JP2017162927A - 半導体装置を製造する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の半導体チップと複数の基板及び/又は複数の他の半導体チップとを一括で本圧着した際に、良好な接続を有する半導体装置を提供する。【解決手段】半導体装置の製造方法は、半導体チップと、基板又は他の半導体チップと、これらの間に配置された接着剤層40とを有する積層体3を一対の仮圧着用押圧装置で挟むことによって、半導体チップに基板又は他の半導体チップを仮圧着する工程と、ステージ上に配置された複数の積層体を、ステージとステージに対向する弾性体層45を有する圧着ヘッド46とで挟むことによって一括して複数の積層体を加熱及び加圧することにより、半導体チップの接続部と基板又は他の半導体チップの接続部とを金属接合によって電気的に接続する工程と、をこの順に備える。弾性体層が、250℃における10GPa以下の貯蔵弾性率と、250℃における40μm以上の変位量とを有する。【選択図】図2

Description

本発明は、半導体装置を製造する方法に関する。
従来、半導体チップと基板とを接続するには金ワイヤ等の金属細線を用いるワイヤーボンディング方式が広く適用されてきたが、半導体装置に対する高機能・高集積・高速化等の要求に対応するため、半導体チップ又は基板にバンプと呼ばれる導電性突起を形成して、半導体チップと基板間で直接接続するフリップチップ接続方式(FC接続方式)が広まりつつある。
フリップチップ接続方式としては、はんだ、スズ、金、銀、銅等を用いて金属接合させる方法、超音波振動を印加して金属接合させる方法、樹脂の収縮力によって機械的接触を保持する方法等が知られているが、接続部の信頼性の観点から、はんだ、スズ、金、銀、銅等を用いて金属接合させる方法が一般的である。
例えば、半導体チップと基板間の接続においては、BGA(Ball Grid Array)、CSP(Chip Size Package)等に盛んに用いられているCOB(Chip On Board)型の接続方式もフリップチップ接続方式である。また、フリップチップ接続方式は半導体チップ上にバンプ又は配線を形成して、半導体チップ間で接続するCOC(Chip On Chip)型の接続方式にも広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
更なる小型化、薄型化、高機能化が強く要求されたパッケージでは、上述した接続方式を積層・多段化したチップスタック型パッケージ、POP(Package On Package)、TSV(Through−Silicon Via)等も広く普及し始めている。平面状でなく立体状に配置することでパッケージを小さくできることから、これらの技術は多用され、半導体の性能向上、ノイズ低減、実装面積の削減、省電力化等にも有効であり、次世代の半導体配線技術として注目されている。
生産性向上の観点から、ウェハ上に半導体チップを圧着(接続)した後に個片化して半導体パッケージを作製するCOW(Chip On Wafer)、ウェハ同士を圧着(接続)した後に個片化して半導体パッケージを作製するWOW(Wafer On Wafer)も注目されている。更に、同様の観点から、ウェハ上又はマップ基板上に複数のチップを位置合わせして仮圧着した後、これら複数のチップを一括で本圧着して接続を確保するギャングボンディング方式も注目されている。ギャングボンディング方式は上述したTSV−PKG(TSVパッケージ)等でも用いられている。
特開2008−294382号公報
生産性向上の観点から、圧着用押圧部材の温度の上下に時間を要するため、仮圧着と本圧着は別々の圧着用押圧部材で行う傾向にある。また、一括接続をする場合、本圧着では仮圧着と比較して、より多くの(複数個)半導体チップを圧着するため、面積の大きな圧着ヘッドを備える圧着用押圧部材を使用する傾向にある。このように複数の半導体チップを一括で本圧着して接続を確保することができると、半導体装置の生産性が向上する。
一括で複数個の半導体チップを本圧着する際には、大面積の圧着ヘッドが必要となる。しかしながら、従来の1つのパッケージを組み立てる際に使用していた小さな圧着ヘッド(例えば、ツールサイズ20mm程度未満)と比較して、複数個のパッケージを圧着する大面積の圧着ヘッド(例えば、ツールサイズ20mm程度以上)は、同等の平行度でも面積が大きくなればパッケージ間の高低差は大きくなる。したがって、複数の半導体チップを圧着する一括接続では圧着ヘッドの面積が大きくなるために、押圧部に凹凸(高低差)が発生しやすくなり、複数の半導体チップを圧着してパッケージとした際に部分的に接続不良が生じることがある。半導体チップの厚みの薄型化、又はパッケージの小型化、薄型化等が進展している半導体パッケージでは、より接続の精度が高く求められる。
本発明の主な目的は、複数の半導体チップと複数の基板及び/又は複数の他の半導体チップとを一括で本圧着した際に、接続不良の半導体装置の割合を減らすことにある。
本発明の一側面は、半導体チップと、基板及び/又は他の半導体チップと、これらの間に介在する接着剤層とを備え、半導体チップ、基板、及び他の半導体チップのそれぞれが金属材料によって形成された表面を有する接続部を有し、半導体チップの接続部と基板又は他の半導体チップの接続部とが金属接合によって電気的に接続されている、半導体装置を製造する方法に関する。当該方法は、半導体チップと、基板又は他の半導体チップと、これらの間に配置された接着剤層とを有し、半導体チップの接続部と基板又は他の半導体チップの接続部とが対向配置されている、積層体を、対向する一対の仮圧着用押圧部材で挟むことによって加熱及び加圧することにより、半導体チップの接続部と基板又は他の半導体チップの接続部とを接触させるとともに半導体チップに基板又は他の半導体チップを仮圧着する工程と、ステージ上に配置された複数の積層体を、ステージとステージに対向する弾性体層を有する圧着ヘッドとで、弾性体層を複数の積層体と接触させながら挟むことによって一括して複数の積層体を加熱及び加圧することにより、半導体チップの接続部と基板又は他の半導体チップの接続部とを金属接合によって電気的に接続する工程と、をこの順に備える。一対の仮圧着用押圧部材のうち少なくとも一方が、積層体を加熱及び加圧する時に、半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点、及び基板又は他の半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点よりも低い温度に加熱され、ステージ及び圧着ヘッドのうち少なくとも一方が、半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点、又は基板若しくは他の半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点のうち少なくともいずれか一方の融点以上の温度に加熱される。弾性体層が、250℃における10GPa以下の貯蔵弾性率と、250℃における40μm以上の変位量とを有し、変位量が、直径8μmの円形の端面を有する棒状の押圧用治具を、弾性体層の主面に、主面と端面とが平行になる向きで押し当てる圧縮試験において、250℃の環境下で圧縮荷重が100Nであるときの変位量である。
上記半導体装置を製造する方法によれば、複数の半導体チップを圧着する際に、250℃における貯蔵弾性率が10GPa以下であり、250℃における変位量が40μm以上である弾性体層を有する圧着ヘッドを用いることによって、複数の積層体間の高低差を充分に吸収して良好な平行度を発現し、これらを均一に加圧することができるため、いずれの半導体装置についても良好な接続を確保することができる。
弾性体層は、高温(例えば、はんだが溶融する230℃程度以上)で本圧着するための耐熱性、半導体チップ(ステージ側)又は基板のアライメントマークを認識可能な透明性の両特性が必要となるが、高低差の吸収をより一層発現するために弾性体層は厚くなる傾向があり、透明性を発現することは困難であった。上記半導体装置を製造する方法によれば、弾性体層を圧着ヘッドに設けることで、弾性体層の透明性が低くとも、半導体チップ又は基板を認識することができる。
上記接着剤層は、10000以下の分子量を有する熱硬化性樹脂、及びその硬化剤を含有する熱硬化性樹脂組成物によって形成された層であってもよい。
上記接着剤層は、10000以上の重量平均分子量を有する高分子成分を更に含有することが好ましい。上記高分子成分の重量平均分子量は、30000以上であることが好ましい。上記高分子成分のガラス転移温度は、100℃以下であることが好ましい。
上記接着剤層は、予め準備された接着剤フィルムによって形成された層であってもよい。
複数の半導体チップと複数の基板及び/又は複数の他の半導体チップとを一括で本圧着した際に、良好な接続を有する半導体装置を得ることができる。
半導体チップに基板を仮圧着する工程の一例を示す工程図である。 弾性体層を有する圧着ヘッドを用いて、半導体チップの接続部と基板の接続部とを金属接合によって電気的に接続する工程の一例を示す工程図である。 半導体装置の一実施形態を示す模式断面図である。 半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図である。 半導体装置の他の一実施形態を示す模式断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。本明細書に記載される数値範囲の上限値及び下限値は、任意に組み合わせることができる。実施例に記載される数値も、数値範囲の上限値又は下限値として用いることができる。本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はそれに対応するメタクリルを意味する。
<半導体装置の製造方法>
図1は、本実施形態に係る半導体装置の製造方法において、半導体チップに基板を仮圧着する工程の一例を示す工程図である。
まず、図1の(a)に示されるように、半導体チップ本体10、及び接続部としてのバンプ30を有する半導体チップ1を、基板本体20、及び接続部としての配線16を有する基板2に、これらの間に接着剤層40を配置しながら重ねあわせて、積層体3を形成させる。半導体チップ1は、半導体ウェハのダイシングによって形成された後、ピックアップされて基板2上まで搬送され、接続部としてのバンプ30と配線16とが対向配置されるように、位置合わせされる。積層体3は、対向配置された一対の仮圧着用押圧部材としての圧着ヘッド41及びステージ42を有する仮圧着用押圧装置43のステージ42上で形成される。バンプ30は、半導体チップ本体10上に設けられた配線15上に設けられている。基板2の配線16は、基板本体20上の所定の位置に設けられている。バンプ30及び配線16は、それぞれ、金属材料によって形成された表面を有する。
接着剤層40は、予め準備された接着剤フィルムを基板2に貼り付けることによって形成された層であってもよい。接着剤フィルムは、加熱プレス、ロールラミネート、真空ラミネート等によって貼り付けることができる。接着剤フィルムの供給面積及び厚みは、半導体チップ1又は基板2のサイズ、接続部の高さ等に応じて適宜設定される。接着剤フィルムは半導体チップ1に貼付してもよい。接着剤フィルムを半導体ウェハに貼付し、その後、半導体ウェハをダイシングして半導体ウェハを個片化することによって、接着剤フィルムが貼付された半導体チップ1を作製してもよい。
続いて、図1の(b)に示されるように、積層体3を、仮圧着用押圧部材としてのステージ42及び圧着ヘッド41で挟むことによって加熱及び加圧し、それにより半導体チップ1に基板2を仮圧着する。図1の実施形態の場合、圧着ヘッド41は、積層体3の半導体チップ1側に配置され、ステージ42は、積層体3の基板2側に配置されている。
ステージ42及び圧着ヘッド41のうち少なくとも一方が、仮圧着のために積層体3を加熱及び加圧する際に、半導体チップ1の接続部としてのバンプ30の表面を形成している金属材料の融点、及び基板2の接続部としての配線16の表面を形成している金属材料の融点よりも低い温度に加熱される。
半導体チップ1に基板2を仮圧着する工程では、半導体チップをピックアップする際に熱が半導体チップ等へ転写しないように、仮圧着用押圧部材が低温であることが好ましい。仮圧着のための加熱及び加圧の時には、巻き込み時のボイドを排除できるように接着剤層の流動性を高めるために、仮圧着用押圧部材がある程度高温であることが好ましい。また、冷却時間を短縮するため、半導体チップをピックアップする時の押圧部材の温度と仮圧着する時の押圧部材の温度との差は小さい方が好ましい。この温度差は100℃以下が好ましく、60℃以下がより好ましい。この温度差は一定であることが好ましい。温度差が100℃以下であれば、仮圧着用押圧部材の冷却に時間がかかりにくいため、生産性が一層向上する。
仮圧着用押圧部材の温度は、接着剤層の反応開始温度よりも低い温度であることが好ましい。反応開始温度とは、DSC(パーキンエルマー社製、DSC−Pyirs1)を用いて、サンプル量10mg、昇温速度10℃/分、測定雰囲気:空気又は窒素の条件で測定したときのOn−set温度をいう。
仮圧着用押圧部材を用いて仮圧着する際の荷重は、半導体チップ間又は半導体チップ−基板間のボイドを排除して、それぞれの接続部を互いに充分に接触させる観点から、例えば、半導体チップの1ピン(1バンプ)あたり0.009〜0.2Nが好ましい。
仮圧着では、複数のチップを一括して圧着してもよい。
本実施形態に係る半導体装置の製造方法は、半導体チップと基板又は他の半導体チップとを仮固定して積層体を得た後、複数の積層体をステージと弾性体層を有する圧着ヘッドとを備える本圧着用押圧部材により本圧着する工程を備える。具体的には、ステージ上に配置された複数の積層体を、ステージとステージに対向する弾性体層を有する圧着ヘッドとで、弾性体層を複数の積層体と接触させながら挟むことによって、一括して複数の積層体が加熱及び加圧されて本圧着される。図2は、弾性体層を有する圧着ヘッドを用いて、半導体チップの接続部と基板の接続部とを金属接合によって電気的に接続する本圧着の工程の一例を示す工程図である。
図2の(a)及び(b)に示されるように、仮圧着用押圧装置43とは別に準備された、ステージ47と基体部44及び弾性体層45を有する圧着ヘッド46とを備える本圧着用押圧装置48を用いて、積層体3を更に加熱及び加圧する。ステージ47上に複数の積層体3を配置する。そして、複数の積層体3を、ステージ47と基体部44及び弾性体層45を有する圧着ヘッド46とで挟むことによって、一括して複数の積層体を加熱及び加圧し、それによりバンプ30と配線16とを金属接合によって電気的に接続する。図2の実施形態の場合、圧着ヘッド46は、積層体3の半導体チップ1側に配置され、ステージ47は、積層体3の基板2側に配置されている。
基体部44における弾性体層45を有する面の面積は、より多くの半導体チップを一括で圧着して半導体装置の生産性を向上させる観点から、50mm×50mm以上であることが好ましい。基体部44における弾性体層45を有する面の面積は、12インチサイズのウェハに対応できるという観点から、330mm×330mm程度であってもよい。
弾性体層45の面積は、ステージ47上に配置された半導体チップ本体10上又は基板本体20上のアライメントマーク(位置合わせのための認識用マーク)を圧着ヘッド46が認識できるようにする観点から、圧着ヘッド46と同等又はそれよりも小さいことが好ましい。
ステージ47及び圧着ヘッド46のうち少なくとも一方が、積層体3を加熱及び加圧する時に、半導体チップ1の接続部としてのバンプ30の表面を形成している金属材料の融点、又は基板2の接続部としての配線16の表面を形成している金属材料の融点のうち少なくともいずれか一方の融点以上の温度に加熱される。接続部の金属材料がはんだを含む場合は230℃以上330℃以下が好ましい。温度が230℃以上であれば、接続部のはんだが溶融して充分な金属結合が形成され、温度が300℃以下であれば、ボイドが発生しにくく、はんだの飛散をより一層抑制できる。本圧着における温度は、冷却時間をなくし、生産性を向上させるという観点から、本圧着の工程中一定であることが好ましい。
ステージ47及び/又は圧着ヘッド46の温度は、積層体を加熱及び加圧する際に、接着剤層の反応開始温度よりも高温であることが好ましい。本圧着中に接着剤層の硬化を促進することでボイド抑制及び接続性が向上する。
図1及び図2の実施形態では、半導体チップと基板とを圧着する工程の例を示したが、半導体装置を製造する方法は、半導体チップ同士を互いに圧着する工程を含んでいてもよい。半導体チップ同士をバンプの融点以上の温度で加熱しながら押し付けて(接続部にはんだを用いる場合は、はんだ部分に230℃以上かかることが好ましい)、半導体チップ間を接続すると共に、接着剤フィルムによって半導体チップ間の空隙を封止充填する。接続荷重はバンプ数に依存するが、バンプの高さのばらつき吸収及びバンプ変形量の制御を考慮して設定される。接続時間は、生産性向上の観点から、短時間であるほど好ましく、はんだを溶融させ、酸化膜及び表面の不純物を除去し、金属接合を接続部に形成することが好ましい。
仮圧着にかかる圧着時間及び本圧着にかかる接続時間(圧着時間)は、生産性向上の観点から、短時間であることが好ましい。短時間の接続時間(圧着時間)とは、接続形成(本圧着)中に接続部が230℃以上に加熱される時間(例えば、はんだ使用時の時間)が5秒以下であることをいう。接続時間は、4秒以下が好ましく、3秒以下がより好ましい。また、各圧着時間が冷却時間よりも短時間であれば、より一層本発明の製造方法の効果が発現する。
仮圧着用又は本圧着用の押圧装置としては、フリップチップボンダー、加圧オーブン等を用いることができる。
TSV構造のパッケージで多く見られるスタック圧着では、立体的に複数のチップを圧着する。この場合も複数の半導体チップを一つずつ積み重ねて仮圧着し、その後、一括で複数のチップを本圧着してもよい。
<半導体装置>
本実施形態に係る半導体装置の製造方法によって得られる半導体装置について説明する。本実施形態に係る半導体装置における接続部は、バンプと配線との金属接合、及び、バンプとバンプとの金属接合のいずれでもよい。本実施形態に係る半導体装置では、例えば、接着剤層を介して電気的な接続を得るフリップチップ接続を用いることができる。
図3は、半導体装置の一実施形態(半導体チップ及び基板のCOB型の接続態様)を示す模式断面図である。図3の(a)に示す半導体装置100は、半導体チップ1と基板(配線回路基板)2と、これらの間に介在する接着剤層40とを備える。半導体装置100の場合、半導体チップ1は、半導体チップ本体10と、半導体チップ本体10の基板2側の面上に配置された配線15と、配線15上に配置された接続部としてのバンプ30とを有する。基板2は、基板本体20と、基板本体20の半導体チップ1側の面上に配置された接続部としての配線16とを有する。半導体チップ1のバンプ30と、基板2の配線16とは、金属接合によって電気的に接続されている。半導体チップ1及び基板2は、配線16及びバンプ30によりフリップチップ接続されている。配線15、16及びバンプ30は、接着剤層40により封止されることで、外部環境から遮断されている。
図3の(b)に示す半導体装置200は、半導体チップ1と、基板2と、これらの間に介在する接着剤層40とを備える。半導体装置200の場合、半導体チップ1は、接続部として、半導体チップ1の基板2側の面に配置されたバンプ32を有する。基板2は、接続部として、基板2の半導体チップ1側の面に配置されたバンプ33を有する。半導体チップ1のバンプ32と、基板2のバンプ33とは、金属接合によって電気的に接続されている。半導体チップ1及び基板2は、バンプ32及び33によりフリップチップ接続されている。バンプ32及び33は、接着剤層40により封止されることで、外部環境から遮断されている。
図4は、半導体装置の他の実施形態(半導体チップ同士のCOC型の接続態様)を示す模式断面図である。図4の(a)に示す半導体装置300の構成は、2つの半導体チップ1が配線15及びバンプ30を介してフリップチップ接続されている点を除き、半導体装置100と同様である。図4の(b)に示す半導体装置400の構成は、2つの半導体チップ1がバンプ32を介してフリップチップ接続されている点を除き、半導体装置200と同様である。
図3及び4において、配線15、バンプ32等の接続部は、パッドと呼ばれる金属膜(例えば、金めっき)であってもよく、ポスト電極(例えば、銅ピラー)であってもよい。例えば、図4の(b)において、一方の半導体チップが接続部として銅ピラー及び接続バンプ(はんだ:スズ−銀)を有し、他方の半導体チップが接続部として金めっきを有する態様では、接続部が、接続部の金属材料のうち最も融点が低いはんだの融点以上の温度に達すれば、はんだが溶融して接続部間に金属接合が形成され、接続部間の電気的な接続が可能となる。
半導体チップ本体10としては、特に制限はなく、シリコン、ゲルマニウム等の同一種類の元素から構成される元素半導体、ガリウムヒ素、インジウムリン等の化合物半導体等の各種半導体を用いることができる。
基板2としては、配線回路基板であれば特に制限はなく、ガラスエポキシ、ポリイミド、ポリエステル、セラミック、エポキシ、ビスマレイミドトリアジン等を主な成分とする絶縁基板の表面に形成された金属層の不要な箇所をエッチング除去して配線(配線パターン)が形成された回路基板、上記絶縁基板の表面に金属めっき等によって配線(配線パターン)が形成された回路基板、上記絶縁基板の表面に導電性物質を印刷して配線(配線パターン)が形成された回路基板等を用いることができる。
配線15及び16、バンプ30、バンプ32及び33(導電性突起)等の接続部の金属材料としては、主成分として、金、銀、銅、はんだ(主成分は、例えば、スズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅、スズ−銀−銅)、スズ、ニッケル等が用いられ、単一の成分のみで構成されていてもよく、複数の成分から構成されていてもよい。また、これらの金属が積層された構造をなすように形成されていてもよい。金属材料としては、銅又ははんだが安価であることから好ましい。接続信頼性の向上及び反り抑制の観点から、金属材料としては、はんだがより好ましい。
パッドの材質としては、主成分として、金、銀、銅、はんだ(主成分は、例えば、スズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅、スズ−銀−銅)、スズ、ニッケル等が用いられ、単一の成分のみで構成されていてもよく、複数の成分から構成されていてもよい。また、これらの金属が積層された構造をなすように形成されていてもよい。パッドの材質としては接続信頼性の観点から、金及びはんだが好ましい。
配線15及び16(配線パターン)の表面には、金、銀、銅、はんだ(主成分は、例えば、スズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅)、スズ、ニッケル等を主成分とする金属層が形成されていてもよい。この金属層は単一の成分のみで構成されていてもよく、複数の成分から構成されていてもよい。また、複数の金属層が積層された構造をしていてもよい。金属層としては、銅又ははんだが安価であることから好ましい。接続信頼性の向上及び反り抑制の観点から、金属層としては、はんだがより好ましい。
図3又は図4に示すような半導体装置(パッケージ)を積層して、金、銀、銅、はんだ(主成分は、例えば、スズ−銀、スズ−鉛、スズ−ビスマス、スズ−銅、スズ−銀−銅)、スズ、ニッケル等で電気的に接続してもよい。接続するための金属としては、銅、はんだが安価であることから好ましい。例えば、TSV技術で見られるような、接着剤層を半導体チップ間に介して、フリップチップ接続又は積層し、半導体チップを貫通する孔を形成し、パターン面の電極とつなげてもよい。
図5は、半導体装置の他の実施形態(半導体チップ積層型の態様(TSV))を示す模式断面図である。図5に示す半導体装置500では、基板としてのインターポーザー本体50上に形成された配線15が半導体チップ1のバンプ30と接続されることにより、半導体チップ1とインターポーザー5とがフリップチップ接続されている。半導体チップ1とインターポーザー5との間には接着剤層40が介在している。上記半導体チップ1におけるインターポーザー5と反対側の表面上に、配線15、バンプ30及び接着剤層40を介して半導体チップ1が繰り返し積層されている。半導体チップ1の表裏におけるパターン面の配線15は、半導体チップ本体10の内部を貫通する孔内に充填された貫通電極34により互いに接続されている。貫通電極34の材質としては、銅、アルミニウム等を用いることができる。
このようなTSV技術により、通常は使用されない半導体チップの裏面からも信号を取得することができる。更には、半導体チップ1内に貫通電極34を垂直に通すため、対向する半導体チップ1間、並びに、半導体チップ1及びインターポーザー5間の距離を短くし、柔軟な接続が可能である。本実施形態に係る接着剤層は、このようなTSV技術において、対向する半導体チップ1間、並びに、半導体チップ1及びインターポーザー5間の封止材料として適用することができる。
エリアバンプチップ技術等の自由度の高いバンプ形成方法では、インターポーザーを介さないでそのまま半導体チップをマザーボードに直接実装できる。本実施形態に係る接着剤層は、このような半導体チップをマザーボードに直接実装する場合にも適用することができる。なお、本実施形態に係る接着剤層は、2つの配線回路基板を積層する場合に、基板間の空隙を封止する際にも適用することができる。
<弾性体層>
弾性体層の原料としては、250℃において特定の貯蔵弾性率と変位量を示す樹脂であれば特に限定されない。樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリイミド樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂、アクリルゴム等が挙げられる。樹脂としては、中でも、耐熱性及びフィルム形成性に優れるという観点から、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、アクリルゴム、シアネートエステル樹脂、ポリカルボジイミド樹脂が好ましく、耐熱性及びフィルム形成性に特に優れるという観点から、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリイミド樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、アクリルゴムがより好ましい。これらの樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
250℃における弾性体層の貯蔵弾性率は、比較的低いことが好ましい。例えば、貯蔵弾性率は10GPa以下であってもよく、より好ましくは8GPa以下である。また、貯蔵弾性率は、0.01GPa以上であることが好ましく、0.1GPa以上であることがより好ましい。250℃における弾性体層の貯蔵弾性率が10GPa以下であれば、大きな面積を持つ圧着ヘッドを用いて半導体チップを押圧した際に良好な接続を確保することができ、0.01GPa以上であれば、弾性体層が適切な柔らかさを有するため、複数の積層体間の高低差を一層吸収して良好な平行度を発現し、これらをより均一に加圧することができる。250℃における貯蔵弾性率の測定は、一般的な弾性率測定装置を用いることができ、例えば、弾性率測定装置RSA2(Rheometric Scientific社製)等を用いて、周波数10Hz、昇温速度5℃/分で−30℃から300℃まで昇温し、250℃における貯蔵弾性率を測定することで求めることができる。
弾性体層は、250℃における貯蔵弾性率が上記範囲を満たし、更に250℃における変位量が充分にあることが好ましい。例えば、変位量は40μm以上であってもよい。この変位量が40μm以上であれば、一括して複数の半導体チップを本圧着する際に良好な接続を確保できる。250℃における変位量は、200μm以下であってもよい。本明細書において、変位量とは、直径8μmの円形の端面を有する棒状の押圧用治具を、弾性体層の主面に、主面と端面が平行になる向きで押し当てる圧縮試験において、250℃の環境下で圧縮荷重が100Nであるときの変位量を意味する。変位量の測定は、例えば、電気機械式万能試験機(INSTRON社製)を用いることができる。
弾性体層は、耐熱性が高いことが好ましく、半導体装置の生産性を高める観点から、250℃以上の温度で圧着した際に溶融せず、半導体チップに付着しないことが好ましい。
弾性体層の厚みは、上記性質を満たすように適宜設計することができる。厚みとしては、例えば、50μm以上が好ましく、80μm以上がより好ましく、100μm以上が更に好ましい。弾性体層の厚みは特に制限されるものではなく、300μm以下であってもよい。
弾性体層は、市販されている弾性体シートを用いることもできる。市販されている弾性体シートとしては、ニトフロン900UL(日東電工社製)、ユーピレックスSGA(宇部興産社製)等が挙げられる。
弾性体層は、上記弾性体シートを本圧着用押圧部材の基体部に貼付することにより設けることができる。
上記特定の貯蔵弾性率及び変位量を有する弾性体層が設けられた圧着ヘッドを用いることによって、弾性体層が複数の積層体間の高低差を充分に吸収して良好な平行度を発現し、これらを均一に加圧することができるため、いずれの半導体装置についても良好な接続を確保することができる。また、弾性体層を圧着ヘッドに設けることで、弾性体層の透明性が低くとも、半導体チップ又は基板を認識することができる。
<熱硬化性樹脂組成物>
接着剤層は、10000以下の分子量を有する熱硬化性樹脂、及びその硬化剤を含有する熱硬化性樹脂組成物によって形成された層であることが好ましい。
((a)熱硬化性樹脂)
熱硬化性樹脂は、加熱により架橋構造を形成し得る化合物である。熱硬化性樹脂は10000以下の分子量を有することが好ましい。分子量が小さい成分は加熱時に分解等してボイドの原因となるため、耐熱性の観点から、熱硬化性樹脂としては硬化剤と反応して架橋構造を形成する化合物が好ましい。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。
(a1)エポキシ樹脂
エポキシ樹脂は、分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物であれば特に制限されない。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ナフタレン型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、フェノールアラルキル型、ビフェニル型、トリフェニルメタン型及びジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、並びに各種多官能エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂としては、中でも、速硬化性及び耐熱性の観点から、ビスフェノールF型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、ビフェニル型、トリフェニルメタン型がより好ましい。エポキシ樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
エポキシ樹脂の含有量は、熱硬化性樹脂組成物の全量100質量部に対して、10〜50質量部が好ましい。エポキシ樹脂の含有量が10質量部以上であれば、硬化成分が充分に存在するため、熱硬化性樹脂組成物の硬化後の流動を制御しやすくなる。エポキシ樹脂の含有量が50質量%以下であれば、硬化物が硬くなりすぎることによるパッケージの反りをより抑制できる。
(a2)アクリル樹脂
アクリル樹脂は、分子内に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であれば特に制限されない。アクリル樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ナフタレン、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、フェノールアラルキル、ビフェニル、トリフェニルメタン、ジシクロペンタジエン、フルオレン、アダマンタン及びイソシアヌル酸から選ばれる化合物に由来する骨格を有する(メタ)アクリレート、並びに各種多官能(メタ)アクリル化合物が挙げられる。その中でも、耐熱性の観点から、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ナフタレン、フルオレン、アダマンタン及びイソシアヌル酸から選ばれる化合物に由来する骨格を有する(メタ)アクリレートが好ましい。アクリル樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アクリル樹脂の含有量は、熱硬化性樹脂組成物の全量100質量部に対して、10〜50質量部が好ましく、15〜40質量部がより好ましい。アクリル樹脂の含有量が10質量%以上であれば、硬化成分が充分に存在するため、熱硬化性樹脂組成物の硬化後の流動を制御しやすくなる。アクリル樹脂の含有量が50質量%以下であれば、硬化物が硬くなりすぎることによるパッケージの反りを一層抑制できる。
アクリル樹脂は、室温(25℃)で固形であることが好ましい。液状に比べて固形の方が、ボイドが発生し難く、また、硬化前(Bステージ)の熱硬化性樹脂組成物の粘性(タック)が小さく、取り扱い性に優れる。室温(25℃)で固形であるアクリル樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、フルオレン、アダマンタン及びイソシアヌル酸から選ばれる化合物に由来する骨格を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。
アクリル樹脂における(メタ)アクリロイル基の官能基数は、3以下が好ましい。官能基数が3以下であれば、熱硬化性樹脂組成物が短時間で充分に硬化できるため、硬化反応率の低下(硬化のネットワークが急速に進み、未反応基が残存する)を一層抑制できる。
((b)硬化剤)
硬化剤は、熱硬化性樹脂と反応して、熱硬化性樹脂とともに架橋構造を形成する化合物であれば特に制限されない。硬化剤としては、例えば、フェノール樹脂系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、ホスフィン系硬化剤、アゾ化合物及び有機過酸化物が挙げられる。硬化系としてはラジカル重合系が好ましい。硬化剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱硬化性樹脂と硬化剤との組み合わせは、硬化が進行すれば特に制限されない。アクリル樹脂と組み合わせる硬化剤としては、取り扱い性及び保存安定性の観点から、有機過酸化物が好ましい。エポキシ樹脂と組み合わせる硬化剤としては、取り扱い性、保存安定性及び硬化性に優れる観点から、フェノール樹脂系硬化剤とイミダゾール系硬化剤、酸無水物系硬化剤とイミダゾール系硬化剤、アミン系硬化剤とイミダゾール系硬化剤、及びイミダゾール系硬化剤単独が好ましい。硬化剤としては、中でも、短時間で硬化すると生産性が向上することから、速硬化性に優れたイミダゾール系硬化剤を単独で用いることがより好ましい。短時間で硬化すると、低分子成分等の揮発分の量を減少できることから、ボイドの発生をより抑制することができる。
(b1)フェノール樹脂系硬化剤
フェノール樹脂系硬化剤は、分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有するものであれば特に制限されない。フェノール樹脂系硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールナフトールホルムアルデヒド重縮合物、トリフェニルメタン型多官能フェノール及び各種多官能フェノール樹脂が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
エポキシ樹脂に対するフェノール樹脂系硬化剤の当量比(フェノール性水酸基/エポキシ基、モル比)は、硬化性、接着性及び保存安定性に優れる観点から、0.3〜1.5が好ましく、0.4〜1.0がより好ましく、0.5〜1.0が更に好ましい。この当量比が0.3以上であれば硬化性が向上して接着力が向上する傾向にあり、1.5以下であれば未反応のフェノール性水酸基が過剰に残存することがなく、吸水率が低く抑えられ、絶縁信頼性がより向上する傾向にある。
(b2)酸無水物系硬化剤
酸無水物系硬化剤としては、例えば、メチルシクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物及びエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテートが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
エポキシ樹脂に対する酸無水物系硬化剤の当量比(酸無水物基/エポキシ基、モル比)は、硬化性、接着性及び保存安定性に優れる観点から、0.3〜1.5が好ましく、0.4〜1.0がより好ましく、0.5〜1.0が更に好ましい。この当量比が0.3以上であれば硬化性が向上して接着力が向上する傾向にあり、1.5以下であれば未反応の酸無水物が過剰に残存することがなく、吸水率が低く抑えられ、絶縁信頼性がより向上する傾向にある。
(b3)アミン系硬化剤
アミン系硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド、ドデカンジアミン等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
エポキシ樹脂に対するアミン系硬化剤の当量比(アミン/エポキシ基、モル比)は、硬化性、接着性及び保存安定性に優れる観点から、0.3〜1.5が好ましく、0.4〜1.0がより好ましく、0.5〜1.0が更に好ましい。この当量比が0.3以上であれば硬化性が向上して接着力が向上する傾向にあり、1.5以下であれば未反応のアミンが過剰に残存することがなく、絶縁信頼性が向上する傾向にある。
(b4)イミダゾール系硬化剤
イミダゾール系硬化剤としては、例えば、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、及び、エポキシ樹脂とイミダゾール類の付加体が挙げられる。イミダゾール系硬化剤としては、中でも、硬化性、保存安定性及び接続信頼性に優れる観点から、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール及び2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールが好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらをマイクロカプセル化した潜在性硬化剤として用いてもよい。
イミダゾール系硬化剤の含有量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、0.1〜20質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましい。この含有量が0.1質量部以上であれば硬化性が向上する傾向にあり、20質量部以下であれば金属接合が形成される前に熱硬化性樹脂組成物が硬化することがなく、接続不良が発生し難い傾向にある。
(b5)ホスフィン系硬化剤
ホスフィン系硬化剤としては、例えば、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラ(4−メチルフェニル)ボレート及びテトラフェニルホスホニウム(4−フルオロフェニル)ボレートが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ホスフィン系硬化剤の含有量は、エポキシ樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましい。この含有量が0.1質量部以上であれば硬化性が向上する傾向にあり、10質量部以下であれば金属接合が形成される前に熱硬化性樹脂組成物が硬化することがなく、接続不良が発生し難い傾向にある。
(b6)アゾ化合物
アゾ化合物としては、例えば、ジメチルアミノアゾベンゼン、ジメチルアミノアゾベンゼン−カルボン酸、ジエチルアミノアゾベンゼン、ジエチルアミノアゾベンゼン−カルボン酸等が挙げられる。アゾ化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アゾ化合物の含有量は、アクリル樹脂100質量部に対して、0.5〜10質量部が好ましく、1〜5質量部がより好ましい。この含有量が0.5質量%以上であれば硬化性が向上する傾向にあり、10質量部以下であれば金属接合が形成される前に熱硬化性樹脂組成物が硬化することがなく、接続不良が発生し難い傾向にある。
(b7)有機過酸化物
有機過酸化物としては、例えば、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシジカーボネイト、パーオキシエステル等が挙げられる。有機過酸化物としては、保存安定性の観点から、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド及びパーオキシエステルが好ましい。更に、有機過酸化物としては、耐熱性の観点から、ハイドロパーオキサイド及びジアルキルパーオキサイドが好ましい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
有機過酸化物の含有量は、アクリル樹脂100質量部に対して、0.5〜10質量部が好ましく、1〜5質量部がより好ましい。この含有量が0.5質量%以上であれば硬化性が向上する傾向にあり、10質量部以下であれば金属接合が形成される前に熱硬化性樹脂組成物が硬化することがなく、接続不良が発生し難い傾向にある。
((c)高分子成分)
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、10000以上である重量平均分子量を有する高分子成分を更に含有していてもよい。熱硬化性樹脂、硬化剤等の高分子成分以外の成分の重量平均分子量又は分子量は、通常10000未満である。高分子成分としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、シアネートエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ウレタン樹脂及びアクリルゴムが挙げられる。高分子成分としては、中でも、耐熱性及びフィルム形成性に優れるという観点から、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、アクリルゴム、シアネートエステル樹脂及びポリカルボジイミド樹脂が好ましく、耐熱性及びフィルム形成性に更に優れるという観点から、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂及びアクリルゴムがより好ましい。これらの高分子成分は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
高分子成分とアクリル樹脂との質量比は、特に制限されないが、高分子成分1質量部に対して、アクリル樹脂の含有量は0.01〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましく、0.1〜5質量部が更に好ましい。この質量比が0.01以上であれば硬化性が向上して接着力に一層優れ、10質量部以下であればフィルム形成性が更に向上する。
高分子成分とエポキシ樹脂との質量比は、特に制限されないが、高分子成分1質量部に対して、エポキシ樹脂の含有量は0.01〜5質量部が好ましく、0.05〜4質量部がより好ましく、0.1〜3質量部が更に好ましい。この質量比が0.01以上であれば硬化性が向上して接着力に一層優れ、10質量部以下であればフィルム形成性が更に向上する。
高分子成分のガラス転移温度(Tg)は、熱硬化性樹脂組成物の基板及びチップへの貼付性に優れる観点から、120℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましく、85℃以下が更に好ましい。Tgは0℃以上が好ましい。Tgが120℃以下であれば、半導体チップに形成されたバンプ、基板に形成された電極又は配線パターン等の高低差を熱硬化性樹脂組成物に埋め込みやすくなるため、気泡の残存を抑えてボイドが発生しにくくなる。Tgとは、DSC(パーキンエルマー社製DSC−7型)を用いて、サンプル量10mg、昇温速度10℃/分、測定雰囲気:空気の条件で測定したときのTgである。
高分子成分の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で10000以上であるが、単独で良好なフィルム形成性を示すために、30000以上が好ましく、40000以上がより好ましく、50000以上が更に好ましい。重量平均分子量が10000以上であれば、熱硬化性樹脂組成物のフィルム形成性がより向上する。本明細書において、重量平均分子量とは、高速液体クロマトグラフィー(島津製作所製C−R4A)を用いて、ポリスチレン換算で測定したときの重量平均分子量を意味する。
((d)フラックス剤)
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、フラックス剤(すなわち、フラックス活性(酸化物及び不純物を除去する活性)を示すフラックス活性剤)を更に含有していてもよい。フラックス剤としては、例えば、イミダゾール類、アミン類等の非共有電子対を有する含窒素化合物、カルボン酸類、フェノール類及びアルコール類が挙げられる。フラックス剤としては、アルコール等に比べて有機酸(2−メチルグルタル酸等のカルボン酸類等)がフラックス活性を強く発現し、接続性が向上する。
フラックス剤の含有量は、熱硬化性樹脂組成物の固形分全体を基準として、0.005〜10.0質量%が好ましい。
((e)フィラー)
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、粘度及び硬化物の物性を制御するため、及び、半導体チップ同士、又は半導体チップと基板とを接続した際のボイドの発生及び吸湿率の更なる抑制のために、フィラーを更に含有していてもよい。フィラーとしては、例えば、無機フィラー及び樹脂フィラーが挙げられる。無機フィラーとしては、例えば、ガラス、シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンブラック、マイカ及び窒化ホウ素等の絶縁性無機フィラーが挙げられる。無機フィラーとしては、中でも、シリカ、アルミナ、酸化チタン及び窒化ホウ素が好ましく、シリカ、アルミナ及び窒化ホウ素がより好ましい。絶縁性無機フィラーはウィスカーであってもよい。ウィスカーとしては、例えば、ホウ酸アルミニウム、チタン酸アルミニウム、酸化亜鉛、珪酸カルシウム、硫酸マグネシウム及び窒化ホウ素が挙げられる。樹脂フィラーとしては、例えば、ポリウレタン、ポリイミド、メタクリル酸メチル樹脂及びメタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(MBS)が挙げられる。フィラーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。フィラーの形状、粒径及び含有量は特に制限されない。
絶縁信頼性に優れる観点から、フィラーは絶縁性であることが好ましい。本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、銀フィラー、はんだフィラー等の導電性の金属フィラーを含有していないことが好ましい。
フィラーは、表面処理によって物性を適宜調整されていてもよい。フィラーは、分散性及び接着力向上の観点から、表面処理されたフィラーであることが好ましい。表面処理剤としては、グリシジル系(エポキシ系)、アミン系、フェニル系、フェニルアミノ系、(メタ)アクリル系、ビニル系の化合物等が挙げられる。
表面処理としては、表面処理のし易さから、エポキシシラン系、アミノシラン系、アクリルシラン系等のシラン化合物によるシラン処理が好ましい。表面処理剤としては、分散性、流動性、接着力に優れるという観点から、グリシジル系、フェニルアミノ系、アクリル系及びメタクリル系の化合物が好ましい。その中でも、保存安定性の観点から、フェニル系、アクリル系及びメタクリル系の化合物がより好ましい。
フィラーの平均粒径は、フリップチップ接続時のかみ込み防止の観点から、1.5μm以下が好ましく、視認性(透明性)に優れるという観点から、1.0μm以下がより好ましい。フィラーの粒径は粒子の長軸径を意味する。
樹脂フィラーは無機フィラーに比べて、260℃等の高温で柔軟性を付与することができるため、耐リフロ性向上に適している。樹脂フィラーは、柔軟性付与が可能であるため、フィルム形成性向上にも効果がある。
フィラーの含有量は、熱硬化性樹脂組成物の固形分全体を基準として、30〜90質量%が好ましく、40〜80質量%がより好ましい。この含有量が30質量%以上であれば、熱硬化性樹脂組成物の放熱性が高くなり、また、ボイド発生及び吸湿率を更に抑制することができる。この含有量が90質量%以下であれば、粘度が高くなることによる熱硬化性樹脂組成物の流動性の低下及び接続部へのフィラーの噛み込み(トラッピング)をより抑制することができ、接続信頼性が向上する傾向にある。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、イオントラッパー、酸化防止剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、レベリング剤等の添加剤を更に含有していてもよい。添加剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。添加剤の含有量は、各添加剤の効果が発現するように適宜調整すればよい。
本実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物は、200℃以上の高温での圧着に用いることができる。また、はんだ等の金属を溶融させて接続を形成するフリップチップパッケージでは、更に優れた硬化性が発現する。
本実施形態に係る接着剤層は、生産性が向上する観点から、予め準備された接着剤フィルムによって形成された層であることが好ましい。接着剤フィルムの作製方法の例を以下に示す。
まず、必要に応じて、熱硬化性樹脂、硬化剤、高分子成分、フィラー、その他の添加剤等を有機溶媒中に加えた後に攪拌混合、混錬等により溶解又は分散させて樹脂ワニスを調製する。次いで、離型処理を施した基材フィルム上に、ナイフコーター、ロールコーター、アプリケーター、ダイコーター、コンマコーター等を用いて樹脂ワニスを塗布した後、加熱により有機溶媒を減少させて、基材フィルム上に接着剤フィルムを形成する。また、加熱により有機溶媒を減少させる前に、樹脂ワニスをウェハ等にスピンコートして膜を形成した後、溶媒乾燥を行う方法によりウェハ上に接着剤フィルムを形成してもよい。
基材フィルムとしては、有機溶媒を揮発させる際の加熱条件に耐え得る耐熱性を有するものであれば特に制限はなく、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリエーテルナフタレートフィルム、メチルペンテンフィルム等が挙げられる。基材フィルムとしては、これらのフィルムのうちの1種からなる単層のものに限られず、2種以上のフィルムからなる多層フィルムであってもよい。
塗布後の樹脂ワニスから有機溶媒を揮発させる際の条件は、具体的には、50〜200℃、0.1〜90分間の加熱を行うことが好ましい。実装後のボイド及び粘度調製に影響がなければ、有機溶媒が1.5%以下まで揮発する条件とすることが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例で使用した弾性体層を設けるために使用した弾性体シートを以下に示す。
ニトフロン900UL(日東電工株式会社、厚み50μm、100μm)
ユーピレックスSGA(宇部興産株式会社、50μm、100μm(50μm×2))
アルミニウム箔(住軽アルミ箔株式会社、100μm(20μm×5))
実施例で使用した化合物を以下に示す。
(a)熱硬化性樹脂
エポキシ樹脂
トリフェノールメタン骨格含有多官能固形エポキシ樹脂(EP1032H60、ジャパンエポキシレジン株式会社、重量平均分子量:800〜2000)
ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂(YL983U、ジャパンエポキシレジン株式会社、分子量:約336)
可撓性半固形状エポキシ樹脂(YL7175−1000、ジャパンエポキシレジン株式会社、重量平均分子量:1000〜5000)
アクリル樹脂
フルオレン骨格アクリレート樹脂(EA0200、大阪ガスケミカル株式会社、2官能基、分子量:約546)
(b)硬化剤
2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体(2MAOK−PW、四国化成株式会社製)
ジクミル過酸化物(パークミルD、日油株式会社)
(c)高分子成分
フェノキシ樹脂(ZX1356−2、東都化成株式会社、Tg:約71℃、重量平均分子量:約63000)
アクリルゴム(KH−C865、日立化成製、Tg:0〜12℃、重量平均分子量:450000〜650000)
(d)フラックス剤
2−メチルグルタル酸(アルドリッチ、融点約77℃)
(e)フィラー
樹脂フィラー
有機フィラー(EXL−2655、ロームアンドハースジャパン株式会社、コアシェルタイプ有機微粒子)
無機フィラー
シリカフィラー(SE2050、株式会社アドマテックス、平均粒径0.5μm)
メタクリル表面処理ナノシリカフィラー(YA050C−SM、株式会社アドマテックス、平均粒径約50nm)
添加剤
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(OFS6030、東レダウコーニング株式会社)
(熱硬化性樹脂組成物の作製方法)
各種原材料を表1に示す配合割合で混合し、熱硬化性樹脂組成物A及びBを調製した。具体的な作製方法を以下に示す。熱硬化性樹脂、フィラー、及び必要に応じてフラックス剤を、不揮発分(固形分)濃度60質量%になるようにメチルエチルケトンに添加した。その後、この混合液にΦ1.0mm、Φ2.0mmのビーズを固形分と同質量加え、ビーズミル(フリッチュ・ジャパン株式会社、遊星型微粉砕機P−7)で30分間撹拌した。混合液に高分子成分を加え、ビーズミルで30分間攪拌した。攪拌後、硬化剤及び必要に応じて添加剤を加えて攪拌し、混合液をろ過することでビーズを取り除き、ろ液を熱硬化性樹脂組成物A又はBとして得た。
Figure 2017162927
(接着剤フィルムの作製方法)
作製した熱硬化性樹脂組成物A又はBを小型精密塗工装置(廉井精機)で塗工し、クリーンオーブン(ESPEC製)で乾燥(70℃/10分)し、接着剤フィルムを得た。
(半導体装置の製造方法)
8mm×8mm×0.045mmのサイズを有する接着剤フィルムを、半導体チップ(10mm、0.4mm厚、接続部金属:Au、製品名:WALTS−TEG IP80、WALTS製)に貼付した。この接着フィルム付き半導体チップを、接着フィルムを介してはんだバンプ付き半導体チップ(チップサイズ:7.3mm×7.3mm×0.15mm、バンプ高さ:銅ピラー+はんだ高さ計約45μm、バンプ数1048ピン、ピッチ80μm、製品名:WALTS−TEG CC80、WALTS製)に接触させ、これをFCB3(パナソニック製、圧着ヘッド面積:7.3mm×7.3mm)で仮圧着し、積層体を作製した。熱硬化性樹脂組成物Aを用いた積層体は、FCB3の圧着ヘッドの温度を130℃に設定し、50Nの圧力で3秒間加熱加圧することで、仮圧着した。熱硬化性樹脂組成物Bを用いた積層体は、FCB3の圧着ヘッドの温度を130℃に設定し、100Nの圧力で3秒間加熱加圧することで、仮圧着した。仮圧着後の積層体を9個準備し、基体部の積層体を加圧する面の面積が100mm×100mmである一括接続用装置(アルファデザイン製、HTB−MM)のステージ上に積層体を9個設置した。設置後、弾性体層を基体部に有する圧着ヘッドで、積層体を一括で本圧着し、半導体装置を得た。本圧着は、ステージ温度を80℃に設定し、圧着ヘッドの温度を250℃に設定し、900N(積層体1個あたり100N)の圧力で5秒間加熱加圧することで行った。
<各種測定>
(250℃における貯蔵弾性率測定方法)
250℃における弾性体層の貯蔵弾性率は、弾性体層を設けるために使用した弾性体シートを幅4mm、長さ40mmに切り出し、弾性率測定装置RSA2(Rheometric Scientific, Inc.)を用いて測定した。切り出した弾性体シートを周波数10Hz、昇温速度5℃/分で−30℃から300℃まで昇温し、250℃における貯蔵弾性率を測定した。
(250℃における変位量測定)
250℃における弾性体層の変位量は、電気機械式万能試験機(INSTRON製、5900シリーズ)、Bluehill3ソフトウエアを用いて測定した。250℃の槽内に弾性体層を設けるために使用した弾性体シートを設置し、直径8μmの円形の端面を有する棒状の押圧用冶具を用いて、弾性体シートの主面と押圧用治具の端面とが平行になる向きで押し当てる圧縮試験を行った。圧縮試験は、0.001mm/秒のスピードで100N(約2MPa)の荷重をかけて行った。圧縮荷重が0Nから100Nになって5秒経過するまで(100Nで安定するまで)の弾性体シートの膜厚の変位量を測定した。
(接続評価)
本圧着後にマルチメータ(ADVANTEST製、R6871E)を用いて、半導体装置の初期導通の可否を測定した。ペリフェラル部分の内周の初期接続抵抗値が40Ω以下、外周の初期接続抵抗値が85Ω以下である半導体装置をOK、それよりも高い抵抗値又は未接続の半導体装置をNGとして評価した。9個の半導体装置の中でOK評価となる数が、9個全ての場合に総合評価を○、それ以外を×として評価した。
熱硬化性樹脂組成物A及び各種弾性体層を用いて一括で半導体装置を製造した結果を表2に示す。
Figure 2017162927
熱硬化性樹脂組成物B及び各種弾性体層を用いて一括で半導体装置を製造した結果を表3に示す。
Figure 2017162927
表2及び3の結果から明らかなように、本実施形態に係る方法によれば、複数の半導体チップと複数の他の半導体チップとを一括で本圧着した際に、良好な接続を有する半導体装置を得ることができる。
1…半導体チップ、2…基板、3…積層体、5…インターポーザー、10…半導体チップ本体、15、16…配線、20…基板本体、30、32、33…バンプ、34…貫通電極、40…接着剤層、41、46…圧着ヘッド、42、47…ステージ、43…仮圧着用押圧装置、44…基体部、45…弾性体層、48…本圧着用押圧装置、50…インターポーザー本体、100、200、300、400、500…半導体装置。

Claims (5)

  1. 半導体チップと、基板及び/又は他の半導体チップと、これらの間に介在する接着剤層とを備え、前記半導体チップ、前記基板、及び前記他の半導体チップのそれぞれが金属材料によって形成された表面を有する接続部を有し、前記半導体チップの接続部と前記基板又は前記他の半導体チップの接続部とが金属接合によって電気的に接続されている、半導体装置を製造する方法であって、
    前記半導体チップと、前記基板又は前記他の半導体チップと、これらの間に配置された前記接着剤層とを有し、前記半導体チップの接続部と前記基板又は前記他の半導体チップの接続部とが対向配置されている、積層体を、対向する一対の仮圧着用押圧部材で挟むことによって加熱及び加圧することにより、前記半導体チップの接続部と前記基板又は前記他の半導体チップの接続部とを接触させるとともに前記半導体チップに前記基板又は前記他の半導体チップを仮圧着する工程と、
    ステージ上に配置された複数の前記積層体を、前記ステージと該ステージに対向する弾性体層を有する圧着ヘッドとで、前記弾性体層を複数の前記積層体と接触させながら挟むことによって一括して複数の前記積層体を加熱及び加圧することにより、前記半導体チップの接続部と前記基板又は前記他の半導体チップの接続部とを金属接合によって電気的に接続する工程と、をこの順に備え、
    前記一対の仮圧着用押圧部材のうち少なくとも一方が、前記積層体を加熱及び加圧する時に、前記半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点、及び前記基板又は前記他の半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点よりも低い温度に加熱され、
    前記ステージ及び前記圧着ヘッドのうち少なくとも一方が、前記半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点、又は前記基板若しくは前記他の半導体チップの接続部の表面を形成している金属材料の融点のうち少なくともいずれか一方の融点以上の温度に加熱され、
    前記弾性体層が、250℃における10GPa以下の貯蔵弾性率と、250℃における40μm以上の変位量とを有し、
    前記変位量が、直径8μmの円形の端面を有する棒状の押圧用治具を、前記弾性体層の主面に、前記主面と前記端面とが平行になる向きで押し当てる圧縮試験において、250℃の環境下で圧縮荷重が100Nであるときの変位量である、方法。
  2. 前記接着剤層が、10000以下の分子量を有する熱硬化性樹脂、及びその硬化剤を含有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記接着剤層が、10000以上の重量平均分子量を有する高分子成分を更に含有する、請求項2に記載の方法。
  4. 前記高分子成分の重量平均分子量が30000以上であり、前記高分子成分のガラス転移温度が100℃以下である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記接着剤層が、予め準備された接着剤フィルムによって形成された層である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
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