JP2009287412A - 過給機付き内燃機関の制御装置 - Google Patents

過給機付き内燃機関の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】第1過給機と、第2過給機と、触媒とを備えた過給機付き内燃機関の制御装置にて、触媒の温度がウィンドウの上限値を逸脱することを抑制し得るものを提供すること。
【解決手段】第2過給機60の第2タービン61は、第1過給機50の第1タービン51よりも大型であり、第1タービン51よりも下流に介装されている。触媒44は、第2タービン61よりも下流に配設されている。またこの装置は、第1、第2タービン51,61をそれぞれ迂回する第1、第2バイパス通路46,47と、これらの開口面積を調整する制御弁Vhe,Vleとを備える。そして、負荷が大きい場合であり触媒44の温度が低いとき、第2過給機60のみ稼動するよう制御弁Vhe,Vleをそれぞれ全開、全閉状態とする。一方、負荷が大きい場合であり触媒44の温度が高いときには、第2過給機60に加え第1過給機50も稼働するよう制御弁Vhe開度を全開より小さい値とする。
【選択図】 図5

Description

本発明は、内燃機関の排ガスのエネルギーによって駆動される過給機(ターボチャージャ)付き内燃機関の制御装置に関する。
過給機付き内燃機関の制御装置として、内燃機関の排気通路に介装されて排ガスのエネルギーによって駆動される第1タービンを備えた第1ターボチャージャと、第1タービンよりも下流の排気通路に介装されて排ガスのエネルギーによって駆動される第2タービンを備えた第2ターボチャージャとを備えているものが知られている。
例えば、下記特許文献1に記載の過給機付き内燃機関の制御装置は、上述のように2つのターボチャージャを備えており、その第2タービンの外径は、第1タービンに比して大きい。また、この制御装置は、触媒と、第1バイパス通路と、第2バイパス通路とを備えている。具体的には、触媒は、第2タービンよりも下流の排気通路に配設されている。第1バイパス通路は、第1タービンよりも上流の排気通路と第1、第2タービンの間の排気通路とをバイパスし、第2バイパス通路は、第1、第2タービンの間の排気通路と第2タービンよりも下流であって触媒よりも上流の排気通路とをバイパスするようになっている。また、第1、第2バイパスには、それぞれの最小開口断面積を調整する第1、第2制御弁が介装されている。
特開2007−263033号公報
そして、この装置は、内燃機関の負荷が大きい場合、負荷が小さい場合に比して、第1バイパス通路の最小開口断面積が大きく且つ第2バイパス通路の最小開口断面積が小さくなるように、第1、第2バイパス通路の最小開口断面積を調整するようになっている。これにより、負荷が大きい場合に、排気抵抗となり得る第1タービンを回転させることなく大型の第2タービンのみを回転させることができる。従って、過給に伴って、ターボチャージャよりも上流の排気通路のガスの圧力が増大する(従って、筒内のガスの圧力が増大する)ことが抑制され得る。この結果、上述した圧力の増大に起因するノッキングの発生が抑制されつつ、過給が適切に実行され得る。
ところで、負荷が大きい場合、筒内にて燃焼する燃料の量が大きく、また、排ガスの流量も大きいため、タービンへ流入する排ガスの温度は高い。この場合、排ガスが第2タービンを経た後においてもなお、排ガスの温度が高い場合が多い。即ち、触媒に流入する排ガスの温度が高い場合が多い。高温の排ガスが触媒に流入し続けると、触媒の温度が増大していく。このため、触媒の温度が、触媒が適切に機能し得る触媒の温度範囲(以下、「ウィンドウ」と称呼する。)の上限値を逸脱するおそれがある。触媒の温度がウィンドウの上限値を逸脱すると排ガスが適切に浄化されないという問題がある。
従って、本発明の目的は、2つのターボチャージャと、2つのターボチャージャよりも下流の排気通路に触媒を備えた内燃機関の制御装置であって、触媒の温度がウィンドウの上限値を逸脱することを抑制し得る過給機付き内燃機関の制御装置を提供することにある。
本発明に係る第1の制御装置は、内燃機関の排気通路に介装されて排ガスのエネルギーによって駆動される第1タービンを備えた第1ターボチャージャと、前記第1タービンよりも下流の前記排気通路に介装されて前記内燃機関の排ガスのエネルギーによって駆動される前記第1タービンよりも大型の第2タービンを備えた第2ターボチャージャと、前記第2タービンよりも下流の前記排気通路に配設された触媒と、前記第1タービンよりも上流の前記排気通路と前記第1、第2タービンの間の前記排気通路とをバイパスする第1バイパス通路と、前記第1、第2タービンの間の前記排気通路と前記第2タービンよりも下流であって前記触媒よりも上流の前記排気通路とをバイパスする第2バイパス通路と、前記第1バイパス通路に介装されて前記第1バイパス通路の最小開口断面積を調整する第1制御弁と、前記第2バイパス通路に介装されて前記第2バイパス通路の最小開口断面積を調整する第2制御弁と、前記内燃機関の負荷が大きい場合、前記負荷が小さい場合に比して、前記第1バイパス通路の前記最小開口断面積が大きく且つ前記第2バイパス通路の前記最小開口断面積が小さくなるように前記第1、第2バイパス通路の前記最小開口断面積を調整する制御手段とを備えている。
本発明に係る第1の制御装置の特徴は、前記触媒の温度を取得する触媒温度取得手段を備えていて、前記制御手段が、前記触媒の温度が第1所定温度よりも高いと判定されたとき、前記触媒の温度が前記第1所定温度よりも高いと判定されていないときに比して、前記第1バイパス通路の前記最小開口断面積がより小さい値となるよう前記第1バイパス通路の前記最小開口断面積を調整するように構成されたことにある。
これによれば、触媒の温度が第1所定温度よりも高い場合、触媒の温度が第1所定温度以下である場合に比して、排ガスがより大きい流量をもって第1タービンへ流入し得る。このため、第1タービンはより大きい速度をもって回転し得る。従って、第1タービンよりも下流において、第1タービンの回転エネルギー(第1タービンの回転速度)が増大する分に応じて排ガスの温度が低下し、触媒に流入する排ガスの温度も低下し得る。従って、負荷が大きい場合であっても、触媒の温度が上昇していくことが抑制され得、触媒の温度がウィンドウの上限値を超えることが抑制できる。
より具体的には、例えば、触媒の温度が第1所定温度よりも高いと判定されたとき、第1タービンが停止している状態から回転しはじめるように、第1、第2バイパスの最小開口断面積が調整されてもよい。
また、本発明に係る第1の制御装置においては、前記第2ターボチャージャが、入力される前記排ガスのエネルギーに対する出力される前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更可能な機構を備え、前記制御手段が、前記触媒の温度が前記第1所定温度よりも高いと判定されたとき、前記触媒の温度が前記第1所定温度よりも高いと判定されていないときに比して、前記第2タービンの回転エネルギーがより大きい値となるよう前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更するように構成されてもよい。
回転エネルギーの特性を変更可能な機構は、例えば、排ガスが第2タービンに向けて流れる際に通過する開口の開口面積を変更する機構であってもよい。また、例えば、この開口面積を小さくすることで、第2タービンへ向けて流れる排ガスの流速を大きくし、第2タービンの回転エネルギーを大きくするようにしてもよい。
上記構成によれば、第2タービンよりも下流において、第2タービンの回転エネルギーが増大する分に応じて排ガスの温度が低下し、触媒に流入する排ガスの温度も低下し得る。このため、第1バイパス通路の最小開口断面積の減少(即ち、第1タービンの回転エネルギーの増大)により触媒に流入する排ガスの温度が低下するのに加えて、第2タービンの回転エネルギーの増大によっても触媒に流入する排ガスの温度が低下し得る。従って、例えば、第1バイパス通路の最小開口断面積の減少のみでは触媒の温度がなおも上昇する場合においても、第2タービンの回転エネルギーの増大により触媒に流入する排ガスの温度が低下し得、触媒の温度がウィンドウの上限値を超えることが抑制できる。
本発明に係る第1の制御装置においては、前記制御手段が、前記触媒の温度が前記第1所定温度よりも高い第2所定温度よりも高いと判定されたときのみに、前記第2タービンの回転エネルギーがより大きい値となるよう前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更するように構成されることが好適である。
この場合、例えば、前記制御手段は、前記触媒の温度が前記第1所定温度よりも高く且つ第2所定温度以下であると判定されたとき、前記触媒の温度が前記第1所定温度よりも高いと判定されていないときに比して、前記第1バイパス通路の前記最小開口断面積がより小さい値となるよう前記第1バイパス通路の前記最小開口断面積を調整するように構成される。また、例えば、前記制御手段は、前記触媒の温度が前記第2所定温度よりも高いと判定されたとき、前記触媒の温度が前記第1所定温度よりも高いと判定されていないときに比して前記第1バイパス通路の前記最小開口断面積がより小さい値となるよう前記第1バイパス通路の前記最小開口断面積を調整するとともに、前記触媒の温度が前記第2所定温度よりも高いと判定されていないときに比して前記第2タービンの回転エネルギーがより大きい値となるよう前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更するように構成される。
上述のように第2タービンの回転エネルギーを増大させることは、ターボチャージャよりも上流の排気通路における排ガスの圧力の増大を招く場合が多い。従って、不必要に第2タービンの回転エネルギーを増大させることは避けるべきである。上記構成は、係る知見に基づく。これによれば、触媒の温度が過度に高いときにのみ、第1バイパス通路の最小開口断面積を減少させるのに加えて第2タービンの回転エネルギーを増大させることで、触媒に流入する排ガスの温度を低下させ得る。即ち、触媒の温度が過度に高くないときには、第2タービンの回転エネルギーを増大させることなく触媒に流入する排ガスの温度を低下させ得る。従って、不必要に第2タービンの回転エネルギーを増大させることが回避され得る。
本発明に係る第1の制御装置においては、前記第1ターボチャージャが、入力される前記排ガスのエネルギーに対する出力される前記第1タービンの回転エネルギーの特性を変更可能な機構を備え、前記触媒よりも上流の前記排気通路に還元剤を供給する供給機構を備え、前記触媒が、NOx吸蔵触媒であり、前記内燃機関の運転速度の加速を要求する加速操作が実行されたと判定されたとき、前記還元剤を供給するように前記供給機構を制御する加速時供給手段とを備え、前記制御手段が、前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更する場合であって且つ前記加速操作が実行されたと判定されたとき、前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更するのに代えて、前記第1タービンの回転エネルギーがより大きい値となるよう前記第1タービンの回転エネルギーの特性を変更するように構成されることが好適である。
ここにおいて、NOx吸蔵触媒とは、排ガス中のNOxを吸蔵し還元剤が供給された場合に前記吸蔵されたNOxを還元するとともに前記還元剤を酸化する触媒を意味している。また、「前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更する場合」は、例えば、前記制御手段が、前記触媒の温度が前記第1所定温度よりも高いと判定されたとき、前記触媒の温度が前記第1所定温度よりも高いと判定されていないときに比して、前記第2タービンの回転エネルギーがより大きい値となるよう前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更するように構成される場合においては、前記触媒の温度が前記第1所定温度よりも高いと判定された場合である。また、「前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更する場合」は、例えば、前記制御手段が、前記触媒の温度が前記第1所定温度よりも高い第2所定温度よりも高いと判定されたときのみに、前記第2タービンの回転エネルギーがより大きい値となるよう前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更するように構成される場合においては、前記触媒の温度が前記第2所定温度よりも高いと判定された場合である。
回転エネルギーの特性を変更可能な機構は、例えば、排ガスが第1タービンに向けて流れる際に通過する開口の開口面積を変更する機構であってもよい。また、例えば、この開口面積を小さくすることで、第1タービンへ向けて流れる排ガスの流速を大きくし、第1タービンの回転エネルギーを大きくするようにしてもよい。
加速操作が実行される場合、筒内にて燃焼する燃料の量が増大するのに伴って生成するNOxの量も増大する。このため、加速操作後においてもNOx吸蔵触媒がNOxを吸蔵し得る余裕度を大きくすることが好ましい。係る観点から、加速操作が実行されたと判定されたとき、NOx吸蔵還元触媒に向けて還元剤を供給し、吸蔵されているNOxを還元することが好ましい。このように、還元剤が供給される場合、NOx吸蔵触媒においては、NOxが還元されるとともに還元剤が酸化され熱が発生する場合が多い。また、加速操作が実行される場合、燃焼する燃料の量が増大するのに伴ってNOx吸蔵触媒に流入する排ガスの温度が上昇する場合が多い。これらのことから、触媒の温度が特に大きい速度をもって上昇する場合が多い。
一方、第2タービンは、第1タービンに比して大型である。従って、第1タービンの回転エネルギーは、第2タービンに比して大きい変化速度をもって増大させ易い。このため、第1タービンを経た後における排ガスの温度は、第2タービンにおけるものに比してより大きい速度をもって低下し得る。このことから、触媒の温度が特に大きい速度をもって上昇すると予測される場合には、第2タービンの回転エネルギーを増大させるのに代えて、第1タービンの回転エネルギーを増大させて触媒に流入する排ガスの温度を迅速に低下させることが好ましい。上記構成は係る知見に基づく。これによれば、上述のように加速操作に伴ってNOx吸蔵触媒へ還元剤が供給される場合であっても、触媒の温度がウィンドウの上限値を超えることが抑制できる。
このように、第1タービンの回転エネルギーを増大させて触媒に流入する排ガスの温度を低下させる場合において、例えば、第2ターボチャージャが、排ガスが第2タービンに向けて流れる際に通過する開口の開口面積を変更する機構を備えている場合には、この開口面積を最大値とすると好適である。これにより、第2タービンよりも上流の排気通路における排ガスの圧力が増大することが抑制され得る。
本発明に係る第1の制御装置においては、前記第1ターボチャージャが、入力される前記排ガスのエネルギーに対する出力される前記第1タービンの回転エネルギーの特性を変更可能な機構を備え、前記触媒よりも上流の前記排気通路に還元剤を供給する供給機構を備え、前記触媒が、NOx吸蔵触媒であり、前記内燃機関の運転速度の加速を要求する加速操作が実行されたと判定されたとき、前記還元剤を供給するように前記供給機構を制御する加速時供給手段とを備え、前記制御手段が、前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更する場合であって且つ前記触媒の温度の上昇速度がゼロよりも大きい所定値よりも大きいとき、前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更するのに代えて、前記第1タービンの回転エネルギーがより大きい値となるよう前記第1タービンの回転エネルギーの特性を変更するように構成されることが好適である。これによれば、触媒の温度の上昇速度そのものに応じて、適切に触媒の温度がウィンドウの上限値を超えることが抑制できる。
本発明に係る第2の制御装置は、上記第1の制御装置と同じ第1ターボチャージャと、第2ターボチャージャと、第1バイパス通路と、第2バイパス通路と、第1制御弁と、第2制御弁と、制御手段とを備えている。更に、本発明に係る第2の制御装置は、前記第2タービンよりも下流の前記排気通路に配設されたNOx吸蔵触媒と、前記NOx吸蔵触媒よりも上流の前記排気通路に還元剤を供給する供給機構と、所定の条件が成立したとき、前記還元剤を供給するように前記供給機構を制御する供給手段とを備えている。
本発明に係る第2の制御装置の特徴は、前記制御手段が、前記還元剤が供給されたと判定されたとき、前記還元剤が供給されたと判定されていないときに比して、前記第1バイパス通路の前記最小開口断面積がより小さい値となるよう前記第1バイパス通路の前記最小開口断面積を調整するように構成されたことにある。
上述したように、NOx吸蔵触媒に向けて還元剤が供給される場合、NOx吸蔵触媒においては、NOxが還元されるとともに還元剤が酸化され熱が発生する場合が多い。このことから、NOx吸蔵触媒に向けて還元剤が供給される場合、触媒の温度が大きい速度をもって上昇すると予想される。上記構成によれば、触媒の温度が大きい速度をもって上昇すると予想される場合であっても、触媒の温度がウィンドウの上限値を超えることが抑制できる。
また、本発明に係る第2の制御装置においては、前記第2ターボチャージャが、入力される前記排ガスのエネルギーに対する出力される前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更可能な機構を備え、前記制御手段が、前記還元剤が供給されたと判定されたとき、前記還元剤が供給されたと判定されていないときに比して、前記第2タービンの回転エネルギーがより大きい値となるよう前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更するように構成されてもよい。これによれば、例えば、第1バイパス通路の最小開口断面積の減少のみでは触媒の温度がなおも上昇すると予想される場合においても、触媒の温度がウィンドウの上限値を超えることが抑制できる。
本発明に係る第2の制御装置においては、前記第1ターボチャージャが、入力される前記排ガスのエネルギーに対する出力される前記第1タービンの回転エネルギーの特性を変更可能な機構を備え、前記供給手段が、前記内燃機関の運転速度の加速を要求する加速操作が実行されたと判定されたとき、前記還元剤を供給するように前記供給機構を制御し、前記制御手段が、前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更する場合であって且つ前記加速操作が実行されたと判定されたとき、前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更するのに代えて、前記第1タービンの回転エネルギーがより大きい値となるよう前記第1タービンの回転エネルギーの特性を変更するように構成されることが好適である。これによれば、上述のように加速操作に伴って触媒の温度が大きい速度をもって上昇すると予想される場合であっても、触媒の温度がウィンドウの上限値を超えることが抑制できる。
本発明に係る第2の制御装置においては、前記第1ターボチャージャが、入力される前記排ガスのエネルギーに対する出力される前記第1タービンの回転エネルギーの特性を変更可能な機構を備え、前記供給手段が、前記内燃機関の運転速度の加速を要求する加速操作が実行されたと判定されたとき、前記還元剤を供給するように前記供給機構を制御し、前記制御手段が、前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更する場合であって且つ前記触媒の温度の上昇速度がゼロよりも大きい所定値よりも大きいとき、前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更するのに代えて、前記第1タービンの回転エネルギーがより大きい値となるよう前記第1タービンの回転エネルギーの特性を変更するように構成されることが好適である。これによっても、触媒の温度の上昇速度そのものに応じて、適切に触媒の温度がウィンドウの上限値を超えることが抑制できる。
以下、本発明による過給機付き内燃機関の制御装置の各実施形態について図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る過給機付き内燃機関の制御装置10の概略構成を示している。この制御装置10は、エンジン(ディーゼル機関)本体20と、吸気系統30と、排気系統40と、第1ターボチャージャ50と、第2ターボチャージャ60とを備えている。
エンジン本体20には、4つの気筒21が直列に配置されている。各気筒21の上部には、各気筒21に向けて燃料を噴射する筒内噴射弁22が配設されている。各気筒21における圧縮行程後半(圧縮上死点近傍)にて、各筒内噴射弁22から燃料噴射がなされるようになっている。また、この燃料噴射は、各気筒21の筒内での燃焼により生じる排ガスの空燃比が理論空燃比よりもリーンとなるようになっている。
吸気系統30は、吸気通路31と、吸気通路31に連通したインテークマニホールド32とを備えている。吸気通路31には、下流に向けて順にエアクリーナ33と、スロットル弁34と、インタークーラ35とが配設されている。この吸気系統30により、エンジン本体20に空気が供給されるようになっている。
排気系統40は、排気通路41と、排気通路41に連通したエキゾーストマニホールド42とを備えている。この排気系統40により、エンジン本体20からの排ガスが外部に放出されるようになっている。
第1ターボチャージャ50は、第1タービン51と、第1コンプレッサ52とを備えている。第1タービン51と、第1コンプレッサ52とは、タービンシャフト53により同軸的、且つ、一体回転可能に接続されている。第1タービン51は、排気通路41に介装されていて、排ガスのエネルギーにより回転駆動されるようになっている。第1コンプレッサ52は、吸気通路31に介装されていて、第1タービン51により回転駆動されるようになっている。また、第1ターボチャージャ50には、第1タービン51のまわりを囲むように複数のノズルNhが備えられており、排ガスが第1タービン51に向けて流れる際に通過するノズルNhの開口の面積が可変となっている。このノズルNhが「前記第1ターボチャージャが、入力される前記排ガスのエネルギーに対する出力される前記第1タービンの回転エネルギーの特性を変更可能な機構」に対応する。
第2ターボチャージャ60は、第2タービン61と、第2コンプレッサ62とを備えている。第2タービン61と、第2コンプレッサ62とは、タービンシャフト63により同軸的、且つ、一体回転可能に接続されている。第2タービン61は、第1タービン51よりも下流の排気通路41に介装されていて、排ガスのエネルギーにより回転駆動されるようになっている。第2コンプレッサ62は、第1コンプレッサ52よりも上流の吸気通路31に配設されていて、第2タービン61により回転駆動されるようになっている。また、第2ターボチャージャ60には、第2タービン61のまわりを囲むように複数のノズルNlが備えられており、排ガスが第2タービン61に向けて流れる際に通過するノズルNlの開口の面積が可変となっている。このノズルNlが「前記第2ターボチャージャが、入力される前記排ガスのエネルギーに対する出力される前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更可能な機構」に対応する。上記ノズルNh,Nlは、ターボチャージャごとに備えられたアクチュエータによりそれぞれ駆動されることで、排ガスが流通する通路の最小開口断面積の調整が達成されるようになっている。また、第2タービン61の外径は、第1タービン51に比してより大きい。即ち、第2タービン61は第1タービン51よりも大型である。
また、吸気系統30には、第1コンプレッサバイパス通路36と、第2コンプレッサバイパス通路37とが備えられている。第1コンプレッサバイパス通路36は、第1コンプレッサ52よりも下流の吸気通路31と第1、第2コンプレッサ52,62の間の吸気通路31とをバイパスする。第2コンプレッサバイパス通路37は、第1、第2コンプレッサ52,62の間の吸気通路31と、エアクリーナ33よりも下流であって第2コンプレッサ62よりも上流の吸気通路31とをバイパスする。
また、排気系統40には、EGRガス通路43と、触媒44と、燃料噴射弁45と、第1タービンバイパス通路46と、第2タービンバイパス通路47とが備えられている。EGRガス通路43は、一端が排気通路41に、他端が吸気通路31に接続され、連通・遮断が可能となっている。触媒44は、第2タービン61よりも下流の排気通路41に配設されていて、排ガス中のNOxを吸蔵する。そして、触媒44にHCが供給された場合、触媒44にて吸蔵されていたNOxが還元されるとともにHCが酸化される。即ち、触媒44は、所謂NOx吸蔵触媒である。
燃料噴射弁45は、EGRガス通路43の一端よりも下流であって第1タービン51よりも上流の排気通路41に配設されている。燃料噴射弁45から排気通路41へ燃料(即ち、HC、前記還元剤に対応)が噴射されるようになっている。即ち、燃料噴射弁45により、排気通路41を介して触媒44へ燃料が供給されるようになっている。この燃料噴射弁45が前記供給機構に対応する。
第1タービンバイパス通路46は、第1タービン51よりも上流の排気通路41と第1、第2タービン51,61の間の排気通路41とをバイパスする。この第1タービンバイパス通路46が前記第1バイパス通路に対応する。第2タービンバイパス通路47は、第1、第2タービン51,61の間の排気通路41と、第2タービン61よりも下流であって触媒44よりも上流の排気通路41とをバイパスする。この第2タービンバイパス通路47が前記第2バイパス通路に対応する。
また、第1、第2コンプレッサバイパス通路36,37には、制御弁Vhi,Vliがそれぞれ介装されている。制御弁Vhi,Vliにより、第1コンプレッサバイパス通路36,37の最小開口断面積がそれぞれ調整されるようになっている。また、第1、第2タービンバイパス通路46,47には、制御弁Vhe,Vleがそれぞれ介装されている。制御弁Vhe,Vleにより、第1タービンバイパス通路46,47の最小開口断面積がそれぞれ調整されるようになっている。制御弁Vhi,Vli,Vhe,Vleは、制御弁ごとに備えられたアクチュエータによりそれぞれ駆動されることで、ガスが流通する通路の最小開口断面積の調整が達成されるようになっている。制御弁Vhe,Vleが、前記第1、第2制御弁に対応する。
一方、この制御装置10は、熱線式エアフローメータ81と、触媒温度センサ82とを備えている。熱線式エアフローメータ81は、吸気通路31内を流れる吸入空気の単位時間あたりの空気流量Ga(質量流量)を検出するようになっている。触媒温度センサ82は、触媒44の温度THCを検出するようになっている。触媒温度センサ82が前記触媒温度取得手段に対応する。
更に、この制御装置10は、CPU等から構成されるECU(電気制御装置)91を備えている。ECU91は、上記センサ81,82と電気的に接続されている。また、ECU91は、CPUにセンサ81,82からの信号を供給するとともに、CPUの指示に応じて第1、第2ターボチャージャのノズルNh,Nlのアクチュエータ、燃料噴射弁45、制御弁Vhi,Vli,Vhe,Vleのアクチュエータ等にそれぞれ駆動信号を送出する。
(過給制御)
次に、上述のように構成された過給機付き内燃機関の制御装置が実行する、過給制御について、図2〜図9を参照しながら説明する。
図2は、上記4つの制御弁、及び上記2つのターボチャージャのノズルの制御態様をまとめて示した図である。本例では、触媒44の温度THC等に応じて、通常制御、第1特殊制御、及び第2特殊制御のうち何れかの制御が実行される。先ず、通常制御について説明する。負荷が所定の程度よりも小さい場合(負荷小)における通常制御では、制御弁Vhi,Vli,Vhe,Vle及びノズルNh,Nlの状態が、図2の(A)に示す状態となるように制御弁及びノズルのアクチュエータにそれぞれ駆動指示がなされる。なお、図2において、「開」は制御弁及びターボチャージャのノズルの開度が最大値(即ち、全開に相当する値)である状態を意味しており、「閉」は制御弁及びターボチャージャのノズルの開度がゼロ(即ち、全閉に相当する値)である状態を意味している。また、「調整」は、制御弁の開度が全開及び全閉に相当する値のうち何れかではない値を意味している。
図3は、負荷が所定の程度よりも小さい場合における通常制御での、制御弁Vhi,Vli,Vhe,Vle及びノズルNh,Nlの状態、及びガスの流れる様子を示した図である。この場合、制御弁Vhi,Vleが「閉」に、制御弁Vli,Vleが「開」にそれぞれ制御される。このため、エキゾーストマニホールド42からの排ガスは、第1タービン51及び第2タービンバイパス通路47を経て触媒44へ流入する。一方、エアクリーナ33からの新気は、第2コンプレッサバイパス通路37及び第1コンプレッサ52を経てエンジン20へ流入する。他方、第1ターボチャージャ50のノズルNhは、アクセル操作量Accpに応じて調整されるとともに、第2ターボチャージャ60のノズルNlは「開」に維持される。即ち、この場合、第1ターボチャージャ50のみが稼働されることで過給が達成される。これは、要求される最大過給圧が小さいこと、排ガスの質量流量が小さいため、ターボチャージャよりも上流の排気通路41における排ガスの圧力の上昇を抑制する必要性が小さいこと、過給の度合いの応答速度を大きくすること等に基づく。
なお、負荷が所定の程度よりも小さい場合においては、燃焼する燃料の量が比較的小さいこと等から、触媒44の温度THCがウィンドウの上限値を超えないものとする。ここで、ウィンドウとは、触媒44が排ガス中のNOxを適切に吸蔵し、吸蔵したNOxを還元することができる触媒44の温度範囲である。ウィンドウの上限値は、本例では、550℃である。
負荷が所定の程度以上である場合(負荷大)における通常制御では、制御弁Vhi,Vli,Vhe,Vle及びノズルNh,Nlの状態が、図2の(B)に示す状態となるように制御弁及びノズルのアクチュエータにそれぞれ駆動指示がなされる。
図4は、負荷が所定の程度以上である場合における通常制御での、制御弁Vhi,Vli,Vhe,Vle及びノズルNh,Nlの状態、及びガスの流れる様子を示した図である。この場合、制御弁Vhi,Vleが「開」に、制御弁Vli,Vleが「閉」にそれぞれ制御される。このため、エキゾーストマニホールド42からの排ガスは、第1タービンバイパス通路46及び第2タービン61を経て触媒44へ流入する。一方、エアクリーナ33からの新気は、第2コンプレッサ62及び第1コンプレッサバイパス通路36を経てエンジン20へ流入する。他方、第2ターボチャージャ60のノズルNlは、アクセル操作量Accpに応じて調整されるとともに、第1ターボチャージャ50のノズルNhは「開」に維持される。即ち、この場合、第2ターボチャージャ60のみが稼働されることで過給が達成される。これは、要求される最大過給圧が大きいこと、排ガスの質量流量が大きいため、ターボチャージャよりも上流の排気通路41における排ガスの圧力の上昇を抑制する必要性が大きいこと等に基づく。
図7は、過給制御が実行される場合における、触媒44の温度THCの変化、及び制御弁Vhi,Vli,Vhe,Vle及びノズルNh,Nlの状態等の変化を示したタイムチャートである。ここにおいて、第1閾値THCth1は、触媒44のウィンドウの上限値よりも低い値である。また、第2閾値THCth2は、触媒44のウィンドウの上限値よりも低い値であって、第1閾値THCth1よりも高い値である。第1閾値THCth1、及び第2閾値THCth2は、前記第1所定温度、及び前記第2所定温度にそれぞれ対応する。後に詳述するように「負荷大、且つ、THC>THCth1」である場合、又は、「負荷大、且つ、触媒44におけるNOx還元のために燃料噴射弁45から燃料噴射する制御(以下、「NOx還元制御」と称呼する。)が実行中」である場合、通常制御とは異なる第1特殊制御が実行される。更に、「THC>THCth2」である場合には、通常制御及び第1特殊制御とは異なる第2特殊制御が実行される。
図7においては、負荷が所定の程度以上(負荷大)であり、時刻t1以前、時刻t2以降、時刻t3以前、及び時刻t6以降では、触媒44の温度THCが第1閾値THCth1以下であるものとする。また、時刻t1〜t2、時刻t3〜t4、及び時刻t5〜t6では、触媒44の温度THCが第1閾値THCth1よりも高く、第2閾値THCth2以下であるものとする。加えて、時刻t4〜t5では、触媒44の温度THCが第2閾値THCth2よりも高いものとする。更に、図7においては、上記NOx還元制御が実行されないものとする。なお、NOx還元制御が実行中である状態を「On」、実行中でない状態を「Off」と表す。
図9は、過給制御のための、ECU91のCPUが実行するフローチャートである。ステップ900からスタートしたCPUはステップ905に進んで、負荷大且つNOx還元制御が「On」であるか否かを判定する。先ず、現時点が、図7の時刻t1以前、時刻t2以降、時刻t3以前、及び時刻t6以降のうち何れかである場合について説明する。この場合、CPUはステップ905にて「No」と判定してステップ910に進み、負荷小、又は、負荷大且つTHC≦THCth1であるか否かを判定する。CPUはステップ910にて「Yes」と判定してステップ915に進み、通常制御を実行した後、ステップ995に進んで本ルーチンの処理を一旦終了する(図2の(B)、及び図4を参照)。
次に、現時点が、図7の時刻t1〜t2、時刻t3〜t4、及び時刻t5〜t6のうちいずれかである場合について説明する。この場合も、CPUはステップ905にて「No」と判定してステップ910に進み、負荷小、又は、負荷大且つTHC≦THCth1であるか否かを判定する。現時点では、THC>THCth1であるため、CPUはステップ910にて「No」と判定してステップ920に進み、THC≦THCth2であるか否かを判定する。CPUはステップ920にて「Yes」と判定してステップ925に進み、第1特殊制御を実行した後、ステップ995に進んで本ルーチンの処理を一旦終了する。
以下、第1特殊制御について説明する。第1特殊制御では、制御弁Vhi,Vli,Vhe,Vle及びノズルNh,Nlの状態が、図2の(C)に示す状態となるように制御弁及びノズルのアクチュエータにそれぞれ駆動指示がなされる。
図5は、負荷が所定の程度以上である場合における第1特殊制御での、制御弁Vhi,Vli,Vhe,Vle及びノズルNh,Nlの状態、及びガスの流れる様子を示した図である。この場合、制御弁Vhi,Vleが「開」よりも開度が小さい「調整」に、制御弁Vli,Vleが「閉」にそれぞれ制御される。このため、エキゾーストマニホールド42からの排ガスは、制御弁Vheの開度に応じた流量をもって第1タービンバイパス通路46と第1タービン51とを流通した後、第2タービン61を経て触媒44へ流入する。一方、エアクリーナ33からの新気は、第2コンプレッサ62を経た後、制御弁Vhiの開度に応じた流量をもって第1コンプレッサバイパス通路36と第1コンプレッサ52とを流通してエンジン20へ流入する。この場合、第2ターボチャージャ60に加えて、第1ターボチャージャ50も稼働されることで過給が達成される。
従って、図7の時刻t1及び時刻t3において、排ガスが第1タービン51へ流入しはじめることにより、通常制御にて停止していた第1タービン51が回転しはじめる。第1タービン51が回転するのに際し、流入する排ガスのエネルギーの一部は第1タービン51の回転エネルギーへ変換される。従って、第1タービン51よりも下流の排気通路41において、第1タービン51の回転エネルギーへ変換された分に応じて排ガスの温度が低下する。即ち、第2タービン61よりも下流の排気通路41において、触媒44へ流入する排ガスの温度も低下し得る。従って、図7の時刻t1〜t2に示すように、触媒44の温度THCが上昇することが抑制され得、ウィンドウの上限値を逸脱することが抑制され得る。
この第1特殊制御では、第1、第2ターボチャージャ50,60のノズルNh,Nlは、「開」にそれぞれ維持される。これは、ノズルNh,Nlの開度を「開」とすることで、ターボチャージャよりも上流の排気通路41における排ガス圧力の上昇が抑制され得るという観点に基づく。また、制御弁Vheの開度は、触媒44の温度THCに応じて調整されてもよい。具体的には、例えば、触媒44の温度THCが第1閾値THCth1よりも高い程度が大きいほど、制御弁Vheの開度をより小さい値となるよう調整されてもよい。これは、触媒44の温度THCが高いほど、より触媒44の温度THCを低下させる必要性が大きいことに基づく。これによれば、触媒44の温度THCが第1閾値THCth1よりも高い程度が大きいほど、第1タービン51へ流入する排ガスの流量がより大きくされることで、第1タービン51の回転エネルギーがより大きくされ得る。従って、触媒44の温度THCに応じて適切に温度上昇が抑制され得る。なお、この場合、「触媒44の温度THCが第1閾値THCth1よりも高い程度」に代えて、触媒44の温度THCの上昇速度であってもよい。
ところで、図7の時刻t3以降のように、上述した第1特殊制御が実行されるにもかかわらず、触媒44の温度THCはなおも上昇していく場合がある。これは、負荷が特に大きい場合(例えば、全負荷状態)にて発生し易い。このため、時刻t4にて触媒44の温度THCが第2閾値THCth2に到達する場合がある。
現時点が図7の時刻t4〜t5である場合について、図9のフローチャートを参照しながら説明する。この場合も、CPUはステップ905にて「No」と判定し、続くステップ910にて「No」と判定してステップ920に進み、THC≦THCth2であるか否かを判定する。現時点では、THC>THCth2であるため、CPUはステップ920にて「No」と判定してステップ930に進み、第2特殊制御を実行した後、ステップ995に進んで本ルーチンの処理を一旦終了する。
以下、第2特殊制御について説明する。第2特殊制御では、制御弁Vhi,Vli,Vhe,Vle及びノズルNh,Nlの状態が、図2の(D)に示す状態となるように制御弁及びノズルのアクチュエータにそれぞれ駆動指示がなされる。
図6は、負荷が所定の程度以上である場合における第2特殊制御での、制御弁Vhi,Vli,Vhe,Vle及びノズルNh,Nlの状態、及びガスの流れる様子を示した図である。この場合、上記第1特殊制御と同様、制御弁Vhi,Vleが「開」よりも開度が小さい「調整」に、制御弁Vli,Vleが「閉」にそれぞれ制御される。このため、ガスの流れは上記第1特殊制御と同様であり、第2ターボチャージャ60に加えて、第1ターボチャージャ50も稼働されることで過給が達成される。
この第2特殊制御では、第1ターボチャージャ50のノズルNhは「開」に維持される一方、第2ターボチャージャ60のノズルNlは「開」よりも開度が小さい「調整」に維持される。即ち、第2特殊制御は、第2ターボチャージャ60のノズルNlが「調整」である点においてのみ、第1特殊制御と異なる。
従って、図7の時刻t4において、第1特殊制御に比して、第2タービン61へ流入する排ガスの流速がより大きい速度となり、第2タービン61の回転速度がより大きい速度となる。即ち、流入する排ガスのエネルギーに対する第2タービン61の回転エネルギーがより大きい値となる。このため、第1タービンバイパス通路46の最小開口断面積の減少により触媒44に流入する排ガスの温度が低下するのに加えて、第2タービン61の回転エネルギーの増大によっても触媒44に流入する排ガスの温度が低下し得る。
従って、上記第1特殊制御のみでは触媒44の温度THCがなおも上昇する場合においても、第2特殊制御が実行されることで、第2タービン61の回転エネルギーが増大して触媒44に流入する排ガスの温度が低下し得る。図7の時刻t4〜t5に示すように、触媒44の温度THCが上昇することが抑制され得、ウィンドウの上限値を逸脱することが抑制され得る。
この第2特殊制御では、第1ターボチャージャ50のノズルNhは「開」に維持される。これは、ノズルNhの開度を「開」とすることで、ターボチャージャよりも上流の排気通路41における排ガスの圧力の上昇が抑制され得るという観点に基づく。また、第2ターボチャージャ60のノズルNlの開度は、触媒44の温度THCに応じて調整されてもよい。具体的には、例えば、触媒44の温度THCが第2閾値THCth2よりも高い程度が大きいほど、ノズルNlの開度がより小さい値となるよう調整されてもよい。これによれば、触媒44の温度THCが第2閾値THCth2よりも高い程度が大きいほど、第2タービン61へ流入する排ガスの流速がより大きくされることで、第2タービン61の回転エネルギーがより大きくされ得る。従って、触媒44の温度THCに応じて適切に温度上昇が抑制され得る。なお、この場合、「触媒44の温度THCが第2閾値THCth2よりも高い程度」に代えて、触媒44の温度THCの上昇速度が用いられてもよい。
以上、NOx還元制御が実行されない場合における第1、第2特殊制御について説明した。次に、NOx還元制御が実行される場合における第1、第2特殊制御について説明する。本発明に係る制御装置では、所定の条件が成立したと判定されるとNOx還元制御が「On」とされる。本例では、触媒44に吸蔵されているNOxの量が周知の手法により推定され、吸蔵されているNOxの量の推定値が所定値に到達したと判定されたときに、NOx還元制御が開始する(NOx還元制御が「Off」から「On」とされる)。また、NOx還元制御が実行されている場合、上記推定値が上記所定値よりも小さい所定値に到達したときに、NOx還元制御が終了する(NOx還元制御が「On」から「Off」とされる)。このNOx還元制御が前記供給手段の一部に対応する。
図8は、NOx還元制御が実行される場合における、図7に対応するタイムチャートである。図8においては、負荷が所定の程度以上(負荷大)であり、時刻t1〜t2、及び時刻t3〜t6では、NOx還元制御が「On」であるものとする。また、時刻t1以前、時刻t2以降、時刻t3以前、及び時刻t6以降では、NOx還元制御が「Off」であり、且つ、THC≦THCth1であるものとする。
先ず、現時点が、図8の時刻t1以前、時刻t2以降、時刻t3以前、及び時刻t6以降のうち何れかである場合について、図9のフローチャートを参照しながら説明する。この場合も、CPUはステップ905にて「No」と判定し、続くステップ910にて「Yes」と判定してステップ915に進み、通常制御を実行した後、ステップ995に進んで本ルーチンの処理を一旦終了する(図2の(B)、及び図4を参照)。
次に、現時点が、図8の時刻t1〜t2、時刻t3〜t4、及び時刻t5〜t6のうちいずれかである場合について説明する。この場合、触媒44の温度THCにかかわらずNOx還元制御が「On」であるため、CPUはステップ905にて「Yes」と判定してステップ920に進み、THC≦THCth2であるか否かを判定する。CPUはステップ920にて「Yes」と判定してステップ925に進み、第1特殊制御を実行した後、ステップ995に進んで本ルーチンの処理を一旦終了する(図2の(C)、及び図5を参照)。
次に、現時点が、図8の時刻t4〜t5である場合について説明する。この場合も、CPUはステップ905にて「Yes」と判定してステップ920に進み、THC≦THCth2であるか否かを判定する。CPUはステップ920にて「No」と判定してステップ930に進み、第2特殊制御を実行した後、ステップ995に進んで本ルーチンの処理を一旦終了する(図2の(D)、及び図6を参照)。CPUが実行するフローチャートが前記制御手段の一部に対応する。
このように、NOx還元制御が「On」である場合には、触媒44の温度THCが第1閾値THCth1以下である場合であっても、第1特殊制御が実行される。これは、以下に説明する観点に基づく。NOx還元制御により触媒44にHCが供給された場合、触媒44においては、吸蔵されていたNOxが還元されるとともにHCが酸化され熱が発生する。従って、NOx還元制御が実行されることにより、触媒44の温度THCが大きい速度をもって上昇すると予想される。NOx還元制御が実行されることにより、触媒44の温度THCがウィンドウの上限値を逸脱することを抑制するため、NOx還元制御が実行された場合には触媒44に流入する排ガスの温度を低下させることが好ましい。
この第1特殊制御により、第1タービン51よりも下流の排気通路41において、第1タービン51の回転エネルギーへ変換された分に応じて排ガスの温度が低下する。即ち、第2タービン61よりも下流の排気通路41において、触媒44へ流入する排ガスの温度も低下し得る。従って、図8の時刻t1〜t2に示すように、触媒44の温度THCが上昇することが抑制され得、ウィンドウの上限値を逸脱することが抑制され得る。
また、NOx還元制御が「On」である場合であって、第1特殊制御が実行されたにもかかわらず、触媒44の温度THCが上昇していき第2閾値THCth2を超えた場合には、第2特殊制御が実行される。この第2特殊制御により、第1タービンバイパス通路46の最小開口断面積の減少により触媒44に流入する排ガスの温度が低下するのに加えて、第2タービン61の回転エネルギーの増大によっても触媒44に流入する排ガスの温度が低下し得る。従って、上記第1特殊制御のみでは触媒44の温度THCがなおも上昇する場合においても、第2タービン61の回転エネルギーの増大により触媒44に流入する排ガスの温度が低下し得る。図8の時刻t4〜t5に示すように、触媒44の温度THCが上昇することが抑制され得、ウィンドウの上限値を逸脱することが抑制され得る。
以上説明したように、本発明に係る過給機付き内燃機関の制御装置の第1実施形態によれば、通常、負荷が所定の程度以上(負荷大)である場合には、第1タービン51を停止させるとともに、第1タービン51よりも下流の排気通路41に配設され第1タービン51よりも大型の第2タービン61のみを回転させるように、過給制御が実行される。一方、「負荷大、且つ、THC>THCth1」である場合、又は、「負荷大、且つ、NOx還元制御「On」」である場合には、通常制御に代えて、第1特殊制御が実行される。即ち、この場合、第2タービン61に加え、第1タービン51も回転させるように過給制御が実行される。これにより、第1タービン51よりも下流の排気通路41において、第1タービン51の回転エネルギーへ変換された分に応じて排ガスの温度が低下し、触媒44へ流入する排ガスの温度も低下し得る。従って、触媒44の温度THCが上昇することが抑制され得、ウィンドウの上限値を逸脱することが抑制され得る。
また、第1特殊制御が実行されたにもかかわらず、触媒44の温度THCが上昇していき第2閾値THCth2を超えた場合には、第1特殊制御に代えて、第2特殊制御が実行される。即ち、この場合、第1特殊制御に比して、第2タービン61の回転エネルギーがより大きくなるように過給制御が実行される。これにより、第2タービン61よりも下流の排気通路41において、第2タービン61の回転エネルギーが増大した分に応じて更に排ガスの温度が低下し、触媒44へ流入する排ガスの温度も低下し得る。従って、このように触媒44の温度THCが第2閾値THCth2よりも高い場合であっても、触媒44の温度THCが上昇することが抑制され得、ウィンドウの上限値を逸脱することが抑制され得る。
(第2実施形態)
次に、本発明による過給機付き内燃機関の制御装置の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、上記第1特殊制御が実行されている場合においてTHC>THCth2となり、且つ、加速操作が実行されたと判定された場合、上記第2特殊制御に代えて第3特殊制御が実行される点についてのみ上記第1実施形態と異なる。以下、第2実施形態の第1実施形態と異なる点についてのみ説明する。
第2実施形態では、上述したように所定の条件が成立した場合に第3特殊制御が実行される。以下、第3特殊制御について、図10〜図14を参照しながら説明していく。図10は、上記4つの制御弁、及び上記2つのターボチャージャのノズルの制御態様をまとめて示した、図2に対応する図である。制御弁Vhi,Vli,Vhe,Vle及びノズルNh,Nlの状態が、図10の(E)に示す状態となるように制御弁及びノズルのアクチュエータにそれぞれ駆動指示がなされる。
図11は、負荷が所定の程度以上(負荷大)である場合における第3特殊制御での、制御弁Vhi,Vli,Vhe,Vle及びノズルNh,Nlの状態、及びガスの流れる様子を示した図である。この場合、上記第1、第2特殊制御と同様、制御弁Vhi,Vleが「開」よりも開度が小さい「調整」に、制御弁Vli,Vleが「閉」にそれぞれ制御される。このため、ガスの流れは上記第1、第2特殊制御と同様であり、第2ターボチャージャ60に加えて、第1ターボチャージャ50も稼働されることで過給が達成される。
この第3特殊制御では、第1ターボチャージャ50のノズルNhが「開」よりも開度が小さい「調整」とされるとともに、第2ターボチャージャ60のノズルNlが「開」とされる。以下、第3特殊制御において、制御弁及びターボチャージャのノズルをこのように制御する理由について説明する。
加速操作が実行される場合、気筒21にて燃焼する燃料の量が増大するのに伴って生成するNOxの量も増大する。このため、加速操作後においても触媒44がNOxを吸蔵し得る余裕度を大きくすることが好ましい。係る観点から、本例では、加速操作が実行されたと判定されたとき、NOx還元制御が実行されるようになっている。この加速操作が実行されたと判定されたときに実行されるNOx還元制御が、前記加速時供給手段の一部に対応する。
上述したようにNOx還元制御が実行される場合、触媒44にて熱が発生する場合が多い。また、加速操作が実行される場合、気筒21にて燃焼する燃料の量が増大するのに伴って触媒44に流入する排ガスの温度が上昇する場合が多い。これらのことから、触媒44の温度が特に大きい速度をもって上昇する場合が多い。
一方、第2タービン61は、第1タービン51に比して大型である。従って、第1タービン51の回転エネルギーは、第2タービン61に比して大きい変化速度をもって増大し易い。このため、第1タービン51を経た後における排ガスの温度は、第2タービン61におけるものに比してより大きい速度をもって低下し得る。このことから、第1特殊制御が実行される場合において、触媒44の温度が特に大きい速度をもって上昇すると予測される場合には、第2タービン61の回転エネルギーを増大させるのに代えて、第1タービン51の回転エネルギーを増大させて触媒44に流入する排ガスの温度を低下させることが好ましい。第1特殊制御が実行されている場合においてTHC>THCth2となり、且つ、加速操作が実行されたと判定された場合、第1ターボチャージャ50のノズルNhを「調整」とするのは係る知見に基づく。また、第3特殊制御において、第2ターボチャージャ60のノズルNlを「開」とするのは、第3特殊制御の実行による排ガスの圧力の増大を抑制するためである。ここにおいて、加速操作が実行されたと判定されたときとは、本例では、アクセル操作量Accpの増大速度がゼロより大きい所定の値以上であると判定されたときである。
また、第1ターボチャージャ50のノズルNhの開度は、触媒44の温度THCに応じて調整されてもよい。具体的には、例えば、触媒44の温度THCが第2閾値THCth2よりも高い程度が大きいほど、ノズルNhの開度がより小さい値となるよう調整されてもよい。これによれば、触媒44の温度THCが第2閾値THCth2よりも高い程度が大きいほど、第1タービン51へ流入する排ガスの流速がより大きくされることで、第1タービン51の回転エネルギーがより大きくされ得る。従って、触媒44の温度THCに応じて適切に温度上昇が抑制され得る。なお、この場合、「触媒44の温度THCが第2閾値THCth2よりも高い程度」に代えて、触媒44の温度THCの上昇速度が用いられてもよい。
図12は、過給制御が実行される場合における、触媒44の温度THCの変化、及び制御弁Vhi,Vli,Vhe,Vle及びノズルNh,Nlの状態等の変化を示した、図7(のt3〜t6に相当する部分)に対応するタイムチャートである。図12においては、時刻t3〜t4の所定の時期にてアクセル操作量Accpの増大速度が上記ゼロより大きい所定の値以上である状態が開始し、時刻t5〜t6の所定の時期にて同状態が終了するものとする。このアクセル操作量Accpの増大速度が上記ゼロより大きい所定の値以上である状態を「加速中」とも称呼する。また、時刻t3にてNOx還元制御が実行されない状態にて触媒44の温度THCが第1閾値THCth1を超えるものとする。
図14は、過給制御のための、第2実施形態におけるECU91のCPUが実行するフローチャートである。このフローチャートは、図9におけるフローチャートにステップ1405,1410を追加したものである。図14において、図9におけるフローチャートのステップと同じものは、同一のステップ番号を付すことにより説明を省略する。
現時点が、図12の時刻t4〜t5である場合について説明する。この場合、ステップ1400からスタートしたCPUはステップ905にて「Yes」と判定してステップ920に進んだとき「No」と判定してステップ1405に進み、現時点が加速中であるか否かを判定する。上述のように時刻t4〜t5においては加速中であるため、CPUはステップ1405にて「Yes」と判定してステップ1410に進んで、第3特殊制御を実行した後、ステップ1495に進んで本ルーチンの処理を一旦終了する(図10の(E)、及び図11を参照)。なお、時刻t4〜t5において、例えば、加速中でないと判定された場合には、ステップ1405にて「No」と判定され第2特殊制御が実行される。
仮に、THC>THCth2であり且つ加速中である場合(図12の時刻t4〜t5を参照)において、第3特殊制御が実行されずに、代わりに第2特殊制御が実行される場合について考える。この場合、図12の破線にて示すように、時刻t4〜t5においても第1ターボチャージャ50のノズルNhは「開」に維持され、第2ターボチャージャ60のノズルNlは「調整」とされる。このため、時刻t4にて、第2タービン61の回転エネルギーが増大するものの、その増大速度は比較的小さい。従って、第2タービン61よりも下流の排気通路41において、排ガスの温度の低下速度が小さい。この結果、触媒44に流入する排ガスの温度の低下速度も小さく、触媒44の温度THC44が低下しはじめるまで時間がかかるため、ウィンドウの上限値を逸脱する事態が発生する。
これに対し、第2実施形態のように第3特殊制御が実行される場合(図12の時刻t4〜t5を参照)には、第1、第2特殊制御に比して、第1タービン51へ流入する排ガスの流速がより大きい速度となり、第1タービン61の回転速度がより大きい速度となる。従って、流入する排ガスのエネルギーに対する第1タービン51の回転エネルギーが、大きい速度をもってより大きい値となる。このため、触媒44に流入する排ガスの温度が大きい速度をもって低下する。この結果、図12の実線にて示すように、触媒44の温度THCが迅速に低下し、ウィンドウの上限値を逸脱することが抑制され得る。
図13は、時刻t3〜t6に亘ってNOx還元制御が実行される場合における、図12に対応するタイムチャートである。また、図13の時刻t3においてはTHC<THCth1であるものとする。図13の時刻t4〜t5においても、図14のフローチャートにてCPUがステップ920に進んだとき「No」と判定してステップ1405に進み、「Yes」と判定してステップ1410に進んで第3特殊制御を実行する。このように、THC<THCth1にてNOx還元制御「On」であるため第1特殊制御が実行された場合においても、THC>THCth2となると第3特殊制御が実行される。この結果、触媒44の温度THCがウィンドウの上限値を逸脱することが抑制され得る。
以上説明したように、本発明に係る過給機付き内燃機関の制御装置の第2実施形態によれば、第1特殊制御が実行されたにもかかわらず、触媒44の温度THCが上昇していく場合であって、THC>THCth2、且つ、加速操作が実行されたと判定された場合、第1、第2特殊制御に代えて、第3特殊制御が実行される。即ち、この場合、第1、第2特殊制御に比して、第1タービン51の回転エネルギーが大きくなるように過給制御が実行される。
ここで、第1タービン51の回転エネルギーは、第2タービン61に比して、大きい変化速度をもって増大し易い。このため、第1タービン51よりも下流の排気通路41における排ガスの温度、即ち、触媒44へ流入する排ガスの温度も大きい速度をもって低下し得る。この結果、加速操作により触媒44の温度THCの上昇速度が特に大きくなると予想される場合であっても、触媒44の温度THCがウィンドウの上限値を逸脱することが抑制され得る。
本発明は、上記第2実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、上記第2実施形態においては、THC>THCth2であり、且つ、加速中である場合に第3特殊制御が実行されているが、これに代えて、THC>THCth2であり、且つ、触媒44の温度THCの上昇速度がゼロよりも大きい所定値よりも大きい場合に第3特殊制御が実行されてもよい。即ち、具体的には、図14のフローチャートにおいて、ステップ1405は「加速中?」に代えて「THCの上昇速度が所定値よりも大きい?」であってもよい。これによれば、触媒44の温度THCの上昇速度そのものに応じて第3特殊制御が実行され得、触媒44の温度THCがウィンドウの上限値を逸脱することが抑制され得る。
また、上記第2実施形態においては、第3特殊制御の実行時において第2ターボチャージャ60のノズルNlが「開」とされているが、これに代えて、第2ターボチャージャ60のノズルNlが「調整」とされてもよい。これにより、第2タービン61の回転エネルギーが増大し得、更に触媒44へ流入する排ガスの温度を低下させることができる。
また、上記各実施形態においては、NOx還元制御が実行中である場合に第1特殊制御が実行されるように構成されていたが、これに代えて、NOx還元制御が実行中であるか否かの判定は行わないように構成されてもよい。具体的には、例えば、図9又は図14におけるステップ905をフローチャートから削除してもよい。
加えて、上記各実施形態においては、「THC>THCth1」、又は、「NOx還元制御が実行中」である場合に第1特殊制御が実行されていたが、これに代えて、この場合に第2特殊制御が実行されてもよい。
本発明の第1実施形態に係る制御装置を過給機付き内燃機関に適用したシステム全体の概略構成図である。 図1に示した4つの制御弁、及び2つのターボチャージャのノズルの制御態様を、通常制御((A)負荷小時、(B)負荷大時)、(C)第1特殊制御、及び(D)第2特殊制御ごとに示した図である。 負荷小時の通常制御が実行される場合において、図1に示した制御弁、及びターボチャージャのノズルの様子と、図1に示した吸気通路、及び排気通路にてガスが流れる様子を示した図である。 負荷大時の通常制御が実行される場合において、図1に示した制御弁、及びターボチャージャのノズルの様子と、図1に示した吸気通路、及び排気通路にてガスが流れる様子を示した図である。 第1特殊制御が実行される場合において、図1に示した制御弁、及びターボチャージャのノズルの様子と、図1に示した吸気通路、及び排気通路にてガスが流れる様子を示した図である。 第2特殊制御が実行される場合において、図1に示した制御弁、及びターボチャージャのノズルの様子と、図1に示した吸気通路、及び排気通路にてガスが流れる様子を示した図である。 NOx還元制御が実行されることなく第1特殊制御が実行される場合において、第2特殊制御が実行される場合における、触媒の温度、制御弁開度、ターボチャージャのノズル開度等の変化の一例を示したタイムチャートである。 NOx還元制御が実行されることで第1特殊制御が実行される場合において、第2特殊制御が実行される場合における、触媒の温度、制御弁開度、ターボチャージャのノズル開度等の変化の一例を示したタイムチャートである。 図1に示した電気制御装置のCPUが実行する、過給制御の実行のためのプログラムを示したフローチャートである。 第2実施形態に係る制御装置が実行する(E)第3特殊制御に係る、4つの制御弁、及び2つのターボチャージャのノズルの制御態様を示した図である。 第3特殊制御が実行される場合において、第2実施形態に係る制御弁、及びターボチャージャのノズルの様子と、第2実施形態に係る吸気通路、及び排気通路にてガスが流れる様子を示した図である。 NOx還元制御が実行されることなく第1特殊制御が実行される場合において、第3特殊制御が実行される場合における、触媒の温度、制御弁開度、ターボチャージャのノズル開度等の変化の一例を示したタイムチャートである。 NOx還元制御が実行されることで第1特殊制御が実行される場合において、第3特殊制御が実行される場合における、触媒の温度、制御弁開度、ターボチャージャのノズル開度等の変化の一例を示したタイムチャートである。 第2実施形態に係る電気制御装置のCPUが実行する、過給制御の実行のためのプログラムを示したフローチャートである。
符号の説明
44…触媒、45…燃料噴射弁、46…第1タービンバイパス通路、47…第2タービンバイパス通路、50…第1ターボチャージャ、51…第1タービン、60…第2ターボチャージャ、61…第2タービン、82…触媒温度センサ、91…ECU、Nh…第1ターボチャージャのノズル、Nl…第2ターボチャージャのノズル、Vhe…制御弁、Vle…制御弁

Claims (9)

  1. 内燃機関の排気通路に介装されて排ガスのエネルギーによって駆動される第1タービンを備えた第1ターボチャージャと、
    前記第1タービンよりも下流の前記排気通路に介装されて前記内燃機関の排ガスのエネルギーによって駆動される前記第1タービンよりも大型の第2タービンを備えた第2ターボチャージャと、
    前記第2タービンよりも下流の前記排気通路に配設された触媒と、
    前記第1タービンよりも上流の前記排気通路と前記第1、第2タービンの間の前記排気通路とをバイパスする第1バイパス通路と、
    前記第1、第2タービンの間の前記排気通路と前記第2タービンよりも下流であって前記触媒よりも上流の前記排気通路とをバイパスする第2バイパス通路と、
    前記第1バイパス通路に介装されて前記第1バイパス通路の最小開口断面積を調整する第1制御弁と、
    前記第2バイパス通路に介装されて前記第2バイパス通路の最小開口断面積を調整する第2制御弁と、
    前記内燃機関の負荷が大きい場合、前記負荷が小さい場合に比して、前記第1バイパス通路の前記最小開口断面積が大きく且つ前記第2バイパス通路の前記最小開口断面積が小さくなるように前記第1、第2バイパス通路の前記最小開口断面積を調整する制御手段と、
    を備えた過給機付き内燃機関の制御装置であって、
    前記触媒の温度を取得する触媒温度取得手段を備えていて、
    前記制御手段は、
    前記触媒の温度が第1所定温度よりも高いと判定されたとき、前記触媒の温度が前記第1所定温度よりも高いと判定されていないときに比して、前記第1バイパス通路の前記最小開口断面積がより小さい値となるよう前記第1バイパス通路の前記最小開口断面積を調整するように構成された過給機付き内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1に記載の過給機付き内燃機関の制御装置において、
    前記第2ターボチャージャは、入力される前記排ガスのエネルギーに対する出力される前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更可能な機構を備え、
    前記制御手段は、
    前記触媒の温度が前記第1所定温度よりも高いと判定されたとき、前記触媒の温度が前記第1所定温度よりも高いと判定されていないときに比して、前記第2タービンの回転エネルギーがより大きい値となるよう前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更するように構成された過給機付き内燃機関の制御装置。
  3. 請求項2に記載の過給機付き内燃機関の制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記触媒の温度が前記第1所定温度よりも高い第2所定温度よりも高いと判定されたときのみに、前記第2タービンの回転エネルギーがより大きい値となるよう前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更するように構成された過給機付き内燃機関の制御装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載の過給機付き内燃機関の制御装置であって、
    前記第1ターボチャージャは、入力される前記排ガスのエネルギーに対する出力される前記第1タービンの回転エネルギーの特性を変更可能な機構を備え、
    前記触媒よりも上流の前記排気通路に還元剤を供給する供給機構を備え、
    前記触媒は、NOx吸蔵触媒であり、
    前記内燃機関の運転速度の加速を要求する加速操作が実行されたと判定されたとき、前記還元剤を供給するように前記供給機構を制御する加速時供給手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更する場合であって且つ前記加速操作が実行されたと判定されたとき、前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更するのに代えて、前記第1タービンの回転エネルギーがより大きい値となるよう前記第1タービンの回転エネルギーの特性を変更するように構成された過給機付き内燃機関の制御装置。
  5. 請求項2又は請求項3に記載の過給機付き内燃機関の制御装置であって、
    前記第1ターボチャージャは、入力される前記排ガスのエネルギーに対する出力される前記第1タービンの回転エネルギーの特性を変更可能な機構を備え、
    前記触媒よりも上流の前記排気通路に還元剤を供給する供給機構を備え、
    前記触媒は、NOx吸蔵触媒であり、
    前記内燃機関の運転速度の加速を要求する加速操作が実行されたと判定されたとき、前記還元剤を供給するように前記供給機構を制御する加速時供給手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更する場合であって且つ前記触媒の温度の上昇速度がゼロよりも大きい所定値よりも大きいとき、前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更するのに代えて、前記第1タービンの回転エネルギーがより大きい値となるよう前記第1タービンの回転エネルギーの特性を変更するように構成された過給機付き内燃機関の制御装置。
  6. 内燃機関の排気通路に介装されて排ガスのエネルギーによって駆動される第1タービンを備えた第1ターボチャージャと、
    前記第1タービンよりも下流の前記排気通路に介装されて前記内燃機関の排ガスのエネルギーによって駆動される前記第1タービンよりも大型の第2タービンを備えた第2ターボチャージャと、
    前記第2タービンよりも下流の前記排気通路に配設されたNOx吸蔵触媒と、
    前記NOx吸蔵触媒よりも上流の前記排気通路に還元剤を供給する供給機構と、
    所定の条件が成立したとき、前記還元剤を供給するように前記供給機構を制御する供給手段と、
    前記第1タービンよりも上流の前記排気通路と前記第1、第2タービンの間の前記排気通路とをバイパスする第1バイパス通路と、
    前記第1、第2タービンの間の前記排気通路と前記第2タービンよりも下流であって前記NOx吸蔵触媒よりも上流の前記排気通路とをバイパスする第2バイパス通路と、
    前記第1バイパス通路に介装されて前記第1バイパス通路の最小開口断面積を調整する第1制御弁と、
    前記第2バイパス通路に介装されて前記第2バイパス通路の最小開口断面積を調整する第2制御弁と、
    前記内燃機関の負荷が大きい場合、前記負荷が小さい場合に比して、前記第1バイパス通路の前記最小開口断面積が大きく且つ前記第2バイパス通路の前記最小開口断面積が小さくなるように前記第1、第2バイパス通路の前記最小開口断面積を調整する制御手段と、
    を備えた過給機付き内燃機関の制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記還元剤が供給されたと判定されたとき、前記還元剤が供給されたと判定されていないときに比して、前記第1バイパス通路の前記最小開口断面積がより小さい値となるよう前記第1バイパス通路の前記最小開口断面積を調整するように構成された過給機付き内燃機関の制御装置。
  7. 請求項6に記載の過給機付き内燃機関の制御装置において、
    前記第2ターボチャージャは、入力される前記排ガスのエネルギーに対する出力される前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更可能な機構を備え、
    前記制御手段は、
    前記還元剤が供給されたと判定されたとき、前記還元剤が供給されたと判定されていないときに比して、前記第2タービンの回転エネルギーがより大きい値となるよう前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更するように構成された過給機付き内燃機関の制御装置。
  8. 請求項7に記載の過給機付き内燃機関の制御装置において、
    前記第1ターボチャージャは、入力される前記排ガスのエネルギーに対する出力される前記第1タービンの回転エネルギーの特性を変更可能な機構を備え、
    前記供給手段は、
    前記内燃機関の運転速度の加速を要求する加速操作が実行されたと判定されたとき、前記還元剤を供給するように前記供給機構を制御し、
    前記制御手段は、
    前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更する場合であって且つ前記加速操作が実行されたと判定されたとき、前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更するのに代えて、前記第1タービンの回転エネルギーがより大きい値となるよう前記第1タービンの回転エネルギーの特性を変更するように構成された過給機付き内燃機関の制御装置。
  9. 請求項7に記載の過給機付き内燃機関の制御装置において、
    前記第1ターボチャージャは、入力される前記排ガスのエネルギーに対する出力される前記第1タービンの回転エネルギーの特性を変更可能な機構を備え、
    前記供給手段は、
    前記内燃機関の運転速度の加速を要求する加速操作が実行されたと判定されたとき、前記還元剤を供給するように前記供給機構を制御し、
    前記制御手段は、
    前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更する場合であって且つ前記触媒の温度の上昇速度がゼロよりも大きい所定値よりも大きいとき、前記第2タービンの回転エネルギーの特性を変更するのに代えて、前記第1タービンの回転エネルギーがより大きい値となるよう前記第1タービンの回転エネルギーの特性を変更するように構成された過給機付き内燃機関の制御装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102011107120A1 (de) * 2011-07-12 2013-01-17 Daimler Ag Aufladeeinrichtung für eine Verbrennungskraftmaschine
CN103075245A (zh) * 2013-01-21 2013-05-01 上海交通大学 容积腔控制式串联气路装置
CN103089403A (zh) * 2013-01-15 2013-05-08 上海交通大学 排气压力调节式进排气串联系统
JP2016148309A (ja) * 2015-02-13 2016-08-18 本田技研工業株式会社 内燃機関の制御装置
DE102022118591A1 (de) 2022-07-25 2024-01-25 Rolls-Royce Solutions GmbH Verfahren zum Betreiben einer Brennkraftmaschine, Computerprogramm und Steuervorrichtung zur Durchführung eines solchen Verfahrens, Abgaspfad-Anordnung mit einer solchen Steuervorrichtung und Brennkraftmaschine mit einer solchen Abgaspfad-Anordnung

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