JP2017163858A - 家畜の飼育方法及び乳の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】家畜の体内において分泌されるメラトニンの量を高めることで家畜の免疫力を高め、また、家畜のサーカディアンリズムを乱すことの少ない飼育方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の一態様に係る家畜の飼育方法は、家畜に対して500nm未満の波長を含む光を照射する期間と、家畜に対して光を照射しない暗期間と、を含む第1の概日サイクルと、家畜に対してピーク波長が570nm〜610nmの範囲内の波長を含む光を照射する期間を含み、かつ、500nm未満の波長の光を照射しない第2の概日サイクルと、を有し、前記第1の概日サイクルの後に、前記第2の概日サイクルを行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、家畜の飼育方法及び乳の製造方法に関する。
家畜の生産者、飼育者にとって疾病による生産性の低下は重要な問題である。特に離乳期の家畜は、授乳による母親からの免疫抗体を受けられないため、疾病のリスクが高い。そのため、生産者、飼育者は抗生物質等の薬剤の投与などによってこの問題の対策をとってきた。しかしながら、家畜の免疫力の低下、家畜を食肉として供する際に家畜の肉に残留する物質の人体への影響等が新たに問題となっている。
哺乳類の免疫力を高める物質としてメラトニン(Melatonin)が報告されている(例えば、非特許文献1参照)。メラトニンは昼と夜の周期に反応して脳の松果体から分泌される物質で、哺乳類の概日リズム(サーカディアンリズム)を調整しているホルモンである。メラトニンは哺乳類の深部体温にも影響し、深部体温は睡眠に入ると低下しはじめ、睡眠から醒めると上昇することが知られている。
すなわち、哺乳類におけるメラトニンの分泌パターンは、夜間に高く昼間に低いリズムを示し、そして、メラトニンの分泌は日中の光の影響、特に、短波長の光(青色光(ブルーライト))の影響が強いことが知られている(例えば、特許文献1、非特許文献2参照)。
国際公開第2007/068361号
Journal of Pineal Research,14,P.1−10(1993). 時間生物学 Vol.14,No.1,P.13−20(2008).
本発明は、家畜のサーカディアンリズムを大きく乱すことなく、家畜の体内において分泌されるメラトニンの量を高めることで、家畜の免疫力を高めることができる家畜の飼育方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、所定の条件で家畜に対して光を照射することで、家畜のサーカディアンリズムを大きく乱すことなく、家畜の免疫力が高まることを見出し、発明を完成させた。
すなわち、本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)本発明の一態様に係る家畜の飼育方法は、家畜に対して500nm未満の波長を含む光を照射する期間と、家畜に対して光を照射しない暗期間と、を含む第1の概日サイクルと、家畜に対してピーク波長が570nm〜610nmの範囲内の波長を含む光を照射する期間を含み、かつ、500nm未満の波長の光を照射しない第2の概日サイクルと、を有し、前記第1の概日サイクルの後に、前記第2の概日サイクルを行う。
(2)上記(1)に記載の家畜の飼育方法において、前記第1の概日サイクルと前記第2の概日サイクルを交互に繰り返して行ってもよい。
(3)上記(1)に記載の家畜の飼育方法において、前記第2の概日サイクルの後に、家畜に対してピーク波長が570nm〜610nmの範囲内の波長を含む光を照射する期間を含み、かつ、500nm未満の波長の光を照射しない第3の概日サイクルを行ってもよい。
(4)上記(3)に記載の家畜の飼育方法において、前記第1の概日サイクルと、前記第2の概日サイクルと、前記第3の概日サイクルと、をこの順に繰り返し行ってもよい。
(5)上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の家畜の飼育方法において、前記第1の概日サイクルにおける暗期間の後に、前記第2の概日サイクルにおけるピーク波長が570nm〜610nmの光を照射する期間を連続して行ってもよい。
(6)上記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の家畜の飼育方法において、前記第1の概日サイクルにおける500nm未満の光を照射する期間が8時間〜16時間の範囲内であり、前記第1の概日サイクルにおける暗期間が16時間〜8時間の範囲内であり、前記第2の概日サイクルにおけるピーク波長が570nm〜610nmの光を照射する期間が8時間〜24時間の範囲内であってもよい。
(7)上記(3)〜(6)のいずれか一つに記載の家畜の飼育方法において、前記第1の概日サイクル、前記第2の概日サイクル及び前記第3の概日サイクルが、それぞれ23時間〜25時間であってもよい。
(8)本発明の一態様に係る乳の製造方法は、上記(1)〜(7)のいずれか一つに記載の家畜の飼育方法により飼育された雌の家畜から搾乳する。
(9)上記(8)に記載の乳の製造方法において、前記搾乳を前記第2の概日サイクルまたは第3の概日サイクルにおけるピーク波長が570nm〜610nmの光を照射する期間内に行ってもよい。
本発明の一態様に係る家畜の飼育方法によれば、家畜の免疫力を高めることが可能となる。その結果、家畜の生産性を高めることができる。また、薬剤の使用量を減らすことができ、安全な肉の提供が可能となる。また、家畜のサーカディアンリズムを乱すことが少なく、家畜のストレスを高めたり、繁殖や育成の効率を低下させたりすることも少ない。
本発明の一態様に係る家畜の飼育方法は、白夜がある北欧等でのメラトニンリッチな乳生産に特に有用であり、極夜における動物(家畜、展示動物を含む)の健康増進効果を有する。また、家畜のサーカディアンリズムの夜間においても照明を用いることができるため、作業員の作業性や作業効率を高めることができる。
本発明の一態様に係る家畜の飼育方法を時系列的に示したものである。 実施例における家畜の飼育方法を時系列的に示したものである。 第1の概日サイクルにおいて、畜舎内で点灯した白熱灯(タングステン電球)の発光スペクトルを示す。 第2の概日サイクル及び第3の概日サイクルにおいて、畜舎内で点灯したLED照明の発光スペクトルを示す。
本発明の一態様に係る家畜の飼育方法は、畜舎内での家畜の飼育方法である。本発明の一態様に係る家畜の飼育方法で飼育可能な家畜は、牛、豚、めん羊、山羊、鹿、馬、鶏、うずら等を挙げることができる。
本発明の一態様に係る家畜の飼育方法は、第1の概日サイクルと第2の概日サイクルとを有する。「概日サイクル」とは、動物の運動や睡眠等の生理現象にみられる内因性のリズムである。一般的には、約24時間のサイクルであるが、この概日サイクルは、光、温度、食事などの外界からの刺激によって変動する。すなわち、本明細書における概日サイクルは、約24時間のサイクルであるものの、家畜の種類、飼育環境によって1〜3時間程度の時間範囲において変動する場合がある。つまり、概日サイクルは、家畜の種類、飼育環境によって異なり、概ね21時間〜27時間の範囲となる。
第1の概日サイクルは、家畜に対して500nm未満の波長を含む光を照射する期間と、家畜に対して光を照射しない暗期間を含む。
第2の概日サイクルは、家畜に対してピーク波長が570nm〜610nmの範囲内の波長を含む光を照射する期間を含む。また第2の概日サイクル中は、家畜に対して500nm未満の波長の光を照射しない。
家畜に対して照射する光の制御は、例えば畜舎内に照射する光を制御することにより行うことができる。
すなわち、第1の概日サイクルで、家畜に対して500nm未満の波長を含む光を照射する期間は、畜舎内への太陽光の導入、畜舎内に設けた照明器具の点灯によって行うことができる。本発明では、このサイクルでの照明器具として、白熱灯(タングステン電球)、500nm未満の波長を含む光を照射可能なLED照明等を用いることができる。
また、第2の概日サイクルで、家畜に対してピーク波長が570nm〜610nmの範囲内の波長を含む光を照射する期間は、畜舎内に設けた照明器具の点灯によって行うことが可能であり、このサイクルでの照明器具として、570nm〜610nmの範囲内の波長を含む光を照射可能なLED照明、ナトリウムランプ等を用いることができる。
図1は、本発明の一態様に係る家畜の飼育方法を時系列的に示したものである。図の左側から右側方向が飼育の時間経過方向を示す。図1に示す期間の横方向の幅は、必ずしも時間とは比例しない。
また図1において、家畜に対して500nm未満の波長を含む光を照射する期間を「期間A」、家畜に対して光を照射しない暗期間を「期間B」、家畜に対して500nm未満の波長の光を含まず、ピーク波長が570nm〜610nmの範囲内の波長を含む光を照射する「期間C」として表記する。
以下、図1に示す第1実施形態〜第4実施形態に沿って具体的に本発明の一態様に係る家畜の飼育方法について説明する。
先ず第1実施形態の飼育方法を説明する。
第1実施形態に示す家畜の飼育方法は、第1の概日サイクルと第2の概日サイクルを、この順で繰り返し行う。第1の概日サイクルは、家畜に対して500nm未満の波長を含む光を照射する期間(期間A)と、暗期間(期間B)とをこの順で続けて設けている。第2の概日サイクルは、500nm未満の波長の光を含まず、ピーク波長が570nm〜610nmの範囲内の波長を含む光を家畜に対して照射する期間(期間C)を設けている。
家畜のサーカディアンリズムには、大きく分けて昼間と夜間の二つの区分がある。
第1の概日サイクルにおける、家畜に対して500nm未満の波長を含む光を照射する期間(期間A)は家畜のサーカディアンリズムにおける昼間に相当し、暗期間(期間B)は家畜のサーカディアンリズムにおける夜間に相当する。
前者の500nm未満の波長を含む光を照射する期間(期間A)は、家畜を目覚めさせ家畜の活発な活動を促すとともに体内時計をリセットする。これにより、家畜の食欲を高め、ストレスを減らすことができる。その結果、繁殖や育成の効率を向上させると共に、家畜のサーカディアンリズムを安定させる効果を有する。そして、後者の暗期間(期間B)は、家畜の睡眠や休息を促し、また体内のメラトニンの分泌を促し、家畜の免疫力を高める効果を有する。
500nm未満の波長を含む光を照射する期間(期間A)の時間は、8時間〜16時間の範囲内であることが好ましく、10時間〜14時間であることがより好ましく、12時間であることがさらに好ましい。上述のように500nm未満の波長を含む光を照射する期間(期間A)は、家畜にとって昼間に対応するため、昼の時間がこの範囲であれば家畜のサーガディアンリズムを乱すことを避けることができる。
これに対し、第1の概日サイクルにおける暗期間(期間B)は、概日サイクルから500nm未満の光を照射する期間を除いた時間である。そのため、第1の概日サイクルにおける暗期間(期間B)は16時間〜8時間の範囲内であることが好ましく、14時間〜10時間であることがより好ましく、12時間であることがさらに好ましい。暗期間がこの範囲であれば、家畜のサーガディアンリズムを乱すことを避けることができる。
第2の概日サイクルでは、500nm未満の波長を含む光を照射しない。その中で、ピーク波長が570nm〜610nmの範囲内の波長を含む光を照射する期間(期間C)を有する。本願発明者らの検討の結果、家畜をこのような環境下で飼育しても、家畜体内においてメラトニンの分泌が維持されることが明らかになった。
期間Cに照射する光の波長は、570nm〜610nmの範囲内の波長を含む。これは、発明者の検討によると、この範囲内の波長の光は家畜のサーガディアンリズムを乱すことが少ないからである。
第2の概日サイクルにおけるピーク波長が570nm〜610nmの光を照射する期間(期間C)は、8時間〜24時間の範囲内であることが好ましい。第2の概日サイクルにおいて所定の光を照射する期間は、家畜のサーガディアンリズムと関係なく設定することができる。そのため、飼育者が作業する時間と、光を照射し続ける時間の費用対効果に基づいて設定することができる。
第1実施形態において、第2の概日サイクルの前半は家畜のサーカディアンリズムにおける昼間に相当し、後半は夜間に相当する。
第2の概日サイクルの前半では、家畜はサーカディアンリズムに基づいて活動を行う。この際、家畜は500nm未満の波長を含む光が照射されない環境下で飼育されているため、家畜体内ではメラトニンが分泌される。また、第2の概日サイクルの後半では、家畜はサーカディアンリズムに基づいて睡眠や休息をとる。この際も、500nm未満の波長を含む光が照射されないため、家畜体内ではメラトニンが分泌され続ける。
すなわち、第2の概日サイクルにおいては、家畜の体内では随時メラトニンが分泌される。その結果、メラトニンの総量としての分泌量が増加し、家畜の免疫力を高める効果を有する。
また家畜は、第2の概日サイクルにおいてもサーカディアンリズムを大きく乱すこと無く生活する。そのため、家畜のストレスが高まり、繁殖や育成の効率が低下することも少ない。
さらに、第2の概日サイクルにおいて照射される光のピーク波長は570nm〜610nmの範囲内であり、人間が可視できる波長域である。そのため、家畜の飼育員は、この波長域の光が照射されている期間は畜舎内を視認することができる。つまり、家畜の飼育員は畜舎内で容易に行動することができ、飼育員の作業性が損なわれることがない。第1実施形態に示すように、この波長域の光を照射する照射期間を第2の概日サイクルの全域に拡張することで、家畜の飼育員の畜舎内での作業効率を著しく高めることができる。
次に、第2実施形態の飼育方法について具体的に説明する。第2実施形態に示す飼育方法において、第1実施形態と同じ個所は説明を省略する。以下、第3実施形態、第4実施形態の説明においても同様である。
第2実施形態の飼育方法は、第2の概日サイクルの光照射条件が、前半と後半で分かれている点が第1実施形態と異なる。
第2実施形態の飼育方法において、第2の概日サイクルの前半は、500nm未満の波長を含まず、ピーク波長が570nm〜610nmの範囲内の波長を含む光を照射する期間(期間C)である。そして、第2の概日サイクルの後半は、暗期間(期間B)である。暗期間(期間B)は畜舎内の照明を落としているため、第2の概日サイクル全体を通して、500nm未満の波長の光が家畜に照射されることはない。
第1実施形態と同様に、第2の概日サイクルの前半は、家畜のサーカディアンリズムにおける昼間に相当し、後半は夜間に相当する。前半において、家畜はメラトニンの分泌が維持された状態でサーカディアンリズムに基づいて活動を行う。一方で、第2の概日サイクルの後半は、家畜はメラトニンの分泌により、基本的には目を閉じ睡眠をとる。そのため、この期間の照明を切って暗期間としても家畜に影響を与えない。第2実施形態に示すように、第2の概日サイクルの後半を暗期間とすることで、照明による電力消費量を抑えることができる。
次に、第3実施形態について説明する。
第3実施形態の飼育方法と第2実施形態の飼育方法とを比較すると、第2の概日サイクルの後半にあたる期間の光照射条件が異なる。
第3実施形態では、第2実施形態における第2の概日サイクルの後半の暗期間(期間B)に対応する期間の中に、500nm未満の波長を含まず、ピーク波長が570nm〜610nmの範囲内の波長を含む光を照射する期間(期間C)が設けられている。
ピーク波長が570nm〜610nmの範囲内の波長を含む光は、人間が可視可能な波長域である。そのため飼育員は、この光の照射期間は畜舎内で作業を行うことができる。また家畜のサーカディアンリズムの夜間においてこのような照射期間を設けても、家畜のサーカディアンリズムを乱すことも少ない。そのため、家畜のストレスを高めたり、繁殖や育成の効率を低下させたりすることも少ない。
ピーク波長が570nm〜610nmの範囲内の波長を含む光を照射する期間を第2の概日サイクルの後半に設けると、第2実施形態の場合に比べ、家畜の飼育員が畜舎内で作業可能な時間を稼ぐことができ、飼育員の作業効率を高めることができる。
上述のように、第1〜第3実施形態においては、第1の概日サイクルと、第2の概日サイクルとを交互に繰り返し行っている。本発明の一態様に係る家畜の飼育方法は、第1の概日サイクル及び第2の概日サイクルのみからなる必要はなく、その他の工程を有していてもよい。また第1の概日サイクルにおいて、500nm未満の波長を含む光を照射する期間と暗期間の順番を入れ替えてもよい。またピーク波長が570〜610nmの範囲何の波長を含む光りを照射する期間は、第2の概日サイクル中のいずれのタイミングで行ってもよい。
第4実施形態に係る家畜の飼育方法は、第1実施形態に係る家畜の飼育方法と比較して、第3の概日サイクルをさらに有する点が異なる。第4実施形態では、第1の概日サイクルと、第2の概日サイクルと、第3の概日サイクルとを、この順で繰り返し行う。
第3の概日サイクルでは、家畜に対してピーク波長が570nm〜610nmの範囲内の波長を含む光を照射する期間を含む。また第3の概日サイクル中は、家畜に対して500nm未満の波長の光を照射しない。
第3の概日サイクルの光照射条件の範囲は、第2の概日サイクルと同様である。第3の概日サイクルの具体的な光照射条件は、この範囲内であれば第2の概日サイクルの具体的な光照射条件と一致していても、異なっていてもよい。図1においては、第3の概日サイクルにおける光照射期間を期間C’と表現する。
第1の概日サイクルの前半は、家畜を目覚めさせ家畜の活発な活動を促すとともに体内時計をリセットする期間である。この期間を3回の概日サイクルに1回の頻度で設けても、特定の家畜には有効に作用する。ここで、特定の家畜とは、例えば、牛を挙げることができる。このような飼育方法を採用することで、家畜の飼育員が畜舎内で作業を行える期間を著しく拡張することが可能となり、家畜の飼育員の作業効率を高めることができる。
本発明の一態様に係る家畜の飼育方法によれば、家畜の体内のメラトニンの分泌量を、昼間に相当する概日サイクルにおいて高い家畜の免疫力を高めることが可能となる。その結果、家畜の免疫力を高めることができ、家畜の生産性を高めることができる。また免疫力を高めるために投与していた薬剤の使用量を減らすことができ、安全な肉の提供が可能となる。また、家畜のサーカディアンリズムを乱すことが少ないため、家畜がストレスを感じ、繁殖や育成の効率が低下することを抑えることができる。
本発明の一態様に係る家畜の飼育方法によって飼育された雌の家畜は、メラトニンリッチな乳を生産することができる。そのため、上述の家畜の飼育方法により飼育された雌の家畜から搾乳することで、メラトニンリッチな乳を生産することができる。
搾乳作業は、第2または第3の概日サイクルにおける500nm未満の波長の光を照射することなく、ピーク波長が570nm〜610nmの光を照射する期間(期間C,期間C’)内に行うことが好ましい。この期間内は、飼育員が家畜の畜舎内での位置確認を容易であり、搾乳作業の効率性を高めることができる。
以下、実施例により本発明の効果をより明らかなものとする。本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
(実施例1)
畜舎内でホルスタイン去勢牛(7〜9か月齢)4頭の飼育を行った。飼育における第1、第2の概日サイクルを、それぞれ朝6時から翌日の朝6時までの24時間とし、第1の概日サイクルとこれに続く第2の概日サイクルの48時間を1サイクルとして、この48時間のサイクルを繰り返した。
飼育環境は、温度22℃、湿度60%とし、給餌は8時15分から8時45分までと、15時15分から15時45分までの1日2回とした。
畜舎内の照明は、第1の概日サイクルの6時から18時までの12時間は、畜舎内に白熱灯(タングステン電球)を点灯させた。用いた白熱灯の発光スペクトルを図3に示す。その際の畜舎内の照度は800ルクスとした。第1の概日サイクルの18時から翌日6時の12時間は、畜舎内の照明を落とし、暗期間とした。第2の概日サイクルの6時から18時までの12時間は、畜舎内に中心波長590nmのLED照明を点灯させた。用いたLED照明の発光スペクトルを図4に示す。その際の畜舎内の照度は800ルクスとした。第2の概日サイクルの18時から翌日6時の12時間は、畜舎内の照明を落とし、暗期間とした。以上の照射パターンを図2に模式的に示す。
2サイクル目の、第1の概日サイクル(試験開始後3日目)の12時と24時、第2の概日サイクル(試験開始後4日目)の12時と24時に4頭の牛から採血を行い、血液中のメラトニン量の平均値を測定した。採血は残置頸静脈カテーテルによって行った。またその時間帯の牛の活動状況を確認した。「牛の活動」は、牛が起床し、活動している場合は「あり」、牛が眠っており、活動していない場合は「なし」とした。その結果を表1に示す。
Figure 2017163858
表1に示されるように、牛の血液中のメラトニン量は、昼間である第1の概日サイクルの12時においては低く、夜間である第1の概日サイクルの24時においては高くなる。一方、第2の概日サイクルでは、牛は概日リズムにそって活動はするものの、概日リズムの昼間に相当する12時において、メラトニン量は第1の概日サイクルの12時の昼間の水準までは低下せず、引き続き夜間の水準が維持されている。
(実施例2)
実施例1と同様に飼育を行ったが、畜舎内の照明の条件を図2に示すように変更した。すなわち、第2の概日サイクルの6時から翌日6時までの24時間、畜舎内に中心波長590nmのLED照明を点灯させ、その際の畜舎内の照度は800ルクスとした。そして、実施例1と同様の方法で採血し、血液中のメラトニン量を測定した。
試験結果を表2に示す。
Figure 2017163858
表2に示されるように、牛は第2の概日サイクルにおいても概日リズムにそって活動する。そして、概日リズムの夜間に相当する24時において、メラトニン量は第1の概日サイクルの夜間の水準が維持されている。
(実施例3)
実施例1と同様に飼育を行ったが、畜舎内の照明を図2に示すように変更した。すなわち、第1、第2の概日サイクルに第3の概日サイクルを加え、第1、第2、第3の概日サイクルの72時間を1サイクルとして、この72時間のサイクルを繰り返した。
第1の概日サイクルの6時から18時までの12時間は、畜舎内に白熱灯を点灯させた。その際の畜舎内の照度は800ルクスとした。第1の概日サイクルの18時から翌日6時の12時間は、畜舎内の照明を落とし、暗期間とした。第2の概日サイクルの6時から18時までの12時間は、畜舎内に中心波長590nmのLED照明を点灯させた。その際の畜舎内の照度は800ルクスとした。第2の概日サイクルの18時から翌日6時の12時間は、畜舎内の照明を落とし、暗期間とした。そして、第3の概日サイクルは、第2の概日サイクルと同じにした。
2サイクル目の、第1の概日サイクル(試験開始後4日目)の12時と24時、第2の概日サイクル(試験開始後5日目)の12時と24時、第3の概日サイクル(試験開始後6日目)の12時と24時に4頭の牛から採血と、その時間帯の牛の活動状況の確認を行った。試験結果を表3に示す。
Figure 2017163858
表3に示されるように、牛は第2、第3の概日サイクルにおいても概日リズムにそって活動する。そして、概日リズムの昼間に相当する12時において、メラトニン量は第1の概日サイクルの夜間の水準が維持され、また概日リズムの夜間に相当する24時においても、メラトニン量は第1の概日サイクルの夜間の水準が維持されている。

Claims (9)

  1. 家畜に対して500nm未満の波長を含む光を照射する期間と、家畜に対して光を照射しない暗期間と、を含む第1の概日サイクルと、
    家畜に対してピーク波長が570nm〜610nmの範囲内の波長を含む光を照射する期間を含み、かつ、500nm未満の波長の光を照射しない第2の概日サイクルと、を有し、
    前記第1の概日サイクルの後に、前記第2の概日サイクルを行う家畜の飼育方法。
  2. 前記第1の概日サイクルと前記第2の概日サイクルを交互に繰り返して行う請求項1に記載の家畜の飼育方法。
  3. 前記第2の概日サイクルの後に、家畜に対してピーク波長が570nm〜610nmの範囲内の波長を含む光を照射する期間を含み、かつ、500nm未満の波長の光を照射しない第3の概日サイクルを行う請求項1に記載の家畜の飼育方法。
  4. 前記第1の概日サイクルと、前記第2の概日サイクルと、前記第3の概日サイクルと、をこの順に繰り返し行う請求項3に記載の家畜の飼育方法。
  5. 前記第1の概日サイクルにおける暗期間の後に、前記第2の概日サイクルにおけるピーク波長が570nm〜610nmの光を照射する期間を連続して行う請求項1〜4のいずれか一項に記載の家畜の飼育方法。
  6. 前記第1の概日サイクルにおける500nm未満の光を照射する期間が8時間〜16時間の範囲内であり、
    前記第1の概日サイクルにおける暗期間が16時間〜8時間の範囲内であり、
    前記第2の概日サイクルにおけるピーク波長が570nm〜610nmの光を照射する期間が8時間〜24時間の範囲内である請求項1〜5のいずれか一項に記載の家畜の飼育方法。
  7. 前記第1の概日サイクル、前記第2の概日サイクル及び前記第3の概日サイクルが、それぞれ21時間〜27時間である請求項3〜6のいずれか一項に記載の家畜の飼育方法。
  8. 前記請求項1〜7のいずれか一項に記載の家畜の飼育方法により飼育された雌の家畜から搾乳する乳の製造方法。
  9. 前記搾乳を前記第2の概日サイクルまたは第3の概日サイクルにおけるピーク波長が570nm〜610nmの光を照射する期間内に行う請求項8に記載の乳の製造方法。
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