JP6418509B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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このような問題は、音を減衰する吸音手段がヘルムホルツ共鳴器を用いるものに限らず、排出口近傍の記録媒体搬送路に吸音手段を設ける構成であれば生じ得る問題である。
図2は、本実施形態に係る複写機500全体の概略構成図である。図2において、複写機500の画像形成部100の上に画像読取部であるスキャナ200が取り付けられ、画像形成部100は記録紙バンク300上に載置されている。スキャナ200の上には、背面側(図中紙面奥側)を支点にして回動自在に構成された自動原稿搬送装置400が取り付けられている。
また、自動原稿搬送装置400には、原稿セット台が設けられており、原稿の排出位置には、原稿スタック台が設けられている。自動原稿搬送装置400は、複数の原稿搬送ローラを備えており、この原稿搬送ローラによって、原稿は、原稿セット台からスキャナ200のコンタクトガラス57上の読取位置を経て原稿スタック台まで搬送される。
複写機500を用いてコピーをとるとき、まず、メインスイッチをオンするとともに、自動原稿搬送装置400の原稿セット台に原稿をセットする。ブック原稿のような場合には、自動原稿搬送装置400を開いてスキャナ200のコンタクトガラス57上に直接原稿をセットし、自動原稿搬送装置400を閉じてそれで押える。
原稿内容を読み取る際、スキャナ200は、光源53をコンタクトガラス57に沿って移動させながら、その光源53からの光をコンタクトガラス57上の原稿面に照射する。そして、その反射光を複数のミラー54で結像用光学レンズ55まで案内してイメージセンサ56に入れ、そのイメージセンサ56で原稿内容を読み取る。
このようにして、レジストローラ対21に止められた記録紙Pは、上述した感光体10の可視像化したトナー像の先端が転写位置Bへ進入するタイミングを合わせて回転を開始するレジストローラ対21によって、その転写位置Bへ送り込まれる。
図1は、複写機500の特徴部の説明図である。図1(a)は、複写機500の斜視説明図、図1(b)は、図1(a)に示す複写機500のスキャナ200の下面であるスキャナ下面203を下方から覗いたときの吸音装置600の斜視説明図である。
また、図1に示すように、胴内排紙部41を形成するスキャナ下面203に吸音手段である吸音装置600を設けている。
図4は、ヘルムホルツ共鳴器を用いた吸音装置600の模式図である。
図4に示すように、ヘルムホルツ共鳴器は、入口が狭まった容器のような形状であり、ある程度の体積を有する空洞部601と、それよりも小さい連通部603とによって構成され、連通部603に入ってくる特定の周波数の音を吸音する。
空洞部601の体積を「V」、連通部603における開口部602の開口面積を「S」、連通部603の長さを「H」、音速を「c」とし、吸音装置600での吸音周波数を「f」とすると、以下の(1)式が成り立つ。
(1)式に示すように、吸音装置600によって吸音する音の周波数は、空洞部601の体積V、連通部603の長さH及び連通部603の開口面積Sによって求めることができる。
しかし、排紙口40は必然的に画像形成部100の開口部となってしまい、遮蔽物が無いため、画像形成部100の内部で発生した音は排紙口40から漏れ出てしまい、騒音が発生する要因となる。
図5は、本実施形態に係る吸音装置600の断面図である。図5に示すように、板金からなるスキャナ下フレーム604にバーリング処理を施すことによって穴部630を形成し、穴部630を設けた位置のスキャナ下フレーム604の上面に空洞部601を形成する共鳴箱608を配置している。共鳴箱608は締結螺子640によってスキャナ下フレーム604に固定することでヘルムホルツ共鳴器である吸音装置600を形成する。スキャナ下フレーム604に対する共鳴箱608の固定は、螺子に限らず両面テープやシーラントなど、他の固定手段を用いても良い。
図6中の矢印αは排紙方向であり、図6中の矢印βは複写機500の前面側を示しており、矢印βで示す方向が図2中の紙面手前側となる。本実施形態の複写機500は、図6中の「γ」で示す胴内排紙部41の手前側となる領域の上方に位置するスキャナ下フレーム604に吸音装置600を設けている。
排紙口40近傍の記録紙搬送路Rは、複数の搬送ローラやこれらを駆動するローラ駆動機構が配置されているため、吸音装置600を配置する空間的な余裕がない。このような記録紙搬送路Rに吸音装置600を配置すると、搬送機構を配置するスペースが大型化し、複写機500全体の大型化につながる。また、吸音装置600を配置するスペースを確保できたとしても、使用者に対して効果的な位置に配置できない、配置できる数が少なく吸音効果をそこまで高められない、などの課題が生じる。
図7は、本発明の特徴部を備えた変形例の複写機500が備える吸音装置600の断面図である。吸音装置600が備える複数の穴部630のうちの一部の位置が異なる点以外は上述した実施形態の複写機500と共通であるため、共通する構成の説明は省略し、相異点について説明する。
変形例では、スキャナ下フレーム604に穴部630が設けられた空洞部601によって形成されるヘルムホルツ共鳴器の吸音周波数を排紙口40から漏れ出る音の周波数に合わせる。一方、共鳴箱608の側壁に穴部630が設けられた空洞部601によって形成されるヘルムホルツ共鳴器の吸音周波数をスキャナ200の内部で発生する音の周波数に合わせる。これにより、変形例の構成では、一つの吸音装置600で、排紙口40から漏れ出る音が騒音となることを抑制するだけでなく、スキャナ200の内部で発生する音が騒音となることも抑制することが可能となる。
(態様A)
記録紙P等の記録媒体に画像を形成し、排紙口40等の排出口から排出する画像形成部100等の画像形成部と、吸音装置600等の吸音手段とを有する複写機500等の画像形成装置において、少なくとも装置前面等の装置本体の一側面に開口し、且つ、排出口が臨む空間であり、排出口から排出された記録媒体を収容する胴内排紙部41等の排出記録媒体収容部を備え、スキャナ下面203等の排出記録媒体収容部に吸音手段を設ける。
これによれば、上記実施形態について説明したように、排出口から出てきた音は、排出記録媒体収容部内に伝達するが、排出記録媒体収容部に吸音手段を設けることで、排出記録媒体収容部に出てきた音が開口から装置の周辺に伝達することを抑制できる。これにより、装置内部で発生した音が排出口から外部に伝達して騒音となることを抑制できる。また、排出口近傍の記録媒体搬送路の周辺に吸音手段を設ける空間を確保する必要がなくなるため、装置における排出口に到る記録媒体搬送路を形成する部分の大型化を抑制することが可能となる。このように態様Aでは、装置内部で発生した音が排出口から外部に伝達して騒音となることを抑制しつつ、装置における排出口に到る記録媒体搬送路を形成する部分の大型化を抑制することが可能となる。
態様Aにおいて、吸音装置600等の吸音手段を、胴内排紙部41等の排出記録媒体収容部の上方に位置するスキャナ200等の部材の下面に設ける。
これによれば、上記実施形態について説明したように、記録紙P等の記録媒体が排出記録媒体収容部にスタックされても、記録媒体が排紙口40等の排出口と吸音手段との間を隔てることなく、吸音効果を維持することができる。
態様AまたはBの何れかの態様において、装置前面側の位置等の使用者が操作する所定の位置と排紙口40等の排出口との間に吸音装置600等の吸音手段を配置する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、オペレーションパネル501付近等のユーザが特に操作すると考えられる位置と、排出口との間に吸音手段を配置することで、排出口から出てきた音が使用者の位置に伝達することを効果的に抑制することができる。これにより、使用者に不快感を与えるおそれがある稼動音が使用者に伝達し、騒音となることを効果的に抑制することができる。
態様A乃至Cの何れかの態様において、吸音装置600等の吸音手段がヘルムホルツ共鳴器を用いたものである。
これによれば、上記実施形態について説明したように、吸音したい音の周波数にヘルムホルツ共鳴器の吸音周波数を合わせることで、胴内排紙部41等の排出記録媒体収容部に伝達した音を吸音する吸音手段を実現することができる。
なお、ヘルムホルツ共鳴器を用いる構成以外の吸音手段としては、スポンジやグラスウールなどの吸音材を用いる構成が挙げられる。
態様Dにおいて、スキャナ下フレーム604等の装置本体の金属製の骨組み部材をヘルムホルツ共鳴器の連通部603等の首部を形成する部材として利用する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、骨組み部材に穴部630等の穴を開け、共鳴箱608等の容器部材を取り付けてヘルムホルツ共鳴器を形成することにより、部品点数の削減、及び、省スペース化を図ることができる。
請求項Eにおいて、スキャナ下フレーム604等の骨組み部材におけるヘルムホルツ共鳴器を設ける箇所が、周辺から段差をつけた形状である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、立体的な形状となることで、骨組み部材の強度が上がり変形しにくくなるため、骨組み部材と共鳴箱608等の容器部材との密閉性を確保し易くなる。
態様Fにおいて、ヘルムホルツ共鳴器を形成する箇所を、胴内排紙部41等の排出記録媒体収容部に対して周辺部よりも凹ませた形状である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、吸音装置600等の吸音手段の連通部603等の首部の入口に音が集まり易くなり、この首部に音が入り易くなって、吸音効果の向上を図ることができる。
態様D乃至Gの何れかの態様において、ヘルムホルツ共鳴器の連通部603等の首部を板金に対してバーリング加工を施したバーリング部によって形成し、バーリング部が板金に対して胴内排紙部41等の排出記録媒体収容部とは反対側に突き出す形状である。
これによれば、上記実施形態について説明したように、バーリング加工による板金のエッジが見えなくなり、安全性が高まり、バーリング部が使用者の邪魔にならないようにすることができる。
請求項D乃至Hの何れかの態様において、ヘルムホルツ共鳴器を複数備え、少なくとも一つのヘルムホルツ共鳴器は他のヘルムホルツ共鳴器と共鳴周波数が異なる。
これによれば、上記実施形態について説明したように、異なる周波数に対応したヘルムホルツ共鳴器を形成することができ、吸音効果の向上を図ることができる。
態様D乃至Iの何れかの態様において、胴内排紙部41等の排出記録媒体収容部の上方に装置を形成する構造体としてのスキャナ200等の画像読取部を備え、画像読取部のスキャナ下フレーム604等の骨組み部材に共鳴空間を形成する共鳴箱608等の容器部材を取り付け、ヘルムホルツ共鳴器を形成する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、画像読取部の骨組み部材の内側は空間的な余裕があり、開いているスペースが多いため、新たな部品が取り付け易い。このため、骨組み部材の内側に容器部材を入れられる場合、または、骨組み部材の外側から容器部材を取り付ける場合、の何れの場合でも、締結螺子640等の締結部材の締結箇所の自由度が高く、さらに、ヘルムホルツ共鳴器の配置自由度が高い。
態様Jにおいて、共鳴箱608等の容器部材をスキャナ下フレーム604等の骨組み部材を挟んで胴内排紙部41等の排出記録媒体収容部の反対側に配置する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、ヘルムホルツ共鳴器の穴形状を骨組み部材に設け、容器部材を骨組み部材の上部に配置することで、排出記録媒体収容部内に吸音装置600等の吸音手段を形成する部材が突き出すことがない。これにより、新たに設けた吸音手段が使用者の邪魔となることを防止できる。
すなわち、少なくとも一側壁に開口し上壁に囲まれていない排出記録媒体収容部を装置上部に有するプリンタなどにも本発明を適用できる。
9 除電ランプ
10 感光体
11 帯電装置
12 現像装置
13 転写ユニット
14 クリーニング装置
15 第一ベルト張架ローラ
16 第二ベルト張架ローラ
17 転写ベルト
18 ベルトクリーニングブレード
20 トナー補給装置
21 レジストローラ対
22 熱定着装置
30 加熱ローラ
32 加圧ローラ
34 排出分岐爪
35 排出ローラ
36 第一加圧ローラ
37 第二加圧ローラ
38 コシ付ローラ
39 排出スタック部
40 排紙口
41 胴内排紙部
42 スイッチバック装置
43 スイッチバックローラ対
44 スイッチバック位置
47 レーザー書込装置
48 ポリゴンミラー
49 ポリゴンモータ
53 光源
54 ミラー
55 結像用光学レンズ
56 イメージセンサ
57 コンタクトガラス
60 記録紙搬送装置
61 記録紙カセット
62 呼出ローラ
63 供給ローラ
64 分離ローラ
66 記録紙搬送ローラ対
67 手差しトレイ
68 手差し給紙部
100 画像形成部
121 現像ローラ
200 スキャナ
203 スキャナ下面
300 記録紙バンク
400 自動原稿搬送装置
410 スキャナ支持部側板
500 複写機
501 オペレーションパネル
600 吸音装置
601 空洞部
602 開口部
603 連通部
604 スキャナ下フレーム
607 凹み形状部
608 共鳴箱
630 穴部
640 締結螺子
B 転写位置
C 転写ベルトクリーニング部
P 記録紙
R 記録紙搬送路
R1 供給路
R2 手差し供給路
R3 反転路
R4 再搬送路
Claims (2)
- 記録媒体に画像を形成し、排出口から排出する画像形成部と、
吸音手段とを有する画像形成装置において、
少なくとも装置本体の一側面に開口し、且つ、前記排出口が臨む空間であり、前記排出口から排出された記録媒体を収容する排出記録媒体収容部を備え、
前記吸音手段は、空洞部と外部とを連通する連通部を有する第一部材と、前記第一部材と接合することで前記空洞部を形成する第二部材とを備え、
前記排出記録媒体収容部に前記吸音手段を設ける構成で、
前記連通部を形成する首部が、金属製の前記第一部材と同一部材であり、前記排出記録媒体収容部とは反対側の前記空洞部の内側に突き出す形状であり、
前記装置本体の金属製の骨組み部材を前記吸音手段の前記第一部材とし、
前記骨組み部材における前記吸音手段を設ける箇所が、板金に対する曲げまたは絞りによって周辺から段差をつけた形状であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
前記吸音手段を形成する箇所を、前記排出記録媒体収容部に対して周辺部よりも凹ませた形状であることを特徴とする画像形成装置。
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