JP2017161389A - 塗装膜解析装置及び塗装膜解析方法 - Google Patents

塗装膜解析装置及び塗装膜解析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】塗装膜をミクロな領域で客観的に評価することができる塗装膜解析装置を提供する。【解決手段】塗装膜解析装置は、面方向に所定領域の塗装膜の断層画像を取得する断層画像取得部と、前記断層画像取得部で取得された断層画像から前記所定領域の所定深さにおける塗装膜の面画像を生成する画像生成部と、前記面画像生成部で生成された前記所定深さにおける塗装膜の面画像をテクスチャ解析手法で解析する画像解析部とを備える。【選択図】 図2

Description

本開示は、塗装膜解析装置及び塗装膜解析方法に関する。
近年、自動車のボディの塗装をはじめとする塗装膜は高品位化が進んでおり、品質についても高いレベルのものが要求されている。例えば、自動車のボディの塗装は、ソリッド塗装(単色塗装)でもクリア層が設けられることが多く、ベース層にアルミフレーク等の散乱体が分散されたメタリック塗装やベース層にマイカ(雲母)片等の散乱体が分散されたパール塗装も採用されている。
特許文献1には、表面に塗装が施された被検物に測定光を照射し、該被検物からの反射光に基づいて該被検物の塗装外観を検査する塗装検査装置が開示されている。かかる塗装検査装置は、測定光として集束光を被検物に照射する塗装検査用照射装置と、該被検物からの反射光を撮像して受光画像を得る撮像手段と、該受光画像に基づいて被検物の塗装外観が良好であるか否かを判断する判断手段とを備えている。かかる塗装検査装置は、測定光として集束光を使用するので、測定光として平行光や拡散光を使用する場合に比べ、色ムラ又は瑕が顕著に現れ、被検物の塗装外観が良好であるか否かの判断が容易であるとされている。
特許文献2には、検査対象の表面の色により良不良を判別する外観検査方法が開示されている。かかる外観検査方法は、検査対象の画像から所定の色成分を有する画素を抽出して、抽出された画素の面積により検査対象の良不良の判別を行うステップと、判別の結果、良不良の判別ができないグレーゾーンにある検査対象について、所定の色成分に関するテクスチャ解析により導出されたエネルギー、エントロピー、均一度、及び所定の色成分に関する所定範囲の色相、彩度、及び明度を有する画素の水平累計分布値を特徴量としてサポートベクターマシン解析を行い、検査対象の良不良の判別を行うステップとを有する。かかる外観検査方法は、目視と同程度の判定が可能であり、人による判定のばらつきのない外観検査方法を実現できるとされている。また、色成分抽出判定を行った後のグレーゾーンにある検査対象に対してサポートベクターマシン解析を実行するので、検査に係る時間がいたずらに長くなるということがないとされている。
特開2009−174931号公報 特開2009−103498号公報
ところで、特許文献1及び特許文献2に開示されているように、塗装膜の評価は、塗装面に様々な光を照射し、その反射光の光量や反射パターンの画像を評価するというものが多い。塗装面は人が見ることを考慮すれば塗装面の光沢感や平坦度を評価していると考えられるのでこれらの評価方法は理にかなった方法である。一方、塗装はそれだけで評価できるものではなく、メタリック塗装やパール塗装では塗装の深み、緻密さ、均一的な美しさでも評価されるものと考えられている。メタリック塗装やパール塗装における、塗装の深み、緻密さ、均一的な美しさは、数ミクロン大の非常に細かいアルミフレークやマイカ片等の散乱体の緻密な配置で生まれているものと考えられる。
しかしながら、塗装膜のミクロな観察評価は行われておらず、塗装の深み、緻密さ、均一的な美しさをミクロな領域で客観的に評価するものはない。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、塗装膜をミクロな領域で客観的に評価することができる塗装膜解析装置及び塗装膜解析方法を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る塗装膜解析装置は、面方向に所定領域の塗装膜の断層画像を取得する断層画像取得部と、前記断層画像取得部で取得された断層画像から前記所定領域の所定深さにおける塗装膜の面画像を生成する画像生成部と、前記画像生成部で生成された前記所定深さにおける塗装膜の面画像をテクスチャ解析手法で解析する画像解析部とを備える。
上記(1)の構成によれば、画像解析部は、画像生成部で生成された所定深さにおける塗装膜の面画像をテクスチャ解析手法で解析するので、画像解析部は、塗装膜をミクロな領域で客観的な解析をすることができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、前記断層画像取得部は、前記塗装膜のうち、光を散乱させる散乱体が分散されたベース層を含む断層画像を取得する。
上記(2)の構成によれば、断層画像取得部は、塗装膜のうち、光を散乱させる散乱体が分散されたベース層を含む断層画像を取得するので、画像生成部は、所定領域の所定深さにおける塗装膜(ベース層)の面画像を生成する。そして、画像解析部は、画像生成部で生成された所定深さにおける塗装膜(ベース層)の面画像をテクスチャ解析手法で解析するので、散乱体の分散度合い等、ベース層をミクロな領域で客観的な解析をすることができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)の構成において、前記所定深さにおける塗装膜の面画像は、深さ方向に複数位置の面画像から構成され、前記画像解析部は、前記深さ方向に複数位置の面画像のうち、前記深さ方向に所定位置の面画像を解析する。
上記(3)の構成によれば、画像解析部は、深さ方向に複数位置の面画像のうち、深さ方向に所定位置の面画像をテクスチャ解析手法で解析するので、所定位置を適正に設定することにより、画像解析部は、最も差が現れる面画像をテクスチャ解析手法で解析することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、前記所定深さにおける塗装膜の面画像は、平均輝度が閾値を超える開始画像から深さ方向に平均輝度が前記閾値となる終了画像までの複数の面画像であって、前記画像解析部は、前記複数の面画像の平均画像を解析する。
上記(4)の構成によれば、画像解析部は、平均輝度が閾値を超える開始画像から深さ方向に平均輝度が閾値となる終了画像までの複数の面画像の平均画像を解析するので、画像解析部は、塗装膜(ベース層)における散乱体の分散傾向等、ベース層をミクロな領域で客観的な解析をすることができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)から(4)のいずれか一つの構成において、前記画像解析部は、前記面画像の画素レベルの標準偏差を用いて解析する。
上記(5)の構成によれば、画像解析部は、面画像の画素レベルの標準偏差を用いて解析する。これにより、画像解析部は、画素レベルで平均輝度のばらつきを客観的に評価することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)から(4)のいずれか一つの構成において、前記画像解析部は、前記面画像の同時生起行列の二次統計量を用いて解析する。
上記(6)の構成によれば、画像解析部は、面画像の同時生起行列の二次統計量を用いて解析する。これにより、画像解析部は、画素値の輝度変化の確率でテクスチャを分類することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)から(4)のいずれか一つの構成において、前記画像解析部は、前記面画像の複雑さを数値化したフラクタル次元を用いて解析する。
上記(7)の構成によれば、画像解析部は、面画像の複雑さを数値化したフラクタル次元を用いて解析する。これにより、画像解析部は、局所領域の特徴を利用してテクスチャの複雑さを評価することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)から(4)のいずれか一つの構成において、前記画像解析部は、前記面画像のフーリエスペクトルを用いて解析する。
上記(8)の構成によれば、画像解析部は、面画像のフーリエスペクトルを用いて解析する。これにより、画像解析部は、P(r)が最大となるテクスチャサイズでテクスチャを評価することができる。
(9)幾つかの実施形態では、上記(1)から(4)のいずれか一つの構成において、前記画像解析部は、前記面画像に含まれる情報量を用いて解析する。
上記(9)の構成によれば、画像解析部は、面画像に含まれる情報量を用いて解析する。これにより、画像解析部は、散乱体のばらつきの数値化による評価をすることができる。
(10)幾つかの実施形態では、上記(1)から(4)のいずれか一つの構成において、前記画像解析部は、前記面画像に含まれる画素パターンの情報量を用いて評価する。
上記(10)の構成によれば、画像解析部は、面画像に含まれる画素パターンの情報量を用いて解析する。これにより、画像解析部は、散乱体のみの発生確率によりテクスチャを評価することができる。
(11)幾つかの実施形態では、上記(1)から(10)のいずれか一つの構成において、前記断層画像取得部は、広帯域光源を用いて被検物の断層画像を取得するスペクトラルドメイン型の光干渉断層計で構成される。
上記(11)の構成によれば、断層画像取得部は、広帯域光源を用いて被検物の断層画像を取得するスペクトラルドメイン型の光干渉断層計で構成されるので、タイムドメイン型の光干渉断層計のような被検物の深さ方向の機械的走査が不要となり、その分だけ高速に断層画像を取得することができる。
(12)本発明の少なくとも一実施形態に係る塗装膜解析方法は、面方向に所定領域の塗装膜の断層画像を取得する断層画像取得ステップと、前記断層画像取得ステップで取得された断層画像から前記所定領域の所定深さにおける塗装膜の面画像を生成する画像生成ステップと、前記画像生成ステップで生成された前記所定深さにおける塗装膜の面画像をテクスチャ解析手法で解析する画像解析ステップとを備える。
上記(12)の方法によれば、画像解析ステップは、画像生成ステップで生成された所定深さにおける塗装膜の面画像をテクスチャ解析手法で解析するので、画像解析ステップは、塗装膜をミクロな領域で客観的な解析をすることができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、塗装膜をミクロな領域で客観的な解析をすることができる。
本発明の実施形態に係る塗装膜解析装置で解析する塗装膜を概略的に示す構成図である。 本発明の実施形態に係る塗装膜解析装置の構成を概略的に示す構成図である。 図2に示した断層画像取得部を構成する光干渉断層計の原理を説明するための説明図である。 図2に示した画像生成部で生成される面画像を概略的に示す構成図である。 図2に示した画像解析部で解析する解析画像を説明するための説明図である。 標準偏差を用いるテクスチャ解析方法を説明するための説明図である。 高次モーメントを用いるテクスチャ解析方法を説明するための説明図である。 フラクタル次元を用いるテクスチャ解析を説明するための説明図である。 周波数解析を用いるテクスチャ解析を説明するための説明図である。 エントロピーを用いるテクスチャ解析を説明するための説明図である。 画素パターンエントロピーを用いるテクスチャ解析を説明するための説明図である。 パールホワイト、シルバーメタリック、黒メタリック、及び赤メタリックの各塗装をテクスチャ解析したときの特徴量を示す図である。 標準偏差、高次モーメント等を用いて、シルバーメタリック塗装の多点をテクスチャ解析したときの特徴量を示す図である。 エントロピーを用いて、シルバーメタリック塗装の多点をテクスチャ解析したときの特徴量を示す図である。 本発明の実施形態に係る塗装膜解析方法の解析手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態において、解析により得られる情報を説明するための説明図である。 本発明の実施例において、断層画像取得部で取得する断層画像の特性を説明するための説明図である。 本発明の実施例において、断層画像取得部で取得された断層画像を示す図である。 本発明の実施例において、画像解析部で解析する解析画像(ベース層平均画像)を示す図である。 本発明の実施例において、解析画像と各フレームの平均輝度を示す図である。 本発明の実施例において、解析画像を標準偏差、高次モーメント、フラクタル次元、周波数解析、エントロピー及び画素パターンエントロピーを用いて解析した特徴量を示す図である。 特徴量をパラメータとして識別できる数値差を示す図である。 本発明の実施例において、画像解析部で解析する解析画像を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
また例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本発明の実施形態に係る塗装膜解析装置1で解析する塗装膜PFを概略的に示す構成図である。
本発明の実施形態に係る塗装膜解析装置1で解析する塗装膜PFは、例えば、自動車のボディの塗装膜であり、図3に示すように、板金Mの上に、電着(ED)層EL、プライマー層PL、ベース層BL、及びクリア層CLが積層されているものが対象とするが、これに限られるものではない。
図2は、本発明の実施形態に係る塗装膜解析装置1の構成を概略的に示す構成図である。図2に示すように、本発明の実施形態に係る塗装膜解析装置1は、塗装膜PFをミクロな領域で客観的に評価するためのものであり、断層画像取得部2、画像生成部3、及び画像解析部4を備えて構成されている。
断層画像取得部2は、面方向に所定領域の塗装膜PFの断層画像を取得するものであり、所定領域は、例えば、1mm×1mm、3mm×3mm、5mm×5mm等任意に設定することができる。
本実施形態に係る断層画像取得部2は、広帯域光源を用いて被検物の断層画像を取得するスペクトラルドメイン型の光干渉断層計5(Spectral Domain Optical Coherence Tomography)(SD−OCT)で構成され、例えば、512×512、1024×1024、2048×2048、4096×4096、8192×8192等任意の分解能を有している。
尚、本実施形態に係る断層画像取得部2は、スペクトラルドメイン型の光干渉断層計5で構成されるが、これに限られるものではなく、タイムドメイン型の光干渉断層計(TD−OCT)、波長掃引型の光干渉断層計(Swept−Source Optical Coherence Tomography
(SS−OCT))、又はフルフィールド型の光干渉断層計(FF−OCT)等の光干渉断層計でも構成可能である。
図3は、図2に示した断層画像取得部2を構成する光干渉断層計5の原理を説明するための説明図である。
図3に示すように、光干渉断層計5(OCT)は、マイケルソン干渉計を基本としており、光源51、ビームスプリッタ52、参照鏡53、及びディテクタ54を備えて構成される。光源51、ビームスプリッタ52、及び被検物Sは、一の経路上に配置され、ビームスプリッタ52、参照鏡53、及びディテクタ54は、ビームスプリッタ52で一の経路と直交する他の経路上に配置される。これにより、光源51から出射された光は、ビームスプリッタ52で被検物Sに向けて進む被検光と参照鏡53に向けて進む参照光とに分割される。そして、被検光は、被検物Sで散乱・反射され、再びビームスプリッタ52に戻され、参照光は、参照鏡53で反射され、再びビームスプリッタ52に戻される。このようにビームスプリッタ52に戻された被検光と参照光は、ディテクタ54で検出される。これにより、光源51に時間的にコヒーレンスな光(異なった時刻に光源から出射された光同士は極めて干渉しにくい性質を有する光)を採用すると、ビームスプリッタ52から被検物Sまでの距離Lとビームスプリッタ52から反射鏡までの距離Lとが略等しい時にのみ光が干渉する。したがって、参照鏡53を移動させながら、ディテクタ54で光の強度を計測すると光路長差に対する干渉信号(インターフェログラム)を得ることができる。そして、インターフェログラムの形状が被検物の奥行き方向の反射率分布や屈折率界面を示しており、反射鏡方向(軸方向)の走査により被検物の奥行き方向(深さ方向)の構造を得ることができる(タイムドメイン型の光干渉断層計)。
このような軸方向の走査のほかに、横方向の機械的走査を加え、二次元の走査を行うことで、被検物の二次元断面画像を得ることができる。この横方向の走査を行う走査装置としては、被検物を直接移動させる構成、光干渉断層計5を移動させる構成等、任意の構成を用いることができる。
上記したタイムドメイン型の光干渉断層計を発展させたものとして、光源51に広帯域光源を用いるとともに、ディテクタ54に分光器を用いてスペクトル信号を得るスペクトルドメイン型の光干渉断層計5(SD−OCT)がある。本実施形態に係る断層画像取得部2は、上記したように、スペクトルドメイン型の光干渉断層計5で構成される。
そして、本実施形態に係る断層画像取得部2は、塗装膜PFのうち、アルミフレークやマイカ片等の光を散乱させる散乱体が分散されたベース層BLを含む断層画像を取得する。尚、本実施形態に係る断層画像取得部2では、クリア層CLとベース層BLとを含む断層画像を取得するが、クリア層CLを除外して取得するものとしてもよい。
図4は、図2に示した画像生成部3で生成される面画像FLを概略的に示す構成図である。
画像生成部3は、断層画像取得部2で取得された断層画像から所定領域の所定深さにおける塗装膜PFの面画像FLを生成するものであり、図3に示すように、所定深さにおける塗装膜PFの面画像FLは、深さ方向に複数位置の面画像FLから構成される。
本実施形態に係る画像生成部3は、塗装膜PFの深さ方向に512の面画像FL(フレーム)を生成する。
図5は、図2に示した画像解析部4で解析する解析画像AFLを説明するための説明図である。
画像解析部4は、画像生成部3で生成された塗装膜PFの面画像FL(解析画像AFL)をテクスチャ解析手法で解析するものである。
解析画像AFLは、塗装膜PFの面画像FLであれば深さ方向に任意の位置の面画像FLを選択することができる。例えば、深さ方向に300フレーム目のように、深さ方向に所定の位置の面画像FLを解析画像AFLとしてもよい。
また、図5に示すように、平均輝度が閾値THを超える開始画像SFLから深さ方向に平均輝度が閾値THとなる終了画像EFLまでの複数の面画像FLを解析画像AFLとしてもよい。
本実施形態では、ベース層BLの平均輝度が閾値THを超える開始画像SFL(以下「開始フレームSFL」という)から深さ方向に平均輝度が閾値以下となる終了画像EFL(以下「終了フレームEFL」という)までの複数の面画像FLを解析画像AFLとする。
尚、クリア層CLとベース層BLとの界面は、クリア層CLの平均輝度が最大となる画像(以下、「クリア層最大ピークフレームCFLMAX」という)を検出した後に検出する平均輝度が最小となる画像(以下「最小ピークフレームFLMIN」という)で特定される。
そして、クリア層CLとベース層BLの界面を検出した後(最小ピークフレームFLMINを検出した後)、平均輝度が閾値THを超える面画像FLを開始フレームSFLとする。
また、その後、平均輝度が最大となる画像(以下「ベース層最大ピークフレームBFLMAX」という)を検出した後に検出する平均輝度が閾値THとなる面画像FLを終了フレームEFLとする。
そして、開始フレームSFLから深さ方向に終了フレームEFLまでの平均画像を解析画像AFLとする。尚、平均画像は、開始フレームSFLから深さ方向に終了フレームEFLまでの平均輝度を表した面画像FLのことである。
本実施形態に係る画像解析部4は、標準偏差、高次モーメント、フラクタル次元、周波数解析、エントロピー、又は画素パターンエントロピーの少なくとも一つを用いて解析する。
図6は、標準偏差を用いるテクスチャ解析を説明するための説明図である。
標準偏差を用いるテクスチャ解析では、解析画像の画素レベルの標準偏差を用いる。ここでは、図6に示すように、画素値をI(y,x)とし、総画素数をNとすると、平均輝度AVEと標準偏差STDは、次式(数式1)で表される。
Figure 2017161389
このように解析画像AFLの画素レベルの標準偏差STDを用いてテクスチャ解析をすれば、画像解析部4は、画素レベルで平均輝度のばらつきを客観的に解析することができる。
図7は、高次モーメントを用いるテクスチャ解析を説明するための説明図である。
高次モーメントを用いるテクスチャ解析では、解析画像AFLの同時生起行列の二次統計量を用いる。また、高次元モーメントを用いるテクスチャ解析では、輝度値をd1,d2(0≦d1,d2≦255)、変位距離をr、変位角をθ、変位をδ(r,θ)とし、図7に示すように、全画素のパターンから変位δ(r、θ)、輝度変化をd1からd2の発生確率を同時正規確率Pδ(d1、d2)とする。エネルギー(二次統計量)Eは、次式(数式2)で表される。
Figure 2017161389
このように解析画像の同時生起行列の二次統計量Eを用いてテクスチャ解析をすれば、画像解析部4は、画素値の輝度変化の確率でテクスチャを分類することができる。
図8は、フラクタル次元を用いるテクスチャ解析を説明するための説明図である。
フラクタル次元を用いるテクスチャ解析では、解析画像AFLの複雑さを数値化したフラクタル次元を用いる。また、フラクタル次元を用いるテクスチャ解析では、解析画像AFLを二値化し、サイズdの正方格子に分割し、白を含む格子を数える(図8(a)及び(b)参照)。サイズdのときの白を含む格子の数(カウント数)をN(d)とし、横軸をdとして縦軸をサイズdのときの白を含む格子の数とし、両対数グラフに記録(プロット)する(図8(c)参照)。そして、両対数グラフの一次直線を求めてその傾きaをフラクタル次元とする。
このように解析画像の複雑さを数値化したフラクタル次元を用いてテクスチャ解析をすれば、画像解析部4は、局所領域の特徴を利用してテクスチャの複雑さを解析することができる。
図9は、周波数解析を用いるテクスチャ解析を説明するための説明図である。
図9に示すように、周波数解析を用いるテクスチャ解析では、解析画像(元画像)のフーリエスペクトルを用いる。解析画像(元画像)のフーリエスペクトルFは次式(数式3)で表される。
Figure 2017161389
また、パワースペクトルPは次式(数式4)で表される。
Figure 2017161389
さらに、パワースペクトルを極座標に変換し、直流成分との距離で表現すると、次式(数式5)で表される。
Figure 2017161389
尚、P(r,θ)は、P(u,v)の極座標表示である。
このように周波数解析を用いてテクスチャ解析をすれば、画像解析部4は、P(r)が最大となるテクスチャサイズでテクスチャを解析することができる。
図10は、エントロピーを用いるテクスチャ解析を説明するための説明図である。
エントロピーは、画像に含まれる情報量であり、発生確率の低い画素レベルが多いほど大きな値となる。したがって、図10(a)に示すように、エントロピーが大きな値の場合には、発生確率が低い画素レベルが多くなり(例えば、散乱体の配置ばらつきが大きい)、図10(b)に示すように、エントロピーが小さな値の場合には、発生確率が低い画素レベルが少なくなる(例えば、散乱体の配置ばらつきが小さい)。例えば、アルミフレークやマイカ片のばらつきの数値化を目的に採用される。エントロピーを用いるテクスチャ解析では、Pを画素レベルiの発生確率とすると、エントロピーIは、次式(数式6)で表される。
Figure 2017161389
このようにエントロピーを用いてテクスチャ解析をすれば、散乱体のばらつきの数値化による評価をすることができる。
図11は、画素パターンエントロピーを用いるテクスチャ解析を説明するための説明図である。
画素パターンエントロピーを用いるテクスチャ解析は、解析画像AFLに含まれる画素パターン(3×3画素)のエントロピーを評価するものであり、より具体的には、図11に示すように、注目画素の明るさが閾値を超えている領域の3×3の画素パターンの発生確率でエントロピーを算出する。画素パターンエントロピーを用いるテクスチャ解析では、エントロピーをI、画素パターンiの発生確率をPとすると、エントロピーI次は次式(数式7)で表される。
Figure 2017161389
このように画素パターンエントロピーを用いてテクスチャ解析すれば、アルミフレークやマイカ片等の散乱体のみの発生確率によりテクスチャを解析することができる。
図12は、標準偏差、高次モーメント、フラクタル次元、周波数解析、エントロピー、及び画素パターンエントロピーを用いて、パールホワイト、シルバーメタリック、黒メタリック、及び赤メタリックの各塗装をテクスチャ解析したときの特徴量を示す図である。尚、図12において、パールホワイトを白、シルバーメタリックをシルバー、黒メタリックを黒、赤メタリックを赤と表記する。
図12(a)に示すように、標準偏差を用いたテクスチャ解析では、パールホワイト(白)の値が小さいことが観察される。数値解析では、一般的に値が大きいほど塗装の深み、緻密さ、均一的な美しさの評価が容易になることから、パールホワイト(白)は、標準偏差を用いたテクスチャ解析が適さないと考えられる。一方、シルバーメタリック(シルバー)、黒メタリック(黒)、及び赤メタリック(赤)は、パールホワイト(白)に比べて値が大きいことが観察されるので、これらは標準偏差を用いたテクスチャ解析も適すると考えられる。
図12(b)に示すように、高次モーメントを用いたテクスチャ解析では、パールホワイト(白)の値が大きいことが観察されるので、パールホワイト(白)は、高次モーメントを用いたテクスチャ解析が適すると考えられる。一方、シルバーメタリック(シルバー)、黒メタリック(黒)及び赤メタリック(赤)は、パールホワイトに比べて値が小さいことが観察されるので、これらは高次モーメントを用いたテクスチャ解析が適さないと考えられる。
図12(c)に示すように、フラクタル次元を用いたテクスチャ解析では、パールホワイト(白)、シルバーメタリック(シルバー)、黒メタリック(黒)及び赤メタリック(赤)は値が大きいことが観察されるので、これらはフラクタル次元を用いたテクスチャ解析も適すると考えられる。
図12(d)に示すように、周波数解析を用いたテクスチャ解析では、パールホワイト(白)及び黒メタリック(黒)が比較的小さいことが観察されるので、これらは周波数を用いたテクスチャ解析が適さないと考えられる。一方、シルバーメタリック(シルバー)及び赤メタリック(赤)が比較的大きいことが観察されるので、これらは周波数を用いたテクスチャ解析も適すると考えられる。
図12(e)に示すように、エントロピーを用いたテクスチャ解析では、パールホワイト(白)、シルバーメタリック(シルバー)、黒メタリック(黒)及び赤メタリック(赤)は値が大きいことが観察されるので、これらはエントロピーを用いたテクスチャ解析も適すると考えられる。
図12(f)に示すように、画素パターンエントロピーを用いたテクスチャ解析では、パールホワイト(白)及び黒メタリック(黒)は値が小さいことが観察されるので、これらは画素パターンエントロピーを用いたテクスチャ解析が適さないと考えられる。一方、シルバーメタリック(シルバー)及び赤メタリック(赤)は値が大きいことが観察されるので、これらは画素パターンエントロピーを用いたテクスチャ解析も適すると考えられる。
図13は、標準偏差、高次モーメント、フラクタル次元、周波数解析、エントロピー及び画素パターンエントロピーを用いて、シルバーメタリック塗装の多点(同一サンプルの異なる点(図13に示す例では11箇所(4×3−1)))をテクスチャ解析したときの特徴量を示す図である。
図13に示すように、(a)標準偏差、(b)高次モーメント、(c)フラクタル次元、(d)周波数解析、(e)エントロピー及び(f)画素パターンエントロピーにおいて特徴量に差が観察されるものの、大きな差は認められなかった。しかしながら、シルバーメタリック塗装のサンプルが肉眼で観察したときにも塗装の深み、緻密さ、均一的な美しさに差が認められないことから、当然の結果と考えられる。
図14は、エントロピーを用いて、シルバーメタリック塗装の多点をテクスチャ解析したときの特徴量を示す図である。尚、図14に示す特徴量のメタリック塗装のサンプルは、図13に示す特徴量のメタリック塗装のサンプルと異なるものである。
図14(a)に示す特徴量のメタリック塗装のサンプルは、自動車のボディ側面から取得したものであり、水平方向に5点、垂直方向に3点の計15点の特徴量を示している。図14(b)に示すように、垂直方向同一高さのエントロピー平均を観察した場合に差が現れることが観察される。
以上説明したように、本発明の実施形態に係る塗装膜解析装置1によれば、画像解析部4は、画像生成部3で生成された所定深さにおける塗装膜PFの面画像FLをテクスチャ解析手法で解析するので、画像解析部4は、塗装膜PFをミクロな領域で客観的な解析をすることができる。
また、断層画像取得部2は、塗装膜PFのうち、アルミフレークやマイカ片等の光を散乱させる散乱体が分散されたベース層BLを含む断層画像を取得するので、画像生成部3は、所定領域の所定深さにおける塗装膜PF(ベース層BL)の面画像FLを生成する。そして、画像解析部4は、画像生成部3で生成された所定深さにおける塗装膜PF(ベース層BL)の面画像FLをテクスチャ解析手法で解析するので、散乱体の分散度合い等、ベース層BLをミクロな領域で客観的な解析をすることができる。
また、画像解析部4は、深さ方向に複数位置の面画像FLのうち、深さ方向に所定位置の面画像FLをテクスチャ解析手法で解析するので、所定位置を適正に設定することにより、画像解析部4は、最も差が現れる面画像FLをテクスチャ解析手法で解析することができる。
また、画像解析部4は、平均輝度が閾値を超える開始画像SFLから深さ方向に平均輝度が閾値となる終了画像EFLまでの複数の面画像FLの平均画像を解析するので、画像解析部4は、塗装膜PF(ベース層BL)における散乱体の分散傾向等、ベース層BLをミクロな領域で客観的な解析をすることができる。
図15は、本発明の実施形態に係る塗装膜解析方法の解析手順を示すフローチャートである。図15に示すように、本発明の実施形態に係る塗装膜解析方法は、塗装膜をミクロな領域で客観的に評価するためのものであり、断層画像取得ステップ(ステップS1)、画像生成ステップ(ステップS2)、及び画像解析ステップ(ステップS3)を備えている。
断層画像取得ステップ(ステップS1)は、面方向に所定領域の塗装膜の断層画像を取得するステップであり、本実施形態に係る断層画像取得ステップ(ステップS1)では、スペクトラルドメイン型の光干渉断層計5(SD−OCT)により面方向に所定領域の塗装膜PFの断層画像が取得される。
画像生成ステップ(ステップS2)は、断層画像取得ステップ(ステップS1)で取得された断層画像から所定領域の所定深さにおける塗装膜PFの面画像FLを生成するステップであり、本実施形態に係る画像生成ステップ(ステップS2)では、塗装膜PFの深さ方向に523の面画像FL(フレームFL)が生成される。
画像解析ステップ(ステップS3)は、画像生成ステップ(ステップS2)で生成された所定深さにおける塗装膜PFの面画像FLをテクスチャ解析手法で解析するステップであり、標準偏差、高次モーメント、フラクタル次元、周波数解析、エントロピー、又は画素パターンエントロピーの少なくとも一つを用いて解析される。
本発明の実施形態に係る塗装膜解析方法によれば、画像解析ステップ(ステップS3)は、画像生成ステップ(ステップS2)で生成された所定深さにおける塗装膜PFの面画像FLをテクスチャ解析手法で解析するので、画像解析ステップ(ステップS3)は、塗装膜PFをミクロな領域で客観的な解析をすることができる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
図16は、本発明の実施形態において、解析により得られる情報を説明するための説明図である。
断層画像取得部2(光干渉計)によって三次元データが得られることにより、図16(a)に示す平面画像で検出された個々の散乱体SM(アルミフレークやマイカ片)について、図16(b)に示すように、塗装深さ方向の配置を理解することができる。したがって、アルミフレークやマイカ片等の散乱体SMの配置状態について、平均深さ、深さ方向の分布、傾斜角などを数値化して、二次元平面評価におけるパラメータと併せて外観評価指標として利用すれば、ミクロな領域でより詳細に評価することができる。
図17は、本発明の実施例において、断層画像取得部2で取得する断層画像の特性を説明するための説明図であり、図18は、本発明の実施例において、断層画像取得部2で取得された断層画像を示す図である。また、図19は、本発明の実施例において、画像解析部4で解析する解析画像(ベース層平均画像)を示す図である。
本発明の実施例では、クリア層CLの平均輝度が最大となる位置(以下「クリア層最大ピークCFLMAX」という)が所定の位置となるように、断層画像取得部2(光干渉断層計5)と塗装膜までの距離を調整するとともに、断層画像取得部2の角度を調整する。そして、断層画像取得部2に面方向に所定領域の塗装膜の断層画像(図18)を取得させる。
つぎに、図17に示すように、塗装膜のスペクトルデータから第1のピーク(クリア層最大ピークCFLMAX)を検出し、第1ピークが所定の位置となるように位置合わせして面画像を抽出する。そして、抽出面画像を深さ方向をインデックスとして塗装膜の深さ方向に複数生成された面画像FL(フレームFL)のそれぞれについて平均輝度を算出する。その後、各フレームFLの平均輝度からベース層BLを構成するフレーム群を抽出し、開始フレームSFLから深さ方向に終了フレームEFLまでの平均画像を解析画像AFL(図19)とする。そして、この解析画像AFLを正規化する。
図20は、本発明の実施例において、解析画像AFLと各フレームFLの平均輝度を示す図であり、図21は、本発明の実施例において、解析画像AFLを標準偏差、高次モーメント、フラクタル次元、周波数解析、エントロピー及び画素パターンエントロピーを用いて解析した特徴量を示す図である。また、図22は、特徴量をパラメータとして識別できる数値差を示す図である。
ここでは、自動車のボディ側面から取得したシルバーメタリック塗装のサンプルを解析する。サンプルから取得した一方の解析画像AFLは、自動車のボディ側面の平坦部から取得したものであり、以下の説明及び図の表記において平坦部という。また、サンプルから取得した他方の解析画像は、自動車のボディ側面のコーナー部から取得したものであり、以下の説明及び図の表記においてコーナー部という。
図20に示すように、平坦部における各フレームFLの平均輝度は、281フレーム目で最大となり、その後、295フレーム目で最小となる。これにより、クリア層最大ピークフレームCFLMAXは、281フレーム目であり、最小ピークフレームFLMINは、295フレーム目である。また、309フレーム目でつぎのピークに到達する。これにより、ベース層最大ピークBFLMAXは、309フレーム目である。
一方、コーナー部における各フレームFLの平均輝度は、225フレーム目で最大となり、その後239フレーム目から253フレーム目の間で最小となる。これにより、クリア層最大ピークフレームCFLMAXは、225フレーム目であり、最小ピークフレームFLMINは239フレーム目から253フレーム目との間である。また、267フレーム目と281フレーム目との間でつぎのピークに到達する。これにより、ベース層最大ピークフレームBFLMAXは、267フレーム目と281フレーム目との間である。
図21及び図22に示すように、平坦部及びコーナー部を標準偏差、高次モーメント、フラクタル次元、周波数解析、エントロピー、及び画素パターンエントロピーを用いてテクスチャ解析すると、センターを基準にした場合において高次モーメント及びフラクタル次元に大きな差が観察される。
図23は、本発明の実施例において、画像解析部4で解析する解析画像AFLを示す図である。
本発明の実施例では、画像生成部3において、断層画像取得部2で取得された断層画像から所定領域の三次元イメージ(図23(a)(b))を生成する。
そして、画像解析部4は、三次元イメージからアルミフレームやマイカ片等の散乱体のスライス画像(面画像FL)を生成する。
スライス画像の抽出にあたっては、塗装膜PFの深さ方向の所定位置(固定位置)のスライス画像を抽出する方法(方法1)、塗装膜PFの表面がフラットであることを鑑みて、表面位置(クリア層最大ピークフレーム)から所定深さ(固定深さ)のデータを抽出してスライス層を生成する方法(方法2)、三次元データから表面画像を維持するか、除去するかした後に、深さ方向に演算(演算1から6)を行って生成する方法(方法3)がある。
深さ方向に演算(演算1から6)を行ってスライス画像を生成する方法は、公知のプログラムを用いることができる。公知のプログラムは、例えば、深さ方向の輝度値の標準偏差値を用いる方法(標準偏差という)(演算1)、深さ方向の輝度値の平均値を用いる方法(平均輝度という)(演算2)、深さ方向の輝度値の最大値を用いる方法(最大輝度という)(演算3)、深さ方向の輝度値の最小値を用いる方法(最小輝度という)(演算4)、深さ方向の輝度値積算値(積算輝度という)(演算5)、及び、深さ方向の輝度値の中央値(輝度中央値という(演算6という)を用いてスライス画像を生成することができる。
1 塗装膜解析装置
2 断層画像取得部
3 画像生成部
4 画像解析部
5 光干渉断層計
51 光源
52 ビームスプリッタ
53 参照鏡
54 ディテクタ
PF 塗装膜
CL クリア層
CFLMAX クリア層最大ピークフレーム
BL ベース層
BFLMAX ベース層最大ピークフレーム
EL 電着層(ED層)
PL プライマー層
FL 面画像
FLMIN 最小ピークフレーム
SFL 開始画像(開始フレーム)
EFL 終了画像(終了フレーム)
AFL 解析画像
M 板金
S 被検物

Claims (12)

  1. 面方向に所定領域の塗装膜の断層画像を取得する断層画像取得部と、
    前記断層画像取得部で取得された断層画像から前記所定領域の所定深さにおける塗装膜の面画像を生成する画像生成部と、
    前記画像生成部で生成された前記所定深さにおける塗装膜の面画像をテクスチャ解析手法で解析する画像解析部と
    を備えることを特徴とする塗装膜解析装置。
  2. 前記断層画像取得部は、前記塗装膜のうち、光を散乱させる散乱体が分散されたベース層を含む断層画像を取得することを特徴とする請求項1に記載の塗装膜解析装置。
  3. 前記所定深さにおける塗装膜の面画像は、深さ方向に複数位置の面画像から構成され、
    前記画像解析部は、前記深さ方向に複数位置の面画像のうち、前記深さ方向に所定位置の面画像を解析することを特徴とする請求項1又は2に記載の塗装膜解析装置。
  4. 前記所定深さにおける塗装膜の面画像は、平均輝度が閾値を超える開始画像から深さ方向に平均輝度が前記閾値となる終了画像までの複数の面画像であって、
    前記画像解析部は、前記複数の面画像の平均画像を解析することを特徴とする請求項2に記載の塗装膜解析装置。
  5. 前記画像解析部は、前記面画像の画素レベルの標準偏差を用いて解析することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の塗装膜解析装置。
  6. 前記画像解析部は、前記面画像の同時生起行列の二次統計量を用いて解析することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の塗装膜解析装置。
  7. 前記画像解析部は、前記面画像の複雑さを数値化したフラクタル次元を用いて解析することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の塗装膜解析装置。
  8. 前記画像解析部は、前記面画像のフーリエスペクトルを用いて解析することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の塗装膜解析装置。
  9. 前記画像解析部は、前記面画像に含まれる情報量を用いて解析することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の塗装膜解析装置。
  10. 前記画像解析部は、前記面画像に含まれる画素パターンの情報量を用いて解析することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の塗装膜解析装置。
  11. 前記断層画像取得部は、広帯域光源を用いて被検物の断層画像を取得するスペクトラルドメイン型の光干渉断層計で構成されることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の塗装膜解析装置。
  12. 面方向に所定領域の塗装膜の断層画像を取得する断層画像取得ステップと、
    前記断層画像取得ステップで取得された断層画像から前記所定領域の所定深さにおける塗装膜の面画像を生成する画像生成ステップと、
    前記画像生成ステップで生成された前記所定深さにおける塗装膜の面画像をテクスチャ解析手法で解析する画像解析ステップと
    を備えることを特徴とする塗装膜解析方法。
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