JP5247462B2 - 高比率のメラトニンを有する乳または乳製品を生産するための方法 - Google Patents

高比率のメラトニンを有する乳または乳製品を生産するための方法 Download PDF

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Description

本方法は、高比率のメラトニンを有する乳を生産するための方法およびそれから得られ得る乳製品に関する。
骨端または松果体の主な分泌産物は、インドールアミンメラトニンであり、Lernerにより1958年に発見され、アミノ酸トリプトファンからセロトニンを介して生産される。メラトニンの効果は、その後の何年にもわたり調べられた。好ましい効果をメラトニンの経口投与によって得ることができ、そのため多くの可能性がある用途がヒト医薬および栄養補助剤の分野で開発されてきた。しかし、今までメラトニンは天然資源から十分な量で利用できなかったので、医薬起源の合成メラトニンをこのために使用する必要がある。
メラトニンは、親水性アミノ酸誘導体である。体内で、これはホルモンおよび抗酸化剤として作用する。今日多くの神経生物学的機能がヒトにおいて見出され、例えば、「老化防止剤」、ラジカル捕捉、概日時計の制御および睡眠の内因性誘導、ならびに生殖、免疫系、体温および脳活性などへの影響である。ヒトおよびまた動物にとって、ホルモンメラトニンは松果体によって分泌される。合成中に、該アミノ酸トリプトファンは、脱炭酸および水酸化される。このようにしてセロトニンから形成されるメラトニンは、N−アセチル化およびメチル化(=N−アセチル−5−メトキシトリプタミン)によって形成される。
年齢とともにメラトニンレベルの減少が増加することに対して、メラトニン富化乳またはこれから作られる乳製品を使用することは、例えば、科学的観点から論理的な概念である。血液中のメラトニンの日々のレベルは、若年層(20〜30歳)では約20〜70pg/mlである。これは、夜に約125pg/mlに上昇する。この濃度範囲は、乳または乳粉末の摂取後に到達されなければならない。しかし、経口投与によって、メラトニンは、比較的高い初回通過機構の対象となり、すなわち、約30%が肝臓によって代謝されて、消失し、そのため血液中に有効レベルで存在しない。従って、約30%高い量が、所望の目標濃度を得るために経口で摂取されなければならない。
天然源からのメラトニンは、今日まで制約をともなって利用できるのみである。以前に極めて少量の濃度が、数種の植物において見出された。しかし、系統だった抽出方法およびメラトニン富化食品を保つための自然の貯蔵は存在していない。今日まで、天然に生産されたメラトニンの医薬的有効性および生物学的利用性への調査および研究は公表されていない。生物学的効果および利用性に関し、天然抽出メラトニンが、医薬的に生成されるメラトニンとどの程度違うかは、今日まで十分に調べられてこなかった。
メラトニンが、ヒトおよび哺乳動物の血漿中に痕跡を生じ、連続的に再生されていることは公知である。しかし、血漿に結合したメラトニンは、ヒト医薬においてまたは栄養剤もしくは栄養補助剤として使用するために好適ではない。
その一方、さまざまな哺乳動物の体において血液の補助で生産される周知の食品が、天然メラトニンの抽出に好適であり、いわゆる乳がそれである。ここで、メラトニンは特に乳タンパク質に結合している。
ヒトにとって、光照射の変化は、日および季節の時間に関係する行動の制御にとって重要である。明/暗サイクルは、ヒトの多くの行動パターン、例えば冬の憂鬱、眠り/目覚めのサイクル、体温、脳活動、自覚的意識および動作などを支配している。ヒトにおいて公知なこれらの影響はまた、哺乳動物にも大いに適用される。
全ての動物は、日夜のサイクル変化に適応している。いわゆる体内時計が、代謝、体温、ホルモンおよび免疫系ならびに1日周期のサイクルにおける行動などの全ての重要な生活機能を制御している。しかし、体内ペースメーカーの24時間サイクルは、外部の時間情報によって制御されない。
このいわゆるサーカディアン系はまた、外部因子の不存在下で機能するが、1日に厳密に対応しない。「サーカディアン」の表現は、ラテン語の「circa」(約)および「dies」(日)に由来する。
外部の昼/夜のサイクルを有する体内ペースメーカーの同期化は、体に日の時間についての情報を伝える時間発生器、すなわち外部刺激を介して生じる。哺乳動物にとって最も重要な時間発生器は、光である。しかしまた、温度、活動および社会相互関係などの要因は、サーカディアンサイクルを相殺する。哺乳動物に関するサーカディアン系が、光条件についての情報を網膜の光受容体を通して主として受ける、もっぱら網膜のみを介する光によって同期できるという多くの指標がある。
乳汁分泌動物のために現在採用されている標準の畜産方法は、動物を自由に動かせ、昼間および夜間の双方で、寝たり、摂餌したり、搾乳する場所に自由に行くことができるようにさせることである。家畜舎は、通常、夜間での白色非常灯を備えており、動物が敵味方を区別し、所望の目的地を見つけることができるようにしている。この自然の従来の照明システムは、夜間のメラトニンの生産を減少させる。
国際公開第01/01784号パンフレットには、メラトニン富化乳の生産方法が記載され、そこでは哺乳動物の1日のサイクルは一つの明るい期間および一つの暗い期間に分けられ、動物はその暗い段階の最後で搾乳される。暗い期間中の光量は、好ましくは40ルクス未満である。また、GB−A−2387099には、メラトニン富化乳の生産方法が記載され、そこでは哺乳動物の1日のサイクルは、一つの明るい期間と一つの暗い期間に分けられ、暗い期間における光度が、50ルクスを超えてはならない。また、暗くすることにおける実験および暗い期間における不可視光線の使用が記載されている。
以前に知られた方法は、動物を飼う「暗い段階」において、最も少ない光量が必須であるとされる点で共通の特徴を有する。しかし、これには、動物は、光の欠如もしくは不十分な光のためにやっとのことで自分の位置確認ができるだけか、または全く確認できないので、困難を伴い、特に搾乳工程の間、実際的ではない。従って、乳のメラトニン含有量にとって悪影響を受ける。
特に、動物が納屋で、多数で飼われる場合、位置確認の欠如は深刻な問題となる。従って、上記方法は、せいぜい小さな農場に適する。放し飼い系における動物の比較的大きな群れにとって、これらの方法は、最先端技術によってほとんど実際的ではない。従って、市場に関する工業生産は、ほとんど不可能である。
従って、考慮中の本発明の目的は、夜間の段階の間に動物およびまた作業員にとって十分な位置確認を容易にさせる、ならびにまた、動物の増加した数に好適である、増加したメラトニン含有量を有する乳を生産するための方法を提供することである。
これらの課題は、驚くべきことに、増加したメラトニン含有量を有する乳またはその乳製品を生産するための方法であって、一以上の雌哺乳動物の1日のサイクルが、青色光の部分を有する第1の光体制下の昼間の段階および第2の光体制下の夜間の段階に分けられ、該動物が、高メラトニン含有量を有する乳を得るために夜間の段階の間に少なくとも1回搾乳される方法において、該夜間の段階の間に少なくとも1つの光源が該光体制のために使用され、該光源が500nm以上の波長範囲の光を放射し、500nm未満の波長範囲の光は実質的に放射されないことを特徴とする方法によって解決することができる。該光源は特に、色黄、オレンジ、アンバーもしくは赤、またはこれらの混合色の光を放射し、ここで赤色光が特に好ましい。
ここに提示される本発明に関して、適切な光体制の使用とともに、該動物におけるサーカディアンサイクルおよびメラトニン抑制は、増加したメラトニン含有量が得られるように影響を受ける。この達成において、該動物はこれにかかわらず、適切な位置確認を保証する光体制下で夜間の段階において飼育される。従って、該方法はまた、非常に多くの動物に関して採用することができる。
図1は、光の波長に基づく平均サーカディアン応答曲線を示す。図2は、明所視、暗所視およびサーカディアン効果の波長依存関係を比較するものである。明所視は、通常の明るさを含む視覚に関する。暗所視は、薄明かりまたは暗闇における視覚に関する。図3は、赤色LEDのスペクトル分布を示す。
メラトニン高富化の乳タンパク質の生産にとって、乳汁を分泌する全ての動物が適し、特に、哺乳類品種のヒツジ、ウシおよびヤギから選択される雌動物が好適である。これらの生理学的な前提条件のために、これら3つの動物種は、体重のミルク収量に対する理想的かつ経済的な比率を与える。これらは、同様のサーカディアンサイクルおよび系、ならびに自然の乳貯蔵所(乳房)を有する。さらに、これらは、良好な利用性とともに世界中に個体群で広範囲に及ぶ。
1以上の動物が、本発明による1日のサイクル下で飼われるが、好ましくは少なくとも10、より好ましくは少なくとも50もしくは100またさらには200超の動物である。好ましくは、乳汁分泌動物群は、本発明によるサイクルに従う。本発明による1日のサイクル下で全部の群を飼うことが有利であるが、この時特別の介入を必要とせず、該動物は異常な変化に見舞われることがなく、分離のために要する異なる動物畜産を避けることができるからである。
他に明記されない限り、本明細書における光は、視覚の感覚を引き起こす、目に入射する視覚的放射、すなわち380〜780nmの波長範囲の放射を意味すると解釈される。光度は、一般にある領域への光入射量として定義され、網膜上へ作用する光量としては定義されない。しかし、後者は、光のサーカディアン効果にとって決定的に重要である。ルクスにおける光源の光度ではなく、光の色および光色の波長が、メラトニン生産に重要であるサーカディアン系への所望の効果のために重要である。
従って、光源として可視範囲において光を放射するものだけが考慮される。光源によって発生される光のスペクトル分布は、強度が波長に関係して与えられる発光スペクトルにおいて明瞭となる。しばしば相対強度が与えられるが、ここで調査されるスペクトルにおいて最高値は100%に設定される。
哺乳動物の視覚のために必要とされる光量、そのスペクトル組成、空間分布ならびに時間および継続時間は、サーカディアン機能から生じる要件と著しく異なる。
なかでも、本発明は、用いられる光源のスペクトル組成へのメラトニン抑制の依存に基づく。本発明によって、メラトニンの最大収量のために、人工光を用いた最適に適合された照明を達成できる。このため、さまざまな光源の色パラメーターが、メラトニン抑制に対する有効性について調査された。
光は、メラトニン形成の制御のための主要な刺激因子である。サーカディアン機能への特有の効果のための選択された光源を使用して、異なる光体制のために松果体によるメラトニン分泌の制御された抑制または刺激を生成し、その結果血漿中に増加したメラトニン濃度を生じる。血漿中のメラトニン含有量は、いくらか異なりやがて相殺されて、乳中のメラトニン濃度と相関する。
光源および光色の新しい種類および組み合わせが使用されるが、光源量、光色およびこれらの波長のスペクトル、空間分布、ならびに動物のサーカディアン影響に対して適用される光の時間および継続時間は、通常の視覚にとって重要なものと完全に異なるためである。哺乳動物の血液中のメラトニンレベルに影響を与えるために、適切な光および適切でない光が存在することが明らかとなった。見出された光系は、メラトニン抑制に対する明所視およびまた光のサーカディアン効果を正確に制御するために適している。
時間的な環境条件への身体の生理学的および心理学的過程の順応は、体内時計によって生じる。時間発生器の消失とともに、体内時計は自由に運行する。従って、例えば、完全な暗闇において人間の自由に運行するサーカディアン期間は、1日24時間よりも平均で10分から20分長く続く。体内時計の同期における障害およびこれから生じる誤った1日周期のサイクルは、メラトニン生産に関して否定的な意味で高度に有効である。サーカディアン日々の期間の現行昼/夜のサイクルへの順応は、網膜により吸収される光およびメラトニン抑制機構によって生じる。
メラトニン抑制にとって決定的なものはルクスで測定される光源の光度ではなく、スペクトル依存である。日中の視覚の明度感度曲線と比較して、サーカディアン光受容体のスペクトル感度は、主として可視スペクトルの短波領域によって影響され得る。これは、例えば、光の青色部分が、サーカディアン系の制御において、他のスペクトル色よりもより有効であるという結果をもたらす。
従って、メラトニン生産の最も可能性がある有効性の観点から、スペクトル感度、すなわち波長への有効性の依存が極めて重要である。ここで、メラトニン生産への効果である、光の明所視または暗所視の効果と光のサーカディアン効果との区別がされなければならない。
図1は、光の波長に基づくサーカディアン応答曲線を示す。図2は、波長に基づく明所視、暗所視およびサーカディアン効果についての感度曲線を示す。
明所視とサーカディアン発光効率は、選択される光源の種類に実質的に依存して異なる。従って、ルクスすなわちワット当たりルーメンの発光効率の大きさ決定は、メラトニン抑制の評価に対して適切でない。メラトニン抑制の最大有効性は、約450から470nmの波長の光で生じる。これらの波長は、太陽光のスペクトル色範囲および人工光色「青」に含まれる。さまざまな光源の明所視およびサーカディアン効果は、以下の表における実施例によって与えられる。
Figure 0005247462
3000K(ケルビン)を有する蛍光ランプを基準として、明所視の発光効率は、スペクトル色赤におけるLEDに対して44であるが、色青におけるLEDにとって11である。3000Kを有する蛍光ランプを基準として、サーカディアン発光効率は、色赤におけるLEDに対して2であるが、色青におけるLEDにとって681である。
メラトニン含有量に対して、短波範囲における最大発光効率を有する色付き光源は、サーカディアン効果を最大化し、長波範囲における色付き光源はこれを最小化する。例えば、青色LED(最大約460nm)および赤色LED(最大約630nm)は、ほぼ同じ明所視光度を有する。しかし、これら2つの色のサーカディアン発光効率は、約比1200:1と異なる。
色赤におけるLEDにとって、3000Kを有する蛍光ランプを基準として、サーカディアン発光効率の明所視の発光効率に対する比は、メラトニン形成の促進について最良の可能な効率に達する。低減されるが、しかし十分な効果が、色アンバー、オレンジもしくは黄におけるLEDで、またはこれらのスペクトルの混合色で、または色黄を有するナトリウム灯の使用によって得られる。
昼間の段階は、特有の光の利用によって制御される最大のメラトニン抑制の段階であり、好ましくは自然の昼間の明るさを使用することによるその日の間であり、一方、夜間の段階は、特有の光の利用によって制御されるメラトニン抑制の最大阻害の段階であり、好ましくは自然の暗さを使用する夜である。
従って、動物の1日周期のサイクルは、一つの光体制下の昼間の段階および異なる光体制下の夜間の段階とに分けられる。特に、昼間の段階の光体制としては、青色の部分を有する光体制が包含される。夜間の段階において、使用される光は、青色光の部分を実質的に示さない。
本発明による光体制は、基本的に強度と時間的利用に関して要求されるように制御できる。それぞれの段階は、必要に応じて、短くしたり、長くしたり、または前もしくは後にずらすことができる。しかし、サーカディアンサイクルは、該サーカディアンサイクルが非常に安定なので非常にゆっくり変えることができるだけである。従って、1日周期のサイクルを必要とされる1日周期のサイクルに、例えば、多くの段階において、ゆっくり変えることが実際的であり得、および/または例えば、数日の慣れ親しむ段階後のみ増加したメラトニン含有量を有する乳の実際の抜き取りを始めることが実際的であり得る。
光の利用を必要に応じて時間的に制御できる事実に関係なく、昼間の段階は、例えば、約8から22時間、実際的には約12から21時間、好ましくは約14から20時間続くと有利である。好ましい継続時間は、例えば、約17時間+/−1時間もしくはそれより長い時間である。夜間の段階は、例えば、約2から16時間、実際的には約3から12時間、好ましくは約4から10時間続くことができる。特に好ましい継続時間は、例えば、約6時間+/−1時間もしくはそれより短い時間である。
昼間の段階は、本明細書では、メラトニン形成の抑制の段階であり、一方夜間の段階において、抑制は阻害される。日々の明るいおよび暗い段階を生かすために、昼間および夜間の段階は、これらに向けられなければならない。しかし、これは、本質的に必要ではないが、実際的な考慮の観点から効率的である。昼間の段階(抑制段階)は、例えば、約5.00時間から22.00時間の時間で、夜間の段階(抑制段階の阻害)は、約22.00時間から5.00時間の時間で手配することができるであろう。当然、この段階はまた、他の時間間隔で手配することができる。
一つの段階から他の段階への移行は、各場合において、好ましくは明るさおよび暗さの移行をシミュレートすべきであり、これは夜から昼間およびこの逆の自然光の移行を模倣して行われる。通常のサイクルのいかなる障害もメラトニン分泌を損なう。例えば、この種の移行は、約30分から1.5時間、好ましくは約1時間続くことができる。移行時間は、昼間および夜間の段階に各々半分加えることができる。
昼間の段階および夜間の段階は、各々異なる光体制によって特徴付けられる。双方の光体制は、人工光によって制御でき、昼間の段階では通常の太陽光の使用が実用的である。
昼間の段階において、動物は、特に、高い明所視およびサーカディアン効果を示す青色の部分を有する光体制下にある。青色光は、約440から490nmの波長範囲にある光である。メラトニンの最大抑制は、太陽光中に出かける動物によってか、または高いサーカディアン効果を有する光源の利用によって達成することができる。本発明によれば、全スペクトルランプ(約375〜725nm)が好ましく、これは太陽光(約290〜770nm)に最も類似しており、公知の虹の色スペクトルだけでなく、重要なUV光を含む。数時間にわたる太陽光をシミュレートする照射はまた、サーカディアン系への強い効果によってメラトニンの最大抑制を引き起こす。
全スペクトルランプは、市販されている。例としては、Osram社からの発光色940ホワイト、または発光色965を有するOsram社からのBioluxがある。後者は、太陽のスペクトルをほぼシミュレートするので好ましい。同様の全スペクトルランプがまた、他のメーカーからも提供されている。
太陽光および全スペクトルランプとは別に、高いサーカディアン効果によってメラトニンの生産を抑制する他の光源も用いることができる。例えば、青色光(波長約460nm)の使用が可能であり、またはメラトニンの高い抑制が得られる青色光の部分を有する他の光源が可能である。青色光の使用に関し、波長に依存する、熱による網膜の危険について考慮に入れるべきである。
全スペクトルランプなどの人工光による光体制にとって、昼間の段階はまた、必要に応じて長くしたり、短くすることができる。乳汁分泌動物の乳汁産生能力(milk capacity)は、明るさの段階を伸ばすことによって実質的に増加する。
夜間の段階において、動物は、メラトニン抑制を阻害し、したがってメラトニン形成を促進する光体制下にある。メラトニン抑制の最大阻害は、原則として自然の暗さ(光の欠如)によって得られる。しかし、これは、位置確認がもはやできないという不利を生じる。なかでも、これは、搾乳工程の間実際的ではない。さらに、位置確認の喪失は、主に動物が多数で飼われ制限された環境にいる場合に、動物にとってストレスを引き起こす。これはまた、メラトニンの形成を損なう。
ブラックライトランプは、UVランプ(約345〜400nm)であり、サーカディアン系に及ぼす影響は少ないが、これらの低い明所視の発光効率のために、夜間の段階に対し適切でなく、低い光度のために十分な位置確認が得られず、特に放し飼い系において適切でない。UV光と同様に、ブラックライトランプもまた青色範囲において可視光を放射することができる。
驚くべきことに、暗さに対抗するために、光源が特に色黄、橙、アンバーもしくは赤またはこれら色の混合物を放射するように、500nm以上の波長範囲の光を放射し、500nm未満の波長範囲において光を実質的に全く放射しない光源を使用する場合、これらの不利点が解決できることが見出された。従って、可視光の波長範囲において、該光源は、500nm以上の波長で100%の相対強度を有する最も高い値を有する発光スペクトルを示す。
該光源が500nm未満の波長を有する光を実質的に放射しないことは、特に500nm未満の可視光の放射スペクトルにおいて測定できる値でないことを意味し、仮に存在するとしても、15%未満、好ましくは10%未満、特に好ましくは5%未満または3%未満の相対強度を示す。好ましくは、適用される光源は、520nm未満、好ましくは540nm未満の波長範囲において実質的に光を放射しない。特に好ましくは、適用される光源は、500nm未満、特に520nm未満、より好ましくは530nm未満の波長範囲において光を放射しない。
光源として、500nm未満の波長範囲を有する光を実質的に放射しないように、例えば、単色光分光器を備える熱放射体、連続スペクトル放射体、線放射体およびガス放電ランプなどの通常のランプを使用できる。単色光分光器の例としては、プリズム、回折格子および光学フィルターがある。フィルターとして、例えば、干渉フィルター、帯域通過フィルター、または短波領域を阻止する長波長通過フィルターが好適である。この種のフィルターは、例えばSchott社から市販されている。赤色ランプをこのように製造することができる。青色光含有量を十分阻止する赤色光ランプを本発明において考慮のもとに使用できる。
フィルターまたは他の単色光分光器を備えて作動するこの種の光源はまた、いくらかの不利点を有する。一つの側面は、波長範囲が完全に遮断されず、むしろ徐々に減少することである。また、障壁における欠点が、通過領域における他の波長または高調波に小ピークをもたらし、そのため光の少量がまた、500nm未満の範囲に存在する可能性があることである。従って、赤色ランプは、色において純粋に赤ではなく、むしろこれらはまた、他のスペクトル色を少量の割合含む可能性がある。さらに、発生される該光の部分は照明には使用されず、その代わりフィルターで除去されてしまう。これは、エネルギー消費を増加させる。
従って、全く単色光分光器を必要としない光源が好ましい。従って、好ましくは、熱放射体は使用されない。好ましくは、ルミネッセンス放射体が光源として使用される。ルミネッセンス放射体は、いわゆる線放射体または単色光放射体であることができる。ルミネッセンス放射体の例としては、ガス放電ランプおよび発光ダイオードがある。従って、光源として500nm未満の波長の光を実質的に放射しないか、または500nm未満の波長の光を全く放射しないルミネッセンス放射体が好ましく使用される。
可視光の波長範囲における光源の発光スペクトルは、好ましくは少なくとも550nm超の極大値、好ましくは、少なくとも570nm超の極大値、より好ましくは600nm超の極大値を有する。該光源は、5%超の相対強度を有する可視波長範囲において、好ましくは、550nm未満の極大値、より好ましくは570nm未満の極大値、さらに好ましくは600nm未満の極大値を有しない。
夜間の段階において、500nm未満、より良くは520nm未満、さらにより良くは550nm未満の波長の光が最小化され、好ましくは実質的に完全に、もしくは完全に避けられる光を使用することが重要であることが見出された。これは、好適なフィルタリングがかけられれば、連続スペクトルを示す光源にとって可能である。しかし、熱放射体と対照的に、LEDおよびSVLなどのルミネッセンス放射体は、狭帯域スペクトルを放射し、フィルタリングを必要としないので、好ましい。本発明による方法によって、使用される光源、特にルミネッセンス放射体のはるかに高い明所視効果のために、動物の改善された位置確認が達成され得る。
好適な光源は、例えば、ナトリウム灯(SVL)である。SVLは、ガス放電ランプであり、高い明所視発光効率によって特徴付けられ、約589から590nmの波長の単色黄色光を放射する。SVLを用いた照明は、対象および障害の信頼できる認識にとって好適である。黄色光はまた、虫を引き付けることが少ないものであるべきである。
特に好適なルミネッセンス放射体は、発光ダイオードであり、またLEDとして知られる。LEDは、非常に効率的な光源である。これらは、例えば、図3に示されるように発光スペクトルの極大値を有する比較的狭帯域の信号を示す。LEDランプにとって、所望の波長範囲を特に設定することができ、またこれらは十分大きな明所視効果を有し、そのため動物はこれらの光源を用いた照明のもとで容易に位置確認をすることができる。
夜間の段階にとっての光源として、低いサーカディアン発光効率を有する光源が選択される。その主な要因は、正確な発光色の選択である。青色LEDまたは白色LEDは、青色の部分のために好適でない。理想的な発光色は、赤であり、より良好でないが可能なものはアンバー(また「超オレンジ」)(例えば、極大約612nm)、橙(例えば、極大約605nm)または黄(例えば、極大約585nm)ならびにこれらスペクトルの混合色である。黄色光はまた、SVLによって発生させることができる。極少ないサーカディアン効果にもかかわらず非常に高い明所視発光効率を有し、従って夜間の運転に理想的に好適である赤色発光ダイオード(例えば、極大値約630nm;約660nmの極大値を有する「超赤(ultrared)」を含む)が好ましい。さらに、LEDは、純色の赤色光を与える唯一の発光体である。この種のLEDは、広く市販されている。
商業的に得ることができ、本発明にとって実施可能なLEDの例としては、例えば、Lumileds(登録商標)Luxeon red 1ワット、Lumileds(登録商標)Luxeon Star/O red 1ワットまたはSOUL R32 red 1ワットがある。
全夜間の段階の間に該光源を使用することは必要でない。しかし、特に、少なくとも搾乳工程の間は使用されるが、その際動物および作業員の間で位置確認の必要性が最も重要であるからである。好ましくは、光源は、夜間の段階の継続時間の少なくとも1/3または半分の間使用される。用いられる光源は、主にルミネッセンスランプであり、メラトニン形成への好ましくない効果は実際に有さず、これを用いて動物および作業員の改善された位置確認も可能であるので、該光源は、実質的に全夜間の段階または夜間の段階を通して使用されることが好ましい。該光源、特にLEDランプは、夜間の段階の間に通常少なくとも1時間、好ましくは少なくとも2時間、より好ましくは少なくとも5時間、さらにより好ましくは少なくとも約6時間使用される。
別に、夜間の段階において他の光源は全く使用されるべきでない。しかし、全くの暗さは必要でない。夜間の段階のための一個または複数の光源と組み合わせて、夜の自然の暗さは極めて実用的である。特に、青色光含有量(特に450〜470nm)を有する光を用いた照明は実質的に存在しない。
自然系の短期の障害(雷、光の欠如等)および変動(昼間および夜間の段階の変異によるその季節への適合)があり得るように該系が含まれ、本発明の方法によって含まれることに注意されたい。
昼間および夜間の段階の光体制を遂行するために、光源は、光効果が動物が行くことができる全ての範囲に発現できるように高さおよび周波数の双方で好ましく設置すべきである。太陽光の使用によって、動物が行くことができる範囲は、当然適切に選択されるべきである。
メラトニン抑制を阻害するまたは刺激する目的のためにルクスにおける発光効率の決定は、メラトニン生産に関して実際的に無関係であるが、適用される光の性質が、サーカディアン系ならびに視覚系に対する関連側面による双方で考慮されなければならないからである。メラトニン生産に重要であるサーカディアン系への所望の効果にとって決定的であるのは、ルクスにおける光源の強度ではなく、光の色および発光色の波長である。
驚くべきことに、動物の環境は、夜間の段階において本発明によって使用される光源でさらに比較的明るく照明することができ、これなしでは、乳におけるメラトニン濃度の著しい減少が生じる。これは、できるだけ最も暗い周囲条件が必要であると思われた従来の技術と対照をなす。これは、位置確認が実質的により容易であり、照明を全夜間の段階の間さらなる面倒なしにスイッチを入れて作動できることにおいて決定的な利点を有する。
夜間の段階で使用される光源によって得られる光度は、好ましくは50ルクス超、より好ましくは100ルクス超、および特に好ましくは250ルクス超であり得る。光度は、例えば、500ルクス以上であり得る。光度は、標準光度計で測定することができる。LEDなどの線源にとって、分光放射計をより正確な測定のために使用できる。光度は、動物の目に入射する放射と称される。従って、特定の光度は、動物の目の高さで測定される。このようにウシのための特定の光度は、地面から約1.50mのレベルで測定され、ヤギに関して地面から約50cmのレベルで測定される。
しかし、光度にとって、本明細書に定義されるような長波光はまた、極めて低いがサーカディアン効果を示し、これは波長がより短くなると増加する。高い発光効率にとって、このサーカディアン効果は、メラトニン含有量に影響を及ぼす可能性がある。従って、特に50ルクス超の光度にとって、赤色LEDなどの620nm超の波長極大値を有する光を放射する光源を使用することが好ましい。
関係する動物は、夜間の段階において少なくとも1回搾乳される。搾乳される動物の数に依存して、搾乳工程の開始は、夜間の段階の終わりの前に完了するよう準備される。例えば、搾乳工程は、特に多数の動物が搾乳されるべくある場合、全ての動物を夜間の段階において搾乳するために、夜間の段階のほぼ真中で実際に開始する。このように得られた乳は、増加したメラトニン含有量を有する。このホルモンメラトニンは、肝臓で主に6−スルファトキシメラトニンに転換され、腎臓を介して除去される。半減期は、約60分未満である。乳中のメラトニンレベルを保持するために、メラトニン抑制の阻害は、該動物の搾乳工程の終わりまで維持されなければならず、すなわち搾乳工程は、光源による照明を備えた夜間の段階において行われる。
抑制が強くかつ長くなるほど、乳中に得られるメラトニンピークは高くなる。従って、最も低い可能性があるサーカディアン効果を有する光体制下の短縮された夜間の段階、および該夜間の段階の終わりでの搾乳によって、メラトニン濃度のより高い乳を得ることができる。例えば、16時間および好ましくは18時間超の延長された昼間の段階は、夜間の段階において増加したメラトニンピークを得るために好適である。その場合、昼間の段階に対する露光は、搾乳工程直後に続けることができる。
当然、動物は、各日に1回より多く、必要に応じて、例えば、2回もしくはより頻繁に搾乳することができる。好ましくは、搾乳はまた、昼間の段階の間に少なくとも1回行われる。この乳は、増加したメラトニン含有量を全く呈しないので、また夜間の段階において集められた増加したメラトニン含有量を有する乳から分離されて使用される。
夜間の段階の間に集められる乳は、好ましくは迅速に10℃未満、例えば3℃または8℃に冷却される。ここで、「迅速に」は、例えば、2時間以下以内を意味する。該乳を通常の方法で処理し、よく知られた全ての乳製品を得ることができるが、ここで増加したメラトニン含有量の乳製品が得られる。乳粉末などの、乳から得られる乳製品、およびその製造方法は周知である。一般的な説明は、例えば、Ullmanns Encyklopaedie der technischen Chemie[Ullmann’s Encyclopedia of Iudustrial Chemistry],4th edition,volume16,p.689ffに見ることができる。乳製品の例としては、乳粉末、チーズ、ヨーグルト、クォークチーズおよびホエイ製品がある。好ましくは、該乳は、乾燥することによって高メラトニン含有量の乳粉末に変えられる。このために一般に公知の方法を使用することができる。ホルモンメラトニンは、乳中のタンパク質分子に結合しており、圧力、熱または凍結処理によって破壊されない。
該乳または乳製品は、特に乳粉末において、通常の用途、特に栄養剤、栄養補助剤および医薬に使用することができる。脂肪低減またはラクトース抽出の形態において該乳のさらなる処理によって、最終製品(例えば、ミルク、全クリームミルクからの粉またはスキムミルク)におけるメラトニンの相対的な割合をさらに増加させることができる。
通常の日常の乳は、約1.5〜3pg/mlのメラトニン値を有する。本発明による方法に従って生成される乳は、一般にその量の少なくとも2倍、さらには、その量の10倍、それ以上までを含む。それは、例えば、10pg/ml超、例えば、15〜50pg/mlのメラトニン含有量を呈することができる。本発明の方法により得られるメラトニン富化乳は、最終製品において乳タンパク質の分子に結合するホルモンメラトニンの濃度が、通常乳中に存在するメラトニン濃度の350倍まで顕著に増加するように処理することができる。
得ることができる該乳粉末は、例えば、100pg/g超、好ましくは150pg/g超、より好ましくは200pg/g超のメラトニン濃度を有する。例えば、メラトニン濃度は、必要に応じて、1,000pg/gに達することができる。本発明により得られる、乳粉末の形態の市販最終製品は、例えば、約200〜500pg/gのメラトニン濃度を含む。このように、増加した濃度にとって、医薬分野において、および栄養剤または栄養補助剤としての可能性がある多くの使用が可能である。乳粉末は、例えば、適合する担体を有してまたは有さずに提供でき、例えば、粉末、カプセル、溶液または錠剤として提供できる。これは、他の好適な添加剤および/または栄養剤などの活性成分、例えば、ビタミンもしくはミネラルもしくは薬学的活性成分と一緒に混合できる。
本発明による方法は、天然メラトニンの持続可能な、工業生産、特にまた200を超える動物を伴う操業における生産のために好適である。本明細書において、天然メラトニンは、乳タンパク質に結合している。従って、乳タンパク質に結合している天然メラトニンは、大量に、一つの仕方で、好ましくは乳粉末の形態で生産することができる。
本発明による方法によって、達成することができる目的としては、以下がある:
1.動物の自然のサーカディアンサイクルが支援され、1日周期の時間的情報が該身体に信号で伝えられる。
2.動物が飼われている部屋内で本発明により使用される光源の設置および管理によって、血清および従ってまた乳におけるホルモンメラトニンの生産が、乳中のメラトニン濃度が通常の濃度の何倍にも増加するように刺激される。平均の群れにおいて、乳粉末の200pg/g超の最終製品においてメラトニン値は、500pg/g超の値に達する個々の動物と一緒に得られる。
3.上記に述べられた光源の時間的な特有の利用によって、日々の明るさおよび暗さの段階は、松果体のメラトニン分泌が最大に抑制されるかまたは最大に刺激され、その日の正確に求められた期間内で乳中の可能な最も高いメラトニン濃度が得られ、正確に時間を決められた動物の搾乳によって、何倍も増加したメラトニン濃度を有する乳が得られるように、特別に操作される。
4.動物が飼われている部屋において、白色光(例えば、フィラメント、ネオンまたは蛍光ランプ)を使用する以前の通常の非常照明をもたないで済ますことができる。
5.夜の自然の暗さおよび上記の光源の使用がメラトニン抑制を阻害することに十分であるので、入射光を避けるための、動物を収容する部屋を暗くすることが必要でなくなる。
さまざまな光源からの乳牛への影響を、達成できるメラトニン含有量に関して調べた。調査は、大群について行われ、昼間および夜間の光体制は、実施例1から3において変化させた。夜間の段階の間、無作為に選択された乳牛を搾乳し、乳中のメラトニン含有量を測定した。
選択された光体制および乳中に見出される平均メラトニン含有量は、以下の表にまとめた。
Figure 0005247462
本発明による方法によって、明らかに増加したメラトニン含有量を達成できることが直ちに理解され得る。実施例における搾乳計画についての詳細は、以下の表で与えられる。
Figure 0005247462
Figure 0005247462
Figure 0005247462
図1は、光の波長に基づく平均サーカディアン応答曲線を示す。 図2は、明所視、暗所視およびサーカディアン効果の波長依存関係を比較するものである。明所視は、通常の明るさを含む視覚に関する。暗所視は、薄明かりまたは暗闇における視覚に関する。 図3は、赤色LEDのスペクトル分布を示す。

Claims (15)

  1. 増加したメラトニン含有量を有する乳またはその乳製品を生産するための方法であって、1以上の雌の哺乳動物の1日周期のサイクルが、青色光の部分を有する第1の光体制下の昼間の段階および第2の光体制下の夜間の段階に分けられ、該動物が、増加したメラトニン含有量を有する乳を得るために夜間の段階の間に少なくとも1回搾乳される方法において、該夜間の段階の間に少なくとも1つの光源が前記光体制のために使用され、該光源が500nm以上の波長範囲の光を放射し、500nm未満の波長範囲の光は実質的に放射されないことを特徴とする方法。
  2. 前記光源が、前記夜間の段階の間に可視光の波長範囲において少なくとも550nm超の極大値を示すことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記夜間の段階の間に使用される光源が、ルミネッセンス放射体であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記夜間の段階の間に使用される光源が、LEDランプまたはナトリウム灯であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記LEDランプが、赤色光、黄色光、橙色光またはアンバー色光、またはこれらの混合色を放射することを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 前記動物が、ヒツジ、ヤギまたはウシであることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 乳汁分泌動物群が、この1日周期のサイクルのもとに飼育されることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記動物が、1日24時間の間に少なくとも2回搾乳され、前記昼間の段階に得られる乳は増加したメラトニン含有量を有する乳として使用されないことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記光源が、少なくとも搾乳プロセスの間に前記夜間の段階において使用されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記夜間の段階の間の前記光源が、少なくとも2時間使用されることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記昼間の段階における前記光体制について、1つ以上の全スペクトルランプ、太陽光または高いサーカディアン効果を有する他の光源が使用されることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記昼間の段階が、14時間より長く続くことを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. ラクトースが前記乳から抽出される、および/または前記乳の脂肪低減が実施されることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記夜間の段階において使用される前記光源が、50ルクス超の光度を生じることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 記乳を処理して乳粉末を形成することを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
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