JP2017164905A - ノルボルネン化合物付加重合体と金属箔との積層フィルム - Google Patents

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聡 藤部
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信幸 御手洗
啓介 太田
Keisuke Ota
啓介 太田
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Abstract

【課題】透明性、耐熱性に優れ、吸湿性も極めて低い環状オレフィン付加重合体からなる積層フィルムの問題点である、金属箔との密着性を改善する。
【解決手段】一般式(1)で示されるモノマーユニットを含むノルボルネン化合物付加重合体からなるベースフィルム層と金属箔層からなる積層フィルムであって、前記ベースフィルムの少なくとも1つの表面の濡れ張力が40〜100mN/mであり、当該表面が金属箔と接触していることを特徴とする積層フィルム。
Figure 2017164905

(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R2〜R4はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、R2〜R4は、互いに結合して環を形成していてもよく、n1は0または1である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、ノルボルネン化合物付加重合体と金属箔との積層フィルムに関する。より詳しく言えば、ノルボルネン化合物付加重合体をベースフィルムとし、金属箔が積層された、透明性、耐熱性などに優れた積層フィルムに関する。
電子機器の小型軽量化、薄型化に伴って、可動部や狭小部に用いられるフレキシブルプリント配線板の需要が高まっている。さらに近年では、携帯電話、コンピュータ関連製品、携帯用ゲーム機、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、デジタルカメラなどの表示装置用デバイスの実装基板として用いるために、従来から求められている柔軟性に加えて、非回路部が透明なフレキシブルプリント配線板の必要性が増している。
フレキシブルプリント配線板の材料としては、一般に、ポリイミドフィルム/接着剤/金属箔からなる3層フレキシブル金属張積層体が知られており、特に、金属箔として銅箔を用いた3層フレキシブル銅張積層体は、汎用的に幅広く使用されている。しかし、この場合、接着剤として使用されるアクリル樹脂やエポキシ樹脂がフレキシブルプリント配線板の耐熱性に影響し、高い耐熱性を実現できない。
そこで、接着剤を使わず、ポリイミドフィルム/金属箔から構成される2層フレキシブル金属張積層体も提案され、ポリイミドワニスを銅箔にキャストしたり、熱可塑性ポリイミドと銅箔を加熱圧着によって貼り合せるなどして、ポリイミドフィルム/銅箔からなる2層フレキシブル銅張積層体が製造されている。
フレキシブルプリント配線板において配線層を絶縁する電気絶縁材料には電子部品を実装するため、はんだ耐熱性が求められることから、従来、電気絶縁材料としては芳香族ポリイミドフィルムが用いられてきた。しかし、芳香族ポリイミドフィルムは、分子内及び分子間で電荷移動錯体を形成するために着色し、透明性が低いために、表示装置用デバイスの透明フィルム基板として用いると、表示する画像の品質が著しく低下してしまう問題があった。
そこで、芳香族ポリイミドフィルム中の脂環骨格の割合を増やすことで透明性を上げる検討もなされているが(特許第4765769号公報;特許文献1)、ポリイミドフィルムは吸水率が大きく、近年の、小型化かつ高密度化が進んだ電子機器に用いるには寸法安定性が低いという問題があった。
こうした中で、近年、電気絶縁材料として、電気特性、透明性、及び吸水性に優れる環状オレフィンポリマーが提案されている。しかし、環状オレフィンポリマーは、主骨格が脂環式構造からなるために表面エネルギーが小さく、金属箔との密着が弱いという問題があった。そこで、環状オレフィンモノマーをメタセシス重合して得られる架橋環状オレフィン樹脂の表面をコロナ処理する検討もなされている(特開2014−136728号公報;特許文献2)。しかし、この架橋環状オレフィン樹脂は、メタセシス重合しているために、重合後の環状骨格の割合が低く、耐熱性が低い。すなわち、高い耐熱性と、金属箔との密着性を両立する環状オレフィン樹脂フィルムは、これまで見出されていない。
特許第4765769号公報 特開2014−136728号公報
本発明の目的は、接着剤が不要であり、柔軟性、非回路部の透明性に優れ、低吸水性や高耐熱性などの機能を有するフレキシブルプリント配線板に用いることのできる樹脂フィルムと金属箔との積層フィルムを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、特定のノルボルネン化合物付加重合体からなるベースフィルムの表面を改質して濡れ張力が40〜100mN/mの表面とし、金属箔と積層することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の[1]〜[12]のノルボルネン化合物付加重合体と金属箔との積層フィルム、及びその製造方法に関する。なお、本発明において、「フィルム」とは、厳密にはその厚さで区別される「フィルム」及び「シート」の双方を含む概念である。
一般式(1)
Figure 2017164905
(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R2〜R4はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、R2〜R4は、互いに結合して環を形成していてもよく、n1は0または1である。)
で示されるモノマーユニットを含むノルボルネン化合物付加重合体からなるベースフィルム層と金属箔層からなる積層フィルムであって、前記ベースフィルムの、金属箔層と接触する表面の濡れ張力が40〜80mN/mであることを特徴とする積層フィルム。
[2] ノルボルネン化合物付加重合体が、前記一般式(1)及び一般式(2)
Figure 2017164905
(式中、R5〜R8はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、R5〜R8は、互いに結合して環を形成していてもよく、n2は0または1である。)
で示されるモノマーユニットを含む共重合体である前項1に記載の積層フィルム。
[3] ノルボルネン化合物付加重合体が、一般式(1)及び一般式(2)で示されるモノマーユニットのみからなるノルボルネン化合物付加重合体である前項1または2に記載の積層フィルム。
[4] ノルボルネン化合物付加重合体が一般式(1)で示されるモノマーユニットのみからなるノルボルネン化合物付加重合体である前項1に記載の積層フィルム。
[5] 一般式(1)が、式(A)
Figure 2017164905
で示されるモノマーユニットである前項1〜4のいずれかに記載の積層フィルム。
[6] 一般式(2)が、式(B)
Figure 2017164905
で示されるモノマーユニットである前項1〜3、5のいずれかに記載の積層フィルム。
[7] 金属箔が銅箔、金箔、銀箔、ステンレス箔、アルミニウム箔、ニッケル箔、クロム箔のいずれかである前項1〜6のいずれかに記載の積層フィルム。
[8] 金属箔が、銅箔である前項7に記載の積層フィルム。
[9] 金属箔がエッチングされてフレキシブルプリント配線板用の回路が形成されている前項1〜8のいずれかに記載の積層フィルム。
[10] 表示装置用デバイスの実装基板である前項9に記載の積層フィルム。
[11] 一般式(1)
Figure 2017164905
(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R2〜R4はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、R2〜R4は、互いに結合して環を形成していてもよく、n1は0または1である。)
で示されるモノマーユニットを含むノルボルネン化合物付加重合体からなるベースフィルムの少なくとも一つの表面を改質して濡れ張力を40〜100mN/mとし、表面改質された面と金属箔とを加熱圧着して積層することを特徴とする積層フィルムの製造方法。
[12] 表面改質の方法が、コロナ処理、プラズマ処理またはアルカリ処理である前項11に記載の積層フィルムの製造方法。
本発明のノルボルネン化合物付加重合体と金属箔とからなる積層フィルムは、非回路部の優れた透明性及び光学特性の他、低吸水性、高耐熱性などの機能を有し、表示用デバイスのフレキシブルプリント配線板の材料として有用である。
本発明の積層フィルムは、特定の置換基を有するノルボルネン化合物単量体を繰返し単位として有するノルボルネン化合物付加重合体からなるベースフィルム層と金属箔層からなる積層フィルムであって、前記ベースフィルムの少なくとも1つの表面の濡れ張力が40〜100mN/mであり、当該表面が金属箔と接触していることを特徴とする。
[ノルボルネン化合物付加重合体]
本発明のベースフィルムを得るためのノルボルネン化合物付加重合体は、一般式(1)で示されるモノマーユニットを含むノルボルネン化合物付加重合体である。
Figure 2017164905
式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R2〜R4は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、R2〜R4は、互いに結合して環を形成していてもよく、n1は0または1である。
一般式(1)におけるR1が表す炭素数1〜10のアルキル基は直鎖状でも分岐していてもよい。直鎖状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基等が挙げられる。分岐を有するアルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ネオペンチル基、イソヘキシル基、イソオクチル基、イソデシル基等が挙げられる。これらの中では、経済性の面から炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が好ましく、モノマー製造コストの観点からメチル基が特に好ましい。
一般式(1)におけるR2〜R4は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表す。炭素数3〜10のアルキル基の場合は分岐していてもよい。これらのアルキル基としては前述のR1のアルキル基と同様のものが挙げられる。これらの中でも、モノマー製造コストの観点から水素原子が好ましい。また、R2〜R4は、互いに結合して環を形成していてもよい。n1は0または1である。モノマー製造コストの観点から、n1は0が望ましい。
なお、R2〜R4が水素原子であり、n1が0の場合、一般式(1)で示されるモノマーユニットの基本になるノルボルネン類は、R1が炭素数1のアルキル基のとき、2−アセトキシメチル−5−ノルボルネン、R1が炭素数2のアルキル基のとき、2−[(エチルカルボニルオキシ)メチル]−5−ノルボルネン、R1が炭素数3の直鎖状のアルキル基のとき、2−[(プロピルカルボニルオキシ)メチル]−5−ノルボルネンとなる。
さらに、本発明のベースフィルムを得るためのノルボルネン化合物付加重合体は、前記一般式(1)及び下記一般式(2)で示されるモノマーユニットを含むノルボルネン化合物付加重合体でもよい。
Figure 2017164905
式中、R5〜R8はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、R5〜R8は、互いに結合して環を形成していてもよく、n2は0または1である。
一般式(2)におけるR5〜R8は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、炭素数3〜10のアルキル基の場合は分岐していてもよい。これらのアルキル基としては前述の一般式(1)におけるR1のアルキル基と同様のものが挙げられる。また、R5〜R8は、互いに結合して環を形成していてもよい。
これらの中でも、R5〜R8としては、モノマー製造コストの観点から、水素原子が好ましい。n2は0または1である。モノマー製造コストの観点から、n2は0が望ましい。R5〜R8が水素原子であり、n2が0の場合、一般式(2)で示されるモノマーユニットの基本になるノルボルネン類は2−ノルボルネンとなる。
一般式(1)及び一般式(2)で示されるモノマーユニットから構成されるノルボルネン系共重合体をフィルム、シート等へ成形する際に必要となる溶媒への適度な溶解性と低吸水性を両立させる観点から、一般式(1)で示されるモノマーユニットの含有量は10〜80モル%が好ましく、15〜70モル%がより好ましく、20〜60モル%がさらに好ましい。なお、一般式(1)で示されるモノマーユニットの含有量は粉末状もしくはフィルム状の共重合体を適当な重水素化溶媒に溶解させ、1H−NMRを測定し、その積分値より算出することができる。
さらに、一般式(1)で示されるモノマーユニットを含むノルボルネン化合物付加重合体からなるベースフィルムとして、さらに一般式(3)で示されるモノマーユニットを含むノルボルネン化合物付加重合体、もしくは、一般式(2)と一般式(3)で示されるモノマーユニットの両方を含むノルボルネン化合物付加重合体からなるフィルムも好ましい。
Figure 2017164905
式中、R9〜R12は、それぞれ独立して、水素原子;ハロゲン原子;窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ハロゲン原子もしくはケイ素原子を含む官能基;ハロゲン原子もしくは前記官能基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。ただし、R9〜R12すべてが水素原子とはならない。また、R9〜R12は、互いに結合して環を形成していてもよい。n3は0または1である。
一般式(3)におけるR9〜R12としては、具体的には、水素原子;塩素原子、臭素原子、フッ素原子等のハロゲン原子;水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、カルボニル基、ヒドロキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、及びアリールオキシカルボニル基等の酸素原子を含む官能基;アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アミノカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、アリールアミノカルボニル基、及びシアノ基等の窒素原子を含む官能基;メルカプト基、アルコキシチオ基、及びアリールオキシチオ基等の硫黄原子を含む官能基;シリル基、アルキルシリル基、アリールシリル基、アルコキシシリル基、及びアリールオキシシリル基等のケイ素原子を含む官能基を挙げることができる。また、これらの官能基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基(例えば、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基など)、アルケニル基、及びアリール基等の炭化水素基も挙げられる。ただし、R9〜R12すべてが水素原子とはならない。さらに、R9〜R12は、互いに結合して環を形成してもよい。このような例としては、酸無水物構造、カーボネート構造、ジチオカーボネート構造等を挙げることができる。
一般式(3)で示されるモノマーユニットの基本になるノルボルネン類は、nが0であるビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン及びnが1であるテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エンが好ましい。
本発明のベースフィルムとなるノルボルネン付加重合体は、基本的にはノルボルネン類のみで構成されることが好ましい。ただし、この場合であっても本発明のノルボルネン付加重合体の性質をほとんど変化させないような微少量、例えば1モル%以下の第3のモノマーユニットの存在を除外するものではない。また、本発明の製造方法で製造されるノルボルネン付加重合体は物性改良のため、本発明の効果を損なわない範囲で第3のモノマーを共重合させていてもよい。
第3のモノマーには特に制限はないが、エチレン性炭素−炭素二重結合を有するモノマーが好ましく、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン及び1−ヘキセン等のα−オレフィン類;スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物類;1,3−ブタジエン、イソプレン等の鎖状共役ジエン類;エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル等のビニルエーテル類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアクリレート類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート等のメタクリレート類等を挙げることができる。中でも、エチレン、プロピレン、1−ヘキセンのようなα−オレフィン類やスチレンのような芳香族ビニル化合物類が特に好ましい。
本発明のフィルムに使用されるノルボルネン付加重合体において、各モノマーユニットの共重合様式は重合条件により、ランダム、ブロック、交互のいずれをもとり得るが、共重合体の物性向上の観点からは、ランダムであることが望ましい。
本発明の製造方法で製造されるノルボルネン付加重合体のゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算数平均分子量(Mn)は50,000〜2,000,000が好ましく、100,000〜1,500,000がより好ましい。ポリスチレン換算数平均分子量が50,000未満であると機械強度が不十分である。ポリスチレン換算数平均分子量が2,000,000を超えると、キャストフィルムを成形する際に溶媒への溶解度が低下するばかりでなく、溶液粘度が高くなり、成形加工性が低下する。また、分子量分布Mw/Mn(重量平均分子量/数平均分子量)は、1.00〜4.00が好ましく、1.30〜3.50がより好ましく、1.50〜3.30がさらに好ましい。分子量分布が広いとキャストフィルム成形時の溶液が均一になりにくいため、良好なフィルムが作製しにくくなる。
本発明のノルボルネン化合物付加重合体の中では、一般式(1)で示されるモノマーユニットのみからなる重合体も好ましい。一般式(1)で示されるモノマーユニットは製造コストの観点から、以下の式(A)で示されるものがより好ましい。
Figure 2017164905
本発明のノルボルネン化合物付加重合体が、一般式(2)で示されるモノマーユニットを有する場合、一般式(2)で示されるモノマーユニットは製造コストの観点から、以下の式(B)で示されるものがより好ましい。
Figure 2017164905
[ノルボルネン化合物付加重合体の製造]
本発明のフィルムに使用されるノルボルネン化合物付加重合体は、重合用触媒の存在下に、ノルボルネン系モノマーを付加重合することにより製造することができる。
その製造方法は、(i)ノルボルネン系モノマー1種類のみを付加重合することにより、ノルボルネン系モノマーの単独付加重合体を得る方法、(ii)ノルボルネン系モノマー2種類以上を付加共重合することにより、ノルボルネン系モノマーの付加共重合体を得る方法、(iii)ノルボルネン系モノマー1種類以上とノルボルネン系モノマーと共重合可能な他のビニルモノマー1種類以上とを付加共重合することにより、ノルボルネン系モノマーの付加共重合体を得る方法のいずれかである。
一般式(1)で示される骨格を有するポリマーは、一般式(4)で示されるノルボルネン化合物を付加重合することにより製造することができる。
Figure 2017164905
式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R2〜R4はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、R2〜R4は、互いに結合して環を形成していてもよい。n1は0または1である。
具体的には、2−アセトキシメチル−5−ノルボルネン等のアセトキシメチル基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン類、4−アセトキシメチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン等のアセトキシメチル基を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン類が例示される。
一般式(2)で示される骨格を有するポリマーは、一般式(5)で示されるノルボルネン化合物を付加重合することにより製造することができる。
Figure 2017164905
式中、R5〜R8はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、また、R5〜R8は、互いに結合して環を形成していてもよい。n2は0または1である。
具体的には、2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−n−ブチル−2−ノルボルネン、5−n−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−n−デシル−2−ノルボルネン、5−シクロヘキシル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−2−ノルボルネン、5−ベンジル−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエン、テトラシクロ[9.2.1.02,10.03,8]テトラデカ−3,5,7,12−テトラエン、テトラシクロ[10.2.1.02,11.04,9]ペンタデカ−4,6,8,13−テトラエン等の無置換または炭化水素基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン類、
テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−n−ブチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−シクロヘキシルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−エチリデンテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−ビニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン、9−フェニルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン等の無置換または炭化水素基を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−4−エン類が例示される。
一般式(3)で示される骨格を有するポリマーは、一般式(6)で示されるノルボルネン化合物を付加重合することにより製造することができる。
Figure 2017164905
式中、R9〜R12は、それぞれ独立して、水素原子;ハロゲン原子;窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ハロゲン原子もしくはケイ素原子を含む官能基;ハロゲン原子もしくは前記官能基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。ただし、R9〜R12すべてが水素原子とはならない。また、R9〜R12は、互いに結合して環を形成していてもよい。n3は0または1である。
具体的には、5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸エチル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸n−ブチル、2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチル、2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸エチル、2−メチル−5−ノルボルネン−2−カルボン酸n−ブチル、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸メチル、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸エチル等のアルコキシカルボニル基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン類;テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸エチル、4−メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸メチル、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸メチル、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸エチル等のアルコキシカルボニル基を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン類;
5−ノルボルネン−2−カルボン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸等のヒドロキシカルボニル基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン類;テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボン酸、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸等のヒドロキシカルボニル基を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン類;
2−ヒドロキシ−5−ノルボルネン、2−ヒドロキシメチル−5−ノルボルネン、2,2−ジ(ヒドロキシメチル)−5−ノルボルネン、2,3−ジ(ヒドロキシメチル)−5−ノルボルネン等のヒドロキシル基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン類;テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−オール、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−メタノール、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジメタノール等のヒドロキシル基を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン類;
2−アセトキシ−5−ノルボルネン、2−アセトキシメチル−5−ノルボルネン、2,2−ジ(アセトキシメチル)−5−ノルボルネン、2,3−ジ(アセトキシメチル)−5−ノルボルネン等のアセトキシル基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン類;4−アセトキシテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4−アセトキシメチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4,5−ジ(アセトキシメチル)テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン等のアセトキシル基を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン類;
5−ノルボルネン−2−カルボニトリル、5−ノルボルネン−2−カルボキサミド等の窒素原子を含む官能基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン類;テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボニトリル、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4−カルボキサミド等の窒素原子を含む官能基を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン類;
2−クロロ−5−ノルボルネン、2−フルオロ−5−ノルボルネン等のハロゲン原子を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン類;4−クロロテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4−フルオロテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン等のハロゲン原子を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン類;
2−トリメチルシロキシ−5−ノルボルネン、2−トリメトキシシリル−5−ノルボルネン、2−トリス(トリメトキシシリロキシ)シリル−5−ノルボルネン等のケイ素原子を含む官能基を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン類;4−トリメチルシロキシテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4−トリメトキシシリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン、4−トリス(トリメトキシシリロキシ)シリルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン等のケイ素原子を含む官能基を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン類;
5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−カーボネート、5−ノルボルネン−2,3−ジチオカーボネート等の酸無水物構造、カーボネート構造、ジチオカーボネート構造を有するビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン類;テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジカルボン酸無水物、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−カーボネート、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン−4,5−ジチオカーボネート等の酸無水物構造、カーボネート構造、ジチオカーボネート構造を有するテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ−9−エン類等を挙げることができる。
本発明に使用するノルボルネン化合物付加重合体を得るための重合触媒は、特に限定されない。具体例としては、特開2012−77284号公報記載のπ−アリル配位子を有する1991年版周期表第8族元素、第9族元素、及び第10族の遷移金属と、2座配位子であるサリチルアルジミンとからなる重合触媒を好適なものとして挙げることができる。
重合触媒は単独で用いてもよいし、助触媒、ホスフィン系配位子を同時に用いてもよい。
重合反応は塊状重合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合、沈殿重合等で行うことができる。
[ノルボルネン化合物付加重合体からなるベースフィルム]
本発明に用いるノルボルネン付加重合体からなるベースフィルムの23℃における飽和吸水率は、0.1質量%以下が好ましい。より好ましくは0.001〜0.1質量%、さらに好ましくは0.001〜0.05質量%である。飽和吸水率がこの範囲内であると、各種光学特性、例えば透明性、位相差、位相差の均一性、及び寸法精度が、高温多湿のような条件下でも維持され、金属箔などの他材料との密着性や接着性に優れるため使用中に剥離等が発生しない。なお、上記飽和吸水率はJIS K7209に準拠し、23℃水中で24時間浸漬して増加質量を測定することにより求められる値である。
本発明のノルボルネン化合物付加重合体からなるベースフィルムの、動的粘弾性測定のtanδピーク温度として定義されるガラス転移温度は、好適には、200℃以上、より好ましくは230℃以上、さらに好ましくは250℃以上である。
本発明のノルボルネン化合物付加重合体からなるフィルムは、一般溶剤に対する溶解性に優れる。例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素等に可溶である。
従って、ノルボルネン化合物付加重合体をこれらの溶剤の溶液とし、これら溶液から容易にフィルムを形成することができる。
本発明のノルボルネン化合物付加重合体からなるベースフィルムは、ノルボルネン化合物付加重合体のみからなるものでもよく、ノルボルネン化合物付加重合体と他の透明樹脂(例えば、環状オレフィン付加重合体、水素化された環状オレフィン開環重合体、α−オレフィンと環状オレフィンとの付加共重合体、結晶性のα−オレフィン重合体、さらにゴム状のエチレンと炭素数が3以上のα−オレフィンとの共重合体、水素化されたブタジエン重合体、水素化されたブタジエン・スチレンブロック共重合体、水素化されたイソプレン重合体等)との任意の割合の混合物からなるものでもよい。ただし、ノルボルネン化合物付加重合体の含有量は80質量%以上、好ましくは90質量%以上であることが好ましい。
ノルボルネン化合物付加重合体からなるベースフィルムを形成するに際し、必要に応じて各種の添加剤を配合してもよい。
このような添加剤としては、充填材、酸化防止剤、蛍光体、紫外線吸収剤、金属害防止剤、帯電防止剤、光安定剤、近赤外線吸収剤、染料や顔料等の着色剤、滑剤、可塑剤、難燃剤、架橋剤等が挙げられる。
充填材としては、ケイ素、チタン、アルミニウム、ジルコニウム等の金属の酸化物等;カーボンナノチューブ、フラーレン等のナノ炭素材料等を例示することができる。
酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤を例示することができる。
本発明のフィルムに用いるノルボルネン化合物付加重合体は、ノルボルネン化合物付加重合体100質量部に対して0.1〜5質量部の酸化防止剤を含有することが好ましい。酸化防止剤の量は、ノルボルネン化合物付加重合体100質量部に対して0.2〜4質量部であることがより好ましく、0.5〜4質量部であることがさらに好ましい。酸化防止剤の量が少なすぎると、本発明の効果が十分に得られない場合がある。他方、酸化防止剤の量が多すぎると、フィルムの形成工程や形成後の加熱処理時に酸化防止剤が飛散し、フィルム製造装置や加熱処理装置を汚染するおそれがあり、経済的にも不利となる。また、フィルムから酸化防止剤がブリーディングする可能性もある。
酸化防止剤は、少なくともヒンダードフェノール系酸化防止剤を含んでいることが好ましい。また、ヒンダードフェノール系酸化防止剤以外の酸化防止剤の量がヒンダードフェノール系酸化防止剤の量より多いことが好ましい。ヒンダードフェノール系酸化防止剤以外の酸化防止剤の量がヒンダードフェノール系酸化防止剤の量と等しいか、少ないときは、酸化防止効果が低下する問題を生じる。
なお、酸化防止剤として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤以外の酸化防止剤100質量部に対して、ヒンダードフェノール系酸化防止剤を1〜99質量部併用すると、熱寸法安定性が高いフィルムが得られ易くなるため好ましく、ヒンダードフェノール系酸化防止剤以外の酸化防止剤とヒンダードフェノール系酸化防止剤との質量比(ヒンダードフェノール系酸化防止剤以外の酸化防止剤/ヒンダードフェノール系酸化防止剤)が、1.5以上であることが特に好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤の具体例としては、特開2014−195988号公報記載のものが挙げられ、中でも、アルキル置換ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましく、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンが特に好ましい。
これらのヒンダードフェノール系酸化防止剤は、1種類用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明で使用しうるヒンダードフェノール系酸化防止剤以外の酸化防止剤は、特に限定されない。具体例としては、リン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤及びイオウ系酸化防止剤を挙げることができる。これらのうち、熱寸法安定性の高いフィルムが得られることから、リン系酸化防止剤が好ましい。
リン系酸化防止剤としては、通常使用されるものであればよく、具体例としては、特開2014−195988号公報記載のものが挙げられ、中でも、モノホスファイト系化合物が好ましく、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト)が特に好ましい。これらのリン系酸化防止剤は、1種類用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤と同様にラジカル捕捉作用や連鎖移動剤移動作用を有する酸化防止剤として、ラクトン系酸化防止剤やアミン系酸化防止剤を併用することができる。
ラクトン系酸化防止剤の具体例としては、5,7−ジ−t−ブチル−3−(3,4−ジメチルフェニル)−3H−ベンゾフラン−2−オン等が挙げられる。
これらのラクトン系酸化防止剤は、1種類用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
アミン系酸化防止剤の具体例としては、特開2014−195988号公報記載のものが使用できる。これらのアミン系酸化防止剤は、1種類用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、リン系酸化防止剤と同様に過酸化物分解作用を有する酸化防止剤として、イオウ系酸化防止剤を併用することができる。
イオウ系酸化防止剤の具体例としては、特開2014−195988号公報記載のものが使用できる。これらのイオウ系酸化防止剤は、1種類用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のベースフィルムに用いるノルボルネン化合物付加重合体は、酸化防止剤分散性向上剤を含んでいることが好ましい。この酸化防止剤分散性向上剤は、ノルボルネン化合物付加重合体と相溶して、酸化防止剤の分散性を向上させる。
酸化防止剤分散性向上剤の量は、ノルボルネン化合物付加重合体100質量部に対して0.1〜5質量部が好ましく、より好ましくは0.2〜5質量部、さらに好ましくは0.4〜4質量部である。この量が0.1質量部未満であると、本発明の効果が十分に得られない場合がある。5質量部を超えると、フィルムの形成工程や形成後の加熱処理時に酸化防止剤分散性向上剤が飛散し、フィルム製造装置や加熱処理装置を汚染する。さらに、ノルボルネン化合物付加重合体に対して可塑剤として強く働き、成形品の耐熱性が著しく低下する。
酸化防止剤分散性向上剤としては、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル、リン酸エステル、脂肪族エーテル及び芳香族エーテルのいずれをも使用できるが、カルボン酸エステルが好ましい。これらの分散剤は、1種類用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
酸化防止剤分散性向上剤として使用し得るカルボン酸エステルの具体例としては、特開2014−195988号公報記載のものが使用でき、その中でも、フタル酸モノエステルまたはジエステル系化合物やトリメリット酸エステル系化合物などの芳香環を有するエステル系化合物が好ましく、フタル酸ジエステル系化合物が特に好ましい。
酸化防止剤分散性向上剤として使用し得るスルホン酸エステルの具体例としては、アルキルスルホン酸フェニルエステル等が挙げられる。
酸化防止剤分散性向上剤として使用し得るリン酸エステルの具体例としては、特開2014−195988号公報記載のものが使用できる。
酸化防止剤分散性向上剤として使用し得る脂肪族エーテルの具体例としては、ジペンチルエーテル等が挙げられる。
酸化防止剤分散性向上剤として使用し得る芳香族エーテルの具体例としては、1,2−ジフェノキシエタン、1,4−ジフェノキシエタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、1−フェノキシ−2−(4−クロロフェノキシ)エタン、1−フェノキシ−2−(4−メトキシフェノキシ)エタン等が挙げられる。
これらの酸化防止剤分散性向上剤は、使用する酸化防止剤との組み合わせを勘案して適宜選定すればよいが、常温、常圧において、液状、かつ沸点が200℃以上の化合物であることが好ましい。このような条件を充たす具体的な化合物として、特開2014−195988号公報に記載のものが挙げられる。
酸化防止剤及び酸化防止剤分散性向上剤の合計量は、ノルボルネン化合物付加重合体100質量部に対して、好ましくは0.2〜10質量部、さらに好ましくは2〜9質量部である。この量が少なすぎると、本発明の効果が十分に得られない場合がある。多すぎる場合には、フィルムの形成工程や形成後の加熱処理時に酸化防止剤または酸化防止剤分散性向上剤が飛散し、熱寸法変化率が大きくなったり、フィルム製造装置や加熱処理装置を汚染したりする。さらに、ノルボルネン化合物付加重合体に対して可塑剤として強く働き、成形品の耐熱性が著しく低下する。
蛍光体は、光を受けて励起し、励起波長よりも長い波長の光を発光するものであり、例えば、光学素子を封止する場合に、光学素子が発光する青色領域から紫外線領域の波長を受けて、可視領域の波長を発光させるのに用いられる。
紫外線吸収剤としては、特に制限はなく、一般に用いられているものが挙げられるが、中でも、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤が好ましく、特に、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤が好ましい。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
金属害防止剤は、銅イオン等の金属イオンと不活性な錯化合物を形成することによって、銅等の金属材料と接触した樹脂の着色劣化分解を抑制するために添加するものである。通常使用されるものであればよく、株式会社アデカ製アデカスタブ(登録商標)CDA−1などの市販の銅害防止剤を用いることができる。金属害防止剤は、1種類用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの添加剤の配合方法は、特に限定されない。
上記以外の添加剤については、公知汎用のものを適宜使用することができる。
ノルボルネン化合物付加重合体からなるベースフィルムは、溶液キャスト法、溶融押出し法などの公知の成形方法により得ることができる。具体的には、特開2014−195988号公報記載の方法が使用できる。
ベースフィルムの厚さは、使用目的によって適切な値を選択する。通常は、1〜1,000μm、好ましくは2〜500μmである。フィルムの厚さがこの範囲内であるとき、フィルム形成に要する時間が短く、得られるフィルムは強度に優れている。
本発明のノルボルネン化合物付加重合体からなるベースフィルムは無色であり、全光線透過率が、70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上であるので、光学用材料及び表示素子用部材として好適に使用することができる。
本発明の積層フィルムは、前記ノルボルネン化合物付加重合体からなるベースフィルムの少なくとも1つの表面の濡れ張力が40〜100mN/mであり、その表面が金属箔と接触、接着された積層フィルムである。濡れ張力は表面エネルギーを評価する尺度であり、JIS K6768に開示されている方法で求める。
ベースフィルムの濡れ張力は、40〜80mN/mであることが好ましく、55〜75mNであることがさらに好ましい。ベースフィルムの濡れ張力が40m〜100N/mの範囲内であれば、金属箔との密着が強固になる。
本発明において、表面の濡れ張力が40〜100mN/mであるベースフィルムはフィルム表面を改質することにより得ることができる。表面改質の方法には、コロナ処理、プラズマ処理、酸処理またはアルカリ処理が挙げられる。これらの方法は、一つの方法を単独で用いてもよく、いくつかの方法を組み合わせて用いてもよい。
[コロナ処理]
コロナ処理は、通常使用される方法であれば格別の限定はない。電極の構造は特に限定されず、ワイヤー電極、平面電極、ロール電極などを用いることができる。
電極の材質は特に限定されず、鉄、銅、アルミなどを用いることができる。また、放電を均一にするために、ノルボルネン化合物付加重合体からなるベースフィルムと電極との間に誘電体を挟んでコロナ処理を行ってもよい。
電極と、ノルボルネン化合物付加重合体からなるベースフィルムとの間の距離は、0.5〜10mmであることが好ましい。0.5mm未満では、フィルムと電極との距離が近過ぎるために、搬送時にフィルムが電極に接触してフィルムに傷が入る。また、10mmを超えると印加電圧が高くなり、均一な放電ができなくなる。
コロナ放電処理の出力は、0.02〜5kWであることが好ましい。0.02kW未満では、十分な表面改質がなされない。また、5kWを超えると、フィルム表面へのダメージが大きくなり、フィルムの透明性が損なわれる。
コロナ処理の回数は、1〜3回が好ましい。回数が4回以上となると、製造コストが高くなる。
コロナ処理の密度は、1〜1000W・min/m2が好ましく、5〜500W・min/m2がより好ましく、10〜300W・min/m2が特に好ましい。1W・min/m2未満であると、十分な表面改質がなされない。また、1000W・min/m2を超えると、フィルム表面へのダメージが大きくなり、フィルムの透明性が損なわれる。
コロナ処理の周波数は、1〜100kHzが好ましく、5〜80kHzがより好ましく、10〜50kHzが特に好ましい。1kHz未満であると、コロナ放電が均一に行われず、得られるノルボルネン化合物付加重合体からなるベースフィルムの濡れ張力が不均一になる。また、100kHzを超えると、安定した処理を行うために出力が上げなくてはならず、この結果としてフィルム表面へのダメージが大きくなる。
コロナ処理は、空気中で行ってもよいし、不活性ガス中で行ってもよい。不活性ガスの具体例としては、ヘリウム、アルゴン、窒素等が挙げられる。これらのガスは、混合して用いてもよい。
[プラズマ処理]
プラズマ処理は、通常使用される公知の方法を用いることができ、真空グロー放電処理、大気圧グロー放電処理、フレームプラズマ処理などが挙げられる。工程を簡略にする観点から、大気圧グロー放電処理が好ましい。
グロー放電処理では、プラズマ励起性気体の中に相対して置かれた電極の間に処理するフィルムを置き、さらに電極間に高周波電圧を印加し、気体をプラズマ励起させて電極間でグロー放電を行うことで表面改質を行う。
プラズマ励起性気体の具体例としては、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン等の希ガス;窒素ガス;二酸化炭素;テトラフルオロメタンのようなフロン類及びそれらの混合物;アルゴン、ネオンなどの不活性ガスに、カルボキシル基、水酸基、カルボニル基などの極性官能基を付与し得る反応性ガスを加えたものなどが挙げられる。なお、プラズマ励起性気体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を任意の比率で組み合わせて用いてもよい。
電極間に印加する高周波電圧の周波数は、1〜100kHzの範囲が好ましく、電圧の大きさは、電極に印加した時の電界強度が1〜1000kV/cmとなる範囲になるようにすることが好ましい。
[酸処理、アルカリ処理]
酸処理またはアルカリ処理は、酸性またはアルカリ性水溶液中にノルボルネン化合物付加重合体からなるベースフィルムを浸漬させ、その後、水で洗浄し、さらに乾燥させることにより、表面改質されたフィルムを得る方法である。
以上の表面改質方法の中では、工程を短縮し、製造コストを下げる観点から、プラズマ処理、コロナ処理がより好ましい。
[金属箔]
本発明の積層フィルムに使用する金属箔の具体例は、銅箔、金箔、銀箔、ステンレス箔、アルミニウム箔、ニッケル箔、クロム箔、スチール箔等であり、これらを複合した複合金属箔や、亜鉛やクロム化合物など他の化合物で処理した金属箔を用いることもできる。
金属箔としては、コストの観点から銅箔が好ましい。銅箔は、圧延銅箔を用いてもよいし、電解銅箔を用いてもよいが、コストの点で電解銅箔が好ましい。
金属箔の厚みは、特に限定はないが、3〜50μmが好ましく、5〜20μmが特に好ましい。3μmよりも薄くなると、金属箔の腰がなくなるために、積層時にシワが発生しやすくなり、50μmよりも厚くなると、エッチング後の配線のファインピッチ化が困難になる。
金属箔の表面には、密着性を向上させる目的で、粗化粒子層やシランカップリング層を形成していてもよい。粗化粒子層は、金属箔の表面に微細な金属粒子をめっきによって析出させることにより形成できる。また、シランカップリング層は、オレフィン系シラン、エポキシ系シラン、アクリル系シランなどのシランカップリング剤を塗布することにより形成できる。
また、耐酸性や防錆性を向上させる目的で、単体の金属または金属酸化物からなる無機層を形成してもよい。無機層は、代表的には、亜鉛または酸化亜鉛とクロム酸化物よりなる層であり、K2Cr27、Na2Cr27等の重クロム酸塩やCrO3等の少なくとも1種と、水溶性亜鉛塩、例えばZnO、ZnSO4・7H2Oなどの少なくとも1種と、水酸化アルカリとの混合水溶液を用いためっきにより形成できる。
[積層フィルムの製造方法]
本発明の積層フィルムは、前記ノルボルネン化合物付加重合体からなるベースフィルムの少なくとも1つの表面が親水性であり、その面が金属箔層と接着、積層されている。ベースフィルムの片面のみを表面改質して、親水性化し、その表面改質した面のみを金属箔層と積層してもよいし、ベースフィルムの両面を表面改質して、その表面改質した両面を共に金属箔層と積層してもよい。
また、金属箔層は、必ずしもベースフィルムのすべての面を覆っていなくてもよい。
本発明では、金属箔層を積層する方法で接着剤を使わず、加熱圧着によりノルボルネン化合物付加重合体からなるベースフィルムと積層する。
[加熱圧着]
ベースフィルムと金属箔と加熱圧着する方法は、通常使用される公知の方法を用いることができる。ロール状に巻き取られたベースフィルムと、ロール状に巻き取られた金属箔とをロール・ツー・ロール(roll to roll)で連続的に加熱圧着してもよいし、枚葉のベースフィルムと、枚葉の金属箔とをバッチ式に加熱圧着してもよい。また、一方がロールで、一方が枚葉であってもよい。製造コストの観点から、ロール・ツー・ロールで連続的に加熱圧着する方法が好ましい。
ロール・ツー・ロールで連続的に加熱圧着する方法としては、ロールラミネート装置やダブルベルト装置などを用いることができる。
ロールラミネート装置とは、少なくとも一対の高温に加熱できるロール同士を、狭小な間隔で平行に並べ、それらのロールの間に圧力をかけながらフィルム等を通すことで加熱圧着する機構を有する装置である。加熱方法としては、熱媒循環方式、誘導加熱方式、熱風加熱方式等を使用することができる。
ダブルベルトプレスとは、少なくとも一対のエンドレスベルトが狭小な間隔で対向して設置され、それらのエンドレスベルトの温度を、単一の領域または複数の領域に分割して加熱または冷却することができる装置であり、エンドレスベルトの間に圧力をかけながらフィルム等を通すことで加熱圧着する。加熱方法としては、熱媒循環方式、誘導加熱方式、及び熱風加熱方式などを使用することができる。また、冷却方式としては、冷媒循環方式、冷風冷却方式などを使用することができる。また、加圧方式としては、線圧方式及び面圧方式のいずれでもよい。線圧方式としては、プレスロール加圧方式などが挙げられる。面圧方式としては、空気加圧方式やオイル加圧方式などが挙げられる。
枚葉で加熱圧着する方法としては、上記のロールラミネート方式やダブルベルトプレス方式の他、一般的な平板成形に使用される公知の熱プレス機を使用することができる。
加熱圧着の温度は、一般には、150〜350℃、好ましくは180〜300℃、特に好ましくは200〜280℃である。温度が150℃より低いと、ベースフィルムと金属箔が十分に密着せず、温度が350℃より高いとベースフィルムが熱分解を起こし、光学物性が低下する。
加熱圧着の圧力は、0.1〜30MPaが好ましく、0.5〜20MPaがより好ましく、1〜10MPaが特に好ましい。圧力が0.1MPa未満であると、十分に密着しないことがある。また、20MPaを超えると、ベースフィルムが破断することがある。
圧着時間は、0.1〜3000秒が好ましく、1〜1000秒がより好ましく、10〜500秒が特に好ましい。0.1秒未満の時間では十分に密着しないことがある。また、3000秒を超えると、製造コストが高くなる。
圧着は、空気中で行ってもよいし、窒素ガス、アルゴンなどの不活性ガス中で行ってもよい。また、真空または減圧下で圧着を行ってもよい。
本発明の積層フィルムは、ベースフィルム、積層する金属箔の他に、その他の金属箔、金属板など、その他の材料と共に加熱圧着を行ってもよい。例えば、ベースフィルムの一方を表面改質し、金属箔/ベースフィルム/金属箔の順に重ねて加熱圧着することもできる。これにより、表面改質した側には金属箔層が強く接着し、表面改質しなかった側には金属箔層が弱く接着する。弱く接着した側の金属箔層は、本発明の積層フィルムに剛性を与え、ロール・ツー・ロールで搬送する際にシワが入りにくくなるなど、取扱いを容易にする効果があり、不要になった段階で容易に剥離することができる。
本発明においては、表面改質処理されたノルボルネン化合物付加重合体からなるベースフィルムと金属箔との180度剥離強度が一定の範囲に制御されていることが好ましい。180度剥離強度は、JIS K6854−2に開示されている方法で求める。
ベースフィルムと金属箔の180度剥離強度は、0.45〜1.50N/mmであることが好ましく、0.50〜1.00N/mmであることがより好ましく、0.55〜0.80N/mmであることがさらに好ましい。180度剥離強度が0.45N/mm以上であれば、ベースフィルムと金属箔との密着性が良好で、電子部品の実装工程中に金属箔が剥がれるなどの不具合が生じない。180度剥離強度を1.50N/mm以下とすれば、表面改質処理が弱くてすむため、ベースフィルムの透明性が下がる不具合が生じにくくなる。
180度剥離強度は、コロナ処理の密度などの表面改質の条件や、温度や圧力などの加熱圧着の条件を変えることによって、制御することができる。
[機能性層を有する積層フィルム]
本発明の積層フィルムは、金属箔層の他に、その他の慣用の機能層、例えば、ハードコート層、透明導電層、ガスバリア層、応力緩和層、反射防止層、光学調整層、アンチニュートンリング層、アンチグレア層、マット剤層、保護層、帯電防止層、平滑化層、密着改良層、遮光層、防曇層、防汚層、被印刷層、抗菌層、カラーフィルター層等を積層したものであってもよい。
これらの機能性層は、ベースフィルムの、金属箔層を積層していない表面に積層してもよいし、金属箔層の上に積層してもよい。また、複数の機能性層を組み合わせ積層してもよい。さらに、機能性層は、必ずしもベースフィルム、金属箔層、その他の機能性層のすべてを覆って積層されていなくてもよい。また、各層の間に、接着層やプライマー層を設けてもよい。
[フレキシブルプリント配線板]
本発明の積層フィルムを用いることで、高い耐熱性、柔軟性、及び非配線部の透明性を持つフレキシブルプリント配線板を得ることができる。フレキシブルプリント配線板は、本発明の積層フィルムの金属箔に所望の回路をパターニングし、次にエッチング・水洗乾燥処理を行うことで得ることができる。これらの方法には公知の方法を用いることができ、例えば、国際公開第2013/187420号パンフレットに記載されている方法を用いることができる。
[ハードコート層]
本発明の積層フィルムは、表面平滑性の向上、表面硬度を向上させる目的でハードコート層を有してもよい。このハードコート層はノルボルネン化合物付加重合体からなるベースフィルムの表面や、その他の機能層の表面に積層してもよい。さらに、ハードコート層の表面に、その他の機能性層を積層してもよい。
ハードコート層の構成材料や積層方法は、公知の方法を使用することができ、例えば特開2014−195988号公報記載の構成材料や積層方法を使用することができる。また、例えば国際公開第2015/174403号パンフレットに記載のハードコート転写PETを使用してハードコート層を積層してもよい。
ハードコート層の表面硬度は、JIS K5400で示す鉛筆硬度試験で「H」以上を示すことが好ましい。
ハードコート層の厚さは、好ましくは0.5〜30μm、より好ましくは3〜15μmである。ハードコート層の厚さが薄すぎると、その上に形成する各層の硬度を維持できなくなり、また厚すぎるとフィルム全体の柔軟性が低下し、硬化に時間がかかり生産効率の低下を招く恐れがある。
ハードコートをする表面の表面粗さは0.5μm以下であることが好ましい。表面粗さが0.5μm以下であることにより、ハードコート層の上に積層される他の層が平滑に積層されやすくなり、それによって積層した層の強度を向上させ、長期間使用における層の剥離を防ぐことができる。表面粗さは、市販の形状測定顕微鏡を用いて測定できる。
本発明の積層フィルム、本発明の積層フィルムに機能性層を形成してなる積層フィルムは、フレキシブルプリント配線板、熱伝導フィルム、電磁波シールドフィルム等の部材に使用でき、これらの部材は太陽電池、タッチパネル、電子ペーパー、有機EL等の製品に適用することができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部及び%は、特に断りのない限り質量基準である。
実施例及び比較例中の試験及び評価は以下の方法で行った。
(1)重合体の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)
ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算値として測定する。
カラム:GPC KF−806L昭和電工社製Shodex(登録商標)、
検出器:RI検出器 昭和電工社製Shodex(登録商標) SE−61、
溶離液:テトラヒドロフラン、
測定温度:40℃、
流速:1.0ml/分。
(2)重合体の共重合比
1H−NMR測定により得られたピーク[δ:3.5−4.5ppm,5−アセトキシメチル−2−ノルボルネン(「ANB」と略す。)の「−COOCH2−」ユニット]と[δ:0.5−3.0ppm,ノルボルネン(「NB」と略す。)及び5−アセトキシメチル−2−ノルボルネンの「CH3COO−」、「−CH2−」及び「−CH=」ユニット]の積分比から下記式により求めた。
Figure 2017164905
1H−NMR測定は、日本電子製JNM−ECS−400を用い、溶媒に重クロロホルムを使用して行った。
(3)ガラス転移温度(Tg)
DMA(Dynamic Mechanical Analysis)/DMS6100(日立ハイテクサイエンス社製)を用い、試験片形状として膜厚50μm、幅10mm、長さ50mmにしたフィルム片をチャック(ずり)に固定し、周波数1Hzでの粘弾性特性を測定する。貯蔵弾性率(E’)及び損失弾性率(E”)からtanδ=E”/E’を求め、そのピーク温度をガラス転移温度とする。
(4)全光線透過率
膜厚50μmのフィルムについて、ヘーズメーターNDH2000(日本電色社製)を用いて測定する。
(5)吸水率
膜厚50μmのフィルムを23℃の水に24時間浸漬し、浸漬前後の質量変化から求める。
Figure 2017164905
(6)濡れ張力
JIS K6768:1999に従って測定した。23℃、RH50%の室内において、和光純薬工業社製濡れ張力試験用混合液(No.22.6〜No.73.0)を綿棒でフィルムに塗布し、2秒後に塗膜に破れが生じない試験用混合液の濡れ張力の値の最大値を、フィルムの濡れ張力とする。
(7)180度剥離強度
本発明の積層フィルムを10mm×150mmの大きさに切り出して試験片とし、金属箔を180度屈曲させて引き剥がし、速度300mm/分で剥離したときの剥離強度を180度剥離強度とする。
(8)はんだ耐熱
JIS C6471に記載の方法に従い、本発明の積層フィルムを30mm×30mmの大きさに切り出して試験片とし、260℃のはんだ槽に10秒間浮かべた後、ふくれ、剥がれや変色が発生したものを不合格(×)、異常が認められなかったものを合格(○)とする。
合成例1:ノルボルネン/2−アセトキシメチル−5−ノルボルネン共重合体の合成
特許第5738097号公報に記載の方法に従って、ノルボルネン/2−アセトキシメチル−5−ノルボルネン共重合体ポリマーを得た。得られたポリマーの数平均分子量はMn=916,000、分子量分布はMw/Mn=2.12であった。また、1H−NMRの積分値から算出したポリマー中の2−アセトキシメチル−5−ノルボルネンモノマーユニットの組成は20.4mol%であった。
合成例2:2−アセトキシメチル−5−ノルボルネン単独重合体
特許第5738097号公報に記載の方法に従って、2−アセトキシメチル−5−ノルボルネン単独重合体ポリマーを得た。得られたポリマーはTHFやクロロホルム等の一般溶剤に容易に溶解し、数平均分子量はMn=208,000、分子量分布はMw/Mn=2.05であった。
ベースフィルム−1:ノルボルネン/2−アセトキシメチル−5−ノルボルネン共重合体からの製膜
合成例1で作製した共重合体の10%トルエン溶液を調製して、これをガラス板の上に流延し、室温で1時間、空気気流下において、トルエンを蒸発除去した後、80℃で24時間、真空乾燥して膜厚50μmのフィルムを得た。得られたフィルムの全光線透過率は92%、飽和吸水率は0.04%、ガラス転移温度は252℃、濡れ張力は36mN/mであった。
ベースフィルム−2:2−アセトキシメチル−5−ノルボルネンの単独重合体からの製膜
合成例2で作製した単独重合体について、ベースフィルム1の成膜方法と同様にして、膜厚50μmのフィルムを得た。得られたフィルムの全光線透過率は91%、飽和吸水率は0.04%、ガラス転移温度は250℃、濡れ張力は38mN/mであった。
ベースフィルム−3:
メタセシス重合と水素添加によって製造されたフィルムである、厚み100μmの日本ゼオン社製ゼオノア(登録商標)ZF16をベースフィルム−3とした。全光線透過率92%、飽和吸水率は0.02%、ガラス転移温度は163℃、濡れ張力は34mN/mであった。
ベースフィルム−4:
ノルボルネンとエチレンの付加共重合体である、TOPAS Advanced Polymes社製のTOPAS(登録商標) 6017を、特開2012−171291に記載の方法に従い、溶融押出し法により、樹脂温度300℃、引き取りロール温度130℃で厚み100μmのフィルムを製造した。全光線透過率は91%、飽和吸水率は0.01%、ガラス転移温度は180℃、濡れ張力は34mN/mであった。
表面改質フィルム−1:
ベースフィルム−1について、コロナ処理装置(春日電機製CT−0212)を用いて、電極フィルム間の距離1.0mm、出力0.16kW、処理速度1.0m/分でコロナ処理を行った。全光線透過率は92%、コロナ処理を行った側の濡れ張力は70mN/mであった。
表面改質フィルム−2:
ベースフィルム−1を、ベースフィルム−2に変えた他は、表面改質フィルム−1と同様にして、表面改質を行った。全光線透過率は91%、コロナ処理を行った側の濡れ張力は70mN/mであった。
表面改質フィルム−3:
ベースフィルム−1について、大気圧プラズマ処理装置(イーシー化学製)を用いて、電極間に10kHz、100Wの交流電圧でプラズマ処理を行った。全光線透過率は92%、プラズマ処理を行った側の濡れ張力は70mN/mであった。
表面改質フィルム−4:
ベースフィルム−2について、50℃の水酸化カリウム水溶液(和光純薬工業株式会社製)に20分間浸漬した後、純水で洗浄し、さらに80℃で3時間、真空乾燥してアルカリ処理による表面改質を行った。全光線透過率は90%、濡れ張力は56mN/mであった。
表面改質フィルム−5:
ベースフィルム−3について、コロナ処理装置(春日電機製CT−0212)を用いて、電極フィルム間の距離1.0mm、出力0.15kW、処理速度0.5m/分でコロナ処理を行った。全光線透過率は92%、コロナ処理を行った側の濡れ張力は70mN/mであった。
表面改質フィルム−6:
ベースフィルム−1をベースフィルム−4に変えた他は、表面改質フィルム−1と同様にして、表面改質を行った。全光線透過率は91%、コロナ処理を行った側の濡れ張力は62mN/mであった。
表1に上記各フィルムの物性測定値を示す。
Figure 2017164905
実施例1:
表面改質フィルム−1を150mm×150mmのサイズにカットし、そのコロナ処理面に、150mm×150mmにカットした電解銅箔(福田金属箔粉工業製、超微細粗化処理、厚み12μm)を重ね、これらを超硬合金製の平板(200mm×200mm、厚み5mm)で挟んだ。これらを、真空熱プレス機(名機製作所製)に入れて、面圧8.0MPa、280℃で200秒、5hPaの減圧下で加熱圧着を行い、積層フィルムを得た。その後、積層フィルムを取り出し、銅箔と表面改質フィルム−1の180度剥離強度を測定したところ、0.58N/mmであり、はんだ耐熱の評価では異常は見られず合格であった。
実施例2:
表面改質フィルム−1を表面改質フィルム−2に変えた他は、実施例1と同様にして、加熱圧着を行った。得られた積層フィルムの、銅箔と表面改質フィルム−2の180度剥離強度は、0.63N/mmであり、はんだ耐熱の評価では異常は見られず合格であった。
実施例3:
温度を280℃から300℃に変えた他は、実施例1と同様にして加熱圧着を行った。得られた積層フィルムの、銅箔と表面改質フィルム−1の180度剥離強度は、0.88N/mmであり、はんだ耐熱の評価では異常は見られず合格であった。
実施例4:
表面改質フィルム−1を表面改質フィルム−3に変えた他は、実施例1と同様にして、加熱圧着を行った。得られた積層フィルムの、銅箔と表面改質フィルム−3の180度剥離強度は、0.69N/mmであり、はんだ耐熱の評価では異常は見られず合格であった。
実施例5:
表面改質フィルム−1を表面改質フィルム−4に変えた他は、実施例1と同様にして、加熱圧着を行った。得られた積層フィルムの、銅箔と表面改質フィルム−4の180度剥離強度は、0.45N/mmであり、はんだ耐熱の評価では異常は見られず合格であった。
比較例1:
表面改質フィルム−1をベースフィルム−1に変えた他は、実施例1と同様にして加熱圧着を行った。得られた積層フィルムの、銅箔とベースフィルム−1の180度剥離強度は、0.30N/mmであり、はんだ耐熱の評価では異常は見られず合格であった。
比較例2:
表面改質フィルム−1をベースフィルム−2に変えた他は、実施例1と同様にして加熱圧着を行った。得られた積層フィルムの、銅箔とベースフィルム−2の180度剥離強度は0.35N/mmであり、はんだ耐熱の評価では異常は見られず合格であった。
比較例3:
表面改質フィルム−1をベースフィルム−3に変え、圧着温度を180℃に変えた他は、実施例1と同様にして加熱圧着を行った。得られた積層フィルムの、銅箔とベースフィルム−3の180度剥離強度は、0.28N/mmであり、はんだ耐熱の評価ではふくれと剥がれが生じ不合格であった。
比較例4:
表面改質フィルム−1をベースフィルム−4に変え、圧着温度を200℃に変えた他は、実施例1と同様にして加熱圧着を行った。得られた積層フィルムの、銅箔とベースフィルム−4の180度剥離強度は、0.11N/mmであり、はんだ耐熱の評価ではふくれと剥がれ生じ不合格であった。
比較例5:
ベースフィルム−3を表面改質フィルム−5に変えた他は、比較例3と同様にして加熱圧着を行った。得られた積層フィルムの、銅箔と表面改質フィルム−5の180度剥離強度は、0.47N/mmであり、はんだ耐熱の評価ではふくれが生じ不合格であった。
比較例6
ベースフィルム−4を表面改質フィルム−6に変え、比較例4と同様にして加熱圧着を行った。得られた積層フィルムの、銅箔と表面改質フィルム−6の180度剥離強度は、0.34N/mmであり、はんだ耐熱の評価ではふくれや剥がれが生じ不合格であった。
上記実施例及び比較例で作製したフィルムの評価結果を表2に示す。
Figure 2017164905
本発明の、金属箔層を積層したノルボルネン化合物付加(共)重合体からなる積層フィルムは、エッチングにより非回路部が透明なフレキシブル配線板が得られ、耐熱性も高く、ディスプレイの表示装置用デバイスの実装基板などに使用することができる。

Claims (12)

  1. 一般式(1)
    Figure 2017164905
    (式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R2〜R4はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、R2〜R4は、互いに結合して環を形成していてもよく、n1は0または1である。)
    で示されるモノマーユニットを含むノルボルネン化合物付加重合体からなるベースフィルム層と金属箔層からなる積層フィルムであって、前記ベースフィルムの、金属箔層と接触する表面の濡れ張力が40〜80mN/mであることを特徴とする積層フィルム。
  2. ノルボルネン化合物付加重合体が、前記一般式(1)及び一般式(2)
    Figure 2017164905
    (式中、R5〜R8はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、R5〜R8は、互いに結合して環を形成していてもよく、n2は0または1である。)
    で示されるモノマーユニットを含む共重合体である請求項1に記載の積層フィルム。
  3. ノルボルネン化合物付加重合体が、一般式(1)及び一般式(2)で示されるモノマーユニットのみからなるノルボルネン化合物付加重合体である請求項1または2に記載の積層フィルム。
  4. ノルボルネン化合物付加重合体が一般式(1)で示されるモノマーユニットのみからなるノルボルネン化合物付加重合体である請求項1に記載の積層フィルム。
  5. 一般式(1)が、式(A)
    Figure 2017164905
    で示されるモノマーユニットである請求項1〜4のいずれかに記載の積層フィルム。
  6. 一般式(2)が、式(B)
    Figure 2017164905
    で示されるモノマーユニットである請求項1〜3、5のいずれかに記載の積層フィルム。
  7. 金属箔が、銅箔、金箔、銀箔、ステンレス箔、アルミニウム箔、ニッケル箔、クロム箔のいずれかである請求項1〜6のいずれかに記載の積層フィルム。
  8. 金属箔が銅箔である請求項7に記載の積層フィルム。
  9. 金属箔がエッチングされてフレキシブルプリント配線板用の回路が形成されている請求項1〜8のいずれかに記載の積層フィルム。
  10. 表示装置用デバイスの実装基板である請求項9に記載の積層フィルム。
  11. 一般式(1)
    Figure 2017164905
    (式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R2〜R4はそれぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、R2〜R4は、互いに結合して環を形成していてもよく、n1は0または1である。)
    で示されるモノマーユニットを含むノルボルネン化合物付加重合体からなるベースフィルムの少なくとも一つの表面を改質して濡れ張力を40〜100mN/mとし、表面改質された面と金属箔とを加熱圧着して積層することを特徴とする積層フィルムの製造方法。
  12. 表面改質の方法が、コロナ処理、プラズマ処理またはアルカリ処理である請求項11に記載の積層フィルムの製造方法。
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