JP2017164034A - 吸収性物品の伸縮構造、及びパンツタイプ使い捨ておむつ - Google Patents

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Abstract

【課題】自然長状態の製品を手で触ったときに、より柔軟な感触が得られるようにする。
【解決手段】伸縮方向及びこれと直交する直交方向に延びる2枚のシート層12S,12Hと、これらシート層12S,12Hの間に直交方向に間隔を空けて配置された、伸縮方向に沿って延びる複数本の細長状の弾性伸縮部材19とを有し、弾性伸縮部材19は、その伸縮方向両端部が2枚のシート層12S,12Hに固定されてなる固定端部19fとされ、これら固定端部19fの間の固定端部間領域MAに、2枚のシート層12S,12Hがホットメルト接着剤H2を介して接合されたシート接合部20を有し、このシート接合部20は、各々伸縮方向に連続し、かつ互いに交差することなく直交方向に並ぶ複数本の線状のシート接合部20である、吸収性物品の伸縮構造である。
【選択図】図12

Description

本発明は、自然長状態での手触りがより柔軟になる吸収性物品の伸縮構造、及びこれを採用したパンツタイプ使い捨ておむつに関するものである。
吸収性物品においては、各部のフィット性を改善するために伸縮構造を設けることが一般的となっている。例えば、パンツタイプやテープタイプの使い捨ておむつにおいては、胴周り部に胴周り方向の伸縮構造を設けたり、脚周り部に脚周りに沿う方向の伸縮構造を設けたりすることが広く行われている。さらに、パンツタイプやテープタイプの使い捨ておむつはもちろん、生理用ナプキンを含めた吸収性物品全般にわたり、立体ギャザーや平面ギャザーと呼ばれる前後方向の伸縮構造を設けることも広く行われている(例えば、特許文献1〜3参照)。
このような吸収性物品の伸縮構造の代表的なものは、2枚の不織布等のシート層の間に、伸縮方向に沿ってかつ互いに間隔を空けて設けられた細長状の弾性伸縮部材を備えるものである。2枚のシート層は面状の伸縮領域を形成するとともに、弾性伸縮部材を被覆、隠蔽する役割を担い、2枚のシート層間に内蔵される弾性伸縮部材は、弾性伸縮のための力を生み出す役割を担うものである。弾性伸縮部材は、伸縮方向に伸長された状態で、少なくとも伸縮領域の両端部に位置する部分が2枚のシート層に固定される。この固定により、弾性伸縮部材と2枚のシート層とが一体化され、2枚のシート層シート層は弾性伸縮部材の収縮力により収縮して襞又は皺が形成され、またこの収縮状態から弾性伸縮部材の収縮力に抗して伸長されると、襞や皺が展開される。通常、2枚のシート層は弾性伸長限界では襞や皺が無い展開状態となり、弾性伸縮部材の収縮に伴って襞が寄り、自然長状態では最も密に襞が寄る。
このような伸縮構造では、2枚のシート層が互いに自由であると、一方のシート層が他方のシート層に対して部分的又は全体的に浮いて不必要な皺や膨らみを生じるおそれがあるため、2枚のシート層はそのほぼ全体にわたり直接的又は間接的に接合されている必要がある。また、弾性伸縮部材により伸縮性を生み出すため、弾性伸縮部材は伸縮領域の伸縮方向の全体にわたり延在され、かつ伸縮領域の伸縮方向の両端部に位置する部分は2枚のシート層に対して固定され、自然長状態では弾性伸縮部材の収縮に伴い2枚のシート層も収縮されている必要がある。つまり、2枚のシート層間の接合と、2枚のシート層に対する弾性伸縮部材の固定とが必要となるのである。
現在では、弾性伸縮部材を2枚のシート層に固定する手段としては、ほとんどの場合、ホットメルト接着剤が選択されている。一方、2枚のシート層間の接合形態は、ホットメルト接着剤の使用量を低減するために、超音波溶着等の溶着により行うことも多くなってきているが、ホットメルト接着剤により行う形態も根強く利用されている。例えば、弾性伸縮部材の通過位置でホットメルト接着剤を介して2枚のシート層を接合することにより、2枚のシート層間の接合と、2枚のシート層に対する弾性伸縮部材の固定とを兼ねる兼用形態の他、伸縮方向に間欠的に配された、伸縮方向と直交する方向に連続するホットメルト接着剤を介して2枚のシート層を接合する形態が知られている。(特許文献1〜3参照)
特開2004−229857号公報 特開2013−132331号公報 特開2014−207973号公報
しかし、上記兼用形態のものは、ホットメルト接着剤を介して接着されているだけでも硬質化している部分が、弾性伸縮部材の収縮に伴い収縮してさらに硬くなるため、弾性伸縮部材の収縮に伴い2枚のシート層が最も収縮した自然長状態で手触りが硬く、使用者が製品を手に持ったときに硬い感じがするという問題点があった。
また、上記特許文献1〜3記載の伸縮構造においても、上記兼用形態ほどではないが、自然長状態での柔らかさは必ずしも十分ではなかった。この理由は定かではないが、次のような構造上の相違が影響しているものと考えられる。すなわち、上記特許文献1〜3記載の伸縮構造では、自然長状態で伸縮方向に薄い襞が伸縮方向と直交する方向に連続し、その襞の先端が小さな曲率半径で屈曲して素材の折り目を形成するとともに、この折り目を有する襞が同じ高さで近接して整列するため、襞は厚み方向に潰れにくく、かつ倒れにくい。しかも、襞の先端が小さな曲率半径で屈曲していると、先端に触れたときに特に硬い感触がするのである。
自然長状態での手触りは使用者の商品選択に影響するため、改善が強く望まれるところである。
そこで、本発明の主たる課題は、ホットメルト接着剤により2枚のシート層を接合する伸縮構造において、自然長状態の製品を手で触ったときに、より柔軟な感触が得られるようにすることにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
伸縮方向及びこれと直交する直交方向に延びる2枚のシート層と、これらシート層の間に前記直交方向に間隔を空けて配置された、伸縮方向に沿って延びる複数本の細長状の弾性伸縮部材とを有し、
前記弾性伸縮部材は、伸縮領域における前記伸縮方向の両端部が前記2枚のシート層に固定されてなる固定端部とされるとともに、これら固定端部の間では前記2枚のシート層に非固定の自由部とされるか、又は前記伸縮方向に間欠的に固定された間欠固定部とされており、
前記固定端部の間の領域として定まる固定端部間領域に、前記2枚のシート層がホットメルト接着剤を介して接合されたシート接合部を有している、吸収性物品の伸縮構造において、
前記シート接合部が、各々前記伸縮方向に連続し、かつ互いに交差することなく前記直交方向に並ぶ複数本の線状のシート接合部とされている、
ことを特徴とする吸収性物品の伸縮構造。
(作用効果)
本発明者は、多種多様な伸縮構造を実験する中で、伸縮領域でシート接合部を伸縮方向に連続させたところ、自然長状態での手触りが柔軟になることに気が付いた。この結果は、シート接合部の連続性が高まるほど、つまりシート接合部が密集するほど硬くなるという従来の一般的な認識からは考えられないことであった。
本発明はこのような知見に基づいてなされたものである。本発明において自然長状態の手触りが柔軟に感じられる理由は定かではないが、おそらく、次のような構造上の相違が影響しているものと考えられる。すなわち、シート接合部が伸縮方向に連続していると、2枚のシート層が互いに沿うようにしか変形しない。この結果、自然長状態を含め、弾性伸縮部材の収縮に伴い2枚のシート層が収縮した状態では、2枚のシート層が互いに沿うような波状をなして表裏両面に襞が形成される。そして、2枚のシート層が互いに沿うような波状をなすときには、単なるシート層数による剛性向上だけでなく、シート接合部において接合手段による硬質化及び2枚のシート層の曲率の違いにより、従来の襞の頂部よりも緩やかに曲がる(特に自然長状態で従来との違いが顕著となる)結果、手触りが滑らかで、厚み方向に潰れやすくなり、手触りの柔軟性が向上する。しかも、2枚のシート層が互いに沿うような緩やかな波状をなすときには、伸縮方向において波の山と山、谷と谷とが離間するため、波が厚み方向に潰れる際や倒れる際、波の山と山、谷と谷とが支え合う作用が弱くなり、この点でも手触りがより柔軟になると考えられる。また、平滑な素材を表裏から指で摘む場合は、同じ素材でも1枚よりも2枚を重ねて摘むほうが滑らかさを感じやすい。これは、指同士あるいは指と素材の間の摩擦抵抗よりも素材同士の摩擦抵抗が低いために、2枚を重ねて摘んだ場合に摩擦抵抗が低く(滑らかに)感じることができるためである。2枚のシート層が互いに沿うようになっていると、この滑り感を強く感覚することができると考えられる。
さらに、本発明では、弾性伸縮部材の2枚のシート層に対する自由度が高いため、伸縮力のロスが少なく、シート層の剛性にムラがあっても(例えばシート層が不織布の場合に不織布の繊維密度にムラがあっても)自然に収縮させることが可能であり、弾性伸縮部材の使用量を従来より減らすことも可能となる。
<請求項2記載の発明>
前記前記複数本のシート接合部は、同一の線形状を有している、請求項1記載の吸収性物品の伸縮構造。
(作用効果)
このようにシート接合部が同一の線形状を有していると、緩やかな襞が規則的に形成されるため好ましい。
<請求項3記載の発明>
前記シート接合部は、前記弾性伸縮部材と交差することなく前記伸縮方向に沿って直線状に設けられている、
請求項1又は2記載の吸収性物品の伸縮構造。
(作用効果)
このようにシート接合部が直線状に設けられていると、襞が特に規則的に形成されるため好ましい。
<請求項4記載の発明>
前記弾性伸縮部材は、前記固定端部の間が前記2枚のシート層に非固定の自由部とされており、
前記弾性伸縮部材が前記直交方向に間隔空けて3本以上設けられており、
前記直交方向に隣接する前記自由部の間の領域として定まる自由部間領域が前記直交方向に複数隣接して設けられており、
前記自由部間領域の各々に、前記シート接合部が形成されている、請求項3記載の吸収性物品の伸縮構造。
(作用効果)
弾性伸縮部材が前記直交方向に間隔空けて3本以上設けられる場合、直交方向に隣接する自由部間領域の全てにシート接合部を形成しなくても良いが、弾性伸縮部材の自由部は直交方向に移動可能であるため、隣接する弾性伸縮部材の自由部が接触して円滑な伸縮が阻害されたり、2本の弾性伸縮部材が揃った状態で肌に当たると跡付きしやすくなるおそれがある。また、シート接合部同士の間隔が広くなりすぎると2枚のシート層が互いに沿いにくくなる。よって、本項記載のように構成することが好ましい。
<請求項5記載の発明>
展開状態で、前記自由部間領域における前記直交方向の少なくとも両端部に、前記自由部間領域の幅方向全体にわたりシート接合部を有しない無シート接合領域が連続する、請求項3又は4記載の吸収性物品の伸縮構造。
(作用効果)
本項記載のように構成すると、弾性伸縮部材の自由部が、シート接合部を有する領域までは前後方向(伸縮方向と直交する方向)に自由に移動可能となり、フィット性に優れた伸縮構造となる。
<請求項6記載の発明>
前記線状のシート接合部は波線状に形成されている、請求項1又は2記載の吸収性物品の伸縮構造。
(作用効果)
このようにシート接合部を波線状にすると、直線状とする場合より少ないホットメルト接着剤の使用量で、2枚のシート層を直交方向に広く一体化することができ、シート層の浮きやそれによる皺や膨らみを効果的に防止することができる。
<請求項7記載の発明>
前記弾性伸縮部材は、前記固定端部の間が前記2枚のシート層に非固定の自由部とされており、
前記弾性伸縮部材が前記直交方向に間隔空けて3本以上設けられており、
前記直交方向に隣接する前記自由部の間の領域として定まる自由部間領域が前記直交方向に複数隣接して設けられており、
前記直交方向に隣接する複数の前記自由部間領域にわたる波高を有するように、前記シート接合部が形成されており、
前記自由部間領域が前記直交方向に並ぶ数より、その自由部間領域が並ぶ領域に設けられた前記シート接合部の本数が少ない、
請求項6記載の吸収性物品の伸縮構造。
(作用効果)
この形態によれば、特に少ないホットメルト接着剤の使用量で、2枚のシート層を直交方向に広く一体化することができ、シート層の浮きやそれによる皺や膨らみを効果的に防止することができる。なおこの形態では、弾性伸縮部材とシート接合部のホットメルト接着剤が交差し、その交差部においても2枚のシート層が接合されることとはなるが、伸縮方向に間欠的に接合されるだけであり、その接合部の面積も極端に小さいため、収縮による硬質化は殆ど問題にならない。
<請求項8記載の発明>
前記2枚のシート層は、前記伸縮方向の剛軟度が、前記直交方向の剛軟度よりも高い、請求項1〜7のいずれか1項に記載の吸収性物品の伸縮構造。
(作用効果)
このようなシート層を用いることにより、襞の頂部が緩やかに曲がりやすくなるため好ましい。
<請求項9記載の発明>
前身頃及び後身頃を構成する外装体と、この外装体の内側に取り付けられた、吸収体を含む内装体とを備え、前身頃における外装体の両側部と後身頃における外装体の両側部とがそれぞれ接合された部分であるサイドシール部を有し、環状の胴周り部と、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部とを有する、パンツタイプ使い捨ておむつにおいて、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の吸収性物品の伸縮構造が、前記外装体における少なくとも前記内装体の両側縁より外側に位置する部分を含む領域に、前記伸縮方向が幅方向となるように設けられた、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
本発明の伸縮構造は、このようにパンツタイプ使い捨ておむつの外装体における少なくとも内装体の幅方向両側に位置する領域に好適なものである。
以上のとおり、本発明によれば、自然長状態の製品を手で触ったときに、より柔軟な感触が得られる等の利点がもたらされる。
パンツタイプ使い捨ておむつの内面を示す、展開状態の平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの外面を示す、展開状態の平面図である。 図1の3−3断面図である。 図1の4−4断面図である。 図1の5−5断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの斜視図である。 図1の3−3断面に相当する内装体の断面図である。 図1の4−4断面に相当する内装体の断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの外面を示す、展開状態の平面図である。 図9の6−6断面に相当する断面図である。 外装体の展開状態の要部拡大平面図である。 外装体の展開状態の要部拡大平面図である。 外装体の展開状態における弾性伸縮部材及びホットメルト接着剤の配置図である。 外装体の展開状態における弾性伸縮部材及びホットメルト接着剤の配置図である。 (a)外装体の展開状態の要部拡大平面図、(b)外装体の展開状態の7−7断面図である。 (a)外装体の自然長状態の8−8断面図、(b)外装体の自然長状態の9−9断面図、(c)外装体の自然長状態の10−10断面図、(d)外装体の自然長状態の7−7断面図である。 (a)外装体の展開状態の要部拡大平面図、(b)外装体の自然長状態の8−8断面図、(c)外装体の自然長状態の10−10断面図、(d)外装体の自然長状態の7−7断面図である。 切断装置の斜視図である。 外装体の非伸縮領域及び伸縮領域の拡大平面図である。 剥離強度測定試験の試験片の説明図である。 剥離強度測定試験の説明図である。 保持力測定試験の試験片の説明図である。 保持力測定試験の説明図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ詳説する。
図1〜図6は、パンツタイプ使い捨ておむつの一例を示している。断面図における点模様部分はその表側及び裏側に位置する各構成部材を接合する接合手段としての接着剤を示しており、ホットメルト接着剤などのベタ、ビード、カーテン、サミット若しくはスパイラル塗布などにより、また弾性伸縮部材の固定部分はこれに代えて又はこれとともにコームガンやシュアラップ塗布などの弾性伸縮部材の外周面への塗布により形成されるものである。各構成部材を接合する接合手段としてはヒートシールや超音波シール等の素材溶着による固定手段を用いることもできる。
本形態のパンツタイプ使い捨ておむつは、前身頃F及び後身頃Bを構成する外装体12F,12Bと、前身頃Fから股間部を経て後身頃Bまで延在するように外装体12F,12Bの内側に設けられた内装体200とを備えており、前身頃Fの外装体12Fの両側部と後身頃Bの外装体12Bの両側部とが接合されてサイドシール部12Aが形成されたものである。符号Yは展開状態におけるおむつの全長(前身頃Fのウエスト開口WOの縁から後身頃Bのウエスト開口WOの縁までの縦方向長さ)を示しており、符号Xは展開状態におけるおむつの全幅を示している。
内装体200は、尿等の排泄物を吸収保持する部分であり、外装体12は着用者の身体に対して内装体200を支えるための部分である。本形態では、外装体12F,12Bの上部開口は、装着者の胴を通すウエスト開口WOとなり、内装体200の幅方向両側において外装体12F,12Bの下縁及び内装体200の側縁によりそれぞれ囲まれる部分が脚を通す脚開口部LOとなる。
また、本形態のパンツタイプ使い捨ておむつは、サイドシール部12Aを有する縦方向範囲(ウエスト開口WOから脚開口LOの上端に至る縦方向範囲)として定まる胴周り領域Tと、脚開口LOを形成する部分の前後方向範囲(前身頃Fのサイドシール部12Aを有する縦方向領域と後身頃Bのサイドシール部12Aを有する縦方向領域との間)として定まる中間領域Lとを有する。胴周り領域Tは、概念的にウエスト開口の縁部を形成する「ウエスト部」Wと、これよりも下側の部分である「ウエスト下方部」Uとに分けることができる。通常、胴周り領域T内に幅方向伸縮応力が変化する境界(例えば弾性伸縮部材の太さや伸長率が変化する)を有する場合は、最もウエスト開口WO側の境界よりもウエスト開口WO側がウエスト部Wとなり、このような境界が無い場合は吸収体56又は内装体200よりもウエスト開口WO側がウエスト部Wとなる。これらの縦方向の長さは、製品のサイズによって異なり、適宜定めることができるが、一例を挙げると、ウエスト部Wは15〜40mm、ウエスト下方部Uは65〜120mmとすることができる。一方、中間領域Lの両側縁は被着者の脚周りに沿うようにコ字状又は曲線状に括れており、ここが装着者の脚を入れる部位となる。この結果、展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつは、全体として略砂時計形状をなしている。
(外装体)
外装体12F,12Bは、前身頃Fを構成する部分である前側外装体12Fと、後身頃Bを構成する部分である後側外装体12Bとからなり、前側外装体12F及び後側外装体12Bは脚側で連続しておらず、離間されている。この離間距離12dは150〜250mm程度とすることができる。図示しないが、この離間部分における内装体200の裏面の露出部分の一部(例えば前側外装体12Fと後側外装体12Bとの間に露出する部分の前後方向全体にわたるが、内装体200の前後端まで延びず、また幅方向両側縁も内装体200の両側縁までは達しない程度)又は全体を覆うように、不織布等からなる股間部カバーシートを貼り付けることもできる。また、図9及び図10に示すように、外装体12が、前身頃Fから後身頃Bにかけて股間を通り連続する一体的なものとすることもできる。つまり、前身頃F及び後身頃Bを個別に構成する外装体12F,12Bが前者の形態に相当し、前身頃F及び後身頃Bを一体的に構成する外装体12が後者の形態に相当する。
外装体12F,12Bは、胴周り領域Tと対応する縦方向範囲である胴周り部を有する。また、本形態では、前側外装体12Fには中間領域Lと対応する部分を有していないが、後側外装体12Bは胴周り領域Tから中間領域L側に延び出る臀部カバー部14を有している。図示しないが、前側外装体12Fにも胴周り領域Tから中間領域L側に延び出る鼠蹊カバー部を設けたり、鼠径カバー部は設けるものの臀部カバー部は設けない形態としたり、前側外装体12F及び後側外装体12Bの両方に中間領域Lと対応する部分を設けなくても良い。また、図示形態では、臀部カバー部14の下縁は、前側外装体12Fの下縁と同様、幅方向に沿う直線状に形成しているが、幅方向外側に向かうにつれてウエスト開口側に位置するようになる曲線とすることもできる。
外装体12F,12Bは、図2〜図5に示されるように、外側シート層12S及び内側シート層12Hにより表裏が形成されている。外側シート層12S及び内側シート層12Hは、図5に示すように、一枚のシート材をウエスト開口側に折り目が位置するように折り畳んで形成する他、図10に示すように、二枚のシート材を貼り合わせて形成することもできる。また、外側シート層12S及び内側シート層12Hの少なくとも一方は、その一部が他の部分と異なるシート材により形成されていても良い。
外側シート層12S及び内側シート層12Hに用いるシート材としては、シート状のものであれば特に限定無く使用できるが、不織布であるのが好ましい。不織布は、その原料繊維が何であるかは特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。ただし、シート接合部20を溶着にて形成する場合には、オレフィン系繊維からなる不織布が好適である。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。特に、柔軟性の観点からは、ポリピロピレン繊維のスパンボンド不織布が、外側シート層12S及び内側シート層12Hに好適である。もちろん、外側シート層12S及び内側シート層12Hに用いるシート材としては、互いに異なるものを使用することができる。
不織布を用いる場合、繊度は1〜3dtex程度とするのが好ましく、目付けは10〜30g/m2程度とするのが好ましい。よって、外装体12F,12Bに用いる不織布の総目付けは20〜60g/m2程度であるのが好ましい。また、KES法(Kawabata's Evaluation System for Fabrics)に基づく不織布の平均表面摩擦係数MIUは0.30以下、特に0.05〜0.20(MDとCDの両方)とし、表面摩擦係数の変動偏差MMDは0.01以下、特に0.003〜0.008(MDとCDの両方)、且つ荷重0.5g/cm2時の厚みが0.05〜0.25mm、特に0.10〜0.20mmであるのが好ましい。MIU及びMMDはカトーテック株式会社製の摩擦感テスターKES−SEにより測定することができる。
そして、外装体12F,12Bには、吸収体56よりもウエスト開口側に幅方向に連続する連続伸縮領域A3を有するとともに、吸収体56を有する前後方向範囲に、幅方向中間に設けられた非伸縮領域A1と、この非伸縮領域A1の幅方向両側に設けられた間欠伸縮領域A2とを有しており、連続伸縮領域A3及び間欠伸縮領域A2における外側シート層12S及び内側シート層12H間には、糸ゴム等の細長状弾性伸縮部材19(15〜18)が幅方向に沿って所定の伸長率で取り付けられて、幅方向に伸縮可能(幅方向が伸縮方向)とされている。細長状弾性伸縮部材19としては、合成ゴムを用いても、天然ゴムを用いても良い。図示形態における非伸縮領域A1及び間欠伸縮領域を有する前後方向範囲の一部又は全部について、幅方向全体にわたり連続伸縮領域A3としたり、図示形態における非伸縮領域A1の前後方向範囲をウエスト側又は股間側に拡大したりしても良い。
図示形態についてより詳細に説明すると、まず、外装体12F,12Bのウエスト部Wにおける外側シート層12S及び内側シート層12H間には、幅方向全体にわたり連続するように、複数のウエスト部弾性伸縮部材17が前後方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で取り付けられている。ウエスト部弾性伸縮部材17のうち、ウエスト下方部Uに隣接する領域に配設される1本又は複数本については、内装体200と重なっていてもよいし、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けてもよい。ウエスト部弾性伸縮部材17としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、5〜20mm、特に8〜16mmの間隔で3〜22本程度、それぞれ伸長率150〜400%、特に220〜320%程度で取り付けるのが好ましい。また、ウエスト部弾性伸縮部材17は、その全てを同じ太さと伸長率にする必要はなく、例えばウエスト部Wの上部と下部で弾性伸縮部材の太さと伸長率が異なるようにしてもよい。
また、外装体12F,12Bのウエスト下方部Uにおける外側シート層12S及び内側シート層12H間には、非伸縮領域A1を除いて、その上側及び幅方向両側の各部位に、幅方向全体にわたり連続するように、細長状弾性伸縮部材からなるウエスト下方部弾性伸縮部材15,18が複数本、前後方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で取り付けられている。ウエスト下方部弾性伸縮部材15,18としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、5〜20mm、特に8〜16mmの間隔で5〜30本程度、それぞれ伸長率200〜350%、特に240〜300%程度で取り付けるのが好ましい。
また、後側外装体12Bの臀部カバー部14における外側シート層12S及び内側シート層12H間には、非伸縮領域A1を除いて、その幅方向両側の各部位に、幅方向全体にわたり連続するように、細長状弾性伸縮部材からなるカバー部弾性伸縮部材16が複数本、前後方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で取り付けられている。カバー部弾性伸縮部材16としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、5〜20mm、特に8〜16mmの間隔で2〜10本程度、それぞれ伸長率150〜300%、特に180〜260%で取り付けるのが好ましい。前側外装体12Fに鼠径カバー部を設ける場合には同様にカバー部弾性伸縮部材を設けることができる。
なお、図示形態の間欠伸縮領域A2のように、外装体12F,12Bに設けられる弾性伸縮部材19(図示形態ではウエスト下方部弾性伸縮部材15,18及びカバー部弾性伸縮部材16)が、非伸縮領域A1を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けられていると、当該非伸縮領域A1において吸収体56の幅方向収縮が防止される。よって、非伸縮領域A1は、吸収体56と幅方向に重なる部分の一部又は全部を含む幅方向中間(好ましくは内外固定部201の全体を含む)の領域とされ、その幅方向両側におけるサイドシール部12Aまでの幅方向全体が間欠伸縮領域A2とされることが好ましい。
(弾性伸縮部材の固定部)
図2、図9及び図11〜図14等に示すように、連続伸縮領域A3及び間欠伸縮領域A2における弾性伸縮部材19は、その領域の幅方向両端部が外側シート層12S及び内側シート層12Hに固定されてなる固定端部19fとされるとともに、これら固定端部19fの間の部分は外側シート層12S及び内側シート層12Hに非固定の自由部19mとされている。この弾性伸縮部材19の自由部19mは、幅方向に自由に伸縮し、かつ後述するシート接合部20の間の空間内で前後方向(伸縮方向と直交する方向)に自由に移動可能とされている。つまり、図示形態のように、外装体12F,12Bにおける内装体200と重なる部分の一部又は全部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けられている弾性伸縮部材19の場合には、幅方向両側の各弾性伸縮部材19の両端部が固定端部19fとされ、外装体12F,12Bの幅方向全体にわたり連続する弾性伸縮部材19の場合には、弾性伸縮部材19における外装体12F,12Bの幅方向両端部に位置する部分が固定端部19fとされる。
固定端部19fは、弾性伸縮部材19が外側シート層12S及び内側シート層12Hに固定される限り、その固定手段は限定されるものではなく、公知のあらゆる手段を用いることができるが、ホットメルト接着剤H1を用いるのが好ましい。ホットメルト接着剤H1を用いる場合、図2、図9、図11、図13及び図14に示すように各弾性伸縮部材19の端部の部位にのみ塗布する他、図12に示すように複数の弾性伸縮部材19の端部にわたるように前後方向に連続する塗布パターンで塗布することもできる。固定端部19fを固定するためのホットメルト接着剤H1は、外側シート層12S及び内側シート層12Hの少なくとも一方に対して塗布する他、各弾性伸縮部材19の端部の部位にのみ塗布する場合には、コームガンやシュアラップノズル等の塗布手段により弾性伸縮部材19の両端部となる部分の外周面にのみホットメルト接着剤を塗布しても良い。
サイドシール部12A側に位置する固定端部19fは、図示形態のようにサイドシール部12Aに隣接していることが望ましいが、サイドシール部12Aから幅方向中央側に離間させることもできる。
(伸縮領域におけるシート接合部)
図2、図5、図9及び図11〜図14に示すように、少なくとも固定端部間領域MA(固定端部の間の幅方向領域)では、各々幅方向に連続し、かつ互いに交差することなく直交方向に並ぶ複数本の線状のシート接合部20で、外側シート層12S及び内側シート層12Hがホットメルト接着剤H2を介して接合されている。
例えば、図17に示す従来形態のように、シート接合部20の無い部分が伸縮方向と直交する方向(図示形態では前後方向)に連続すると、そのシート接合部20の無い部分において2枚のシート層12S,12Hが互いに離れるように膨らむのに対して、図15及び図16に示すように、2枚のシート層12S,12Hの全体が一体であれば、互いに沿うような波状になるほかない。このような観点から、シート接合部20は、図示するように、固定端部間領域ではシート接合部20が幅方向に連続されている。シート接合部20が幅方向に連続する部分は、外装体12F,12Bの幅方向全体にわたっていても良いが、固定端部間領域MA以外であれば部分的又は全体的に固定端部間領域MAから続くシート接合部20が形成されていなくても良い。
このように構成された外装体12F,12Bの伸縮領域A2,A3では、シート接合部20が伸縮方向に連続しているため、図16に示すように、自然長状態では2枚のシート層12S,12Hは互いに沿うようにしか変形しない。この結果、完全に伸長した展開状態では2枚のシート層12S,12Hは襞の無い平坦な状態となるが、自然長状態を含め、弾性伸縮部材19の収縮に伴い2枚のシート層12S,12Hが収縮した状態では、2枚のシート層12S,12Hが互いに沿うような波状をなして表裏両面に襞80が形成されることとなる。図16(d)に二点鎖線で示された部分は、実線で示された部分の襞80に隣接する反対向きの襞80を形成する部分である。
図16に示すように、2枚のシート層12S,12Hが互いに沿うような波状をなすときには、単なるシート層数による剛性向上、及び2枚のシート層12S,12Hの曲率の違いにより、従来の襞80の頂部よりも緩やかに曲がる(特に自然長状態で従来との違いが顕著となる)結果、手触りが滑らかで、厚み方向に潰れやすくなり、手触りの柔軟性が向上する。しかも、2枚のシート層12S,12Hが互いに沿うような緩やかな波状をなすときには、伸縮方向において波の山と山、谷と谷とが離間するため、波が厚み方向に潰れる際や倒れる際、波の山と山、谷と谷とが支え合う作用が弱くなり、この点でも手触りがより柔軟になると考えられる。
また、平滑な素材を表裏から指で摘む場合は、同じ素材でも1枚よりも2枚を重ねて摘むほうが滑らかさを感じやすい。これは、指同士あるいは指と素材の間の摩擦抵抗よりも素材同士の摩擦抵抗が低いために、2枚を重ねて摘んだ場合に摩擦抵抗が低く(滑らかに)感じることができるためである。2枚のシート層が互いに沿うようになっていると、この滑り感を強く感覚することができると考えられる。したがって、2枚のシート層12S,12Hに用いるシート材の摩擦特性は、前述のようなものとするのが好ましい。
シート接合部20の線形状(換言するとホットメルト接着剤H2の塗布パターン)は適宜定めることができるが、図11及び図13に示すような直線状とする他、図12及び図14に示すような波状(図示のような曲線状のもののほか、三角波状や矩形波状も含む)とすることもでき、また他の規則的又は不規則な曲線状とすることもできる。また、図示のように、同一の幅方向位置において前後方向に並ぶシート接合部20は全て同一の線形状とすることが好ましいが、異なる線形状のシート接合部20を組み合わせることもできる。また、一つのおむつにおいてシート接合部20は全て同一の線形状とすることが好ましいが、異なる線形状のシート接合部20を組み合わせることもできる。
シート接合部20の線幅20zは適宜定めることができるが、ホットメルト接着剤H2の塗布幅に等しくなるため、汎用性を考慮すると通常の場合0.5〜2.0mm程度とすることが望ましい。
前後方向に隣り合うシート接合部20の前後方向間隔20s(間隔が一定でない場合には最小値)は適宜定めることができるが、狭すぎると柔軟性が損なわれ、広すぎると2枚のシート層12S,12Hの一体性が低下するため、通常の場合3〜10mm程度とすることが好ましい。
シート接合部20を伸縮方向に沿って直線状に設ける場合、弾性伸縮部材19の通過位置にホットメルト接着剤H2を塗布しシート接合部20を設けると、弾性伸縮部材19が伸縮方向に連続的に固定されるため、図11及び図13に示すように、前後方向に隣接する弾性伸縮部材19の自由部19mの間の領域として定まる自由部間領域FA(図11のハッチングを付した領域。他の図では省略。)に設ける必要がある。
特に、伸縮領域A2,A3の展開状態で、各自由部間領域FAにおける前後方向の両端部に、シート接合部20を有しない無シート接合領域21が幅方向に連続していると、弾性伸縮部材19の自由部19mが、シート接合部20を有する領域までは前後方向(伸縮方向と直交する方向)に自由に移動可能となり、フィット性に優れた伸縮構造となるため好ましい。つまり、図11及び図13に示すように、展開状態では、弾性伸縮部材19及びシート接合部20はその幅方向全体にわたり前後方向に離間されるが、弾性伸縮部材19は隣接するシート接合部20間で前後方向に移動可能であるため、通常の装着状態や自然長状態では弾性伸縮部材19の中間の一部は前後方向に移動しシート接合部20に接触することもありうる。無シート接合領域21の前後方向長さは適宜定めることができるが、前後方向に隣接する固定端部19fの前後方向間隔19dの10〜49%、特に25〜49%とすることが好ましく、具体的な長さとしては2〜12mm、特に4〜9mmとすることが好ましい。
直線状のシート接合部20の場合、シート接合部20は、図11及び図13に示すように前後方向に隣接する自由部間領域FAの各々に一本設ける形態が望ましいが、複数本設けることもできる。反対に、前後方向に隣接する自由部間領域FAの各々に直線状のシート接合部20が設けられていなくても良く、よって図13(b)に示すように一つ置きに設けたりすることができる。
また、直線状のシート接合部20の場合、自由部間領域FAに占める前後方向の総寸法(自由部間領域FAに位置するシート接合部20が一本の場合にはシート接合部20の線幅20zに等しく、複数本の場合にはシート接合部20の線幅20zの本数倍に等しい)は、前後方向に隣接する固定端部19fの前後方向間隔19d(すなわち弾性伸縮部材19の前後方向間隔)の10〜40%とすることができ、特に15〜30%とすることが好ましく、具体的な長さとしては0.5〜2.0mmとすることが好ましい。
図12及び図14に示すように、シート接合部20を波線状とする場合、波線状のシート接合部20を、前後方向に隣接する複数(3以上とすることが好ましい)の自由部間領域FAにわたる波高を有するものとすることができる。この場合、シート接合部20が弾性伸縮部材19と交差し、その交差部においても2枚のシート層12S,12Hが接合されることになるが、伸縮方向に間欠的に接合されるだけであり、その接合部の面積も極端に小さいため、収縮による硬質化は殆ど問題にならない。特に、図示例のように、自由部間領域FAが前後方向に並ぶ数より、その自由部間領域FAが並ぶ領域に設けられたシート接合部20の本数が少ない形態とすると、直線状とする場合より少ないホットメルト接着剤H2の使用量で、2枚のシート層12S,12Hを直交方向に広く一体化することができ、シート層12S,12Hの浮きやそれによる皺や膨らみを効果的に防止することができる。もちろん、直線状のシート接合部20と同様に、シート接合部20が弾性伸縮部材19と交差しないように、波線状のシート接合部20を自由部間領域FA内に一本又は複数本設けることもできる。また、波線状のシート接合部20は、自由部間領域FAの各々に設けられていなくても良く、よって一つ置きに設けたりすることができる。
波線状のシート接合部20の波高20Hは適宜定めることができるが、波高20Hは前後方向に隣接する固定端部19fの前後方向間隔19d(すなわち弾性伸縮部材19の前後方向間隔)の50〜300%とすることができ、特に120〜250%とすることが好ましく、具体的な長さとしては5〜30mmとすることが好ましい。波線状のシート接合部20の波長20L(繰り返す部分の伸縮方向の長さ)は適宜定めることができるが、通常の場合10〜50mmとすることが好ましい。
(非伸縮領域の形成)
非伸縮領域A1は、内側シート層12Hと外側シート層12Sとの間に弾性伸縮部材19を供給し、間欠伸縮領域A2とする領域の端部で弾性伸縮部材19の固定端部19fをホットメルト接着剤H1により固定した後、非伸縮領域A1とする領域において、弾性伸縮部材19を幅方向中間の1か所又は複数か所で加圧及び加熱により切断するか、又は弾性伸縮部材15,16,19のほぼ全体を加圧及び加熱により細かく切断し、間欠伸縮領域A2に伸縮性を残しつつ非伸縮領域A1では伸縮性を殺すことにより構築することができる。
図19(a)は、弾性伸縮部材19を幅方向中間の1か所で切断する場合を示しており、周方向の1か所に切断凸部72を有する加圧部71を外周面に備え、切断凸部72が所望の温度に加熱されるシールロール70と、これに対向配置された表面平滑なアンビルロール80とにより、内側シート層12H及び外側シート層12S間に弾性伸縮部材19を取り付けた切断対象を挟み、切断凸部72とアンビルロール80の外周面との間に挟まれる部位のみ弾性伸縮部材19を加圧及び加熱して切断するものである。このような加工を施した製品では、図20(a)(b)に示すように、非伸縮領域A1における外側シート層12S及び内側シート層12H間には、間欠伸縮領域A2の弾性伸縮部材19から連続する切断残部のみが不要弾性伸縮部材18として残り、溶融跡22が一本だけ切断痕跡として残ることになる。図示しないが、複数か所で切断する場合は、周方向の複数か所に切断凸部72を有するシールロール70を用いれば良い。
また、図19(b)は、弾性伸縮部材19のほぼ全体を細かく切断する場合を示しており、千鳥状等の間欠配置とされた多数の切断凸部73を有する加圧部71を外周面に備え、切断凸部72が所望の温度に加熱されるシールロール70と、これに対向配置された表面平滑なアンビルロール80とにより、内側シート層12H及び外側シート層12S間に弾性伸縮部材15〜17,19を取り付けた切断対象を挟み、切断凸部73とアンビルロール80の外周面との間に挟まれる部位のみ弾性伸縮部材19を加圧及び加熱して切断するものである。このような加工を施した製品では、図20(c)に示すように、非伸縮領域A1における外側シート層12S及び内側シート層12H間には、間欠伸縮領域A2の弾性伸縮部材19から連続する切断残部、及び両方の間欠伸縮領域A2の弾性伸縮部材19と連続しない弾性伸縮部材の切断片が、不要弾性伸縮部材18として前後方向及び幅方向に間欠的に残り、溶融跡22が切断痕跡として前後方向及び幅方向に間欠的に残ることになる。
(非伸縮領域におけるシート接合部)
非伸縮領域A1にはシート接合部20を設けなくても良いが、外側シート層12Sが内側シート層12Hに対してずれたり、浮いたりするのは好ましくないため、シート接合部20を設けるのが好ましい。非伸縮領域のシート接合部20は、2枚のシート層12S,12Hが接合される限り特に限定されるものではないが、図2、図6、図20等に示すように、非伸縮領域A1では、不要弾性伸縮部材70は2枚のシート層12S,12Hに対して非固定とされるとともに、不要弾性伸縮部材70の前後方向両側で、シート接合部20により2枚のシート層12S,12Hが接合されていると好ましい。このように、不要弾性伸縮部材70が2枚のシート層12S,12Hに対して非固定とされていると、不要弾性伸縮部材70の収縮力が2枚のシート層12S,12Hに対して完全に作用しない状態とすることができる。さらに、非伸縮領域A1では、不要弾性伸縮部材70の前後方向両側で、シート接合部20により2枚のシート層12S,12Hが接合されており、不要弾性伸縮部材70の前後方向の移動はその前後両側に位置するシート接合部20間に限られるため、見栄えが悪化するような大きな移動は防止される。もちろん、非伸縮領域A1における不要弾性伸縮部材70は2枚のシート層12S,12Hに対してホットメルト接着剤により固定しても良い。図20(a)(b)のように弾性伸縮部材19を幅方向中間の1か所(又は複数か所)で切断する場合は、接着力が低くなるようにホットメルト接着剤の塗布量等を調整する。図20(c)のように弾性伸縮部材19を細かく切断する場合は、接着力が高くても非伸縮領域A1の伸縮性をほぼ殺すことができる。
非伸縮領域A1におけるシート接合部20は、間欠伸縮領域A2におけるシート接合部20と基本的に同様とすることができる。非伸縮領域A1におけるシート接合部20の形状、寸法、数、及び配置等は、間欠伸縮領域A2におけるシート接合部20と異なるものとしても良い。例えば、非伸縮領域A1におけるシート接合部20の本数を間欠伸縮領域A2におけるシート接合部の本数よりも多くし、非伸縮領域A1においては不要弾性伸縮部材70とシート接合部20との距離を狭くすることにより、不要弾性伸縮部材70の移動を効果的に防止しつつ、間欠伸縮領域A2においては柔軟性を重視して図11に示す形態のように弾性伸縮部材19間に一列とすることができる。
ただし、製造容易性及び製造安定性の観点からは、図2、図6、図20等に示すように、非伸縮領域A1におけるシート接合部20の形状、寸法、数、及び配置等は、間欠伸縮領域A2におけるシート接合部20と同様とすることが望ましく、少なくとも、間欠伸縮領域A2におけるシート接合部20及び非伸縮領域A1におけるシート接合部20が、幅方向に連続されていると好ましい。
この場合、シート接合部20を直線状とすると、間欠伸縮領域A2における2枚のシート層12S,12H間の空間が、非伸縮領域A1における2枚のシート層12S,12H間の空間と連続することになり、不要弾性伸縮部材70が間欠伸縮領域A2側に移動するおそれがある。そこで、間欠伸縮領域A2における弾性伸縮部材19の固定端部19fを、少なくとも幅方向中央側の端部では、図12及び図13に示すように当該間欠伸縮領域A2の前後方向全体にわたり連続するホットメルト接着剤により形成し、同時に2枚のシート層12S,12Hを当該間欠伸縮領域A2の前後方向全体にわたり接合するのも好ましい形態である。これにより、非伸縮領域A1における2枚のシート層12S,12H間の空間が、非伸縮領域A1の幅方向両側で閉じられるため、不要弾性伸縮部材70が間欠伸縮領域A2に移動して見栄えが悪化するのを防止することができる。
また、非伸縮領域A1のシート接合部20を、不要弾性伸縮部材70と交差する配置の波線状とすると、間欠伸縮領域A2側への不要弾性伸縮部材70の移動が、シート接合部20により遮られるため、不要弾性伸縮部材70が間欠伸縮領域A2に移動して見栄えが悪化するのを防止することができる。特に、シート接合部20のホットメルト接着剤により不要弾性伸縮部材70が2枚のシート層12S,12Hに固定されていると、不要弾性伸縮部材70の移動を確実に防止でき、見栄えが特に良好となる。
その他、非伸縮領域A1におけるシート接合部20の詳細は、伸縮領域A2,A3におけるシート接合部20と同様であるため、ここではあえて説明を省略する。
(ホットメルト接着剤)
外装体12に用いるホットメルト接着剤H1,H2としては、例えばEVA系、粘着ゴム系(エラストマー系)、オレフィン系、ポリエステル・ポリアミド系などの種類のものが存在し、特に限定無く使用できる。特に、弾性伸縮部材の固定端部を2枚のシート層に固定するホットメルト接着剤H1(以下、第1ホットメルト接着剤という)の保持力は、固定端部間領域において線状に連続するシート接合部を形成するためのホットメルト接着剤H2(以下、第2ホットメルト接着剤という)の保持力よりも高いものが好ましい。特に、第1ホットメルト接着剤H1の保持力が120分超であるのが好ましく、第2ホットメルト接着剤H2の保持力は30〜90分であるのが好ましい。
また、一般に溶融粘度の高いホットメルト接着剤は保持力が高いため、第1ホットメルト接着剤H1の溶融粘度は、第2ホットメルト接着剤H2の溶融粘度よりも高いことが望ましい。具体的には、第1ホットメルト接着剤H1は温度140℃における溶融粘度が10,000〜40,000mpas、温度160℃における溶融粘度が5,000〜10,000mpasのものが好ましく、第2ホットメルト接着剤H2は温度140℃における溶融粘度が3,000〜7,000mpas、温度160℃における溶融粘度が1,000〜4,000mpasのものが好ましい。
また、ループタック粘着力が高いホットメルト接着剤は不織布同士の接着に適しているため、第2ホットメルト接着剤H2のループタック粘着力が、第1ホットメルト接着剤H1のループタック粘着力よりも高いことが望ましい。具体的には、第1ホットメルト接着剤H1のループタック粘着力は10〜500g/25mmのものが好ましく、第2ホットメルト接着剤H2のループタック粘着力は1,000g/25mm以上のものが好ましい。
さらに、第1ホットメルト接着剤H1の剥離強度が縦横ともに100cN/25mm以上であり、第2ホットメルト接着剤H2の剥離強度が縦横ともに100cN/25mm以上であると、より好ましい。
このような要件を満たす第1ホットメルト接着剤H1及び第2ホットメルト接着剤H2はホットメルト接着剤メーカーから容易に入手することができる。
(内装体)
内装体200の形状、構造は特に限定されず、例えば以下に述べる形状、構造を採用することができる。内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3〜図5に示されるように、装着者の肌側となる液透過性トップシート30と、液不透過性シート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う本体部である。符号40は、トップシート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、トップシート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシートとも呼ばれる)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体の吸収面の幅方向両側に沿って延在された、装着者の脚周りに向かって立ち上がる部分である脚周りギャザー60を示している。
(トップシート)
トップシート30は、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシート等、液透過性素材であれば特に限定無く利用できるが、図3及び図4に示す形態のようにトップシート30が脚周りギャザー60の液不透過性シート64の被覆材を兼ねる場合には不織布が用いられる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、トップシート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、トップシート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
トップシート30の幅方向両側が脚周りギャザー60の液不透過性シート64の被覆材を兼ねない場合は、例えば図7及び図8に示す形態のように、吸収要素50と脚周りギャザー60との間を通して、吸収要素50の裏側まで回り込ませ、液の浸透を防止するために、液不透過性シート11及び脚周りギャザー60に対してホットメルト接着剤等により接着することができる。
(中間シート)
図7及び図8に示す形態のように、トップシート30の裏側に、トップシートより親水性に優れる中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、吸収した液の吸収体からの逆戻り現象を防止し、トップシート30上のさらっとした肌触りを確保するためのものである。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、トップシート30と同様の素材や、スパンレース、スパンボンド、SMS、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布が嵩高であるため好ましい。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。目付けは20〜80g/m2が好ましく、25〜60g/m2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.2〜10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、吸収体56の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
(液不透過性シート)
吸収体56の裏側に設けられる液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムを例示することができる。液不透過性シート11には、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。
液不透過性シート11は、図3及び図4に示す形態のように、吸収体56よりも側方に延在させて、脚周りギャザー60内の液透過性フィルム64を兼ねるものとしたり、図7及び図8に示す形態のように、吸収要素50の裏側に収まる幅とする、又は吸収要素50の幅方向両側を回り込ませて吸収要素50のトップシート30側面の両側部まで延在させたりすることができる。
また、液不透過性シート11の内側、特に吸収体56側面に、液分の吸収により色が変化する排泄インジケータを設けることができる。
(吸収要素)
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56は長方形形状でも良いが、図6にも示すように、前端部、後端部及びこれらの間に位置し、前端部及び後端部と比べて幅が狭い括れ部とを有する砂時計形状をなしていると、吸収体56及び脚周りギャザー60の脚周りへのフィット性が向上するため好ましい。
また、吸収体の寸法は適宜定めることができるが、前後方向及び幅方向において、内装体の周縁部又はその近傍まで延在しているのが好ましい。なお、符号56Xは吸収体56の幅を示している。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子54としては、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下のものが望ましく、また、180μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量(JIS K7223−1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」)が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が70秒以下、特に40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が遅すぎると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生しやすくなる。
また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和する。
必要であれば、高吸収性ポリマー粒子は、吸収体56の平面方向で含有率を変化させることができる。例えば、液の排泄部位を他の部位より含有率を高くすることができる。男女差を考慮する場合、男用は前側の含有率を高め、女用は中央部の含有率を高めることができる。また、吸収体56の平面方向において局所的(例えばスポット状)にポリマーが存在しない部分を設けることもできる。
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等の液透過性素材を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜20g/m2、特に8〜15g/m2のものが望ましい。
包装シート58の包装形態は適宜定めることができるが、製造容易性や前後端縁からの高吸収性ポリマー粒子の漏れ防止等の観点から、吸収体56の表裏面及び両側面を取り囲むように筒状に巻付け、かつその前後縁部を吸収体56の前後からはみ出させ、このはみ出し部分を表裏方向に潰してホットメルト接着剤等の接合手段により接合する形態が好ましい。
(脚周りギャザー)
脚周りギャザー60は、内装体200の吸収面の幅方向両側に沿って延在された、装着者の脚周りに向かって立ち上がる部分であり、トップシート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。
本形態の脚周りギャザー60は、図3及び図4に示すように、幅方向内側の面を構成する内側不織布層61と、幅方向外側の面を構成する外側不織布層62と、前後方向中間における少なくとも先端部における内側不織布層61及び外側不織布層62の間に前後方向に沿って設けられたギャザー弾性伸縮部材63と、基端から基端よりも先端側の位置までの範囲にわたり、内側不織布層61及び外側不織布層62の間に挟まれた液不透過性シート64(11)とを有している。図示形態では、脚周りギャザー60における液不透過性シート64を有する部分であってかつ先端部よりも基端側の部分が、脚周りギャザー60の前後方向全体にわたり、内側不織布層61が存在せず液不透過性シート64が露出する不織布不存在部分65とされている。このように、脚周りギャザー60に内側不織布層61の無い不織布不存在部分65を設けることにより不織布使用量を削減することができる。また、脚周りギャザー60の先端部は肌に接触する部分であるため、そこを避けて不織布不存在部分65を設けることにより、液不透過性シート64が肌に接触し難くなり、肌触りの悪化を抑制することができる。
図1〜図6に示す形態において内側不織布層61をトップシート30の側部まで延在させることにより、又は図7及び図8に示す構造の脚周りギャザー60とすることにより、液不透過性シート64の全体を隠しても良い。
ギャザー弾性伸縮部材63は、脚周りギャザー60の先端部にのみ設けても良いが、図示形態のように脚周りギャザー60の先端から基端に向かう方向に間隔を空けて複数本設けられているのが好ましい。通常の場合、ギャザー弾性伸縮部材63の本数は、2〜6本が好ましく、その相互間隔60dは3〜10mmが好ましい。このように、複数本のギャザー弾性伸縮部材63を間隔を空けて設けると、その間の部分が外側に窪むため、図示形態のようにこの間隔部分にのみ不織布不存在部分65を設けると、不織布不存在部分65に露出する液不透過性シート64が窪んで肌に接触し難くなるため好ましい。この場合、図1〜図6に示す形態のように、少なくとも脚周りギャザー60の先端部及び基端部にのみそれぞれ一本又は複数本間隔を空けてギャザー弾性伸縮部材63を設け、基端部のギャザー弾性伸縮部材63と先端部のギャザー弾性伸縮部材63との間の間隔部分にのみ不織布不存在部分65を設けると特に好ましい。
脚周りギャザー60におけるギャザー弾性伸縮部材63を設ける前後方向範囲は、脚周りギャザー60の前後方向全体とすることもできるが、立ち上がり部分の前後方向範囲以下とするのが好ましい。
また、ギャザー弾性伸縮部材63は、内側不織布層61及び外側不織布層62の間に設けられる限り(このため不織布不存在部分65には設けられない)、脚周りギャザー60に内蔵される液不透過性シート64に対して図3及び図7に示す形態のように内側に設けることも、また図示しないが外側に設けることも可能である。
液透過性フィルム64を設ける範囲は、脚周りギャザー60の基端から基端よりも先端側の位置までの範囲であれば、基端から基端及び先端の中間位置までとすることもできるが、遮水性を十分に向上させるためには先端部まで設けることが望ましく、特に図3及び図4に示す形態のように先端部より若干(例えばギャザー弾性部材複数本分。具体的には5〜30mm程度)離間した位置までとし、先端部には液透過性フィルム64を内蔵させないことにより肌触りの柔軟性を確保することが好ましい。
また、不織布不存在部分65に液不透過性シート64が露出する形態では、脚周りギャザー60における前側外装体12F及び後側外装体12Bと重なる部分60Wにおいて、不織布不存在部分65に露出する液不透過性シート64が肌に押し付けられるおそれがある。しかし、図1〜図6に示す形態のように、当該部分60Wを前側外装体12F及び後側外装体12Bに固定して、前側外装体12F及び後側外装体12Bの弾性伸縮部材15,19により幅方向に収縮させると、当該部分60Wは液不透過性シート64が露出するとしても収縮皺により肌に対する接触面積は顕著に低減するため、肌触りへの影響は少ないものとなる。なお、この形態の脚周りギャザー60では、前側外装体12F及び後側外装体12Bに対する固定部分60Wの間の領域が、ギャザー弾性伸縮部材63の収縮に伴い、吸収体56の側縁を基端として図3に二点鎖線で示すように脚周りに向かって立ち上がるようになる。
脚周りギャザー60の部材構成は特に限定されず、公知の構造を採用することができる。図1〜図6に示す形態では、トップシート30を不織布からなるものとし、かつその幅方向両側を吸収体56の側縁から延び出るように構成し、また、吸収体56の裏側には不織布からなるギャザーシート66を設け、かつその幅方向両側を吸収体56の側縁から延び出るように構成し、さらに、このギャザーシート66の側端部を折り返すとともに、その折り返し部分66rの先端をトップシート30の先端から離間させるとともに、少なくとも、ギャザーシート66の折り返し部分66rの間から、トップシート30とギャザーシート66との間にかけて液不透過性シート64を設けている。そして、その結果、ギャザーシート66の折り返し部分66r以外の部分により外側不織布層62が形成されるとともに、ギャザーシート66の折り返し部分66r及びトップシート30における吸収体56の側方に延び出る部分により内側不織布層61が形成され、かつギャザーシート66の折り返し部分66rとトップシート30とが離間する部分により不織布不存在部分65が形成されている。このように、脚周りギャザー60における不織布不存在部分65より基端側の内側不織布層61をトップシート30により形成し、それ以外をギャザーシート66により形成すると、素材の切断を要さずに不織布不存在部分65を設けることができ、また、その構造も非常に簡素となり、製造も容易となる。
この場合、脚周りギャザー60の液不透過性シート64は、図3及び図4に示す形態のように、一方側の脚周りギャザー60から吸収体56の裏側を通り他方側の脚周りギャザー60まで延在されていると、脚周りギャザー60の遮水性だけでなく、吸収体56の裏側の遮水性も一体的に確保することができるため好ましいが、図7及び図8に示す形態のように脚周りギャザー60に内蔵させる液透過性フィルム64と、吸収体56の裏側を覆う液透過性フィルム11とを個別に設けることもできる。後者の場合、脚周りギャザー60に内蔵させる液透過性フィルム64の素材と、吸収体56の裏側を覆う液透過性フィルムの素材11とを同一のものとしても、また異なるものとしても良い。
同様に、ギャザーシート66も、図3及び図4に示す形態のように、一方側の脚周りギャザー60から吸収体56の裏側を通り他方側の脚周りギャザー60まで一体のシートにより形成されていると、前述の股間部カバーシートを別途設けなくてもなくても布のような外面が得られるため好ましいが、図7及び図8に示す形態のようにギャザーシート66と、股間部カバーシート12Mを個別に設けても良い。
他の脚周りギャザー60の構造として、図7及び図8に示す形態のように、内装体200の裏側に固定された取付け部分68と、この取付け部分68から内装体200の側方を回り込んで内装体200の側部表面まで延在された延在部分69と、この延在部分69の前後方向両端部が倒伏状態で内装体200の側部表面に固定されて形成された倒伏部分69Bと、延在部分における倒伏部分の間の中間部が非固定とされて形成された自由部分69Fと、この自由部分69Fの少なくとも先端部に前後方向に沿って伸長状態で固定されたギャザー弾性伸縮部材63と、を有するものも採用することができる。この脚周りギャザー60では、ギャザー弾性伸縮部材63の収縮に伴い、自由部分69Fが取付け部分68との境を基端として脚周りに向かって立ち上がるようになる。
図7及び図8に示す形態の脚周りギャザー60の延在部分69は、幅方向中央側に向かう付け根側部分と、この付け根側部分の先端から幅方向外側に折り返された先端側部分とからなるが、幅方向外側に折り返されずに、幅方向中央側に向かう部分のみからなる形態とすることもできる(図示略)。
他方、脚周りギャザー60のうち立ち上がり部分となる前後方向中間領域では、内側不織布層61と外側不織布層62との貼り合わせや、その間に挟まれるギャザー弾性伸縮部材63の固定に、種々の塗布方法によるホットメルト接着剤及びヒートシールや超音波シール等の素材溶着による固定手段の少なくとも一方を用いることができる。内側不織布層61及び外側不織布層62の全面を貼り合わせると柔軟性を損ねるため、ギャザー弾性伸縮部材63の接着部以外の部分は接着しないか弱く接着するのが好ましい。図示形態では、コームガンやシュアラップノズル等の塗布手段によりギャザー弾性伸縮部材63の外周面にのみホットメルト接着剤を塗布して内側不織布層61及び外側不織布層62間に挟むことにより、当該ギャザー弾性伸縮部材63の外周面に塗布したホットメルト接着剤のみで、内側不織布層61及び外側不織布層62への細長状弾性伸縮部材の固定と、内側不織布層61及び外側不織布層62間の固定とを行う構造となっている。
また、脚周りギャザー60のうち前後方向両側の非立ち上がり部分では、内側不織布層61と外側不織布層62との貼り合わせや、図1〜図6に示す形態の脚周りギャザー60の前側外装体12F及び後側外装体12Bへの固定、並びに図7及び図8に示す形態の脚周りギャザー60における付け根側部分及び先端側部分の固定及びその内装体200の側部表面への固定に、種々の塗布方法によるホットメルト接着剤、及びヒートシールや超音波シール等の素材溶着による固定手段67の少なくとも一方を用いることができる。図示形態では、ホットメルト接着剤と素材溶着による固定手段67を組み合わせているが、いずれか一方の手段のみで、これらの固定を行うこともできる。
脚周りギャザー60の寸法は適宜定めることができるが、乳幼児用紙おむつの場合は、脚周りギャザー60の起立高さ(展開状態における先端と基端との幅方向間隔)は15〜60mm、特に20〜40mmであるのが好ましい。
上記各形態において、内側不織布層61及び外側不織布層62としてはスパンボンド不織布(SS、SSS等)やSMS不織布(SMS、SSMMS等)、メルトブロー不織布等の柔軟で均一性・隠蔽性に優れた不織布に、必要に応じてシリコンなどにより撥水処理を施したものを好適に用いることができ、繊維目付けは10〜30g/m2程度とするのが好ましい。図3及び図4に示す形態では、不織布不存在部分65より基端側の内側不織布層61がトップシート30により形成されていることからも分かるように、内側不織布層61及び外側不織布層62の素材を部分的に異ならしめることも可能であり、また内側不織布層61及び外側不織布層62の素材を異ならしめることも可能である。
上記各形態において、ギャザー弾性伸縮部材63としては糸状のゴム、帯状のゴム等の細長状弾性伸縮部材を用いることができる。糸ゴムを用いる場合は、太さは470〜1240dtexが好ましく、620〜940dtexがより好ましい。固定時の伸長率は、150〜350%が好ましく、200〜300%がより好ましい。
上記各形態は脚周りギャザー60を左右各一列設けるものであるが、複数列設けることもできる。
<その他>
(a)2枚のシート層12S,12Hの素材は適宜定めることができるが、伸縮方向の剛軟度が、伸縮方向と直交する方向の剛軟度よりも高いと、襞80の頂部が緩やかに曲がりやすくなるため好ましい。
(b)図示形態のように、前後方向に隣接する弾性伸縮部材19の間の部位の各々に、シート接合部20が形成されていると好ましいが、複数本置きにシート接合部20が形成されていても良い。つまり、前後方向に隣接するシート接合部20間には弾性伸縮部材19を一本のみ配置することが望ましいが、複数本配置しても良い。
(c)前後方向に隣接する弾性伸縮部材19の間に設けられるシート接合部20の本数(連続する部分を一本とする)は、図示形態のように一本とする他、図13に示すように複数本とすることもできる。
(d)図示形態では、外装体12F,12Bの幅方向の伸縮構造の全体に本発明を適用しているが、一部のみ本発明を適用し、残り(例えばウエスト部のみ)については、弾性伸縮部材19の幅方向全体にわたり弾性伸縮部材19の外周面にのみホットメルト接着剤を塗布して2枚のシート層12S,12H間に固定する等、公知の伸縮構造とすることができる。また、前側外装体12F及び後側外装体12Bのいずれか一方のみ本発明を適用することもできる。
(e)上述の本発明の伸縮構造は、パンツタイプ使い捨ておむつだけでなく、テープタイプ使い捨ておむつの胴周りやファスニングテープ、吸収性物品全般に汎用されている立体ギャザー、平面ギャザー等、他の伸縮部にも適用することができる。
<明細書中の用語の説明>
明細書中で以下の用語が使用される場合、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前後(縦)方向」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味する。
・「展開状態」とは、収縮や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。
・「人口尿」は、尿素:20wt%、食塩:8wt%、塩化カルシウム二水和物:0.3wt%、酸化マグネシウム七水和物:0.8wt%、及び純水:70.01wt%を混合したものであり、特に記載の無い限り、温度40度で使用される。
・「ゲル強度」は次のようにして測定されるものである。人工尿49.0gに、高吸収性ポリマーを1.0g加え、スターラーで攪拌させる。生成したゲルを40℃×60%RHの恒温恒湿槽内に3時間放置したあと常温にもどし、カードメーター(I.techno Engineering社製:Curdmeter−MAX ME−500)でゲル強度を測定する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を相対湿度10〜25%、温度50℃を超えない環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から米坪板(200mm×250mm、±2mm)を使用し、200mm×250mm(±2mm)の寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、20倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES−G5 ハンディー圧縮試験機)を用い、荷重:10gf/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
・吸水量は、JIS K7223−1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
・「吸水速度」は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
・「剛軟度」は、JIS L 1096:2010「織物及び編物の生地試験方法」の「8.21.1 A法(45°カンチレバー法)」を意味する。
・ホットメルト接着剤の「剥離強度」は、以下のようにして測定されるものである。すなわち、繊度1.44dtex、目付け17g/m2のPP繊維からなる疎水性スパンボンド不織布301を2枚(それぞれMD方向100mm以上×CD方向75mm以上)用意し、一方の不織布301のCD方向中央領域に25mmの塗布幅でMD方向に連続的に、測定対象のホットメルト接着剤302を20g/m2の塗布量で塗布し、このホットメルト接着剤302を介して他方の不織布301をMD方向及びCD方向を合わせて接着した後、その上から2kgのローラーを1往復させて圧着させ、図20に示す不織布接着体300を作製する。次に、この不織布接着体300から、図20に点線で示す切断線で切断し、MD方向75mm×CD方向25mmで全面が接着された縦方向試験片310と、MD方向25mm×CD方向75mmで、CD方向両端から25mmの非接着部分321と、その間のMD方向25mm×CD方向25mmの接着部分322を有する横方向試験片320を作製する。そして、縦方向試験片310では、図20に二点鎖線で示すように、MD方向一端から25mmの端部の両不織布を剥離(コールドスプレーを対象部分に吹き付けることにより対象部分の接着力を低下させて剥離する)してつかみ代311を形成し、各不織布のつかみ代311を引張試験機の上下つかみ具でそれぞれつかみ、つかみ具間隔30mm、引張速度300mm/minの条件で、図21に示すように残りの接着部分312を剥離し、その引き剥がしに要する引張力(cN/25mm)を測定する。横方向試験片320では、CD方向一端部の非接着部分321の各不織布を引張試験機の上下つかみ具でそれぞれつかむ以外は、縦方向試験片310と同様にして試験を行う。剥離部分の破壊状態を観察し、界面破壊(界面剥離)及び凝集破壊のときには、縦軸を引張力とする測定曲線のうち、剥離開始以降(曲線が上がり切った後)の波状部分から最初の5つの頂点及び最初の5つの底点を選び、各点の引張力の平均値を測定値とする。また、材料破壊(基材破壊)のときには、引張力の最大値を測定値とする。以上の測定を、縦方向試験片310及び横方向試験片320のそれぞれについて3回実施し、それぞれ3回の測定値を平均して縦の剥離強度及び横の剥離強度とする。
・ホットメルト接着剤の「保持力」は、以下のようにして測定されるものである。すなわち、図22に示すように、25μm厚のPETフィルムを用意し、長さ100mm×幅25mmの2枚の長方形PETフィルム401の長手方向の端部(長手方向の一端から25mmの部分)同士を、測定対象のホットメルト接着剤層402を介して接着した試験片400を作製する。試験片400の接着部分403は25mm×25mmとなる。このホットメルト接着剤層402はスロット塗布により20g/m2の厚みで塗布し、接着後、接着部分403の上から2kgのローラーを1往復させて圧着させた後、試験片400を常温(23℃)下で16時間放置し、さらに図23に示すように試験片400の両端部のPETフィルム401を、厚み方向にネジで締め付けるつかみ具404でつかみ、接着部分403に力が加わらないように、クリープ試験機(恒温槽)内に40℃で2時間放置する。その後、クリープ試験機内に、図23に示すように一方のつかみ具404を上にして吊り下げ、他方のつかみ具404に錘405を吊るし、錘405及び錘側のつかみ具405の合計で1kgの鉛直荷重をかけ、荷重をかけ始めた時から接着部分403が完全に剥がれ、錘405側のPETフィルムが剥がれ落ちるまでの時間を測定する。測定は120分までとし、120分経過までに錘が落下しなかったときには測定結果は「120分超」とする。以上の測定を3回行い、測定結果の平均値を保持力(分)とする。3回の測定結果に、120分超が1回、120分以下が2回あったときには、120分以下の2回の測定結果の平均値を保持力とし、120分超が2回、120分以下が1回あったときには、120分以下の1回の測定結果を保持力とし、3回とも120分超のときには保持力は120分超とする。
・「ループタック粘着力」は、次のように測定される値を意味する。すなわち、ホットメルト接着剤を厚さが50μmのPET板上に50μmの厚みで塗布する。これを、幅25mm、長さ125mmの大きさに切取り、テープ状とした後、そのテープの両端を重ね合わせることでループ状とする。このループを、LT−100型ループタックテスター(ケムインストルメント社製)に固定した後、PE(ポリエチレン)板に対して、25mm×25mmの接着面積で、接着時間2秒で接着する。次いで、20℃で、引き剥がし速度300mm/分でループ状のテープを引き剥がし、最大の力を測定し、ループタック粘着力とする。
・「溶融粘度」は、JIS Z 8803に従い、ブルックフィールドB型粘度計(スピンドルNo.027)を用いて、規定の温度で測定されるものである。
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内で行うものとする。
・各部の寸法は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
本発明は、上記例のようなパンツタイプ使い捨ておむつに好適なものであるが、テープタイプ若しくはパッドタイプの使い捨ておむつはもちろん、生理用ナプキン等、吸収性物品全般に適用できるものである。
11…液不透過性シート、12A…サイドシール部、12B…後側外装体、12F,12B…外装体、12F…前側外装体、12H…内側シート層、12S,12H…2枚のシート層、12S…外側シート層、15,18…ウエスト下方部弾性伸縮部材、16…カバー部弾性伸縮部材、17…ウエスト部弾性伸縮部材、19…弾性伸縮部材、19f…固定端部、19m…自由部、20…シート接合部、21…無シート接合領域、30…トップシート、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…脚周りギャザー、61…内側不織布層、62…外側不織布層、63…ギャザー弾性伸縮部材、64…液不透過性シート、65…不織布不存在部分、66…ギャザーシート、66r…折り返し部分、70…不要弾性伸縮部材、80…襞、200…内装体、201…内外固定部、A1…非伸縮領域、A2…間欠伸縮領域、A3…連続伸縮領域、FA…自由部間領域、MA…固定端部間領域、H1,H2…ホットメルト接着剤。
本発明は、自然長状態での手触りがより柔軟になる吸収性物品の伸縮構造、及びこれを採用したパンツタイプ使い捨ておむつに関するものである。
吸収性物品においては、各部のフィット性を改善するために伸縮構造を設けることが一般的となっている。例えば、パンツタイプやテープタイプの使い捨ておむつにおいては、胴周り部に胴周り方向の伸縮構造を設けたり、脚周り部に脚周りに沿う方向の伸縮構造を設けたりすることが広く行われている。さらに、パンツタイプやテープタイプの使い捨ておむつはもちろん、生理用ナプキンを含めた吸収性物品全般にわたり、立体ギャザーや平面ギャザーと呼ばれる前後方向の伸縮構造を設けることも広く行われている(例えば、特許文献1〜3参照)。
このような吸収性物品の伸縮構造の代表的なものは、2枚の不織布等のシート層の間に、伸縮方向に沿ってかつ互いに間隔を空けて設けられた細長状の弾性伸縮部材を備えるものである。2枚のシート層は面状の伸縮領域を形成するとともに、弾性伸縮部材を被覆、隠蔽する役割を担い、2枚のシート層間に内蔵される弾性伸縮部材は、弾性伸縮のための力を生み出す役割を担うものである。弾性伸縮部材は、伸縮方向に伸長された状態で、少なくとも伸縮領域の両端部に位置する部分が2枚のシート層に固定される。この固定により、弾性伸縮部材と2枚のシート層とが一体化され、2枚のシート層シート層は弾性伸縮部材の収縮力により収縮して襞又は皺が形成され、またこの収縮状態から弾性伸縮部材の収縮力に抗して伸長されると、襞や皺が展開される。通常、2枚のシート層は弾性伸長限界では襞や皺が無い展開状態となり、弾性伸縮部材の収縮に伴って襞が寄り、自然長状態では最も密に襞が寄る。
このような伸縮構造では、2枚のシート層が互いに自由であると、一方のシート層が他方のシート層に対して部分的又は全体的に浮いて不必要な皺や膨らみを生じるおそれがあるため、2枚のシート層はそのほぼ全体にわたり直接的又は間接的に接合されている必要がある。また、弾性伸縮部材により伸縮性を生み出すため、弾性伸縮部材は伸縮領域の伸縮方向の全体にわたり延在され、かつ伸縮領域の伸縮方向の両端部に位置する部分は2枚のシート層に対して固定され、自然長状態では弾性伸縮部材の収縮に伴い2枚のシート層も収縮されている必要がある。つまり、2枚のシート層間の接合と、2枚のシート層に対する弾性伸縮部材の固定とが必要となるのである。
現在では、弾性伸縮部材を2枚のシート層に固定する手段としては、ほとんどの場合、ホットメルト接着剤が選択されている。一方、2枚のシート層間の接合形態は、ホットメルト接着剤の使用量を低減するために、超音波溶着等の溶着により行うことも多くなってきているが、ホットメルト接着剤により行う形態も根強く利用されている。例えば、弾性伸縮部材の通過位置でホットメルト接着剤を介して2枚のシート層を接合することにより、2枚のシート層間の接合と、2枚のシート層に対する弾性伸縮部材の固定とを兼ねる兼用形態の他、伸縮方向に間欠的に配された、伸縮方向と直交する方向に連続するホットメルト接着剤を介して2枚のシート層を接合する形態が知られている。(特許文献1〜3参照)
特開2004−229857号公報 特開2013−132331号公報 特開2014−207973号公報
しかし、上記兼用形態のものは、ホットメルト接着剤を介して接着されているだけでも硬質化している部分が、弾性伸縮部材の収縮に伴い収縮してさらに硬くなるため、弾性伸縮部材の収縮に伴い2枚のシート層が最も収縮した自然長状態で手触りが硬く、使用者が製品を手に持ったときに硬い感じがするという問題点があった。
また、上記特許文献1〜3記載の伸縮構造においても、上記兼用形態ほどではないが、自然長状態での柔らかさは必ずしも十分ではなかった。この理由は定かではないが、次のような構造上の相違が影響しているものと考えられる。すなわち、上記特許文献1〜3記載の伸縮構造では、自然長状態で伸縮方向に薄い襞が伸縮方向と直交する方向に連続し、その襞の先端が小さな曲率半径で屈曲して素材の折り目を形成するとともに、この折り目を有する襞が同じ高さで近接して整列するため、襞は厚み方向に潰れにくく、かつ倒れにくい。しかも、襞の先端が小さな曲率半径で屈曲していると、先端に触れたときに特に硬い感触がするのである。
自然長状態での手触りは使用者の商品選択に影響するため、改善が強く望まれるところである。
そこで、本発明の主たる課題は、ホットメルト接着剤により2枚のシート層を接合する伸縮構造において、自然長状態の製品を手で触ったときに、より柔軟な感触が得られるようにすることにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
伸縮方向及びこれと直交する直交方向に延びる2枚のシート層と、これらシート層の間に前記直交方向に間隔を空けて配置された、伸縮方向に沿って延びる複数本の細長状の弾性伸縮部材とを有し、
前記弾性伸縮部材は、伸縮領域における前記伸縮方向の両端部が前記2枚のシート層に固定されてなる固定端部とされるとともに、これら固定端部の間では前記2枚のシート層に非固定の自由部とされており、
前記固定端部の間の領域として定まる固定端部間領域に、前記2枚のシート層がホットメルト接着剤を介して接合されたシート接合部を有している、吸収性物品の伸縮構造において、
前記2枚のシート層のうち、一方は吸収性物品の外面をなし、かつ他方は吸収性物品の内面をなしており、
前記シート接合部が、各々前記伸縮方向に連続し、かつ互いに交差することなく前記直交方向に並ぶ複数本の線状のシート接合部とされており、
前記直交方向に隣接する前記自由部の間の領域として定まる自由部間領域が前記直交方向に複数隣接して設けられており、
前記シート接合部は、前記自由部間領域に、前記弾性伸縮部材と交差することなく設けられている、
ことを特徴とする吸収性物品の伸縮構造。
(作用効果)
本発明者は、多種多様な伸縮構造を実験する中で、伸縮領域でシート接合部を伸縮方向に連続させたところ、自然長状態での手触りが柔軟になることに気が付いた。この結果は、シート接合部の連続性が高まるほど、つまりシート接合部が密集するほど硬くなるという従来の一般的な認識からは考えられないことであった。
本発明はこのような知見に基づいてなされたものである。本発明において自然長状態の手触りが柔軟に感じられる理由は定かではないが、おそらく、次のような構造上の相違が影響しているものと考えられる。すなわち、シート接合部が伸縮方向に連続していると、2枚のシート層が互いに沿うようにしか変形しない。この結果、自然長状態を含め、弾性伸縮部材の収縮に伴い2枚のシート層が収縮した状態では、2枚のシート層が互いに沿うような波状をなして表裏両面に襞が形成される。そして、2枚のシート層が互いに沿うような波状をなすときには、単なるシート層数による剛性向上だけでなく、シート接合部において接合手段による硬質化及び2枚のシート層の曲率の違いにより、従来の襞の頂部よりも緩やかに曲がる(特に自然長状態で従来との違いが顕著となる)結果、手触りが滑らかで、厚み方向に潰れやすくなり、手触りの柔軟性が向上する。しかも、2枚のシート層が互いに沿うような緩やかな波状をなすときには、伸縮方向において波の山と山、谷と谷とが離間するため、波が厚み方向に潰れる際や倒れる際、波の山と山、谷と谷とが支え合う作用が弱くなり、この点でも手触りがより柔軟になると考えられる。また、平滑な素材を表裏から指で摘む場合は、同じ素材でも1枚よりも2枚を重ねて摘むほうが滑らかさを感じやすい。これは、指同士あるいは指と素材の間の摩擦抵抗よりも素材同士の摩擦抵抗が低いために、2枚を重ねて摘んだ場合に摩擦抵抗が低く(滑らかに)感じることができるためである。2枚のシート層が互いに沿うようになっていると、この滑り感を強く感覚することができると考えられる。
さらに、本発明では、弾性伸縮部材の2枚のシート層に対する自由度が高いため、伸縮力のロスが少なく、シート層の剛性にムラがあっても(例えばシート層が不織布の場合に不織布の繊維密度にムラがあっても)自然に収縮させることが可能であり、弾性伸縮部材の使用量を従来より減らすことも可能となる。
<請求項2記載の発明>
前記複数本のシート接合部は、同一の線形状を有している、請求項1記載の吸収性物品の伸縮構造。
(作用効果)
このようにシート接合部が同一の線形状を有していると、緩やかな襞が規則的に形成されるため好ましい。
<請求項3記載の発明>
前記シート接合部は、前記伸縮方向に沿って直線状に設けられている、
請求項1又は2記載の吸収性物品の伸縮構造。
(作用効果)
このようにシート接合部が直線状に設けられていると、襞が特に規則的に形成されるため好ましい。
<請求項4記載の発明>
前記弾性伸縮部材が前記直交方向に間隔空けて3本以上設けられており、
前記自由部間領域の各々に、前記シート接合部が形成されている、請求項1〜のいずれか1項に記載の吸収性物品の伸縮構造。
(作用効果)
弾性伸縮部材が前記直交方向に間隔空けて3本以上設けられる場合、直交方向に隣接する自由部間領域の全てにシート接合部を形成しなくても良いが、弾性伸縮部材の自由部は直交方向に移動可能であるため、隣接する弾性伸縮部材の自由部が接触して円滑な伸縮が阻害されたり、2本の弾性伸縮部材が揃った状態で肌に当たると跡付きしやすくなるおそれがある。また、シート接合部同士の間隔が広くなりすぎると2枚のシート層が互いに沿いにくくなる。よって、本項記載のように構成することが好ましい。
<請求項5記載の発明>
展開状態で、前記自由部間領域における前記直交方向の少なくとも両端部に、前記自由部間領域の幅方向全体にわたりシート接合部を有しない無シート接合領域が連続する、請求項1〜のいずれか1項に記載の吸収性物品の伸縮構造。
(作用効果)
本項記載のように構成すると、弾性伸縮部材の自由部が、シート接合部を有する領域までは前後方向(伸縮方向と直交する方向)に自由に移動可能となり、フィット性に優れた伸縮構造となる。
<請求項6記載の発明>
前記線状のシート接合部は波線状に形成されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品の伸縮構造。
(作用効果)
このようにシート接合部を波線状にすると、直線状とする場合より少ないホットメルト接着剤の使用量で、2枚のシート層を直交方向に広く一体化することができ、シート層の浮きやそれによる皺や膨らみを効果的に防止することができる。
<請求項記載の発明>
前記2枚のシート層は、前記伸縮方向の剛軟度が、前記直交方向の剛軟度よりも高い、請求項1〜のいずれか1項に記載の吸収性物品の伸縮構造。
(作用効果)
このようなシート層を用いることにより、襞の頂部が緩やかに曲がりやすくなるため好ましい。
<請求項記載の発明>
前身頃及び後身頃を構成する外装体と、この外装体の内側に取り付けられた、吸収体を含む内装体とを備え、前身頃における外装体の両側部と後身頃における外装体の両側部とがそれぞれ接合された部分であるサイドシール部を有し、環状の胴周り部と、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部とを有する、パンツタイプ使い捨ておむつにおいて、
請求項1〜のいずれか1項に記載の吸収性物品の伸縮構造が、前記外装体における少なくとも前記内装体の両側縁より外側に位置する部分を含む領域に、前記伸縮方向が幅方向となるように設けられた、
ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
(作用効果)
本発明の伸縮構造は、このようにパンツタイプ使い捨ておむつの外装体における少なくとも内装体の幅方向両側に位置する領域に好適なものである。
以上のとおり、本発明によれば、自然長状態の製品を手で触ったときに、より柔軟な感触が得られる等の利点がもたらされる。
パンツタイプ使い捨ておむつの内面を示す、展開状態の平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの外面を示す、展開状態の平面図である。 図1の3−3断面図である。 図1の4−4断面図である。 図1の5−5断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの斜視図である。 図1の3−3断面に相当する内装体の断面図である。 図1の4−4断面に相当する内装体の断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの外面を示す、展開状態の平面図である。 図9の6−6断面に相当する断面図である。 外装体の展開状態の要部拡大平面図である。 外装体の展開状態の要部拡大平面図である。 外装体の展開状態における弾性伸縮部材及びホットメルト接着剤の配置図である。 外装体の展開状態における弾性伸縮部材及びホットメルト接着剤の配置図である。 (a)外装体の展開状態の要部拡大平面図、(b)外装体の展開状態の7−7断面図である。 (a)外装体の自然長状態の8−8断面図、(b)外装体の自然長状態の9−9断面図、(c)外装体の自然長状態の10−10断面図、(d)外装体の自然長状態の7−7断面図である。 (a)外装体の展開状態の要部拡大平面図、(b)外装体の自然長状態の8−8断面図、(c)外装体の自然長状態の10−10断面図、(d)外装体の自然長状態の7−7断面図である。 切断装置の斜視図である。 外装体の非伸縮領域及び伸縮領域の拡大平面図である。 剥離強度測定試験の試験片の説明図である。 剥離強度測定試験の説明図である。 保持力測定試験の試験片の説明図である。 保持力測定試験の説明図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ詳説する。
図1〜図6は、パンツタイプ使い捨ておむつの一例を示している。断面図における点模様部分はその表側及び裏側に位置する各構成部材を接合する接合手段としての接着剤を示しており、ホットメルト接着剤などのベタ、ビード、カーテン、サミット若しくはスパイラル塗布などにより、また弾性伸縮部材の固定部分はこれに代えて又はこれとともにコームガンやシュアラップ塗布などの弾性伸縮部材の外周面への塗布により形成されるものである。各構成部材を接合する接合手段としてはヒートシールや超音波シール等の素材溶着による固定手段を用いることもできる。
本形態のパンツタイプ使い捨ておむつは、前身頃F及び後身頃Bを構成する外装体12F,12Bと、前身頃Fから股間部を経て後身頃Bまで延在するように外装体12F,12Bの内側に設けられた内装体200とを備えており、前身頃Fの外装体12Fの両側部と後身頃Bの外装体12Bの両側部とが接合されてサイドシール部12Aが形成されたものである。符号Yは展開状態におけるおむつの全長(前身頃Fのウエスト開口WOの縁から後身頃Bのウエスト開口WOの縁までの縦方向長さ)を示しており、符号Xは展開状態におけるおむつの全幅を示している。
内装体200は、尿等の排泄物を吸収保持する部分であり、外装体12は着用者の身体に対して内装体200を支えるための部分である。本形態では、外装体12F,12Bの上部開口は、装着者の胴を通すウエスト開口WOとなり、内装体200の幅方向両側において外装体12F,12Bの下縁及び内装体200の側縁によりそれぞれ囲まれる部分が脚を通す脚開口部LOとなる。
また、本形態のパンツタイプ使い捨ておむつは、サイドシール部12Aを有する縦方向範囲(ウエスト開口WOから脚開口LOの上端に至る縦方向範囲)として定まる胴周り領域Tと、脚開口LOを形成する部分の前後方向範囲(前身頃Fのサイドシール部12Aを有する縦方向領域と後身頃Bのサイドシール部12Aを有する縦方向領域との間)として定まる中間領域Lとを有する。胴周り領域Tは、概念的にウエスト開口の縁部を形成する「ウエスト部」Wと、これよりも下側の部分である「ウエスト下方部」Uとに分けることができる。通常、胴周り領域T内に幅方向伸縮応力が変化する境界(例えば弾性伸縮部材の太さや伸長率が変化する)を有する場合は、最もウエスト開口WO側の境界よりもウエスト開口WO側がウエスト部Wとなり、このような境界が無い場合は吸収体56又は内装体200よりもウエスト開口WO側がウエスト部Wとなる。これらの縦方向の長さは、製品のサイズによって異なり、適宜定めることができるが、一例を挙げると、ウエスト部Wは15〜40mm、ウエスト下方部Uは65〜120mmとすることができる。一方、中間領域Lの両側縁は被着者の脚周りに沿うようにコ字状又は曲線状に括れており、ここが装着者の脚を入れる部位となる。この結果、展開状態のパンツタイプ使い捨ておむつは、全体として略砂時計形状をなしている。
(外装体)
外装体12F,12Bは、前身頃Fを構成する部分である前側外装体12Fと、後身頃Bを構成する部分である後側外装体12Bとからなり、前側外装体12F及び後側外装体12Bは脚側で連続しておらず、離間されている。この離間距離12dは150〜250mm程度とすることができる。図示しないが、この離間部分における内装体200の裏面の露出部分の一部(例えば前側外装体12Fと後側外装体12Bとの間に露出する部分の前後方向全体にわたるが、内装体200の前後端まで延びず、また幅方向両側縁も内装体200の両側縁までは達しない程度)又は全体を覆うように、不織布等からなる股間部カバーシートを貼り付けることもできる。また、図9及び図10に示すように、外装体12が、前身頃Fから後身頃Bにかけて股間を通り連続する一体的なものとすることもできる。つまり、前身頃F及び後身頃Bを個別に構成する外装体12F,12Bが前者の形態に相当し、前身頃F及び後身頃Bを一体的に構成する外装体12が後者の形態に相当する。
外装体12F,12Bは、胴周り領域Tと対応する縦方向範囲である胴周り部を有する。また、本形態では、前側外装体12Fには中間領域Lと対応する部分を有していないが、後側外装体12Bは胴周り領域Tから中間領域L側に延び出る臀部カバー部14を有している。図示しないが、前側外装体12Fにも胴周り領域Tから中間領域L側に延び出る鼠蹊カバー部を設けたり、鼠径カバー部は設けるものの臀部カバー部は設けない形態としたり、前側外装体12F及び後側外装体12Bの両方に中間領域Lと対応する部分を設けなくても良い。また、図示形態では、臀部カバー部14の下縁は、前側外装体12Fの下縁と同様、幅方向に沿う直線状に形成しているが、幅方向外側に向かうにつれてウエスト開口側に位置するようになる曲線とすることもできる。
外装体12F,12Bは、図2〜図5に示されるように、外側シート層12S及び内側シート層12Hにより表裏が形成されている。外側シート層12S及び内側シート層12Hは、図5に示すように、一枚のシート材をウエスト開口側に折り目が位置するように折り畳んで形成する他、図10に示すように、二枚のシート材を貼り合わせて形成することもできる。また、外側シート層12S及び内側シート層12Hの少なくとも一方は、その一部が他の部分と異なるシート材により形成されていても良い。
外側シート層12S及び内側シート層12Hに用いるシート材としては、シート状のものであれば特に限定無く使用できるが、不織布であるのが好ましい。不織布は、その原料繊維が何であるかは特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。ただし、シート接合部20を溶着にて形成する場合には、オレフィン系繊維からなる不織布が好適である。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。特に、柔軟性の観点からは、ポリピロピレン繊維のスパンボンド不織布が、外側シート層12S及び内側シート層12Hに好適である。もちろん、外側シート層12S及び内側シート層12Hに用いるシート材としては、互いに異なるものを使用することができる。
不織布を用いる場合、繊度は1〜3dtex程度とするのが好ましく、目付けは10〜30g/m2程度とするのが好ましい。よって、外装体12F,12Bに用いる不織布の総目付けは20〜60g/m2程度であるのが好ましい。また、KES法(Kawabata's Evaluation System for Fabrics)に基づく不織布の平均表面摩擦係数MIUは0.30以下、特に0.05〜0.20(MDとCDの両方)とし、表面摩擦係数の変動偏差MMDは0.01以下、特に0.003〜0.008(MDとCDの両方)、且つ荷重0.5g/cm2時の厚みが0.05〜0.25mm、特に0.10〜0.20mmであるのが好ましい。MIU及びMMDはカトーテック株式会社製の摩擦感テスターKES−SEにより測定することができる。
そして、外装体12F,12Bには、吸収体56よりもウエスト開口側に幅方向に連続する連続伸縮領域A3を有するとともに、吸収体56を有する前後方向範囲に、幅方向中間に設けられた非伸縮領域A1と、この非伸縮領域A1の幅方向両側に設けられた間欠伸縮領域A2とを有しており、連続伸縮領域A3及び間欠伸縮領域A2における外側シート層12S及び内側シート層12H間には、糸ゴム等の細長状弾性伸縮部材19(15〜18)が幅方向に沿って所定の伸長率で取り付けられて、幅方向に伸縮可能(幅方向が伸縮方向)とされている。細長状弾性伸縮部材19としては、合成ゴムを用いても、天然ゴムを用いても良い。図示形態における非伸縮領域A1及び間欠伸縮領域を有する前後方向範囲の一部又は全部について、幅方向全体にわたり連続伸縮領域A3としたり、図示形態における非伸縮領域A1の前後方向範囲をウエスト側又は股間側に拡大したりしても良い。
図示形態についてより詳細に説明すると、まず、外装体12F,12Bのウエスト部Wにおける外側シート層12S及び内側シート層12H間には、幅方向全体にわたり連続するように、複数のウエスト部弾性伸縮部材17が前後方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で取り付けられている。ウエスト部弾性伸縮部材17のうち、ウエスト下方部Uに隣接する領域に配設される1本又は複数本については、内装体200と重なっていてもよいし、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けてもよい。ウエスト部弾性伸縮部材17としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、5〜20mm、特に8〜16mmの間隔で3〜22本程度、それぞれ伸長率150〜400%、特に220〜320%程度で取り付けるのが好ましい。また、ウエスト部弾性伸縮部材17は、その全てを同じ太さと伸長率にする必要はなく、例えばウエスト部Wの上部と下部で弾性伸縮部材の太さと伸長率が異なるようにしてもよい。
また、外装体12F,12Bのウエスト下方部Uにおける外側シート層12S及び内側シート層12H間には、非伸縮領域A1を除いて、その上側及び幅方向両側の各部位に、幅方向全体にわたり連続するように、細長状弾性伸縮部材からなるウエスト下方部弾性伸縮部材15,18が複数本、前後方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で取り付けられている。ウエスト下方部弾性伸縮部材15,18としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、5〜20mm、特に8〜16mmの間隔で5〜30本程度、それぞれ伸長率200〜350%、特に240〜300%程度で取り付けるのが好ましい。
また、後側外装体12Bの臀部カバー部14における外側シート層12S及び内側シート層12H間には、非伸縮領域A1を除いて、その幅方向両側の各部位に、幅方向全体にわたり連続するように、細長状弾性伸縮部材からなるカバー部弾性伸縮部材16が複数本、前後方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で取り付けられている。カバー部弾性伸縮部材16としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、5〜20mm、特に8〜16mmの間隔で2〜10本程度、それぞれ伸長率150〜300%、特に180〜260%で取り付けるのが好ましい。前側外装体12Fに鼠径カバー部を設ける場合には同様にカバー部弾性伸縮部材を設けることができる。
なお、図示形態の間欠伸縮領域A2のように、外装体12F,12Bに設けられる弾性伸縮部材19(図示形態ではウエスト下方部弾性伸縮部材15,18及びカバー部弾性伸縮部材16)が、非伸縮領域A1を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けられていると、当該非伸縮領域A1において吸収体56の幅方向収縮が防止される。よって、非伸縮領域A1は、吸収体56と幅方向に重なる部分の一部又は全部を含む幅方向中間(好ましくは内外固定部201の全体を含む)の領域とされ、その幅方向両側におけるサイドシール部12Aまでの幅方向全体が間欠伸縮領域A2とされることが好ましい。
(弾性伸縮部材の固定部)
図2、図9及び図11〜図14等に示すように、連続伸縮領域A3及び間欠伸縮領域A2における弾性伸縮部材19は、その領域の幅方向両端部が外側シート層12S及び内側シート層12Hに固定されてなる固定端部19fとされるとともに、これら固定端部19fの間の部分は外側シート層12S及び内側シート層12Hに非固定の自由部19mとされている。この弾性伸縮部材19の自由部19mは、幅方向に自由に伸縮し、かつ後述するシート接合部20の間の空間内で前後方向(伸縮方向と直交する方向)に自由に移動可能とされている。つまり、図示形態のように、外装体12F,12Bにおける内装体200と重なる部分の一部又は全部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けられている弾性伸縮部材19の場合には、幅方向両側の各弾性伸縮部材19の両端部が固定端部19fとされ、外装体12F,12Bの幅方向全体にわたり連続する弾性伸縮部材19の場合には、弾性伸縮部材19における外装体12F,12Bの幅方向両端部に位置する部分が固定端部19fとされる。
固定端部19fは、弾性伸縮部材19が外側シート層12S及び内側シート層12Hに固定される限り、その固定手段は限定されるものではなく、公知のあらゆる手段を用いることができるが、ホットメルト接着剤H1を用いるのが好ましい。ホットメルト接着剤H1を用いる場合、図2、図9、図11、図13及び図14に示すように各弾性伸縮部材19の端部の部位にのみ塗布する他、図12に示すように複数の弾性伸縮部材19の端部にわたるように前後方向に連続する塗布パターンで塗布することもできる。固定端部19fを固定するためのホットメルト接着剤H1は、外側シート層12S及び内側シート層12Hの少なくとも一方に対して塗布する他、各弾性伸縮部材19の端部の部位にのみ塗布する場合には、コームガンやシュアラップノズル等の塗布手段により弾性伸縮部材19の両端部となる部分の外周面にのみホットメルト接着剤を塗布しても良い。
サイドシール部12A側に位置する固定端部19fは、図示形態のようにサイドシール部12Aに隣接していることが望ましいが、サイドシール部12Aから幅方向中央側に離間させることもできる。
(伸縮領域におけるシート接合部)
図2、図5、図9及び図11〜図14に示すように、少なくとも固定端部間領域MA(固定端部の間の幅方向領域)では、各々幅方向に連続し、かつ互いに交差することなく直交方向に並ぶ複数本の線状のシート接合部20で、外側シート層12S及び内側シート層12Hがホットメルト接着剤H2を介して接合されている。
例えば、図17に示す従来形態のように、シート接合部20の無い部分が伸縮方向と直交する方向(図示形態では前後方向)に連続すると、そのシート接合部20の無い部分において2枚のシート層12S,12Hが互いに離れるように膨らむのに対して、図15及び図16に示すように、2枚のシート層12S,12Hの全体が一体であれば、互いに沿うような波状になるほかない。このような観点から、シート接合部20は、図示するように、固定端部間領域ではシート接合部20が幅方向に連続されている。シート接合部20が幅方向に連続する部分は、外装体12F,12Bの幅方向全体にわたっていても良いが、固定端部間領域MA以外であれば部分的又は全体的に固定端部間領域MAから続くシート接合部20が形成されていなくても良い。
このように構成された外装体12F,12Bの伸縮領域A2,A3では、シート接合部20が伸縮方向に連続しているため、図16に示すように、自然長状態では2枚のシート層12S,12Hは互いに沿うようにしか変形しない。この結果、完全に伸長した展開状態では2枚のシート層12S,12Hは襞の無い平坦な状態となるが、自然長状態を含め、弾性伸縮部材19の収縮に伴い2枚のシート層12S,12Hが収縮した状態では、2枚のシート層12S,12Hが互いに沿うような波状をなして表裏両面に襞80が形成されることとなる。図16(d)に二点鎖線で示された部分は、実線で示された部分の襞80に隣接する反対向きの襞80を形成する部分である。
図16に示すように、2枚のシート層12S,12Hが互いに沿うような波状をなすときには、単なるシート層数による剛性向上、及び2枚のシート層12S,12Hの曲率の違いにより、従来の襞80の頂部よりも緩やかに曲がる(特に自然長状態で従来との違いが顕著となる)結果、手触りが滑らかで、厚み方向に潰れやすくなり、手触りの柔軟性が向上する。しかも、2枚のシート層12S,12Hが互いに沿うような緩やかな波状をなすときには、伸縮方向において波の山と山、谷と谷とが離間するため、波が厚み方向に潰れる際や倒れる際、波の山と山、谷と谷とが支え合う作用が弱くなり、この点でも手触りがより柔軟になると考えられる。
また、平滑な素材を表裏から指で摘む場合は、同じ素材でも1枚よりも2枚を重ねて摘むほうが滑らかさを感じやすい。これは、指同士あるいは指と素材の間の摩擦抵抗よりも素材同士の摩擦抵抗が低いために、2枚を重ねて摘んだ場合に摩擦抵抗が低く(滑らかに)感じることができるためである。2枚のシート層が互いに沿うようになっていると、この滑り感を強く感覚することができると考えられる。したがって、2枚のシート層12S,12Hに用いるシート材の摩擦特性は、前述のようなものとするのが好ましい。
シート接合部20の線形状(換言するとホットメルト接着剤H2の塗布パターン)は適宜定めることができるが、図11及び図13に示すような直線状とする他、図12及び図14に示すような波状(図示のような曲線状のもののほか、三角波状や矩形波状も含む)とすることもでき、また他の規則的又は不規則な曲線状とすることもできる。また、図示のように、同一の幅方向位置において前後方向に並ぶシート接合部20は全て同一の線形状とすることが好ましいが、異なる線形状のシート接合部20を組み合わせることもできる。また、一つのおむつにおいてシート接合部20は全て同一の線形状とすることが好ましいが、異なる線形状のシート接合部20を組み合わせることもできる。
シート接合部20の線幅20zは適宜定めることができるが、ホットメルト接着剤H2の塗布幅に等しくなるため、汎用性を考慮すると通常の場合0.5〜2.0mm程度とすることが望ましい。
前後方向に隣り合うシート接合部20の前後方向間隔20s(間隔が一定でない場合には最小値)は適宜定めることができるが、狭すぎると柔軟性が損なわれ、広すぎると2枚のシート層12S,12Hの一体性が低下するため、通常の場合3〜10mm程度とすることが好ましい。
シート接合部20を伸縮方向に沿って直線状に設ける場合、弾性伸縮部材19の通過位置にホットメルト接着剤H2を塗布しシート接合部20を設けると、弾性伸縮部材19が伸縮方向に連続的に固定されるため、図11及び図13に示すように、前後方向に隣接する弾性伸縮部材19の自由部19mの間の領域として定まる自由部間領域FA(図11のハッチングを付した領域。他の図では省略。)に設ける必要がある。
特に、伸縮領域A2,A3の展開状態で、各自由部間領域FAにおける前後方向の両端部に、シート接合部20を有しない無シート接合領域21が幅方向に連続していると、弾性伸縮部材19の自由部19mが、シート接合部20を有する領域までは前後方向(伸縮方向と直交する方向)に自由に移動可能となり、フィット性に優れた伸縮構造となるため好ましい。つまり、図11及び図13に示すように、展開状態では、弾性伸縮部材19及びシート接合部20はその幅方向全体にわたり前後方向に離間されるが、弾性伸縮部材19は隣接するシート接合部20間で前後方向に移動可能であるため、通常の装着状態や自然長状態では弾性伸縮部材19の中間の一部は前後方向に移動しシート接合部20に接触することもありうる。無シート接合領域21の前後方向長さは適宜定めることができるが、前後方向に隣接する固定端部19fの前後方向間隔19dの10〜49%、特に25〜49%とすることが好ましく、具体的な長さとしては2〜12mm、特に4〜9mmとすることが好ましい。
直線状のシート接合部20の場合、シート接合部20は、図11及び図13に示すように前後方向に隣接する自由部間領域FAの各々に一本設ける形態が望ましいが、複数本設けることもできる。反対に、前後方向に隣接する自由部間領域FAの各々に直線状のシート接合部20が設けられていなくても良く、よって図13(b)に示すように一つ置きに設けたりすることができる。
また、直線状のシート接合部20の場合、自由部間領域FAに占める前後方向の総寸法(自由部間領域FAに位置するシート接合部20が一本の場合にはシート接合部20の線幅20zに等しく、複数本の場合にはシート接合部20の線幅20zの本数倍に等しい)は、前後方向に隣接する固定端部19fの前後方向間隔19d(すなわち弾性伸縮部材19の前後方向間隔)の10〜40%とすることができ、特に15〜30%とすることが好ましく、具体的な長さとしては0.5〜2.0mmとすることが好ましい。
図12及び図14に示すように、シート接合部20を波線状とする場合、波線状のシート接合部20を、前後方向に隣接する複数(3以上とすることが好ましい)の自由部間領域FAにわたる波高を有するものとすることができる。この場合、シート接合部20が弾性伸縮部材19と交差し、その交差部においても2枚のシート層12S,12Hが接合されることになるが、伸縮方向に間欠的に接合されるだけであり、その接合部の面積も極端に小さいため、収縮による硬質化は殆ど問題にならない。特に、図示例のように、自由部間領域FAが前後方向に並ぶ数より、その自由部間領域FAが並ぶ領域に設けられたシート接合部20の本数が少ない形態とすると、直線状とする場合より少ないホットメルト接着剤H2の使用量で、2枚のシート層12S,12Hを直交方向に広く一体化することができ、シート層12S,12Hの浮きやそれによる皺や膨らみを効果的に防止することができる。もちろん、直線状のシート接合部20と同様に、シート接合部20が弾性伸縮部材19と交差しないように、波線状のシート接合部20を自由部間領域FA内に一本又は複数本設けることもできる。また、波線状のシート接合部20は、自由部間領域FAの各々に設けられていなくても良く、よって一つ置きに設けたりすることができる。
波線状のシート接合部20の波高20Hは適宜定めることができるが、波高20Hは前後方向に隣接する固定端部19fの前後方向間隔19d(すなわち弾性伸縮部材19の前後方向間隔)の50〜300%とすることができ、特に120〜250%とすることが好ましく、具体的な長さとしては5〜30mmとすることが好ましい。波線状のシート接合部20の波長20L(繰り返す部分の伸縮方向の長さ)は適宜定めることができるが、通常の場合10〜50mmとすることが好ましい。
(非伸縮領域の形成)
非伸縮領域A1は、内側シート層12Hと外側シート層12Sとの間に弾性伸縮部材19を供給し、間欠伸縮領域A2とする領域の端部で弾性伸縮部材19の固定端部19fをホットメルト接着剤H1により固定した後、非伸縮領域A1とする領域において、弾性伸縮部材19を幅方向中間の1か所又は複数か所で加圧及び加熱により切断するか、又は弾性伸縮部材15,16,19のほぼ全体を加圧及び加熱により細かく切断し、間欠伸縮領域A2に伸縮性を残しつつ非伸縮領域A1では伸縮性を殺すことにより構築することができる。
図19(a)は、弾性伸縮部材19を幅方向中間の1か所で切断する場合を示しており、周方向の1か所に切断凸部72を有する加圧部71を外周面に備え、切断凸部72が所望の温度に加熱されるシールロール70と、これに対向配置された表面平滑なアンビルロール80とにより、内側シート層12H及び外側シート層12S間に弾性伸縮部材19を取り付けた切断対象を挟み、切断凸部72とアンビルロール80の外周面との間に挟まれる部位のみ弾性伸縮部材19を加圧及び加熱して切断するものである。このような加工を施した製品では、図20(a)(b)に示すように、非伸縮領域A1における外側シート層12S及び内側シート層12H間には、間欠伸縮領域A2の弾性伸縮部材19から連続する切断残部のみが不要弾性伸縮部材18として残り、溶融跡22が一本だけ切断痕跡として残ることになる。図示しないが、複数か所で切断する場合は、周方向の複数か所に切断凸部72を有するシールロール70を用いれば良い。
また、図19(b)は、弾性伸縮部材19のほぼ全体を細かく切断する場合を示しており、千鳥状等の間欠配置とされた多数の切断凸部73を有する加圧部71を外周面に備え、切断凸部72が所望の温度に加熱されるシールロール70と、これに対向配置された表面平滑なアンビルロール80とにより、内側シート層12H及び外側シート層12S間に弾性伸縮部材15〜17,19を取り付けた切断対象を挟み、切断凸部73とアンビルロール80の外周面との間に挟まれる部位のみ弾性伸縮部材19を加圧及び加熱して切断するものである。このような加工を施した製品では、図20(c)に示すように、非伸縮領域A1における外側シート層12S及び内側シート層12H間には、間欠伸縮領域A2の弾性伸縮部材19から連続する切断残部、及び両方の間欠伸縮領域A2の弾性伸縮部材19と連続しない弾性伸縮部材の切断片が、不要弾性伸縮部材18として前後方向及び幅方向に間欠的に残り、溶融跡22が切断痕跡として前後方向及び幅方向に間欠的に残ることになる。
(非伸縮領域におけるシート接合部)
非伸縮領域A1にはシート接合部20を設けなくても良いが、外側シート層12Sが内側シート層12Hに対してずれたり、浮いたりするのは好ましくないため、シート接合部20を設けるのが好ましい。非伸縮領域のシート接合部20は、2枚のシート層12S,12Hが接合される限り特に限定されるものではないが、図2、図6、図20等に示すように、非伸縮領域A1では、不要弾性伸縮部材70は2枚のシート層12S,12Hに対して非固定とされるとともに、不要弾性伸縮部材70の前後方向両側で、シート接合部20により2枚のシート層12S,12Hが接合されていると好ましい。このように、不要弾性伸縮部材70が2枚のシート層12S,12Hに対して非固定とされていると、不要弾性伸縮部材70の収縮力が2枚のシート層12S,12Hに対して完全に作用しない状態とすることができる。さらに、非伸縮領域A1では、不要弾性伸縮部材70の前後方向両側で、シート接合部20により2枚のシート層12S,12Hが接合されており、不要弾性伸縮部材70の前後方向の移動はその前後両側に位置するシート接合部20間に限られるため、見栄えが悪化するような大きな移動は防止される。もちろん、非伸縮領域A1における不要弾性伸縮部材70は2枚のシート層12S,12Hに対してホットメルト接着剤により固定しても良い。図20(a)(b)のように弾性伸縮部材19を幅方向中間の1か所(又は複数か所)で切断する場合は、接着力が低くなるようにホットメルト接着剤の塗布量等を調整する。図20(c)のように弾性伸縮部材19を細かく切断する場合は、接着力が高くても非伸縮領域A1の伸縮性をほぼ殺すことができる。
非伸縮領域A1におけるシート接合部20は、間欠伸縮領域A2におけるシート接合部20と基本的に同様とすることができる。非伸縮領域A1におけるシート接合部20の形状、寸法、数、及び配置等は、間欠伸縮領域A2におけるシート接合部20と異なるものとしても良い。例えば、非伸縮領域A1におけるシート接合部20の本数を間欠伸縮領域A2におけるシート接合部の本数よりも多くし、非伸縮領域A1においては不要弾性伸縮部材70とシート接合部20との距離を狭くすることにより、不要弾性伸縮部材70の移動を効果的に防止しつつ、間欠伸縮領域A2においては柔軟性を重視して図11に示す形態のように弾性伸縮部材19間に一列とすることができる。
ただし、製造容易性及び製造安定性の観点からは、図2、図6、図20等に示すように、非伸縮領域A1におけるシート接合部20の形状、寸法、数、及び配置等は、間欠伸縮領域A2におけるシート接合部20と同様とすることが望ましく、少なくとも、間欠伸縮領域A2におけるシート接合部20及び非伸縮領域A1におけるシート接合部20が、幅方向に連続されていると好ましい。
この場合、シート接合部20を直線状とすると、間欠伸縮領域A2における2枚のシート層12S,12H間の空間が、非伸縮領域A1における2枚のシート層12S,12H間の空間と連続することになり、不要弾性伸縮部材70が間欠伸縮領域A2側に移動するおそれがある。そこで、間欠伸縮領域A2における弾性伸縮部材19の固定端部19fを、少なくとも幅方向中央側の端部では、図12及び図13に示すように当該間欠伸縮領域A2の前後方向全体にわたり連続するホットメルト接着剤により形成し、同時に2枚のシート層12S,12Hを当該間欠伸縮領域A2の前後方向全体にわたり接合するのも好ましい形態である。これにより、非伸縮領域A1における2枚のシート層12S,12H間の空間が、非伸縮領域A1の幅方向両側で閉じられるため、不要弾性伸縮部材70が間欠伸縮領域A2に移動して見栄えが悪化するのを防止することができる。
また、非伸縮領域A1のシート接合部20を、不要弾性伸縮部材70と交差する配置の波線状とすると、間欠伸縮領域A2側への不要弾性伸縮部材70の移動が、シート接合部20により遮られるため、不要弾性伸縮部材70が間欠伸縮領域A2に移動して見栄えが悪化するのを防止することができる。特に、シート接合部20のホットメルト接着剤により不要弾性伸縮部材70が2枚のシート層12S,12Hに固定されていると、不要弾性伸縮部材70の移動を確実に防止でき、見栄えが特に良好となる。
その他、非伸縮領域A1におけるシート接合部20の詳細は、伸縮領域A2,A3におけるシート接合部20と同様であるため、ここではあえて説明を省略する。
(ホットメルト接着剤)
外装体12に用いるホットメルト接着剤H1,H2としては、例えばEVA系、粘着ゴム系(エラストマー系)、オレフィン系、ポリエステル・ポリアミド系などの種類のものが存在し、特に限定無く使用できる。特に、弾性伸縮部材の固定端部を2枚のシート層に固定するホットメルト接着剤H1(以下、第1ホットメルト接着剤という)の保持力は、固定端部間領域において線状に連続するシート接合部を形成するためのホットメルト接着剤H2(以下、第2ホットメルト接着剤という)の保持力よりも高いものが好ましい。特に、第1ホットメルト接着剤H1の保持力が120分超であるのが好ましく、第2ホットメルト接着剤H2の保持力は30〜90分であるのが好ましい。
また、一般に溶融粘度の高いホットメルト接着剤は保持力が高いため、第1ホットメルト接着剤H1の溶融粘度は、第2ホットメルト接着剤H2の溶融粘度よりも高いことが望ましい。具体的には、第1ホットメルト接着剤H1は温度140℃における溶融粘度が10,000〜40,000mPa・s、温度160℃における溶融粘度が5,000〜10,000mPa・sのものが好ましく、第2ホットメルト接着剤H2は温度140℃における溶融粘度が3,000〜7,000mPa・s、温度160℃における溶融粘度が1,000〜4,000mPa・sのものが好ましい。
また、ループタック粘着力が高いホットメルト接着剤は不織布同士の接着に適しているため、第2ホットメルト接着剤H2のループタック粘着力が、第1ホットメルト接着剤H1のループタック粘着力よりも高いことが望ましい。具体的には、第1ホットメルト接着剤H1のループタック粘着力は10〜500g/25mmのものが好ましく、第2ホットメルト接着剤H2のループタック粘着力は1,000g/25mm以上のものが好ましい。
さらに、第1ホットメルト接着剤H1の剥離強度が縦横ともに100cN/25mm以上であり、第2ホットメルト接着剤H2の剥離強度が縦横ともに100cN/25mm以上であると、より好ましい。
このような要件を満たす第1ホットメルト接着剤H1及び第2ホットメルト接着剤H2はホットメルト接着剤メーカーから容易に入手することができる。
(内装体)
内装体200の形状、構造は特に限定されず、例えば以下に述べる形状、構造を採用することができる。内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3〜図5に示されるように、装着者の肌側となる液透過性トップシート30と、液不透過性シート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う本体部である。符号40は、トップシート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、トップシート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシートとも呼ばれる)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体の吸収面の幅方向両側に沿って延在された、装着者の脚周りに向かって立ち上がる部分である脚周りギャザー60を示している。
(トップシート)
トップシート30は、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシート等、液透過性素材であれば特に限定無く利用できるが、図3及び図4に示す形態のようにトップシート30が脚周りギャザー60の液不透過性シート64の被覆材を兼ねる場合には不織布が用いられる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、トップシート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、トップシート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
トップシート30の幅方向両側が脚周りギャザー60の液不透過性シート64の被覆材を兼ねない場合は、例えば図7及び図8に示す形態のように、吸収要素50と脚周りギャザー60との間を通して、吸収要素50の裏側まで回り込ませ、液の浸透を防止するために、液不透過性シート11及び脚周りギャザー60に対してホットメルト接着剤等により接着することができる。
(中間シート)
図7及び図8に示す形態のように、トップシート30の裏側に、トップシートより親水性に優れる中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、吸収した液の吸収体からの逆戻り現象を防止し、トップシート30上のさらっとした肌触りを確保するためのものである。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、トップシート30と同様の素材や、スパンレース、スパンボンド、SMS、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布が嵩高であるため好ましい。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。目付けは20〜80g/m2が好ましく、25〜60g/m2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.2〜10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、吸収体56の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
(液不透過性シート)
吸収体56の裏側に設けられる液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムを例示することができる。液不透過性シート11には、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。
液不透過性シート11は、図3及び図4に示す形態のように、吸収体56よりも側方に延在させて、脚周りギャザー60内の液透過性フィルム64を兼ねるものとしたり、図7及び図8に示す形態のように、吸収要素50の裏側に収まる幅とする、又は吸収要素50の幅方向両側を回り込ませて吸収要素50のトップシート30側面の両側部まで延在させたりすることができる。
また、液不透過性シート11の内側、特に吸収体56側面に、液分の吸収により色が変化する排泄インジケータを設けることができる。
(吸収要素)
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、2.54cm当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56は長方形形状でも良いが、図6にも示すように、前端部、後端部及びこれらの間に位置し、前端部及び後端部と比べて幅が狭い括れ部とを有する砂時計形状をなしていると、吸収体56及び脚周りギャザー60の脚周りへのフィット性が向上するため好ましい。
また、吸収体の寸法は適宜定めることができるが、前後方向及び幅方向において、内装体の周縁部又はその近傍まで延在しているのが好ましい。なお、符号56Xは吸収体56の幅を示している。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子54としては、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、例えば500μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が30重量%以下のものが望ましく、また、180μmの標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いたふるい分け(5分間の振とう)でふるい上に残る粒子の割合が60重量%以上のものが望ましい。
高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量(JIS K7223−1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」)が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が70秒以下、特に40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が遅すぎると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生しやすくなる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和する。
必要であれば、高吸収性ポリマー粒子は、吸収体56の平面方向で含有率を変化させることができる。例えば、液の排泄部位を他の部位より含有率を高くすることができる。男女差を考慮する場合、男用は前側の含有率を高め、女用は中央部の含有率を高めることができる。また、吸収体56の平面方向において局所的(例えばスポット状)にポリマーが存在しない部分を設けることもできる。
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等の液透過性素材を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜20g/m2、特に8〜15g/m2のものが望ましい。
包装シート58の包装形態は適宜定めることができるが、製造容易性や前後端縁からの高吸収性ポリマー粒子の漏れ防止等の観点から、吸収体56の表裏面及び両側面を取り囲むように筒状に巻付け、かつその前後縁部を吸収体56の前後からはみ出させ、このはみ出し部分を表裏方向に潰してホットメルト接着剤等の接合手段により接合する形態が好ましい。
(脚周りギャザー)
脚周りギャザー60は、内装体200の吸収面の幅方向両側に沿って延在された、装着者の脚周りに向かって立ち上がる部分であり、トップシート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。
本形態の脚周りギャザー60は、図3及び図4に示すように、幅方向内側の面を構成する内側不織布層61と、幅方向外側の面を構成する外側不織布層62と、前後方向中間における少なくとも先端部における内側不織布層61及び外側不織布層62の間に前後方向に沿って設けられたギャザー弾性伸縮部材63と、基端から基端よりも先端側の位置までの範囲にわたり、内側不織布層61及び外側不織布層62の間に挟まれた液不透過性シート64(11)とを有している。図示形態では、脚周りギャザー60における液不透過性シート64を有する部分であってかつ先端部よりも基端側の部分が、脚周りギャザー60の前後方向全体にわたり、内側不織布層61が存在せず液不透過性シート64が露出する不織布不存在部分65とされている。このように、脚周りギャザー60に内側不織布層61の無い不織布不存在部分65を設けることにより不織布使用量を削減することができる。また、脚周りギャザー60の先端部は肌に接触する部分であるため、そこを避けて不織布不存在部分65を設けることにより、液不透過性シート64が肌に接触し難くなり、肌触りの悪化を抑制することができる。
図1〜図6に示す形態において内側不織布層61をトップシート30の側部まで延在させることにより、又は図7及び図8に示す構造の脚周りギャザー60とすることにより、液不透過性シート64の全体を隠しても良い。
ギャザー弾性伸縮部材63は、脚周りギャザー60の先端部にのみ設けても良いが、図示形態のように脚周りギャザー60の先端から基端に向かう方向に間隔を空けて複数本設けられているのが好ましい。通常の場合、ギャザー弾性伸縮部材63の本数は、2〜6本が好ましく、その相互間隔60dは3〜10mmが好ましい。このように、複数本のギャザー弾性伸縮部材63を間隔を空けて設けると、その間の部分が外側に窪むため、図示形態のようにこの間隔部分にのみ不織布不存在部分65を設けると、不織布不存在部分65に露出する液不透過性シート64が窪んで肌に接触し難くなるため好ましい。この場合、図1〜図6に示す形態のように、少なくとも脚周りギャザー60の先端部及び基端部にのみそれぞれ一本又は複数本間隔を空けてギャザー弾性伸縮部材63を設け、基端部のギャザー弾性伸縮部材63と先端部のギャザー弾性伸縮部材63との間の間隔部分にのみ不織布不存在部分65を設けると特に好ましい。
脚周りギャザー60におけるギャザー弾性伸縮部材63を設ける前後方向範囲は、脚周りギャザー60の前後方向全体とすることもできるが、立ち上がり部分の前後方向範囲以下とするのが好ましい。
また、ギャザー弾性伸縮部材63は、内側不織布層61及び外側不織布層62の間に設けられる限り(このため不織布不存在部分65には設けられない)、脚周りギャザー60に内蔵される液不透過性シート64に対して図3及び図7に示す形態のように内側に設けることも、また図示しないが外側に設けることも可能である。
液透過性フィルム64を設ける範囲は、脚周りギャザー60の基端から基端よりも先端側の位置までの範囲であれば、基端から基端及び先端の中間位置までとすることもできるが、遮水性を十分に向上させるためには先端部まで設けることが望ましく、特に図3及び図4に示す形態のように先端部より若干(例えばギャザー弾性部材複数本分。具体的には5〜30mm程度)離間した位置までとし、先端部には液透過性フィルム64を内蔵させないことにより肌触りの柔軟性を確保することが好ましい。
また、不織布不存在部分65に液不透過性シート64が露出する形態では、脚周りギャザー60における前側外装体12F及び後側外装体12Bと重なる部分60Wにおいて、不織布不存在部分65に露出する液不透過性シート64が肌に押し付けられるおそれがある。しかし、図1〜図6に示す形態のように、当該部分60Wを前側外装体12F及び後側外装体12Bに固定して、前側外装体12F及び後側外装体12Bの弾性伸縮部材15,19により幅方向に収縮させると、当該部分60Wは液不透過性シート64が露出するとしても収縮皺により肌に対する接触面積は顕著に低減するため、肌触りへの影響は少ないものとなる。なお、この形態の脚周りギャザー60では、前側外装体12F及び後側外装体12Bに対する固定部分60Wの間の領域が、ギャザー弾性伸縮部材63の収縮に伴い、吸収体56の側縁を基端として図3に二点鎖線で示すように脚周りに向かって立ち上がるようになる。
脚周りギャザー60の部材構成は特に限定されず、公知の構造を採用することができる。図1〜図6に示す形態では、トップシート30を不織布からなるものとし、かつその幅方向両側を吸収体56の側縁から延び出るように構成し、また、吸収体56の裏側には不織布からなるギャザーシート66を設け、かつその幅方向両側を吸収体56の側縁から延び出るように構成し、さらに、このギャザーシート66の側端部を折り返すとともに、その折り返し部分66rの先端をトップシート30の先端から離間させるとともに、少なくとも、ギャザーシート66の折り返し部分66rの間から、トップシート30とギャザーシート66との間にかけて液不透過性シート64を設けている。そして、その結果、ギャザーシート66の折り返し部分66r以外の部分により外側不織布層62が形成されるとともに、ギャザーシート66の折り返し部分66r及びトップシート30における吸収体56の側方に延び出る部分により内側不織布層61が形成され、かつギャザーシート66の折り返し部分66rとトップシート30とが離間する部分により不織布不存在部分65が形成されている。このように、脚周りギャザー60における不織布不存在部分65より基端側の内側不織布層61をトップシート30により形成し、それ以外をギャザーシート66により形成すると、素材の切断を要さずに不織布不存在部分65を設けることができ、また、その構造も非常に簡素となり、製造も容易となる。
この場合、脚周りギャザー60の液不透過性シート64は、図3及び図4に示す形態のように、一方側の脚周りギャザー60から吸収体56の裏側を通り他方側の脚周りギャザー60まで延在されていると、脚周りギャザー60の遮水性だけでなく、吸収体56の裏側の遮水性も一体的に確保することができるため好ましいが、図7及び図8に示す形態のように脚周りギャザー60に内蔵させる液透過性フィルム64と、吸収体56の裏側を覆う液透過性フィルム11とを個別に設けることもできる。後者の場合、脚周りギャザー60に内蔵させる液透過性フィルム64の素材と、吸収体56の裏側を覆う液透過性フィルムの素材11とを同一のものとしても、また異なるものとしても良い。
同様に、ギャザーシート66も、図3及び図4に示す形態のように、一方側の脚周りギャザー60から吸収体56の裏側を通り他方側の脚周りギャザー60まで一体のシートにより形成されていると、前述の股間部カバーシートを別途設けなくてもなくても布のような外面が得られるため好ましいが、図7及び図8に示す形態のようにギャザーシート66と、股間部カバーシート12Mを個別に設けても良い。
他の脚周りギャザー60の構造として、図7及び図8に示す形態のように、内装体200の裏側に固定された取付け部分68と、この取付け部分68から内装体200の側方を回り込んで内装体200の側部表面まで延在された延在部分69と、この延在部分69の前後方向両端部が倒伏状態で内装体200の側部表面に固定されて形成された倒伏部分69Bと、延在部分における倒伏部分の間の中間部が非固定とされて形成された自由部分69Fと、この自由部分69Fの少なくとも先端部に前後方向に沿って伸長状態で固定されたギャザー弾性伸縮部材63と、を有するものも採用することができる。この脚周りギャザー60では、ギャザー弾性伸縮部材63の収縮に伴い、自由部分69Fが取付け部分68との境を基端として脚周りに向かって立ち上がるようになる。
図7及び図8に示す形態の脚周りギャザー60の延在部分69は、幅方向中央側に向かう付け根側部分と、この付け根側部分の先端から幅方向外側に折り返された先端側部分とからなるが、幅方向外側に折り返されずに、幅方向中央側に向かう部分のみからなる形態とすることもできる(図示略)。
他方、脚周りギャザー60のうち立ち上がり部分となる前後方向中間領域では、内側不織布層61と外側不織布層62との貼り合わせや、その間に挟まれるギャザー弾性伸縮部材63の固定に、種々の塗布方法によるホットメルト接着剤及びヒートシールや超音波シール等の素材溶着による固定手段の少なくとも一方を用いることができる。内側不織布層61及び外側不織布層62の全面を貼り合わせると柔軟性を損ねるため、ギャザー弾性伸縮部材63の接着部以外の部分は接着しないか弱く接着するのが好ましい。図示形態では、コームガンやシュアラップノズル等の塗布手段によりギャザー弾性伸縮部材63の外周面にのみホットメルト接着剤を塗布して内側不織布層61及び外側不織布層62間に挟むことにより、当該ギャザー弾性伸縮部材63の外周面に塗布したホットメルト接着剤のみで、内側不織布層61及び外側不織布層62への細長状弾性伸縮部材の固定と、内側不織布層61及び外側不織布層62間の固定とを行う構造となっている。
また、脚周りギャザー60のうち前後方向両側の非立ち上がり部分では、内側不織布層61と外側不織布層62との貼り合わせや、図1〜図6に示す形態の脚周りギャザー60の前側外装体12F及び後側外装体12Bへの固定、並びに図7及び図8に示す形態の脚周りギャザー60における付け根側部分及び先端側部分の固定及びその内装体200の側部表面への固定に、種々の塗布方法によるホットメルト接着剤、及びヒートシールや超音波シール等の素材溶着による固定手段67の少なくとも一方を用いることができる。図示形態では、ホットメルト接着剤と素材溶着による固定手段67を組み合わせているが、いずれか一方の手段のみで、これらの固定を行うこともできる。
脚周りギャザー60の寸法は適宜定めることができるが、乳幼児用紙おむつの場合は、脚周りギャザー60の起立高さ(展開状態における先端と基端との幅方向間隔)は15〜60mm、特に20〜40mmであるのが好ましい。
上記各形態において、内側不織布層61及び外側不織布層62としてはスパンボンド不織布(SS、SSS等)やSMS不織布(SMS、SSMMS等)、メルトブロー不織布等の柔軟で均一性・隠蔽性に優れた不織布に、必要に応じてシリコーンなどにより撥水処理を施したものを好適に用いることができ、繊維目付けは10〜30g/m2程度とするのが好ましい。図3及び図4に示す形態では、不織布不存在部分65より基端側の内側不織布層61がトップシート30により形成されていることからも分かるように、内側不織布層61及び外側不織布層62の素材を部分的に異ならしめることも可能であり、また内側不織布層61及び外側不織布層62の素材を異ならしめることも可能である。
上記各形態において、ギャザー弾性伸縮部材63としては糸状のゴム、帯状のゴム等の細長状弾性伸縮部材を用いることができる。糸ゴムを用いる場合は、太さは470〜1240dtexが好ましく、620〜940dtexがより好ましい。固定時の伸長率は、150〜350%が好ましく、200〜300%がより好ましい。
上記各形態は脚周りギャザー60を左右各一列設けるものであるが、複数列設けることもできる。
<その他>
(a)2枚のシート層12S,12Hの素材は適宜定めることができるが、伸縮方向の剛軟度が、伸縮方向と直交する方向の剛軟度よりも高いと、襞80の頂部が緩やかに曲がりやすくなるため好ましい。
(b)図示形態のように、前後方向に隣接する弾性伸縮部材19の間の部位の各々に、シート接合部20が形成されていると好ましいが、複数本置きにシート接合部20が形成されていても良い。つまり、前後方向に隣接するシート接合部20間には弾性伸縮部材19を一本のみ配置することが望ましいが、複数本配置しても良い。
(c)前後方向に隣接する弾性伸縮部材19の間に設けられるシート接合部20の本数(連続する部分を一本とする)は、図示形態のように一本とする他、図13に示すように複数本とすることもできる。
(d)図示形態では、外装体12F,12Bの幅方向の伸縮構造の全体に本発明を適用しているが、一部のみ本発明を適用し、残り(例えばウエスト部のみ)については、弾性伸縮部材19の幅方向全体にわたり弾性伸縮部材19の外周面にのみホットメルト接着剤を塗布して2枚のシート層12S,12H間に固定する等、公知の伸縮構造とすることができる。また、前側外装体12F及び後側外装体12Bのいずれか一方のみ本発明を適用することもできる。
(e)上述の本発明の伸縮構造は、パンツタイプ使い捨ておむつだけでなく、テープタイプ使い捨ておむつの胴周りやファスニングテープ、吸収性物品全般に汎用されている立体ギャザー、平面ギャザー等、他の伸縮部にも適用することができる。
<明細書中の用語の説明>
明細書中で以下の用語が使用される場合、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「前後(縦)方向」とは腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味する。
・「展開状態」とは、収縮や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を相対湿度10〜25%、温度50℃を超えない環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から米坪板(200mm×250mm、±2mm)を使用し、200mm×250mm(±2mm)の寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、20倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・「厚み」は、自動厚み測定器(KES−G5 ハンディー圧縮試験機)を用い、荷重:0.098N/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
・吸水量は、JIS K7223−1996「高吸水性樹脂の吸水量試験方法」によって測定する。
・「吸水速度」は、2gの高吸収性ポリマー及び50gの生理食塩水を使用して、JIS K7224‐1996「高吸水性樹脂の吸水速度試験法」を行ったときの「終点までの時間」とする。
・「剛軟度」は、JIS L 1096:2010「織物及び編物の生地試験方法」の「8.21.1 A法(45°カンチレバー法)」を意味する。
・ホットメルト接着剤の「剥離強度」は、以下のようにして測定されるものである。すなわち、繊度1.44dtex、目付け17g/m2のPP繊維からなる疎水性スパンボンド不織布301を2枚(それぞれMD方向100mm以上×CD方向75mm以上)用意し、一方の不織布301のCD方向中央領域に25mmの塗布幅でMD方向に連続的に、測定対象のホットメルト接着剤302を20g/m2の塗布量で塗布し、このホットメルト接着剤302を介して他方の不織布301をMD方向及びCD方向を合わせて接着した後、その上から2kgのローラーを1往復させて圧着させ、図20に示す不織布接着体300を作製する。次に、この不織布接着体300から、図20に点線で示す切断線で切断し、MD方向75mm×CD方向25mmで全面が接着された縦方向試験片310と、MD方向25mm×CD方向75mmで、CD方向両端から25mmの非接着部分321と、その間のMD方向25mm×CD方向25mmの接着部分322を有する横方向試験片320を作製する。そして、縦方向試験片310では、図20に二点鎖線で示すように、MD方向一端から25mmの端部の両不織布を剥離(コールドスプレーを対象部分に吹き付けることにより対象部分の接着力を低下させて剥離する)してつかみ代311を形成し、各不織布のつかみ代311を引張試験機の上下つかみ具でそれぞれつかみ、つかみ具間隔30mm、引張速度300mm/minの条件で、図21に示すように残りの接着部分312を剥離し、その引き剥がしに要する引張力(cN/25mm)を測定する。横方向試験片320では、CD方向一端部の非接着部分321の各不織布を引張試験機の上下つかみ具でそれぞれつかむ以外は、縦方向試験片310と同様にして試験を行う。剥離部分の破壊状態を観察し、界面破壊(界面剥離)及び凝集破壊のときには、縦軸を引張力とする測定曲線のうち、剥離開始以降(曲線が上がり切った後)の波状部分から最初の5つの頂点及び最初の5つの底点を選び、各点の引張力の平均値を測定値とする。また、材料破壊(基材破壊)のときには、引張力の最大値を測定値とする。以上の測定を、縦方向試験片310及び横方向試験片320のそれぞれについて3回実施し、それぞれ3回の測定値を平均して縦の剥離強度及び横の剥離強度とする。
・ホットメルト接着剤の「保持力」は、以下のようにして測定されるものである。すなわち、図22に示すように、25μm厚のPETフィルムを用意し、長さ100mm×幅25mmの2枚の長方形PETフィルム401の長手方向の端部(長手方向の一端から25mmの部分)同士を、測定対象のホットメルト接着剤層402を介して接着した試験片400を作製する。試験片400の接着部分403は25mm×25mmとなる。このホットメルト接着剤層402はスロット塗布により20g/m2の厚みで塗布し、接着後、接着部分403の上から2kgのローラーを1往復させて圧着させた後、試験片400を常温(23℃)下で16時間放置し、さらに図23に示すように試験片400の両端部のPETフィルム401を、厚み方向にネジで締め付けるつかみ具404でつかみ、接着部分403に力が加わらないように、クリープ試験機(恒温槽)内に40℃で2時間放置する。その後、クリープ試験機内に、図23に示すように一方のつかみ具404を上にして吊り下げ、他方のつかみ具404に錘405を吊るし、錘405及び錘側のつかみ具405の合計で1kgの鉛直荷重をかけ、荷重をかけ始めた時から接着部分403が完全に剥がれ、錘405側のPETフィルムが剥がれ落ちるまでの時間を測定する。測定は120分までとし、120分経過までに錘が落下しなかったときには測定結果は「120分超」とする。以上の測定を3回行い、測定結果の平均値を保持力(分)とする。3回の測定結果に、120分超が1回、120分以下が2回あったときには、120分以下の2回の測定結果の平均値を保持力とし、120分超が2回、120分以下が1回あったときには、120分以下の1回の測定結果を保持力とし、3回とも120分超のときには保持力は120分超とする。
・「ループタック粘着力」は、次のように測定される値を意味する。すなわち、ホットメルト接着剤を厚さが50μmのPET板上に50μmの厚みで塗布する。これを、幅25mm、長さ125mmの大きさに切取り、テープ状とした後、そのテープの両端を重ね合わせることでループ状とする。このループを、LT−100型ループタックテスター(ケムインストルメント社製)に固定した後、PE(ポリエチレン)板に対して、25mm×25mmの接着面積で、接着時間2秒で接着する。次いで、20℃で、引き剥がし速度300mm/分でループ状のテープを引き剥がし、最大の力を測定し、ループタック粘着力とする。
・「溶融粘度」は、JIS Z 8803に従い、ブルックフィールドB型粘度計(スピンドルNo.027)を用いて、規定の温度で測定されるものである。
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度20±5℃、相対湿度65%以下)の試験室又は装置内で行うものとする。
・各部の寸法は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
本発明は、上記例のようなパンツタイプ使い捨ておむつに好適なものであるが、テープタイプ若しくはパッドタイプの使い捨ておむつはもちろん、生理用ナプキン等、吸収性物品全般に適用できるものである。
11…液不透過性シート、12A…サイドシール部、12B…後側外装体、12F,12B…外装体、12F…前側外装体、12H…内側シート層、12S,12H…2枚のシート層、12S…外側シート層、15,18…ウエスト下方部弾性伸縮部材、16…カバー部弾性伸縮部材、17…ウエスト部弾性伸縮部材、19…弾性伸縮部材、19f…固定端部、19m…自由部、20…シート接合部、21…無シート接合領域、30…トップシート、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…脚周りギャザー、61…内側不織布層、62…外側不織布層、63…ギャザー弾性伸縮部材、64…液不透過性シート、65…不織布不存在部分、66…ギャザーシート、66r…折り返し部分、70…不要弾性伸縮部材、80…襞、200…内装体、201…内外固定部、A1…非伸縮領域、A2…間欠伸縮領域、A3…連続伸縮領域、FA…自由部間領域、MA…固定端部間領域、H1,H2…ホットメルト接着剤。

Claims (9)

  1. 伸縮方向及びこれと直交する直交方向に延びる2枚のシート層と、これらシート層の間に前記直交方向に間隔を空けて配置された、伸縮方向に沿って延びる複数本の細長状の弾性伸縮部材とを有し、
    前記弾性伸縮部材は、伸縮領域における前記伸縮方向の両端部が前記2枚のシート層に固定されてなる固定端部とされるとともに、これら固定端部の間では前記2枚のシート層に非固定の自由部とされるか、又は前記伸縮方向に間欠的に固定された間欠固定部とされており、
    前記固定端部の間の領域として定まる固定端部間領域に、前記2枚のシート層がホットメルト接着剤を介して接合されたシート接合部を有している、吸収性物品の伸縮構造において、
    前記シート接合部が、各々前記伸縮方向に連続し、かつ互いに交差することなく前記直交方向に並ぶ複数本の線状のシート接合部とされている、
    ことを特徴とする吸収性物品の伸縮構造。
  2. 前記前記複数本のシート接合部は、同一の線形状を有している、請求項1記載の吸収性物品の伸縮構造。
  3. 前記シート接合部は、前記弾性伸縮部材と交差することなく前記伸縮方向に沿って直線状に設けられている、
    請求項1又は2記載の吸収性物品の伸縮構造。
  4. 前記弾性伸縮部材は、前記固定端部の間が前記2枚のシート層に非固定の自由部とされており、
    前記弾性伸縮部材が前記直交方向に間隔空けて3本以上設けられており、
    前記直交方向に隣接する前記自由部の間の領域として定まる自由部間領域が前記直交方向に複数隣接して設けられており、
    前記自由部間領域の各々に、前記シート接合部が形成されている、請求項3記載の吸収性物品の伸縮構造。
  5. 展開状態で、前記自由部間領域における前記直交方向の少なくとも両端部に、前記自由部間領域の幅方向全体にわたりシート接合部を有しない無シート接合領域が連続する、請求項3又は4記載の吸収性物品の伸縮構造。
  6. 前記線状のシート接合部は波線状に形成されている、請求項1又は2記載の吸収性物品の伸縮構造。
  7. 前記弾性伸縮部材は、前記固定端部の間が前記2枚のシート層に非固定の自由部とされており、
    前記弾性伸縮部材が前記直交方向に間隔空けて3本以上設けられており、
    前記直交方向に隣接する前記自由部の間の領域として定まる自由部間領域が前記直交方向に複数隣接して設けられており、
    前記直交方向に隣接する複数の前記自由部間領域にわたる波高を有するように、前記シート接合部が形成されており、
    前記自由部間領域が前記直交方向に並ぶ数より、その自由部間領域が並ぶ領域に設けられた前記シート接合部の本数が少ない、
    請求項6記載の吸収性物品の伸縮構造。
  8. 前記2枚のシート層は、前記伸縮方向の剛軟度が、前記直交方向の剛軟度よりも高い、請求項1〜7のいずれか1項に記載の吸収性物品の伸縮構造。
  9. 前身頃及び後身頃を構成する外装体と、この外装体の内側に取り付けられた、吸収体を含む内装体とを備え、前身頃における外装体の両側部と後身頃における外装体の両側部とがそれぞれ接合された部分であるサイドシール部を有し、環状の胴周り部と、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部とを有する、パンツタイプ使い捨ておむつにおいて、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の吸収性物品の伸縮構造が、前記外装体における少なくとも前記内装体の両側縁より外側に位置する部分を含む領域に、前記伸縮方向が幅方向となるように設けられた、
    ことを特徴とするパンツタイプ使い捨ておむつ。
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