JP2015178980A - 塗装膜画像解析装置及び塗装膜解析方法 - Google Patents

塗装膜画像解析装置及び塗装膜解析方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数層が積層されてなる塗装膜の各層について、簡易な構成で精度よく解析可能な塗装膜解析装置及び塗装膜解析方法を提供する。
【解決手段】本発明は、複数層からなる塗装膜(9)を解析する塗装膜解析装置に関し、光源(1)と、塗装膜に照射光を照射すると共に塗装膜からの反射光を受光する測定プローブ(16)と、光源光から参照光を生成する参照光生成部(14)と、反射光と参照光との干渉光に基づいて断層構造を光学的距離として計測する光学測定部(54)と、断層構造を予め測定された屈折率に基づいて機械的距離に変換することにより断層画像として出力する画像処理部(56)とを備えることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば自動車のボディ塗装等のように、複数層が積層してなる塗装膜の断層構造を非接触で解析する塗装膜解析装置及び塗装膜解析方法の技術分野に関する。
近年、自動車のボディ塗装をはじめとする塗装膜は高品質化が進んでおり、製品品質管理や製造条件管理を目的とした高度な塗装膜解析が求められている。このような塗装膜解析は、製造工程にフィードバックされることによって塗料減量化に寄与することによって原価低減に有効であり、またVOC削減による環境負荷低減にもつながる。この種の塗装膜解析技術は様々な塗装解析技術が開発されており、例えば渦電流方式や電磁界方式、超音波方式などを利用した総膜厚計測による塗装解析が知られている。
しかしながら、従来の塗装膜解析技術では総膜厚測定などの塗装膜全体を解析対象としたものが主流であり、各層について詳細な解析を行うためには、破壊的検査に頼らざるを得なかった。破壊的検査では、評価対象である塗装膜に対して研ぎ出しを行い、その露出した断面を拡大鏡等によって観察が行う必要があり、非常に手間がかかるものであった。特に自動車の塗装工程は数kmに及ぶ非常に長いラインであり、その工程上では異物の抱き込みやボイドなどの不良発生の可能性も高い。このような不良は迅速に解析して工程にフィードバックする必要があるが、破壊的検査では迅速なフィードバックは困難であり、新たな解析手法が求められている。
ところで断層解析技術の一つとして、医療分野では、光コヒーレンストモグラフィ(Optical Coherence Tomography:OCT)が注目を集めている。OCTは、光源光を被測定物に照射して、その反射光と参照光との干渉状態に基づいて、非測定物の表面や内部を解析する技術であり、例えば特許文献1には、OCTを眼底検査に応用した例が開示されている。
また特許文献2では、断層解析技術であるOCTを自動車の塗装膜解析に適用することが提案されている。特に、特許文献2では、光源光を塗装膜に照射して得られた反射光と、光源光の一部である参照光とを干渉させた干渉光の強度信号に基づいて、干渉光における強度ピークの数や間隔から光学的距離を求めることで、膜厚の測定や各層における欠陥の有無を評価している。
また特許文献3では、自動車の塗装膜を評価対象としていないが、OCT計測で光源光を被測定物に照射し、反射光を受光するための測定プローブが開示されている。図9は特許文献3に開示された測定プローブの内部構造を概略的に示す断面図である。図9に示す測定プローブでは、伝送ケーブル20の端面から突出させた芯線31と、芯線31の端面に接合されたロッドレンズ32と、芯線31及びロッドレンズ32を収容する筐体34により構成されている。伝送ケーブル20からの光源光は、出射端面33からワークWに対して出射される際に、一部が出射端面33で反射することで参照光とすることで、ワークWからの反射光と参照光との干渉光象を利用する、いわゆるフィゾー干渉と呼ばれる系であり、これをプローブ先端に構成している。
また、メタリック塗装やパール塗装などの高品位な塗装膜では、照射光に対して遮光物となる金属フレークやマイカが含まれるため、照射光や反射光が遮られてしまい、測定精度が低下してしまうという問題がある。このような問題に対して特許文献4では、遮光物を含む被測定物に対して、照射光を照射する測定プローブを水平方向に沿って揺動させながら複数回測定を行うことで、測定精度を向上する技術が開示されている。
特開2013−208415号公報 特開2012−63330号公報 特開2009−270939号公報 特開2012−21856号公報
上述特許文献はいずれも、参照光と被測定物からの反射光との干渉ピークに基づいて、各層の膜厚測定や欠陥の有無等を推定することで、塗装膜解析を行っているため、干渉ピークに反映されない構成については評価が不能であり、十分な解析が難しいという問題点がある。
また、一般的な測定プローブでは、図9に示すようにプローブ内部に参照光用のリファレンス距離を構築する必要があるため、測定プローブの設計自由度が少なくなってしまうという問題点がある。例えば、測定精度を向上させるためには、測定プローブに対物レンズを組み込んで反射光の集光効率を向上させることが有効である。また、集光用の対物レンズは、通常、被測定物に対して照射方向が垂直になるように測定プローブを設置しなければならないという取り扱い上の制約を解消できるというメリットもある。しかしながら、従来の設計自由度が少ない測定プローブでは、このような対物レンズを組み込むことが困難であった。
またメタリック塗装やパール塗装などの外観品質評価は、熟練者の経験に頼っており、定量的な評価が難しいのが現状である。そのため、このような金属フレーク等を含む複雑な塗装状態を定量評価できる基準作りも求められている。
本発明は上述の問題点に鑑みなされたものであり、複数層が積層されてなる塗装膜の各層について、簡易な構成で精度よく解析可能な塗装膜解析装置及び塗装膜解析方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る塗装膜解析装置は上記課題を解決するために、複数層が積層されてなる塗装膜の断層構造を解析する塗装膜解析装置であって、所定波長の光源光を発する光源と、前記光源光を前記塗装膜に照射光として照射すると共に前記塗装膜からの反射光を受光する測定部を有する測定プローブと、前記光源光から参照光を生成する参照光生成部と、前記反射光と前記参照光との干渉光に基づいて、前記塗装膜の断層構造を光学的距離として計測する光学測定部と、前記計測された断層構造を、予め測定された前記塗装膜の各層における屈折率に基づいて機械的距離に変換することにより断層画像として出力する画像処理部とを備えることを特徴とする。
本態様によれば、OCT計測によって光学的距離として計測された断層構造を、サンプル試験等によって予め測定された屈折率を用いて機械的距離に変換することで断層画像として出力する。このように断層構造を画像化することによって、OCT計測で得られる干渉ピークには現れない構成を含めた精度の良い断層構造の解析が可能となる。
前記測定プローブは、前記反射光を対物レンズで集光して受光してもよい。
この態様によれば、上述したように参照光生成部を測定プローブと独立に構成することにより、測定プローブの設計自由度を向上させることができるので、測定プローブ内部に対物レンズを組み込むことが可能となる。
また、前記光源、前記測定プローブ及び前記参照光生成部は、互いに光ファイバで接続されており、前記光源光は前記光ファイバ上に設けられた光カプラによって前記照射光及び前記参照光に分波され、それぞれの反射光が合波されるようにしてもよい。
この態様によれば、光源、測定プローブ及び参照光生成部を光ファイバで互いに接続することにより、設計自由度の高い解析装置を実現することができる。
また、前記測定プローブは、前記照射光の照射位置が前記塗装膜上の所定領域内で変化させるようにしてもよい。
この態様によれば、照射位置を塗装膜上の所定領域内で変化させる、例えば特定の位置を中心として微小振動させることにより、被測定物の塗装膜がメタリック塗装やパール塗装のように層内に遮光物を含む場合であっても、下層側に至るまで照射光を到達させることができるので、全層に亘って精度のよい解析が可能である。
また、前記測定プローブは、中心軸を中心に回転可能な回転部材と、前記回転部材を回転駆動する駆動部と、前記中心軸から偏心した位置に光軸を有するように前記回転部材の前記測定部側に設けられた対物レンズとを備えるようにしてもよい。
この態様によれば、中心軸に対して対物レンズが偏心して設けられた回転部材を回転駆動させることで、簡易な構成で照射位置を塗装膜上の所定領域内を変化するように制御することができる。
また、前記断層画像に基づいて、前記各層における遮光物の分布密度に対応する評価パラメータを算出する評価パラメータ算出部を備えてもよい。
この態様によれば、得られた断層画像に基づいて各層における遮光物の分布に基づいて評価パラメータを算出することで、従来では評価に熟練を要するメタリック塗装やパール塗装などの外観評価を定量的に行うことができる。
尚、遮光物の「分布」には、例えば密度のほか、例えば層内における遮光物の傾斜角度分布などの塗装の外観に影響を与える要素を含めることができる。
本発明の一態様に係る塗装膜解析方法は上記課題を解決するために、複数層が積層されてなる塗装膜の断層構造を解析する塗装膜解析方法であって、所定波長の光源光を前記塗装膜に照射する照射工程と、前記塗装膜からの反射光を受光する受光工程と、前記受光した反射光と前記光源光から生成した参照光との干渉光に基づいて、前記塗装膜の断層構造を光学的距離として計測する光学測定工程と、前記計測された断層構造を、予め測定された前記塗装膜の各層の屈折率に基づいて機械的距離に変換することにより、断層画像として出力する画像処理工程とを備えることを特徴とする。
また、前記断層構造に基づいて、前記複数層が積層されてなる塗装膜の膜厚測定を行う膜厚測定工程を更に備えてもよい。
また、前記照射工程では、前記光源光の照射角度が可変に設定され、前記光学測定工程では、前記受光された反射光を統計的に処理することにより前記断層構造を光学的距離として計測してもよい。
本方法は、上述の塗装膜解析装置(上記各種態様を含む)によって好適に実施可能である。
本発明によれば、OCT計測によって光学的距離として計測された断層構造を、サンプル試験等によって予め測定された屈折率を用いて機械的距離に変換することで断層画像として出力する。このように断層構造を画像化することによって、OCT計測で得られる干渉ピークには現れない構成を含めた精度の良い断層構造の解析が可能となる。
本実施形態に係る塗装膜解析装置で利用されるOCT測定の原理を示す図である。 OCT測定の実施工程を順に示すフローチャートである。 本実施形態に係る塗装膜解析装置の全体構成を示す図である。 測定プローブの他の構成例を示す断面図である。 演算装置の内部構成を示すブロック図である。 測定プローブを塗装膜上で一次元的(直線的)に走査した場合に得られる断層画像の一例である。 測定プローブを塗装膜の表面に沿って二次元的(平面的)に走査した場合に得られる(a)クリア層66及び(b)下塗り層60の表面画像の一例である。 測定プローブの走査用治具の一例を示す模式図である。 従来技術に係る測定プローブの内部構造を概略的に示す断面図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
本実施形態に係る塗装膜解析装置10は、自動車のボディ塗装を構成する複数層からなる塗装膜を、OCT測定の原理を利用して解析する。ここではまず、図1及び図2を参照して、塗装膜解析装置10で利用されるOCT測定の原理について説明する。図1は本実施形態に係る塗装膜解析装置10で利用されるOCT測定の原理を示す図であり、図2はOCT測定の実施工程を順に示すフローチャートである。
尚、以下の説明ではOCT測定としてSD−OCT(スペクトルドメイン型OCT)を採用した場合について例示するが、特段の記載がない限りにおいて、TD−OCT(タイムドメイン型OCT)、FF−OCT(エリアOCT)、SS−OCT(スウェプトソ−ス型OCT)などの他の方式のOCT計測についても同様に適用可能である。
まず光源1から所定波長λを有する光(光源光)が発せられる(ステップS101)。ここで、所定波長λは波長λを含む所定波長範囲において時間的に変化することで位相走査している。すなわち、光源1は例えば予め波長に広がりを有するSLDやLED等であり、時間的に中心波長を変化させるスウェプトソース光源である。光源1からの光源光は、ハーフミラー2によって、照射光3と参照光4とに分光される。照射光3は対物レンズ5を介して、解析対象である塗装膜9に照射され、塗装膜9からの反射光が対物レンズ5で集光される。一方、参照光4は所定のリファレンス距離Lrを有するリファレンスミラー6との間を往復してハーフミラー2に戻った後、塗装膜9からの反射光と重ね合わせられることにより干渉光7となる。
干渉光7は光検知器8によって検知される(ステップS102)。光検知部8の検知結果は、コンピュータなどの演算器に取り込まれ、以下の処理が行われる。まず、照射光3(反射光)の光路長Lsと参照光4の光路長2Lrとの光路長差
d=2・|Lr−Ls| (1)
を用いて、検知された干渉波7は波長軸(λ)上において、次式
A(λ)=I・cos(2π・d/λ) (2)
で表わされる(ステップS103)。
続いて、A(λ)の変数を波数(S=1/λ)に変換し(ステップS104)、フーリエ逆変換を行う(ステップS105)。これにより、光学的距離に基づいた断層構造に関する情報が得られる(ステップS106)。そして、塗装膜を構成する各層について、予めサンプル等を用いて測定した屈折率を取得し(ステップS107)、ステップS106で求めた光学的距離を機械的距離に変換する(ステップS108)。これにより、干渉光7に基づいて、塗装膜の断層プロファイルが得られ、光走査を行うことで断層画像が得られる(ステップS109)。
尚、ステップS107で取得する屈折率は、解析対象である塗装膜に対応するサンプルを用いて、塗装膜9の各層について求められる。ここで「塗装膜に対応するサンプル」とは、測定対象の塗装膜9と同等の構成を有するサンプルを意味する。また、サンプルを用いた屈折率の測定は任意の公知手法を用いてよく、破壊的測定又は非破壊的測定であってもよい。尚、本実施例では、例えば各層が露出するように研ぎ出しを行う破壊的測定によって、サンプルから各層の屈折率の測定を行った。このように測定された屈折率は、後述するように解析装置が備えるメモリ等の記憶部に記憶させておき、適宜読み出し可能に構成しておくとよい。
続いて、上記原理に基づいた塗装膜解析装置10の具体的構成について説明する。図3は本実施形態に係る塗装膜解析装置10の全体構成を示す図である。
塗装膜解析装置10は、光源ユニット12、リファレンスユニット14、測定プローブ16、スペクトロメータ18、及び、演算装置50を備える。光源ユニット12は図1における光源1を収容しており、リファレンスユニット14、測定プローブ16及びスペクトロメータ18と、ハーフミラー2として機能する光カプラ22を介して分岐された光ファイバケーブル24a、24b、24c及び24dで互いに接続されている。これにより、光源ユニット22内に収納された光源1から発せられた光源光は、光カプラ22及び光ファイバ24によって図1に示す光路に倣って照射光3と参照光4とに分光され、リファレンスユニット14及び測定プローブ16にそれぞれ入力され、得られた反射光及び参照光を重ね合わせた干渉光7がスペクトロメータ18で観測されるようになっている。
光カプラ22によって分光された参照光4は、リファレンスユニット26に入力され、対物レンズ11を介して該対物レンズ15から所定距離Lr離れたリファレンスミラー6に入射する。ここでリファレンスミラー6は可動に構成されており、対物レンズとの間隔(所定距離Lr)が図3に示す矢印方向に沿って調整可能になっている。本実施形態では特に、リファレンスユニット14は測定プローブ16と別ユニットとして独立に構成されることで、測定プローブ16の設計自由度が向上するようになっている。
一方、分光された照射光3は測定プローブ16に入力される。測定プローブ16は光ファイバケーブル24cから入力された光を筐体16aの内壁に設置された反射ミラー16bによって光路を変えた後、集光用の対物レンズ5を介して、解析対象である塗装膜9に照射する。そして塗装膜9からの反射光は対物レンズ5によって集光された後、再び反射ミラー16bで反射されることにより、光ファイバケーブル24cに入力される。
ここで図4は測定プローブ16の他の構成例を示す断面図である。測定プローブ16は筐体16a内に略円筒形状の回転部材26を有しており、その一端側に光カプラ22につながっている光ファイバ24cが接続される接続部28が設けられると共に、他端側には照射光及び反射光を照射・受光する測定部30が設けられている。接続部28及び測定部30は、回転部材26の中心軸に対して同心配置されており、接続部28及び測定部30間の光路上には集光用の対物レンズ5が設けられている。
対物レンズ5は、回転部材26の測定部30側に中心軸から偏心するように設けられている。回転部材26は不図示の動力源である駆動用モータによって回転駆動されると、照射光の光路は、回転部材26に偏心して設けられた対物レンズ5によって、屈折方向が変更され(屈折し)、照射位置が塗装膜9上の所定領域内を移動(微小振動)する。これにより、塗装膜9がメタリック塗装やパール塗装のように層内に微細な遮光物を含む場合であっても、照射位置を変化させながら照射光を照射することで、遮光物の下層側に至るまで照射光を到達させることができる。その結果、従来の計測方法では測定困難なメタリック塗装やパール塗装においても、精度のよい断層画像を得ることができる(積層塗装の各層膜厚を得ることができる)。
尚、塗装膜に含まれる遮光物(メタリック塗装の場合は金属フレーク、パール塗装の場合はマイカ)のサイズが約10μmである場合には、対物レンズとしてNAが約0.1以上のものを用いるとよい。
上述したように参照光4の生成は測定プローブ16とは独立したリファレンスユニット14で行われるため、測定プローブ16は高い設計自由度を有することができる。本実施形態では、この利点を利用して、照射位置を可変にする上記構成を測定プローブ16に組み込むことができる。背景技術で述べた特許文献4では、照射位置を微小振動させるために測定プローブ全体を振動させているが、そうすると構成が複雑になる上に、測定プローブを構成する部材間の摩擦が大きくなるため、信頼性に劣る。一方、本実施形態では、回転部材26に対物レンズ5を偏心配置して回転させるというシンプルな構成で実現可能であるため、高精度で信頼性も高い測定プローブ16が得られる。
また測定プローブ16は、内部光路上に対物レンズ42を有することにより、塗装膜10からの反射光を効率的に集光することができ、優れた測定精度を得ることができる。これもまた、
参照光4は測定プローブ16とは独立に構成されたリファレンスユニット14で生成することによって、測定プローブ16に高い設計自由度を与えることによって可能となったものである。
図3に戻って、このような構成を有する測定プローブ16は塗装膜9に向って照射光を照射すると共に、塗装膜9からの反射光を受光する。受光した反射光は、光ファイバ24cから光カプラ22にて参照光4と合成されることにより、干渉光7としてスペクトロメータ18によって計測される。スペクトロメータ18で計測された干渉光は、PC等で構成される演算装置50によって処理される。
図5は演算装置50の内部構成を示すブロック図である。演算装置50は、予めサンプルを用いて計測された各層の屈折率などの解析に必要な各種情報を記憶する記憶部52と、上記ステップS103乃至S106に係る処理を行うことによってOCT測定を実施するOCT計測部54と、上記ステップS107乃至S109に係る処理を行うことによって、前記OCT計測部54の計測結果から断層プロファイルを作成する画像処理部56と、該画像処理部56で作成された断層画像をモニタ等の表示部60に出力する画像出力部58とを備える。
続いて、図6及び図7を参照して上述の塗装膜解析装置10で得られた実際の解析結果について説明する。図6は測定プローブ16を塗装膜9上で一次元的(直線的)に走査した場合に得られる断層画像の一例である。この例では、アルミフレークを含むメタリック塗装膜を解析対象としており、下層側から順に、中塗り層(下地塗装)66、上塗り層68、クリア層70が示されており、図6(a)は正常な塗装膜9を示しており、図6(b)は欠陥を有する塗装膜9(図6の中央近傍において各層が途切れている)の解析結果を示している。この測定例では、上塗り層68に含まれる多数のアルミフレークが現れており、これを画像解析することにより、その分布密度、サイズ、傾斜角度を含む詳細な状態を解析可能になっている。特にメタリック塗装においても、従来のOCT計測では照射光の届かない上塗り層68より下層側に位置する中塗り層66に至るまで鮮明な結果が得られたことは、本装置の有用性が高いことを表わしている。
続いて図7は、測定プローブ16を塗装膜9の表面に沿って二次元的(平面的)に走査した場合に得られる(a)クリア層70及び(b)中塗り層66の表面画像の一例である。これらの例では、クリア層70及び中塗り層66における外観欠陥72の広がりが鮮明に現れており、従来の干渉ピーク解析では困難である詳細な解析が可能であることが確認された。
尚、図6及び図7における測定プローブ16の走査は、人為的要素に起因する不確定要因を排除するために、専用の治具等を用いて行うとよい。ここで図8は測定プローブ16の走査用治具40の一例を示す模式図である。走査用治具40は、筐体42内に上述の測定プローブ16が予め規定された位置に固定されるよう収容する構成を有しており、筐体42の塗装面側は、該塗装膜表面にフィットするように略平坦形状を有している。測定プローブ16は、このように筐体42内に収納された状態で、不図示のモータなどの駆動手段によって特定のラインに沿って走査される。これにより、測定プローブと塗装面との距離及び角度を安定に維持しながら、精度の良いラインに沿って走査することができる。
尚、筐体42に収容される測定プローブ16は、図4に示す形態であってもよい。
図5に戻って、演算装置50は画像出力部58から出力された断層画像(図7を参照)に基づいて、各層における遮光物の分布密度に対応する評価パラメータを算出する評価パラメータ算出部62を備えている。評価パラメータ算出部62は、図7(b)に示すようにメタリック塗装などの遮光物を含む層のイメージを取得した場合に、該イメージに含まれる遮光物の分布に基づいて評価パラメータを算出する。ここで「分布」とは、遮光物に関する外観評価に影響を与えられる要素分布を広く含んでよく、単純な密度分布のほか、層内における遮光物の傾斜角度分布やサイズのバラツキ分布等であってもよい。
ここで表1はメタリック塗装に含まれる遮光物の種類毎に、XY平面分布密度、Z軸分布密度、及び、平均傾斜角の測定結果の一例を以下に示す。評価パラメータ算出部62は、画像出力部58から出力された断層画像に基づいて算出した実密度を、表1と比較することにより、適切な範囲にあるか否かに基づいて、メタリック塗装の品質評価を行うことができる。
Figure 2015178980
このように本変形例では、イメージとして取得した層の状態に基づいて評価パラメータを算出することで、従来では評価に熟練を要するメタリック塗装やパール塗装などの遮光物分布状態を定量的に評価することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、OCT計測によって光学的距離として計測された断層構造を、サンプル試験等によって予め測定された屈折率を用いて機械的距離に変換することで断層画像(本質的には「塗装膜厚」)として出力する。このように断層構造を画像化することによって、OCT計測で得られる干渉ピークには現れない構成を含め、精度の良い断層構造の解析が可能となる。
本発明は複数層が積層されてなる塗装膜の断層構造を解析する塗装膜解析装置及び塗装膜解析方法に利用可能である。
1 光源
2 ハーフミラー
3 照射光
4 参照光
5 対物レンズ
6 リファレンスミラー
7 干渉光
8 光検知器
9 塗装膜
10 塗装膜解析装置
12 光源ユニット
14 リファレンスユニット
16 測定プローブ
18 スペクトロメータ
22 光カプラ
24 光ファイバケーブル
26 回転部材
28 接続部
30 測定部
50 演算装置
52 記憶部
54 OCT計測部
56 画像処理部
58 画像出力部
60 表示部(モニタ)
62 評価パラメータ算出部

Claims (9)

  1. 複数層が積層されてなる塗装膜の断層構造を解析する塗装膜解析装置であって、
    所定波長の光源光を発する光源と、
    前記光源光を前記塗装膜に照射光として照射すると共に前記塗装膜からの反射光を受光する測定部を有する測定プローブと、
    前記光源光から参照光を生成する参照光生成部と、
    前記反射光と前記参照光との干渉光に基づいて、前記塗装膜の断層構造を光学的距離として計測する光学測定部と、
    前記計測された断層構造を、予め測定された前記塗装膜の各層における屈折率に基づいて機械的距離に変換することにより断層画像として出力する画像処理部と
    を備えることを特徴とする塗装膜解析装置。
  2. 前記測定プローブは、前記反射光を対物レンズで集光して受光することを特徴とする請求項1に記載の塗装膜解析装置。
  3. 前記光源、前記測定プローブ及び前記参照光生成部は、互いに光ファイバで接続されており、
    前記光源光は前記光ファイバ上に設けられた光カプラによって前記照射光及び前記参照光に分波され、それぞれの反射光が合波されることを特徴とする請求項1に記載の塗装膜解析装置。
  4. 前記測定プローブは、前記照射光の照射位置が前記塗装膜上の所定領域内で変化させることを特徴とする請求項1に記載の塗装膜解析装置。
  5. 前記測定プローブは、
    中心軸を中心に回転可能な回転部材と、
    前記回転部材を回転駆動する駆動部と、
    前記中心軸から偏心した位置に光軸を有するように前記回転部材の前記測定部に設けられた対物レンズと
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の塗装膜解析装置。
  6. 前記断層画像に基づいて、前記各層における遮光物の分布に対応する評価パラメータを算出する評価パラメータ算出部を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の塗装膜解析装置。
  7. 複数層が積層されてなる塗装膜の断層構造を解析する塗装膜解析方法であって、
    所定波長の光源光を前記塗装膜に照射する照射工程と、
    前記塗装膜からの反射光を受光する受光工程と、
    前記受光した反射光と前記光源光から生成した参照光との干渉光に基づいて、前記塗装膜の断層構造を光学的距離として計測する光学測定工程と、
    前記計測された断層構造を、予め測定された前記塗装膜の各層の屈折率に基づいて機械的距離に変換することにより、断層画像として出力する画像処理工程と
    を備えることを特徴とする塗装膜解析方法。
  8. 前記断層構造に基づいて、前記複数層が積層されてなる塗装膜の膜厚測定を行う膜厚測定工程を更に備えることを特徴とする請求項7に記載の塗装膜解析方法。
  9. 前記照射工程では、前記光源光の照射角度が可変に設定され、
    前記光学測定工程では、前記受光された反射光を統計的に処理することにより前記断層構造を光学的距離として計測することを特徴とする請求項7又は8に記載の塗装膜解析方法。
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