JP2017161806A - 吸音装置、電子機器及び画像形成装置 - Google Patents

吸音装置、電子機器及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】吸音装置の空洞部を高精度に形成し、所望の周波数の音の吸音効果の向上を図ることが可能となる吸音装置、電子機器及び画像形成装置を提供する。【解決手段】空洞部601と、連通部602とを備える吸音装置600において、連通部602が形成された第一部材である連通部形成板620と、側壁面611fを形成する側壁形成部611を有する第二部材である空洞形成部材610と、を組み合わせることで空洞部601を形成し、開口形成面620fの側から見た側壁面611fの形状が正六角形であり、側壁形成部611における多角形の頂点を形成する部分に、連通部形成板620との位置決めを行うネジ孔部616及び位置決め凸部615を配置する柱状部612を設け、側壁形成部611における多角形の辺を形成する板状部分である壁板部614の厚みは、柱状部612の厚みよりも薄い。【選択図】図1

Description

本発明は、吸音装置、電子機器及び画像形成装置に関するものである。
従来、画像形成装置として、ヘルムホルツ共鳴器の構造を有する吸音装置を備え、稼動音が外部に漏れ出ることを抑制するものが知られている。特許文献1には、このような画像形成装置に配置する吸音装置として、開口部を備えた第一部材と、第一部材と組み合わせることで空洞部を形成する第二部材とを有する構成が記載されている。
ヘルムホルツ共鳴器の構造を備えた吸音装置では、空洞部の体積によって吸音する音の周波数が変化するため、所望の周波数の音を吸音できるように、空洞部を高精度に形成することが求められる。
このような課題は、空洞部を形成する第一部材と第二部材との組み合わせとして、第一部材が開口部を備える構成に限る課題ではない。第一部材が、開口部の形成された開口形成面または空洞部を挟んで開口形成面に対向する開口対向面の一方を有し、第二部材が、開口形成面と開口対向面との間を接続するように延在する側壁面を形成する側壁形成部を少なくとも有する構成であれば生じ得る課題である。
上述した課題を解決するために、本発明は、空洞部と、前記空洞部を外部と連通する開口部とを備える吸音装置において、前記開口部が形成された開口形成面または前記空洞部を挟んで前記開口形成面に対向する開口対向面の一方を有する第一部材と、前記開口形成面と前記開口対向面との間を接続するように延在する側壁面を形成する側壁形成部を少なくとも有する第二部材と、を組み合わせることで前記空洞部を形成し、前記開口形成面の側または前記開口対向面の側から見た前記側壁面の形状が多角形であり、前記側壁形成部における前記多角形の頂点を形成する部分の少なくとも一つに前記第一部材との位置決めを行う位置決め部を設け、前記側壁形成部における前記多角形の辺を形成する板状部分の厚みは、前記位置決め部の厚みよりも薄いことを特徴とするものである。
本発明によれば、吸音装置の空洞部を高精度に形成し、所望の周波数の音の吸音効果の向上を図ることが可能となるという優れた効果がある。
本実施形態に係る吸音装置の斜視説明図、(a)は、空洞形成部材に連通部形成板を固定した状態の説明図、(b)は、連通部形成板を取り外した空洞形成部材の説明図。 本実施形態に係る複写機全体の概略構成図。 本実施形態に係る吸音装置の模式図。 空洞部の断面の概形が正三角形となる空洞形成部材の斜視説明図。 空洞部の断面の概形が正六角形及び正三角形となる空洞形成部材の斜視説明図。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式の複写機(以下、単に「複写機500」という。)の一実施形態について説明する。本実施形態では、複写機500として、モノクロ画像形成装置を例に挙げて説明するが、本発明は、公知のカラー画像形成装置についても同様に適用することができる。
まず、複写機500の構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る複写機500全体の概略構成図である。図2において、複写機500の画像形成部100の上に画像読取部であるスキャナ200が取り付けられ、画像形成部100は給紙部300上に載置されている。スキャナ200の上には、背面側(図中紙面奥側)を支点にして回動自在に構成された自動原稿搬送装置400が取り付けられている。
画像形成部100の内部には、潜像担持体としてドラム状の感光体10が設けられている。感光体10の周りには除電ランプ、帯電ローラを用いた帯電装置11、現像装置12、転写ユニット13、感光体クリーニングブレードを有するクリーニング装置14が配置されている。現像装置12は、現像剤担持体としての現像ローラを用いて感光体10上の静電潜像にトナーを付着させて可視像化する。
転写ユニット13は、第一ベルト張架ローラ15と第二ベルト張架ローラ16との二つのローラ部材に掛け回された転写ベルト17を備えている。この転写ベルト17は、記録媒体である記録紙Pに感光体10上のトナー像を転写する転写位置Bで感光体10の周面に押し当てられている。
記録紙Pが分離した後の転写ベルト17上に残った残留トナーや紙粉等の異物は、転写ベルトクリーニング部材によって掻き落とされる。
画像形成部100における帯電装置11及びクリーニング装置14の図2中左側には、現像装置12に新しいトナーを補給するトナー補給装置20が設けられている。
画像形成部100には、給紙部300の記録紙カセット61、または、手差し給紙部68の手差しトレイ67から送り出された記録紙Pを、転写位置Bを経て排出スタック部39まで搬送する記録紙搬送装置60が設けられている。この記録紙搬送装置60は、供給路R1または手差し供給路R2、及び、記録紙搬送路Rに沿って、記録紙Pを搬送する。
転写位置Bに対して記録紙搬送路Rの記録紙搬送方向上流側には、レジストローラ対21が設けられている。
一方、転写位置Bに対して記録紙搬送路Rの記録紙搬送方向下流側には、定着装置22が設けられている。定着装置22では、加熱部材である加熱ローラ30と加圧部材である加圧ローラ32との間に記録紙Pを挟み込んで加熱加圧定着を行う。
定着装置22の更に記録紙搬送方向下流側には、排出分岐爪34及び排出ローラ対35が設けられている。また、排出ローラ対35の記録紙搬送方向下流側には、定着装置22を通過した画像形成済みの記録紙Pをスタックする排出スタック部39が設けられている。
画像形成部100には、図2中右側に、スイッチバック装置42が設けられている。このスイッチバック装置42は、記録紙搬送路Rの排出分岐爪34が配置された位置から分岐した反転路R3と、この反転路R3を通ってきた記録紙Pを再び記録紙搬送路Rのレジストローラ対21の位置まで導く再搬送路R4とに沿って記録紙Pを搬送する。反転路R3にはスイッチバックローラ対43が設けられており、再搬送路R4には、複数の記録紙搬送ローラ対66が設けられている。
画像形成部100における現像装置12の図2中左側には、レーザー書込装置47が設けられている。このレーザー書込装置47は、レーザー光源、走査用の回転多面鏡であるポリゴンミラー48、ポリゴンモータ49、及び、fθレンズ等の走査光学系を備えている。
スキャナ200は、光源53、複数のミラー54、結像用光学レンズ55及びCCDイメージセンサなどのイメージセンサ56等を備えており、その上面にはコンタクトガラス57が設けられている。
自動原稿搬送装置400には、原稿セット台が設けられており、原稿の排出位置には、原稿スタック台が設けられている。自動原稿搬送装置400は、複数の原稿搬送ローラを備えており、この原稿搬送ローラによって、原稿は、原稿セット台からスキャナ200のコンタクトガラス57上の読取位置を経て原稿スタック台まで搬送される。
給紙部300には、内部に、記録材である紙やOHPフィルム等の記録紙Pを収納する記録紙カセット61が複数重ねて設けられている。複数の記録紙カセット61には、呼出ローラ62、供給ローラ63、分離ローラ64がそれぞれ設けられている。記録紙カセット61の図2中の右側には、画像形成部100の記録紙搬送路Rへと通じる上述した供給路R1が形成されている。この供給路R1にも、記録紙Pを搬送するいくつかの記録紙搬送ローラ対66が設けられている。
画像形成部100には、図2中の右側に、手差し給紙部68が設けられている。この手差し給紙部68には、手差しトレイ67が開閉自在に設けられており、その手差しトレイ67上にセットした記録紙Pを記録紙搬送路Rへと導く上述した手差し供給路R2が形成されている。この手差し給紙部68にも、記録紙カセット61と同様に、呼出ローラ62、供給ローラ63及び分離ローラ64が設けられている。
次に、複写機500の動作について説明する。
複写機500を用いてコピーをとるとき、まず、メインスイッチをオンするとともに、原稿が複数枚のシート等のシート原稿の場合は、自動原稿搬送装置400の原稿セット台に原稿をセットする。原稿が本等のブック原稿のような場合には、自動原稿搬送装置400を開いてスキャナ200のコンタクトガラス57上に直接原稿をセットし、自動原稿搬送装置400を閉じてそれで押える。
その後、スタートスイッチを押すと、自動原稿搬送装置400に原稿をセットしたときは、シート原稿を原稿搬送ローラにより原稿搬送路を通してコンタクトガラス57上へと移動させてからスキャナ200を駆動する。そして、原稿内容を読み取って原稿スタック台上に排出する。一方、コンタクトガラス57上に直接原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ200を駆動して原稿内容を読み取る。
原稿内容を読み取る際、スキャナ200は、光源53をコンタクトガラス57に沿って移動させながら、その光源53からの光をコンタクトガラス57上の原稿面に照射する。そして、その反射光を複数のミラー54で結像用光学レンズ55まで案内してイメージセンサ56に入れ、そのイメージセンサ56で原稿内容を読み取る。
複写機500では、原稿内容の読み取りと同時に、感光体駆動モータによって感光体10を回転させる。そして、まず、帯電装置11により感光体10の表面を一様に帯電する。次いで上述のスキャナ200で読み取った原稿内容に応じてレーザー書込装置47から感光体10にレーザー光を照射してレーザー書込みを行い、感光体10の表面に静電潜像を形成する。その後、感光体10の表面の静電潜像に現像装置12でトナーを付着させて可視像化する。
複写機500では、スタートスイッチを押したと同時に、給紙部300が備える複数の記録紙カセット61のうち、選択されたサイズに対応するものから、呼出ローラ62により記録紙Pを送り出す。そして、送り出された記録紙Pを供給ローラ63及び分離ローラ64で一枚ずつ分離して、その一枚を供給路R1へ案内し、記録紙搬送ローラ対66で記録紙搬送路Rへと導く。記録紙搬送路Rへ搬送された記録紙Pは、レジストローラ対21に突き当たって止められる。
手差し給紙部68を使う場合、手差しトレイ67を開けてこれに記録紙Pをセットする。この場合も、手差しトレイ67上にセットされた記録紙Pは、呼出ローラ62、供給ローラ63及び分離ローラ64によって一枚だけ手差し供給路R2へ搬送され、記録紙搬送ローラ対66で記録紙搬送路Rへと導かれる。記録紙搬送路Rに導かれた記録紙Pは、レジストローラ対21に突き当たって止められる。
レジストローラ対21に止められた記録紙Pは、上述した感光体10の可視像化したトナー像の先端が転写位置Bへ進入するタイミングを合わせて回転を開始するレジストローラ対21によって、転写位置Bへ送り込まれる。
転写位置Bへと送り込まれた記録紙Pは、転写ユニット13により感光体10上のトナー像が転写され、その表面にトナー像を担持する。転写後の感光体10は、その表面に残留した残留トナーがクリーニング装置14で除去され、除電ランプによりその表面が除電されて、帯電装置11からはじまる次の画像形成に備える。
一方、転写位置Bでトナー像を担持した記録紙Pは、転写ベルト17により搬送されて定着装置22に入る。そして、加熱ローラ30と加圧ローラ32との間を搬送されながら熱と圧力とが加えられて、記録紙P上のトナー像が定着する。その後、記録紙Pは、排出ローラ対35によって排紙口40から排出スタック部39上に排出され、そこにスタックされる。
記録紙Pの両面に画像を形成する場合には、排出分岐爪34を切り替え、記録紙Pの片面にトナー像を転写して定着した後、この記録紙Pを記録紙搬送路Rから反転路R3に入れる。反転路R3に入れた記録紙Pは、記録紙搬送ローラ対66で搬送してスイッチバック位置44へ入れた後、スイッチバックローラ対43でスイッチバックし、今度は再搬送路R4に入れ、記録紙搬送ローラ対66で再び記録紙搬送路Rに導く。そして、再搬送路R4を通過した記録紙Pの反対面にも上述と同様にしてトナー像を転写する。
画像形成部100の内部では、各種ローラに回転駆動を伝達する駆動モータの駆動音や、各種ローラ等の移動部材の移動音、レーザー書込装置47のポリゴンミラー48の回転音等の様々な音が発生する。このような音が複写機500の外部に伝達し、周辺の人に不快感を与える騒音となることがある。
本実施形態の複写機500は、画像形成部100の筐体を形成する外装カバーに吸音装置を固定している。吸音装置を固定する外装カバーとしては、駆動モータが配置された図2中の奥側の駆動部に近い奥側外装カバーや図2中の手前側となる手前側外装カバーがあるが、これに限るものではない。また、外装カバーに限らず、インナーカバー等の筐体内部の部材に吸音装置を固定しても良い。
図3は、本実施形態の複写機500が備える吸音装置600を模式的に示した説明図である。
吸音装置600は、ヘルムホルツ共鳴器の空洞部601を形成する壁面のうち空洞部601と外部とを連通する連通部602が設けられた開口形成面620fを形成する第一部材である連通部形成板620を備える。さらに、吸音装置600は、空洞部601の他の壁面(底面613f及び側壁面611f)を形成する第二部材としての空洞形成部材610を備える。空洞形成部材610の材料は樹脂であり、連通部形成板620の材料である金属に比べて密度が小さく、且つ、加工し易い材料である。
図3に示す吸音装置600で、空洞部601の体積を「V」、連通部602の開口面積を「S」、連通部602の連通方向の長さを「H」、音速を「c」とし、吸音装置600での吸音周波数を「f」とすると、以下の(1)式が成り立つ。
Figure 2017161806
上記(1)式に示すように、吸音装置600によって吸音する音の周波数は、空洞部601の体積「V」、連通部602の長さ「H」及び連通部602の開口面積「S」によって求めることができる。
連通部形成板620は、バーリングによってフランジ部621が形成されており、このフランジ部621の内側が断面積「S」、長さ「H」の連通部602となる。連通部形成板620と空洞形成部材610とはネジ止めで密着させる。空洞形成部材610によって形成される空洞部601の体積は「V」となっている。
バーリングとは、板材に下穴と呼ばれる穴を開け、下穴よりも径の大きなパンチを下穴に押し込んで、下穴の縁を広げながら立て、開口部の周りにフランジを形成する加工方法である。バーリングによって連通部602を形成することで、空洞部601を形成する壁面の一部を形成する連通部形成板620に対して連通部602を形成するための部材を別途に設けることなく、連通部602を形成することが出来る。
図3に示す吸音装置600は、連通部602の開口部を吸音対象の音の音源に向けて配置する。これにより、吸音したい音が連通部602に入射し、吸音効果を得ることができる。連通部形成板620の板状の部分に対して、連通方向に立ち上がるように配設されたフランジ部621が連通部602を形成する立設部であり、図3に示す吸音装置600では、空洞部601に対して外側に向けてフランジ部621が立設している。
また、下穴の径とパンチ穴との径の差が大きいほどフランジ部621が高くなり、その内部の連通部602の長さ「H」が長くなる。このため、下穴の径とパンチ穴との径の差を調節することで、フランジ部621の高さを調節でき、連通部602の長さ「H」の値を調節することができる。
図3に示す吸音装置600は、連通部形成板620は空洞形成部材610よりも密度が大きい材料からなるため、空洞形成部材610の材料のみで形成した構成よりも透過音を抑制することができる。また、空洞形成部材610は連通部形成板620よりも密度が小さい材料からなるため、連通部形成板620よりも加工し易く、連通部形成板620のみで形成した構成よりも、密閉性を保ちつつ、高精度に空洞部601の体積を確保することができる。空洞部601の体積を確保することで低周波数を吸音することができ、密閉性を保ちつつ、高精度に空洞部601を形成することで、吸音効果の向上を図ることができる。このように、吸音装置600では、透過音を抑制しつつ低周波数の音に対して吸音効果を高めることが可能となる。
ヘルムホルツ共鳴器の構造を備えた吸音装置600では、所望の吸音効果を得るためには、空洞部601は連通部602による開口部以外は、外部に対して密閉されている必要がある。そのため、樹脂製の空洞形成部材610に、金属製の連通部形成板620を位置決めするためのボス(位置決め凸部)や、固定するためのネジ止め部(ネジ孔部)を形成する必要がある。
図3に示す吸音装置600の模式図では、連通部602と空洞部601とを位置決めするためのボス及び固定するためのネジ止め部等の位置決め部は記載されていない。
吸音装置600で所望の周波数を吸音するには、上記(1)式の左辺の「f」が所望の値となるように、右辺の「V」、「H」及び「S」の値を適切に設定する必要がある。
連通部602については、バーリング加工により形成されるため、開口面積「S」と連通方向の長さ「H」は容易に求められる。
しかし、空洞部601の体積「V」については、位置決め部の配置によって計算が複雑になる場合がある。例えば、空洞部601内に位置決め部を配置すると、計算が複雑になる。また、空洞部601と連通部602との組み合わせからなるヘルムホルツ共鳴器の構造を複数個備える吸音装置600では、空洞形成部材610と連通部形成板620との密閉性のみを考慮して、位置決め部を配置すると、次のような不具合が生じるおそれがある。すなわち、複数の空洞部601のうち、内部に位置決め部が配置された空洞部601と位置決め部が配置されていない空洞部601とで体積が異なるなど、個々のヘルムホルツ共鳴器の構造で、空洞部601の体積が異なる場合が生じる。
このような場合、複数の空洞部601で単一の周波数の音を吸音するためには、それぞれのヘルムホルツ共鳴器の構造毎に、開口面積「S」や連通部602の長さ「H」を異ならせるように形状を調整必要があり、設計が複雑となる。
以下、図1を用いて位置決め部を含めた本実施形態の吸音装置600の詳細について説明する。
図1は、本実施形態の複写機500が備える吸音装置600の斜視説明図である。図1(a)は、空洞形成部材610に連通部形成板620を固定した状態の斜視説明図であり、図1(b)は、図1(a)に示す状態から連通部形成板620を取り外した状態の空洞形成部材610の斜視説明図である。
図1に示す吸音装置600では、フランジ部621が空洞部601の内側に向けて延在するように形成されているため、図3の模式図で示したフランジ部621が図1では示されていない。
図1(b)に示すように、空洞形成部材610は、空洞部601を挟んで連通部形成板620と対向する底板部613と、連通部形成板620と底板部613との間を接続するように延在する側壁形成部611とを備える。空洞形成部材610に形成された複数の空洞部601の断面の概形が正六角形となるように、空洞部601の概形を正六角柱とし、かつ、その断面の正六角形の全ての頂点に円柱状の柱状部612を設けている。さらに、柱状部612の連通部形成板620側の面に、空洞形成部材610と連通部形成板620とを位置決めする位置決め凸部615やネジ締結を行うネジ孔部616を形成する。
このような構成にすることで、複数の空洞部601の体積を画一的に算出することが可能となり、目的の周波数の音を吸音する装置を容易に設計・作成することが可能となる。
具体的には、柱状部612が無い状態の正六角柱の体積から六つの頂点における柱状部612の体積(断面形状が扇型となる柱形状の体積)を引くことで空洞部601の体積を容易に算出することができる。そして、この体積の値を上記(1)式に代入することで吸音周波数を容易に算出できる。
空洞部601の形状を正六角形のように正多角形とすることで、一辺の長さに基づいて正多角形の面積を容易に算出することができ、この算出した面積に側壁形成部611の高さを掛けることで、空洞部601の概形の柱状の空間の体積を容易に算出することができる。この柱状の空間の体積から多角形の頂点に入り込んだ柱状部612の体積分を引くことで空洞部601の体積を算出することができる。
また、空洞部601の形状を正六角形のように正多角形とすることで、全ての頂点における円柱状の柱状部612が入り込む扇型の形状が同一となり、空洞部601の体積の算出が容易となる。
本実施形態の吸音装置600では、複数の空洞部601の断面の概形を同一の正多角形とし、その全ての頂点に同一の円柱状の柱状部612を配置することで、複数の空洞部601の体積を統一している。これにより、複数個のヘルムホルツ共鳴器の構造で同一の周波数の音を吸音する吸音装置600の設計が容易となり、騒音の原因となる音の周波数が特定されている場合に、騒音を効率的に抑制することが可能となる。
また、空洞部601の形状を多角形とすることで、辺を形成する板状部分(壁板部614)は直線状となる。そして、隣り合う他の空洞部601の辺を形成する板状部分と壁板部614を共有することができ、複数の空洞部601を隙間なく配置することができる。
また、正多角形のうち、正三角形、正方形及び正六角形とすることで同じ形状の空洞部601を隙間無く配置することが可能となり、設置スペースに対して空洞部601を効率よく配置できるため、吸音効果の向上を図ることが出来る。
本実施形態の吸音装置600を組み立てる際には、空洞形成部材610に立てた二つの位置決め凸部615を連通部形成板620に設けた位置決め孔に差込み、連通部形成板620の表面に平行な方向の空洞形成部材610と連通部形成板620との位置決めを行う。これにより、連通部形成板620の複数のネジ孔部616と連通部形成板620に設けた複数のネジ貫通孔とが対向する。次に、複数のネジ貫通孔にそれぞれネジ630を通して、ネジ孔部616とネジ締結させることで、空洞形成部材610と連通部形成板620とを固定する。
外装カバーに吸音装置600を固定するときには、空洞形成部材610の底板部613が外向カバーの内側壁面と対向するように配置し、連通部602を音源となる駆動モータ等が配置された装置の内側に向かって開口させる。
ここで、多角形の頂点を形成する部分に柱状部612を備えない仮の構成について述べる。壁板部614のように側壁形成部611における多角形の辺を形成している板状部分では、幅を一定にして、厚さを一定にすることが可能である。一方、側壁形成部611における辺と辺とが交わる頂点では辺の部分よりも肉厚が大きくなる。これを樹脂の射出成形で形成しようとすると、他の部分よりも肉厚が大きくなる頂点の部分ではヒケが発生し易く、製造誤差が生じ易い。柱状部612を備えない構成であっても、位置決め凸部615やネジ孔部616のような連通部形成板620との位置決め部は必要である。多角形を形成する部分とは別に位置決め部を設けるとしても、板状部分よりも形状が複雑であり、製造誤差が生じ易い。
本実施形態の吸音装置600では、側壁形成部611における多角形の頂点となる部分に位置決め部を設けることで製造誤差が生じ易い形状が分散することを抑制し、吸音装置600全体での製造誤差を抑制する。これにより、製造誤差に起因する空洞部601の体積のばらつきを抑制でき、吸音装置600の吸音周波数を所望の周波数に設定する精度が向上し、吸音効果の向上を図ることができる。
また、上述したように、空洞部601の体積の算出が容易であることにより、吸音装置600の吸音周波数の計算が明瞭となり、吸音したい音の周波数に対する吸音効果のばらつきを抑制し、より静音化ができる。
また、複数の空洞部601の体積を画一的に算出することで、複数個のヘルムホルツ共鳴器の構造を備えた吸音装置600の設計が容易となる。
位置決め部の製造誤差に起因して空洞部601の製造誤差が生じることを抑制する構成としては、空洞形成部材610における空洞部601の側壁を形成する部分とは別に柱状部を設け、この柱状部に位置決め部を設けることが考えられる。
しかし、図1に示すように、複数の空洞部601を並べて配置する構成で、空洞部601を形成する部分の外側に位置決め部を設けると、他の空洞部601に囲まれた空洞部601と位置決め部との距離が離れてしまう。その結果、部材の反りや駆動時の振動等によって空洞部601を形成する側壁形成部611と連通部形成板620との間に隙間が生じ、空洞部601の密閉性が保てなくなり、吸音性能が低下するおそれがある。
これに対して、位置決め部を設けることができる柱状部612を多角形の頂点に配置することで、複数の空洞部601のうち、他の空洞部601に囲まれた空洞部601であっても、近くに位置決め部を配置することが可能となり、密閉性を保つことが可能になる。空洞部601の密閉性を保つことで、所望の吸音性能を発揮することが可能となる。
図1に示す吸音装置600では、複数の柱状部612のうち位置決め凸部615を設けた二つの柱状部612以外の全ての柱状部612の連通部形成板620側の面にネジ孔部616を設けている。ネジ孔部616を多く配置することで密閉性の向上を図ることができる。しかし、ネジ孔部616が多いと、必要なネジの数が増えて部品点数が増加し、さらに、ネジ締めの工数が増加する。
板金からなる連通部形成板620は、剛性が高く、部材の変形に起因する浮きが生じ難い。このため、密閉性が確保できれば、複数の柱状部612のうちの一部の柱状部612にはネジ孔部616や位置決め凸部615といった何れの位置決め部も設けない構成としても良い。すなわち、密閉性が保てれば、位置決め凸部615を設けていない柱状部612の全てにネジ止めをする必要はなく、周辺のレイアウトに合わせてネジ固定部を決定できる。これにより、頂点の数が多い多角形状の空洞部601を複数備える構成の全ての頂点に柱状部612を設けた構成であっても、ネジ孔部616の数を抑えることができ、部品点数の増加や工数の増加を抑制できる。
多角形の頂点に柱状部612を設け、複数の柱状部612のそれぞれについて、位置決め部を設けるか否かを適宜選択することが可能であるため、密閉性を保てるネジ630の個数と場所が設定可能となる。これにより、コストダウン及び効率のよりレイアウトが可能となる。
本実施形態の側壁形成部611における柱状部612を形成する部分は、側壁形成部611における多角形の辺を形成している板状部分である壁板部614よりも厚みのある形状となっている。これにより、ある程度の幅が必要なネジ孔部616や位置決め凸部615を柱状部612に配置し、側壁形成部611における壁板部614の厚みを薄くすることができる。壁板部614の厚みを薄くすることで、空洞部601を形成するために必要な樹脂材料を削減することができる。さらに、壁板部614の厚みを、位置決め部を形成できる程度の厚み(柱状部612の厚み)まで厚くすると、同じ体積の空洞部601を同じ数だけ配置したときに吸音装置600の大型化に繋がる。これに対して、位置決め部を設ける柱状部612の厚みよりも壁板部614の厚みを薄くすることで、吸音装置600全体の小型化を図ることができる。
さらに、壁板部614を厚くすると、壁板部614が肉厚になり、ヒケが生じ易くなり、空洞部601の体積の製造誤差が大きくなるおそれがある。これに対して、壁板部614を薄くすることで、この部分にヒケが生じることを抑制し、空洞部601の体積の製造誤差を抑制することが可能となる。よって、吸音装置600の吸音周波数を所望の周波数に設定する精度が向上し、吸音効果の向上を図ることができる。
また、本実施形態の空洞形成部材610では柱状部612の裏側に「肉抜き」「肉盗み」等とよばれる凹部を形成する形状としている。これにより、壁板部614よりも厚みがある柱状部612で空洞形成部材610が肉厚となることを抑制し、柱状部612にヒケが生じることを抑制できる。これにより、空洞部601の体積の製造誤差を抑制することが可能となる。よって、吸音装置600の吸音周波数を所望の周波数に設定する精度が向上し、吸音効果の向上を図ることができる。
空洞形成部材610にヒケが生じることを抑制することにより、空洞形成部材610の側壁形成部611における連通部形成板620と接触する面の平滑性が向上する。これにより、空洞形成部材610と連通部形成板620との間に隙間が形成されることを抑制でき、空洞部601の密閉性の向上を図ることができる。
ヘルムホルツ共鳴器の構造を備えた吸音装置600では、連通部602に入射した音を吸音する。連通部602に入射しなかった音は、連通部602の開口部周りの外側壁面に入射するため、空洞部601の周囲の面を形成する壁のうち、連通部602が設けられた壁は、透過音を抑制に優れた金属(板金)が望ましい。
音が壁に入射した場合、壁の単位面積辺りの質量が大きいほど、音の透過損失が大きくなる(音が透過しにくくなる)。壁の材質が一様である場合は、壁の厚みが厚いほど、壁を構成する材料の密度(単位体積当たりの質量)が大きいほど音は透過し難くなる。このため、空洞部601を形成する壁のうち、連通部602が設けられた壁を樹脂よりも密度が大きい金属製の板金によって形成することで、音が透過することを抑制することができる。また、板金だと、音源側に対向する側に当たった音が透過しにくく、反射する量が多いため、反射して連通部602に向かう音が相対的に多くなり、吸音効果の向上を図ることができる。
吸音装置600は、連通部602が設けられた面以外の空洞部601の周囲の面を形成する部材を樹脂製の空洞形成部材610とし、連通部602を形成する蓋の役割をする部材を板金からなる連通部形成板620とする構成である。空洞部601の周囲の面を空洞形成部材610で形成することにより、空洞部601の体積を大きくすることができ、吸音する音の周波数を低周波数に設定することが可能となる。
板金としては、亜鉛めっき鋼板等の鉄板を用いることができるが、アルミニウム製等、他の金属からなるものを用いてもよい。空洞形成部材610に用いる樹脂材料としては、ポリカーボネートやABS樹脂を用いることができるが、これらに限るものではない。例えば、合成あるいは天然のゴムなども用いることができる。
本実施形態の吸音装置600では、空洞部601の周囲の面を形成する空洞形成部材610を樹脂によって形成している。金属よりも加工し易い材料である樹脂製の部品は材料を金型に流し込むことによって所望の形状に精度よく成型することが可能である。このため、本実施形態の吸音装置600では、密閉性を保ちつつ、高精度に空洞部601の体積を十分に確保することが可能となる。
図4は、空洞部601の断面の概形が正三角形となる空洞形成部材610の一例の斜視説明図である。
図4に示す空洞形成部材610では複数の空洞部601を概形が正三角柱となるように形成し、その断面の正六角形の全ての頂点に柱状部612を設けている。さらに、柱状部612の連通部形成板620側の面に、空洞形成部材610と連通部形成板620とを位置決めする位置決め凸部615やネジ締結を行うネジ孔部616を形成する。
図5は、空洞部601の断面の概形が正六角形及び正三角形となる空洞形成部材610の一例の斜視説明図である。
図5に示す空洞形成部材610では、概形が正六角柱となる六角空洞部601aと概形が正三角柱となる三角空洞部601bとをそれぞれ複数形成している。そして、六角空洞部601aの断面の正六角形と三角空洞部601bの断面の正三角形との全ての頂点に柱状部612を設けている。さらに、柱状部612の連通部形成板620側の面に、空洞形成部材610と連通部形成板620とを位置決めする位置決め凸部615やネジ締結を行うネジ孔部616を形成する。
樹脂製の空洞形成部材610は加工性がよいため、周辺レイアウトの都合から形状変更を要求されることが考えられる。上述した、ヘルムホルツ共鳴器の構造毎に、開口面積「S」や連通部602の長さ「H」を異ならせるように形状を調整する構成の場合、形状変更を要求される度に、個々の空洞部601の体積を算出し直す必要が生じる。
形状変更によって六角空洞部601aを配置できない空間が生じる場合であっても、図5に示すように、六角空洞部601aよりも配置に必要な空間が小さい三角空洞部601bを配置することで、スペースを効率よく活用することが可能となる。三角空洞部601bと六角空洞部601aとで、同じ周波数の音を吸音する場合は、連通部602の長さ「H」や連通部602の開口面積「S」を調整する。これにより、体積が異なる三角空洞部601bと六角空洞部601aとで同じ周波数の音を吸音することが可能となる。
複数の六角空洞部601aは全て同じ形であり、複数の三角空洞部601bも全て同じ形である。このように画一化された多角柱状の空洞部601の形状を複数種類用意することによって、体積が大きい空洞部601を配置できるスペースが形状変更によって無くなってしまっても、予め体積の分かっている体積が小さい空洞部601を配置することができる。これにより、形状変更を要求されても、空洞部601の体積を算出し直す必要がなくなり、計算負荷の低減を図ることができる。
実施形態では、開口形成部を有する第一部材としての連通部形成板620と、側壁形成部611及び開口対向部である底板部613を有する第二部材である空洞形成部材610とを組み合わせることによって吸音装置600を形成する構成について説明した。第一部材と第二部材との組み合わせとしては、第一部材が開口対向部を有し、第二部材が開口形成部と側壁形成部とを有する構成としてもよい。この構成の場合、第二部材は、連通部形成板620に側壁形成部611を設けたような構成となるが、連通部602を形成するフランジ部621も含めて樹脂材料で第二部材を成型することによってこのような構成も実現可能である。
さらに、開口形成部と、側壁形成部と、開口対向部とを別部材として、開口形成部を有する部材と開口対向部を有する部材とを、それぞれ側壁形成部を有する部材に固定して吸音装置600を形成する構成としてもよい。
また、上述した実施形態では、空洞部601の概形が正角柱である場合について説明した。空洞部601の概形としてはこれに限るものではなく、断面の多角形の頂点となる部分に壁板部614よりも厚い柱状部612を設ける角柱であればよい。さらに、断面の多角形の頂点となる部分に柱状部612を設ける構成であれば、空洞形成部材610の表面と底板部613の表面とが平行な角柱状に限らず、空洞形成部材610の表面と底板部613の表面とが傾斜した形状であってもよい。
柱状部612の形状は円柱状に限らず、角柱でもよい。空洞部601の断面の多角形の複数の頂点に柱状部612を配置する場合、柱状部612を配置する頂点における柱状部612が入り込む体積を同じとすることにより、空洞部601の体積の計算が容易となる。複数の柱状部612を径が等しい円柱状とし、空洞部601の断面の概形の多角形を正多角形とすることで、上述した頂点における柱状部612が入り込む体積を算出し易くなり、空洞部601の体積の算出が容易となる。
本実施形態では、吸音装置を備える電子機器が画像形成装置である場合について説明したが、動作時に音を発生する音源部と、この音源部から発する音を吸音する吸音装置とを備える構成であれば画像形成装置以外の電子機器でも本発明は適用可能である。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
空洞部601等の空洞部と、空洞部を外部と連通する連通部602等の開口部とを備える吸音装置600等の吸音装置において、開口部が形成された開口形成面620f等の開口形成面または空洞部を挟んで開口形成面に対向する底面613f等の開口対向面の一方を有する連通部形成板620等の第一部材と、開口形成面と開口対向面との間を接続するように延在する側壁面611f等の側壁面を形成する側壁形成部611等の側壁形成部を少なくとも有する空洞形成部材610等の第二部材と、を組み合わせることで空洞部を形成し、開口形成面の側または開口対向面の側から見た側壁面の形状が正六角形等の多角形であり、側壁形成部における多角形の頂点を形成する部分の少なくとも一つに、第一部材との位置決めを行うネジ孔部616及び位置決め凸部615等を配置する柱状部612等の位置決め部を設け、側壁形成部における多角形の辺を形成する壁板部614等の板状部分の厚みは、位置決め部の厚みよりも薄い。
これによれば、上記実施形態について説明したように、吸音装置の空洞部を高精度に形成することが可能となる。これは、以下の理由による。
すなわち、特許文献1に記載の吸音装置では、側壁形成部における四角形の頂点を形成する部分に位置決め部を設け、側壁形成部の厚みを一定にし、側壁形成部における多角形の辺を形成する板状部分の厚みを、位置決め部の厚みと同じにしている。このような側壁形成部を備える第二部材を射出成形で作成する場合、板状部分は厚みが厚いほどヒケが生じ易く、位置決めを行う形状を配置するために必要な厚みを有する位置決め部の厚みと板状部分の厚みとを同じにすると、板状部分にヒケが生じ易くなる。板状部分にヒケが生じると、空洞部の製造誤差が大きくなり、所望の周波数の音の吸音効果が低減するおそれがある。
これに対して、態様Aでは、板状部分の厚みを、位置決め部の厚みよりも薄くすることで、板状部分にヒケが生じることを抑制し、空洞部の製造誤差を抑制することができる。よって、吸音装置の空洞部を高精度に形成し、所望の周波数の音の吸音効果の向上を図ることが可能となる。
(態様B)
態様Aにおいて、開口形成面620f等の開口形成面の側または底面613f等の開口対向面の側から見た側壁面611f等の側壁面の形状が正多角形である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、空洞部の体積の算出が容易となる。
(態様C)
態様AまたはBにおいて、空洞部601等の空洞部と連通部602等の開口部との組み合わせを複数組備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、それぞれの空洞部の近くに位置決め部を設けることが可能となり、それぞれの空洞部の密閉性を維持することが可能となる。
(態様D)
態様Cにおいて、側壁形成部611等の側壁形成部における正六角形等の多角形の頂点を形成する部分の少なくとも一つに壁板部614等の板状部分よりも厚い柱状部612等の柱状部を設け、柱状部の少なくとも一つにネジ孔部616及び位置決め凸部615等の
位置決め部を設け、複数の空洞部601等の空洞部のそれぞれに設けられた柱状部の形状が互いに同一形状(径が等しい円柱状等)である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、空洞部における多角形の頂点を形成する部分に入り込む柱状部の体積の算出が容易となり、空洞部の体積の算出が容易となる。
(態様E)
態様CまたはDにおいて、複数の空洞部601等の空洞部の体積が同一である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、体積が同一の空洞部を高精度に形成することで、複数の空洞部の体積を画一的に算出することが可能となり、目的の周波数の音を吸音する装置を容易に設計・作成することが可能となる。
また、複数の空洞部の一部だけに位置決め部を形成した場合、複数の空洞部同士で同一体積を保つことが難しくなる。これに対して、態様Eでは、複数の空洞部のそれぞれに位置決め部を配置し得る柱状部を設け、位置決め部を配置するか否かは適宜選択する。これにより、位置決め部を設けるか否かによって複数の空洞部同士が異なる形状となることを防止し、複数の空洞部同士で同一体積を保つことが容易となる。
(態様F)
態様A乃至Eの何れかの態様において、位置決め部は、連通部形成板620等の第一部材に設けた位置決め孔等の孔に差込む位置決め凸部615等の凸部、または、第一部材とネジ固定するネジ孔部616等のネジ固定部である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、空洞形成部材610等の第二部材と、第一部材とを位置決めして、吸音装置600等の吸音装置を組み立てる構成を実現することが可能となる。
(態様G)
動作時の音を吸音する吸音手段を備えた複写機500等の電子機器において、吸音手段として、態様A乃至Fの何れかに係る吸音装置600等の吸音装置を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、吸音効果の向上を図ることができる吸音装置を備えることで、電子機器の動作時に生じる音をより効果的に吸音することが可能となる。
(態様H)
動作時の音を吸音する吸音手段を備えた複写機500等の画像形成装置において、吸音手段として、態様A乃至Fの何れかに係る吸音装置600等の吸音装置を備える。
これによれば、上記実施形態について説明したように、吸音効果の向上を図ることができる吸音装置を備えることで、画像形成装置の動作時に生じる音をより効果的に吸音することが可能となる。
10 感光体
11 帯電装置
12 現像装置
13 転写ユニット
17 転写ベルト
20 トナー補給装置
21 レジストローラ対
22 定着装置
39 排出スタック部
47 レーザー書込装置
48 ポリゴンミラー
49 ポリゴンモータ
100 画像形成部
200 スキャナ
300 給紙部
400 自動原稿搬送装置
500 複写機
600 吸音装置
601 空洞部
601a 六角空洞部
601b 三角空洞部
602 連通部
610 空洞形成部材
611 側壁形成部
611f 側壁面
612 柱状部
613 底板部
613f 底面
614 壁板部
615 位置決め凸部
616 ネジ孔部
620 連通部形成板
620f 開口形成面
621 フランジ部
630 ネジ
特開2009−139556号公報

Claims (8)

  1. 空洞部と、
    前記空洞部を外部と連通する開口部とを備える吸音装置において、
    前記開口部が形成された開口形成面または前記空洞部を挟んで前記開口形成面に対向する開口対向面の一方を有する第一部材と、前記開口形成面と前記開口対向面との間を接続するように延在する側壁面を形成する側壁形成部を少なくとも有する第二部材と、を組み合わせることで前記空洞部を形成し、
    前記開口形成面の側または前記開口対向面の側から見た前記側壁面の形状が多角形であり、
    前記側壁形成部における前記多角形の頂点を形成する部分の少なくとも一つに前記第一部材との位置決めを行う位置決め部を設け、
    前記側壁形成部における前記多角形の辺を形成する板状部分の厚みは、前記位置決め部の厚みよりも薄いことを特徴とする吸音装置。
  2. 請求項1の吸音装置において、
    前記開口形成面の側または前記開口対向面の側から見た前記側壁面の形状が正多角形であることを特徴とする吸音装置。
  3. 請求項1または2の吸音装置において、
    前記空洞部と前記開口部との組み合わせを複数組備えることを特徴とする吸音装置。
  4. 請求項3の吸音装置において、
    前記側壁形成部における前記多角形の頂点を形成する部分の少なくとも一つに前記板状部分よりも厚い柱状部を設け、
    前記柱状部の少なくとも一つに前記位置決め部を設け、
    複数の前記空洞部のそれぞれに設けられた前記柱状部の形状が互いに同一形状であることを特徴とする吸音装置。
  5. 請求項3または4の吸音装置において、
    複数の前記空洞部の体積が同一であることを特徴とする吸音装置。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の吸音装置において、
    前記位置決め部は、前記第一部材に設けた孔に差込む凸部、または、前記第一部材とネジ固定するネジ固定部であることを特徴とする吸音装置。
  7. 動作時の音を吸音する吸音手段を備えた電子機器において、
    上記吸音手段として、請求項1乃至6の何れかに記載の吸音装置を備えることを特徴とする電子機器。
  8. 動作時の音を吸音する吸音手段を備えた画像形成装置において、
    上記吸音手段として、請求項1乃至6の何れかに記載の吸音装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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