JP2017165010A - 印刷装置、印刷方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録媒体へインクを吐出する際に記録媒体の表面に存在する反応液の量を適切な量に抑える。
【解決手段】記録媒体を支持する支持部と、反応液を吐出する反応液吐出部と、 反応液によって凝集する色材を含むインクを吐出するインク吐出部と、反応液吐出部に反応液を吐出させることで記録媒体に反応液を付与してから、インク吐出部にインクを吐出させることで記録媒体にインクを付与する制御部とを備え、制御部は、記録媒体への反応液の付与を完了してから記録媒体へのインクの付与を開始するまでの時間間隔を、記録媒体の単位面積に対して反応液が付与された部分の面積が占める割合に応じて調整する。
【選択図】図7
【解決手段】記録媒体を支持する支持部と、反応液を吐出する反応液吐出部と、 反応液によって凝集する色材を含むインクを吐出するインク吐出部と、反応液吐出部に反応液を吐出させることで記録媒体に反応液を付与してから、インク吐出部にインクを吐出させることで記録媒体にインクを付与する制御部とを備え、制御部は、記録媒体への反応液の付与を完了してから記録媒体へのインクの付与を開始するまでの時間間隔を、記録媒体の単位面積に対して反応液が付与された部分の面積が占める割合に応じて調整する。
【選択図】図7
Description
この発明は、記録媒体に反応液を付与してから、反応液によって凝集する色材を含むインクを記録媒体に付与することで画像を印刷する技術に関するものである。
特許文献1のインクジェット記録装置は、インクを吐出するノズル列と反応液(処理液)を吐出するノズル列とを有する記録ヘッドを往復移動させて、記録媒体に画像を記録する。具体的には、往路を移動する記録ヘッドから記録媒体へ反応液を吐出した後に、復路を移動する記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出する。これによって、インクの色材を反応液によって凝集して、記録媒体に定着させることができる。
ただし、記録媒体へインクを吐出する際に記録媒体の表面に存在する反応液の量が多すぎると、記録媒体に着弾したインクの液滴の周りに反応液の膜が生じて、インクの液滴が十分に広がらず、画像に掠れが生じる場合があった。
この発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、記録媒体へインクを吐出する際に記録媒体の表面に存在する反応液の量を適切な量に抑えることを可能とする技術の提供を目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様として実現することが可能である。
本発明の第1態様は、記録媒体を支持する支持部と、反応液を吐出する反応液吐出部と、 反応液によって凝集する色材を含むインクを吐出するインク吐出部と、反応液吐出部に反応液を吐出させることで記録媒体に反応液を付与してから、インク吐出部にインクを吐出させることで記録媒体にインクを付与する制御部とを備え、制御部は、記録媒体への反応液の付与を完了してから記録媒体へのインクの付与を開始するまでの時間間隔を、記録媒体の単位面積に対して反応液が付与された部分の面積が占める割合に応じて調整する。
本発明の第2態様は、記録媒体に反応液を付与する工程と、反応液によって凝集する色材を含むインクを記録媒体に付与する工程とを備え、記録媒体への反応液の付与を完了してから記録媒体へのインクの付与を開始するまでの時間間隔が、記録媒体の単位面積に対して反応液が付与された部分の面積が占める割合に応じて調整される。
このように構成された本発明(第1態様、第2態様)では、記録媒体への反応液の付与を完了してから記録媒体へのインクの付与を開始するまでの時間間隔が、記録媒体の単位面積に対して反応液が付与された部分の面積が占める割合に応じて調整される。これによって、時間間隔に記録媒体から蒸発する反応液の量が調整され、すなわち記録媒体に存在する反応液の量が調整される。その結果、記録媒体へインクを吐出する際に記録媒体の表面に存在する反応液の量を適切な量に抑えることが可能となっている。
この際、制御部は、記録媒体の単位面積に対して反応液が付与された部分の面積が占める割合が多いほど時間間隔を長くするように、印刷装置を構成しても良い。これによって、記録媒体へインクを吐出する際に記録媒体の表面に存在する反応液の量を適切な量に抑えることができる。
また、装置内部の温度を検出する温度検出部を備え、制御部は、温度検出部が検出する温度に応じて時間間隔を調整するように、印刷装置を構成しても良い。かかる構成では、反応液の蒸発速度に応じて時間間隔を調整することで、記録媒体へインクを吐出する際に記録媒体の表面に存在する反応液の量を適切な量により確実に抑えることを可能としている。
この際、制御部は、温度検出部が検出する温度が低いほど時間間隔を長くするように、印刷装置を構成しても良い。これによって、装置内部の温度が低く、反応液の蒸発速度が遅い場合であっても、記録媒体へインクを吐出する際に記録媒体の表面に存在する反応液の量を適切な量に抑えることができる。
また、反応液が吐出された記録媒体を乾燥させる乾燥部を備え、制御部は、乾燥部の乾燥能力に応じて時間間隔を調整するように、印刷装置を構成しても良い。かかる構成では、反応液の乾燥速度、すなわち蒸発速度に応じて時間間隔を調整することで、記録媒体へインクを吐出する際に記録媒体の表面に存在する反応液の量を適切な量により確実に抑えることを可能としている。
この際、制御部は、乾燥部の乾燥能力が低いほど時間間隔を長くするように、印刷装置を構成しても良い。これによって、乾燥部の乾燥能力が低く、反応液の蒸発速度が遅い場合であっても、記録媒体へインクを吐出する際に記録媒体の表面に存在する反応液の量を適切な量に抑えることができる。
また、制御部は、記録媒体の浸透性に応じて時間間隔を調整するように、印刷装置を構成しても良い。かかる構成では、反応液が記録媒体内部に浸透する速度に応じて時間間隔を調整することで、記録媒体へインクを吐出する際に記録媒体の表面に存在する反応液の量を適切な量により確実に抑えることを可能としている。
この際、制御部は、記録媒体の浸透性が低いほど時間間隔を長くするように、印刷装置を構成しても良い。かかる構成では、記録媒体の浸透性が低く、反応液が記録媒体に浸透する速度が遅い場合であっても、記録媒体へインクを吐出する際に記録媒体の表面に存在する反応液の量を適切な量に抑えることができる。
また、反応液吐出部およびインク吐出部が支持部の上方から一方側へ退避する第1位置と、反応液吐出部およびインク吐出部が支持部の上方から他方側へ退避する第2位置との間で、反応液吐出部およびインク吐出部を伴って移動可能なキャリッジを備え、制御部は、支持部の上方を移動する反応液吐出部から記録媒体へ反応液を吐出する反応液付与動作を第1位置と第2位置との間でキャリッジが移動する途中で実行してから、支持部の上方を移動するインク吐出部から記録媒体へインクを吐出するインク付与動作を第1位置と第2位置との間でキャリッジが移動する途中で実行し、反応液付与動作を完了してからインク付与動作を開始するまでの時間間隔を、反応液付与動作で記録媒体の単位面積に対して反応液が付与された部分の面積が占める割合に応じて調整するように、印刷装置を構成しても良い。かかる構成では、記録媒体へインクを吐出する際に記録媒体の表面に存在する反応液の量を適切な量に抑えることが可能となっている。
また、制御部は、第1位置から第2位置へキャリッジを移動させつつ反応液付与動作を実行してから、第2位置から第1位置へキャリッジを移動させつつインク付与動作を実行するように、印刷装置を構成しても良い。
この際、制御部は、反応液付与動作を完了してからインク付与動作を開始するまでの間にキャリッジが第2位置で停止する時間を調整することで時間間隔を調整するように、印刷装置を構成しても良い。このようにして時間間隔を調整することで、記録媒体へインクを吐出する際に記録媒体の表面に存在する反応液の量を適切な量に抑えることができる。
また、制御部は、反応液付与動作を完了してからキャリッジが第2位置で停止するまでのキャリッジの移動速度を調整することで時間間隔を調整するように、印刷装置を構成しても良い。このようにして時間間隔を調整することで、記録媒体へインクを吐出する際に記録媒体の表面に存在する反応液の量を適切な量に抑えることができる。
なお、上述した本発明の各態様の有する複数の構成要素はすべてが必須のものではなく、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、適宜、前記複数の構成要素の一部の構成要素について、その変更、削除、新たな他の構成要素との差し替え、限定内容の一部削除を行うことが可能である。また、上述の課題の一部又は全部を解決するため、あるいは、本明細書に記載された効果の一部又は全部を達成するために、上述した本発明の一形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部を上述した本発明の他の形態に含まれる技術的特徴の一部又は全部と組み合わせて、本発明の独立した一形態とすることも可能である。
図1は本発明を適用したプリンターを備える印刷システムの一例を模式的に示す正面図である。なお、図1や以下の図面では必要に応じて、装置各部の配置関係を明確にするためにZ軸を鉛直軸とするXYZ直交座標が併記されている。また、以下の説明では、各座標軸(の矢印)が向く方向を正方向と、その反対方向を負方向と適宜取り扱う。
印刷システム100は、パーソナルコンピューター等の外部装置から受信した画像データ(ビットマップデータ)から印刷データを生成するホスト装置200と、ホスト装置200から受信した印刷データに基づいて画像を印刷するプリンター300とを備える。このプリンター300は、長尺なシートSをロール・トゥ・ロールで搬送しつつ、インクジェット方式を用いてシートSの表面に画像を印刷するものである。
図1に示すように、プリンター300は、略直方体形状を有する本体ケース1を備える。本体ケース1内部には、シートSを巻いたロールR1からシートSを繰り出す繰出部2と、繰り出されたシートSの表面にインクを吐出して印刷を行う印刷室3と、インクが付着したシートSを乾燥させる乾燥部4と、乾燥後のシートSをロールR2として巻き取る巻取部5とが配置されている。
より詳しくは、本体ケース1内は、XY平面に平行に(すなわち水平に)配置された平板状の基台6によってZ軸方向へ上下に区画されており、基台6の上側が印刷室3となっている。印刷室3内の略中央部では、プラテン30が基台6の上面に固定されている。プラテン30は矩形状を有しており、XY平面に平行なその上面によって、シートSを下側から支持する。そして、プラテン30上に支持されたシートSの表面に対して記録ユニット31が印刷を行う。
一方、基台6の下側には、繰出部2、乾燥部4および巻取部5が配置されている。繰出部2は、プラテン30に対してX軸負方向の下側(図1の左斜め下)に配置されており、回転可能な繰出軸21を備えている。そして、この繰出軸21にシートSが巻きつけられて、ロールR1が支持されている。一方、巻取部5は、プラテン30に対してX軸正方向の下側(図1の右斜め下)に配置されており、回転可能な巻取軸51を備えている。そして、この巻取軸51にシートSが巻き取られて、ロールR2が支持されている。また、乾燥部4は、X軸方向における繰出部2と巻取部5との間で、プラテン30の直下に配置されている。
そして、繰出部2の繰出軸21から繰り出されたシートSが、ローラー71〜77により案内されながら印刷室3と乾燥部4とを順番に通過した後に、巻取部5の巻取軸51に巻き取られる。ちなみに、ローラー72、73は、プラテン30を挟むようにしてX軸方向にまっすぐ並んで(すなわち水平に)配置されており、それぞれの頂部がプラテン30の上面(シートSを支持する面)と同一の高さとなるように位置調整されている。したがって、ローラー72に巻き掛けられたシートSは、ローラー73に到るまでの間、プラテン30の上面に摺接しつつ水平(X軸方向)に移動する。
印刷室3では、プラテン30の上側に配置された記録ユニット31によりシートSへの印刷処理が実行される。この記録ユニット31は、シートSの表面に反応液を吐出してからシートSの表面にインクを吐出することで、シートSの表面に画像を印刷する。つまり、印刷室3内のX軸負方向の端部(図1の左端部)にはカートリッジ装着部8が設けられており、カートリッジ装着部8には、反応液を貯留する反応液カートリッジ81と、互いに異なる色のインクを貯留する複数のインクカートリッジ82とが着脱可能に装着されている。そして、記録ユニット31は、反応液カートリッジ81から供給された反応液と、インクカートリッジ82から供給されたインクとをそれぞれインクジェット方式によりシートSの表面に吐出可能である。
ちなみに、反応液は、インクに含まれる色材を凝集させる凝集剤を溶媒に溶解させたものである。凝集剤としては、多価金属塩を好適に用いることができる。多価金属塩としては、例えば硝酸カルシウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウムおよびギ酸カルシウムのうちの1または複数を好適に用いることができる。また、反応液の溶媒としては水が好ましく、水に加えて多価アルコール類、多価アルコール誘導体等の水溶性有機溶媒を添加してもよい。
図2は記録ユニットの構成を部分的に示す底面図である。ここでは、図1および図2を用いつつ、記録ユニット31の詳細を説明する。この記録ユニット31は、キャリッジ32と、キャリッジ32の下面に取り付けられた平板状の支持板33と、支持板33の下面に取り付けられた記録ヘッド34、35とを有する。支持板33の下面では、4個の記録ヘッド35および1個の記録ヘッド34がX軸方向に等ピッチで並び、各記録ヘッド34、35では複数のノズルNがY軸方向に平行に並ぶ。そして、記録ヘッド34は反応液をノズルNから吐出し、4個の記録ヘッド35のそれぞれは互いに異なる色のインクをノズルNから吐出する。
図1に戻って説明を続ける。上述のように構成された記録ユニット31のキャリッジ32は、支持板33および記録ヘッド34、35と一体的に移動可能となっている。つまり、印刷室3内には、X軸方向に平行に延びるX軸ガイドレール37が設けられており、キャリッジ32はX軸モーターMx(図3)の駆動力を受けると、X軸ガイドレール37に沿ってX軸方向に移動する。
そして、記録ユニット31は、プラテン30の上方でキャリッジ32をX軸方向(主走査方向)へ往復移動させつつ記録ヘッド34、35から反応液およびインクを吐出することで、プラテン30の上面で停止するシートSの表面に画像を印刷する。つまり、記録ユニット31は、キャリッジ32をX軸方向に平行な往路方向に移動させつつ記録ヘッド34のノズルNからシートSの表面に反応液を吐出する。続いて、記録ユニット31は、キャリッジ32をX軸方向に平行な復路方向へ移動させつつ各記録ヘッド35のノズルNからシートSの表面にインクを吐出する。これによって、シートSの表面では、X軸方向に平行に延びる1ライン分の画像がY軸方向に複数並んで、1フレーム分の二次元画像が印刷される。また、二次元画像を構成するインクの色材は反応液の作用により凝集し、シートSの表面に定着する。
上述のような1フレームの印刷は、シートSをX軸方向に間欠的に移動させながら繰り返し実行される。具体的には、プラテン30の上面のほぼ全域にわたる所定範囲が印刷領域となっている。そして、この印刷領域のX軸方向への長さに対応する距離(間欠搬送距離)を単位として、シートSをX軸方向へ間欠的に搬送するとともに、間欠搬送中にプラテン30の上面に停止するシートSに対して1フレームの印刷が行われる。換言すれば、プラテン30に停止するシートSに1フレームの印刷が終わると、シートSが間欠搬送距離だけX軸方向に搬送されて、シートSの未印刷の面がプラテン30に停止する。続いて、この未印刷面に新たに1フレームの印刷が実行され、これが完了すると、再びシートSが間欠搬送距離だけX軸方向に搬送される。そして、これら一連の動作が繰り返し実行される。
なお、間欠搬送中にプラテン30の上面に停止しているシートSを平坦に保つために、プラテン30は、その上面に停止しているシートSを吸引する機構を備える。具体的には、プラテン30の上面には、図示しない多数の吸引孔が開口しており、プラテン30の下面には吸引部38が取り付けられている。そして、吸引部38が動作することで、プラテン30の上面の吸引孔に負圧が発生して、シートSがプラテン30の上面に吸引される。そして、印刷のためにシートSがプラテン30上に停止している間は、吸引部38がシートSを吸引することでシートSを平坦に保つ。一方、印刷が終了すると、吸引部38がシートSの吸引を停止することでシートSのスムーズな搬送を可能とする。
さらに、プラテン30の下面には、ヒーター39が取り付けられている。このヒーター39は、プラテン30を所定温度(例えば45度)に加熱するものである。これにより、シートSは記録ヘッド34、35による印刷処理を受けつつ、プラテン30の熱によって1次乾燥されることとなる。そして、この1次乾燥により、シートSに着弾した反応液やインクの乾燥が促進される。
こうして、1フレームの印刷を受けつつ1次乾燥されたシートSは、シートSの間欠搬送に伴ってプラテン30から乾燥部4へ移動する。この乾燥部4は、乾燥用に加熱した空気により、シートSに着弾した反応液やインクを完全に乾燥させる乾燥処理を実行する。そして、乾燥処理を受けたシートSは、シートSの間欠搬送に伴って巻取部5に到達し、ロールR2として巻き取られる。
以上が、印刷システム100が備える機械的構成の概要である。続いて、上述した図1に図3を加えて、図1の印刷システム100が備える電気的構成について詳述する。ここで、図3は図1の印刷装置が備える電気的構成を模式的に示すブロック図である。
上述したとおり、印刷システム100は、プリンター300を制御するホスト装置200を備える。このホスト装置200は、例えばパーソナルコンピューターにより構成されており、プリンター300の動作を制御するプリンタードライバー210を備える。ちなみに、プリンタードライバー210は、ホスト装置200が備えるCPU(Central Processing Unit)がプリンタードライバー210用のプログラムを実行することで構築される。さらに、ホスト装置200は、RAM(Random Access Memory)やHDD(Hard disk Drive)等で構成された記憶部220と、プリンター300との通信機能を司る通信制御部230とを備える。
また、ホスト装置200は、作業者とのインターフェースとして、液晶ディスプレイ等で構成されるモニター240と、キーボードやマウス等で構成される入力機器250とを備える。ちなみに、モニター240および入力機器250は、タッチパネル式のディスプレイにより一体的に構成されても良い。モニター240には、印刷対象の画像の他にメニュー画面が表示されている。したがって、作業者は、モニター240を確認しつつ入力機器250を操作することで、メニュー画面から印刷設定画面を開いて、シートSの種類、シートSのサイズ、印刷品質、版数等の各種の印刷条件を設定することができる。
プリンタードライバー210は主制御部211を有し、主制御部211がモニター240の表示や、入力機器250からの入力の処理を制御する。具体的には、主制御部211は、メニュー画面や印刷設定画面等の各種画面をモニター240に表示させるともに、各種画面において入力機器250から入力された内容に応じた処理を行う。これにより、主制御部211は、作業者からの入力に応じてプリンター300を制御するために必要な制御信号を生成する。
さらに、プリンタードライバー210は、外部装置から受信した画像データに対して画像処理を実行する画像処理部213を有する。画像処理部213は記録ヘッド35を画像データに応じて駆動するために必要となる印刷データを生成する。具体的には、画像処理部213は、この画像データに対して色変換処理およびハーフトーン処理を実行する。つまり、外部装置から受信した画像データは、R、G、Bの3つの色成分で構成され、各画素の画素値を多階調(例えば256階調)で表す。そこで、画像処理部213は、プリンター300で印刷可能な複数の色成分(例えば、Y、M、C、K)にR、G、Bの色成分を変換する色変換処理を画像データに実行する。そして、画像処理部213は、色変換処理後の画像データに対してディザマトリックスを用いたハーフトーン処理を実行する。このハーフトーン処理によって、各画素の画素値を多階調で表わす画像データが、各画素へのインクドットの吐出の有無を示す二値データである印刷データに変換される。
そして、主制御部211で生成された制御信号や、画像処理部213で生成された印刷データは通信制御部230を介して、プリンター300の本体ケース1内に設けられたプリンター制御部400に転送される。この通信制御部230は、プリンター制御部400との間で双方向のシリアル通信が可能となっており、プリンター制御部400に制御信号や印刷データを転送するとともに、その応答信号をプリンター制御部400から受信して主制御部211に送信する。
このプリンター制御部400は、記憶部410と、ヘッドコントローラー420と、メカコントローラー430とを備える。記憶部410はHDD等で構成されており、印刷処理の実行に必要なプログラムや、ホスト装置200から送信されてきた制御信号および印刷データを記憶する。
ヘッドコントローラー420は、プリンタードライバー210から送信されてきた制御信号や印刷データや、記憶部410に記憶された反応液データに基づいて、記録ヘッド34、35を制御する。つまり、記憶部410には、仮想的にシートSの表面に対してマトリックス状に配列された複数の画素のうち反応液を付与する画素を示した反応液データが記憶されており、ヘッドコントローラー420は、記録ヘッド34からの反応液の吐出をこの反応液データに基づき制御する。これによって、反応液データが示す各画素に反応液が着弾する。また、ヘッドコントローラー420は、記録ヘッド35からのインクの吐出を印刷データに基づき制御することで、印刷データが示す各画素へインクを着弾させる。
この際、記録ヘッド34、35からの吐出タイミングは、キャリッジ32のX軸方向への移動に基づいて制御される。つまり、印刷室3内には、キャリッジ32のX軸方向の位置を検出するリニアエンコーダーE32が設けられている。そして、ヘッドコントローラー420は、リニアエンコーダーE32の出力を参照することで、キャリッジ32のX軸方向への移動に応じたタイミングで、記録ヘッド34、35から反応液やインクを吐出させる。
一方、メカコントローラー430は、シートSの間欠搬送やキャリッジ32の駆動を主に制御する。具体的には、メカコントローラー430は、繰出部2、ローラー71〜77および巻取部5で構成されるシート搬送系を駆動する搬送モーターMsを制御して、シートSの間欠搬送を実行する。また、メカコントローラー430は、X軸モーターMxを制御することで、1フレーム分の印刷のためのX軸方向への移動をキャリッジ32に実行させる。
さらに、メカコントローラー430は、印刷処理のための上記制御のほかに種々の制御を実行できる。例えばメカコントローラー430は、プラテン30上面の温度を検出する温度センサーS30の出力に基づいてヒーター39をフィードバック制御したり、乾燥部4の内部の温度を検出する温度センサーS4の出力に基づいて乾燥部4をフィードバック制御したりといった温度制御を実行する。この際、シートSの種類あるいは印刷する画像の内容等に応じて、ヒーター39や乾燥部4の温度を変更・設定しても良い。さらに、プリンター300の本体ケース1内には、本体ケース1内の雰囲気の温度を検出する温度センサーS1が設けられており、メカコントローラー430は温度センサーS1の出力に基づいて、各種の制御を実行することもできる。
以上が、図1の印刷システムが備える電気的構成の概要である。上述のとおり、プリンター300で実行される印刷処理では、記録ヘッド34から反応液をシートSの表面に吐出してから、記録ヘッド35からインクをシートSの表面に吐出することで、インクを反応液の作用によりを凝集させてシートSの表面に定着させる。このような印刷処理では、インクを確実に凝集させるためには、シートSに対して反応液をある程度密に付与することが求められ、換言すれば、シートSの単位面積に対して反応液が付与される面積の割合を一定程度に維持する必要がある。ただし、そのためには次のような課題があった。
図4はシートに対して反応液を密に付与した場合に生じる現象を模式的に示す説明図である。図4の「反応液データDl」の欄に例示する反応液データDlは、ハッチングが施された画素Pxに対する反応液の吐出を示し、50%のデューティを示す。一方、図4の「反応液ドットdt」の欄では、シートSの表面に対して、当該反応液データDlに従って反応液を吐出した結果が模式的に示されている。「反応液ドットdt」の欄に示すように、画素Pxに着弾した反応液の液滴、すなわち反応液ドットdtは盛り上がった形状を有しており、画素Pxで一様に濡れ広がった理想的な形状と比較してその量は多くなる。特にPET(Polyethylene terephthalate)あるいはPP(polypropylene)等のフィルム系のシートSを用いた場合、シートSの浸透性が低いために、シートSの表面に残留する反応液の量が多く、かかる傾向が顕著となる。これに対して、シートSの表面に存在する反応液の量が多すぎると、シートSに着弾したインクの液滴の周りに反応液の膜が生じて、インクの液滴が十分に広がらず、画像に掠れが生じる場合があった。
つまり、インクを確実に凝集させるために、シートSの単位面積に対して反応液が付与される面積の割合は維持しつつも、画像の掠れを抑制するために、シートSの表面に存在する反応液の量そのものは過多とならないように制御することが求められる。そこで、プリンター制御部400は、シートSに反応液を付与する反応液付与動作を完了してから、シートSにインクを付与するインク付与動作を開始するまでの時間間隔を調整する。これによってこの時間間隔に適当な量の反応液を蒸発させて、インクを付与する際にシートSに存在する反応液の量を適切化することができる。続いては、この点について説明する。
図5は反応液付与動作の一例を模式的に示す説明図である。この反応液付与動作は、X軸方向に平行な往路方向Xaにキャリッジ32を移動させつつ、シートS表面の印刷対象範囲Rの上方を通過する記録ヘッド34から反応液を吐出することで実行される。時刻t11において、キャリッジ32は、退避位置Laから往路方向Xaへの移動を開始する。ここで、退避位置Laはプラテン30よりも往路方向Xaの上流側に設けられた位置であり、キャリッジ32が退避位置Laに位置する状態では、記録ヘッド34、35はプラテン30の上方からX軸方向の一方側(往路方向Xaの上流側)へ退避し、換言すれば、平面視において記録ヘッド34、35がプラテン30からX軸方向の一方側へ外れる。
続いて、時刻t12〜t13の間、記録ヘッド34がシートSの印刷対象範囲Rの上方を通過しつつ反応液を吐出することで、反応液付与動作が実行される。そして、時刻t14において、キャリッジ32は退避位置Lbに到達すると、この退避位置Lbで停止する。ここで、退避位置Lbはプラテン30よりも往路方向Xaの下流側に設けられた位置であり、キャリッジ32が退避位置Lbに位置する状態では、記録ヘッド34、35はプラテン30の上方からX軸方向の他方側(往路方向Xaの下流側)へ退避し、換言すれば、平面視において記録ヘッド34、35がプラテン30からX軸方向の他方側へ外れる。
図6はインク付与動作の一例を模式的に示す説明図である。このインク付与動作は、X軸方向に平行で往路方向Xaの反対を向く復路方向Xbにキャリッジ32を移動させつつ、シートS表面の印刷対象範囲Rの上方を通過する複数(4個)の記録ヘッド35からインクを吐出することで実行される。時刻t21において、キャリッジ32は、退避位置Lbから復路方向Xbへの移動を開始する。続いて、時刻t22〜t23の間、複数の記録ヘッド35がシートSの印刷対象範囲Rの上方を通過しつつインクを吐出することで、インク付与動作が実行される。そして、時刻t24において、キャリッジ32は退避位置Laに到達すると、この退避位置Laで停止する。
このように、プラテン30の上方を移動する記録ヘッド34からシートSへ反応液を吐出する反応液付与動作が、キャリッジ32が退避位置Laから退避位置Lbへ移動する途中で実行される。続いて、プラテン30の上方を移動する記録ヘッド35からシートSへインクを吐出するインク付与動作が、キャリッジ32が退避位置Lbから退避位置Laへ移動する途中で実行される。
図7は反応液付与動作とインク付与動作とを一連に実行するキャリッジの移動速度を示すタイミングチャートである。このタイミングチャートにおいて、横軸は時間を表わし、縦軸はキャリッジ32の移動速度Vを表わす。また、縦軸において、横軸より上側は往路方向Xaへの移動速度Vを表わし、横軸より下側は復路方向Xbへの移動速度Vを表わす。
時刻t11においてキャリッジ32の往路方向Xaへの移動が開始すると、キャリッジ32の移動速度Vは時間経過とともに増大し、時刻t12より前に所定速度Vaに到達する。そして、時間が時刻t13となるまで、キャリッジ32の移動速度Vは所定速度Vaで一定に維持される。かかる速度制御によって、時刻t12〜t13における反応液付与動作の実行期間を通じてキャリッジ32の移動速度Vを安定させられる。そして、時刻t13において反応液付与動作が完了すると、キャリッジ32の移動速度Vは時間経過とともに減少し、時刻t14においてゼロとなる。
続いて時刻t21においてキャリッジ32の復路方向Xbへの移動が開始すると、キャリッジ32の移動速度Vは時間経過とともに増大し、時刻t22より前に所定速度Vbに到達する。そして、時間が時刻t23となるまで、キャリッジ32の移動速度Vは所定速度Vbで一定に維持される。かかる速度制御によって、時刻t22〜t23におけるインク付与動作の実行期間を通じてキャリッジ32の移動速度Vを安定させられる。そして、時刻t23においてインク付与動作が完了すると、キャリッジ32の移動速度Vは時間経過とともに減少し、時刻t24においてゼロとなる。
図7のタイミングチャートから判るように、反応液付与動作が完了してからインク付与動作が開始するまでには、時刻t13から時刻t22までの時間間隔T1が存在する。また、この時間間隔T1は、時刻t13で反応液付与動作が完了してから時刻t14でキャリッジ32が停止するまでの期間T2と、時刻t14でキャリッジ32が停止してから時刻t21でキャリッジ32の移動が開始するまでの停止期間T3と、時刻t21でキャリッジ32の移動が開始してから時刻t22でインク付与動作が開始するまでの期間T4とを含む。そして、プリンター制御部400は、時間間隔T1を調整するために、停止期間T3を調整する。
具体的には、プリンター制御部400は、反応液付与動作の開始前に、印刷データが示す画像等に応じて反応液データDlのデューティ、すなわちシートS表面の単位面積に対して反応液が付与される部分の面積が占める割合を決定する。例えば所定の比率以上で罫線が画像に含まれるような場合には、比較的高いデューティの反応液データDlで反応液を付与すると決定する。そして、プリンター制御部400は、この反応液データDlが示すデューティに応じて、停止期間T3を設定する(図8)。ここで、図8は停止期間と反応液のデューティとの関係の一例を示す図である。同図において、横軸は反応液データDlが示す反応液のデューティを示し、縦軸はキャリッジ32の停止期間T3を示す。同図に示すように、プリンター制御部400は反応液データDlのデューティが大きいほど、停止期間T3を長く設定する。そして、停止期間T3の設定が完了すると、反応液付与動作が開始される。
以上に説明したように本実施形態では、シートSへの反応液の付与を完了してからシートSへのインクの付与を開始するまでの時間間隔T1が、シートSの単位面積に対して反応液が付与された部分の面積が占める割合に応じて調整される。これによって、時間間隔T1にシートSから蒸発する反応液の量が調整され、すなわちシートSに存在する反応液の量が調整される。その結果、シートSへインクを吐出する際にシートSの表面に存在する反応液の量を適切な量に抑えることが可能となっている。
この際、プリンター制御部400は、シートSの単位面積に対して反応液が付与された部分の面積が占める割合が多いほど時間間隔T1を長く設定する。かかる構成では、高いデューディで反応液をシートSに付与した場合には、それに応じて時間間隔T1が長く設定される。したがって、この時間間隔T1において反応液をしっかりと蒸発させて、シートSの画素Pxに付着(残留)する各反応液ドットdtの液量を十分に減少させてから、インク付与動作を開始できる。こうして、インク付与動作の開始時において、シートSの単位面積に対して反応液が付与される部分の面積の割合は維持しつつも、シートSの表面に存在する反応液の量そのものは過多とならないような制御が可能となっている。
この際、プリンター制御部400は、反応液付与動作を完了してからインク付与動作を開始するまでの間にキャリッジ32が退避位置Lbで停止する停止期間T3を調整することで時間間隔T1を調整する。このようにして時間間隔T1を調整することで、シートSへインクを吐出する際にシートSの表面に存在する反応液の量を適切な量に抑えることができる。
ここで、上記実施形態の具体的な数値例を示す。フィルム系のシートSを用いた場合、シートSに着弾したインクの液滴の周りに反応液の膜が生じるのを抑制できる反応液の量は、平方インチあたり0.432[mg]以下であることが実験で確認された。つまり、反応液データDlのデューティを変化しながら印刷画像での掠れの有無を確認する実験を行ったところ、反応液のデューティが20%より大きいと掠れが生じるとの結果が得られた。この際、記録ヘッド34のノズルNの数は600個であり、解像度は1200[dpi]であり、記録ヘッド34が吐出する反応液の液滴の量は3[ng]であったことから、単位面積あたりの反応液の量は、
600×1200[dpi]×3[ng]×20%=0.432[mg/inch2]
と求まった。一方、インクの色材を凝集するためには、反応液のデューティは20%では足りず、少なくとも40%が必要であった。
600×1200[dpi]×3[ng]×20%=0.432[mg/inch2]
と求まった。一方、インクの色材を凝集するためには、反応液のデューティは20%では足りず、少なくとも40%が必要であった。
そこで、40%のデューティを示す反応液データDlで記録ヘッド34から反応液を吐出した後に、反応液の量が0.432[mg/inch2]以下となるまで反応液を蒸発させてからインク付与動作を実行した。その結果、インクの色材をしっかりと凝集させつつ掠れの無い印刷画像を得ることができた。
以上に説明したように、上記実施形態では、プリンター300が本発明の「印刷装置」の一例に相当し、プラテン30が本発明の「支持部」の一例に相当し、シートSが本発明の「記録媒体」の一例に相当し、記録ヘッド34が本発明の「反応液吐出部」の一例に相当し、記録ヘッド35が本発明の「インク吐出部」の一例に相当し、プリンター制御部400が本発明の「制御部」の一例に相当し、時間間隔T1が本発明の「時間間隔」の一例に相当し、キャリッジ32が本発明の「キャリッジ」の一例に相当し、退避位置Laが本発明の「第1位置」の一例に相当し、退避位置Lbが本発明の「第2位置」の一例に相当する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。したがって、次に示す第1変形例〜第3変形例のように、反応液付与動作の完了からインク付与動作の開始までの時間間隔T1を種々の制御量に基づき変更することもできる。
第1変形例
図9は反応液付与動作の完了からインク付与動作の開始までの時間間隔の制御の第1変形例を示す図である。同図において、横軸は温度センサーS1が検出した本体ケース1内の雰囲気温度を示し、縦軸は第1変形例の制御で用いる係数を示す。同図に示すように、温度センサーS1の検出温度が低いほど、係数は大きくなる。
図9は反応液付与動作の完了からインク付与動作の開始までの時間間隔の制御の第1変形例を示す図である。同図において、横軸は温度センサーS1が検出した本体ケース1内の雰囲気温度を示し、縦軸は第1変形例の制御で用いる係数を示す。同図に示すように、温度センサーS1の検出温度が低いほど、係数は大きくなる。
この制御例では、プリンター制御部400は、反応液付与動作で用いる反応液データDlのデューティを決定すると、図8の関係に基づき停止期間T3を決定する。さらに、プリンター制御部400は、温度センサーS1(温度検出部)が検出した温度から図9の関係に基づき決定した係数を、図8から求めた停止期間T3に乗じた値を、最終的な停止期間T3として設定する。こうして停止期間T3の設定が完了すると、反応液付与動作が開始する。
このように第1変形例では、プリンター制御部400は、温度センサーS1が検出する本体ケース1内の雰囲気の温度に応じて時間間隔T1を調整する。かかる構成では、本体ケース1内の雰囲気の温度によって変化する反応液の蒸発速度に応じて時間間隔T1を調整することができ、シートSへインクを吐出する際にシートSの表面に存在する反応液の量を適切な量により確実に抑えることを可能となる。
特に、プリンター制御部400は、温度センサーS1が検出する温度が低いほど時間間隔T1を長く設定する。これによって、本体ケース1内部の温度が低く、反応液の蒸発速度が遅い場合であっても、シートSへインクを吐出する際にシートSの表面に存在する反応液の量を適切な量に抑えることができる。
第2変形例
第2変形例では、プリンター制御部400はヒーター39のシートSの乾燥能力、換言すればプラテン30上面の温度を検出する温度センサーS30の検出温度に応じて時間間隔T1を調整する。具体的には、第1変形例と同様に、温度センサーS30の検出温度の低下に応じて大きくなる係数を用いた制御が実行される。つまり、図8から求めた停止期間T3に当該係数を乗じた値を、最終的な停止期間T3として設定してから、反応液付与動作が開始される。
第2変形例では、プリンター制御部400はヒーター39のシートSの乾燥能力、換言すればプラテン30上面の温度を検出する温度センサーS30の検出温度に応じて時間間隔T1を調整する。具体的には、第1変形例と同様に、温度センサーS30の検出温度の低下に応じて大きくなる係数を用いた制御が実行される。つまり、図8から求めた停止期間T3に当該係数を乗じた値を、最終的な停止期間T3として設定してから、反応液付与動作が開始される。
このように第2変形例では、プリンター制御部400は、ヒーター39(乾燥部)の乾燥能力に応じて時間間隔T1を調整する。かかる構成では、反応液の乾燥速度(蒸発速度)に応じて時間間隔T1を調整することができ、シートSへインクを吐出する際にシートSの表面に存在する反応液の量を適切な量により確実に抑えることが可能となる。
特に、プリンター制御部400は、ヒーター39の乾燥能力が低いほど時間間隔T1を長く設定する。これによって、ヒーター39の乾燥能力が低く、反応液の乾燥速度が遅い場合であっても、シートSへインクを吐出する際にシートSの表面に存在する反応液の量を適切な量に抑えることができる。
第3変形例
ところで、図10に示すように、シートSの種類によってシートSの浸透性は異なり、例えば紙系のシートSは浸透性が高く、フィルム系のシートSは浸透性が低い。ここで、図10はシートの種類による浸透性の違いを示す図である。同図の縦軸には、シートS(基材)の種類が示されており、横軸にはシートSの浸透性(吸水速度)が示されている。ちなみに、浸透性の測定には、協和精工株式会社のKM350D動的走査吸液計によるブリストー法を用いることができる。
ところで、図10に示すように、シートSの種類によってシートSの浸透性は異なり、例えば紙系のシートSは浸透性が高く、フィルム系のシートSは浸透性が低い。ここで、図10はシートの種類による浸透性の違いを示す図である。同図の縦軸には、シートS(基材)の種類が示されており、横軸にはシートSの浸透性(吸水速度)が示されている。ちなみに、浸透性の測定には、協和精工株式会社のKM350D動的走査吸液計によるブリストー法を用いることができる。
そこで、第3変形例では、プリンター制御部400はシートSの浸透性に応じて時間間隔T1を調整する。具体的には、浸透性の低下に応じて大きくなる係数を用いた制御が実行される。つまり、図8から求めた停止期間T3に当該係数を乗じた値を、最終的な停止期間T3として設定してから、反応液付与動作が開始する。
このように第3変形例では、プリンター制御部400は、シートSの浸透性に応じて時間間隔T1を調整する。かかる構成では、反応液がシートS内部に浸透する速度に応じて時間間隔T1を調整することができ、シートSへインクを吐出する際にシートSの表面に存在する反応液の量を適切な量により確実に抑えることが可能となる。
この際、プリンター制御部400は、シートSの浸透性が低いほど時間間隔T1を長く設定する。これによって、シートSの浸透性が低く、反応液がシートSに浸透する速度が遅い場合であっても、シートSへインクを吐出する際にシートSの表面に存在する反応液の量を適切な量に抑えることができる。
その他
また、これら第1〜第3変形例以外にも種々の変形を行うことができる。例えば上記実施形態では、反応液データDlのデューティの増大に対して停止期間T3をリニアーに増大させていた(図8)。これに対して、図11に示すように、反応液データDlのデューティの増大に対して停止期間T3を段階的に増大させても良い。ここで、図11は停止期間と反応液のデューティとの関係の変形例を示す図である。
また、これら第1〜第3変形例以外にも種々の変形を行うことができる。例えば上記実施形態では、反応液データDlのデューティの増大に対して停止期間T3をリニアーに増大させていた(図8)。これに対して、図11に示すように、反応液データDlのデューティの増大に対して停止期間T3を段階的に増大させても良い。ここで、図11は停止期間と反応液のデューティとの関係の変形例を示す図である。
また、上記実施形態では、停止期間T3を調整することで時間間隔T1を調整していた。しかしながら、期間T2を調整することで時間間隔T1を調整しても良い。この変形例では、プリンター制御部400は、反応液付与動作を完了してからキャリッジ32が退避位置Lbで停止するまでのキャリッジ32の移動速度Vを調整することで時間間隔T1を調整する。具体的には、T1を長くする場合には、時刻t13以後のキャリッジ32の減速度を図7の例よりも小さくし、キャリッジ32の移動速度Vがゼロに減少するまでの時間を長くすれば良い。このようにして時間間隔T1を調整することで、シートSへインクを吐出する際にシートSの表面に存在する反応液の量を適切な量に抑えることができる。
あるいは、期間T4を調整することで時間間隔T1を調整しても良い。この変形例では、プリンター制御部400は、キャリッジ32が退避位置Lbから復路方向Xbへの移動を開始してからインク付与動作を開始するまでのキャリッジ32の移動速度Vを調整することで時間間隔T1を調整する。具体的には、T1を長くする場合には、時刻t21以後のキャリッジ32の加速度を図7の例よりも小さくし、キャリッジ32の移動速度Vを緩やかに所定の移動速度Vbまで増大させれば良い。このようにして時間間隔T1を調整することで、シートSへインクを吐出する際にシートSの表面に存在する反応液の量を適切な量に抑えることができる。
また、上記実施形態では、キャリッジ32の往路方向Xaへの1回の移動で反応液付与動作を完了するとともに、キャリッジ32の復路方向Xbへの1回の移動でインク付与動作を完了していた。しかしながら、例えば特開2013−000997号公報等に記載のラテラルスキャン方式を用いて、X軸方向へキャリッジ32を往復移動させつつ反応液付与動作を実行した後に、X軸方向へキャリッジ32を往復移動させつつインク付与動作を実行しても良い。この際、反応液付与動作あるいはインク付与動作においてキャリッジ32を往復移動させる回数は1往復に限られず、2往復以上でも良い。
また、図8および図9等では模式的な関係を示したが、実験等により適宜修正を加えても良い。例えば図8の関係は、各デューティで反応液を吐出してから、シートS表面に存在する液量の時間変化を測定することで求めても良い。あるいは図9の関係は、温度に対する反応液の蒸発速度の変化率を測定することで求めても良い。
また、時間間隔T1を調整する方法についても適宜変更が可能である。したがって、第1〜第3変形例および上記に記載した変形例を適宜組み合わせることで、時間間隔T1を調整してもよい。
300…プリンター、30…プラテン、32…キャリッジ、34…記録ヘッド、35…記録ヘッド、400…プリンター制御部、S…シート、T1…時間間隔、T2…期間、T3…停止期間、T4…期間、La…退避位置、Lb…退避位置、V…移動速度、Va…所定速度、Vb…所定速度、Xa…往路方向、Xb…復路方向、t11〜t14…時刻、t21〜t24…時刻
Claims (13)
- 記録媒体を支持する支持部と、
反応液を吐出する反応液吐出部と、
反応液によって凝集する色材を含むインクを吐出するインク吐出部と、
前記反応液吐出部に反応液を吐出させることで前記記録媒体に反応液を付与してから、前記インク吐出部にインクを吐出させることで前記記録媒体にインクを付与する制御部と
を備え、
前記制御部は、前記記録媒体への反応液の付与を完了してから前記記録媒体へのインクの付与を開始するまでの時間間隔を、前記記録媒体の単位面積に対して反応液が付与された部分の面積が占める割合に応じて調整する印刷装置。 - 前記制御部は、前記記録媒体の単位面積に対して反応液が付与された部分の面積が占める割合が多いほど前記時間間隔を長くする請求項1に記載の印刷装置。
- 装置内部の温度を検出する温度検出部を備え、
前記制御部は、前記温度検出部が検出する温度に応じて前記時間間隔を調整する請求項1または2に記載の印刷装置。 - 前記制御部は、前記温度検出部が検出する温度が低いほど前記時間間隔を長くする請求項3に記載の印刷装置。
- 反応液が吐出された前記記録媒体を乾燥させる乾燥部を備え、
前記制御部は、前記乾燥部の乾燥能力に応じて前記時間間隔を調整する請求項1ないし4のいずれか一項に記載の印刷装置。 - 前記制御部は、前記乾燥部の乾燥能力が低いほど前記時間間隔を長くする請求項5に記載の印刷装置。
- 前記制御部は、前記記録媒体の浸透性に応じて前記時間間隔を調整する請求項1ないし6のいずれか一項に記載の印刷装置。
- 前記制御部は、前記記録媒体の浸透性が低いほど前記時間間隔を長くする請求項7に記載の印刷装置。
- 前記反応液吐出部および前記インク吐出部が前記支持部の上方から一方側へ退避する第1位置と、前記反応液吐出部および前記インク吐出部が前記支持部の上方から他方側へ退避する第2位置との間で、前記反応液吐出部および前記インク吐出部を伴って移動可能なキャリッジを備え、
前記制御部は、前記支持部の上方を移動する前記反応液吐出部から前記記録媒体へ反応液を吐出する反応液付与動作を前記第1位置と前記第2位置との間で前記キャリッジが移動する途中で実行してから、前記支持部の上方を移動する前記インク吐出部から前記記録媒体へインクを吐出するインク付与動作を前記第1位置と前記第2位置との間で前記キャリッジが移動する途中で実行し、前記反応液付与動作を完了してから前記インク付与動作を開始するまでの前記時間間隔を、前記反応液付与動作で前記記録媒体の単位面積に対して反応液が付与された部分の面積が占める割合に応じて調整する請求項1ないし8のいずれか一項に記載の印刷装置。 - 前記制御部は、前記第1位置から前記第2位置へ前記キャリッジを移動させつつ前記反応液付与動作を実行してから、前記第2位置から前記第1位置へ前記キャリッジを移動させつつ前記インク付与動作を実行する請求項9に記載の印刷装置。
- 前記制御部は、前記反応液付与動作を完了してから前記インク付与動作を開始するまでの間に前記キャリッジが前記第2位置で停止する時間を調整することで前記時間間隔を調整する請求項10に記載の印刷装置。
- 前記制御部は、前記反応液付与動作を完了してから前記キャリッジが前記第2位置で停止するまでの前記キャリッジの移動速度を調整することで前記時間間隔を調整する請求項10または11に記載の印刷装置。
- 記録媒体に反応液を付与する工程と、
反応液によって凝集する色材を含むインクを前記記録媒体に付与する工程と
を備え、
前記記録媒体への反応液の付与を完了してから前記記録媒体へのインクの付与を開始するまでの時間間隔が、前記記録媒体の単位面積に対して反応液が付与された部分の面積が占める割合に応じて調整される印刷方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016053449A JP2017165010A (ja) | 2016-03-17 | 2016-03-17 | 印刷装置、印刷方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016053449A JP2017165010A (ja) | 2016-03-17 | 2016-03-17 | 印刷装置、印刷方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2017165010A true JP2017165010A (ja) | 2017-09-21 |
Family
ID=59912447
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2016053449A Pending JP2017165010A (ja) | 2016-03-17 | 2016-03-17 | 印刷装置、印刷方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2017165010A (ja) |
-
2016
- 2016-03-17 JP JP2016053449A patent/JP2017165010A/ja active Pending
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