JP2017165657A - ニトロ基、またはアミノ基を有するアリールアダマンタン類及びその製造方法 - Google Patents

ニトロ基、またはアミノ基を有するアリールアダマンタン類及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】医農薬中間体、機能性材料や電子材料の原料として有用な、フェニル基上のニトロ基、またはアミノ基がアダマンタン骨格に対し3位に位置するアリールアダマンタン類およびその製造方法の提供。
【解決手段】アダマンタン類、ニトロベンゼン及び発煙硫酸を混合し反応させるという方法によって、フェニル基上のニトロ基がアダマンタン骨格に対し3位に位置し、かつ4位にヒドロキシル基等他の置換基を有さないニトロアリールアダマンタン類が得られ、該ニトロアリールアダマンタン類を常法により還元することによって上記課題が解決可能であることを見出した。
【選択図】なし

Description

本発明は、医農薬中間体、機能性材料や電子材料の原料として有用なニトロ基、またはアミノ基を有するアリールアダマンタン類およびその製造方法に関する。
アリールアダマンタン類は安定な炭素骨格を有していることから、耐熱性、耐水性、光学特性、光透過性、低誘電特性、密着性、透明性、耐候性といった特性を有する各種高機能性ポリマー等の機能性材料の原料として用いられている(例えば特許文献1〜3)。
アリールアダマンタン類の中でもアミノ基を有する芳香族アミン(アミノアリールアダマンタン類)は、溶媒溶解性が高いことから成形性及び加工性に優れると共に、高耐熱性といったポリイミドの特性も兼ね備える、新規なポリイミド原料として有用であることが知られている(例えば特許文献4)。しかしながら、該文献で製造されるアミノアリールアダマンタン類は、フェニル基上のアミノ基がアダマンタン骨格に対し4位(パラ位)に位置しており、3位(メタ位)にアミノ基を有するアミノアリールアダマンタン類についての記載はない。
一方、フェニル基上のアミノ基をアダマンタン骨格に対し3位(メタ位)に有するアミノアリールアダマンタン類については、4−ヒドロキシフェニルアダマンタン類をニトロ化し、ニトロ基を還元することによって製造が可能であることが知られている(例えば特許文献5)。しかしながら、該製造方法によれば、フェニル基上にヒドロキシ基がアダマンタン骨格に対し4位に残ってしまうことから、4位にヒドロキシル基を有さず、一方で3位(メタ位)にアミノ基を有するアミノアリールアダマンタン類を製造することはできない。このように、フェニル基上の4位に他の置換基を有さず、かつ3位にアミノ基を有するアミノアリールアダマンタン類を製造することができなかった。
特開2011−057616号公報 特開2008−133246号公報 特開2006−342094号公報 特開平11−343344号公報 特開2004−262889号公報
本発明は、フェニル基上のアミノ基がアダマンタン骨格に対し3位に位置し、かつ、4位にヒドロキシル基等の他の置換基を有さない、新規なアミノアリールアダマンタン類を提供することにある。
本発明者らがアリールアダマンタン類の製造方法を鋭意検討した結果、アダマンタン類、ニトロベンゼン及び発煙硫酸を混合し反応させるという方法によって、フェニル基上のニトロ基がアダマンタン骨格に対し3位に位置し、かつ4位にヒドロキシル基等他の置換基を有さないニトロアリールアダマンタン類が得られ、該ニトロアリールアダマンタン類を常法により還元することによって上記課題が解決可能であることを見出した。具体的には以下の発明を含む。
[1]
以下一般式(1)
Figure 2017165657
(式中、Rはアルキル基を表し、mは0〜2の整数を表す。mが2以上の場合、Rは同一でも異なっても良い。)
で表されるアダマンタン類、ニトロベンゼン及び発煙硫酸を混合し反応させる、以下一般式(2)
Figure 2017165657
(式中、R、mの意味は上記の通りである。また、nは1〜4の整数を表す。)
で表されるニトロアリールアダマンタン類の製造方法。
[2]
以下一般式(2)で表されるニトロアリールアダマンタン類。
Figure 2017165657
(式中、R、m、nの意味は上記の通りである。)
[3]
以下一般式(3)で表されるアミノアリールアダマンタン類。
Figure 2017165657
(式中、R、m、nの意味は上記の通りである。)
[4]
上記一般式(2)で表されるニトロアリールアダマンタン類を還元する、[3]記載のアミノアリールアダマンタン類の製造方法。
本発明によれば、耐熱性、耐水性、光学特性、光透過性、低誘電特性、密着性、透明性、耐候性といった特性を有する各種高機能性ポリマー等の機能性材料の原料、とりわけ、溶媒溶解性及び高耐熱性を兼ね備える新規なポリイミド原料として用いることが可能な、フェニル基上のアミノ基がアダマンタン骨格に対し3位に有し、かつ、4位にヒドロキシル基等を有さない、新規なアミノアリールアダマンタン類が提供可能となる。
更には、高価なヒドロキシアダマンタン類やハロアダマンタン類を用いず、アダマンタン類に直接ニトロベンゼンを付加させる簡便かつ効率的な方法で、上記一般式(2)で表される、フェニル基上のニトロ基がアダマンタン骨格に対し3位に有するニトロアリールアダマンタン類が提供可能となる。
実施例1で得られた、生成物1のH−NMRスペクトルである。 実施例1で得られた、生成物1の13C−NMRスペクトルである。 実施例1で得られた、生成物2のH−NMRスペクトルである。 実施例1で得られた、生成物2の13C−NMRスペクトルである。 実施例2で得られた、生成物3のH−NMRスペクトルである。 実施例2で得られた、生成物3の13C−NMRスペクトルである。 実施例2で得られた、生成物4のH−NMRスペクトルである。 実施例2で得られた、生成物4の13C−NMRスペクトルである。 実施例3で得られた、生成物5のH−NMRスペクトルである。 実施例3で得られた、生成物5の13C−NMRスペクトルである。 実施例4で得られた、生成物6のH−NMRスペクトルである。 実施例4で得られた、生成物6の13C−NMRスペクトルである。 実施例5で得られた、生成物7のH−NMRスペクトルである。 実施例5で得られた、生成物7の13C−NMRスペクトルである。 実施例6で得られた、生成物8のH−NMRスペクトルである。 実施例6で得られた、生成物8の13C−NMRスペクトルである。
<本発明の一般式(2)で表されるニトロアリールアダマンタン類>
本発明の上記一般式(2)で表されるニトロアリールアダマンタン類の内、置換基(R)を有する場合、置換基の位置は本発明の目的が達成される範囲で特に限定されないが、橋頭位(1、3、5、7位)であることが、原料である上記一般式(1)で表されるアダマンタン類の入手性の観点から好ましい。
上記一般式(2)におけるアルキル基として例えばメチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐を有しても良いアルキル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等やアダマンチル基等の炭素数5〜10の環状やかご状のアルキル基が例示される。なお、Rがアダマンチル基の場合、アダマンタン骨格の炭素原子を共有して環を形成(ジアマンタンを形成)しても良い。
置換基R及び置換基数を表すmについて、原料である上記一般式(1)で表されるアダマンタン類の入手性の観点から、m=0(置換基を有さないもの)、m=1〜3であって、置換基Rが炭素数1〜3のアルキル基であるもの、及びビアダマンタン、ジアマンタンが好ましく、特に置換基を有さないものが好ましい。
ニトロアリール基の数を表すnは後述する方法により制御可能である。また、ニトロアリール基は通常、アダマンタン類の橋頭位に導入され、nが2以上の場合(ニトロアリール基が複数存在する場合)、これらニトロアリール基は同じ位置に導入されず、異なる位置に導入される。
<本発明の一般式(3)で表されるアミノアリールアダマンタン類>
本発明の上記一般式(3)で表されるアミノアリールアダマンタン類は、上述した上記一般式(2)で表されるニトロアリールアダマンタン類を後述する方法にて還元することで得られる為、置換基R及び置換基数を表すm、及びアミノアリール基の位置に係る一般的態様及び好ましい態様は、上述したニトロアリールアダマンタン類と同じである。また、アミノアリール基の数を表すnは後述する、上記式(2)で表されるニトロアリールアダマンタン類の製造条件によって制御可能であるが、nを2以上とすることにより、ポリイミド原料としてより好適に用いることが可能となる。特に、本発明によって得られる上記一般式(3)で表されるアミノアリールアダマンタン類において、アミノアリール基が複数存在する場合、同じ位置ではなく、異なる位置に導入される為、本発明の上記一般式(3)で表されるアミノアリールアダマンタン類をポリイミド等のポリマー原料として用いた場合、アダマンタン骨格が側鎖置換基ではなく、ポリマーの主骨格の一部となることから、得られるポリマーは溶媒溶解性、透明性、耐熱性、疎水性、耐湿性等を有する。
<本発明の一般式(2)で表されるニトロアリールアダマンタン類の製造方法>
上記一般式(2)で表されるニトロアリールアダマンタン類は、上記一般式(1)で表されるアダマンタン類、ニトロベンゼン及び発煙硫酸を混合することにより、特異的にフェニル基上のニトロ基がアダマンタン骨格に対し3位に有するニトロアリールアダマンタン類が得られる。
本発明で使用される、上記一般式(1)で表されるアダマンタン類は一般的に入手可能な化合物であり、どのような方法で製造されたものを用いても良い。置換基(R)を有する場合、置換基の位置は本発明の目的が達成される範囲で特に限定されないが、橋頭位(1、3、5、7位)であることが入手性の観点から好ましい。
上記一般式(1)におけるアルキル基として例えばメチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐を有しても良いアルキル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等やアダマンチル基等の炭素数5〜10の環状やかご状のアルキル基が例示される。なお、Rがアダマンチル基の場合、アダマンタン骨格の炭素原子を共有して環を形成(ジアマンタンを形成)しても良い。
これらアダマンタン類の中でも、入手性の観点から置換基を有さないもの(m=0であるもの)、炭素数1〜3のアルキル基を1から3個有するもの(m=1〜3であるもの)、ビアダマンタン、ジアマンタンが好ましく、置換基を有さないものが特に好ましい。
本発明におけるニトロベンゼンの使用量は、上記一般式(1)で表されるアダマンタン類1モルに対し通常0.5倍モル以上であり、好ましくは1〜200倍モルである。なお、ニトロアリール基の数(上記式(2)おけるnの数)は使用するニトロベンゼンの使用量により制御が可能である。即ち、ニトロベンゼンの使用量を少なくすればnの数が少ないニトロアリールアダマンタン類が優先的に得られ、ニトロベンゼンの使用量を多くすればnの数が多いニトロアリールアダマンタン類が優先的に得られる。
本発明で使用する発煙硫酸とは濃硫酸(純度90重量%以上の硫酸)に過剰の三酸化硫黄を吸収させたものを示し、発煙硫酸として一般的に入手可能なものが使用可能である。また、反応前後に硫酸に三酸化硫黄ガスを吹き込み、発煙硫酸を調製しても良い。本発明で用いる発煙硫酸中の三酸化硫黄含量は三酸化硫黄が含まれていれば本発明の目的が達成される範囲で特に限定されず、例えば三酸化硫黄含量が10重量%から60重量%の発煙硫酸が使用可能であり、特に60重量%以下のものを使用することにより、反応のコントロールが容易となり、副生成物が抑制できることからより効率的にニトロアリールアダマンタン類を得ることができる。
発煙硫酸の使用量は上記一般式(1)で表されるアダマンタン類1モルに対し三酸化硫黄分として通常0.1モル倍以上、好ましくは0.5〜20モル倍である。発煙硫酸の使用量を上記式(1)で表されるアダマンタン類1モルに対し三酸化硫黄分として0.1モル倍以上とすることにより未反応アダマンタン類を低減することが可能であり、使用量が20モル倍以上であっても問題なくニトロアリールアダマンタン類が得られるものの、使用量を20モル倍以下とすることにより経済的優位にニトロアリールアダマンタン類が製造可能である。
本発明においては上記一般式(1)で表されるアダマンタン類、ニトロベンゼン及び発煙硫酸以外に硫酸、ジクロロメタンやクロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサンやデカン、シクロヘキサン等の脂肪族または脂環式炭化水素類等を併存させ反応を実施しても良い。
本発明の実施態様としては、上記一般式(1)で表されるアダマンタン類、ニトロベンゼン、発煙硫酸及び必要に応じ硫酸等を混合し、その後、通常−10〜100℃、好ましくは−5〜80℃で撹拌を実施する方法が例示される。
上述の方法によって得られた、上記一般式(2)で表されるニトロアリールアダマンタン類は、反応液より一旦取出し、必要に応じて精製した後、後述する還元操作に供しても良いし、そのまま後述する還元操作に供しても良い。また、上記一般式(2)で表されるニトロアリールアダマンタン類は、医農薬中間体等、機能性有機化合物として使用することもできる。
上記一般式(2)で表されるニトロアリールアダマンタン類を反応液より取り出す方法として例えば、反応液に水を加えた後、トルエン等の芳香族炭化水素、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、クロロホルム等の含ハロゲン脂肪族炭化水素、クロロベンゼン等の含ハロゲン芳香族炭化水素等の有機溶媒を加えて攪拌・静置・分液を行い、更に必要に応じ水洗を行った後、有機溶媒を留去することにより、目的物であるニトロアリールアダマンタン類を得ることができる。さらに、純度を高めるため、必要に応じて、カラムクロマトグラフィーや昇華操作、晶析操作、吸着操作等従来公知の方法により単離・精製し、精製品を得ることができる。
<本発明の一般式(3)で表されるアミノアリールアダマンタン類の製造方法>
上記一般式(3)で表されるアミノアリールアダマンタン類は、上記一般式(2)で表されるニトロアリールアダマンタン類を還元することによって得られる。上記一般式(2)で表されるニトロアリールアダマンタン類を還元する方法としては、鉄粉や塩化錫等の還元剤を用いて還元する方法や、水素雰囲気下、パラジウムや白金等の遷移金属を活性炭に担持させた触媒を用い還元する接触還元法等が例示される。以下、反応温度の適用範囲が広く、また反応後の後処理が容易である為、工業的実施に有利な接触還元法について詳述する。
接触還元法を実施する際に用いられる触媒としては、パラジウムや白金等の遷移金属を活性炭に担持させた触媒が用いられ、この中でもパラジウムを活性炭に担持させた触媒(パラジウム/カーボン)又は白金を活性炭に担持させた触媒(白金/カーボン)が反応速度を向上させやすい点から好適に用いられる。これら触媒の使用量は、触媒中の遷移金属の重量として、上記一般式(2)で表されるニトロアリールアダマンタン類1重量倍に対し、通常0.01〜0.1重量%である。
接触還元法を実施する際に用いる溶媒としては、上記一般式(2)で表されるニトロアリールアダマンタン類及び上記一般式(3)で表されるアミノアリールアダマンタン類に対し不活性であって、接触還元時に反応を受けないものであれば良く、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジグライム、トリグライム等のエーテル類、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン等のエステル類、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化アルキル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、ピコリン、ピリジン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。またこれら溶媒は単独でも、2種類以上混合して用いてもよい。
接触還元法を実施する際の温度は通常20〜160℃であり、反応速度の向上及び不純物生成抑制の観点から20〜100℃とすることが好ましい。
接触還元法を実施する際の水素の圧力は通常、101.3kPa〜1013kPaである。101.3kPa以上とすることにより十分な還元速度が得られ、1013kPa以下とすることにより反応速度のコントロールが容易となり、不必要な副反応やゲル化を抑制することが可能となる。
上述した接触還元法を実施後、反応に使用した触媒を濾過により除去し、例えば溶媒の一部または全部を留去した後、必要に応じ貧溶媒を添加し晶析することにより、上記一般式(3)で表されるアミノアリールアダマンタン類を得ることが可能である。得られた上記一般式(3)で表されるアミノアリールアダマンタン類は必要に応じて、カラムクロマトグラフィーや昇華操作、晶析操作、吸着操作等従来公知の方法により単離・精製しても良い。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
以下、実施例における上記一般式(2)で表されるニトロアリールアダマンタン類及び上記一般式(3)で表されるアミノアリールアダマンタン類の純度は以下条件にて分析して得られたガスクロマトグラフィーの面積百分率(溶媒のピークを除外した修正面積百分率)を表す。また、以下実施例で得られた各化合物の構造については、下記する条件で測定したGC−MS又はLC−MS、並びにH−NMR及び13H−NMRの結果に基づき決定した。
<ガスクロマトグラフィー(GC)分析条件>
装置 :島津製作所社製 ガスクロマトグラフ GC−2010 Plus
カラム:Agilent社製 DB−1HT(0.10μm、0.25mmφ×30m)
キャリアー:窒素(50ml/min)
流量:50ml/min
カラム温度:100℃→(10℃/min)→370℃(10min Hold)
気化室温度:350℃
検出器温度:370℃
検出器 :FID
燃焼ガス :水素(40ml/min), 空気(400ml/min)
注入量 :1μL
サンプル調製方法(反応液):反応液2〜3滴を約1.5gの水に入れた後、更に抽出溶媒(クロロホルム、トルエン、酢酸エチル等)を約3mL加え、良く振とうする。その後、分液し、有機層を中性になるまで水で洗浄を繰り返した。中性になった有機層約1mLをメンブレンフィルターでろ過し、得られた溶液を分析した。
<ガスクロマトグラフ質量分析(GC−MS)条件>
装置:Agilent社製,7890GC/5975MSD型
カラム: Ultra ALLOY−5,0.25mmφ×30m,膜厚0.25μm
キャリアガス: He
気体流量: 1mL/分
カラム温度:100℃→(10℃/min)→300℃(10〜30min Hold)
気化室温度:290℃
イオン化法: EI法(70eV)
スプリット法によるカラムへの送付割合: 1/10〜1/20
注入量: 1μL
<高速液体クロマトグラフ質量分析(LC−MS)条件>
・装置:(株)Waters製「Xevo G2 Q−Tof」
・カラム:一般社団法人 化学物資評価研究機構製「L-Column2 ODS」
(2μm、2.1mmφ×100mm)
・カラム温度:40℃
・移動相:A液=10mM酢酸アンモニウム水、B液=アセトニトリル
・移動相流量:0.3ml/分
・移動相グラジエント:B液濃度:40%(0分)→100%(10分後)→100%(5分後)
・検出法:Q−Tof
・イオン化法:ESI(+)法
・Ion Source:電圧(+)2.0kV、温度120℃
電圧(+)2.0kV、温度150℃
・Sampling Cone :電圧 50V、ガスフロー50L/h
・Desolvation Cas:温度500℃、ガスフロー1000L/h
<核磁気共鳴(H−NMR、13H−NMR)分析>
装置:日本電子株式会社製,JNM −ECS400型
測定温度:25℃
測定溶媒:重クロロホルム
<実施例1>
1−(3−ニトロフェニル)アダマンタンおよび1,3−ビス(3−ニトロフェニル)アダマンタンの合成
攪拌機、温度計、滴下ロート、ジムロートを備えたガラス製フラスコに、アダマンタン10.0g(73.4mmol)、ニトロベンゼン100.2g(0.81mol)を添加し、室温で撹拌を開始した。その後、滴下ロートを用いて25%発煙硫酸96.6g(0.30mol)を2時間、12〜19℃で滴下し、その後18〜22℃で25時間撹拌した。25時間撹拌後、58℃まで昇温し、その後58〜62℃で1時間、撹拌を実施した。
得られた反応液を水に添加し、水層を分液操作にて除去した後、有機層に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて中和し、更に水を追加した後、60℃まで昇温して分液を行い、水層を除去した。その後、更に水で中性になるまで洗浄・分液を繰り返した後、有機層を濃縮して褐色のガラス状固体42.7gを得た。得られた固体をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、ニトロベンゼンを49%、生成物1を2%、生成物2を46%含んでいることが判明した。また、併せて該固体をGC−MSにより分析したところ、生成物1の分子量は257.1、生成物2の分子量は378.2であった。
続いて、得られた固体をカラムクロマトグラフィー(抽出溶媒:トルエンとヘキサンの混合溶媒)により精製することで、生成物1及び生成物2の類白色固体(それぞれ0.7g、8.5g)を得た。得られた生成物1及び2の類白色固体をH−NMR及び13C−NMRにて測定したところ、得られた生成物1は1−(3−ニトロフェニル)アダマンタンであり、生成物2は1,3−ビス(3−ニトロフェニル)アダマンタンであることを確認した。生成物1及び生成物2の構造、並びにH−NMR及び13C−NMRの分析結果を表1に示す。
<実施例2>
1,3,5−トリス(3−ニトロフェニル)アダマンタンおよび1,3,5,7−テトラキス(3−ニトロフェニル)アダマンタンの合成
攪拌機、温度計、滴下ロート、ジムロートを備えたガラス製フラスコに、アダマンタン3.0g(22.0mmol)、ニトロベンゼン30.0g(0.24mol)を添加し、室温で撹拌を開始した。その後、滴下ロートを用いて25%発煙硫酸70.8g(0.22mol)を3時間、17〜22℃で滴下し、その後18〜22℃で23時間撹拌した。
前記反応後、実施例1と同様の後処理を行うことで、褐色の固体19.1gを得た。得られた固体をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、ニトロベンゼンを36%、生成物3を35%、生成物4を15%含んでいることが判明した。また、併せて該固体をGC−MSにより分析したところ、生成物3の分子量は534.1(塩素イオン付加物として)、生成物4の分子量は655.2(塩素イオン付加物として)であった。
続いて、得られた固体をカラムクロマトグラフィー(抽出溶媒:トルエンとヘキサンの混合溶媒及び酢酸エチル)により精製することで、生成物3及び生成物4の類白色固体(それぞれ2.3g、0.8g)を得た。得られた生成物3及び4の類白色固体をH−NMR及び13C−NMRにて測定したところ、得られた生成物3は1,3,5−トリス(3−ニトロフェニル)アダマンタンであり、生成物4は1,3,5,7−テトラキス(3−ニトロフェニル)アダマンタンであることを確認した。生成物3及び生成物4の構造、並びにH−NMR及び13C−NMRの分析結果を表1に示す。
<実施例3>
1−(3−アミノフェニル)アダマンタンの合成
攪拌機、温度計、滴下ロート、ジムロートを備えたガラス製100mLフラスコに、実施例1で得られた1−(3−ニトロフェニル)アダマンタン0.50g及び酢酸エチル40g、10%Pd/C(50%水ウェット品)を0.02g仕込んだ後、反応容器を水素置換し、水素雰囲気下で16時間反応を行った。
反応後、触媒をろ過により除去した後、得られた反応液を濃縮することで類白色の固体0.43g(収率97.3%)を得た。得られた固体をLC−MSにて分析したところ、分子量が228.1757(H付加体として)であることが判明した。また、併せて、H−NMR及び13C−NMRにて測定することにより、得られた固体が1−(3−アミノフェニル)アダマンタン(生成物5)であることを確認した。得られた生成物5の構造、並びにH−NMR及び13C−NMRの分析結果を表1に示す。
<実施例4>
1,3−ビス(3−アミノフェニル)アダマンタンの合成
原料の1−(3−ニトロフェニル)アダマンタン0.50gを実施例1で得られた1,3−ビス(3−ニトロフェニル)アダマンタン0.50gに変更したこと以外は実施例3と同様の操作を行うことにより、類白色の固体0.42g(収率99.8%)を得た。得られた固体をLC−MSにて分析したところ、分子量が319.2179(H付加体として)であることが判明した。また、併せて、H−NMR及び13C−NMRにて測定することにより、得られた固体が1,3−ビス(3−アミノフェニル)アダマンタン(生成物6)であることを確認した。得られた生成物6の構造、並びにH−NMR及び13C−NMRの分析結果を表1に示す。
<実施例5>
1,3,5−トリス(3−アミノフェニル)アダマンタンの合成
原料の1−(3−ニトロフェニル)アダマンタン0.50gを実施例2で得られた1,3,5−トリス(3−ニトロフェニル)アダマンタン0.51gに変更したこと以外は実施例3と同様の操作を行うことにより、類白色の固体0.39g(収率93.8%)を得た。得られた固体をLC−MSにて分析したところ、分子量が410.2599(H付加体として)であることが判明した。また、併せて、H−NMR及び13C−NMRにて測定することにより、得られた固体が1,3,5−トリス(3−アミノフェニル)アダマンタン(生成物7)であることを確認した。得られた生成物7の構造、並びにH−NMR及び13C−NMRの分析結果を表1に示す。
<実施例6>
1,3,5,7−テトラキス(3−アミノフェニル)アダマンタンの合成
原料の1−(3−ニトロフェニル)アダマンタン0.50gを実施例2で得られた1,3,5,7−テトラキス(3−ニトロフェニル)アダマンタン0.20gに変更したこと以外は実施例3と同様の操作を行うことにより、類白色の固体0.13g(収率80.5%)を得た。得られた固体をLC−MSにて分析したところ、分子量が501.3024(H付加体として)であることが判明した。また、併せて、H−NMR及び13C−NMRにて測定することにより、得られた固体が1,3,5,7−テトラキス(3−アミノフェニル)アダマンタン(生成物8)であることを確認した。得られた生成物8の構造、並びにH−NMR及び13C−NMRの分析結果を表1に示す。




















Figure 2017165657

Claims (4)

  1. 以下一般式(1)
    Figure 2017165657
    (式中、Rはアルキル基を表し、mは0〜2の整数を表す。mが2以上の場合、Rは同一でも異なっても良い。)
    で表されるアダマンタン類、ニトロベンゼン及び発煙硫酸を混合し反応させる、以下一般式(2)
    Figure 2017165657
    (式中、R、mの意味は上記の通りである。また、nは1〜4の整数を表す。)
    で表されるニトロアリールアダマンタン類の製造方法。
  2. 以下一般式(2)で表されるニトロアリールアダマンタン類。
    Figure 2017165657
    (式中、R、m、nの意味は上記の通りである。)
  3. 以下一般式(3)で表されるアミノアリールアダマンタン類。
    Figure 2017165657
    (式中、R、m、nの意味は上記の通りである。)
  4. 上記一般式(2)で表されるニトロアリールアダマンタン類を還元する、請求項3記載のアミノアリールアダマンタン類の製造方法。
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