JP2017160980A - ワッシャの製造方法 - Google Patents

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晋也 新崎
Shinya Nizaki
晋也 新崎
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【課題】製造する際の歩留まりを向上させることができるワッシャの製造方法を提供する。
【解決手段】クランク軸の軸線方向の力を受けるワッシャ100の製造方法であって、板状の材料200を準備する材料準備工程と、中心角αが180°未満の略部分円環状に材料200を打ち抜くことによりワッシャ100の外形を形成する打ち抜き工程と、を具備する。また、材料200は、一側の板面が平坦状に形成されたランド部210と、ランド部210に隣接すると共に、ランド部210と反対方向へ向かうにつれて材料200の厚みが薄くなるように前記一側の板面が傾斜するテーパー部220と、を具備し、打ち抜き工程において、ランド部210及びテーパー部220を含むように材料200を打ち抜くものである。
【選択図】図6

Description

本発明は、クランク軸の軸方向の力を受けるワッシャの製造方法に関する。
従来、クランク軸の軸方向の力を受けるワッシャの技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1には、クランク軸のスラストカラーと対向するように配置された半円環状のワッシャ(半割スラスト軸受)が開示されている。前記ワッシャは、クランク軸の上下に一対配置され、クランク軸の軸線方向の力を受けるように構成されている。
通常、特許文献1に記載のワッシャは、板状の材料をプレスで半円環状に打ち抜くことにより製造される。しかしながら、図13に示す如く、板状の材料500を順に半円環状に打ち抜いていくと、打ち抜いた部分同士の間に無駄な部分が発生し、歩留まりが良くないという問題があった。
特開2014−163402号公報
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、歩留まりを向上させることができるワッシャの製造方法を提供するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、クランク軸の軸線方向の力を受けるワッシャの製造方法であって、板状の材料を準備する材料準備工程と、中心角が180°未満の略部分円環状に前記材料を打ち抜くことにより前記ワッシャの外形を形成する打ち抜き工程と、を具備するものである。
請求項2においては、前記打ち抜き工程において、前記中心角が略直角となるように前記材料を打ち抜くものである。
請求項3においては、前記打ち抜き工程において、前記外形の内周面側の円弧の曲率半径が、前記外形の外周面側の円弧の曲率半径と等しくなるように前記材料を打ち抜くものである。
請求項4においては、前記打ち抜き工程において、前記外形の内周面側の円弧の曲率中心と前記外形の外周面側の円弧の曲率中心とが異なる位置に形成され、前記内周面側の円弧の曲率半径が、曲率中心が前記外周面側の円弧の曲率中心と同じであって前記内周面側の円弧と接する仮想円の半径よりも大きく、且つ、前記外周面側の円弧の曲率半径以下となるように前記材料を打ち抜くものである。
請求項5においては、前記材料は、一側の板面が平坦状に形成された平坦部と、前記平坦部に隣接すると共に、前記平坦部と反対方向へ向かうにつれて当該材料の厚みが薄くなるように前記一側の板面が傾斜するテーパー部と、を具備し、前記打ち抜き工程において、前記平坦部及び前記テーパー部を含むように前記材料を打ち抜くものである。
請求項6においては、前記打ち抜き工程において、前記外形の周方向一側が前記平坦部、前記外形の周方向他側が前記テーパー部となるように前記材料を打ち抜くものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、歩留まりを向上させることができる。
請求項2においては、歩留まりを向上させることができ、且つ、フリクションを低減可能なワッシャを製造することができる。
請求項3においては、歩留まりをより向上させることができる。
請求項4においては、歩留まりをより向上させることができる。
請求項5においては、平坦部とテーパー部とが形成されたワッシャを容易に製造することができる。
請求項6においては、クランク軸の軸線方向の力を受ける面における油膜圧力を増大可能なワッシャを製造することができる。
本発明の一実施形態に係るワッシャが使用されるエンジンの一部の分解斜視図。 同じく、横断面図。 (a)本発明の一実施形態に係るワッシャの正面図。(b)そのB−B断面図。(c)B−B断面の模式図。 図2のA−A断面図。 本発明の一実施形態に係るワッシャの製造方法を示すフローチャート。 本発明の一実施形態における打ち抜き工程を示す図。 材料を塑性加工する方法を示す図。 材料を切削加工する方法を示す図。 本発明の第二実施形態に係るワッシャの正面図。 本発明の第二実施形態における打ち抜き工程を示す図。 本発明の第三実施形態に係るワッシャの正面図。 本発明の第三実施形態における打ち抜き工程を示す図。 従来のワッシャのプレスによる打ち抜き図。
以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印F、矢印B、矢印L及び矢印Rで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向、後方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。
以下では、図1及び図2を用いて、本発明の第一実施形態に係るワッシャ100が使用される軸受装置1の構成の概要について説明する。
本発明の一実施形態に係る軸受装置1は、エンジン(内燃機関)に設けられる。軸受装置1は、主としてクランク軸2及び軸受構造3を具備する。
クランク軸2は、正面視において時計回りに回転するように形成される。クランク軸2は、前記エンジンのコンロッド(不図示)に連結される。クランク軸2は、主としてクランクジャーナル2a、クランクアーム2b及びスラストカラー2cを具備する。
クランクジャーナル2aは、クランク軸2の回転軸を構成する部分である。クランクジャーナル2aは、円柱状に形成される。クランクジャーナル2aは、軸線方向を前後方向へ向けて配置される。
クランクアーム2bは、クランクジャーナル2aとクランクピン(不図示)とを連結する部分である。クランクアーム2bは、上下方向に延びる板状に形成される。クランクアーム2bは、板面を前後方向へ向けた状態で、クランクジャーナル2aの前端及び後端にそれぞれ配置される。なお、図1においては、前側のクランクアーム2bの図示を省略している。
スラストカラー2cは、円環板状に形成される部分である。スラストカラー2cは、クランクジャーナル2aの外周面側に当該クランクジャーナル2aと一体的に形成される。スラストカラー2cは、クランクジャーナル2aの前端及び後端にそれぞれ配置される。
軸受構造3は、クランク軸2を支持するものである。軸受構造3は、軸受部材10、軸受キャップ20、主軸受30及びワッシャ100を具備する。
軸受部材10は、シリンダブロック(不図示)の下部に形成されて、後述するクランク軸2を上方から支持する部分である。軸受部材10は、軸受孔11、受座12及び内部油路13を具備する。
軸受孔11は、クランク軸2を上方から支持するものである。また、軸受孔11は、後述する主軸受30を収容する部分である。軸受孔11は、軸受部材10を前後方向に貫通するように形成される。軸受孔11は、正面視において下方が開放された半円状に形成される。
受座12は、軸受孔11の径方向外側に形成される凹状部である。受座12は、軸受部材10の前側及び後側にそれぞれ形成される。前側の受座12は、軸受部材10の前面から後方へ凹むように形成される。後側の受座12は、軸受部材10の後面から前方へ凹むように形成される。受座12は、正面視(背面視)において、軸受孔11の周縁部のうち左半部(クランク軸2の回転方向上流側の半部)に隣接する1/4部分円環状に形成される。受座12は、その軸線が軸受孔11の軸線と一致するように形成される。
図2に示す内部油路13は、前記エンジンのオイルポンプ(不図示)から潤滑油をクランク軸2側へ供給するためのものである。内部油路13は、軸受部材10の内部を上下方向に延びるように形成される。内部油路13の下端は、軸受孔11に開口される。
軸受キャップ20は、軸受部材10の下方に配置される部分である。軸受キャップ20は、ブロック状に形成される。軸受キャップ20は、軸受部材10と対向するように配置される。具体的には、軸受キャップ20は、その上面が軸受部材10の底面に対向及び当接するように配置される。軸受キャップ20は、軸受孔21を具備する。
主軸受30は、クランク軸2を回転可能に支持するものである。主軸受30は、半円筒状に形成される。主軸受30は、クランク軸2のクランクジャーナル2aの上下にそれぞれ配置される。上側の主軸受30は、開放側を下方に向けて軸受孔11に配置される。下側の主軸受30は、開放側を上方に向けて軸受孔21に配置される。これにより、上側の主軸受30及び下側の主軸受30は、クランクジャーナル2aを上下方向からそれぞれ支持するように配置される。上側の主軸受30には、潤滑油路31及び貫通孔32が形成される。そして、上側の主軸受30及び下側の主軸受30には、面取り部33が形成される。
潤滑油路31は、上側の主軸受30の内周面に形成される溝である。潤滑油路31は、上側の主軸受30の内周面の前後略中央部を周方向に沿って延びるように形成される。
貫通孔32は、潤滑油路31から上側の主軸受30の外周面に貫通する孔である。貫通孔32は、上側の主軸受30の平面視略中央部に形成される。貫通孔32は、上下方向に延びて、軸受部材10に形成される内部油路13と連通する。
面取り部33は、上側の主軸受30及び下側の主軸受30の互いの当接面の内側において切り欠かれた部分である(図4参照)。面取り部33は、前記当接面と主軸受30の内周面とを接続するような斜面として形成される。こうして、面取り部33は、クランクジャーナル2aと上側の主軸受30及び下側の主軸受30との間に、正面視において頂点を外方へ向けた略二等辺三角形状となる空間を形成する。前記空間は、クランクジャーナル2aの左右両側に形成される。前記空間の内部において、クランク軸2の軸線方向に沿って潤滑油が流通可能となる。
次に、図1から図3を用いて、本発明の一実施形態に係るワッシャ100の構成について説明する。なお、以下においては、特に断りのない限り、軸受部材10の前側に配置されるワッシャ100の構成について説明する。軸受部材10の後側に配置されるワッシャ100は、軸受部材10の前側に配置されるワッシャ100に対して左右対称の形状に形成され、前後対称となるように配置される。
ワッシャ100は、クランク軸2の軸線方向の力を受けるものである。ワッシャ100は、板状に形成される。図3に示す如く、ワッシャ100は、中心角αが略直角の1/4部分円環状に形成される。具体的には、ワッシャ100の輪郭(正面視における外形)は、内側円弧100a、外側円弧100b、右直線部100c及び下直線部100dから形成される。
内側円弧100aは、ワッシャ100の輪郭のうち内周面側の円弧である。外側円弧100bは、ワッシャ100の輪郭のうち外周面側の円弧である。内側円弧100aと外側円弧100bとは、曲率中心が同じとなるように形成される。図4に示すように、内側円弧100aの曲率半径は、主軸受30の外周の曲率半径と等しくなるように、或いは主軸受30の外周の曲率半径よりも少し大きくなるように形成される。外側円弧100bの曲率半径は、スラストカラー2cの外周の曲率半径と略等しくなるように形成される。
右直線部100cは、ワッシャ100の輪郭のうち右側の直線部分である。右直線部100cは、内側円弧100aの右端部から外側円弧100bの右端部へと径方向(上方)に延びるように形成される。下直線部100dは、ワッシャ100の輪郭のうち下側の直線部である。下直線部100dは、内側円弧100aの下端部から外側円弧100bの下端部へと径方向(左方)に延びるように形成される。
ワッシャ100は、一方側の板面がクランク軸2のスラストカラー2cと対向するように、軸受部材10の前側の受座12及び後側の受座12にそれぞれ嵌合される。このとき、ワッシャ100は、その軸線がクランク軸2の軸線と一致するように、且つ、右直線部100cを右方へ下直線部100dを下方へ向けて配置される。これにより、ワッシャ100は、軸受部材10の前面のうち、クランク軸2の回転方向上流側の領域に配置される。ワッシャ100は、ランド部110及びテーパー部120を具備する。
ランド部110は、ワッシャ100の右部(右直線部100c側の部分)を構成するものである。ランド部110は、ワッシャ100の前側の板面、すなわちスラストカラー2cとの摺動面(以下、単に「摺動面」という)が平坦状となるように形成される。ランド部110の厚みは、受座12の深さよりも大きくなるように形成される。このため、ランド部110は、軸受部材10の前面及び軸受キャップ20の前面よりも前方に位置(突出)する。これにより、ランド部110は、クランク軸2の回転の際にスラストカラー2cと摺動し、クランク軸2の軸線方向の力を受けるように形成される。
テーパー部120は、ワッシャ100の左部(下直線部100d側の部分)を構成するものである。テーパー部120は、ランド部110に対してクランク軸2の回転方向上流側(左側)に隣接して形成される。テーパー部120は、クランク軸2の回転方向上流側(左下方向)に向かうにつれて厚みが薄くなるように、ワッシャ100の摺動面が傾斜して形成される。テーパー部120におけるワッシャ100の摺動面は、周方向断面(図3(b))において直線的に傾斜しているわけではなく、後述する製造方法により製造されることにより、周方向断面において後方に凸状となる略円弧状(R状)に傾斜するように形成される。なお、図3(c)には、当該テーパー部120の形状(後方に凸状となる略円弧状)が理解し易いように、図3(b)におけるテーパー部120の形状を誇張して示した模式図を示している。テーパー部120は、ランド部110と同様に、クランク軸2の回転の際にスラストカラー2cと摺動し、クランク軸2の軸線方向の力を受けるように形成される。
次に、図2から図4を用いて、潤滑油が流れる流路について説明する。なお、以下においては、特に断りがない限り、軸受部材10の前側に配置されるワッシャ100における潤滑油の流路について説明する。
前記エンジンのオイルポンプ(不図示)から吐出された潤滑油は、軸受部材10の内部油路13を流通する。次に、潤滑油は、主軸受30の貫通孔32を流通し、潤滑油路31に供給される。潤滑油路31に供給された潤滑油の一部は、当該潤滑油路31に沿って(主軸受30の周方向に沿って)流通すると共に、主軸受30の摺動面(主軸受30の内周面とクランクジャーナル2aの外周面との間)に供給される。また、潤滑油路31に供給された潤滑油の他の一部は、図示せぬクランク軸2の内部油路を流通してクランクピン(不図示)に供給される。また、潤滑油路31に供給された潤滑油の他の一部は、上側と下側の主軸受30の当接面同士の隙間(特に、面取り部33により形成された前記空間)を前方(及び後方)へ流通して、主軸受30の前側(及び後側)に流出する。
左側の面取り部33により形成された空間から主軸受30の前側へ流出した潤滑油は、ワッシャ100の摺動面(前側の面)に供給される。当該潤滑油は、クランク軸2の回転に伴って、ワッシャ100の摺動面をクランク軸2の回転方向(正面視における時計回り方向)に沿って流通する。
当該潤滑油は、テーパー部120に沿って流通し、次にランド部110に沿って流通する(図3(b)に示す矢印参照)。このとき、潤滑油は、大きなクリアランス(スラストカラー2cとテーパー部120のクリアランス)から小さなクリアランス(スラストカラー2cとランド部110とのクリアランス)へと引き込まれることとなる。そのとき、小さなクリアランスに引き込まれた潤滑油には、くさび効果により油膜圧力が発生する。よって、スラストカラー2cとワッシャ100の摺動面との間において、潤滑油に油膜圧力を発生させることができる。
このようにワッシャ100の摺動面に潤滑油が供給されて油膜圧力が発生することにより、スラストカラー2cとワッシャ100とが接触するのを抑制することができる。これにより、ワッシャ100のフリクションを低減(摩耗を抑制)することができる。
また、ワッシャ100は、従来の半円環状ではなく1/4部分円環状に形成されているため、従来よりスラストカラー2cと摺動する部分が少ない。よって、スラストカラー2cとの余分な摺動面積を減らすことができ、ひいては低フリクション化を達成することができる。また、ワッシャ100は、軸受部材10の前面のうちクランク軸2の回転方向上流側の領域に配置されているため、当該ワッシャ100のテーパー部120が主軸受30の面取り部33に近い位置に配置される。このため、左側の面取り部33によって形成される空間から流出してくる潤滑油をワッシャ100の摺動面に引き込み易くすることができ、ひいてはフリクションを低減することができる。
また、内側円弧100aの曲率半径が主軸受30の外周の曲率半径と等しくなるように、或いは主軸受30の外周の曲率半径よりも少し大きくなるように形成されるため、ワッシャ100の内周面は、主軸受30の外周面よりも径方向内側に突出していない。これにより、ワッシャ100の摺動面への潤滑油の流れを滑らかにすることができる。また、外側円弧100bの曲率半径がクランク軸2のスラストカラー2cの外径の曲率半径と略等しいため、ワッシャ100をクランク軸2のスラストカラー2cの外周に沿って配置することができる。これにより、ワッシャ100の全面でクランク軸2の軸方向の力を受けることができ、クランク軸2の軸方向の力を受けることができない無駄な部分をなくすことができる。
次に、図5から図8を用いて、本発明の一実施形態に係るワッシャ100の製造方法について説明する。なお、図6から図8において示される方向の定義は、図1から図4において示される方向の定義とは異なっている。
図5に示すように、本実施形態に係るワッシャ100の製造方法は、材料準備工程及び打ち抜き工程を具備する。
まず、材料準備工程が行われる(ステップS110)。材料準備工程においては、ワッシャ100を製造するための材料を準備する。当該材料としては、平面視において略矩形の板状に形成された材料200が用いられる。材料200は、板面を上下方向へ、長手方向を左右方向へ向けて配置される。材料200には、ランド部210及びテーパー部220が形成される。
ランド部210は、材料200の前部に形成される部分である。ランド部210は、材料200の上面(図6において紙面手前側の板面)が平坦状となるように形成される。
テーパー部220は、材料200の後部に形成される部分である。テーパー部220は、ランド部210に対して後側に隣接して形成される。テーパー部220は、後方に向かうにつれて厚みが薄くなるように、材料200の上面が傾斜して形成される。平面視におけるテーパー部220とランド部210の境界線は、左右方向に直線状に延びるように形成される。
図7に示すように、材料200は、素材Mを塑性加工することにより形成することができる。具体的には、適宜の形状に形成された上側ロールr1と下側ロールr2との間に素材Mを通して当該素材Mを塑性変形させることにより、ランド部210及びテーパー部220を具備する材料200を形成することができる。
また、図8に示すように、材料200は、素材Mを切削加工することによってでも形成することができる。具体的には、まず、刃物cにより素材Mの上面を斜めに切削し、次にその面の前部を平坦に切削することにより、ランド部210及びテーパー部220を具備する材料200を形成することができる。
次に、このように形成された材料200を用いて、打ち抜き工程が行われる(ステップS120)。打ち抜き工程においては、材料200をプレスでワッシャ100の外形形状に順に打ち抜いていく。ワッシャ100の外形形状は、前述の通りであるので、ここでは説明を省略する。このとき、打抜き部分は、外側円弧100bを左側へ、内側円弧100aを右側へ向けて形成される。
テーパー部220は左右方向において厚みが均一であるので、打抜き部分(ワッシャ100の外形形状)の径方向において厚みが均一なわけではない。具体的には、テーパー部220の上部(打抜き部分の径方向が左上向きとなる部分)においては、当該径方向において内側の方が外側よりも厚みが薄くなるように形成される。一方、テーパー部220の下部(打抜き部分の径方向が左下向きとなる部分)においては、当該径方向において外側の方が内側よりも厚みが薄くなるように形成される。そして、テーパー部220は、打抜き部分の周方向断面において、直線的ではなく略円弧状(R状)に傾斜するように形成される(図3(c)参照)。
隣り合う打抜き部分同士は、左右方向に並ぶように、且つ、左側の打抜き部分の内側円弧100aの下端(右端)が右側の打抜き部分の外側円弧100bと重複するように形成される。このようにして、複数のワッシャ100を得ることができる。
このとき、ワッシャ100の中心角αが従来の半円環状のワッシャの中心角よりも小さいため、左側の打抜き部分の内側円弧100aと、隣り合う右側の打抜き部分の外側円弧100bとの間隔を短くすることができる。その結果、隣り合う打抜き部分を密に並べることができる。したがって、打抜き部分同士の間の無駄な(捨てる)部分を減らすことができ、ひいては製造の際の歩留まりを向上させることができる。
また、本実施形態に係るワッシャ100の製造方法においては、予めテーパー部220が形成された材料200を打ち抜くので、打ち抜いた後のワッシャ一つ一つにテーパー加工する必要がない。したがって、テーパー部120が形成されたワッシャ100を容易に製造することができる。また、ワッシャ一つ一つにテーパー加工した場合と比べて、均一な形状に揃え易くする(良好な寸法精度を得る)ことができる。
以上の如く、本実施形態に係るワッシャ100の製造方法は、クランク軸2の軸線方向の力を受けるワッシャ100の製造方法であって、板状の材料200を準備する材料準備工程と、中心角αが180°未満の略部分円環状に前記材料200を打ち抜くことにより前記ワッシャ100の外形を形成する打ち抜き工程と、を具備するものである。
このように構成することにより、歩留まりを向上させることができる。
また、本実施形態に係るワッシャ100の製造方法は、前記打ち抜き工程において、前記中心角αが略直角となるように前記材料200を打ち抜くものである。
このように構成することにより、歩留まりを向上させることができ、且つ、フリクションを低減可能なワッシャ100を製造することができる。
また、前記材料200は、一側の板面が平坦状に形成されたランド部210(平坦部)と、前記ランド部210に隣接すると共に、前記ランド部210と反対方向へ向かうにつれて当該材料200の厚みが薄くなるように前記一側の板面が傾斜するテーパー部220と、を具備し、前記打ち抜き工程において、前記ランド部210及び前記テーパー部220を含むように前記材料200を打ち抜くものである。
このように構成することにより、ランド部110とテーパー部120とが形成されたワッシャ100を容易に製造することができる。
また、本実施形態に係るワッシャ100の製造方法は、前記打ち抜き工程において、前記外形の周方向一側が前記ランド部210、前記外形の周方向他側が前記テーパー部220となるように前記材料200を打ち抜くものである。
このように構成することにより、クランク軸2の軸線方向の力を受ける面における油膜圧力を増大可能なワッシャ100を製造することができる。
なお、本実施形態に係るランド部210は、本発明に係る平坦部の一形態である。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、ワッシャ100の中心角αが略直角の1/4部分円環状に形成されるものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、前記中心角αは180°未満の任意の角度とすることができる。
また、本実施形態においては、ワッシャ100の右直線部100c及び下直線部100dはともに径方向に延びるものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、右直線部100c及び下直線部100dは任意の方向に延びるものとすることができる。すなわち、内側円弧100aの中心角と外側円弧100bの中心角とが異なるものであってもよい。
また、本実施形態においては、ワッシャ100は、軸受部材10に配置されるものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、軸受キャップ20に配置されるものであってもよく、軸受部材10及び軸受キャップ20の両方に配置されるものであってもよい。
また、本実施形態においては、ワッシャ100は、軸受部材10の前側及び後側にそれぞれ1つずつ配置されるものとしたが、前側及び後側の少なくとも一方に2つ以上配置されていてもよい。
また、本実施形態においては、材料200には、ランド部210及びテーパー部220が形成されるものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ランド部210のみが形成されるものであってもよい。また、ワッシャ100には、ランド部110及びテーパー部120が形成されるものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、ランド部110のみが形成されるものであってもよい。
次に、図9を用いて、本発明の第二実施形態に係るワッシャ300について説明する。
第二実施形態に係るワッシャ300が、第一実施形態に係るワッシャ100と異なる点は、内側円弧100aに代えて内側円弧300aを具備する点である。よって以下では、第二実施形態に係るワッシャ300のうち第一実施形態に係るワッシャ100と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
内側円弧300aは、ワッシャ300の輪郭のうち内周面側の円弧である。内側円弧300aの曲率半径R2は、外側円弧100bの曲率半径R1と等しくなるように形成される。このとき、内側円弧300aの曲率中心P2は、外側円弧100bの曲率中心P1と異なる位置に形成される。具体的には、内側円弧300aの曲率中心P2は、外側円弧100bの曲率中心P1よりも外側円弧100bから離れた位置に形成される。
次に、図10を用いて、ワッシャ300の製造方法について説明する。
材料準備工程(ステップS110)において、第一実施形態に係るワッシャ100の製造に用いた材料200と同じものが準備される。
打ち抜き工程(ステップS120)においては、材料200をプレスでワッシャ300の外形形状に順に打ち抜いていく。ワッシャ300の外形形状は、前述の通りであるので、ここでは説明を省略する。このとき、打抜き部分は、外側円弧100bを左側へ、内側円弧300aを右側へ向けて形成される。隣り合う打抜き部分同士は、左右方向に並ぶように、且つ、左側の打抜き部分の内側円弧300aが右側の打抜き部分の外側円弧100bと重複するように形成される。このように材料200をプレスで打ち抜いていくことにより、複数のワッシャ300を得ることができる。
このとき、プレスで打ち抜いた円弧状の部分が、左側の打抜き部分の内側円弧300aと、隣り合う右側の打抜き部分の外側円弧100bと、を兼ねることとなる。したがって、打抜き部分同士の間に無駄な(捨てる)部分が生じないので、製造の際の歩留まりを向上させることができる。
以上の如く、第二実施形態に係るワッシャ300の製造方法は、前記打ち抜き工程において、前記外形の内側円弧300a(内周面側の円弧)の曲率半径R2が、前記外形の外側円弧100b(外周面側の円弧)の曲率半径R1と等しくなるように前記材料200を打ち抜くものである。
このように構成することにより、歩留まりをより向上させることができる。
以上、本発明の第二実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、第二実施形態においては、内側円弧300aの曲率半径R2と外側円弧100bの曲率半径R1とを等しくすることにより、歩留まりを向上するものとしたが、これに限らず、内側円弧300aの曲率半径R2と外側円弧100bの曲率半径R1との差を小さくすることで、歩留まりの向上を図ることができる。以下では、第三実施形態として、図11及び図12を用いて、内側円弧300aの曲率半径R2と外側円弧100bの曲率半径R1との差を小さくするための形状の設定方法について説明する。
第三実施形態に係るワッシャ400が、第一実施形態に係るワッシャ100と異なる点は、内側円弧100aに代えて内側円弧400aを具備する点である。よって以下では、第三実施形態に係るワッシャ400のうち第一実施形態に係るワッシャ100と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
内側円弧400aは、ワッシャ400の輪郭のうち内周面側の円弧である。内側円弧400aの曲率中心P3は、外側円弧100bの曲率中心P1とは異なる位置に形成される。具体的には、内側円弧400aの曲率中心P3は、外側円弧100bの曲率中心P1よりも外側円弧100bから離れた位置に形成される。
ここで、曲率中心が外側円弧100bの曲率中心P1と同じであって、内側円弧400aの内側で当該内側円弧400aと接する仮想の円を仮想円Cとする。このとき、内側円弧400aの曲率半径R3は、仮想円Cの半径R4よりも大きく、且つ、外側円弧100bの曲率半径R1以下となるように形成される。
その結果、内側円弧400aの曲率半径R3と外側円弧100bの曲率半径R1との差は、内側円弧400aを外側円弧100bの同心円とした場合(仮想円Cとした場合)と比べて小さくなる。このため、図12に示す如く、ワッシャ400の製造方法において、左側の打抜き部分の内側円弧400aと、隣り合う右側の打抜き部分の外側円弧100bとの間隔を短くすることができる。したがって、打ち抜いた部分同士の間の無駄な(捨てる)部分を減らすことができ、ひいては製造の際の歩留まりを向上させることができる。
以上の如く、本実施形態に係るワッシャ400の製造方法は、前記打ち抜き工程において、前記外形の内側円弧400aの曲率中心P3と前記外形の外側円弧100bの曲率中心P1とが異なる位置に形成され、前記内側円弧400aの曲率半径R3が、曲率中心が前記外側円弧100bの曲率中心P1と同じであって前記内側円弧100aと接する仮想円Cの半径R4よりも大きく、且つ、前記外側円弧100bの曲率半径R1以下となるように前記材料200を打ち抜くものである。
このように構成されることにより、歩留まりをより向上させることができる。
2 クランク軸
100、300、400 ワッシャ
100a、300a、400a 内側円弧
100b 外側円弧
110 ランド部
120 テーパー部
200 材料
210 ランド部
220 テーパー部

Claims (6)

  1. クランク軸の軸線方向の力を受けるワッシャの製造方法であって、
    板状の材料を準備する材料準備工程と、
    中心角が180°未満の略部分円環状に前記材料を打ち抜くことにより前記ワッシャの外形を形成する打ち抜き工程と、
    を具備する、
    ワッシャの製造方法。
  2. 前記打ち抜き工程において、前記中心角が略直角となるように前記材料を打ち抜く、
    請求項1に記載のワッシャの製造方法。
  3. 前記打ち抜き工程において、前記外形の内周面側の円弧の曲率半径が、前記外形の外周面側の円弧の曲率半径と等しくなるように前記材料を打ち抜く、
    請求項1又は請求項2に記載のワッシャの製造方法。
  4. 前記打ち抜き工程において、
    前記外形の内周面側の円弧の曲率中心と前記外形の外周面側の円弧の曲率中心とが異なる位置に形成され、
    前記内周面側の円弧の曲率半径が、曲率中心が前記外周面側の円弧の曲率中心と同じであって前記内周面側の円弧と接する仮想円の半径よりも大きく、且つ、前記外周面側の円弧の曲率半径以下となるように前記材料を打ち抜く、
    請求項1又は請求項2に記載のワッシャの製造方法。
  5. 前記材料は、
    一側の板面が平坦状に形成された平坦部と、
    前記平坦部に隣接すると共に、前記平坦部と反対方向へ向かうにつれて当該材料の厚みが薄くなるように前記一側の板面が傾斜するテーパー部と、
    を具備し、
    前記打ち抜き工程において、
    前記平坦部及び前記テーパー部を含むように前記材料を打ち抜く、
    請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のワッシャの製造方法。
  6. 前記打ち抜き工程において、
    前記外形の周方向一側が前記平坦部、前記外形の周方向他側が前記テーパー部となるように前記材料を打ち抜く、
    請求項5に記載のワッシャの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108555113A (zh) * 2018-04-28 2018-09-21 蚌埠市昆宇机械加工厂 一种全自动数控精密片裁机
JP2019002417A (ja) * 2017-06-12 2019-01-10 大同メタル工業株式会社 半割スラスト軸受
JP2019002418A (ja) * 2017-06-12 2019-01-10 大同メタル工業株式会社 半割スラスト軸受

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