JP2017163920A - 核酸増幅法 - Google Patents

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僚二 栗田
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Abstract

【課題】ゲノムDNA中の特定配列を増幅する際にメチルシトシンをメチルシトシンとして増幅する手法を提供することで、配列中の特定の位置のメチルシトシンの有無を検出する際に、感度や定量性および信頼性を向上させる手法の提供。
【解決手段】核酸の配列中に含まれるメチル化核酸塩基をそのままのメチル化核酸塩基として、当該核酸を増幅する方法であって、(a)増幅対象核酸と、該増幅対象核酸と相補的な塩基配列を有する環状核酸が2本鎖核酸を形成した状態にする工程と、(b)該2本鎖核酸に、核酸メチルトランスフェラーゼおよび鎖置換型核酸ポリメラーゼを含む溶液を接触させる工程、を有する方法。核酸メチルトランスフェラーゼが、DNA (cytosine−5)−methyltransferase 1であることが好ましく、鎖置換型核酸ポリメラーゼが、φ29DNAポリメラーゼであることが、好ましい方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、核酸中に含まれるシトシンなどの核酸塩基のメチル化情報を保持しつつ、任意の核酸配列を増幅する技術に関する。
エピジェネティックスの一例であるゲノムのメチル化修飾は、大腸菌から植物、脊椎動物まで広範囲にわたる生物種で見られ、様々な生命現象に関係していることが明らかになりつつある。特に哺乳類では、個体発生や細胞分化、がん化などの観点からも重要な研究領域になってきており、遺伝子のプロモーター領域にあるCpGアイランドのメチル化により、癌抑制遺伝子が不活性化されることなどが知られている。
ゲノムのメチル化は、哺乳類では核酸に含まれるCpG中のシトシンがメチル化されることにより生じる。この核酸中に含まれるシトシンのメチル化状態を検出する方法として、現在、最も一般的に用いられているbisulfite法は、試料となる核酸にbisulfite処理を行なうとメチルシトシンは変換されず、シトシンのみがウラシルに変換されることを利用した方法である(特許文献1及び2)。Bisulfite処理後、PCRを行い、シーケンシングするとウラシルはチミンとして検出され、メチルシトシンはシトシンとして検出される。処理前後で生じるシトシンとチミン(ウラシル)の差異から、メチル化の有無や位置を決定することが出来る。しかしながら、bisulfite法は、シーケンスの操作が煩雑であることや、完全修飾に長時間の反応時間を要すこと(一般的には十数時間)、またその処理に際し脱プリン反応が起こったり、サンプルの断片化が進んだりすることなど、欠点が多く、手法の改善が求められている。
これとは別の方法として、抗メチルシトシン抗体やメチル化DNA結合タンパク群など、メチル化DNAに結合するタンパクを用いたメチルシトシンの定量方法が報告されている(特許文献3)。しかしながら、このタンパクを用いたメチルシトシンの定量方法では、目的核酸に含まれるメチルシトシンの総量を測定することは可能であるものの、塩基配列のどの位置のシトシンがメチル化されているのかを知ることができない。遺伝子の発現にはシトシンのメチル化頻度とともに、どのシトシンがメチル化されているかが極めて重要である。
近年、本発明者らは、抗メチルシトシン抗体を用いて塩基配列の特定の位置のシトシンのメチル化を選択的に定量する方法を、合成オリゴマーによる実験結果と共に報告した(特許文献4)。この方法は、核酸中の測定対象となる特定の位置のシトシンを、当該核酸が相補鎖とハイブリダイズする際に不対合により形成されるDNAバルジ内に配置させ、当該核酸への抗シトシンもしくは抗メチルシトシン抗体の結合量を測定するものであり、これにより、測定対象のシトシンがメチル化しているか否かを判別することができる。さらに、ゲノムDNAの断片化処理とビオチン化プローブによる回収技術を開発することで、ゲノムDNAを測定対象サンプルとした場合にも、抗メチルシトシン抗体を用いて定量を可能にしてきた(特許文献5)。
特開2006−238701号公報 特開2004−008217号公報 特許第3854943号公報 特開2012−230019号公報 特開2014−176330号公報
抗メチルシトシン抗体やメチル化DNA結合タンパク群など、メチル化DNAに結合する性質を有するタンパクを用いたメチルシトシン検出は、短時間で簡便にメチル化DNAを検出可能であるものの、実際の分析対象となるヒトゲノムDNAを用いた場合には感度が不足する問題があった。既存のPCR等の遺伝子増幅技術では、シトシンもメチルシトシンも同様にシトシンとして増幅されてしまうため、シトシンのメチル化情報が消えてしまう。すなわち、メチル化DNAに結合する性質を有するタンパクを用いたメチルシトシン検出と既存のDNA増幅技術を組み合わせることが出来ないため、ゲノムDNA中の特定遺伝子のメチル化情報を検出するには、極めて大量のゲノムDNAを準備する必要があり、疾病診断等への応用には現実的で無かった。
本発明は、上記発明が有するこの欠点を解消し、ゲノムDNA中の特定配列を増幅する際にメチルシトシンをメチルシトシンとして増幅する手法を提供することで、配列中の特定の位置のメチルシトシンの有無を検出する際に、感度や定量性および信頼性を向上させる手法を提供することを目的とする。
本発明者らは、以下の様にして、核酸中に含まれるシトシンのメチル化情報を保ったまま、核酸の増幅に成功した。本発明によるメチル化情報維持型の核酸増幅法の模式図を図1に示す。
先ず、増幅対象核酸と環状核酸がハイブリダイゼーションした状態を形成する。工程としては、増幅対象核酸に、増幅したいシーケンス箇所と相補的な配列を有する5’末端をリン酸化した一本鎖核酸(環化用プローブ核酸)をハイブリダイゼーションさせ、その後リガーゼを加えることにより、一本鎖核酸の5’および3’末端を結合させ環状核酸(環化プローブ核酸)とする。もしくは、予め環状核酸を準備し、環状核酸と増幅対象核酸をハイブリダイゼーションさせても良い。
その後、核酸メチルトランスフェラーゼを混合する。核酸メチルトランスフェラーゼとしては様々な酵素が知られているが、例えば、DNA (cytosine-5)-methyltransferase 1(DNMT1)が適用できる。当該酵素は、ヘミメチル状態の2本鎖DNAのCpG領域を認識し、対となる非メチルシトシンをメチルシトシンにメチル化する酵素である(図2)。増幅対象核酸に含まれるCpGがメチル化されている場合、塩基対を形成している環状核酸のCpGのシトシンが、本酵素によりメチル化される。換言すると、増幅対象核酸のメチル化情報を環状核酸に移し替えることができる。なお、核酸メチルトランスフェラーゼのメチル基ドナーとしてはS-アデノシルメチオニンが一般的に用いられており、これを核酸メチルトランスフェラーゼとともに反応させる。
この系にさらに、鎖置換型核酸ポリメラーゼを混合する。鎖置換型核酸ポリメラーゼとしては、様々な酵素が知られているが、例えばφ29DNAポリメラーゼが適用できる。φ29DNAポリメラーゼは、一定温度下で環状DNAと相補的なDNAを次々と合成し、環状DNAを鋳型とした場合、この環状DNAと相補的な配列を繰り返した長鎖の一本鎖DNAを形成することが知られている。ここで、φ29DNAポリメラーゼにより新規合成された娘鎖DNAと塩基対を形成している環状DNA中に含まれるCpGのシトシンがメチル化している場合、上述したDNMT1により娘鎖CpGのシトシンがメチル化される。これにより、増幅対象DNAの配列を繰り返した長鎖一本鎖DNAが形成され、さらには増幅対象DNAにおいて元来メチル化していたシトシンは、増幅された長鎖一本鎖DNAの対応する位置において、そのままメチル化されていることとなる。鎖置換型核酸ポリメラーゼとしては、この他にも、CsaDNAポリメラーゼ、96-7DNAポリメラーゼ、BstDNAポリメラーゼ、AacDNAポリメラーゼなどが挙げられる。
また、上述のメチルシトシンに加えて、生体に存在するメチル化核酸塩基として、主に細菌に存在するメチルアデニンが知られているが、このメチルアデニンを配列中に含む核酸についても、上述のメチルシトシンと同様の手法を用いれば、メチル化情報を保持したまま増幅することが可能である。この場合、核酸メチルトランスフェラーゼとしては、site-specific DNA-methyltransferase (adenine-specific)などが使用できる。
すなわち、本出願は、以下の発明を提供するものである。
〈1〉核酸の配列中に含まれるメチル化核酸塩基をそのままのメチル化核酸塩基として、当該核酸を増幅する方法であって、
(a)増幅対象核酸と、該増幅対象核酸と相補的な塩基配列を有する環状核酸が2本鎖核酸を形成した状態にする工程と、
(b)該2本鎖核酸に、核酸メチルトランスフェラーゼおよび鎖置換型核酸ポリメラーゼを含む溶液を接触させる工程、
を有する方法。
〈2〉核酸メチルトランスフェラーゼが、DNA (cytosine-5)-methyltransferase 1であることを特徴とする、〈1〉に記載の方法。
〈3〉鎖置換型核酸ポリメラーゼが、φ29DNAポリメラーゼであることを特徴とする、〈1〉に記載の方法。
〈4〉核酸メチルトランスフェラーゼおよび鎖置換型核酸ポリメラーゼを含む溶液を接触させる工程を、一定温度で行うことを特徴とする、〈1〉に記載の方法。
〈5〉〈1〉の方法により核酸を増幅した後、増幅した核酸へのメチル化核酸塩基結合性タンパクの結合を検出することにより、当該核酸中のメチル化核酸塩基を検出する方法。
核酸中に含まれるメチルシトシンを、例えば、既存の96ウエルマイクロタイタープレートと抗メチルシトシン抗体で測定することにより測定する方法では、一般的には106個程度のメチルシトシンが必要となる。このような感度では、例えばゲノム全体に含まれるメチルシトシンの総量であれば計測可能ではあるものの、ゲノム中の特定遺伝子に含まれるメチルシトシンを計測するには不足している。すなわち、特定遺伝子を抗メチルシトシン抗体で計測するには、106程度のコピー数が必要となるが、実際の分析対象となるゲノムDNAなどのDNA試料をそれほどに大量に準備することは困難であり、このため、抗メチルシトシン抗体によるメチル化計測は、産業上の利用価値に乏しかった。
本発明により、測定対象となるゲノムDNAをメチル化情報を保持したまま増幅することが可能になり、DNA配列中の任意の位置のシトシンのメチル化を選択的、かつ、高感度に検出することが可能になった。
本発明による、シトシンのメチル化情報を維持したまま、DNAを増幅する手法を示す模式図である。 DNA (cytosine-5)-methyltransferase 1(DNMT1)によるヘミメチル状態の2本鎖DNAをメチル化する機能を示す模式図である。 本発明により、シトシンのメチル化情報を維持したままDNAを増幅した結果を抗メチルシトシン抗体で検出した結果である。DNAの増幅をせずに測定した結果も比較のために示している。 本発明により、メチルシトシンを含むDNAと含まないDNAを増幅して、抗メチルシトシン抗体で検出した結果である。本発明の方法により、メチルシトシンはメチルシトシンとして、シトシンはシトシンとして増幅可能であることを示している。
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
本実施例では、本発明によってDNA中のシトシンのメチル化情報を保持したまま、DNAポリメラーゼによるDNAの増幅が可能であり、さらに抗メチルシトシン抗体を用いたイムノアッセイによる検出が可能であることを確認した実験手順とその結果を示す。
先ず、アビジンコート済みの96ウエルマイクロタイタープレート(住友ベークライト社製)を準備した。このマイクロタイタープレートに、TEバッファで希釈した増幅対象DNAを各ウエルに100μLずつ加えた。増幅対象DNAは、アビジンに固定化するために5’末端をビオチン化してある。シーケンスは、
5’(biotin) - TTTTTTGACGGGAACGTCAAGACGCGTGCTGAAGTCAAGTT-3’
である。増幅対象DNAは1つのメチルシトシンを含み、5’末端から15塩基目のシトシン(上記シーケンスで下線を引いてあるシトシン)をメチルシトシンとしてある。37℃で30分放置することにより、アビジン−ビオチン反応により、増幅対象DNAはマイクロタイタープレートに固相化される。
200μLの洗浄バッファ(50mM Tris-HCl, 150mM NaCl, 0.05% Tween 20 (pH7.6))で3回洗浄後、1nMの環化用プローブDNAを50μLずつ各ウエルに導入した。環化用プローブDNAのシーケンスは、
5’(Phosphate)-GCGTCTTGACGTTCCCGTCCTGCTCCACTATGGTGTACTGCTC
CACTATGGTGTACTGCTCCACTATGGTGTAAACTTGACTTCAGCAC-3’
である。なお、後工程でライゲーションを行うために、予め5’末端をリン酸化して合成してある。本シーケンスは、増幅対象DNAと一部相補的な配列を有しており、上記シーケンスの下線部分は増幅対象DNAとの相補箇所となる。このため、導入した環化用プローブDNAは、マイクロタイタープレートに固相化された増幅対象DNAとハイブリダイゼーションし2本鎖を形成する。また、ハイブリダイゼーションした際には、5’末端と3’末端が隣接する位置となる。
さらに、ライゲーション溶液を50μL加え、37℃で30分反応させた。ライゲーション溶液は、T4 DNA ligase(タカラバイオ社製)2ユニットと反応バッファ(終濃度66mM Tris-HCl, pH7.6, 6.6mM MgCl2, 10mM DTT, 0.1mM ATPを含む)溶液である。本反応により、5’末端と3’末端が隣接する位置にある環化用プローブDNAは、5’末端と3’末端がホスホジエステル結合により連結され、環状のプローブDNAになる。
200μLの洗浄バッファで3回洗浄後、DNMT1溶液を25μL加え、37℃で60分反応させた。DNMT1溶液は、250ngのDNMT1 (BPS Science社製)を含むバッファ(100μg/ml BSA , 320μM S-adenosylmethionine, 50mM Tris-HCl, 1mM EDTA, 1mM dithiothreitol, 5% glycerol、pH7.8)である。本反応により、増幅対象DNAにメチルシトシンが含まれる場合、DNMT1はヘミメチル状態の箇所を認識し、そこに含まれるシトシンをメチル化する。このため、増幅対象DNAのメチル化CpGと塩基対を形成している環状プローブDNAのCpGがメチル化される。
さらに、鎖置換型DNAポリメラーゼ溶液を加え、37°Cで60分間反応させた。鎖置換型DNAポリメラーゼ溶液は、2Uのφ29 DNA polymerase(New England Biolabs社製)を含むバッファ(0.1mg/mL BSA, 0.5mM dNTP, 50mM Tris-HCl, 10mM MgCl2, 10mM (NH4)2SO4, 4mM DTT, pH7.5)である。本反応により、環状プローブDNAと相補的なDNAが新規に合成されていく。この時、新規に合成された時点での娘鎖DNA中に含まれるシトシンはすべてシトシンである。しかしながら、環状プローブDNAのCpGがメチル化している場合、娘鎖DNAのCpGのシトシンがDNMT1により速やかにメチル化される。なお、DNMT1はヘミメチル状態を認識するメチラーゼであるため、環状プローブDNAのシトシンがメチル化されていなければ、娘鎖DNAをメチル化しない。
鎖置換型DNAポリメラーゼは、環状プローブDNAに沿って合成を連続して行うため、次々と増幅対象DNAの配列が繰り返された一本鎖DNAが形成される。DNAポリメラーゼが環状プローブDNAを一周する間に、環状プローブDNAのCpGがメチルシトシンの場合、DNMT1により娘鎖DNAのCpGがメチル化されることとなる。
次に、本発明の方法により、メチル化情報が保持されつつ増幅対象DNAが増幅されていることを確認するために、抗メチルシトシン抗体を用いて以下のように増幅されたメチルシトシンの検出実験を行った。
200μLの洗浄バッファで3回洗浄後、100nMのプローブDNAを100μLずつウエルに入れ室温で30分間反応させた。本プローブDNAの配列は、
5’-AAC TTG ACT TCA GCA CGC GTC TTG AC_TTC CCG TCA AAA AA
であり、増幅されるDNAとほぼ相補的な配列を有している。ほぼ相補的、とは、増幅対象DNAの完全相補鎖から、測定対象となるシトシンのみが1塩基バルジ内に配置されるように、測定対象シトシンと塩基対を形成すべきグアニンを除いたシーケンスである。このプローブDNAと、長鎖一本鎖DNAがハイブリダイゼーションすることにより、長鎖一本鎖DNAに含まれる測定対象シトシンが、DNAバルジに配置されることになる。
200μLの洗浄バッファで3回洗浄後、1μg/mLの抗メチルシトシン抗体(Abcam社製)を100μLずつ加え、37°Cで30分間反応させた。本反応により、測定対象となるシトシンがメチル化している場合、抗原抗体反応により抗体が結合する。
200μLの洗浄バッファで3回洗浄後、1μg/mL西洋わさびペルオキシターゼ標識2次抗体を100μLずつ加え、37°Cで30分間反応させた。
200μLの洗浄バッファで3回洗浄後、TMBを50μLずつ添加し、室温で20分間遮光放置した後、1N塩酸溶液を50μLずつ添加し反応を停止させた。
最後に、マイクロプレートリーダーにより450nmの吸光度を測定した。結果を図3に示す。10, 100pMの増幅対象DNAを本発明の方法で増幅して測定した場合、得られた吸光度は各々0.2、0.7程度であった。
比較実験として、増幅を行わずに増幅対象DNAを抗メチルシトシン抗体で検出した際の結果も併せて図3に示している。
増幅を行わない場合、100pMのメチルシトシンを含むDNAでは吸光度の上昇は見られずブランクと同程度であり、本発明の方法により増幅対象のDNAが元の位置にメチルシトシンを含んだ状態で増幅していることがわかる。
また、10pM DNAを本発明の方法を用いて増幅して検出した結果(吸光度0.2)は、増幅を行わずに500pM DNAを検出した結果よりも大きな吸光度を得ることができた。
これらの結果から、本発明によりメチル化情報を保持したまま、測定対象DNAが増幅していることは明らかである。
実施例2
本発明による方法により、メチルシトシンはメチルシトシンとして増幅され、シトシンはシトシンとして増幅されていることを確認するために、以下の実験を行った。
2種類の増幅対象DNAを準備し、TEバッファでおのおの100, 10, 1pMに希釈した増幅対象DNAを含む溶液を100μLずつアビジンコート済みの96ウエルマイクロタイタープレートへ加えた。増幅対象DNAは、アビジンに固定化するために5’末端をビオチン化してある。2つのシーケンスは同じであり、
5’(biotin) -TTTTTTGACGGGAACGTCAAGACGCGTGCTGAAGTCAAGTT-3’
である。しかしながら、一方の増幅対象DNAは、5’末端から15塩基目のシトシン(上記シーケンスで下線を引いてあるシトシン)をメチルシトシンとし、もう一方は非メチルのシトシンとしている。37℃で30分放置することにより、アビジン−ビオチン反応により、増幅対象DNAはマイクロタイタープレートに固相化される。
その後、実施例1と同条件でDNMT1とφ29 DNA polymeraseを用いて増幅し、さらに抗メチルシトシン抗体を用いて検出を行った。
結果を図4に示す。増幅対象DNAに含まれる測定対象のシトシンがメチル化している場合、抗メチルシトシン抗体がメチルシトシンに結合し、吸光度が大きく上昇していることがわかる。しかしながら、増幅対象DNAに含まれる測定対象のシトシンがメチル化していない場合、吸光度の上昇は見られない。
このことにより、本発明の方法では、メチルシトシンはメチルシトシンとして増幅され、シトシンはシトシンとして増幅されていることを確認することができ、本発明の方法が十分な選択性を有していることを確認できた。

Claims (5)

  1. 核酸の配列中に含まれるメチル化核酸塩基をそのままのメチル化核酸塩基として、当該核酸を増幅する技術であって、
    (a)増幅対象核酸と、該増幅対象核酸と相補的な塩基配列を有する環状核酸が2本鎖核酸を形成した状態にする工程と、
    (b)該2本鎖核酸に、核酸メチルトランスフェラーゼおよび鎖置換型核酸ポリメラーゼを含む溶液を接触させる工程、
    を有する方法。
  2. 核酸メチルトランスフェラーゼが、DNA (cytosine-5)-methyltransferase 1であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 鎖置換型核酸ポリメラーゼが、φ29DNAポリメラーゼであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 核酸メチルトランスフェラーゼおよび鎖置換型核酸ポリメラーゼを含む溶液を接触させる工程を、一定温度で行うことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. 請求項1に記載の方法により核酸を増幅した後、増幅した核酸へのメチル化核酸塩基結合性タンパクの結合を検出することにより、当該核酸中のメチル化核酸塩基を検出する方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020084705A1 (ja) * 2018-10-24 2020-04-30 株式会社日立ハイテク 生体ポリマ分析デバイス及びそれを用いた分析装置、並びに分析方法

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