JP2016191420A - すべり軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】クラックの発生を抑制することと、軸部材の油通路に供給する潤滑油の量を増加させることとを両立することができるすべり軸受を提供する。
【解決手段】連通油路を有した回転可能なクランクジャーナルを内周面で支持するアッパー側軸受と、アッパー側軸受と突き合わされ、内周面20aでクランクジャーナルを支持するロア側軸受20と、を具備し、アッパー側軸受の内周面には、クランクジャーナルの回転方向に沿って延び、クランクジャーナルの連通油路に潤滑油を供給する油溝が形成され、ロア側軸受20の内周面20aには、回転方向に沿って延び、クランクジャーナルの連通油路に潤滑油を供給する油溝25が形成され、油溝25は、少なくとも一部の溝幅がアッパー側軸受の油溝の溝幅よりも狭い。
【選択図】図5
【解決手段】連通油路を有した回転可能なクランクジャーナルを内周面で支持するアッパー側軸受と、アッパー側軸受と突き合わされ、内周面20aでクランクジャーナルを支持するロア側軸受20と、を具備し、アッパー側軸受の内周面には、クランクジャーナルの回転方向に沿って延び、クランクジャーナルの連通油路に潤滑油を供給する油溝が形成され、ロア側軸受20の内周面20aには、回転方向に沿って延び、クランクジャーナルの連通油路に潤滑油を供給する油溝25が形成され、油溝25は、少なくとも一部の溝幅がアッパー側軸受の油溝の溝幅よりも狭い。
【選択図】図5
Description
本発明は、軸部材を回転可能に支持する円筒状のすべり軸受の技術に関する。
従来、軸部材を回転可能に支持する円筒状のすべり軸受の技術は公知となっている。すべり軸受は、前記軸部材として、例えばクランクシャフトに設けられるクランクジャーナル等を支持する。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1に記載のすべり軸受は、一対の半円筒状軸受を具備する。一対の半円筒状軸受のうち、一方の半円筒状軸受の内周面には、円周方向に延びる円周方向溝が形成される。円周方向溝は、内周面の円周方向における一端部から他端部に亘って形成される。他方の半円筒状軸受の内周面には前記円周方向溝のような溝が形成されていない。
このように構成される特許文献1に記載のすべり軸受は、クランクジャーナルの油通路が円周方向溝(一方の半円筒状軸受の内周面)と対向したときだけ、油通路に潤滑油を供給する。すなわち、特許文献1に記載のすべり軸受は、油通路が他方の半円筒状軸受と対向したときに、油通路に潤滑油を供給することができない。このため、クランクジャーナルから下流側に十分な量の潤滑油を供給することができない可能性がある。
また、油通路が他方の半円筒状軸受と対向したときにもクランクジャーナルに潤滑油を供給するために、溝幅及び深さ等が前記円周方向溝と同じ溝を他方の半円筒状軸受に形成する構成が考えられる。しかし、このような構成において、すべり軸受は、クランクシャフトとの摺動面積が減少してしまうため、クラック等の不具合が発生し易くなってしまう。
以上のように、従来技術において、すべり軸受は、クラックの発生を抑制することと、軸部材の油通路に供給する潤滑油の量を増加させることとを両立することが困難であった。
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、クラックの発生を抑制することと、軸部材の油通路に供給する潤滑油の量を増加させることとを両立することができるすべり軸受を提供するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、油通路を有した回転可能な軸部材を上側内周面で支持する上側半円筒状軸受と、前記上側半円筒状軸受と突き合わされ、下側内周面で前記軸部材を支持する下側半円筒状軸受と、を具備し、前記上側内周面には、前記軸部材の回転方向に沿って延び、前記軸部材の油通路に潤滑油を供給する上側油溝が形成され、前記下側内周面には、前記回転方向に沿って延び、前記軸部材の油通路に潤滑油を供給する下側油溝が形成され、前記下側油溝は、少なくとも一部の溝幅が前記上側油溝の溝幅よりも狭いものである。
請求項2においては、前記下側油溝は、溝幅が前記上側油溝の溝幅よりも狭い第一の油溝と、前記第一の油溝と連通され、溝幅が前記第一の油溝の溝幅よりも広い第二の油溝と、を具備するものである。
請求項3においては、前記第二の油溝は、前記下側半円筒状軸受の前記回転方向における端部と連通しないように形成されるものである。
請求項4においては、前記下側油溝は、一端部が前記下側内周面の前記回転方向における下流側端部と連通されると共に他端部が前記第二の油溝と連通され、溝幅が前記第二の油溝の溝幅よりも狭い第三の油溝をさらに具備するものである。
請求項5においては、前記下側油溝は、前記下側半円筒状軸受の底部よりも前記回転方向における下流側に配置されるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、クラックの発生を抑制することと、軸部材の油通路に供給する潤滑油の量を増加させることとを両立することができる。
請求項2においては、軸部材の油通路に供給する潤滑油の量を増加させることができる。
請求項3においては、軸部材の油通路に効率的に潤滑油を供給することができる。
請求項4においては、軸部材の油通路に効率的に潤滑油を供給することができる。
請求項5においては、クラックの発生を抑制することができる。
以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印F、矢印B、矢印L及び矢印Rで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向、後方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。
以下では、本発明の一実施形態に係る主軸受2について説明する。
まず、図1を用いて、主軸受2が設けられるクランクシャフト1に関する構成、及び当該クランクシャフト1に関する潤滑油供給機構の概略について説明する。
クランクシャフト1は内燃機関(エンジン)を構成する部材であり、ピストンの往復運動を回転運動に変換するためのものである。クランクシャフト1は、主としてクランクジャーナル1a、クランクアーム1b、クランクピン1c及び連通油路1dを具備する。
クランクジャーナル1aは、主軸受2を介してシリンダブロック3に回転可能に支持される。主軸受2には、その外周面と内周面とを連通する貫通孔16が形成される。クランクピン1cはクランクアーム1bを介してクランクジャーナル1aと連結される。クランクピン1cは、コンロッド軸受4を介してコンロッド5に回転可能に連結される。連通油路1dは、クランクジャーナル1aの外周面とクランクピン1cの外周面とを連通するように、クランクシャフト1内に形成される。
本実施形態に係る連通油路1dは、クランクジャーナル1aの外周面からクランクピン1cの外周面へと一直線状に延びるように形成される。すなわち、本実施形態に係るクランクシャフト1は、クランクジャーナル1aの外周面に略楕円状の油孔1eが一つ形成される、所謂I孔タイプのクランクシャフトとして構成される。
このような構成において、シリンダブロック3に形成された潤滑油路3cを介して、図示せぬメインオイルホールからの潤滑油が主軸受2へと供給される。さらに当該潤滑油は、主軸受2の貫通孔16を介して、当該主軸受2の内周面側へと供給される。当該潤滑油によって主軸受2とクランクジャーナル1aとの摺動面が潤滑される。
主軸受2の内周面側へと供給された潤滑油は、油孔1eから連通油路1dに供給され、さらに連通油路1dを介してクランクピン1cの外周面へと供給される。当該潤滑油によってクランクピン1cとコンロッド軸受4との摺動面が潤滑される。
以下では、図2を用いて、クランクジャーナル1aとシリンダブロック3との連結部(クランクジャーナル1aの支持部)の構成について説明する。
シリンダブロック3は、本体側ハウジング3aと、当該本体側ハウジング3aの下部に固定されるキャップ3bとを具備する。本体側ハウジング3aの下端面には、背面視半円弧状に凹むように軸受部3dが形成されている。キャップ3bの上端面には、背面視半円弧状に凹むように軸受部3eが形成されている。当該軸受部3dと軸受部3eとの間にクランクジャーナル1aが挟み込まれるようにして支持される。この際、シリンダブロック3とクランクジャーナル1aとの間には主軸受2が介装される。
このような構成において、クランクジャーナル1aが回転すると、当該クランクジャーナル1aの外周面と主軸受2の内周面との間に、潤滑油路3cを介して供給される潤滑油の油膜が形成される。クランクジャーナル1aは、当該油膜を介して主軸受2に回転可能に支持される。なお、本実施形態においてクランクジャーナル1aは、背面視時計回り(図2に示す矢印Aの方向)に回転するものとする。
以下では、図2から図5までを用いて、主軸受2の構成について詳細に説明する。
図2及び図3に示す主軸受2は、クランクジャーナル1aを回転可能に支持する円筒状のすべり軸受である。主軸受2は、アッパー側軸受10及びロア側軸受20を具備する。アッパー側軸受10とロア側軸受20とを向かい合わせに上下に組み合わせることで、円筒状の主軸受2が形成される。
アッパー側軸受10は、主軸受2のうち上半部を形成する部材である。図3及び図4に示すように、アッパー側軸受10は、円筒の下半分を切り落としたような半円筒状に形成される。アッパー側軸受10は、その内周面10aを下方に向けた状態でシリンダブロック3の本体側ハウジング3aの軸受部3dに配置される(図2参照)。アッパー側軸受10は、主として下流側合わせ面11、上流側合わせ面12、下流側クラッシュリリーフ13、上流側クラッシュリリーフ14、油溝15及び貫通孔16を具備する。
下流側合わせ面11は、アッパー側軸受10の右下端部、すなわちクランクジャーナル1aの回転方向下流側(以下、単に「下流側」と記す)の端部に形成される面である。下流側合わせ面11は、板面を下方に向けて配置される。下流側合わせ面11には、下流側面取り部11aが形成される。下流側面取り部11aは、下流側合わせ面11の左端部(内周面10a側の端部)を切り欠いたような形状に形成される。下流側面取り部11aは、下流側合わせ面11の左部から左上方向に延びるように形成される。下流側面取り部11aは、アッパー側軸受10の前端部から後端部に亘って形成される。
上流側合わせ面12は、アッパー側軸受10の左下端部、すなわちクランクジャーナル1aの回転方向上流側(以下、単に「上流側」と記す)の端部に形成される面である。上流側合わせ面12は、板面を下方に向けて配置される。上流側合わせ面12には、上流側面取り部12aが形成される。上流側面取り部12aは、アッパー側軸受10の左右中央部を基準として下流側面取り部11aと左右対称となるように形成される。
下流側クラッシュリリーフ13は、アッパー側軸受10の内周面10aを凹状に切り欠いて形成される部分である。下流側クラッシュリリーフ13は、アッパー側軸受10の右下部(下流側)に形成される。下流側クラッシュリリーフ13は、下流側に向かうにつれてアッパー側軸受10の径方向外側に延びるように形成される。下流側クラッシュリリーフ13の下流側端部(前記径方向外側に延びた端部)は、下流側面取り部11aの左上端部と接続される。下流側クラッシュリリーフ13は、アッパー側軸受10の前端部から後端部に亘って形成される。
上流側クラッシュリリーフ14は、アッパー側軸受10の左右中央部を基準として下流側クラッシュリリーフ13と左右対称となるように形成される。
アッパー側軸受10に下流側面取り部11a、下流側クラッシュリリーフ13、上流側面取り部12a及び上流側クラッシュリリーフ14を設けることで、当該アッパー側軸受10の両端部近傍において変形が生じた場合であっても、不具合(具体的には、変形した部分がクランクジャーナル1aに局部当たりすること)の発生を防止することができる。
油溝15は、アッパー側軸受10の内周面10aにおいて潤滑油を案内すると共に、当該内周面10aにおいて潤滑油を適宜貯溜するためのものである。油溝15は、アッパー側軸受10の内周面10aに形成される。油溝15は、アッパー側軸受10の円周方向に沿って延びるように形成される。油溝15は、クランクジャーナル1aの連通油路1dの油孔1eと前後方向において同一位置(本実施形態ではアッパー側軸受10の内周面10aの前後中央部)に形成される。
油溝15は、その中途部が一定の深さとなるように形成される。当該油溝15の中途部の深さは、下流側クラッシュリリーフ13の最も深い部分(右下端部)及び上流側クラッシュリリーフ14の最も深い部分(左下端部)よりも深い深さとなるように形成される。
このような油溝15の下流側は、下流側クラッシュリリーフ13と連通され、下流側クラッシュリリーフ13の前後中央部をさらに凹状に切り欠くように形成される。油溝15の下流側の端部は、下流側面取り部11aの中途部と連通される。すなわち、油溝15の下流側の深さは、下流側クラッシュリリーフ13と連通している部分から下流側に向かうにつれて浅くなる。また、油溝15の上流側は、上流側クラッシュリリーフ14と連通され、上流側クラッシュリリーフ14の前後中央部をさらに凹状に切り欠くように形成される。油溝15の上流側の端部は、上流側面取り部12aの中途部と連通される。すなわち、油溝15の上流側の深さは、上流側クラッシュリリーフ14と連通している部分から上流側に向かうにつれて浅くなる。
このような油溝15の下流側は、下流側クラッシュリリーフ13と連通され、下流側クラッシュリリーフ13の前後中央部をさらに凹状に切り欠くように形成される。油溝15の下流側の端部は、下流側面取り部11aの中途部と連通される。すなわち、油溝15の下流側の深さは、下流側クラッシュリリーフ13と連通している部分から下流側に向かうにつれて浅くなる。また、油溝15の上流側は、上流側クラッシュリリーフ14と連通され、上流側クラッシュリリーフ14の前後中央部をさらに凹状に切り欠くように形成される。油溝15の上流側の端部は、上流側面取り部12aの中途部と連通される。すなわち、油溝15の上流側の深さは、上流側クラッシュリリーフ14と連通している部分から上流側に向かうにつれて浅くなる。
また、油溝15は、その全域に亘って前後方向に一定の溝幅Wとなるように形成される。従って、油溝15は、底面視略矩形状に形成される。油溝15の溝幅Wは、連通油路1dの油孔1eの前後方向幅L1(図6参照)よりも小さくなるように形成される。
貫通孔16は、アッパー側軸受10の内周面10a(より詳細には、油溝15)と外周面とを連通するものである。貫通孔16は、アッパー側軸受10の左右中央部(上端部)に形成される。
ロア側軸受20は、図3及び図5に示すように、主軸受2のうち下半部を形成する部材である。ロア側軸受20は、円筒の上半分を切り落としたような半円筒状に形成される。ロア側軸受20は、その内周面20aを上方に向けた状態でシリンダブロック3のキャップ3bの軸受部3eに配置される(図2参照)。ロア側軸受20は、主として下流側合わせ面21、上流側合わせ面22、下流側クラッシュリリーフ23、上流側クラッシュリリーフ24及び油溝25を具備する。
下流側合わせ面21は、ロア側軸受20の左上端部、すなわち下流側の端部に形成される面である。下流側合わせ面21は、板面を上方に向けて配置され、アッパー側軸受10の上流側合わせ面12と突き合わされる。下流側合わせ面21には、下流側面取り部21aが形成される。下流側面取り部21aは、下流側合わせ面21の右端部(内周側の端部)を切り欠いたような形状に形成される。下流側面取り部21aは、下流側合わせ面21の右部から右下方向に延びるように形成される。下流側面取り部21aは、ロア側軸受20の前端部から後端部に亘って形成される。
上流側合わせ面22は、ロア側軸受20の右上端部、すなわち上流側の端部に形成される面である。上流側合わせ面22は、板面を上方に向けて配置され、アッパー側軸受10の下流側合わせ面11と突き合わされる。上流側合わせ面22には、上流側面取り部22aが形成される。上流側面取り部22aは、ロア側軸受20の左右中央部を基準として下流側面取り部21aと左右対称となるように形成される。
下流側クラッシュリリーフ23は、ロア側軸受20の内周面20aを凹状に切り欠いて形成される部分である。下流側クラッシュリリーフ23は、ロア側軸受20の左上部(下流側)に形成される。下流側クラッシュリリーフ23は、下流側に向かうにつれてロア側軸受20の径方向外側に延びるように形成される。下流側クラッシュリリーフ23の下流側の端部(前記径方向外側に延びた端部)は、下流側面取り部21aの右下端部と接続される。下流側クラッシュリリーフ23は、ロア側軸受20の前端部から後端部に亘って形成される。
上流側クラッシュリリーフ24は、ロア側軸受20の左右中央部を基準として下流側クラッシュリリーフ23と左右対称となるように形成される。
ロア側軸受20に下流側面取り部21a、下流側クラッシュリリーフ23、上流側面取り部22a及び上流側クラッシュリリーフ24を設けることで、当該ロア側軸受20の両端部近傍において変形が生じた場合であっても、不具合(具体的には、変形した部分がクランクジャーナル1aに局部当たりすること)の発生を防止することができる。
油溝25は、ロア側軸受20の内周面20aにおいて潤滑油を案内すると共に、当該内周面20aにおいて潤滑油を適宜貯溜するためのものである。油溝25は、ロア側軸受20の円周方向に沿って延びるように形成される。油溝25は、クランクジャーナル1aの連通油路1dの油孔1eと前後方向において同一位置(本実施形態ではロア側軸受20の内周面20aの前後中央部)に形成される。油溝25は、第一の油溝25a、第二の油溝25b及び第三の油溝25cを具備する。
第一の油溝25aは、油溝25の上流側に形成される部分である。第一の油溝25aの上流側の端部は、ロア側軸受20の左右中央部、すなわち底部20bよりも下流側に配置される。第一の油溝25aは、その全域に亘ってアッパー側軸受10の油溝15と同じ深さとなるように形成される。
第一の油溝25aは、その全域に亘って前後方向に一定の溝幅W1となるように形成される。第一の油溝25aの溝幅W1は、アッパー側軸受10の油溝15の溝幅W(図4(b)参照)よりも狭くなるように形成される。具体的には、本実施形態に係る第一の油溝25aの溝幅W1は、アッパー側軸受10の油溝15の溝幅Wよりも10%以上狭くなるように形成される。
第二の油溝25bは、第一の油溝25aの下流側に形成される部分である。第二の油溝25bの上流側の端部は、第一の油溝25aと連通される。第二の油溝25bの長さ(内周面20aに沿った方向の長さ)は、第一の油溝25aの長さと同程度の長さとなるように形成される。第二の油溝25bは、下流側クラッシュリリーフ23と連通しないように、下流側クラッシュリリーフ23よりも上流側に配置される。第二の油溝25bは、その全域に亘って第一の油溝25aと同じ深さとなるように形成される。
第二の油溝25bは、その全域に亘って前後方向に一定の溝幅W2となるように形成される。第二の油溝25bの溝幅W2は、第一の油溝25aの溝幅W1よりも広くなるように形成される。具体的には、本実施形態に係る第二の油溝25bの溝幅W2は、第一の油溝25aの溝幅W1よりも10%以上広くなるように形成される。また、第二の油溝25bの溝幅W2は、アッパー側軸受10の油溝15の溝幅W(図4(b)参照)よりも狭くなるように形成される。このような第二の油溝25bの溝幅W2は、連通油路1dの油孔1eの前後方向幅L1(図6参照)よりも狭くなるように形成される。
第三の油溝25cは、第二の油溝25bの下流側に形成される部分である。第三の油溝25cの上流側の端部は、第二の油溝25bと連通される。第三の油溝25cの下流側の端部は、ロア側軸受20の下流側の端部まで延びるように形成される。第三の油溝25cの長さ(内周面20aに沿った方向の長さ)は、第一の油溝25a及び第二の油溝25bの長さよりも短くなるように形成される。第三の油溝25cは、その上流側の端部が第一の油溝25aと同じ深さとなるように形成される。当該第三の油溝25c上流側の端部のの深さは、下流側クラッシュリリーフ23の最も深い部分(左上端部)よりも深い深さとなるように形成される。
このような第三の油溝25cの中途部は、下流側クラッシュリリーフ23と連通され、下流側クラッシュリリーフ23の前後中央部をさらに凹状に切り欠くように形成される。第三の油溝25cの下流側の端部は、下流側面取り部21aの中途部と連通される。すなわち、第三の油溝25cの下流側の深さは、下流側クラッシュリリーフ23と連通している部分から下流側に向かうにつれて浅くなる。
このような第三の油溝25cの中途部は、下流側クラッシュリリーフ23と連通され、下流側クラッシュリリーフ23の前後中央部をさらに凹状に切り欠くように形成される。第三の油溝25cの下流側の端部は、下流側面取り部21aの中途部と連通される。すなわち、第三の油溝25cの下流側の深さは、下流側クラッシュリリーフ23と連通している部分から下流側に向かうにつれて浅くなる。
第三の油溝25cは、その全域に亘って前後方向に一定の溝幅W3となるように形成される。第三の油溝25cの溝幅W3は、第一の油溝25aの溝幅W1と略同一となるように形成される。すなわち、第三の油溝25cの溝幅W3は、アッパー側軸受10の油溝15の溝幅Wよりも狭くなるように形成される。
以下では、図3から図6を用いて、アッパー側軸受10及びロア側軸受20における潤滑油の流れについて説明する。
図3及び図4に示すように、貫通孔16を介して外部からアッパー側軸受10の内周面10a(油溝15)へと供給された潤滑油は、重力やクランクジャーナル1aの回転に伴って当該油溝15内を下方へと流通する。特に、背面視時計回りに回転するクランクジャーナル1aによって、当該潤滑油は油溝15内を背面視時計回りに流通する。油溝15内を流通する潤滑油の一部がアッパー側軸受10とクランクジャーナル1aとの摺動面に供給され、当該摺動面に油膜を形成する。
油溝15の端部(特に、下流側の端部)まで流通した潤滑油の一部は、下流側面取り部11a及び下流側クラッシュリリーフ13を介してアッパー側軸受10(主軸受2)の外部へと排出される。また、その他の潤滑油は、アッパー側軸受10の下流側面取り部11a及び下流側クラッシュリリーフ13、並びにロア側軸受20の上流側面取り部22a及び上流側クラッシュリリーフ24を介してロア側軸受20の内周面20aへと供給される。当該潤滑油によって、ロア側軸受20とクランクジャーナル1aとの摺動面に油膜が形成される。当該潤滑油は、図3及び図5に示すように、クランクジャーナル1aの回転に伴ってロア側軸受20と当該クランクジャーナル1aとの摺動面を背面視時計回りに流通する。当該潤滑油の一部は、ロア側軸受20の油溝25へと供給される。
ロア側軸受20の油溝25へと供給された潤滑油は、まず、第一の油溝25aを背面視時計回りに流通し、第二の油溝25bへと供給される。当該潤滑油は、第二の油溝25bを背面視時計回りに流通し、第三の油溝25cへと供給される。そして、潤滑油は、第三の油溝25cを背面視時計回りに流通する。
第三の油溝25cの中途部や下流側の端部(下流側面取り部21a及び下流側クラッシュリリーフ23と連通される部分)まで流通した潤滑油の一部は、下流側面取り部21a及び下流側クラッシュリリーフ23を介してロア側軸受20(主軸受2)の外部へと排出される。また、その他の潤滑油は、ロア側軸受20の下流側面取り部21a及び下流側クラッシュリリーフ23、並びにアッパー側軸受10の上流側面取り部12a及び上流側クラッシュリリーフ14を介してアッパー側軸受10の内周面10a(油溝15)へと供給される。
このようにして油溝15・25内を流通する潤滑油は、クランクジャーナル1aが回転して連通油路1dの油孔1eと油溝15・25とが対向したときに、連通油路1dの油孔1eに流入する。そして、当該流入した潤滑油は、連通油路1dを介してクランクピン1cへと供給される(図1参照)。なお、図1に示す状態においては、主軸受2の底部(ロア側軸受20の底部20b)、すなわち油溝25が形成されていない部分と油孔1eとが対向しているため、クランクジャーナル1aからクランクピン1cへと潤滑油が供給されることはないが、潤滑油の流通経路を示す都合上、クランクジャーナル1aからクランクピン1cへと潤滑油が流れることを示す矢印を図示している。
アッパー側軸受10の油溝15は、その溝幅Wがロア側軸受20の油溝25の溝幅(第一の油溝25a、第二の油溝25b及び第三の油溝25cの溝幅W1〜W3)よりも広くなるように形成されている。このため、主軸受2は、アッパー側軸受10の油溝15と連通油路1dの油孔1eとが対向している間、油孔1eに多くの潤滑油を流入させることができる。これにより、主軸受2は、クランクピン1cへと多くの潤滑油を供給することができる。
また、主軸受2は、ロア側軸受20の第一の油溝25aと連通油路1dの油孔1eとが対向している間、油孔1eに潤滑油を流入させることができる(図6の第一の油溝25aと重なる位置に示す油孔1e参照)。これにより、主軸受2は、ロア側軸受20の内周面20aと油孔1eとが対向している間も、クランクピン1cへと潤滑油を供給することができる。
ロア側軸受20の第二の油溝25bは、その溝幅W2が第一の油溝25aの溝幅W1よりも広くなるように形成されている。このため、第二の油溝25bと連通油路1dの油孔1eとが対向している間、主軸受2は、油孔1eと第一の油溝25aとが対向している間よりも多くの潤滑油をクランクピン1cへと供給することができる(図6の第二の油溝25bと重なる位置に示す油孔1e参照)。
また、主軸受2は、ロア側軸受20の第三の油溝25cと連通油路1dの油孔1eとが対向している間も、油孔1eに潤滑油を流入させることができる(図6の第三の油溝25cと重なる位置に示す油孔1e参照)。
このように、主軸受2は、アッパー側軸受10及びロア側軸受20に油溝15・25を形成することで、アッパー側軸受10の内周面10aと油孔1eとが対向している間だけでなく、ロア側軸受20の内周面20aと油孔1eとが対向している間もクランクピン1cに潤滑油を供給可能な構成としている。これにより、主軸受2は、クランクピン1cにより多くの潤滑油を供給することができる。このため、主軸受2は、クランクピン1cの温度上昇を抑制することができ、ひいてはクランクピン1cにおいて焼き付き等の不具合が発生することを抑制できる。
また、ロア側軸受20には、重力等の影響でアッパー側軸受10よりも大きな荷重が作用する。そこで、本実施形態に係るロア側軸受20は、アッパー側軸受10の油溝15の溝幅Wよりも狭い溝幅W1・W3の第一の油溝25a及び第三の油溝25c等を形成することで、クランクジャーナル1aとの摺動面の面積(内周面20aの油溝25が形成されていない部分の面積)が必要以上に小さくならないようにしている。これによれば、ロア側軸受20は、面圧が上がることを防止できるため、クラック等の不具合の発生を抑制することができる。
以上のように、主軸受2は、溝幅が狭い油溝25を形成することで、クラック等の発生の抑制と、クランクピン1c(連通油路1d)への潤滑油の供給量の増加とを両立することができる。
また、ロア側軸受20の底部20b近傍には、前記重力等の影響で、特に高い荷重が作用し易い。また、ロア側軸受20の上流側には、下流側よりも高い荷重が作用し易い。そこで、本実施形態に係るロア側軸受20は、油溝25がロア側軸受20の底部20bよりも下流側に配置されるようにして、底部20b近傍及び上流側に油溝25が形成されないようにしている。これによって、ロア側軸受20は、底部20b近傍及び上流側におけるクランクジャーナル1aとの摺動面の面積が小さくならないようにしている。これによれば、ロア側軸受20は、底部20b近傍及び上流側における面圧が上がることを防止できるため、底部20b近傍及び上流側でクラック等の不具合が発生することを抑制できる。
また、主軸受2は、第二の油溝25bの溝幅W2よりも溝幅W1が狭い第一の油溝25aを形成することで、クランクジャーナル1aとの摺動面積を確保することができるため、クラック等の発生を効果的に抑制することができる。
ここで、ロア側軸受20の油溝25に流入した潤滑油は、ロア側軸受20の下流側の端部(下流側面取り部21a及び下流側クラッシュリリーフ23)と連通する部分からアッパー側軸受10の油溝15等に流通する。すなわち、前記ロア側軸受20の下流側の端部と連通する部分は、ロア側軸受20の油溝25における潤滑油の出口となる部分である。本実施形態に係る油溝25は、前記潤滑油の出口となる部分に溝幅W3が狭い第三の油溝25cが配置されるようにしている。これにより、ロア側軸受20は、溝幅W2が広い第二の油溝25bとロア側軸受20の下流側の端部とを連通させないようにして、前記潤滑油の出口の幅(断面積)を狭くしている。これによって、ロア側軸受20は、油溝25から潤滑油を流出し難くする、すなわち油溝25内に潤滑油を留め易くすることができる。
これによれば、ロア側軸受20は、油溝25内における潤滑油の圧力を上昇させることができるため、油孔1eに潤滑油を流入させ易くすることができる。これによって、ロア側軸受20は、溝幅W2が広い第二の油溝25bと下流側の端部とを連通させた場合等と比較して、効率的にクランクピン1cに潤滑油を供給することができる。
また、本実施形態に係るロア側軸受20は、第二の油溝25bとロア側軸受20の上流側の端部とを連通させないようにして、潤滑油が油溝25から漏れ難くなるようにしている。これによって、ロア側軸受20は、溝幅W2が広い第二の油溝25bと上流側の端部とを連通させた場合等と比較して、効率的にクランクピン1cに潤滑油を供給することができる。
一般的に、一つの油孔1eを有するクランクシャフト1(I孔タイプのクランクシャフト)は、クランクジャーナル1aに複数の油孔が形成される所謂V孔タイプのクランクシャフトと比較して、ロア側軸受20の内周面20aと油孔1eとが対向している間、クランクピン1cに潤滑油が供給され難くなる。このようなI孔タイプのクランクシャフト1を本実施形態に係る主軸受2で支持すれば、ロア側軸受20の内周面20aと連通油路1dの油孔1eとが対向している間もある程度の量の潤滑油をクランクピン1cに供給することができる。このため、主軸受2は、I孔タイプのクランクシャフトを支持することで、クランクピン1cにおいて焼き付き等の不具合が発生することを効果的に抑制できる。
以上の如く、第一実施形態に係る主軸受2(すべり軸受)は、連通油路1d(油通路)を有した回転可能なクランクジャーナル1a(軸部材)を内周面10a(上側内周面)で支持するアッパー側軸受10(上側半円筒状軸受)と、前記アッパー側軸受10と突き合わされ、内周面20a(下側内周面)で前記クランクジャーナル1aを支持するロア側軸受20(下側半円筒状軸受)と、を具備し、前記アッパー側軸受10の内周面10aには、クランクジャーナル1aの回転方向に沿って延び、前記クランクジャーナル1aの連通油路1dに潤滑油を供給する油溝15(上側油溝)が形成され、前記ロア側軸受20の内周面20aには、前記回転方向に沿って延び、前記クランクジャーナル1aの連通油路1dに潤滑油を供給する油溝25(下側油溝)が形成され、前記油溝25は、少なくとも一部の溝幅が前記油溝15の溝幅Wよりも狭いものである。
このように構成することにより、クラックの発生を抑制することと、クランクジャーナル1aの連通油路1dに供給する潤滑油の量を増加させることとを両立することができる。
また、前記油溝25は、溝幅W1が前記油溝15の溝幅Wよりも狭い第一の油溝25aと、前記第一の油溝25aと連通され、溝幅W2が前記第一の油溝25aの溝幅W1よりも広い第二の油溝25bと、を具備するものである。
このように構成することにより、クランクジャーナル1aの連通油路1dに供給する潤滑油の量を増加させることができる。
また、前記第二の油溝25bは、前記ロア側軸受20前記の回転方向における端部と連通しないように形成されるものである。
このように構成することにより、クランクジャーナル1aの連通油路1dに効率的に潤滑油を供給することができる。
また、前記油溝25は、一端部が前記内周面20aの回転方向における下流側端部と連通されると共に他端部が前記第二の油溝25bと連通され、溝幅W3が前記第二の油溝25bの溝幅W2よりも狭い第三の油溝25cをさらに具備するものである。
このように構成することにより、クランクジャーナル1aの連通油路1dに効率的に潤滑油を供給することができる。
また、前記油溝25は、前記ロア側軸受20の底部20bよりも前記回転方向における下流側に配置されるものである。
このように構成することにより、クラックの発生を抑制することができる。
なお、本実施形態に係る主軸受2は、本発明に係るすべり軸受の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るアッパー側軸受10は、本発明に係る上側半円筒状軸受の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るアッパー側軸受10の内周面10aは、本発明に係る上側内周面の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るアッパー側軸受10の油溝15は、本発明に係る上側油溝の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るロア側軸受20は、本発明に係る下側半円筒状軸受の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るロア側軸受20の内周面20aは、本発明に係る下側内周面の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るロア側軸受20の油溝25は、本発明に係る下側油溝の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るクランクジャーナル1aは、本発明に係る軸部材の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る連通油路1dは、本発明に係る油通路の実施の一形態である。
また、本実施形態における矢印A方向(背面視時計回り方向)は、本発明に係る軸部材の回転方向に対応する。
また、本実施形態に係るアッパー側軸受10は、本発明に係る上側半円筒状軸受の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るアッパー側軸受10の内周面10aは、本発明に係る上側内周面の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るアッパー側軸受10の油溝15は、本発明に係る上側油溝の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るロア側軸受20は、本発明に係る下側半円筒状軸受の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るロア側軸受20の内周面20aは、本発明に係る下側内周面の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るロア側軸受20の油溝25は、本発明に係る下側油溝の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るクランクジャーナル1aは、本発明に係る軸部材の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る連通油路1dは、本発明に係る油通路の実施の一形態である。
また、本実施形態における矢印A方向(背面視時計回り方向)は、本発明に係る軸部材の回転方向に対応する。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態に係るロア側軸受20の油溝25は、第一の油溝25a、第二の油溝25b及び第三の油溝25cを具備するものとしたが、本発明に係る下側油溝はこれに限定されるものでない。すなわち、本発明に係る下側油溝は、図7(a)に示す第一変形例に係るロア側軸受120の油溝125のように、溝幅が一定の溝(一本の溝)であっても良い。この場合、油溝125の溝幅は、上側半円筒状軸受の油溝の溝幅よりも狭いものであれば良い。
また、本実施形態に係るロア側軸受20の油溝25は、ロア側軸受20の下流側の端部から底部20bよりも下流側までに亘って形成されるものとしたが、本発明に係る下側油溝は、これに限定されるものでない。本発明に係る下側油溝は、図7(a)に示す第一変形例に係るロア側軸受120の油溝125のように、内周面120aの上流側の端部から下流側の端部に亘って形成されるものであっても良い。また、本発明に係る下側油溝は、下側半円筒状軸受の上流側及び下流側の端部と連通しないものであっても良い。
また、本発明に係る下側油溝の形状は、本実施形態に限定されるものでなく、図7及び図8に示す第二変形例から第四変形例に係る油溝225・325・425等のような形状であっても良い。
図7(b)に示す第二変形例に係るロア側軸受220の油溝225は、内周面220aの上流側から下流側に向かうにつれて溝幅が広くなるような平面視略台形状に形成される。
図7(c)に示す第三変形例に係るロア側軸受320の油溝325は、第一の油溝325a及び第二の油溝325bを具備する。第一の油溝325aの溝幅は、第二の油溝325bの溝幅よりも狭くなるように形成される。第二の油溝325bは、内周面320aの下流側の端部と連通する。
図8に示す第四変形例に係るロア側軸受420の油溝425は、内周面420aに沿って延びる複数の細溝425aによって構成される。細溝425aの間には、先端部が尖った凸部426が形成される。当該凸部426は、クランクジャーナル1aと摺動する。このような油溝425の溝幅は、細溝425aの前後方向幅を合算したものとなる。
図7(c)に示す第三変形例に係るロア側軸受320の油溝325は、第一の油溝325a及び第二の油溝325bを具備する。第一の油溝325aの溝幅は、第二の油溝325bの溝幅よりも狭くなるように形成される。第二の油溝325bは、内周面320aの下流側の端部と連通する。
図8に示す第四変形例に係るロア側軸受420の油溝425は、内周面420aに沿って延びる複数の細溝425aによって構成される。細溝425aの間には、先端部が尖った凸部426が形成される。当該凸部426は、クランクジャーナル1aと摺動する。このような油溝425の溝幅は、細溝425aの前後方向幅を合算したものとなる。
また、本発明に係る第一の油溝、第二の油溝及び第三の油溝の形状は、本実施形態に限定されるものでない。すなわち、本発明に係る第一の油溝、第二の油溝及び第三の油溝の形状は、第二変形例に係る油溝225や第四変形例に係る油溝425のような形状であっても良い。また、本発明に係る第一の油溝、第二の油溝及び第三の油溝の形状は、平面視略円状や平面視略楕円状に形成されるものであっても良い。
また、本実施形態に係る油溝25は、内周面20aの前後中央部に形成されるものとしたが、本発明に係る下側油溝の前後方向における位置はこれに限定されるものでなく、連通油路1dの油孔1eと対向可能であれば、内周面20aの前部や後部に形成されても良い。
また、本実施形態に係る第一の油溝25aの溝幅W1は、アッパー側軸受10の油溝15の溝幅Wよりも10%以上狭いものとしたが、本発明に係る第一の油溝の溝幅は、これに限定されるものでない。すなわち、本発明に係る第一の油溝の溝幅は、アッパー側軸受10の油溝15の溝幅Wよりも狭ければ、10%以上狭いものでなくても良い(例えば、1%程度狭いものであっても良い)。
また、本実施形態に係る第二の油溝25bの溝幅W2は、第一の油溝25aの溝幅W1よりも10%以上広いものとしたが、本発明に係る第二の油溝の溝幅は、これに限定されるものでない。すなわち、本発明に係る第二の油溝の溝幅は、第一の油溝25aの溝幅W1よりも広ければ、10%以上広いものでなくても良い(例えば、1%程度広いものであっても良い)。また、第二の油溝25bの溝幅W2は、アッパー側軸受10の油溝15よりも広いものであっても良い。
また、本実施形態に係る第三の油溝25cの溝幅W3は、第一の油溝25aの溝幅W1と略同一となるように形成されるものとしたが、本発明に係る第三の油溝の溝幅はこれに限定されるものでない。すなわち、本発明に係る第三の油溝の溝幅は、第二の油溝25bの溝幅W2よりも狭ければ、第一の油溝25aの溝幅W1よりも広い(又は狭い)ものであっても良い。
また、本発明に係る第一の油溝、第二の油溝及び第三の油溝は、互いに連通していれば、その前後中央部が前後方向にずれた位置に配置されていても良い。
また、本実施形態に係る主軸受2は、クランクジャーナル1aを支持するものとしたが、本発明に係るすべり軸受が支持する対象となる部材はクランクジャーナル1aに限定されるものでない。すなわち、本発明に係るすべり軸受は、コンロッド5等を支持するものであっても良い。
1 クランクシャフト(軸部材)
1d 連通油路(油通路)
2 主軸受(すべり軸受)
10 アッパー側軸受(上側半円筒状軸受)
10a 内周面(上側内周面)
15 油溝(上側油溝)
20 ロア側軸受(下側半円状軸受)
20a 内周面(下側内周面)
25 油溝(下側油溝)
1d 連通油路(油通路)
2 主軸受(すべり軸受)
10 アッパー側軸受(上側半円筒状軸受)
10a 内周面(上側内周面)
15 油溝(上側油溝)
20 ロア側軸受(下側半円状軸受)
20a 内周面(下側内周面)
25 油溝(下側油溝)
Claims (5)
- 油通路を有した回転可能な軸部材を上側内周面で支持する上側半円筒状軸受と、
前記上側半円筒状軸受と突き合わされ、下側内周面で前記軸部材を支持する下側半円筒状軸受と、
を具備し、
前記上側内周面には、
前記軸部材の回転方向に沿って延び、前記軸部材の油通路に潤滑油を供給する上側油溝が形成され、
前記下側内周面には、
前記回転方向に沿って延び、前記軸部材の油通路に潤滑油を供給する下側油溝が形成され、
前記下側油溝は、
少なくとも一部の溝幅が前記上側油溝の溝幅よりも狭い、
すべり軸受。 - 前記下側油溝は、
溝幅が前記上側油溝の溝幅よりも狭い第一の油溝と、
前記第一の油溝と連通され、溝幅が前記第一の油溝の溝幅よりも広い第二の油溝と、
を具備する、
請求項1に記載のすべり軸受。 - 前記第二の油溝は、
前記下側半円筒状軸受の前記回転方向における端部と連通しないように形成される、
請求項2に記載のすべり軸受。 - 前記下側油溝は、
一端部が前記下側内周面の前記回転方向における下流側端部と連通されると共に他端部が前記第二の油溝と連通され、溝幅が前記第二の油溝の溝幅よりも狭い第三の油溝をさらに具備する、
請求項2又は請求項3に記載のすべり軸受。 - 前記下側油溝は、
前記下側半円筒状軸受の底部よりも前記回転方向における下流側に配置される、
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のすべり軸受。
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