JP2017165828A - 熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物を硬化してなる硬化フィルム - Google Patents

熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物を硬化してなる硬化フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】低い誘電率を有し、かつ接着性に優れた熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物および該組成物の硬化フィルムを提供する。【解決手段】(A)数平均分子量が500〜8,000である熱硬化性ポリフェニレンエーテルオリゴマーを97〜30質量%および(B)MFR(2.16kg荷重下、190℃)が1〜20g/10分であるエポキシ基含有スチレン系熱可塑性樹脂を3〜70質量%、含む熱硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物を硬化してなる硬化フィルムに関する。
電子材料分野においては、低誘電率、高強度、高耐熱性であり、さらには高分子材料や銅箔等の他の材料との接着性にも優れた樹脂が求められている。ポリフェニレンエーテル(以下「PPE」ともいう)オリゴマーは低い誘電率を示すが、分子量が低く単独では成形加工が困難である。そこで、PPEオリゴマーに熱硬化性を付与して熱硬化性樹脂として利用する方法が提案されている。例えば特許文献1(特開2004−59644号公報)には末端をビニル基に変換したPPEオリゴマーおよびその硬化物が開示されている。しかし、当該文献にはPPEオリゴマーと他の熱可塑性樹脂と組合せることにかかる開示はない。特許文献2(特開2006−83364号公報)には末端をビニル基に変換したPPEオリゴマーとスチレンブロック共重合体を熱処理して得られる熱硬化性樹脂が開示されている。特許文献3(特開2015−090954号公報)には、PPEオリゴマー、熱可塑性エラストマー、金属酸化物を含む組成物を熱処理してなる熱硬化性樹脂が開示されている。特許文献4(特開平9−87473号公報)にはゴム変性ポリスチレン系樹脂組成物に少量成分のオリゴフェニレンエーテルを配合してなる樹脂組成物が記載されている。特許文献5(特開2012−119446号公報)にはオリゴフェニレンエーテルとスチレンブタジエン系エラストマーが混合した樹脂と液晶ポリマーとの積層体が記載されている。特許文献6(特開2013−151638号公報)には、オリゴフェニレンエーテルとスチレンブタジエン系エラストマーを含有する接着層とフィルム基材からなるカバーレイフィルムが記載されている。
特開2004−59644号公報 特開2006−83364号公報 特開2015−090954号公報 特開平9−87473号公報 特開2012−119446号公報 特開2013−151638号公報
発明者らは特許文献2〜6に記載されている技術を予備的に検討したところ、当該文献に開示されている樹脂は他の高分子材料等の他材料との接着性が十分でなく、この原因がブロック共重合体等の他の樹脂が官能基を持たないことにあるとの知見を得た。以上から、本発明は、低い誘電率を有しかつ接着性に優れた熱硬化性ポリフェニレンエーテル樹脂組成物を提供することを課題とする。
発明者らは、PPEオリゴマーと特定のエポキシ基含有スチレン系熱可塑性樹脂とを組合せることで前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。すなわち、前記課題は以下の本発明により解決される。
[1](A)数平均分子量が500〜8,000である熱硬化性ポリフェニレンエーテルオリゴマーを97〜30質量%および
(B)MFR(2.16kg荷重下、190℃)が1〜20(g/10分)であるエポキシ基含有スチレン系熱可塑性樹脂を3〜70質量%、
を含む熱硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化フィルム。
[2]前記成分(B)がポリスチレンブロックを有するブロック共重合体である、[1]に記載の硬化フィルム。
[3]前記成分(A)が末端にスチレン性二重結合を有する、[1]または[2]に記載の硬化フィルム。
[4]前記成分(B)がポリスチレンブロックと、ポリ共役ジエンブロックまたは水添ポリ共役ジエンブロックを有するブロック共重合体である、[1]〜[3]のいずれかに記載の硬化フィルム。
[5]前記熱硬化性組成物を有機溶剤に溶解して溶液を得る溶液調製工程、
前記溶液をキャストしてフィルム前駆体を形成するキャスト工程、および
前記フィルム前駆体を加熱する硬化工程、
を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の硬化フィルムの製造方法。
[6]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の硬化フィルムおよびスーパーエンジニアリングプラスチックフィルムを含む積層体。
[7]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の硬化フィルムおよび銅箔を含む積層体。
以下本発明を詳細に説明する。本発明において「X〜Y」という表記は、両端の値XおよびYを含む。
1.熱硬化性樹脂組成物
熱硬化性樹脂組成物とは、加熱することにより三次元架橋構造を有する硬化物を与える組成物である。本発明の熱硬化性樹脂組成物は、成分(A):特定の熱硬化性ポリフェニレンエーテルオリゴマー、および成分(B):エポキシ基含有スチレン系熱可塑性樹脂を含む。
(1)熱硬化性ポリフェニレンエーテルオリゴマー(成分A)
熱硬化性ポリフェニレンエーテルオリゴマーとは、熱硬化性の官能基を有するポリフェニレンエーテルのオリゴマーである。オリゴマーとは低分子量のポリマーである。具体的に本発明においてPPEオリゴマーの数平均分子量は500〜8,000であり、好ましくは800〜5000である。数平均分子量はGPCにより測定できる。
ポリフェニレンエーテル(PPE)とはフェニレン基がエーテル結合で連結された繰返構造を有するポリマーである。好ましいPPEとしては、下記化学式(1)で示される単位を90モル%以上含み、好ましくは95モル%以上含むポリマーが挙げられる。
Figure 2017165828
式中、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜7の第一級もしくは第二級アルキル基、フェニル基、ハロアルキル基、アミノアルキル基、炭化水素オキシ基、および、ハロゲン原子と酸素原子が少なくとも2個の炭素原子を介して結合されているハロ炭化水素オキシ基からなる群から選択される。ハロアルキル基、アミノアルキル基、炭化水素オキシ基の炭素数は、好ましくは1〜7である。ハロ炭化水素オキシ基の炭素数は、好ましくは2〜7である。
およびRは、それぞれ独立して炭素数1〜3の第一級アルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。またRおよびRは、水素原子であることが好ましい。
化学式(1)で示される単位以外の単位としては、以下の(2)で表される単位が挙げられる。
Figure 2017165828
’、R’、R”、R”、R”は、それぞれ独立してハロゲン原子または炭素数6以下の第一級もしくは第二級アルキル基またはフェニル基である。またR’、R’、R”はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数6以下の第一級もしくは第二級アルキル基、またはフェニル基である。式(2)で表される単位の酸素原子は式(1)で表される単位のベンゼン環と結合する。式(2)の単位を含むPPEオリゴマーは例えば特許文献1に記載されている。
PPEの具体例には、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジプロピル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−プロピル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−エチル−6−プロピル−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノール/2,3,6−トリメチルフェノール共重合体、2,6−ジメチルフェノール/2,3,6−トリエチルフェノール共重合体、2,6−ジエチルフェノール/2,3,6−トリメチルフェノール共重合体、および2,6−ジプロピルフェノール/2,3,6−トリメチルフェノール共重合体が含まれる。中でも、PPEとしては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)が好ましい。
本発明の熱硬化性PPEオリゴマーは両末端に熱硬化性の官能基を有する。熱硬化性の官能基としては、エチレン系二重結合基、エポキシ基、イミド基、アセチル基等が挙げられるが、本発明においてはエチレン系二重結合基が好ましい。エチレン系二重結合基の中でもフェニレン基にエチレン系二重結合基が結合したスチレン系二重結合基が特に好ましい。末端にスチレン系二重結合基を有するPPEオリゴマーは下記化学式(3)で表される。スチレン系二重結合基同士が反応して生じるポリスチレン単位はPPE単位と相溶するので、この硬化物は優れた機械的特性を有する。
Figure 2017165828
式中、PPEはPPE単位を示す。R10〜R13は独立に水素原子または炭素数が1〜4の直鎖もしくは分岐アルキル基である。nはR13基の数を示し0〜4である。反応性を高めるために、R10〜R13はメチル基または水素原子であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。同様にnは0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
熱硬化性PPEオリゴマーは、公知の方法で製造したPPEオリゴマーの末端を変性することで製造できる。例えば特開2009−161725または特開2011−68713に記載の方法によって製造することができる。具体的には、両末端にフェノール水酸基を有するフェニレンエーテルオリゴマーとビニルベンジルクロライドを反応させて、前記フェノール水酸基をビニルベンジルエーテル化することで製造できる。
(2)エポキシ基含有スチレン系熱可塑性樹脂(成分B)
エポキシ基含有スチレン系熱可塑性樹脂とは、ポリスチレン単位を有しかつエポキシ基を含有する熱可塑性樹脂である。本発明においてはエポキシ基を含有するスチレンブロック共重合体が好ましい。当該共重合体はスチレンブロック共重合体にエポキシ変性を施した重合体である。スチレンブロック共重合体とはスチレンと共役ジエン化合物とのブロック共重合体である。共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエンなどを挙げることができ、ブタジエンまたはイソプレンが好ましい。当該スチレンブロック共重合体としては、ポリ共役ジエンブロックが水添処理されたものであってもよいが、より高い効果を得る観点からは、水添処理されていないものが好ましい。本発明においては、入手容易性等からスチレン−ブタジエン−スチレンのトリブロック共重合体が好ましい。このようなスチレンブロック共重合体またはその水添物は、例えば、特公昭40−23798号公報、特開昭59−133203号公報に記載の方法で調製できる。
スチレンブロック共重合体をエポキシ変性するとは、当該共重合体中の主鎖中の二重結合をエポキシ化することあるいは当該共重合体にグリシジル基を有する化合物を導入することをいう。本発明においては前者が好ましい。前者のエポキシ基を含有するスチレンブロック共重合体の構造の例を以下に示す。
Figure 2017165828
二重結合をエポキシ化する方法は特に限定されないが、スチレンブロック共重合体を過酸化物で処理する等の公知の方法を用いることができる。また、グリシジル基を有する化合物をスチレンブロック共重合体に導入する方法も限定されないが、グリシジル基を有する化合物スチレンブロック共重合体にグラフト共重合すること等によって導入できる。この際、グリシジル基を有する化合物は、スチレンブロック共重合体のポリ共役ジエンブロック(例えばブタジエンブロック)に導入されることが好ましい。
エポキシ基を含有するスチレンブロック共重合体中のポリスチレンブロックは成分(A)のPPEオリゴマーとほぼ完全に相溶するので、エポキシ基をポリ共役ジエンブロックに導入することで前記相溶性の低下を回避できる。
エポキシ基含有スチレン系熱可塑性樹脂中のエポキシ基含量はオキシラン酸素濃度で表すことができる。オキシラン酸素濃度は、ASTM−1652に従い、ブロック共重合体に占めるエポキシ基に由来するオキシラン酸素の質量%を、臭化水素の酢酸溶液を用いて滴定して求めることができる。オキシラン酸素濃度は0.1〜8質量%が好ましく、0.2〜5質量%がより好ましく、0.4〜3質量%がさらに好ましい。オキシラン酸素濃度がこれらの範囲外であると、組成物の成型加工性が不十分になることがあり好ましくない。
エポキシ基含有スチレン系熱可塑性樹脂におけるスチレンの含有量は20〜70質量%が好ましく、35〜50質量%がより好ましい。
エポキシ基含有スチレン系熱可塑性樹脂のMFRは1〜20(g/10分)であるが、2〜15(g/10分)が好ましく、3.0〜9.0(g/10分)がより好ましい。MFRはJIS K7210に準拠して、樹脂温度190℃、測定荷重21N(2.16kg荷重下)の条件で測定される。このMFRが1(g/10分)未満、または20(g/10分)を超えると、成分(A)との親和性が低下し、得られる成形品の外観が悪化する。
(3)混合比
成分(A)と(B)の混合比は、97〜30質量%:3〜70質量%であり、好ましくは85〜45質量%:15〜55質量%である。成分(A)の混合比が、前記下限未満であると耐熱性が低下し、前記上限値を超えると接着性が十分でない。
(4)他の成分
本発明の組成物は溶剤を含むことが好ましい。溶剤を含む組成物(溶液)とすると、フィルムやコーティング剤の原料として有用である。溶剤としては成分(A)と(B)を溶解できるものであれば限定されないが、キャスト時の溶剤の除去および硬化性を考慮すると、沸点が常圧で20〜100℃である溶剤が好ましく、35〜85℃である溶剤がより好ましい。この溶剤の例としてはクロロホルム、ジクロロメタンなどが挙げられる。複数の溶剤を組合せて使用してもよい。溶剤の量は限定されないが、固形分濃度が1〜20質量%となる範囲が好ましく、2〜10質量%となる範囲がより好ましい。
本発明の組成物は硬化を促進するためラジカル開始剤を含んでもよい。ラジカル開始剤としては公知のものを使用でき、その使用量も公知の量としてよい。さらに、本発明の組成物は必要に応じて無機充填剤を含んでいてもよい。無機充填剤としては、シリカ、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、ワラスナイト等が挙げられる。この他、カップリング剤、補強剤、難燃助剤、安定剤、顔料、離型剤、またはエラストマー等の耐衝撃改良剤等を配合することができる。これら配合量は、成分(A)と(B)の合計100質量部に対して、20重量部以下が好ましい。
(5)組成物の製造方法
本発明の組成物は、成分(A)、(B)、有機溶剤および他の成分を混合することにより当該溶剤を含む組成物として製造できる。混合する温度は室温が好ましい。必要に応じて加熱してもよいが、この場合は成分(A)と(B)の反応が過度に進行しないようにする必要がある。
2.硬化フィルム
本発明の熱硬化性樹脂組成物を硬化することにより硬化フィルムが得られる。本発明においてフィルムとは厚みが250μm以下の部材をいう。硬化フィルムは、具体的には、有機溶剤を含む熱硬化性樹脂組成物を調製して、溶液をキャストしてフィルム前駆体を形成し、当該フィルム前駆体を加熱して硬化することが好ましい。フィルム前駆体は、例えば前工程で調製した溶液を平板の上に展開して乾燥することで実施できる。この際、バーコーター等の公知の器具を用いてよい。フィルム前駆体の厚みは限定されないが、1〜300μm程度が好ましい。
次いで、フィルム前駆体を加熱して硬化させるが、その際の温度は反応が十分に進む温度であれば限定されない。好ましい条件としては、130〜260℃において合計加熱時間が20分〜3時間となる条件が挙げられる。硬化は、フィルム前駆体から溶剤や気泡を除去しながら加熱する、いわゆる真空プレスによって実施することが好ましい。加圧の程度は限定されないが、1MPa〜100MPaが好ましく、3〜50MPaがより好ましい。硬化工程は2段階で実施されることが好ましい。すなわち、第1段階の加熱加圧を行った後に、第2段階の加熱加圧を行い完全硬化させることが好ましい。本発明の硬化フィルムの相構造は、成分(A)が連続相で成分(B)が分散相となる、成分(B)が連続相で成分(A)が分散相となる、あるいは成分(A)と成分(B)が共連続相となる、のいずれであってもよい。
本発明の硬化フィルムは、誘電特性、接着性、機械的特性に優れた硬化物を与えるので、電子材料として有用である。特に、プリント配線板やビルドアップ基板におけるフィルムとして有用である。硬化物は公知の方法で剥離されてフィルムにできる。剥離せずに硬化物をそのままコーティングとして使用することもできる。
本発明の硬化フィルムは、スーパーエンジニアリングプラスチックフィルムとの積層体としても使用できる。スーパーエンジニアリングプラスチックとしては、ポリイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトンなどの一般的なスーパーエンジニアリングプラスチックを用いることができるが、中でもポリイミドが好ましい。また、本発明の硬化フィルムは銅箔との積層体としても使用できる。
1.物性測定試験
(1)剥離強度
硬化フィルムとポリイミドの積層体、あるいは硬化フィルムと銅箔の積層体を、試料幅12mm、試料長100mmに切り出した後、剥離速度50mm/分で、JIS Z0237(2009)に準拠して、90度剥離試験を行った。
(2)誘電率、誘電正接
3cm×5cm×0.5mmの硬化フィルムを、20℃湿度60%の恒温恒湿室中で90h保持した後、同一の恒温恒湿室内で、QWED社製スプリットポスト共振器、SPDR型を使用して、10GHzで試料の誘電率と誘電正接の測定を行った。
(3)動的粘弾性
4mm幅、4cm長の硬化フィルムを用い、エー・アンド・ディー社製レオバイブロン動的粘弾自動測定器DDV−01FP−Wを使用し、昇温速度2℃/分、振動数1Hzで動的粘弾性測定を行い、貯蔵弾性率とガラス転移点を求めた。
2.成分
成分(A)
A−1:三菱瓦斯化学株式会社製 2官能性オリゴフェニレンエーテル(OPE−2St)、Mn=2200
成分(B)
B−1:ダイセル株式会社製、エポキシ基含有スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(エポフレンドAT501)
St/Bd=40/60wt比
MFR(190℃)=9(g/10分)
Mn=77600、Mw=93100
エポキシ当量 1100g/eq
オキシラン酸素濃度(HBr滴定) 1.5質量%
水添化率 0質量%
成分(C)
C−1:旭ケミカルズ株式会社製、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(タフプレン 315P)
エポキシ基非含有
St/Bd=20/80wt比
MFR(190℃)=15(g/10分)
[実施例1]
1.3gのA−1および1.3gのB−1を、50mLのクロロホルムに、ビーカー中にて室温で1h撹拌して溶解させた。当該溶液をテフロン(登録商標)製のシャーレ上に展開し、クリーンオーブン中、窒素雰囲気下、室温で8h乾燥を行ってキャストフィルムを調製した。得られたキャストフィルムを、加圧プレス機(井元製作所製、装置名 真空加熱プレス装置、IMC−11FD型)を用いて、減圧下で、200℃、10MPaで20分間処理(第一硬化)した後、さらに、減圧下で、240℃、10MPaで20分間処理(第二硬化)した。このようにして厚さ0.5mmの外観良好な硬化フィルムを得た。
得られた硬化フィルムの誘電率は2.53、誘電正接は0.0055であった。また、得られた硬化フィルムの100℃における貯蔵弾性率は1.0E+8.7Paであり、ガラス転移点は189℃であった。
さらに、前記と同様にして調製したキャストフィルムを東レデュポン株式会社製ポリイミドフィルム(カプトンR500H、0.125mm厚み)と積層し、加圧プレス機を用いて前記同様に加熱、加圧を行い、積層体を調製した。当該積層体を用いて硬化フィルムのポリイミドに対する接着強度を評価した。その結果、硬化フィルムとポリイミド間の剥離強度は1.09N/mmであった。
ポリイミドフィルムの代わりに、福田金属箔粉工業株式会社製の粗面銅箔、T9FZ−HTE(18μm厚み)を使用した以外は、前記と同様にして加熱、加圧を行い、硬化フィルムの銅箔に対する剥離強度を評価した。その結果、硬化フィルムと銅箔間の剥離強度は1.11N/mmであった。
[比較例1]
B−1の代わりにC−1を使用した以外は、実施例1と同様にして硬化フィルムを製造した。得られた硬化フィルムの誘電率は2.53、誘電正接は0.0035であった。また100℃における貯蔵弾性率は1.0E+8.5Pa、ガラス転移点は188℃であった。次に、実施例1と同様にして、この硬化フィルムとポリイミドとの積層体、硬化フィルムと銅箔との積層体をそれぞれ調製して評価した。硬化フィルムとポリイミド間の剥離強度は0.59N/mm、硬化フィルムと銅箔間の剥離強度は1.15N/mmであった。
[比較例2]
B−1を使用せずにA−1のみで、実施例1と同様にしてキャストフィルムの調製を試みたが、均質なキャストフィルムが得られず、物性測定は行うことができなかった。
本発明の硬化フィルムは、誘電率や誘電正接が非常に低く、一方、動的粘弾性は良好な結果を示した。さらに、当該硬化フィルムは他材料と優れた接着性を示した。

Claims (7)

  1. (A)数平均分子量が500〜8,000である熱硬化性ポリフェニレンエーテルオリゴマーを97〜30質量%および
    (B)MFR(2.16kg荷重下、190℃)が1〜20(g/10分)であるエポキシ基含有スチレン系熱可塑性樹脂を3〜70質量%、
    を含む熱硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化フィルム。
  2. 前記成分(B)がポリスチレンブロックを有するブロック共重合体である、請求項1に記載の硬化フィルム。
  3. 前記成分(A)が末端にスチレン性二重結合を有する、請求項1または2に記載の硬化フィルム。
  4. 前記成分(B)がポリスチレンブロックと、ポリ共役ジエンブロックまたは水添ポリ共役ジエンブロックとを有するブロック共重合体である、請求項1〜3のいずれかに記載の硬化フィルム。
  5. 前記熱硬化性組成物を有機溶剤に溶解して溶液を得る溶液調製工程、
    前記溶液をキャストしてフィルム前駆体を形成するキャスト工程、および
    前記フィルム前駆体を加熱する硬化工程、
    を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の硬化フィルムの製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の硬化フィルムおよびスーパーエンジニアリングプラスチックフィルムを含む積層体。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の硬化フィルムおよび銅箔を含む積層体。
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