JP2017161756A - 眼視光学系及びこれを備えた撮影装置 - Google Patents

眼視光学系及びこれを備えた撮影装置 Download PDF

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Abstract

【課題】物体像(被写体像)をより観察し易い眼視光学系及びこれを備えた撮影装置を得る。【解決手段】物体側から接眼側に向かう光路上に、少なくとも、対物光学系と、前記対物光学系によって結像した物体像を正立化する正立化部材と、前記正立化部材が正立化した正立像を観察する観察光学系と、を有する眼視光学系であって、前記対物光学系より接眼側に、前記眼視光学系の透過波長特性を補正するための透過波長補正部材が設けられており、前記透過波長補正部材は、波長400nm〜540nmの光に対する平均透過率の方が波長540nm〜640nmの光に対する平均透過率よりも高い特性を有している、ことを特徴とする眼視光学系。【選択図】図1

Description

本発明は、眼視光学系及びこれを備えた撮影装置に関する。
一眼レフカメラの眼視光学系(ファインダ光学系)は、撮影レンズを通りクイックリターンミラー(反射部材)で反射後、ピント板に左右反転像として結像された物体像(被写体像)をペンタダハプリズム(ペンタゴナルダハプリズム)などの正立化部材で正立化し、ルーペ光学系で拡大観察する構成を有している。
このような眼視光学系では、観察する物体(被写体)の色が自然に見える(裸眼で観察した被写体の色に近い)、すなわち透過光の分光透過率に偏りがないことが要求される。しかし、ペンタダハプリズムなどの正立化部材の反射面には銀やアルミニウムの金属コートが施されることが多く、この金属コートの分光反射率には偏りがあるため、透過光ひいては眼視像が黄色系に着色されて見えるという問題がある。
さらに近年では、より高い観察倍率を実現するためにペンタダハプリズムなどの正立化部材に屈折率が高いガラスが使われるようになっている。しかし、一般的に、屈折率が高い硝材であるほど、可視域では短波長域の透過率が低下するため、眼視光学系の分光透過率に偏りが生じて、透過光ひいては眼視像がさらに黄色系に着色されて見えてしまう。
特許文献1−特許文献3には、ペンタダハプリズムなどの正立化部材の反射面の分光反射特性によって眼視光学系の視野の分光透過率の偏りを補正する技術が開示されている。より具体的には、ペンタダハプリズムなどの正立化部材の反射面において望ましい分光反射特性を得るための手段として、誘電体膜等の補正膜を付着させた多層膜コーティングを施している。
特開平10−48729号公報 特開2012−127984号公報 特開2014−119629号公報
しかしながら、特許文献1−特許文献3は、いずれも反射面による分光反射特性を調整することによるものなので、多層膜コーティングの製造誤差による影響が無視できず、また反射面に対する分光反射率は入射角依存性が大きいため、ファインダーの射出光線ごとに異なる分光透過率特性になるという問題がある。例えばファインダーから射出する光束が観察者の瞳孔より太い場合、観察者の眼の位置が移動しても全視野が見渡せる反面、眼の位置が変わると、眼に入射する光束の多層膜コーティングにおける反射角が変化するので、観察像の分光透過率が変化して着色度合いが変化してしまう。
本発明は、以上の問題意識に基づいてなされたものであり、物体像(被写体像)をより観察し易い眼視光学系及びこれを備えた撮影装置を得ることを目的とする。
本発明の眼視光学系は、第1の態様では、物体側から接眼側に向かう光路上に、少なくとも、対物光学系と、前記対物光学系によって結像した物体像を正立化する正立化部材と、前記正立化部材が正立化した正立像を観察する観察光学系と、を有する眼視光学系であって、前記対物光学系より接眼側に、前記眼視光学系の透過波長特性を補正するための透過波長補正部材が設けられており、前記透過波長補正部材は、波長400nm〜540nmの光に対する平均透過率の方が波長540nm〜640nmの光に対する平均透過率よりも高い特性を有している、ことを特徴としている。
本発明の眼視光学系は、第2の態様では、物体側から接眼側に向かう光路上に、少なくとも、対物光学系と、前記対物光学系によって結像した物体像を正立化する正立化部材と、前記正立化部材が正立化した正立像を観察する観察光学系と、を有する眼視光学系であって、前記対物光学系より接眼側に、前記眼視光学系の透過波長特性を補正するための透過波長補正部材が設けられており、前記透過波長補正部材は、波長400nm〜540nmの光に対する透過率のピーク値の方が波長540nm〜640nmの光に対する透過率のピーク値よりも高い特性を有している、ことを特徴としている。
前記対物光学系による物体像の近傍には結像板が配置され、前記透過波長補正部材は、前記結像板、前記正立化部材および前記観察光学系とは別部材からなる、所定の波長域の光線を所定の割合で吸収する吸収光学素子であることができる。
前記透過波長補正部材は、所定の波長域の光線を所定の割合で吸収する吸収光学素子であり、前記吸収光学素子は、物体側の面と接眼側の面の曲率が略同一であることができる。
前記吸収光学素子は、前記観察光学系より外側に配置されていることができる。
前記吸収光学素子は、前記眼視光学系の光軸上の厚さが0.8mm以上であることができる。
前記対物光学系による物体像の近傍には結像板が配置され、該結像板は前記対物光学系による物体像の焦点位置を観察する為の拡散面を有する拡散板であり、前記透過波長補正部材は、前記拡散板、前記正立化部材および前記観察光学系の少なくとも1つと兼ねることができる。
前記透過波長補正部材は、波長400nm〜540nmの光に対する平均透過率が80%以上であることができる。
前記正立化部材は、ペンタゴナルダハプリズムを含むことができる。
前記ペンタゴナルダハプリズムは、ダハ反射面に金属コートが施されていることができる。
前記ペンタゴナルダハプリズムは、d線に対する屈折率が1.66以上であることができる。
前記ペンタゴナルダハプリズムは、d線に対する屈折率が1.75以上であり、ダハ反射面は全反射面であることができる。
本発明の撮影装置は、上述したいずれかの眼視光学系を備えることを特徴としている。
本発明によれば、物体像(被写体像)をより観察し易い眼視光学系及びこれを備えた撮影装置が得られる。
本実施形態の眼視光学系を含む一眼レフカメラの構成を示す図である。 ペンタダハプリズム(正立化部材)の構成を示す斜視図である。 ペンタダハプリズムの3つの反射面に銀コートを施した場合におけるトータルの光反射率特性を示す図である。 ペンタダハプリズムとして高屈折率ガラスを使用した場合におけるペンタダハプリズムとルーペ光学系のトータルの内部光透過率特性を示す図である。 ペンタダハプリズムの入射出面及びルーペ光学系の各面のトータルの光透過率特性を示す図である。 吸収フィルタ(透過波長補正部材)の単体での光透過率特性を示す図である。 本実施形態の眼視光学系(ペンタダハプリズムとルーペ光学系と吸収フィルタ)のトータルの光透過率特性を示す図である(図3〜図6を合成した図である)。 比較対象例1の眼視光学系のトータルの光透過率特性を示す図である。 比較対象例2の眼視光学系のトータルの光透過率特性を示す図である。
図1は、本実施形態の眼視光学系(ファインダ光学系)を含む一眼レフカメラ(撮影装置)10の構成を示している。
一眼レフカメラ10は、物体側(被写体側)から接眼側に向かう光路上に、撮影レンズ20と、クイックリターンミラー(反射部材)30と、ピント板(結像板、拡散板)40と、ペンタダハプリズム(ペンタゴナルダハプリズム、正立化部材)50と、ルーペ光学系60と、吸収フィルタ(透過波長補正部材、吸収光学素子)70とを有している。
例えば、クイックリターンミラー30、ピント板40、ペンタダハプリズム50、ルーペ光学系60及び吸収フィルタ70は、カメラ本体(図示略)に設けることができ、撮影レンズ20は、上記カメラ本体に着脱可能な交換式レンズ鏡筒(図示略)に設けることができる。
撮影レンズ20は、物体側(被写体側)から入射した光束を取り込んでクイックリターンミラー30に導く。図1は撮影レンズ20を単レンズとして描いているが、実際の撮影レンズ20は複数枚のレンズから構成することができる。
クイックリターンミラー30は、半透過面からなる反射面32を有している。クイックリターンミラー30は、回動駆動機構(図示略)により、撮影レンズ20からの光路上に位置するミラーダウン位置(図1に描いている)と、撮影レンズ20からの光路上から退避するミラーアップ位置(図1に描いていない)との間で回動駆動される。図示は省略しているが、クイックリターンミラー30には、クイックリターンミラー30がミラーダウン位置にあるときに該クイックリターンミラー30の直後の光路上に位置し、且つ、クイックリターンミラー30がミラーアップ位置にあるときに該クイックリターンミラー30と一緒に光路上から退避するサブミラーが取り付けられている。
クイックリターンミラー30がミラーアップ位置にあるとき、撮影レンズ20から入射した物体(被写体)の光束は、シャッタ及びフィルタ(ともに図示略)を通過して、撮像素子80の受光面に物体像(被写体像)として結像する。この物体像は、マトリックス状に配置された多数の画素によって、電気的な画素信号に変換され、画像データとしてカメラCPU(図示略)に出力される。カメラCPUは、撮像素子80からの画像データに所定の画像処理を施して、これをLCD(図示略)に表示し、画像メモリ(図示略)に記憶する。
クイックリターンミラー30がミラーダウン位置にあるとき、撮影レンズ20から入射した物体の光束の大部分は、反射面32で反射されて、ピント板40に導かれる。また撮影レンズ20から入射した物体の光束の残りの部分は、クイックリターンミラー30の反射面32を透過して、上記サブミラーで反射され、AFユニット(図示略)に導かれる。このAFユニットは、サブミラーからの入射光束に基づいて、オートフォーカスのための測距を行う。
ピント板40またはピント板40の近傍には、クイックリターンミラー30の反射面32で反射された物体の光束が物体像として結像される。ピント板40の結像面(拡散面)は、撮像素子80の結像面と光学的に等価である。またピント板40は、撮影レンズ20による物体像の焦点位置を観察する為の拡散面を有する拡散板である。
ペンタダハプリズム50は、撮影レンズ20による物体像(クイックリターンミラー30を介してピント板40に結像した物体像)を正立像に変換する(正立化する)ための構成要素である。
図1、図2に示すように、ペンタダハプリズム50は、物体側からの光束が入射する入射面51と、この入射面51から入射した光束を反射する第1反射面52及び第2反射面53と、この第1反射面52及び第2反射面53からの光束を接眼側に向けて反射する第3反射面54と、この第3反射面54からの光束を接眼側に向けて射出する射出面55とを有している。第1反射面52及び第2反射面53は、ペンタダハプリズム50の90°頂角部であるダハ反射面を構成する。
ペンタダハプリズム50は、ダハ反射面である第1反射面52及び第2反射面53に、銀コートやアルミニウムコート等の金属コートを施すことができる。金属コートの中でも、銀コートはアルミニウムコートよりも高い反射率が得られるため、銀コートを選択することが好ましい。
ペンタダハプリズム50は、d線に対する屈折率が1.66以上の材料から構成することができる。これにより、眼視光学系の倍率を高めることができて好適である。さらにd線に対する屈折率が1.75以上の材料から構成すればダハ反射面に金属コートを施さなくてもすべての正規光束が全反射するので、さらに高い反射率を得ることができる。
ルーペ光学系60は、物体側(被写体側)から接眼側に向かって順に、両凹レンズからなる第1レンズ61と、両凸レンズからなる第2レンズ62と、物体側に凸のメニスカスレンズからなる第3レンズ63とから構成されている。但し、ルーペ光学系60の構成は図示したものに限定されず、種々の設計変更が可能である。ルーペ光学系60は、ペンタダハプリズム50が正立化した正立像を拡大する。ルーペ光学系60が拡大した正立像は、眼視窓(図示略)を介して観察可能となっている。
吸収フィルタ70は、眼視光学系(ファインダ光学系)の透過波長特性を補正するための透過波長補正部材として機能する光学要素である。
上述したように、ファインダーの射出光線の黄色系の着色は、主として、ペンタダハプリズム50の反射面52−反射面54に施される銀などの金属コートによる短波長側の光の反射率低下、及び/又は、ペンタダハプリズム50を高屈折率ガラスで構成した場合におけるガラス内の短波長側の光の吸収に起因して起こり得る。
図3は、ペンタダハプリズム50の3つの反射面52−反射面54に銀コートを施した場合におけるトータルの光反射率特性を示している。同図に示すように、銀コートの影響により、短波長側に向かうに連れて光の反射率が低下していることが分かる。
図4は、ペンタダハプリズム50としてd線に対する屈折率が1.7725の高屈折率ガラスを使用し且つルーペ光学系60として樹脂材料からなる第1レンズ61−第3レンズ63を使用した場合におけるペンタダハプリズム50とルーペ光学系60のトータルの内部光透過率特性を示している。同図に示すように、ペンタダハプリズム50として高屈折率ガラス(d線に対する屈折率が1.66以上、更には1.75以上)を使用した影響により、短波長側に向かうに連れて光の内部透過率が低下していることが分かる。
図5は、ペンタダハプリズム50の入射出面及びルーペ光学系60の各面のトータルの光透過率特性を示している。ペンタダハプリズム50の入射出面及びルーペ光学系60の各面には多層膜コートが施されており、面透過率は概ねフラットな特性となっている。
本実施形態の眼視光学系は、ファインダーの射出光線の黄色系の着色を重要な技術課題として捉えて、図6に示すように、吸収フィルタ70の光の透過率特性を、波長400nm〜540nmの光に対する平均透過率の方が波長540nm〜640nmの光に対する平均透過率よりも高くなるようにしている(吸収フィルタ70を所定の波長域の光線を所定の割合で吸収する吸収光学素子として設けている)。これにより、眼視光学系から出力される光線の分光透過率を補正して、観察する被写体の色が自然に見える(黄色系の着色をなくす)ことが可能になる。
図7は、本実施形態の眼視光学系(d線に対する屈折率が1.7725の高屈折率ガラスによるペンタダハプリズムとルーペ光学系と吸収フィルタ)のトータルの光透過率特性を示しており、図3〜図6を合成したものである。同図に示すように、可視光域でも特に比視感度が高く、且つ波長440nm〜640nmで概ねフラットな特性が得られていることが分かる。
吸収フィルタ70は、例えば、着色剤として遷移金属(イオン)を混ぜたガラスからなり、混入する遷移金属の種類により吸収する光の波長特性を選択することができる。着色剤として使用する遷移金属としては例えばコバルトなどがある。また遷移金属の密度を調整することで吸収フィルタ70の光の吸収特性を任意に変えることができる。さらに吸収フィルタ70の厚みを調整することでもその光の吸収特性を任意に変えることができる。また、ガラスの他にプラスチック(樹脂)に所定の色素を混入して成形することでも吸収する光の波長特性を選択することができる。この場合も吸収フィルタ70の厚みを調整することでもその光の吸収特性を任意に変えることができる。
吸収フィルタは、自身の分光透過率特性の入射角依存性を少なくし易く、また厚みで分光透過率特性を調整し易いという特性を有しており、この特性を利用した吸収フィルタ70により、本実施形態では観察者の眼の位置が移動しても常に観察する被写体の色が変化しない眼視光学系が実現可能になる。
ただし吸収フィルタ70は平面の場合、光線の入射角による厚み差(光路差)により光の吸収特性(分光透過特性)がわずかに変化するため、更にシビアに分光透過特性を管理するには光線の通過する位置によって厚さの変化が少ない物体側の面と接眼側の面の曲率(曲率半径)が略同一な形状とすることが好ましい。本実施形態の吸収フィルタ70は、厚さが約1mm程度の平行平面板の形状であるが、実用上はほとんど問題ない。
吸収フィルタ70は、ルーペ光学系60より接眼側(最も射出側)に位置するカバーガラスとして設けられている(上述した透過波長補正の機能とカバーガラスの機能を併せ持っている)。この場合、カバーガラスに必要な強度を確保するべく、吸収フィルタ70の中心厚を0.8mm以上とすることが好ましい。
540nm〜640nmの長波長側の光を吸収するフィルタは400nm〜540nmの短波長側の光でもある程度の吸収があるため、透過波長補正の機能を強くしすぎると、眼視光学系の全体透過率が低くなりすぎてしまう。このような事態を防止するべく、吸収フィルタ70は、波長400nm〜540nmの光に対する平均透過率が80%以上であることが好ましい。
図8、図9は、比較対象例1、2の眼視光学系のトータルの光透過率特性を示している。図8の比較対象例1の眼視光学系は、上述した本実施形態の眼視光学系のうち、d線に対する屈折率が1.7725の高屈折率ガラスペンタダハプリズム50を用いた例において、吸収フィルタ(透過波長補正部材)70を省略したものである。図9の比較対象例2の眼視光学系は、上述した本実施形態の眼視光学系において、吸収フィルタ(透過波長補正部材)70を省略し、且つ、本実施形態の眼視光学系のペンタダハプリズム50に替えてそれよりも短波長側の光の透過率が高いd線に対する屈折率が1.51633の一般的なペンタダハプリズムを設けたものである。
図8の比較対象例1の眼視光学系は、図7の本実施形態の眼視光学系から吸収フィルタ70を省略したものであり、高屈折率のペンタダハプリズムの作用により見かけ視界(ファインダ倍率)は本実施形態の眼視光学系と同等となっている。
一方、図9の比較対象例2の眼視光学系は、比較的低い(通常の)屈折率のペンタダハプリズムを使っている為、見かけ視界は本実施形態(および比較対象例1)より劣る(狭い)ものの、屈折率の低い硝材は分光透過特性がフラットなので、図9に示すように分光透過特性のバランスが良い(着色が無い)ことが分かる。
例えば450nmの透過率から400nmの透過率の落ち込みを比べると、図7の本実施形態の眼視光学系では約60%から約41%、図8の比較対象例1の眼視光学系では約63%から約41%となっており、本実施形態の眼視光学系の方が短波長の透過率低下の落差が改善していることが分かる。さらに450nm〜500nmのライン(全体の傾斜)を比べても、図7の本実施形態の眼視光学系の方が図8の比較対象例1の眼視光学系より水平傾向であることから、本実施形態の眼視光学系の方が着色の改善が図られている。
図7の本実施形態の眼視光学系、図8の比較対象例1の眼視光学系、及び、図9の比較対象例2の眼視光学系のそれぞれについて、見かけ視界と着色の影響の度合いを、とても良い、良い、悪い、の指標を用いて表すと、次のようになる。
見かけ視界 着色
本実施形態 とても良い 良い
比較対象例1 とても良い 悪い
比較対象例2 悪い とても良い
このように、本実施形態の眼視光学系は、撮影レンズ20より接眼側に(更にはクイックリターンミラー(反射部材)30より接眼側に)、眼視光学系の透過波長特性を補正するための吸収フィルタ(透過波長補正部材)70が設けられており、この吸収フィルタ(透過波長補正部材)70が、波長400nm〜540nmの光に対する平均透過率の方が波長540nm〜640nmの光に対する平均透過率よりも高い特性を有している。このため、透過光ひいては眼視像の着色を防止して物体像(被写体像)をより観察し易くすることができる。
以上の実施形態では、透過波長補正部材をピント板40、ペンタダハプリズム(正立化部材)50及びルーペ光学系60とは別部材からなる吸収フィルタ70とした場合を例示して説明した。しかし透過波長補正部材は、ピント板40、ペンタダハプリズム(正立化部材)50及びルーペ光学系60の少なくとも1つとする(兼用する)ことも可能である。すなわち、ピント板40、ペンタダハプリズム(正立化部材)50及びルーペ光学系60の少なくとも1部材に、波長400nm〜540nmの光に対する平均透過率の方が波長540nm〜640nmの光に対する平均透過率よりも高い特性を有する吸収フィルタの機能を持たせるのである。特に光軸方向の厚みが薄いピント板40や厚みの薄い両凹レンズ61に吸収フィルタの機能を持たせれば、光線の入射角による分光透過率変化が軽くて済み、好ましい。
以上の実施形態では、透過波長補正部材が、波長400nm〜540nmの光に対する平均透過率の方が波長540nm〜640nmの光に対する平均透過率よりも高い透過率特性を有している場合を例示して説明した。しかし、透過波長補正部材は、波長400nm〜540nmの光に対する透過率のピーク値の方が波長540nm〜640nmの光に対する透過率のピーク値よりも高い特性を有していてもよい。
以上の実施形態では、正立化部材をペンタダハプリズム(ペンタゴナルダハプリズム)から構成した場合を例示して説明したが、ペンタダハプリズム以外の構成要素を正立化部材として適用する態様も可能である。但し、眼視光学系(ファインダ光学系)を一眼レフカメラに搭載する場合、正立化部材をペンタダハプリズムから構成することで、一眼レフカメラの小型化を達成できて好適である。
10 一眼レフカメラ(撮影装置)
20 撮影レンズ(対物光学系)
30 クイックリターンミラー(反射部材)
32 反射面(半透過面)
40 ピント板(結像板、拡散板)
50 ペンタダハプリズム(ペンタゴナルダハプリズム、正立化部材)
51 入射面
52 第1反射面(ダハ反射面)
53 第2反射面(ダハ反射面)
54 第3反射面
55 射出面
60 ルーペ光学系(観察光学系)
61 第1レンズ(両凹レンズ)
62 第2レンズ(両凸レンズ)
63 第3レンズ(物体側に凸のメニスカスレンズ)
70 吸収フィルタ(透過波長補正部材、吸収光学素子)
80 撮像素子

Claims (13)

  1. 物体側から接眼側に向かう光路上に、少なくとも、対物光学系と、前記対物光学系によって結像した物体像を正立化する正立化部材と、前記正立化部材が正立化した正立像を観察する観察光学系と、を有する眼視光学系であって、
    前記対物光学系より接眼側に、前記眼視光学系の透過波長特性を補正するための透過波長補正部材が設けられており、
    前記透過波長補正部材は、波長400nm〜540nmの光に対する平均透過率の方が波長540nm〜640nmの光に対する平均透過率よりも高い特性を有している、
    ことを特徴とする眼視光学系。
  2. 物体側から接眼側に向かう光路上に、少なくとも、対物光学系と、前記対物光学系によって結像した物体像を正立化する正立化部材と、前記正立化部材が正立化した正立像を観察する観察光学系と、を有する眼視光学系であって、
    前記対物光学系より接眼側に、前記眼視光学系の透過波長特性を補正するための透過波長補正部材が設けられており、
    前記透過波長補正部材は、波長400nm〜540nmの光に対する透過率のピーク値の方が波長540nm〜640nmの光に対する透過率のピーク値よりも高い特性を有している、
    ことを特徴とする眼視光学系。
  3. 請求項1または2記載の眼視光学系において、
    前記対物光学系による物体像の近傍には結像板が配置され、
    前記透過波長補正部材は、前記結像板、前記正立化部材および前記観察光学系とは別部材からなる、所定の波長域の光線を所定の割合で吸収する吸収光学素子である眼視光学系。
  4. 請求項1または2記載の眼視光学系において、
    前記透過波長補正部材は、所定の波長域の光線を所定の割合で吸収する吸収光学素子であり、
    前記吸収光学素子は、物体側の面と接眼側の面の曲率が略同一である眼視光学系。
  5. 請求項3または4記載の眼視光学系において、
    前記吸収光学素子は、前記観察光学系より外側に配置されている眼視光学系。
  6. 請求項3ないし5のいずれか1項記載の眼視光学系において、
    前記吸収光学素子は、前記眼視光学系の光軸上の厚さが0.8mm以上である眼視光学系。
  7. 請求項1または2記載の眼視光学系において、
    前記対物光学系による物体像の近傍には結像板が配置され、該結像板は前記対物光学系による物体像の焦点位置を観察する為の拡散面を有する拡散板であり、
    前記透過波長補正部材は、前記拡散板、前記正立化部材および前記観察光学系の少なくとも1つと兼ねる眼視光学系。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項記載の眼視光学系において、
    前記透過波長補正部材は、波長400nm〜540nmの光に対する平均透過率が80%以上である眼視光学系。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項記載の眼視光学系において、
    前記正立化部材は、ペンタゴナルダハプリズムを含む眼視光学系。
  10. 請求項9記載の眼視光学系において、
    前記ペンタゴナルダハプリズムは、ダハ反射面に金属コートが施されている眼視光学系。
  11. 請求項9または10記載の眼視光学系において、
    前記ペンタゴナルダハプリズムは、d線に対する屈折率が1.66以上である眼視光学系。
  12. 請求項9記載の眼視光学系において、
    前記ペンタゴナルダハプリズムは、d線に対する屈折率が1.75以上であり、ダハ反射面は全反射面である眼視光学系。
  13. 請求項1ないし12のいずれか1項記載の眼視光学系を備えることを特徴とする撮影装置。
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