
Inventor
典宏 新屋
Norihiro Araya
典宏 新屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Astemo Ltd
Original Assignee
Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Automotive Systems Ltd filed Critical Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority to JP2016054096A priority Critical patent/JP6518612B2/ja
Publication of JP2017166443A publication Critical patent/JP2017166443A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6518612B2 publication Critical patent/JP6518612B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Supercharger (AREA)

Abstract

【課題】過給圧の調節手段の動作状態を検出するセンサが故障した場合、運転性の低下を抑制する内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】本発明による制御装置は、過給器(24)の過給圧を調節する調節手段(40)と、上記調節手段の動作状態を検出するセンサ(40a)が故障した場合、上記過給圧が内燃機関(30)の運転状態に応じた第1目標過給圧より所定値だけ低い第2目標過給圧に収束するように上記調節手段(40)を制御する制御手段(10)と、を備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
従来から過給器の一例であるターボチャージャを搭載した内燃機関が知られている(例えば、特許文献1)。このターボチャージャの過給圧制御は、例えば、ターボチャージャのタービンをバイパスする排気バイパス通路に配置された排気バイパス弁(ウェイストゲートバルブ)の開度を調節することにより行う。
従来例では、排気バイパス弁の開閉機構に故障が発生した場合、その故障時における車両の走行性を確保する制御を行っている。
特開2003−328766号公報
しかし、従来例では、排気バイパス弁の開閉機構側の故障について考慮しているが、排気バイパス弁の開度を検出するセンサの故障については、特に考慮されていない。したがって、排気バイパス弁等における過給圧の調節手段の動作状態を検出するセンサが故障した場合の運転性の低下が問題となる。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、過給圧の調節手段の動作状態を検出するセンサが故障した場合、運転性の低下を抑制する内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、過給器の過給圧を調節する調節手段と、調節手段の動作状態を検出するセンサが故障した場合、過給圧が内燃機関の運転状態に応じた第1目標過給圧より所定値だけ低い第2目標過給圧に収束するように調節手段を制御する制御手段と、を備える。
本発明の制御装置によれば、過給圧の調節手段の動作状態を検出するセンサが故障した場合であっても、過給圧の低下が抑制されるので、運転性の低下を抑制することができる。
本実施形態における内燃機関の構成例を示す説明図である。 本実施形態におけるECU(Engine Control Unit)のハード構成例を示す説明図である。 目標トルクと回転速度と目標過給圧との関係を示す説明図である。 WGV(Waste Gate Valve)用開度センサの出力電圧の一例を示す特性の説明図である。 本実施形態における制御処理のタイミングチャートの一例を示す説明図である。 本実施形態におけるWGVの駆動処理の一例を示すフローチャートである。 本実施形態における過給圧制御処理の一例を示すフローチャートである。 第1変形例を示すフローチャートである。 第1変形例のタイミングチャートの一例を示す説明図である。 第2変形例のタイミングチャートの一例を示す説明図である。 第2変形例の一例を示すフローチャートである。
以下、添付された図面を参照し、本発明を実施するための実施形態について詳述する。
[実施形態の概要]
本実施形態で説明する技術は、例えば、電子制御式のウェイストゲートバルブ(WGV)の開度を検出するセンサが故障したときに、運転性の低下を抑制する制御を行える内燃機関の制御装置に関する。
従来、電子制御式のWGVの開度を検出するセンサが故障した場合、予期せぬ加速(UA:Unexpected Acceleration)の抑制や、過剰な過給の抑制を行う必要がある。そのため、センサが故障した場合、安全側に制御するフェールセーフ制御の一例としては、過給圧の上昇を抑制する方向にWGVを強制的に開いて、排気をバイパスさせてターボチャージャのタービン及びコンプレッサの回転を低下させるようにしている。つまり、上記センサの故障時のフェールセーフ制御では、例えば、過給を抑制した状態で内燃機関を駆動して退避運転(所謂、リンプホーム運転)を行うようにしている。
また、上記センサの故障時に過剰な過給の発生を抑制する手段としては、例えば、目標過給圧が大気圧相当(約100[KPa]程度)よりも高い場合、電子制御式のスロットル弁を閉弁したり、燃料カットを実施したりしている。
ところで、近年、内燃機関の小型化により排気量を減らした分を補うため、ターボチャージャ等の過給器によって吸入空気を過給することでエンジン出力を得るようにしたダウンサイジングエンジンが注目されている。このようなダウンサイジングエンジンを搭載した自動車の場合、上記センサの故障時にWGVを強制的に開いて、過給圧を抑制すると、例えば1500〜2000[rpm]付近の低速回転域で吸入空気量が増加せず、結果として機関トルクの不足が生じて運転性の低下が発生することが懸念される。すなわち、ダウンサイジングエンジンの場合、低速回転域での機関トルクの不足は、退避運転を困難にすることが懸念される。
そこで、本実施形態では、以下の説明で詳述する通り、ダウンサイジングエンジンを搭載した自動車において、上記センサが故障した場合、例えば予期せぬ加速を回避しつつ、低速回転領域においても過給圧を確保して、必要な機関トルクが得られる制御装置を提供する。この制御装置が提供する制御手段は、フェールセーフ制御の一例である。これにより、上記センサが故障したときに運転性の低下を抑制できる。
[内燃機関の構成例]
図1は、本実施形態における内燃機関の構成例を示す説明図である。図1に示すエンジンコントロールユニット(以下「ECU」という。)1が、内燃機関の制御を実現する。ECU1は、制御装置の一例であって、例えば、自動車に搭載された種々の機器を電子制御するデバイスである。
図1において、エンジン30は、内燃機関の一例であって、火花点火式による燃焼を実施する自動車用のガソリンエンジンである。このガソリンエンジンは、例えば、ダウンサイジングエンジンである。
また、吸気系において、大気中の空気(吸気)を導入するための吸気管21には、エアクリーナ22を通過した空気の流量(以下、「吸入空気量」という。)を検出する吸入空気量センサ23が取り付けられている。エアクリーナ22は、大気中に含まれる粉塵などを除去する。吸入空気量センサ23は、例えば、エアフローメータ等の熱線式流量計を使用することができる。
また、吸入空気量センサ23の吸気下流に位置する吸気管21には、例えば、ターボチャージャ24のコンプレッサ24a、インタークーラ25、エアバイパスバルブ(以下、「ABV」(Air Bypass Valve)という。)26、ABV用開度センサ26a、過給圧センサ27、スロットル弁28及びスロットル開度センサ(TPS:Throttle Position Sensor)28aが設置されている。
ターボチャージャ24は、空気を過給するため、圧縮空気をエンジン30に送り込み、エンジン30の熱効率を高める装置である。ターボチャージャ24は、コンプレッサ24a、タービン24b及びそれらを同軸に連結するシャフト24cを有する。コンプレッサ24aは、タービン24bが排気により回転することにより、シャフト24cを介して得られた回転エネルギーを利用して空気を圧縮する。
インタークーラ25は、ターボチャージャ24を通過した空気を冷却する。なお、インタークーラ25は、空冷式、水冷式の何れでもよい。
ABV26は、電子制御式のバルブであって、ターボチャージャ24のコンプレッサ24aの上流側とそのコンプレッサ24a下流側との間をバイパスするバイパス管26bに配置されている。ECU1は、ABV26の開度(ABVO[%])を制御する。例えば、減速時にスロットル弁28を閉じると、スロットル弁28の上流側の圧力が過度に上昇する。そこで、ECU1は、過給された空気をバイパス管26bへ逃がし、コンプレッサ24aの前段(下流側)にバイパスさせる。なお、ABV26は、調節手段の一例である。
ABV用開度センサ26aは、ABV26の開度を検出する。ここで、ABV用開度センサ26aの構成は、ABV26の開度が検出できるものであれば、特に限定されない。
過給圧センサ27は、スロットル弁28の上流側であって、ターボチャージャ24のコンプレッサ24aとスロットル弁28との間に位置する吸気管21内の圧力(絶対圧)を示す出力値として、過給圧P[Pa](スロットル上流圧)を検出する。
スロットル弁28は、吸気管21に配置され、アクセルペダル(図示省略)と連動して開閉し、吸入空気量Qを制御する。本実施形態では、一例として、アクセルペダルの開度(アクセル開度(角度)[θ])に応じて開閉する電子制御式のものを採用する。ここで、アクセルペダルの開度は、アクセルポジションセンサ(APS)によって検出される(図示省略)。
スロットル開度センサ28aは、スロットル弁28の開閉状態を示す開度(TVO[%])を検出する。なお、スロットル開度センサ28aの構成は、スロットル弁28の開度が検出できるものであれば、特に限定されない。
また、スロットル弁28の下流側に位置する吸気管21には、吸気ポート32に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁33が取り付けられている。さらに、燃焼室34に空気を導入する吸気ポート32には、その開口を開閉する吸気弁31が配置されている。燃料噴射弁33は、例えば、電磁式の燃料噴射弁である。
燃料噴射弁33から噴射された燃料は、吸気ポート32と吸気弁31との隙間を介して燃焼室34に吸気と共に導入され、点火プラグ35の火花点火によって着火燃焼する。そして、その燃焼による圧力がピストン36をクランクシャフト(図示省略)に向けて押し下げることで、クランクシャフトを回転駆動させる。
また、燃焼室34から排気を導出する排気ポート37には、その開口を開閉する排気弁38が配置される。排気弁38が開弁することで、排気は、排気ポート37と排気弁38との隙間を介して、排気管39へと排出される。排気管39には、排気流通方向に沿って、ターボチャージャ24のタービン24b、触媒コンバータ41がこの順番で配置されている。
WGV40は、電子制御式のバルブであって、ターボチャージャ24のタービン24bをバイパスするバイパス管40bに配置されている。WGV40は、調節手段の一例である。WGV用開度センサ40aは、WGV40の開度を検出する。ここで、WGV用開度センサ40aは、WGV40の開度が検出できるものであれば、特に限定されない。ECU1は、WGV40の開度(WGVO[%])を制御する。これにより、WGV40開度に応じてバイパス管40bに排気が流れ、例えば、ターボチャージャ24のタービン24bの回転力を落とすことで過給圧の上昇を抑制する。
水温センサ50は、エンジン30の冷却水の温度(水温)Tw[℃]を検出する。回転速度センサ51は、エンジン30におけるエンジン回転速度(以下、「回転速度」という。)Ne[rpm]を検出する。大気圧センサ52は、大気圧(絶対圧)を検出する。
触媒コンバータ41は、排気中の有害物質を無害成分に浄化するものであって、例えば、排気中のCO(一酸化炭素),HC(炭化水素)及びNO(窒素酸化物)を同時に浄化する三元触媒からなる。
[ECU1のハード構成例]
図2は、本実施形態におけるECUのハード構成例を示す説明図である。図2に示すECU1は、プロセッサ10、RAM(Random Access Memory)11、フラッシュメモリ12、入出力部13及びバス14を備える。プロセッサ10、RAM11、フラッシュメモリ12及び入出力部13は、バス14を介して、互いに接続されている。
プロセッサ10は、ECU1の統括的な制御を実行するものである。具体的には、プロセッサ10は、例えば、RAM11、フラッシュメモリ12及び入出力部13を制御する。但し、プロセッサ10は、CPU(Central Processing Unit)コアが複数設けられているマルチコアプロセッサであってもよい。なお、プロセッサ10は、時間を計測するタイマを内蔵している。プロセッサ10の処理の詳細については、フローチャート等を参照しながら後述する。
RAM11は、例えば、演算処理に用いられるデータの一時的な作業領域となるメモリであって、電源供給が遮断されると、記憶内容が消える揮発性メモリである。なお、RAM11は、例えば、ダイナミックRAMやスタティックRAMであってもよい。
フラッシュメモリ12は、例えば、電源供給を遮断してもデータが保持される不揮発性の半導体メモリである。
入出力部13は、プロセッサ10からの指示により、図1に示す各センサから出力された信号を受信する。入出力部13は、例えば、受信した信号に応じてA/D変換し、RAM11に記憶する。プロセッサ10は、各センサからの信号に基づいて、例えば、燃料噴射弁33、点火プラグ35、スロットル弁28、ABV26、WGV40等の車載機器を駆動するための制御信号を各々生成する。そして、プロセッサ10は、これらの制御信号を、入出力部13経由で各車載機器に送信して制御する。
また、プロセッサ10は、例えば、アクセル開度から要求される目標トルクを求め、図3に示すマップのデータを読み込み、回転速度と目標トルクとに基づいて、目標過給圧を求める。さらに、プロセッサ10は、過給圧センサ27により検出した過給圧(実過給圧)が、目標過給圧に一致するようにフィードバック制御を実施する。
図3は、目標トルクと回転速度と目標過給圧との関係を示す説明図である。図3において、x軸は、回転速度を示し、y軸は、目標トルクを示し、z軸は、目標過給圧を示す。図3に示すマップは、例えば、数値解析のシミュレーションに基づいており、説明の便宜上、結果の概要を例示している。図3に示すマップでは、回転速度及び目標トルクが定まると、目標過給圧が定まることを意味し、1つの組み合わせ(回転速度、目標トルク、目標過給圧)を例示している。図3に示すマップのデータは、予めフラッシュメモリ12に記憶されている。なお、本実施形態では、図3に示すマップを、実機による実験によって求めることができる。また、マップによる目標過給圧の求め方は、一例であって、これに限定されず、他の公知の手段で目標過給圧を求めてもよい。
また、プロセッサ10は、WGV用開度センサ40aが故障以外の正常状態において、例えば、ターボチャージャ24が駆動されて目標過給圧より高くなると、電動アクチュエータ(図示省略)によってWGV40の開度を開側に調節する。これにより、排気がバイパス管40bによってバイパスされてタービン24bの回転数が低下する。タービン24bの回転数が低下すると、コンプレッサ24aの回転数も低下して過給圧が低下するようになる。
逆に、プロセッサ10は、WGV用開度センサ40aが正常状態において、例えば、実際の過給圧が目標とする目標過給圧より低くなると、電動アクチュエータによってWGV40の開度を閉側に調節する。これにより、バイパス管40bへの排気のバイパスが減少されてタービン24bの回転数が上昇する。タービン24bの回転数が上昇することで、コンプレッサ24aの回転数も上昇して過給圧が増加するようになる。プロセッサ10は、このような過給圧制御を繰り返して過給圧を目標過給圧に制御する。
本実施形態では、WGV用開度センサ40aの開度信号を使用して過給圧の調節を行う場合、プロセッサ10は、例えば、目標過給圧と実過給圧との偏差に応じて、WGV40の制御すべき開度量をフィードバック制御している。
そして、WGV用開度センサ40aが例えば何らかの要因により故障すると、WGV40の開度が不明となることで、プロセッサ10は、WGV40がどの開度に制御されているか判断できなくなる。すると、プロセッサ10は、例えば、WGV40が閉弁したにも拘わらず閉弁動作を継続していると、電動アクチュエータのモータ等の部品が焼損する現象が発生する確率が高くなる。
図4は、WGV用開度センサの出力電圧の一例を示す特性の説明図である。図4に示す通り、WGV用開度センサ40aの出力特性は、WGV40が全閉状態であれば出力電圧が低く、全開状態であれば出力電圧が高くなるように線形な電圧を出力するようになっている。但し、逆の特性になるようにしても良い。したがって、この出力電圧とWGV40の開度を対応付けしていれば、出力電圧からWGV40の開度が検出できるようになる。プロセッサ10は、例えば、運転中に検出した開度をRAM11に一時的に記憶する。
本実施形態では、WGV用開度センサ40aが短絡したり、断線したりして異常状態となると、例えば、プロセッサ10がWGV40を閉から開側に制御しようとしても、出力特性が破線A又は破線Bに示す値に固定される。そのため、プロセッサ10は、WGV用開度センサ40aの故障の有無を診断することができる。そこで、プロセッサ10は、故障が発生していなければ、例えば故障診断用のフラグ(以下「故障診断フラグ」という。)のオフを示す値(0)をRAM11に書き込み、故障が発生した場合には、例えば故障診断フラグのオンを示す値(1)をRAM11に書き込む。これにより、プロセッサ10は、WGV用開度センサ40aの故障の有無を診断することができる。ここで、故障が発生した場合、WGV40を強制的に開いて過給圧を抑制すると、上述した通り、結果として機関トルクの不足が生じて運転性の低下が発生することが懸念される。
そこで、本実施形態では、以下の動作の説明で詳述する通り、WGV用開度センサ40aが故障した場合に、低速回転領域においても充分な過給圧を確保して、必要な機関トルクが得られる制御を実行する。
[動作の説明]
次に、本実施形態における内燃機関の制御方法の一例として、先ず、エンジン30の制御の概要を説明する。本実施形態では、WGV用開度センサ40aが故障した場合に、WGV40の駆動や過給圧制御を並列処理する制御を実行する。
エンジン30の制御の概要としては、ECU1は、例えば、吸入空気量センサ23から吸入空気量Qを読み込むと共に、回転速度センサ51から回転速度Neを読み込み、これらの吸入空気量Q及び回転速度Neに基づいてエンジン30の運転状態に応じた基本燃料噴射量を求める。また、ECU1は、大気圧センサ52から大気圧(絶対圧)をさらに読み込むと共に、水温センサ50から水温Twを読み込み、基本燃料噴射量を大気圧及び水温Twで補正した燃料噴射量を求める。
そして、ECU1は、エンジン30の運転状態に応じたタイミングで、燃料噴射量に応じた燃料を燃料噴射弁33から噴射し、点火プラグ35を適宜作動させて燃料と空気との混合気を着火燃焼させる。このとき、ECU1は、図示省略の空燃比センサから空燃比を読み込み、排気中の空燃比が理論空燃比に近づくように、燃料噴射弁33をフィードバック制御する。以下、WGV用開度センサ40aが故障した場合の制御処理について詳述する。
図5は、本実施形態における制御処理のタイミングチャートの一例を示す説明図である。図5において、横軸はそれぞれ時間を示す。図5(a)は、故障診断の結果の状態を故障診断フラグのオン、オフで示す。
図5(b)は、WGV40の駆動状態の一例を示す。縦軸は、WGV40の駆動のデューティ(Duty)比[%]を示し、プロセッサ10が、電動アクチュエータ(図示省略)を介して、WGV40を開閉させる操作量を表現している。プロセッサ10は、開側(100[%])から閉側(−100[%])までの操作量に従って、WGV40を開閉させる。なお、図5(b)において、操作量が100[%]にならないと全開し、操作量が−100[%]にならないと全閉するということではない。
本実施形態では、WGV用開度センサ40aの故障状態(以下、「センサ故障状態」という。)でのWGV40の制御の仕方として、故障が発生すると、先ず、WGV40を全閉する。すなわち、WGV用開度センサ40aが故障すると、その後の開度を検出することができなくなる。そこで、プロセッサ10は、正常に機能する他のセンサを利用し、例えば、故障直前の開度、吸気管21内の実過給圧からWGV40を完全に閉じて、閉弁状態を維持することが可能な時間(以下「閉弁移行時間」という。)をΔT1として推定する。ΔT1は、例えば、図5(b)において、ΔT1=(t2−t1)となる。この場合、プロセッサ10は、ΔT1の間、デューティ比を設定値D2(以下、「D2」という。)に設定する制御を実行する。
なお、本実施形態では、WGV40の動作特性に基づいて、開度と実過給圧との関係からΔT1を予め実験により求め、その求めた値をテーブル化してフラッシュメモリ12に記憶しておいてもよい。ΔT1は、例えば、WGV40が全開状態から全閉状態に移行したと認められる程度の時間であればよい。
そして、本実施形態では、ΔT1の経過後、閉弁維持と熱対策のため、鋸歯状波状にデューティ比を制御し、一定周期で設定値D1(以下、「D1」という。)へ移行するように制御する。つまり、プロセッサ10は、図5(b)に示す通り、所定の周期に従って設定値D0(以下、「D0」という。)まで単調増加になるようにデューティ比を制御し、D0(0[%]のライン)に達すると、デューティ比を、D1に設定する処理を繰り返す。なお、D1は一例であって、鋸歯状波状にデューティ比を制御できればよいので、D2であってもよい。つまり、鋸歯状波状にデューティ比を制御することにより、電動アクチュエータにおけるモータ等の部品の焼損を避けることができる。具体的な処理の流れは、図6に示すフローチャートで説明する。
また、図5(c)は、WGV用開度センサ40aが故障した場合の過給圧制御の一例を示し、縦軸は、過給圧を示している。図5(c)に示すグラフは、過給圧の上限を示す過給上限値p1、正常状態における目標過給圧p2、センサ故障状態における目標過給圧p3、実過給圧p4をそれぞれ示している。なお、正常状態における目標過給圧p2が第1目標過給圧に相当し、センサ故障状態における目標過給圧p3が第2目標過給圧に相当する。また、プロセッサ10は、センサ故障状態において、第1目標過給圧より、所定値(Δp=p2−p3)だけ低い第2目標過給圧に制御する。
また、図5(d)に示すグラフは、スロットル弁28の駆動状態の一例を示している。なお、アクセルポジションセンサ(APS)要求に基づくスロットル弁28の開度、過給圧制御要求に基づくスロットル弁28の開度については、安全上の観点から、例えば、抑える方向(セレクトロー)に設定することが望ましい。また、過給圧制御要求に基づくスロットル弁28の制御は、安全上の観点から、圧力上昇側速度<圧力下降側速度とすることが望ましい。図5(c),(d)に示す具体的な処理の流れは、図7に示すフローチャートと合わせて説明する。図5(e)は、ABV26の駆動状態の一例を示す。縦軸は、開閉状態を示す。
図6は、本実施形態におけるWGVの駆動処理の一例を示すフローチャートである。ECU1が起動されたことを契機として、ECU1のプロセッサ10が、このフローチャートを一定時間(例えばミリ秒のオーダ)毎に繰り返し実行する。
ステップS101:プロセッサ10は、WGV用開度センサ40aに故障が発生したか否かを診断する。故障が未発生の場合(ステップS101:No)、プロセッサ10は、故障診断フラグをオフとし、図6に示すフローチャートを終了する。一方、故障が発生している場合(ステップS101:Yes)、プロセッサ10は、故障診断フラグをオンとし、ステップS102の処理に移行する。なお、図5(a)においては、故障診断フラグのオフ状態(正常状態)から、時刻t1で故障が発生してオン状態(センサ故障状態)に変化した状態を例示している。
ステップS102:プロセッサ10は、WGV用開度センサ40aの故障発生からΔT1(閉弁移行時間)を経過したか否かを判定する。プロセッサ10は、故障発生を検知すると、故障発生からの時間の計測を開始する。故障発生からΔT1を経過した場合(ステップS102:Yes)、ステップS103の処理に移行する。故障発生からΔT1を経過していない場合(ステップS102:No)、後述するステップS106の処理に移行する。
ステップS103:プロセッサ10は、デューティ比がD0に達したか否かを判定する。D0に達した場合(ステップS103:Yes)、ステップS105の処理に移行する。D0に達していない場合(ステップS103:No)、ステップS104の処理に移行する。
ステップS104:プロセッサ10は、デューティ比を鋸歯状波状にして、WGV40を駆動させるため、そのデューティ比を変更する。具体的には、プロセッサ10は、現在のデューティ比に予め設定した増分(Δd)を加算して、WGV40の閉駆動を実行する。そして、プロセッサ10は、図6に示すフローチャートの処理を終了する。
ステップS105:プロセッサ10は、デューティ比をD1に設定してWGV40の閉駆動を実行する。そして、プロセッサ10は、図6に示すフローチャートの処理を終了する。
ステップS106:プロセッサ10は、デューティ比をD2に設定してWGV40の閉駆動を実行する。そして、プロセッサ10は、図6に示すフローチャートの処理を終了する。
以上より、プロセッサ10は、センサ故障状態において、図6に示すフローチャートの処理を繰り返すことで、図5(b)に示すタイミングチャートとなるように制御を実行する。
次に、過給圧制御処理について説明する。
図7は、本実施形態における過給圧制御処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS201:プロセッサ10は、図6に示すステップS101の処理と同様、WGV用開度センサ40aに故障が発生したか否かを診断する。故障が未発生の場合(ステップS201:No)、図7に示すフローチャートの処理を終了する。一方、故障が発生している場合(ステップS201:Yes)、ステップS202の処理に移行する。
ステップS202:プロセッサ10は、目標過給圧を求める処理を実行する。具体的には、プロセッサ10は、図3に示すマップに基づいて、現在の目標過給圧を求める。但し、この目標過給圧は、必要に応じて、ステップS204で補正される。
ステップS203:プロセッサ10は、大気圧の値よりも目標過給圧の値が高いか否かを判定する。具体的には、プロセッサ10は、大気圧センサ52の値を読み込み、ステップS202で求めた目標過給圧の値の方が高いか否かを判定する。この判定条件を満たす場合には(ステップS203:Yes)、プロセッサ10は、ステップS204の処理に移行し、一方、この判定条件を満たさない場合には(ステップS203:No)、大気圧以下であるため、故障時におけるステップS204以降の過給圧制御は実行せずに図7に示すフローチャートの処理を終了する。
ステップS204:プロセッサ10は、目標過給圧の補正処理を実行する。すなわち、プロセッサ10は、故障したときの目標過給圧(第2目標過給圧)を適用するために、その目標過給圧を補正する。この場合、プロセッサ10は、センサ故障状態において、目標過給圧(第2目標過給圧)を、WGV用開度センサ40aが正常の場合の目標過給圧(第1目標過給圧、図5(c)に示すp2参照)よりも低圧側の値となるように求め、補正する(図5(c)に示すp3参照)。これにより、機関トルクが必要以上に大きくなりすぎるのを抑制することができる。
なお、第2目標過給圧の算出方法としては、第1目標過給圧よりも低圧側の値となるようにする処理に加えて、さらに、ノイズ重畳による誤動作を抑制するため、ある時点で算出した第2目標過給圧に限られず、移動平均によるフィルタリング処理を実行してもよい。
つまり、プロセッサ10は、WGV40の開度を調節して、目標過給圧(第2目標過給圧)に収束するように実過給圧を制御する。説明の便宜上、以下、実過給圧を、一例として図5(c)に示す実過給圧p4とする。ここで、この図7に示すフローチャートの処理を繰り返すことにより、プロセッサ10は、WGV用開度センサ40aが故障した場合であっても、過給圧(実過給圧)がエンジン30の運転状態に応じた第1目標過給圧より所定値だけ低い第2目標過給圧に収束するようにWGV40の開度を制御するので、運転性の低下を抑制することができる。
ステップS205:プロセッサ10は、過給上限値の設定処理を実行する。具体的には、プロセッサ10は、センサ故障状態下での過給上限値を、補正後の目標過給圧(第2目標過給圧、図5(c)に示すp3参照)よりも高圧側に設定する(図5(c)に示すp1参照)。
ステップS206:プロセッサ10は、スロットル弁28で過給圧のフィードバック(F/B)制御処理を実行する。具体的には、プロセッサ10は、実過給圧p4が第2目標過給圧に達したら(一例として図5(c)に示す時刻t3参照)、スロットル弁28を制御することにより、過給圧を安定させる(図5(d)に示す時刻t3参照)。
ステップS207:プロセッサ10は、実過給圧p4が過給上限値に達したか否かを判定する。実過給圧p4が過給上限値に達した場合(ステップS207:Yes)、プロセッサ10は、ステップS208の処理に移行する(一例として図5(c)に示す時刻t4)。一方、実過給圧p4が過給上限値に達していない場合(ステップS207:No)、プロセッサ10は、実過給圧p4の上昇を抑制する必要がないので、ステップS208以降の過給圧制御は実行せずに図7に示すフローチャートの処理を終了する。
ステップS208:プロセッサ10は、実過給圧p4に対して、これ以上の上昇を抑制するため、ABV26を全開側に操作すると共に、燃料をカットし、スロットル弁28を全閉側に操作する。但し、ステップS208の処理について、プロセッサ10が図7に示すフローチャートの処理を繰り返すことで、ABV26を全開側に操作し、スロットル弁28を全閉側に操作することになる。
ステップS209:プロセッサ10は、実過給圧p4が例えば大気圧以下に変化したか否かを判定する。実過給圧p4が大気圧以下に変化した場合(ステップS209:Yes)、プロセッサ10は、ステップS210の処理に移行する。一方、実過給圧p4が所定値よりも高い場合(ステップS209:No)、プロセッサ10は、ステップS210以降の過給圧制御を実行せずに図7に示すフローチャートの処理を終了する。
ステップS210:プロセッサ10は、燃料噴射を再開し、エンジン30の運転状態に応じてスロットル弁28の開度を制御する通常制御の状態に戻す。
ステップS211:プロセッサ10は、実過給圧p4が大気圧以下に変化した状態が予め設定した時間継続したか否かを判定する。予め設定した時間継続した場合(ステップS211:Yes)、プロセッサ10は、ステップS212の処理に移行する。一方、予め設定した時間継続していない場合(ステップS211:No)、プロセッサ10は、図7に示すフローチャートの処理を終了する。なお、実過給圧p4が大気圧以下であれば、プロセッサ10は、ステップS211の処理をスキップして、ステップS212の処理に移行するようにしてもよい。
ステップS212:プロセッサ10は、ABV26を全閉側に操作する。そして、プロセッサ10は、図7に示すフローチャートの処理を終了する。
ここで、図7に示す過給圧制御処理についてまとめると、プロセッサ10が図7に示すフローチャートの処理を繰り返すことにより、図5(c)のグラフの結果が、一例として得られる。図5(c)に示す通り、時刻t3において、実過給圧p4がセンサ故障状態下での目標過給圧に達した場合には、プロセッサ10は、スロットル弁28を制御することにより実過給圧p4を安定化させる。続いて、時刻t4において、実過給圧p4が過給上限値に達した場合、プロセッサ10は、ABV26を全開側に制御し、燃料をカットし、スロットル弁28を閉めて、実過給圧p4を低下させる処理を実行する(図5(d)に示す時刻t4参照)。さらに、時刻t5において吸気管21内の圧力(過給圧)が大気圧になった後、例えば、予め設定した設定時間(ΔT4)の経過後の時刻t6において、プロセッサ10は、ABV26を全閉する処理を実行する。
つまり、WGV用開度センサ40aが故障した場合には、WGV40による通常の制御に基づいて、過給圧のフィードバック(F/B)ができないので、ステップS206で上述した通り、スロットル弁28で過給圧のフィードバック(F/B)制御処理を実行する。ここで、スロットル弁28を閉じることは、吸入空気量が減るので、排気流量が減り、その結果、過給圧が減少することを意味する。一方、スロットル弁28を開けることは、吸入空気量が増えるので、排気流量が増え、その結果、過給圧が増加することを意味する。
なお、プロセッサ10は、エンジン30の回転数の上昇に応じて、所定値(実過給圧p4の低下の抑制量:Δp=(p2−p3))を漸増させるようにしてもよい。つまり、エンジン30の回転数が高速になるほど、Δpの幅が大きくなるようにして、実過給圧p4を第2目標過給圧に収束するようにしてもよい。このような制御の仕方であっても、エンジン30の回転数に応じて、予期せぬ加速を回避しつつ運転性の低下を抑制できる。
以上より、本実施形態によれば、例えば、ダウンサイジングエンジンを搭載した自動車において、WGV用開度センサ40aが故障した場合、例えば予期せぬ加速を回避しつつ、低速回転領域においても過給圧を確保して、必要な機関トルクが得られる制御を実現する。これにより、本実施形態によれば、WGV用開度センサ40a等のセンサが故障したときに、運転性の低下を抑制することができる。なお、本実施形態では、過給器として、例えば、可変ジオメトリ(VG(Variable Geometry))ターボチャージャに適用してもよい。
次に、本実施形態におけるWGV40の駆動処理の第1変形例及び第2変形例について説明する。なお、上記実施形態と、同じ構成要素については同じ符号を付して説明を省略し、相違点について主に詳述する。上述したWGV40の駆動処理では、WGV40を全閉にすることを最優先にして制御している。但し、このデューティ比は、電動アクチュエータのモータ等の部品を焼損させないレベルであることは言うまでもない。ここで、第1変形例では、上述したWGV40におけるデューティ比(図5(b)に示すD1のレベル)よりも小さいデューティ比を一定時間にかけ続ける制御を実行する。このような方法であっても、同様の効果を得ることができる。以下、具体的に説明する。
図8は、第1変形例を示すフローチャートである。図9は、第1変形例のタイミングチャートの一例を示す説明図である。横軸は時間を示し、縦軸は図5(b)と同様である。
ステップS301:プロセッサ10は、WGV用開度センサに故障が発生したか否かを診断する。故障が未発生の場合(ステップS301:No)、プロセッサ10は、故障診断フラグをオフとし、図8に示すフローチャートを終了する。一方、故障が発生している場合(ステップS301:Yes)、プロセッサ10は、故障診断フラグをオンとし、ステップS302の処理に移行する。
ステップS302:プロセッサ10は、故障発生からΔT1(閉弁移行時間)を経過したか否かを判定する。経過した場合(ステップS302:Yes)、ステップS303の処理に移行する。経過していない場合(ステップS302:No)、ステップS304の処理に移行する。
ステップS303:プロセッサ10は、デューティ比を設定値D3(以下、「D3」という。)に設定する。そして、プロセッサ10は、このデューティ比でWGV40の閉駆動を実行し、図8に示すフローチャートの処理を終了する。
ステップS304:プロセッサ10は、デューティ比を設定値D4(以下、「D4」という。)に設定する。なお、図9に示すD4は、例えば、図5(b)に示すD2と同じレベルであってよい。そして、プロセッサ10は、このデューティ比でWGV40の閉駆動を実行し、図8に示すフローチャートの処理を終了する。
以上より、第1変形例によれば、図8に示すフローチャートの処理を繰り返すことで、一例として図9に示すタイミングチャートが得られる。したがって、第1変形例において、プロセッサ10は、WGV用開度センサ40a等のセンサが故障した場合、ΔT1の経過後、デューティ比をD3に変更して維持し続けることで、運転性の低下を抑制する過給圧制御処理を実行することができる。
次に、第2変形例について説明する。第2変形例では、WGV用開度センサ40aの故障発生時に、フィードフォワード的にWGV40の開度を制御する。これは、フィードバック的にWGV40の開度を制御するのが困難だからである。具体的には、プロセッサ10は、WGV用開度センサ40aが故障した場合、予め定めたF/S(Fale/Safe)用の開度に導くようにする。なお、F/S用の開度とは、予期せぬ加速(UA)の抑制、過剰な過給の抑制及びリンプホーム運転の維持について両立できる開度を実験的に求めたものである。上述した実施形態では、電子制御式のWGV40の全閉状態を維持するようにしていたが、第2変形例では、実験的に求めたF/S用の開度に基づいて、WGV40を閉駆動させた後に必要に応じて所定時間開弁させる場合を考慮する。
図10は、第2変形例におけるタイミングチャートの一例を示す説明図である。図10(a)は、図5(a)と同様、故障診断の結果の状態を故障診断フラグのオン、オフで示す。図10(b)は、吸気管圧力の低圧判定用のフラグ(以下、「低圧判定フラグ」という。)の状態を示し、プロセッサ10は、吸気管21内が所定圧力以下であれば、低圧判定フラグをオンにする。図10(c)は、図5(c)と同様、WGV40の駆動のデューティ比[%]を示す。
第2変形例では、前提条件として、WGV用開度センサ40aに故障が発生した場合、プロセッサ10は、先ず、デューティ比を制御し、ΔT1(閉弁移行時間)の間、WGV40を閉駆動のデューティ比として、D6(図10(c)参照)を印加する。次に、プロセッサ10は、ΔT1の経過後、WGV40を開側に制御し、例えば目標過給圧(第2目標過給圧)を維持させるため、F/S用開度に移行させる時間(以下「F/S用開度移行時間」という。)で、F/S用開度に導く。すなわち、プロセッサ10は、デューティ比をD5(図10(c)参照)に制御する。ΔT2(F/S用開度移行時間)は、例えば、図10(c)において、ΔT2=(t3−t2)となる。このΔT2は、例えば、予め実験により求めた値であって、フラッシュメモリ12に記憶されている。
さらに、プロセッサ10は、ΔT2の経過後については、F/S用開度を維持するため、デューティ比を制御し、D0(0[%])にして、WGV40の駆動をオフにするという一連の制御処理(以下、「WGV駆動用サイクル処理」という。)を実行する。
なお、なんらかの影響により、WGV40がより開側に動いてしまった場合には、プロセッサ10は、再び、F/S用開度に戻す処理を実行する。具体的には、低圧判定の状態(低圧判定フラグのオン状態)が所定時間(ΔT3)続いた場合、プロセッサ10は、WGV駆動用サイクル処理を実行して、WGV40を駆動する。実際の処理の流れは、図11に示すフローチャートを用いて後述する。
図11は、第2変形例の一例を示すフローチャートである。プロセッサ10は、ECU1が起動されたことを契機として、図11に示すフローチャートを開始し、例えば、このフローチャートを終了する毎に繰り返し実行する。図11に示すフローチャートは、図10に示すタイミングチャートに対応している。先ず、故障診断フラグがオフからオンに切り替わり、最初のWGV駆動用サイクルが実行される処理について説明する。
プロセッサ10は、ステップS401で、図8に示すステップS301の処理と同様、WGV用開度センサ40aに故障が発生したか否かを診断する。故障が未発生の場合(ステップS401:No)、プロセッサ10は、故障診断フラグをオフとし、図10に示すフローチャートを終了する。一方、故障が発生している場合(ステップS401:Yes)、プロセッサ10は、故障診断フラグをオンにし、ステップS402の処理に移行する。
プロセッサ10は、ステップS402で、吸気管21の圧力判定を実行する。具体的には、プロセッサ10は、目標過給圧を求め、目標過給圧と実過給圧との差が予め設定した閾値よりも高いか否かで低圧(所定圧力以下)の有無を判定する。より具体的には、プロセッサ10は、過給圧センサ27が出力した実過給圧(過給圧P)の値を読み込み、目標過給圧(第2目標過給圧)の値との差分の絶対値(|目標過給圧−実過給圧|)が予め設定した閾値よりも高いか否かに基づいて、低圧判定をする。その結果、吸気管21内が所定圧力以下であれば(ステップS402:Yes)、低圧判定として、プロセッサ10は、ステップS403の処理に移行し、一方、吸気管21内が所定圧力より高ければ(ステップS402:No)、ステップS408の処理に移行する。
ここで、図10(a)において故障診断フラグがオンに切り替わった場合には、図10(b)では、低圧判定フラグがオフ状態であるので、ステップ408の処理に進み、プロセッサ10は、低圧判定をクリアとし、ステップS409の処理に進む。
プロセッサ10は、ステップS409で、タイマ(T3)をクリアに設定する。なお、説明をわかりやすくするため、プロセッサ10は、図11に示すフローチャートを繰り返す際、各タイマ(T1〜T3)が既にクリアに設定されている場合には、時間経過の判定の処理(ステップS405,S411、S415)について、No判定として処理する。また、プロセッサ10は、ステップS409,S412、S416において、既にタイマ(T1〜T3)がクリアに設定されている場合には、単に通過するだけで、処理をスキップする。さらに、プロセッサ10は、ステップS404,S416、S413において、既にタイマ(T1〜T3)のカウントを開始している場合には、現在カウント中であるので、単に通過するだけで処理をスキップする。
プロセッサ10は、ステップS409からS405に処理が流れてきた場合、タイマ(T3)がクリアに設定されているので、ステップS410に進む。プロセッサ10は、ステップS410で、WGVの診断故障の判定成立のタイミングか否かを判定する。ここで、このステップ410が初めて実行されるのは、図10(a)のt1において、故障診断フラグがオンに切り替わったタイミングであり、換言すると、判定成立のタイミングであるので、ステップS406に進む。以後、このステップS410の処理では、図10(a)において、故障診断フラグがオン状態を維持しているので、プロセッサ10は、判定成立のタイミングではないと判定し(ステップS410:No)、ステップS411に進むことになる。
ここで、プロセッサ10は、WGVの診断故障の判定成立のタイミングにより(ステップS410:Yes)、ステップS406に進むと、タイマ(T1)のカウントを開始し、ステップS407で、ΔT1の間、WGV40を閉駆動のデューティ比として、D6を印加する(図10(c)のt1〜t2参照)。そして、プロセッサ10は、図11に示すフローチャートの処理を終了し、再び、このフローチャートの処理を開始する。この場合、図10のタイミングチャートから明らかな通り、ΔT1のカウント中を示す処理として、このプロセッサ10は、ステップS401(Yes判定)→S402(No判定)→S408→S409→S405(No判定)→S410(No判定)→S411(No判定)→S415(No判定)の一連の処理を繰り返す。そして、タイマ(T1)がΔT1を経過した場合(ステップS411:Yes)、ステップS412に進む(図10(c)のt2参照)。
そして、プロセッサ10は、ステップS412で、タイマ(T1)をクリアし、ステップS413で、タイマ(T2)のカウントを開始する。そして、プロセッサ10は、ステップS414で、WGV40を開駆動するため、デューティ比をD5に制御し(図10(c)のt2〜t3参照)、図11に示すフローチャートの処理を終了し、再び、このフローチャートの処理を開始する。この場合、図10のタイミングチャートから明らかな通り、ΔT2のカウント中を示す処理として、プロセッサ10は、ステップS401(Yes判定)→S402(No判定)→S408→S409→S405(No判定)→S410(No判定)→S411(No判定)→S415(No判定)の一連の処理を繰り返す。そして、タイマ(T2)がΔT2を経過した場合(ステップS415:Yes)、ステップS416に進む(図10(c)のt3参照)。そして、プロセッサ10は、ステップS416で、タイマ(T2)をクリアし、ステップS417で、デューティ比を制御し、D0(0[%])にして、WGV40の駆動をオフにする。以上より、1回目のWGV駆動用サイクル処理が完了する。
次に、再び、このフローチャートの処理を開始すると、ステップS402で、吸気管21内が所定圧力以下(低圧判定フラグがオン状態)になるまで、プロセッサ10は、ステップS401(Yes判定)→S402(No判定)→S408→S409→S405(No判定)→S410(No判定)→S411(No判定)→S415(No判定)の一連の処理を繰り返す。そして、吸気管21内が所定圧力以下になると(ステップS402:Yes)、プロセッサ10は、ステップS403で、低圧判定とし(低圧判定フラグがオン状態)、ステップS404で、タイマ(T3)のカウントを開始する(図10(c)のt4参照)。続いて、プロセッサ10は、S405(No判定)→S410(No判定)→S411(No判定)→S412(No判定)を実行して図11に示すフローチャートの処理を終了し、再び、このフローチャートの処理を開始する。この場合、タイマ(T3)がΔT3を経過するまで、ΔT3のカウント中を示す処理として、プロセッサ10は、ステップS401(Yes判定)→S402(Yes判定)→S403→S404→S405(No判定)→S410(No判定)→S411(No判定)→S415(No判定)の一連の処理を繰り返す。そして、タイマ(T3)がΔT3を経過すると(ステップS405:Yes)、プロセッサ10は、ステップS406で、再度、WGV駆動用サイクル処理を実行するため、タイマ(T1)のカウントを開始し、ステップS407で、ΔT1の間、WGV40を閉駆動のデューティ比として、D6(図10(c)のt5参照)を印加する。
そして、プロセッサ10は、図11に示すフローチャートの処理を終了し、再び、このフローチャートの処理を開始する。この場合、ステップS402で、吸気管21内が所定圧力以下でなくなると、プロセッサ10は、ステップS408で、低圧判定をクリアし(低圧判定フラグがオフ状態)、ステップS409で、タイマ(T3)をクリアする。以降の処理は、上述したWGV駆動用サイクル処理を繰り返して行く。
以上より、第2変形例におけるWGV40の駆動状態においては、WGV用開度センサ40aが故障した場合、フィードバック(F/B)制御ができなくなるが、フィードフォワード的に電子制御式のWGV40の開度を制御することができる。すなわち、WGV用開度センサ40aが故障した場合、プロセッサ10は、WGV駆動用サイクル処理を必要に応じて繰り返して実行する。
これにより、第2変形例においても、WGV用開度センサ40aが故障した場合、過給圧の低下が抑制されるので、運転性の低下を抑制することができる。さらに、第2変形例では、予期せぬ加速(UA)の抑制、過剰な過給の抑制、リンプホーム運転の維持について両立できる。
[上記実施形態の補足事項]
(a)上記制御手段は、上記第2目標過給圧を、大気圧より高く、上記第1目標過給圧より低く設定してもよい。これにより、機関トルクが必要以上に大きくなりすぎるのを抑制することができる。
(b)上記制御手段は、過給上限値を上記第1目標過給圧より所定値だけ高く設定してもよい。これにより、機械式のウェイストゲートバルブにおける過給上限値は、構造的に一義的に定まるが、電子制御式のウェイストゲートバルブの場合には、第1目標過給圧に応じて設定できる。したがって、過給上限値を第1目標過給圧に応じて変化させながら、第2目標過給圧に収束するように過給圧を制御することができる。
以上、本件に開示する実施形態について明細書及び図面等を用いて説明したが、本件開示の技術は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1…ECU
21…吸気管
24…ターボチャージャ
26…ABV
28…スロットル弁
30…エンジン
40…WGV
40a…WGV用開度センサ

Claims (3)

  1. 過給器の過給圧を調節する調節手段と、
    前記調節手段の動作状態を検出するセンサが故障した場合、前記過給圧が内燃機関の運転状態に応じた第1目標過給圧より所定値だけ低い第2目標過給圧に収束するように前記調節手段を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記過給器は、ターボチャージャであり、
    前記調節手段は、前記ターボチャージャに付設されたウェイストゲートバルブであり、
    前記センサは、前記ウェイストゲートバルブの開度を検出する開度センサであって、
    前記制御手段は、前記ウェイストゲートバルブを閉側に制御することで、前記過給圧の低下を抑制することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記内燃機関の回転数の上昇に応じて、前記所定値を漸増させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
JP2016054096A 2016-03-17 2016-03-17 内燃機関の制御装置 Active JP6518612B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016054096A JP6518612B2 (ja) 2016-03-17 2016-03-17 内燃機関の制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016054096A JP6518612B2 (ja) 2016-03-17 2016-03-17 内燃機関の制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017166443A true JP2017166443A (ja) 2017-09-21
JP6518612B2 JP6518612B2 (ja) 2019-05-22

Family

ID=59913152

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016054096A Active JP6518612B2 (ja) 2016-03-17 2016-03-17 内燃機関の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6518612B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10890503B2 (en) 2018-05-29 2021-01-12 Subaru Corporation Position sensor malfunction determination apparatus

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60256540A (ja) * 1984-06-01 1985-12-18 Nissan Motor Co Ltd フエイルセ−フ制御装置
JP2015001170A (ja) * 2013-06-13 2015-01-05 日立オートモティブシステムズ株式会社 内燃機関の過給圧制御装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60256540A (ja) * 1984-06-01 1985-12-18 Nissan Motor Co Ltd フエイルセ−フ制御装置
JP2015001170A (ja) * 2013-06-13 2015-01-05 日立オートモティブシステムズ株式会社 内燃機関の過給圧制御装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10890503B2 (en) 2018-05-29 2021-01-12 Subaru Corporation Position sensor malfunction determination apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
JP6518612B2 (ja) 2019-05-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4306642B2 (ja) 内燃機関の制御システム
JP5293897B2 (ja) 内燃機関の制御装置
US7611567B2 (en) Exhaust gas purifying apparatus for internal combustion engine
JP6041753B2 (ja) エンジンの排気還流装置
JP7035607B2 (ja) ハイブリッド車両の制御装置
JP2010281239A (ja) 排気センサ管理装置および排気センサ管理方法
JP4893514B2 (ja) 過給機付き内燃機関の制御装置
JP2015036523A (ja) エンジンの排気還流装置のための故障検出装置
JP2007291961A (ja) 遠心式圧縮機を備える内燃機関の制御装置
US11767787B2 (en) Catalyst early activation control at cold engine start
JP2009287412A (ja) 過給機付き内燃機関の制御装置
JP6518612B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2014031779A (ja) 触媒の劣化診断装置
JP4978187B2 (ja) 内燃機関の制御システムおよび制御方法
CN112031898B (zh) 混合动力车辆的控制装置和控制方法
JP7026217B2 (ja) 制御装置および制御方法
JP2015108315A (ja) エンジンの制御装置
JP2017057839A (ja) 内燃機関の異常診断装置
JP2007032320A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4982712B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2008038622A (ja) 内燃機関の排気浄化装置、及び方法
US11939907B2 (en) Engine control device
JP4858237B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5771911B2 (ja) 圧縮着火内燃機関の自動停止再始動システム
JP4421360B2 (ja) 内燃機関の排ガス浄化装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180307

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181225

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190422

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6518612

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250